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【閲覧注意】ここだけ全てを喪った|あにまん掲示板
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【閲覧注意】ここだけ全てを喪った

  • 1二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 21:52:27

    dice1d162=109 (109)

  • 2二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 21:53:32

    洒落にならん洒落にならん

  • 3二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 21:53:44

    カスミ……
    部員……
    温泉……

  • 4二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:47:43

    ─夢を見ていた。
    長く永く続く、痛く苦しく辛い夢。
    虚ろな気分で目を開けた私は、暫く見知らぬ天井を眺めていた。

    メグ「…ここは…?」
    看護師「あっ目が覚めたんですね!良かった…大丈夫ですか?自分の名前、わかりますか?」
    メグ「…下倉、メグ…」

    看護師からの問を受け、私は自分の名前を答えた。

    メグ「…あの、なんで私…ここに…?」
    看護師「…覚えてないんですね。…仕方ありません。一年近く眠っていたんですから」
    メグ「…え?」

    暫しの時間、その言葉が正しい意味を持つ言葉であると認識できなかった。

    一年近く…眠ってた?

    何か嫌な予感がする。寒気が身体中を駆け巡る。思い出せ、私は最後に何をしてた?そうだ、私は─

    メグ「…温泉開発部の、みんなは…?」
    看護師「………」

    その沈黙は、残酷な答えを伝えているかのように感じられた。

    看護師「…残念ですが、あの場から助けられたのは…あなただけです」

    …頭で思い浮かべた答えと、同じ回答が返ってきた。
    部長も、みんなも…いない?
    それを認識した瞬間、心にヒビが入るような音が聞こえた。

  • 5二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:49:03

    メグ「…お、温泉…は?」
    看護師「…お風呂、ですか?…残念ですが、その状態だと…」

    私の頭の中は一瞬のうちに疑問符で埋まった。
    その状態?どういうこと?

    看護師「…なんとか、助けることはできました。しかし、両足と左腕は…どうにもならず…」

    心のヒビが、更にその範囲を広げたように感じた。
    両足と左の腕に意識を集中してみると、そこに確かにあるようにも思える。しかし、同時にそこにはないようにも思えて─

    看護師「…義肢をつけてもらっています。慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、きっとまた動かせるようになります。…ただ…お風呂には、基本的に入れなくなるかと…」

    絶望。
    メグの心を、その二文字が襲う。

    メグ「あ、あぁ…!」
    看護師「メグさん…!」
    メグ「あああああぁぁぁぁァァァァァァァァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッッッ!!!!!」
    看護師「メグさん!落ち着いてください、メグさんッ!」

    なんだよ。なんなんだよ。
    カスミ部長でも、ヒナ委員長でもいい。
    誰でもいい、誰でもいいから。
    これは夢だと、笑ってよ。


    よくわかりませんがこういうことでしょうか?
    ひとまずこれだけ置いておきます

  • 6二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:50:15

    おのれ雷帝!!(あてつけ)

  • 7二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:56:36

    >>4

    >>5

    かわい……間違えた可哀想

  • 8二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:33:01

    衝動のままに書いたはいいがバッドエンドは嫌だと感じている…なんとか救ってあげたい

  • 9二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 00:34:08

    テラー化してもおかしくないだろこれ

    …メグがテラー化したらどうなるんだ?

  • 10二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 00:38:59

    殺してやるぞ地下生活者(残当なとばっちり)

  • 11二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 08:29:17

    保守

  • 12二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 08:53:36

    >>10

    前科者なせいで擁護不可能

  • 13二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:39:56

    >>4

    >>5

    書いた人間ですが救いが欲しいので拙作でしょうが色々書いていきます

    ひとまず保守代わりとして

  • 14二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:47:36

    殺してやるぞベアトリーチェ(残当なとばっちり)

  • 15二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:32:25

    >>10

    >>14

    でたな、ブルアカ2大カス野郎

  • 16二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:38:41

    ヒナも死んでそう

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:45:39

    ま、今まで悪いことしてきたから自業自得だな。
    うちのシャーレに来ないし。

  • 18二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:46:42

    >>15

    親の顔より見た胸糞悪い大人

  • 19二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 22:33:21

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 23:18:39

    ─目を覚ましてから、3ヶ月程の時間が流れた。初めは覚束無かった義肢の扱いも、今となってはかつての自分の手足と同じように扱える。これなら銃撃戦も問題なくこなせそうだ。

    メグ「…うん、大丈夫っぽい。ありがとうハナエ」
    ハナエ「これくらい当然のことです!」

    私を助けてくれたのはトリニティの救護騎士団所属だった『朝顔ハナエ』。この1年と3ヶ月、彼女にはとてもお世話になってしまった。この身体になってから温泉はおろかシャワーも浴びれなくなった私の体を拭いてくれたりもしてくれた。本当に感謝しかない。

    メグ「…よし、それじゃ他の生存者を探しに行こっか」
    ハナエ「はい!」

    カスミ部長も部員のみんなも、大好きだった温泉も…何もかも喪ってしまった。だからこそ私はまだ残っているものが何処かにないかと、キヴォトスを探し回ることにした。

    ─探し回ること9ヶ月…結果として、何かを見つけることはできなかった。
    ゲヘナは見るも無惨な状態で、記憶の中の光景が嘘のようにも感じられた。生き残った人は誰もいないだろうことは、その光景だけで十分わかった。
    他の場所も言わずもがなだ。どうやら私が眠ってしまったあの日に…このキヴォトスは滅んでしまったのだろう。この9ヶ月…いや2年もの間ずっとついてきていたハナエは、文句の1つも言わないどころか、私のことを気にかけてくれている。今の私を心配しても、何も返せやしないのにね。

    メグ「…?…なんだろ、アレ?」

    ふと視界に見覚えのないものが映った。遺跡のようにも洞窟のようにもとれるそれは、ただそこにあるだけのはずなのに、異様な存在感を放っていた。

    ハナエ「…なんでしょうか、これ…」
    メグ「………」

    私の本能は、警鐘を鳴らしていた。『やめておけ』と、そんな声が脳内に響く。しかし今更何が起ころうと、何も怖くない。私にはもう、何も残っていないのだから。

    臆せず1歩踏み出し、謎の建造物の中に足を踏み入れる。ハナエの引き止める声も気にせず、奥へ奥へと進んでいく。中は明かりのない真っ暗闇。それでも道は真っ直ぐなようだ。2人分の足音が響く穴の中を、私は歩いていく。
    ─そこから暫く歩くと仄かな光が見えてきた。進む事に光は少しづつ強くなっていき、やがて私は外へ出た。

    …目の前に広がる光景に、私は目を疑った。そこにあったのは、もう喪われたはずの…あの頃のキヴォトスだった。

  • 21二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 01:39:40

    2人の服装について
    メグ:義肢を隠すため足はパンツスーツとブーツ、左手にはグローブを嵌めて腰に巻いていたコートを
    しっかりと着ている(ボタンは留めてない)。上の白いタンクトップやメグマパワー!及びそれ用のガスボンベなどはそのまま。

    ハナエ:特に変わらず。敢えて挙げるなら格好が少し大人びている。

    Q.何故ハナエ?
    A.看護師の口調から逆算。後トリニティの子と絡ませたかった。

  • 22二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 07:01:19

    「いらっしゃいませー!出来たてだよー!」

    自分たちの歩いてきたあの世界が嘘に感じられるほど、平和な世界がそこには広がっていた。

    メグ「ここ、確か百鬼夜行連合学園…だったっけ?」
    ハナエ「そうですね、どうやら今お祭りの真っ最中らしいですよ!」

    賑やかな街並み、楽しげな声…それに包まれていると、どこか暗い感情を覚えてしまう。かつての自分なら、抱かなかったであろう…そんな感情を。

    ハナエ「あ!見てください!お面がありますよ!」

    物思いにふけっていると、ハナエからそう声を掛けられる。どうやらそこはお面屋のようで、色々な種類のお面が並べられていた。

    「いらっしゃい!君たち、百鬼夜行の生徒じゃないでしょ?」
    メグ「…まぁ、そうだね」
    「百鬼夜行のお祭りといえばお面だよ!どうだい?お友達とお揃いってのもありだよ!」

    お面屋にそう促され、私はポケットを弄る。
    お金は持っている。お面を買うだけのお金自体はあるけど…。

    ハナエ「メグさん!私これ欲しいです!お揃いにしましょう?」

    ハナエにそう促される。…まぁどうせ大した金額でもないしいっか。

    「ありがとねー!」

    店主は活き活きとした声を発する。私は少し歩いて人混みとは無縁の場所へとやってきた。

  • 23二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 13:13:07

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:30:24

    ハナエ「ここから先、私たちはこのお面を被って行動しましょう」
    メグ「え?なんで?」

    ハナエの唐突な発案に、私は首を傾げた。

    ハナエ「…ここが何処かはわかりませんが…この世界が過去のキヴォトスだとするならば、この世界には過去の私たちがいることになります。もしもこの世界の私たちと出会ってしまったら、大きな騒ぎになりそうなので…」
    メグ「なるほど…」

    単純にそこまでは及びがつかなかった。しかしこの世界の自分に迷惑をかけてしまっては、面倒なことになりそうなのは確かだ。

    メグ「わかった、そうしよっか」
    ハナエ「はい!」

    ─それにしても、これからどうしようか。
    あの謎の建造物は私が外に出た瞬間、跡形もなく消え去っていた。元の世界に帰る手段は、現状ないも同然だ。いっそこのままこの世界で生きるというのも─

    「…本当にそれでいいのですか?」

  • 25二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:36:41

    ハナエの心の中も悲惨なことになってそう
    キヴォトスが滅んだってことはゲヘナだけではなくトリニティも滅んだってことに…?

  • 26二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:37:28

    メグ「…?」

    何処かから声が聞こえた気がした。明らかにハナエの声ではない声だった。

    「この世界は、あなたの世界ではないのですよ?」

    心の中に話しかけられているような感覚。耳を塞ごうとも、その声は私の心に響いてくる。

    ハナエ「…メグさん?」

    隣から私を心配する声が聞こえる。それでも、その声は私の心を揺らしてくる。

    メグ「…だったら、どうすればいいのさ…!」
    「簡単です。あなたが全てを奪われたというのなら、またどこかから奪えばいいのです…。例えば、この世界から」
    メグ「………」
    「…自分は全てを喪ったのに、周りの人間は自分の幸せをひけらかす…先程のそんな光景に、悪感情を抱いたことは確かなことのはずですよ」
    メグ「…それは…そう、だけど…」
    「…ヒヒッ、であるならば…やることは1つのはず…!」
    メグ「………私、は…」

  • 27二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:39:12

    ハナエ「メグさんッ!!」

    必死に私を呼ぶその声が、私を現実へ引き戻した。

    ハナエ「…大丈夫ですか…?凄く怖い顔してましたよ?」
    メグ「…あ…ごめん、大丈夫だよ」

    …そうは言ったものの、メグの頭の中では先程の謎の声が発したとある言葉が何度も反唱されていた。

    『あなたが全てを奪われたというのなら、またどこかから奪えばいいのです』

    それが赦されるのなら、それしかないのかもしれないと…少しでも思ってしまう心があった。

  • 28二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:48:12

    >>25

    どっかで描写しますがハナエにはまだ残っているものがありますので全てを喪っているわけではありません

    後トリニティももちろん壊滅状態です

  • 29二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:53:24

    氏ね地下生活者

  • 30二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 22:04:21

    まぁこの笑い方はあいつだよなぁ...

  • 31二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 22:05:59

    どうする兄ちゃん、クロコる?クロコる?

  • 32二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 02:12:57

    保守ついでに

    1度とんでもない絶望をした為メグの性格や考え方が本編とは若干(もしかするとところどころデカイかも)異なってます

  • 33二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 09:07:31

    ─百鬼夜行連合学園から離れた2人は、トリニティの自治区にやってきていた。別に誰か会いたいとかそういった訳じゃない。ただ歩いていたら辿り着いただけだ。

    ハナエ「…久しぶりに見た気がします…」
    メグ「…だろうね」

    最後に見たのは恐らく2年前だろう…トリニティ総合学園の校舎を、ハナエは見つめている。…しかし、昔を懐かしんでばかりもいられない。

    私は寝床の確保に急いでいた。少なくとも拠点たとなる場所は必要不可欠だ。幸いお金は十二分にある。いざとなれば住処を売ってもらうこともできないわけではないはずだ。

    メグ「流石にこれは力づくでは難しいよねー…」

    そう考えたメグの脳内を、あの言葉が駆け巡る。

    『あなたが全てを奪われたというのなら、またどこかから奪えばいいのです』

    …その言葉は、何度否定しても頭の中に浮かび上がってくる。まるで、私自身がそれを望んでいるみたいな…。

    メグ「…そんなわけない」

    私は自分の心の中に響く言葉に、弱々しくそう返すことしか出来なかった。

  • 34二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 09:09:00

    ハナエ「…思ったんですけど、建物である必要はないんじゃないんでしょうか?」
    メグ「…どういうこと?」

    ハナエが指を差した先では装甲車両が売られていた。値段は高めだが、休める程度のスペースはありそうだ。それに、移動もかなり楽になる。…運転はあまりしたことがないが、まぁ大丈夫だろう。

    メグ「…今日はもう寝よっか。布団とかはないけど…」
    ハナエ「それならさっき買ってきましたよ!」

    いつの間に。とも思ったが車を実際に買うまで少し時間も空いていたし、その間に色々買ってくれたのだろう。
    …それにしても、どうして彼女は私にここまで尽くすのだろう。私から返せるものは何一つないし、今までだって何も返してないのに。

  • 35二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 14:22:50

    ─翌朝、腹ごしらえを済ませた私はシャーレへと向かっていた。ひとまず先生には自分たちのことを話しておいた方がいい、というハナエの提案あっての行動だ。
    アポは取れていない、というか取れるわけがないので取り合ってくれるかだけが不安だけど…そこはもうどうとでもなれと言う他ない。
    ひとまずシャーレへやってきた私たちは警備員にら先生に会いたいということを真正面から伝えてみる。しかし、仮面を被った不審者の要求など通してもらえるはずもない。

    ハナエ「…そんな気はしてましたけどね…」

    そうなるとこれからどうするか。何かいい方法は…。

    メグ「…先生に会えないなら、先生に会いに来てもらえばいいんじゃないかな?」
    ハナエ「え?」

    そうだ。これなら私の知ってる先生ならきっと来てくれるはずだ。

  • 36二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:42:17

    どのタイミングに戻ってきたのかな
    地下生活者が毒電波出しているからアビドス3章前かな?

    とりま地下生活者は氏 ね

  • 37二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 00:04:39

    というか別世界?から来たはずのメグの存在を即座に把握してるっぽい感じなのはどういうわけなんだろう

  • 38二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 05:27:29

    “…これで全部かな”
    ヒナ「お疲れ様、先生」

    シャーレでの仕事を終え、今日の当番である『空崎ヒナ』が労いの言葉を掛けてくる。

    “最近のゲヘナはどう?”
    ヒナ「そこまで大きな騒ぎは起こってないわ。何も起きてないわけじゃないけれど…」
    “あはは、まぁそうだろうね”
    ヒナ「私がいなくなった後のゲヘナ風紀委員会がどうなるかはわからないけれど…後輩に頼らないというのも危ういからね。ある程度は任せるつもりよ」

    そんな他愛もない話をしていると、外から何か騒ぎ声が聞こえてくる。なんだろうと思っていると次いで電話がかかってくる。

    キリノ「せ、先生!助けてください!」
    “どうしたの!?”
    キリノ「と、突然お面をつけた生徒が暴れ出して…」
    “お面ってことは…ワカモ?”
    キリノ「い、いえ…!服装からしてゲヘナの生徒のようなのですが…!」
    ヒナ「…はぁ…。後輩に任せっきりというわけにもいかないわね。私が行くわ」
    “…いや、私も行くよ”
    ヒナ「…わかったわ」
    “…キリノ、場所は?”
    キリノ「それが…シャーレの目の前でして…!」

    思わず二人して『え?』という素っ頓狂な声を出してしまった。

  • 39二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 13:42:21

    一方その頃、メグは─

    ハナエ「本当にこれで大丈夫なんでしょうかー!?」
    メグ「騒ぎが起これば先生は来るはずだよ」

    押し寄せるヴァルキューレの生徒たちを火炎放射で一掃していた。

    「あちちちちっ!!」
    「あいつ、強いぞ!?あんなもの背負ってるのに速いし!」

    メグマパワーを振るうメグはふと昔を懐かしむ。自由気ままに温泉を開発し、邪魔するものを撤去していたあの頃を。今となってはもう戻ってこない日々だ。あの頃に戻りたいとは、何度も思った。それが叶った結果が今なのかもしれないが、今のメグには、温泉開発に対する情熱はこれっぽっちも残されていない。それはきっと、あの日に全てなくしてしまったものだ。取り戻せるわけもない。

    メグ(…こんな体じゃ、温泉を楽しめないしね)
    ハナエ「…というかメグさん?こんな騒ぎを起こして、先生と話なんてできるんですか?シャーレの当番の人が、それを許すとは思えませんけど…」
    メグ「………」
    ハナエ「…メグさん?」
    メグ「…そこまで考えてなかった」

    危なかった。これがギャグ漫画だったなら勢いよくズッコケていたと思う。

    ハナエ「考え無しにあんな騒ぎを起こしたんですか!?」
    メグ「だってそれ以外に思いつかなかったし!」
    ハナエ「どうするんですか!これで当番が団長だったり…いや、この世界の私たちの可能性だってあるんですよ!?」
    メグ「お面つけてるからバレないよ、多分!」
    ハナエ「そういう問題じゃ…!」

    そんなやり取りをしていると、急激な寒気が全身を走る。直後、まるでビームのような勢いのマシンガンが発射される。それを躱して、攻撃がされた方向に目を向ける。

    ヒナ「…シャーレにまで来て、問題を起こさないでくれるかしら?」

  • 40二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 14:14:44

    二人は心の中で頭を抱えた。そっかー、今日の当番ヒナ委員長だったかー…。

    メグ「(…私にとっては、2年振りの再会だけど…昔を懐かしんじゃいられないか…)…シャーレの先生に会いたいんだ。」
    ヒナ「こんな騒ぎを起こしておいて、そんな要求が通ると思っているの?」
    ハナエ「ほら言ったじゃないですか…ヒナさん、すっごく怒ってますよ?」
    メグ「…先生が生徒を一人で戦わせるわけがない。少なくとも、私たちの知ってる先生はそうだったでしょ?」
    ハナエ「…そうですけど…それってつまり…」
    メグ「…先生が来るまで持ち堪える。それしかない」
    ハナエ「だ、大丈夫なんでしょうか…?」
    ヒナ「…どうやら協力者がいるようね。何処にいるのかまではわからないけど。…まぁいいわ。ひとまずあなたから大人しくしてもらう」

    直後向けられた銃口から無数の弾丸が発射される。停められていた車を盾にして、体勢を整え、一気に突っ込む。

    メグ(結局のところ、銃口のあるところからしか弾丸は出せない…!逃げたらその分攻撃範囲は広がる…なら、付かず離れずの距離を保って戦う!)

    銃口を避けるように動きながら接近戦を仕掛けにかかる。しかしメグの狙いを察知したヒナは即座に距離を取る。それを見てメグは予備の拳銃を二発撃ち込む。

    メグ「…さすがヒナ委員長…!」

    デストロイヤーの銃口が再びメグに向けられる。銃を撃った反動からか、一瞬回避行動が遅れてしまう。

    メグ「…あっ…!」
    ヒナ「…!?」

    結果として、まともに食らうことは避けられた。しかし、躱しきることは出来ず、義手が破壊されてしまう。

    メグ「…あちゃあ…これは少し厳しいかな。」
    ヒナ「…あなた、その腕…」
    “ヒナ!”

  • 41二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 14:16:28

    ヒナの名前を呼ぶ、聞き覚えのない声がする。

    ハナエ「あの人が先生…でしょうか?男の人なんですね…?」
    メグ「…そうだとしたら、この世界が私たちの世界とは違う世界だってことが証明されたってことでいいよね」
    ハナエ「…そうですね。それにしてもここからどうします?」
    “大丈夫?ヒナ”
    ヒナ「…えぇ、私は大丈夫。でも…」
    “…あ、あの子…腕が…!?”
    ヒナ「…義手だったみたい。…ゲヘナに義手の生徒なんて、いなかったと思うのだけれど…」

    先生はその生徒を見つめる。赤い髪に黒いコート、そして火炎放射器とガスボンベ…。

    “…んん?”
    ヒナ「…先生?」
    メグ「…先生、少しお時間くれないかな?話したいことがあって…」
    “え?私?”

    どうやら目的は私だったようだ。一体何の用なのだろう。

    ヒナ「待って先生、話を聞くのは捕まえてからでも遅くないわ」
    “…でもヒナ…あの子、なんだかメグに似てない?”
    ヒナ「…メグ?………確かに、特徴だけ見ればそうだけど…でもそれはそれでどうしてこんなことをしたのかって疑問が出てくるし、何より、あの腕は…」
    メグ「…それについても、話すつもりだから。…お願い」
    “………わかった”
    ヒナ「…先生…!」
    “…大丈夫だよ。あの子は悪い子じゃないはずだから”

    根拠はないが確信はあった。
    その言葉を聞いて、メグは胸を撫で下ろした。

  • 42二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 16:23:40

    セリフからもわかる通りメグたちの世界の先生は女先生です

  • 43二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:04:07

    義手はナノマシンとかで自己修復機能はないのかな

  • 44二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:02:11

    ヒナ「…ひとまず、二人とも…そのお面は外してくれないかしら?」

    シャーレのオフィス内、ヒナに促されて二人はつけていたお面を外す。

    “…うん、やっぱりメグだ。…そっちの子は…ハナエかな?”
    ハナエ「…はい、ごめんなさい。先生…どうしても先生と話をしたくて…」
    メグ「ハナエが謝る必要なんてないよ。提案したのも実行したのも私だし」
    ヒナ「…メグ…なのよね?あなた」
    メグ「…そうだよ。キミの知ってる私ではないけどね」

    ヒナがそう聞いた理由は、単純に自分の中の下倉メグと目の前にいる人間の印象が全く違って見えたからだ。
    ただ別世界から来た人間というのは、砂狼シロコの例もあるしありえない話ではない。…とすると、このメグたちの世界も…。

    “…ねぇメグ、どうしてこの世界に来たのか…教えてくれないかな?”
    メグ「…それは…実は、私もよくわからなくて…」
    “…じゃあ、わかることでいいから…何があったか話してほしい”
    ハナエ「…わかりました。本当にわかることだけ…ですが」

  • 45二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 15:17:46

    保守

  • 46二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:51:02

    保守

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