- 1二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:31:50
- 2二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:43:49
(これ、もう始めていいの?)
- 3二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:45:29
そういうと夜空に瞬く天体は徐々に大きくなったかと思うと、それは爆撃を思わすような轟音を引き連れ大地へやってきた。
- 4二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:03:48
「な、、、何だ?」
と、土ぼこりから目を開けせき込み、収まったところで目を開けた。 - 5二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:04:52
「僕が一番乗り?やった!簡易データでしか見たことなかったけど“底鉱”ってほんとうに何もないや!」
- 6二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:10:36
「よかった……ようやく来てくれたのね。初めていい、って祈ったらホントに来るとは半信半疑だったけど」
- 7二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:16:23
少女は少年(?)に告げる。
「せっかく来てもらったのはありがたいけど、“底鉱”についてあなたはどれくらい知ってるの?」 - 8二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:20:22
「抵抗? そんなのもちろん知ってるさ! 物に抗う……あー、力? そう、力! そんな感じだろ?」
- 9二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:23:48
背後からの声に謎めいた少年はゆらりと振り返った。
「“底鉱”は二十八万六百九のワシモ星雲に十二パーセントしか存在しない、地表が固体で形成された惑星だよ。君はだぁれ?」 - 10二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:25:38
「その、王子……星の王子さまとでも名乗るぜ! いわば、この星の真の支配者であーる!」
- 11二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 23:36:26
星の王子と名乗った男は、先程の衝突で吹き砕かれた瓦礫の上で上を組んでこれでもかと仰け反った。
- 12二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 00:26:04
「祈ってきた私が言うのもなんだけど……あなた、どうして来たのかしら?」
- 13二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 09:10:28
そう問われると自称:星の王子様はムフーッと満面の笑みを浮かべて、少女の方に向く。
「やだなあ。決まってるじゃないか。ぼくはね、引力に惹かれてここに来たんだよ。キミが願ったから、ここにいる。理由はそれで十分だろ?」 - 14二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 09:36:28
少女は手で土煙などを纏った粗末な布の服をパンパンと払った。
「私は底鉱に一人ぼっち……こんなだだ広く虚無空間が広がっているのよ。そりゃあ、祈りたくもなるじゃない。こんなところから抜け出したいだなんて。星に祈らない方が不自然だと思うの」 - 15二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 11:15:25
少女は、青く憂いを帯びた目を伏せる。少年はそれに少しばかり見惚れると、また口を開く。
「僕はとっても素敵なところだと思うよ。なんてったってこの僕が王子の惑星なんだから!」 - 16二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 11:51:16
少女「でも、私はこんなとこにいたくないの。空は星々で埋め尽くされてるのに……私はこんなところで、ひとりぼっち。何もしてないのにずっと一人……ねえ王子さま。私を連れ出してよ。キミの星かもしれないけど、あたしはこんなとこいたくないの!」
- 17二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:14:15
「僕はとっても素敵なところなんだけどなあ……しょうがない! 家臣であるきみの願いを叶えてあげよう。じゃあ、ぼくの手をとって。ドリスコール星雲に案内するよ」
そう言うと王子と少女は光に包まれたかと思うと、いつしか空を駆ける彗星となった - 18二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:53:43
少女は光になった。耳がダメになったのか何も聞こえない。縛られる重力から解き放たれ、深淵を裂く光の柱になった。
- 19二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 00:34:46
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- 20二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 01:14:15
視覚には何も映らなかった。当然である。
光を超えた超光速度など目に捉えることなど不可能だからだ。
少女の青い目はただ自分の荒地からワープしたとしか思えないだろう。 - 21二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 08:53:16
「ここがドリスコール星雲なの?」
- 22二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 14:15:45
「そうさ! ここがドリスコーりゅ……」
噛みやがったこいつ。そう突っ込む者はいなかったのが救いだろうか。 - 23二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 14:48:22
少女は呆れたようにため息を付き、「言えてないわね」と呟いた。
- 24二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 14:59:28
「それで、ドリスコール星雲って何なの?」そこで少女は一度言葉を切り、周囲を見渡すと再び口を開いた。
- 25二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 15:01:36
「何もない、わね」
少女が見渡した周囲には、ただ漆黒の闇が広がっていた。 - 26二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 15:29:09
「何もない、だって? そうかそうか。君にはそう見えるんだね」
王子さまは問う。無垢なる青い目をした女性に - 27二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 18:47:47
「ええ、そうよ。……あなたには、何が見えるの?」
少女はそう王子様に答えた。 - 28二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 18:59:14
「見えるさ! 青い大地! 赤い雲! 緑の空! 金色の大地! 黒一色の大地! 紫の空と雲! 黄色い君の舌! 桃色の僕の眼球! 黒と青の僕の頭蓋骨! 茶色と藤色と朱色の君の血管! ここでは何でも見える! 何でもある! 素晴らしく美しいよ! 見たいなら君も見れば良い! 見たいと願えば良い! それだけで見られるんだ!」
- 29二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 18:59:27
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- 30二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 19:01:08
「見たいと、願う…?」少女は呟いた
- 31二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 19:10:37
「そう! なんたってぼくは君の祈りに引き付けられて、ここにいるんだから。ぼくを呼んだみたいにもう一度願ってみてよ。君が願うものなら、全ては現実になるんだよ」
そう王子は少女に告げる - 32二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 20:48:44
けれども退屈な記憶は眼前の暗闇に重なり、少女の願い事を深く惑わせてしまう。
「何はともあれ光が見たいわ。こんなにも真っ暗じゃ願い事なんて思い付かないもの。」 - 33二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:03:35
すると少女の肩にポンと手が置かれると、青い目は王子を映した。
「そうか……仕方ないね。
じゃあ、ぼくを見て。ぼくの目を見るんだ。ぼくを映す眼球から神経を通り、ぼくのこころが見えるはず。見て……ただぼくを見るだけでいいから……」 - 34二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:49:38
見つめ合う二人に、声を掛ける者、いや猫がいた。
「久し振りだね、また此処に来たのかい?……おや、そちらのお嬢さんは、見ない顔だね」 - 35二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:55:47
猫は少女に近づくと、再び口を開いた。
「僕は此処の管理人、いや管理猫をしている。気軽に管理猫さんと呼んでくれ。よろしく。……君の名前は?」 - 36二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 21:57:52
「私はーーーーわからない。ずっとひとりぼっちだったから親もいないから、当然名前なんてないもの」
- 37二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 02:27:04
少年王子は青い目の少女に
「安心して。キミの名前を探すためにぼくを呼んだんでしょ? ぼくはキミの星の王子さま。王子としての責務を果たすために来たんだから」 - 38二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 09:40:05
猫はてしてしと肉球で少女に触れながら言葉を紡ぐ。
「おや、そうなのかい。なら、思い浮かべてご覧、君の根源を。君の原初たる衝動を。そうすれば、君の名前も自ずと見つかるはずさ」 - 39二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:16:54
少女は思い浮かべる、というより、潜る。少女の中の深層心理に。こころの内側に。
だが、いくら願えど願えど少女の名前はおろかひとりぼっちでいた記憶しか少女にはなかった。 - 40二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 12:08:40
それと爆音、銃声、これは戦場……? いや、映画だ。タイトルは確かコマンドー。そう、そうだ。私は筋肉モリモリのマッチョマンが好きで、けれど周りはアイドル系の線の細いイケメンが好きで、私はいつも一人ぼっちだった。
- 41二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 12:27:22
ふと、現実を思い出す。鉄のように冷たく、薄ら錆びた現実を。親はいる……ここ数年仲は悪いが。たまに話す同級生もいる……友達とは言い難いが。変えたいと願えば変えられるのだろう、その現実を。ドリスコール星雲でなら。
- 42二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 13:11:43
「ようやく……思い出したんだね。びっくりしたよ。なにせ、本来ぼくが星霊として数億年後に統治する星に、手紙もなしでお客さんがいたんだから。祈り、願うことできみの夢は叶うさ。でも、一つだけ懸念点があるんだよ。それはね、きみはきみの名前は奪われたからこんな場所にいるんだ」
そう王子はやさしく少女に語った。 - 43二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 13:23:52
「ぇ、私の名前、奪われたの……」
少女は、奪われたという事実に衝撃を受けた。 - 44二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 13:45:16
場を和ませたいのか、王子はくすりと笑うと
「でも安心してよ。王子としての一仕事だ。ぼくも手助けするからさ! 確か……どこの宝物殿に行けばいいんだっけ。名前を取り戻すための場所があるんだけど……」 - 45二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 13:49:20
悩む王子のもとに、管理猫が近づいて話しかける。
「ああ、それならこの星雲の中にあるジェムストレイアの第11宝物殿にあったはずだよ」 - 46二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 13:54:13
「ジェムストレイアの第11宝物殿……ねえ王子さま私を連れていって。これ以上、王子さまの星にいるわけにもいかないし、私は現実を変えたいと願ってるの! どんなことがあっても、私は名前を取り返したいから、力を貸してほしいのよ」
- 47二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 16:25:24
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- 48二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 16:26:29
「もちろんさ‼君の為なら幾らでも力を貸すよ‼」王子は明るい笑顔で言った
- 49二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 17:06:44
するとどこからともなく謎の光の魔法が飛んできて、少女の服装をピンクなクマの着ぐるみに変えてしまった!?
- 50二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 17:30:46
王子は少しだけ表情を強張った。動揺する少女に、管理猫は告げる。
「あちらさんも粋なことをするじゃないか。
この世界じゃない君をドレスコードしたようだね。国産みで名の知れた神熊の毛皮だよ。
招待状を送ったとなると、どうやらキミを歓迎してるようだ。行ってきなさい。己を取り戻すために」 - 51二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 17:59:55
少女は半分涙目でこう言った
「このまっピンクのクマさんの着ぐるみで⁉」 - 52二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 18:54:11
脳に直接声がする
(大丈夫。招待された女性は皆、今の君のような姿になるから君一人だけじゃないんだよ) - 53二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:09:39
「そんな気構えしなくていいんだよ。不思議の国のアリスみたいに愉快な所なんだから!」
そう王子は言うもフォローになっていなかった。 - 54二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:18:45
少女は「不思議の国のアリス…?」と不思議そうな表情を浮かべた
彼女は不思議の国のアリスを知らなかった - 55二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:34:42
(不思議の国のアリスを知らないなんて……あなたはどれくらい残っているの? 影や名前だけじゃなく記憶や血までも奪われたのかしら?)
脳に響く女の声。そうこうする内に少女と王子は光に包まれた。
そして、パーティーが行われる大回廊・大広間に二人は出た。 - 56二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:41:42
目に映ったパーティの参加者達は、みんなパステル色な動物の着ぐるみをしていた
- 57二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 19:45:49
「これは一体……?」
と、少女はこぼす。当然の反応だろう。その疑問を解消すべく、少女は王子に顔を近づける。赤面しながら - 58二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:02:32
王子は、水色のライオンの着ぐるみをいつのまにか着ていた
- 59二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:38:54
(幽星裁判さ。宝物殿にあるのは物質的というより形而上なものなんだ。つまり、経験や魂といった質量に換算されないものが眠ってる。よっぽどキミの記憶や名前が珍しいんだね。ぼくの代わりに星に送られたんだから。嫉妬しちゃうよ!)
その答えに少女は困惑する。返答になってないじゃないの、と。 - 60二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 01:01:23
その困惑とは別に、いつの間にか二人の着ぐるみの手と手が触れ合っていた。
- 61二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 07:54:09
(だけど、安心して。キミはただ願えばいい。ぼくは王子だ。きみの願いを叶えてこその王子なんだ。大船に乗ったつもりで安心するといいよ。そうら、小惑星のレプリカが砕かれた。裁判、開始だ)
真面目な視線で少年王子は少女を見つめる。この状況と王子も着ぐるみを着ている事実に頼もしいやらおかしいやら感情がカオスである。 - 62二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 14:49:40
そう伝えたと同時、裁判という名のパーティーは、着ぐるみに包まれて開幕する。
- 63二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 15:00:33
半月にちょこんと座るメガネをし、羊のコスプレをした者がいた。裁判長だろう者が開口すると、星々は収縮し、一つの穴のような深淵なる星が誕生する。
それに着ぐるみを着た人らも吸い込まれていく。
「無作為に選ばれし光芒の使徒候補たちよ。いざ開廷せん。生き残れば全ての権利と宝物殿を解放しよう。汝らはこれより地獄の砂地になるか、如何なる天球へ返り咲くかは、己らで決めるのだ」 - 64二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 15:05:15
少女は、着ぐるみという状態と、会場に、奇妙なほどに漂う緊張感で感情をどう制御すれば良いのか分からなくなった。
- 65二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 15:11:48
二人は抗えようもない巨大な重力に吸い込まれる。王子は少女を抱きながら、諭すようにこう告げる。
「大丈夫だよ。管理猫によれば、ぼくもこうやって選ばれたらしいから! 死ぬようなことじゃないよ。たぶん!」 - 66二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 15:29:57
なお、この世界の法律に死刑はない。
永遠に着ぐるみが脱げなくなる罰がこの世界における死刑となっている。 - 67二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 16:30:25
そのことを少女が知るのは、もう少し先の話である…
そして場面は裁判という名のパーティーに戻る… - 68二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 16:51:18
「ねえ王子さま。これは何、試練なの? 御伽話みたいに試練を超えた先に宝物を手にするようなアレかしら」
幽星裁判長によりブラックホールに吸い込まれた参加者はみんな夜の荒野へと投げ出された。
当然のようにざわざわ、と困惑すると夜空の星々があっちこっち移動して星座みたくなると、それは幽星裁判長の姿を形作った。 - 69二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 17:15:07
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- 70二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:00:06
そして、幾何学的運動をする光芒の軌跡をじっと見つめてると、腑に落ちたのか王子は少女の方へ向く。
「やっぱり人間界から星霊を選ぶのに選ばれたようだね。でも、大丈夫! ぼくが君を守るし、いくらでも力を貸すからさ。それで名前も影も記憶……はあるか。とにかく、一位になれば星霊になる権利と宝物殿が解放される。試練なんか、乗り越えちゃおうよ!」 - 71二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:50:59
そうよ! その通りよ! と少女と王子の鼓膜を揺らす。そこにはフラミンゴの着ぐるみをかぶったゴージャスな女性がたたずんでいた。
「下俗なんてどうでもいいのよ。お嬢さん、あなた下界に不満があるから望んだのでしょう。しかし残念ね。このレディさまが宝物殿をかっさらうのを爪でも噛んで悔しがりまし!」 - 72二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:30:11
あからさまに不躾なその女に対し、少年は問う
「あなたは、誰ですか?」 - 73二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:59:17
「ああら! 宝物殿に全てを捧げた私に名前があると思って? とにかく、次期、星霊志望に決まっておし! この裁判で最終的に勝ち抜いた者には世界の全てが手に入ると言われているわ! だから、レディとでも呼んでちょうだい。優勝するのは私ですわ!」
レディと自称する高飛車な女は高笑いする。それを見た王子は自分もホントに数多あるこれに勝ち抜いて星霊になったのだろうか? と疑問に思った。 - 74二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 13:43:55
とうとう己自身に疑惑が向いたかと思うと、それを見た少女は着ぐるみという格好には似合わない真剣な表情で王子の手を握る。
「私の願い、決まったよ。私は名前や記憶を宝物殿から取り戻すわ。王子様の名前も一緒にね。それが私が願うことよ」 - 75二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:23:30
覚悟を決めた少女、しかし試練は続く
吹き荒ぶ荒野の風を浴びた参加者に異変が…
この風は羞恥心を芽生えさせる魔法があったのだ - 76二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:46:28
するとブタの着ぐるみをした少年は赤くなる顔を隠した。
「ああ恥ずかしい、恥ずかしい……恥ずか死!!」
そういうと自分から地面に穴を掘ったかと思うと、その穴はぱかっと空いて落ちていった - 77二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:50:24
自らの着ぐるみという服装に羞恥心が湧く、しかし少年と少女にとって、それはとっくに乗り越えたもの、そのはずだった。
- 78二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:00:42
少女はゆでダコのように顔は赤くなる。限界なのか、口を開き、王子さ…と告げる口を人差し指で制止させた。そして、王子は少女にそれはもう熱い熱いハグをした。
「大丈夫。大丈夫だよ。たとえ恥ずかしくなっても、ぼくは逃げたくない。だから、離さない。離してたまるもんか。ぼくはきみと一緒にいたい。絶対にきみの願いを叶えるんだ!!」 - 79二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 01:03:16
そのように抱きしめられたため、少女の顔はさらに赤くなる。だが、羞恥心はいつしか充足感へと変わっていき、いつしか目を閉じて静かに抱き合った。
「そうね、ありがとう王子さま。もう恥ずかしくなんかないわ。こうやっていつまでも抱き合っていたいの……ありがとう」