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【閲覧注意】ごーよくさん|あにまん掲示板
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【閲覧注意】ごーよくさん

  • 11主25/10/16(木) 19:44:40

    怒鳴り声と何かガサガサと聞こえる
    ギシギシと、傷んだ床が鳴る
    今すぐ逃げてしまいたい
    少し前まで出ていた涙はとっくに枯れてもう出ない

    背を向けて縮こまっていた

    ‪”‬背中向けるな‪”‬

    そう何度言われたか覚えてない
    けど、怖いものから逃げたくて
    背を向けた

    足音はもう聞こえなかった

    [啓悟]

    殴られる
    そう感じ目をぎゅっと閉じた
    けど、いつまで経っても、痛みは来ず、俺は恐る恐る後ろを見た

    [こうやって話すのは初めましてだね]
    「…誰…?」

    [剛翼、君の個性だよ]

    ※個性の性格の独自解釈
    若干のキャラ崩壊等が含まれます
    それ以外にもあるかもしれません
    苦手な方はブラバをお願いします

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:53:32

    ごーよくさん…

  • 31主25/10/16(木) 19:55:13

    「個性…?」
    俺は個性の事になんて全く詳しくなかった
    [そ、啓悟の個性、剛翼!]
    俺はゆっくりと立ち上がり、「ごーよく」と名乗る男の顔を見る
    多少の違いはあれど、目の前に立っているのは少し大きな俺
    [やっと話せて嬉しいよ、俺…啓悟にずっと無視されてると思っててさ、結構ショックだったんだよね]
    ごーよくの手が俺に伸びる

    殴られる

    きゅっ…と目を瞑る

    だが、先程のように痛みはなかった
    ほんのりと頭が暖かくなったような気がした

    [これからも仲良くしてね、啓悟]

    訳が分からない
    きっと夢だ、俺はおかしくなった
    父に殴られすぎて頭が壊れたんだ

    …でも、もうこの際、壊れててもいい

    [今日からは安心して過ごして、俺が居るから]
    「…うん」

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:57:55

    ごーよくさんはホークスの姿してんのかな

  • 51主25/10/16(木) 19:58:23

    けど、俺が待っていたような生活は訪れなかった
    殴られ、蹴られの毎日
    ごーよくさんは、助ける素振りすら見せてくれなかった
    ただ、ずっとほんの少しだけ笑って、俺が殴られ終わったら、何事もないように話しかけてくる

    [なんで助けてくれないの?とか思ってる?]
    「…」
    [ごめんね]

    ただ、俺が羽を掴まれると、少しだけ苦しそうな顔をする
    それが…何となく嫌で、羽だけは何とか守っていた

    俺は、父にも母にも個性が話しかけてきたと教えた
    だが、父は気味が悪いと話は聞いてくれなかった
    母は興味など無さそうにしていた

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 19:59:49

    幻なのかな…

  • 71主25/10/16(木) 20:01:05

    [啓悟は毎日楽しい?]
    なんて答えていいのかわからなかった
    楽しい毎日なんて想像ができない、分からない
    「ごーよくさんは?」
    [俺?俺は…]
    [啓悟と一緒に居れて、楽しいよ]
    「個性って…何?」
    ごーよくさんは、ものすごく返答に迷っていた
    難しいことを聞いてしまったらしい
    [あー…まぁ、難しいことは俺もよく分からないけど…]
    [俺は、啓悟のココに居るよ]
    そう言って俺の羽を指差す
    [お父さんからの暴力からは助けてあげられないかもだけど]
    [絶対傍に居るから]

    [俺と啓悟はずっと一緒!]

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:02:52

    AFOさん頼む、ごーよくさんを啓吾から奪わないでくれ

  • 91主25/10/16(木) 20:16:53

    今度は、その言葉の通りだった

    少し間だけ、どこか行ってくれないかな…なんて思った日もあった
    けど、本当にずっと一緒に居てくれて…
    ごーよくさんの真似をして、「笑う」ってこともしてみたりした
    「ごーよくさんの真似…できてる?」
    [ははっ、うん、いい笑顔、俺、鏡とかガラスとかに映らないから自分の顔見れなくてさ]
    [俺と啓悟は、年齢とか体とかはほんの少し違うけど、俺と啓悟は…まぁ、双子?とか兄弟?みたいなものだから]
    [きっと俺はいつも今の啓悟と同じぐらい、いい笑顔してるんだろうな俺]
    ごーよくさんの事が、ほんの少しづつ分かっていくのが、本当に嬉しかった
    [けど…啓悟に触れないのだけは残念…かな]
    [啓悟に触れたら…こんなとこすぐに出ていって、啓悟にもっと広い世界を見せてあげれるのに]
    [例えば…ヒーローとかね]

    ごーよくさんは色んなことを知ってる
    けど、俺にはよくわからなかった、難しい話だったから

    「ヒーローって何?」
    [俺もさ、よく知らないけど…]

    「何となくさ…啓悟にはなって欲しかったり…なって欲しくなかったりするな」

    いつも笑ってるごーよくさんが、この瞬間ほんの少しだけ怖かった

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:17:59

    ちょっと不穏入った…?

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 20:19:57

    ごーよくさんがどこまで知ってるか分からないけどヒーローになったら…ホークスにとって苦しいこと沢山させられるから止めたいのか?

  • 121主25/10/16(木) 20:33:40

    「…?」
    [あー…気にしないで…冗談だから]
    [じゃ、ヒーローについて話そ────]
    ごーよくさんが話しかけた時、突然羽がビリビリとよく分からない感覚に襲われた
    ごーよくさんも初めての体験だったようで感触は感じなかったが、俺の手を握っていた
    そして深く息を吸った後俺に話しかけてきた
    [啓悟、聞く余裕ないかもだけど聞いて]
    [君は人を助けたい?]

    俺はなんと返したか、よく覚えていなかったが…
    気づいたら、家の外を出て大勢の人を火の手から遠ざけていた
    羽根が焼け、だんだんと減っていった

    ごーよくさんのことも、もちろん心配だった
    俺が個性を使うことなんて、今もこの先も絶対ないと思っていたからだ

    消えてしまったらどうしよう

    「…!」
    俺は、ごーよくさんのことよりも、家に帰ったあとの恐ろしい出来事を想像してしまった

    心臓が締め付けられるような、胃の奥がドッと重くなるような感覚
    帰らなきゃ…早く…
    けど、ごーよくさんは?助けた人は?

    体が熱くなり涙が自然と出てくる
    どうしよう、どうすれば…

    [偉いよ、啓悟]

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 21:31:37

    ごーよくさん!
    無事だった……のか…?

  • 141主25/10/16(木) 23:14:02

    「ごーよくさん!」
    「…平気?」
    [いや、聞いて欲しいんだけどさ!最初啓悟が個性使った時、身体の力が抜けてくからさ!?このまま死ぬんじゃないかって思ったんだけどさ…!]
    すごい勢いで話してくる…
    [なんか、すごい疲れただけで、全然生きてた]
    [って…そんなことよりもさ!ほんと偉いよ啓悟!]
    ごーよくさんが抱きしめてくる
    もちろん感覚は無かったが、ふと、ごーよくさんの背中を見ると生えていた羽は今の俺と同じぐらい小さくなっていた
    [あと…ごめんね啓悟…多分啓悟も疲れたよね]
    [俺のせいだ…俺が変なこと言ったせいで…]
    「帰ろ、ごーよくさん」
    「ヒーローの話…教えて」
    俺がそう言うと、剛翼さんはいつもの様に笑ってくれた

    ──────────
    外に出たことが当然バレてしまい、誰にも見られてないと言った俺の言葉も無視して、蹴られ続けた
    ごーよくさんが、ヒーローの話をする間もなく、家に帰ってすぐに暴力を振るわれた
    本当にすごく疲れた

    でも…なんだろうな…
    暖かいな

  • 151主25/10/16(木) 23:15:40

    [目、覚めた?大丈夫?]
    「疲れてただけやけん…大丈夫」
    ゆっくりと身体を起こした
    [お父さん達はもう寝たから、一応今は安全だよ]
    [今日の啓悟は、間違いなくヒーローだった]
    「あ、そうだ…ヒーローの話」
    [そうだね、ヒーローっていうのはさ]
    [強くて、みんなを安心させられて、他の人の為に命を賭けて守れる人…かな]
    ごーよくさんが、俺の方を指さす
    [その人とか、正にヒーローって感じ]
    「本物…見たことないから…分からない」
    前に母が買ってくれたぬいぐるみを強く抱きしめる
    [なら、テレビでもいいから見よっか、今の時間帯でもテレビはやってるだろうし]
    ごーよくさんが、手招きをする
    俺は物音を立てないようにゆっくりと、テレビの前に来た
    寝ている母のそばにあったリモコンをそっと拾いテレビを付ける
    音が流れても母も父も起きる様子はなかった
    [エンデヴァーって言うんだね、知ってた?]
    「…えんでばー」
    テレビに写るヒーローは、ヒーローという言葉以外でなんと言えばいいのか分からなかった
    [かっこいいね]
    「うん」
    [啓悟がヒーローになったらさ、もしかしたらエンデヴァーと一緒に仕事できるかもね]
    ごーよくさんに言われるまで将来なんて考えたことが無かった
    […きっと、啓悟ならかっこいいヒーローになれるよ]
    さっきの怖い顔はどこに行ったんだろうかと言うほど、穏やかな顔をしていたが、ごーよくさんはどこか寂しそうだった

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/16(木) 23:19:37

    あ…
    この鋼翼さん、AFOにとられてそのまま消滅しちゃった後の…?

  • 171主25/10/16(木) 23:43:59

    […啓悟]
    「ん」
    [眠たい?]
    「…うん」
    [そっか、じゃあ、寝る前にちょっとだけ話そっか]
    ごーよくさんは、膝を抱えて座る俺の横にしゃがみ込む。
    姿はぼんやりしてるのに、近くにいる気がした
    [ヒーローってさ、守るだけじゃなくて、“大丈夫だよ”って言える人なんだ]
    「…ごーよくさんみたいに?」
    [俺?うーん、そうなれたらいいけどなぁ]
    小さく笑って、俺の髪を撫でる仕草をする
    触れないはずのその手が、不思議とあたたかい
    [今日は頑張ったね、啓悟]
    「…また、怒られるかもしれん」
    [うん、でも、俺がいる]
    「ほんとに?」
    [ほんとに!]
    ごーよくさんは、俺にとって、親のような…兄のような存在だった
    安心する、いつも一緒に居てくれる
    ごーよくさんが話してくれる明るい未来が来るような気がする
    途方もない希望が見えるような気がする
    [おやすみ、啓悟、また明日]

  • 181主25/10/16(木) 23:55:35

    そこから数日経った
    ごーよくさんは、何時でも俺と話してくれた
    どうしようもなく悲しい時も、ちょっとした嬉しいことも
    共有できる人間が居て、俺は幸せで…楽しかった
    ──────────
    ドタドタと母がなにか焦っている音が聞こえた
    [見てくる?]
    「うん」
    だが、俺は少し怖かった
    もしかしたら…母が…なんて考えてしまったからだ
    [一緒に行くから、大丈夫]

    「あん人、捕まっちゃったって…」
    「どうしよう啓悟…車ば盗んで逃げて…そんで捕まっちゃったって」

    「…エンデヴァーに」

    架空は現実に
    ヒーローは実在した
    「ごーよくさん…」
    ごーよくさんは何も言わずに、俺の肩に手を置いていた

    そんな衝撃の余韻に浸る暇もなく
    母は俺の手を引き、その日の内に家を出た

    けれど、この母に生活能力があるはずも無かった
    「ケーサツ…行こ」
    ごーよくさんは俺に正しさというものを教えてくれた
    俺は正しくあろうとした
    けれど…俺の言葉に耳を貸してはくれなかった

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 06:50:25

    どうなっていくかな…

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 11:58:40

    ほしゅ

  • 211主25/10/17(金) 13:04:45

    ──────────
    『今後、ご家族ごとこちらで全面支援させていただきます』
    母と見たことないスーツの大人が何か話していた
    俺は本当にどうでもいいことを考えていた
    ごーよくさんはやっぱり、まだ大人じゃない
    けど…なんか前より大人に見える
    [啓悟]
    「なに?」
    [啓悟は、今楽しい?]
    「…毎日楽しいよ」
    [良かったね]
    どうでもいい会話、ごーよくさんの笑顔
    それが俺を安心させた
    ──────────
    状況もよく分からない中、俺はとっても大きなビルの中に連れて行かれた
    ごーよくさんは不安がっている俺を慰めるように背中をさすってくれた
    『啓悟くん』
    名前を呼ばれ、思わず足が止まってしまった
    『大丈夫、ここには君を脅かす人は居ないよ』
    『君には…やってもらうことがいくつかあるけど、平気かい?』
    「…ごーよくさん…」
    [啓悟が思ったことを言ってみて]
    「…はい」
    『一応質問なんだけど、今君には私以外の人間の声が聞こえてる?』
    「…はい」
    『…』
    『不安にさせること言ってごめんね、答えてくれてありがとう』
    『1度体を洗おうか、いつまでも汚れたままじゃ心も落ち着かない』

  • 221主25/10/17(金) 16:51:46

    幼い俺の頭にはあまりのも情報量が多かったが
    ひとまずお風呂に入れさせられた
    服を脱ぎ、案内してくれた人は洗い終わったら呼んでくれと言っていた
    シャワーの温度がほんの少しだけ緊張を和らげさせてくれた
    けど…どう体を洗えばいいか分からない
    ごーよくさんに聞こうとしたタイミングで、風呂場のドアが開いた
    俺はビクッとなり、羽で体を隠す
    「同性でも裸を見られるのは嫌でしたねすいません」
    すぐに出ていこうとする男の人の手に少しだけ触れる
    「…身体…洗い方…分からなくて」
    「…そうでしたか」
    「触られるのは嫌ですか?」
    俺は首を横に振る
    「じゃあ、そこに座って目を閉じててください」
    「あの…」
    「目良善見です、好きに呼んでください」
    「目良さん…ありがとうございます」
    目良さんの手は、湯よりもずっと優しかった
    泡立った指が髪をゆっくり撫でていく
    「目良さん……個性が見えるって、変ですか?」
    「個性が見えるとは?」
    「人みたいに…話したり、動いたりして」
    目良さんはしばらく黙ってから、穏やかに答えた
    「……その人に、意地悪をされたりは?」
    「ずっと優しくて……俺と、ずっと一緒にいてくれて」
    「素敵な個性ですね」
    そう言って、また髪を洗う手が動いた
    「変じゃ…ないですか?」
    「寧ろいい事です、変じゃないですよ」
    何となく、目良さんはとてもいい人なのだと思った

  • 231主25/10/17(金) 18:32:16

    身体を洗ってもらったあと、体を拭き、用意されていた服を着た
    俺がこの後どうしようか分からずに戸惑っているとごーよくさんから声をかけてくれた
    [いやぁ、綺麗になると気分がいいね]
    「ごーよくさん!」
    久々に声をかけてくれ、俺は思わず大声で名前を呼んでしまった
    [ごめんごめん、心地よかったから俺、寝かけてさ]
    […目良って人、きっといい人なんだろうね]

    「啓悟くん、お話中悪いですが、まだ君にはやってもらわないことがいくつかあります」
    「大丈夫ですか?」
    [頑張ろう、啓悟]
    ごーよくさんが、励ましてくれる
    俺は、頷き目良さんについて行った

    「エンデヴァーが好きですか?」
    ちらりと横目で目良さんが、俺が抱えていたぬいぐるみを見る
    俺は小さく頷く
    「彼のようなヒーローになりたいですか?」
    「なりたいです」
    「…君なら、必ずなれますよ」
    あの時のごーよくさんと同じで、目良さんがほんの少し怖い顔をしたような気がした
    俺と話するのが…嫌なの…かな
    「君のお友達の名前はなんて言うんですか?」
    「ごーよくさん」
    「漢字…は、無理ですよね…ごーよく…」
    目良さんは自分の手に指を当てて、何かしていた
    「多分…剛に翼で…剛翼ですかね?」
    「…?」
    [難しい話ですいません、着きましたよ]

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:09:40

    ごーよくさんも目良さんも、どっちも一瞬怖くなるのは何なんだろうか…
    どっちもヒーローになれる、って話の時なのが…

  • 251主25/10/17(金) 19:29:50

    「そこの扉に入ってくれれば、職員が居ますので、その人たちと話してください」
    「目良さんは?」
    「私は…これでもそこそこ忙しいので」
    俺は軽くお辞儀をする
    「啓悟くん、君は本当にヒーローになりたいですか?」
    「まだ…ヒーローはよく分からないです」
    「けど…俺もあの人みたいになりたい」
    「多分、また同じことを聞かれると思います、君が思ったことを職員に言ってください」
    目良さんは軽く手を振り、俺から離れていった
    「ごーよくさん…俺嫌われてる…?」
    [いや?歓迎は…されてるか分からないけど、嫌われては無いと思う]
    「けど…目良さんさっき嫌そうな顔した…から」
    [目良さん疲れてそうだったら、意識しない内にそういう顔しちゃったんじゃない?]
    俺は無理やり自分を納得させた
    扉に手をかける
    俺はゆっくり、扉を開けた
    ──────────

    『啓悟くん、この名前とは今日限りでさよならだ』
    『今日から君にはここで、特別なヒーローになる為の専用プログラムをこなしてもらう』
    『厳しい訓練になるけど大丈夫かい?』
    俺は頷いた
    「俺も、この人みたく、悪い奴をやっつけられるヒーローになれますか」
    「俺を救ってみてくれたみたく、みんなを明るく照らせますか?」

  • 261主25/10/17(金) 19:32:01

    そこからは、常人なら耐えられず根をあげるような訓練が続いた
    辛い、苦しい、なんてことはあんまり考えなかった
    職員の誰かに褒めてもらうよりも、ごーよくさんに「頑張ったね」って頭を撫でられる方が好きだった

    「ごーよくさん、お疲れ様」
    [啓悟もお疲れ様]
    俺は、目良さんに買ってもらったジュースを飲みながら、少し休憩をしていた
    [俺も自由に飲み食いしたいよ…いいなー、啓悟]
    ごーよくさんも疲れてるみたいで、地べたに横になっていた
    個性なのに、疲れるなんて…変なの
    なんて思いながら、自分の羽を少し触ってみた
    前より硬くしなやかになったような気がする
    そういえば、ごーよくさんも少しだけ大人になった気がする
    個性も身体機能の1つ、個性を伸ばせば、ごーよくさんも成長するのか?
    [どうしたの?そんな見つめて]
    「ごーよくさんは、辛くない?」
    [俺は辛くは無いけど、啓悟が辛いなら、俺も辛いかな]
    「俺は大丈夫だから…ごーよくさんも平気だね」
    [うん、そうだね…でも、羽の手入れは忘れないでね]
    [俺のチャームポイントは集中的にケアしてね]
    「それ…どこ…?」
    ごーよくさんは笑ってまた触れもしないのに、俺の頭を撫でた
    「ん…ごーよくさんやめて」
    [ははっ!やだね、啓悟のお願いでもそれは聞けないな〜]
    感覚なんてないはずなのに、何故かそれがくすぐったくて俺は笑った

    ごーよくさん、ごーよくさん
    恥ずかしくて言えないけど、ごーよくさんが大好きだよ
    ずっと一緒に居ようね

  • 271主25/10/17(金) 19:46:21

    息を吸うのも辛い
    疲れた、気を抜いたら気絶しそうだ
    あれから数日しか経ってないのに、訓練がより厳しくなった
    でも、まだまだこれからもっと辛くなるらしい
    [偉いね啓悟…少し休む?]
    「まだ…いい…」
    公安に来てから、エンデヴァーさんの映像は山ほど見れた
    あの人もどれだけ苦しいことも耐えて、努力し続けてきたんだろう
    「頑張らないと…」
    ごーよくさんが俺に話しかけようとするが、言葉が思いつかないのだろう、何も話さない

    頑張らなきゃ、頑張らないと

    気合いを入れ直すように、俺は息を吸って吐いた
    静かになった部屋の扉が少し空いていることに気づく

    『不気味ですよね…やはり、検査がもう一度必要なのでは?』
    『そう思った職員は俺たち以外にも結構居てもう3回はしたらしい…』
    『んで、それ以上やったら、あの子の負担になるから、もうできないらしい』
    『しっかし、不気味だよな〜個性と話せるなんてさ…』
    『家庭環境で、心が壊れてしまったとか…?』
    『いや、精神面も安定してるらしい…全く…いくら個性が強いからって、あんなイカれたガキ連れてくるなんて』
    『ちょ、先輩声が大きいですって…!会長に聞かれてたら!』
    『悪い悪い… けど、お前もそう思わねぇか?』

    俺はそっと扉を閉じた

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 19:56:00

    おう、公安
    この時期ではまだだろうけど、ガチで個性そのものが喋れる子もいるんだぞ(常闇くん)

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/17(金) 22:50:54

    ( ᵕ •̥ · •̥ )ノ( > · < ᵕ )

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 08:03:16

    保守

  • 311主25/10/18(土) 11:53:50

    そんな俺を、ごーよくさんはそっと羽で覆ってくれた
    [俺が見えるだけで啓悟をビョーキ扱いねぇ…]
    [ココに来てから謝らなきゃいけないことが沢山だ]
    [ねぇ、啓悟は、俺が居なくなったら…寂しい?]
    確かに、いつもうざったいぐらい毎日ベタベタしてくる
    けど、それ以上に俺のことを気にかけてくれる
    「寂しい」
    [俺が居ることで、皆が啓悟のこと嫌っても?]
    俺は答えに困った
    こういう質問をされたら、なんて答えればいいんだろう
    [ごめん、今のは意地悪だったね]
    [啓悟、最近笑ってくれなくて…心配なんだよね]
    「…大丈夫、平気」
    平気なんかじゃない
    俺がまるで化け物かのようにみんなが接する
    そんなことをされ続けて平気なわけがない
    [俺とお話しながらじゃないと寝れないのに?]
    [いや、それプラス、エンデヴァーのぬいぐるみを抱きしめながらじゃないと寝れないよね〜]
    「…何」
    [寝言で[ごーよくさん、ごーよくさん]って言ってるの知ってるんだよ?]
    [最近は、目良さんにお手紙も書いてたね、漢字ものすごく間違ってたけど…すごい嬉しそうでさ〜]
    [でも、上手く書けないとき、俺のことチラチラ見てきてね〜]
    俺は、次々に俺のことを言われ、なんだか恥ずかしくなり耳を塞いだ
    [ははっ!照れちゃった?啓悟は、全然平気なんかじゃない]
    [けど、俺が居ると…少し気が楽でしょ?]
    確かに、さっきまでの嫌な感じは少し治まった気がする
    [無理する度に俺が止めてあげるから、安心して]
    「…ありがと、ごーよくさん」

  • 321主25/10/18(土) 16:12:49

    ごーよくさんの話はもう他人にしないと決めた
    けど、どうしても誰かに話したい時は目良さんに話すことにした
    ほんの少しだけ、職員のみんなが話しかけてくるようになった
    何がそんなに不気味なのか俺にはよく分からなかった

    「目良さん、個性と話せる人って居ないんですか?」
    「そうですね…見た事はありませんが、個性と話せる個性を持った人間…そもそも個性が幽霊のように着いて纏う個性」
    「ホークスの例は、今まで一度も耳にしたことはありません」
    「そうですか」
    「同じような人間を私は探しています、ホークスの悩み事をわかってくれる人間がいれば…」
    「大丈夫です、目良さんが素敵な個性って言ってくれたから」
    目良さんが、口角を緩めて笑ってくれた
    「剛翼さんは、どんな性格なんですか?」
    「楽観的だけど、心配性」
    [啓悟、そんなこと思ってたの?楽観的なのは認めるけど心配性じゃない]
    「独特な性格ですね、彼は私の事どう思ってますか?」
    [目良さんは、俺のお気に入り、啓悟に優しくしてくれるからね]
    「好きらしいです、俺に優しくしてくれるから」
    [好きな訳じゃなくて!お気に入り!]
    こういう時ごーよくさんはめんどくさい
    「お母さ…いや、お兄さんみたいな存在なんですね」
    「今この会話を聞いてるなら、剛翼さん、ホークスの事頼みましたよ」
    [目良さんカッコつけるタイプなんだ…]

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 19:42:44

    お母さんって言いかけたな、目良さん

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 22:59:45

    でも確かにこれはお母さん

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:54:59

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  • 361主25/10/19(日) 00:35:20

    目良さんと話した後、また俺は訓練へと向かった
    『今日は時間がありますから、救助訓練をしましょうか』
    「救助訓練?」
    『はい』
    ごーよくさんはその言葉を聞き、ため息を吐いていた
    別にごーよくさんは、俺に個性を使って欲しくない訳では無いが、単純に疲れるから嫌なのだろう
    でも、しょうがない…ごーよくさんは俺の個性なんだもん…

    『今日はこの建物内で、避難に遅れた一般市民を助けてもらいます』
    『ですが、今のホークスなら、簡単にこなせてしまう内容な為、照明を落として救助にあたってもらいます』
    「分かりました」
    俺が建物に入ると、うっすら声が聞こえてきた
    『照明落とします、夜間救助、開始!』
    照明が消え、真っ暗になる
    [電気消えただけってわかってても…夜って嫌なんだよね〜]
    「なんで?」
    [啓悟が寝て話さなくなっちゃうから、寂しい]
    ごーよくさんが俺の緊張を解してくれる
    『ホークス、通信チェック中、応答を──』
    「こちらホークス、異常なし」
    [ほんとに?]
    俺は首をかしげた
    だが、次のタイミングで、ダッ!と足音が聞こえてきた
    ヴィランが襲ってくることも想定して、安全に市民を救助させる…
    確かに…明るかったらこれぐらいできたかもだけど…
    「っぐ…」
    力加減はされているが、タックルをモロに食らった
    まだ目が暗闇に慣れてない…
    …このまま気絶するまで殴られる…?

  • 371主25/10/19(日) 00:48:21

    [啓悟、俺を使って]
    なんで?どうやって…?
    [いいから、何が知りたいの?]
    …次に来る…攻撃
    剛翼が反応する
    何となく次に来る攻撃はどこかわかったが、確信が持てない
    [啓悟、左]
    俺はごーよくさんの言葉を聞き、すぐに避けた
    また剛翼が反応する
    [下…フェイント…上…右…]
    暗闇に目が慣れてきた
    ヴィラン役の人の体勢が一瞬崩れる
    俺にはパワーが無い…けどそこは…
    [俺でカバーする]
    転けかけたヴィラン役の人の服にスピードを乗せた剛翼の羽根をぶつける
    数十枚使い、ヴィランを服ごと壁に拘束する
    抵抗しようとするヴィランの首元に、まだ武器としては使えない羽根を突きつける
    「大人しくしてください」
    『…いやぁ、凄いねホークス…』

    上の階に行くと、剛翼がほんの少しの息遣いを感じ取り、その方向へ歩いていくと救助者が物陰に隠れていた
    「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
    「立てますか?ヴィランはもう居ません、安心してください」
    『えぇ、大丈夫、ありがとうねホークス』
    そのまま救助者を助け、無事に訓練成功
    「ありがとう、ごーよくさん」
    [ううん、俺は啓悟が剛翼で感じたことを言葉にしただけ]
    「え…でも、ごーよくさん居なかったら…俺」
    [俺の啓悟がこの程度で負けるはずないでしょ?それにこれは俺のことを信用してくれた啓悟のお陰で成功したんだから]
    「頑張ったね、偉い!啓悟!」

  • 381主25/10/19(日) 01:08:40

    『彼が話しているところを聞きましたか?その詳細を──』
    『…お前もそっち側か…ったく…』
    『話してたさ、けど、こっちに動きを悟られないようにか、はたまた声が聞こえなくなったのか、俺と戦ってる間は話してなかったよ』
    『でも、いいね、もし本当に個性と話せるなら、相当連携が取れてる』
    『もしかして、最初にホークスの噂流してたのお前?』
    『…』
    『まぁいいよ、ストレスだろ?気持ちはわかるぜ?』
    『それに…ここで心折っといた方が…あの子にとって…楽だろうからな』
    ──────────
    「ねぇ…ごーよくさん」
    [なぁに?]
    「今日分かったんだけどさ…俺の個性…もしかしたら…人をさ…殺しちゃう個性なんじゃないかって…」
    「…とっても強いけど…一歩間違えたらって…」
    [使い方を間違えなければ大丈夫だよ]
    [ほら、啓悟の好きなエンデヴァーだって、あんな大火事になりそうな個性持ってるのにさ!ヴィランは死なせずに、市民も死なせずに、いつも助けて勝ってくれる…俺はあんまあの人好きじゃないけど…]ヤケチャウ
    「でも…」
    [悪い予感がするのはわかるよ、不安だよね]
    [啓悟の不安な気持ちは羽からビンビン伝わってくるから]
    [大丈夫って自信を持っては言えないけどさ…]
    [啓悟は正しい人間になりたいって思ってるでしょ?]
    [なら、大丈夫]
    俺は膝を抱え込んだ
    たまに楽観的なごーよくさんに腹が立つ
    けど…言ってることは多分間違いなく、俺のことを思ってくれた言葉
    …訓練より…こっちの方が辛いな

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 07:42:49

    すごいなんとも言えない気持ちに…

  • 401主25/10/19(日) 13:15:18

    昼間のこともあってからか、俺は中々寝付けなかった
    母とは別々に暮らしていた
    公安からのちょっとした配慮だ
    母がどうしてるだとか、そんなこと考えもしなかった
    軽薄だと思われるかもしれないが、考えることに意味を感じなかった
    「…ごーよくさん」
    [あれ、啓悟、まだ寝てなかったの?]
    分かってるくせに…
    「寝れない…」
    [そっかそっか…]
    [子守唄でも歌う?]
    「ごーよくさん、歌下手だから…いい」
    [ひどくなーい…?]
    ごーよくさんは、[うーん…]と悩んだ後、立ち上がった
    [外、行ってみる?]
    「外…」
    父の映像がフラッシュバックする
    ドバっと、身体中嫌な汗をかいた
    [もうお父さんも居ないんだから、安心して]
    [啓悟にどうしても見てほしいんだ]
    手を差し伸べられる
    俺はその手にそっと自分の手を重ねた
    ごーよくさんは、ニコッと笑ってくれた
    俺は起き上がり、俺はそのままごーよくさんについて行った

  • 411主25/10/19(日) 13:44:12

    ごーよくさんと一緒に、息苦しい夜を抜け出すのは、なんとなく背徳的で…それでいて呆れるほど楽しい
    屋上の扉に手をかける
    重い扉を開けた瞬間目の前に広がってきたのは、どこまでも続く星空
    […啓悟、息しなきゃ死んじゃうよ?]
    言われて気づいた
    俺はそれほどまで、この光景に夢中になってたらしい
    [最近さ、啓悟が寝た後何となく星空を眺めるのが習慣になってたんだよね]
    [啓悟が寂しがるから、すぐに戻ってたんだけどさ…なんか最近星がどんどん増えてさ]
    [これは啓悟に見せなくちゃって思って今日…あっ!流れ星!]
    「流れ星?」
    [今通ったあれだよ、あの星にね、3回願い事をすると叶うんだってさ]
    また、流れ星が光放ちながら落ちてきた
    [休みたい…休みたい…休みたい]
    …切実な願い…俺への当てつけ?
    「ごーよくさん…明日の訓練お休みにする…?」
    [いや、冗談…]
    [けどさ、個性達が暇を持て余す世界が来ればいいよねーって]
    [俺みたいに人格?とかあるか分かんないけどさ、使われっぱなしじゃ可哀想でしょ?]
    [そうだな…俺たち個性が暇になったらヒーローも暇になるね]
    [きっとそこにあるのは、笑っちまうぐらい明るい世の中なんだろうね]
    [啓悟は、何お願いした?]
    キラキラ輝く流れ星を見ながら俺は願った

    ヒーローが、個性達が暇を持て余す世の中にしたい

  • 421主25/10/19(日) 15:23:29

    そこから、数年後、俺はようやくヒーローになった
    ヒーロー業界において、俺は本当に色んな意味で早かったらしく、注目を浴びた
    大変なことまみれだったけど、今じゃ別に…
    18になったら事務所でも立ち上げようかな…
    「剛翼」
    「…ごーよく」
    「はぁ…ごーよくさん」
    [俺、思春期来た啓悟きらーい]
    こんなこと言うごーよくさんだけど、長い時間ずっと喧嘩もせずに過ごしてくれた
    「あ…で、ごーよくさん、なんか今日俺の訓練とか担当してくれてた職員の人がなんかソワソワしてるんだけど…なんだろ?」
    [啓悟の誕生日はまだだし…そもそも祝ってくれないしね]
    ごーよくさんは俺の肩を叩く
    [ま、大丈夫、大丈夫!俺もいるんだしさ]
    「余計不安なんすけど」
    数秒の間があったあと、俺たちは二人で爆笑した
    こんなくだらない事で笑える俺たちは本当に幸せ者だ

    咳払いが聞こえ、俺は視線をそちらに向けた
    『すいません、ホークス、少しこちらへ』
    「任務ですか?」
    『…詳しいことは後で話します』
    いつになく真剣…というか…

    怖かった

    これから何を話されるか、分からなかった
    ごーよくさんと話してた時間がまるで嘘だったみたいに冷たい空気が俺たちを覆った

  • 431主25/10/19(日) 15:31:47

    部屋の中の空気が、急に変わった
    そこに入った瞬間、まるで酸素が抜けたみたいに呼吸が重くなった
    机の上には、書類と、一枚の写真
    『これは、次の任務だ』
    「……任務?」
    『詳細は極秘だ、対象は──この人物』
    写真が俺の前に滑らされる
    一瞬、何かの冗談かと思った
    でも、冗談を言うような空気じゃない
    部屋の温度が一度下がったように感じた
    ‪”‬極秘‪”‬という言葉を聞き、俺は困惑した
    「えっと……え? この人、俺……捕まえる、とかじゃなくて?」
    『抹消だ』
    息が詰まった
    その単語の意味を理解するまで、五秒くらいかかった
    …いや、理解したくなかった
    『危険因子の排除これもヒーローの役目だ』
    「……排除って……え?」
    「“排除”って、どういう……?」
    自分の声が掠れているのがわかった
    頭の中では、言葉の意味を何度も繰り返していた
    排除、抹消、対象
    どれも「人を殺せ」と言っている
    [……啓悟]
    ごーよくさんの声が、すごく遠くで聞こえた
    まるでガラス越しみたいに
    『これは重要任務だ、君ならできる』
    その信頼しているという言葉が、
    胸のどこにも届かなかった

  • 441主25/10/19(日) 15:33:48

    「……俺……ヒーロー、なんですけど」
    抵抗するように俺はその言葉をつぶやいた
    『ああ、だからこそ、だ』
    その言葉で、思考が完全に止まった

    ヒーローだから…
    だから…殺…す?

    意味が繋がらない
    繋がった瞬間、全部壊れてしまいそうだった

    手が震えていた
    何を言えばいいのかわからない
    ただ、ごーよくさんの声だけが、少しだけ届いた

    [……啓悟、聞かなくていい、もう帰ろう]
    [啓悟…]

    『受けてくれるかい?』
    断れない、断ったらどうなるか、そんなの…
    この状況から察せと言われているようなものだ

    「はい」

    ただ、俺は、この日初めて、ヒーロー社会の輪郭が初めて歪んで見えた

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 17:47:31

    公安の闇……

  • 461主25/10/19(日) 19:13:15

    俺は扉を閉めた後、すぐに剛翼に詰め寄った
    「知ってたの?」
    自分でも驚くほど冷たい声
    思えば、剛翼は俺がヒーローになりたいと言うのを優しく否定してたような気がする
    剛翼と目良さんのあの顔にも合点がいった様な気がした
    [知らない…本当に知らない…知ってたなら全力で止めた]
    […俺はさ…なんか…その…そういう…人の闇?みたいなの敏感に感じとっちゃうからさ…嫌な予感がしてたってだけで…]
    「なんで言わなかった?」
    [ヒーローになりたいって言う啓悟に、こんなこと言えるわけない]
    [ただ、俺は…啓悟に幸せになって欲しくて…!]

    「人を殺すことになっても?」

    俺は一息ついた
    冷静になれ、‪”‬ホークス‪”‬…剛翼は何も悪い事はしてない
    「…少し取り乱した…ごめん」
    [俺こそごめん…話さなくて]
    何となく気まづかった
    俺はごーよくさんに喧嘩腰だったことは過去1度もない
    こんなとこで、取り乱してどうする?
    俺は今から…人を…

    正しいヒーロー社会の為
    …きっとこれからすることは間違ってない

    間違って…ない…よね?

  • 471主25/10/19(日) 23:01:12

    俺はターゲットを確認した後、屋上から飛び降りた

    すぐに羽を広げ、ターゲットを追う

    一応武器は支給された、けど…

    俺が剛翼以外の武器は使わないと判断したのか、扱い慣れないハンドガンだ

    ──────────

    内部に入るのは簡単だった

    というかあっさりすぎて、逆に不安になってきた

    まるでドラマかのような作られた現場

    ターゲットは、スーツケースの中から札束を取り出し数えていた

    …もしかしたら…全部フィクションで

    これだって実銃なんて入ってなくて

    全部ドッキリでした!で…終わればいいのに

    ため息をつきかけるが、ごーよくさんに口元を抑えられる

    …そうだ、慎重に行かなくちゃ


    剛翼で天井にあった電気を壊し、部屋を暗くする

    月明かりだけが差した空間

    俺はすぐにターゲットの上にのしかかりターゲットの額に銃を押し当てた

    ターゲットは「待ってくれ」「死にたくない」

    と、テンプレートのような事を言う

    俺は引き金を引こうと指に手をかけた

    俺が殺る、俺がこの人を…

    [啓悟、俺を使って、俺を使って殺して]

    冷や汗が垂れた

    今この迷ってる時間すら、本当はあってはならない


    俺は…

    1 ハンドガンで殺した

    2 …剛翼を使って殺した

    dice1d2=2 (2)

  • 48二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:05:25

    ごーよくさん…

  • 491主25/10/19(日) 23:12:53

    俺はハンドガンを捨て、羽根を1本手に取り、ターゲット額に思い切り突き刺した
    吐き気が止まらなかった
    今目の前で、誰かが、生きている価値がないと判断した人間を俺が殺している
    生まれてから、一度も離れたことのない大切な…‪”‬家族‪”‬を使って殺している

    早く死んで欲しい、もうこの苦しみから開放されたい
    でもいちばん苦しいのはごーよくさんだ俺じゃない
    俺はごーよくさんになんて言えばいい?謝って済む問題か?

    気づけば、ターゲットは絶命していた
    任務成功、排除完了

    俺はフラフラとその場を離れた
    死体の処理はあっちがしてくれるらしい
    …ははっ…そうじゃなきゃ困る…こんなに疲れたんだから

    本当に身勝手な子供だ
    責任を誰かに擦り付けたくてたまらない
    強烈な吐き気が俺を襲い、俺はその場で吐いた
    「…ぅ‪”‬えっ…ぐっ…ぅ…お‪”‬ぇっ…」
    汚いだとか臭いだとか、もうよく分からない
    クラクラする…気持ち悪い

    俺は…ごーよくさんを使って…人を

    殺した 殺した 殺した
    殺してしまった
    取り返しがつかないことをした

  • 501主25/10/19(日) 23:21:50

    全部ごーよくさんのせいにしたいとも、一瞬思ってしまった
    ごーよくさんが自分を使えと言ってきた
    だから殺した
    違う、それは言い訳だ

    帰ろう…帰って早く血を流したい
    汚い…汚い…汚いのは?俺自身か?
    …人を殺すのはこんなに気分が悪くなるものなのか?
    快楽殺人とは?
    「ごーよくさん…ごめん…」
    震える声で俺は謝った
    目の前にはごーよくさんが立っていた
    俺のことをじっと見たあと、抱きしめてくれた
    「汚いから…触らないで…ごーよくさん…俺は人殺しなんだから」
    [汚くなんかないよ、啓悟は人殺しなんてしてない]
    [俺が全部やった、啓悟は何も悪くない]
    [だから、泣かなくていいよ]
    ごーよくさんにそう言われ、俺は初めて自分が泣いてることに気づいた
    それがなぜだかものすごく悲しくなってしまい、涙が止まらなくなった
    「違う…もん…俺が全部…全部ッ…!」
    [違うよ、啓悟、啓悟は悪くない]
    [大丈夫、大丈夫だから、泣かないで]
    俺はいつまで子供なんだ?
    なんでいつもごーよくさんに頼るんだ?
    「俺が悪いのに…っ…ごーよくさんなんて…嫌い…」
    [いいよ、嫌ってくれても…でも、俺は啓悟のことずっと大好きだからなぁ…]
    ごーよくさんはいつも通りに笑ってくれる
    それが本当に、本当に苦しくて…
    自分が…大嫌いになった

  • 511主25/10/19(日) 23:25:58

    ホークスの精神は

    1 回復傾向に向かった

    2 ずっと荒れている

    3 だんだん酷くなっていく


    dice1d3=3 (3)


    ごーよくさんは啓悟の事を

    1 幸せになって欲しいと思っている

    2 今ある苦しみから少しでも解放してあげたいと思っている

    3 楽にしてあげたいと思っている


    dice1d3=3 (3)


    レス乞食かもしれませんが、思いつきで立ててしまった為スローペースで進みますので、気楽にレスしていってくれるととても嬉しいです

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:29:30

    わぁ……悪化してってるぅ…

  • 531主25/10/19(日) 23:37:34

    あの日から、何となく空を飛ぶことも億劫になった
    人を殺した
    しっかり身体も服も洗ったはずなのに、あの時の匂いが取れない
    暗闇が苦手になった、あの時を思い出してしまって、またなにかやらかすかもしれないから
    上層部から謝罪されたが、どうでもよかった
    誰かを殺したなんて事実が消える訳じゃないんだから
    『ホークス、体調は大丈夫?』
    「だいぶ良くなりました、平気です」
    『けど、最近やつれてるように…』
    「夏バテです、心配しなくて大丈夫ですから」
    大人の前では、平気なフリをした
    別に辛くも何ともなかった
    俺がいくら苦しくても、「あぁ、可哀想に」なんて意味の無い言葉を言って何もせずにどこかに行ってしまうだけだから

    「…食事、また取りませんでしたね」
    「最近お腹空かないんですよ、歳かな?」
    「無理し過ぎです、私もできる限り協力しますから…少し心と体を…」
    「…普通に生きてる目良さんに何がわかるんですか」
    「俺の気持ちなんて誰も分からない、同じ人なんていないから」
    「ねぇ、目良さん」
    「俺ならココの人間全員を再起不能にするのに、どのぐらいかかりますか?」
    「ホークス…!」
    「…冗談っすよ…そんな顔しないでください」

    [面白くない冗談だね、啓悟]
    「…だね」

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:42:05

    ホークスの目に常にハイライト無さそう

  • 551主25/10/20(月) 01:21:04

    人は1分間に1人死ぬ

    それだけ…その1分の間に、俺が1人殺めただけ

    いいなぁ…ごーよくさんみたいに楽観的に考えられたらなぁ

    なんでここの人たちは平然と仕事ができるんだろう

    俺に任務をくれたあの人だって、今は何ら変わらず普通に過ごしてる

    イライラする…

    このイライラはどうしたら治まる?

    俺は羽を広げた

    「そうだ」

    とても簡単な話

    鳥籠を壊せばいい

    [啓悟]

    「邪魔する気?」

    [啓悟がすることは全部…肯定する]

    [けど…啓悟に苦しい思いはして欲しくない、俺が変わってあげたいって…思ってる]

    俺はゆっくりと羽を閉じた

    唇が震えていた

    涙が出かけていた

    [なにかしよっか、啓悟…少しは楽になるよ]


    ホークスは

    1 少し散歩に出かけることにした

    2 美味しいものを食べに行くことにした

    3 何も出来ずに寝ることにした


    dice1d3=2 (2)

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 02:15:36

    美味しいもの食べて元気になってくれぇ………

  • 57二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 06:40:57

    焼き鳥食べておいで…

  • 58二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 12:06:17

    ほしゅ

  • 591主25/10/20(月) 14:41:22

    お腹が鳴り、まだ飯を食ってないことに気づく

    …正直食欲そんな無いけど…食べた方が…いい…よな

    俺は、ため息を着いたあと、外に出ることにした

    ──────────

    時期的なものなのだろうか、屋台が幾つか出ており、その中に焼き鳥屋の屋台を見つける

    俺はしばらく立ち止まって、屋台の灯りをぼんやりと眺めていた

    人混みのざわめきも、少し遠くで鳴る笑い声も、全部現実味がなかった

    屋台のおじさんが、手際よく串を返している

    パチ、パチと脂がはねる音


    焼き上がった串を二本、受け取る

    少し熱い紙皿

    ベンチに腰を下ろして、一口かじる

    …思ったより、うまかった

    温かくて、ちゃんと肉の味がした

    [美味しい?]

    「うん」

    俺は小さく笑った

    ごーよくさんは、その笑い声に合わせて羽を小さく揺らした


    風が冷たくて、少しだけ涙が出そうになった

    でも、それが冷たい風のせいなのか、わからなかった

    もう一口、焼き鳥をかじる

    ごーよくさんは、羽で俺を抱き寄せた


    ホークスは

    1 精神面が安定した

    2 まだ精神は荒れたまま


    dice1d2=2 (2)

  • 601主25/10/20(月) 14:48:10

    [……よかった]
    ごーよくさんの声は、いつもより静かだった
    温かい羽の中で、俺は目を閉じる
    胸の奥が、じわじわと焼けるように痛い
    「なんで、そんな顔…」
    [どんな顔?]
    「…優しい顔」
    [だって、啓悟が美味しそうにしてるから]
    俺は空を見上げた
    屋台の煙が、夜空の星をかすませている
    あのとき見た星空も、もう思い出せない
    記憶の中で、全部ぼやけていく
    「……俺さ」
    声が勝手に震えた
    「ヒーローって言葉聞くと、吐き気がする」
    「……何で、俺がこんなことになんなきゃいけなかったんだろ」
    しばらく沈黙が流れた
    ごーよくさんは何も言わなかった
    ただ、羽の先で俺の背を撫でていた
    優しすぎて、余計に惨めだった
    「俺が夢見てたヒーローっていうのは、全部ハリボテで…」
    「本当は…薄汚くて…本物の正義なんてものは存在しない」
    [啓悟…]
    「ごーよくさん、俺…辛い」
    「辛いけどさ…誰も助けてくれない」
    「だって、ヒーローは助けてくれる存在だもん…助けられる存在じゃダメだ」
    [俺が居る…だから…大丈夫]
    「…いいよ、無理しなくて…ありがと、ごーよくさん」

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 17:05:36

    ホークス曇ってきたな……ちょっと喜んでいる自分がいる

  • 621主25/10/20(月) 20:01:06

    屋台の灯がひとつ、またひとつ消えていく
    遠くで、提灯が風に揺れる音がした
    人の声はもうない
    ごーよくさんの羽の中で、俺はずっと黙ってた
    息をするたびに、胸が痛い
    何を言えばいいのか分からない
    何を考えたらいいのかも、もう分からない
    [……啓悟]
    声がした瞬間、涙が零れた
    止めようとしても、頬が勝手に熱くなって、喉が痛くなる
    「何も、分からない…」
    「俺…何が正しいのか、もう分からない」
    「ヒーローでいたいのか、生きてたいのか…」
    「それすら分かんない…」
    ごーよくさんは、何も言わなかった
    「俺、どうしたらいいんすか…」
    「誰を信じたらいいんすか…」
    「助けてほしいなんて、言っちゃいけないのに…」
    [言っていいよ]
    [俺が聞く]
    時間が解決してくれるさ、きっとすぐに忘れる
    そんな簡単な言葉すらくれないごーよくさん
    「…ごーよくさんなんか…嫌いだ」
    [そっか〜、嫌いか〜]
    ごーよくさんは皮肉めいた返事はしなかった
    ただ、俺が言ったことを確認するように

    嫌いなんかじゃない…
    ごーよくさんは俺のために…自分を使えと言ってきた
    最低だ

  • 63二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:20:42

    このレスは削除されています

  • 641主25/10/20(月) 20:21:53

    ゆっくりと朝日が差してきた

    眩しく堪らなかった

    ベットの上で羽を広げて俺は寝ていたのだろうか?

    いつ家に帰ったかもよく覚えてない

    「…」

    大人なら、一瞬の逃げ道は用意できただろう

    酒やタバコ

    けど、本当に一瞬の逃避行でしかない

    ごーよくさんも、あの日から積極的に話すことはなくなった

    …別に‪…いや…寂しい

    ははっ…ほんと、俺、ごーよくさんが居ないとダメなんだな

    [よく眠れた?]

    「…多分寝てない」

    [そっか]

    「脳裏に焼き付いてるせいかな…ずっと血の匂いがする」

    「洗っても落ちない、ずっと気持ち悪いのが張り付いてる」

    「変だ…なんでごーよくさんじゃなくて俺が苦しんでる?」

    俺は頭を抱えた

    目の前がぼやけてきた

    耳鳴りがしてきた

    なんで俺が苦しむ?本当に辛いのはごーよくさんだ

    違う、こんな命令をした公安だ…それも違う…あんな悪人がはびこるこの世界が…

    「ふふっ…ははっ!あはは!」

    何を言ってるんだろう俺は

    起きたばっかりなのに疲れたな…


    …何をしよう

    >>67

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:29:51

    掃除をしてみる

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:45:15

    風呂

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 20:51:01

    二度寝

  • 681主25/10/20(月) 21:19:55

    何をしようかと考えてるうちに、眠くなってきた
    …怒られたってもう何も感じないだろう
    俺は目を閉じて二度寝することにした
    ──────────
    [啓悟、今日は月が綺麗だよ]
    [知ってる?月が綺麗ですねって…えーと…誰かが…なんだっけ…ふふっ…ごめん、思い出せないや]
    [けーいご…]
    目の前にいるのは間違いなくごーよくさん
    でも、ごーよくさんにしては幼すぎる
    俺が子供だった時のごーよくさんより幼い…
    [早く啓悟とお話したいな]
    [啓悟はね、個性はとっても強いけど、まだまだ幼いからね…俺がお兄さんしなきゃいけないんだ]
    [苦しくはないけど…寂しいな…]
    座っているごーよくさんの隣にいるであろう俺は雑な布切れに巻かれ、眠っていた
    まだ赤子と言える年齢だろう
    […少しだけならいいかな]
    幼い俺のほっぺたをつつくごーよくさん
    [ははっ、可愛いね啓悟、多分柔らかいんだろうなぁ…いいなぁ…]
    何してるんだ…ごーよくさん
    これは俺の記憶じゃない
    [大好きだよ啓悟、何があってもずっと一緒]
    [俺は、啓悟を守るために生まれてきた]
    [だからさ…俺が啓悟を守る代わりに…啓悟にはずっと笑ってて欲しいな]
    幼い俺が、ほんの少し笑う
    […!]
    そんな俺を見てごーよくさんも笑った

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 01:14:45

    すごいほのぼのしたのが来た…

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 06:47:34

    保守

  • 711主25/10/21(火) 08:18:02

    …弟が産まれたばかりの兄のようだ
    俺は、その光景をただ、ジッと見ていた
    場面が切り替わる

    俺が殴られ、蹴られている場面
    [啓悟!]
    ごーよくさんは苦しそうに唸る俺に触れようとする
    [っ…クソっ…なんで!]
    父が拳を振り上げる
    俺が固く目を瞑る
    ごーよくさんが止めようとするが、その拳はごーよくさんをすり抜け、俺へと直撃した

    [守れない…なんで?俺は啓悟の為に…]
    [啓悟のためになったことなんて…何も…]
    ごーよくさんは、膝を抱え込み、涙を滲ましていた

    [啓悟、俺はね、啓悟のためだったらなんでもする]
    ごーよくさんが後ろから現れ、俺の肩に手を置いた
    不思議と感覚があった
    […罪悪感なんて感じなくていいって言っても…啓悟はいい子だからなぁ…]
    肩に添えられた手が俺の頭の上に乗せられ撫でられる
    [啓悟、君が俺で人を殺したことそれは、誰かにとっては間違いだったかもしれない]
    [でも、それを選ばなければ、君は命令に逆らって殺されていたかもしれない]
    [俺は、薄情者かもしれないけど、啓悟が生きてるだけでいい…]
    [どちらを選んでも地獄なら、生き残る方を選んだ啓悟を責める理由は俺にはない]
    [罪は、なくならない、人の命を奪った事実も消えない]
    [けどね、啓悟、俺は君が世界一かっこよくて強い子だって知ってる]

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 08:19:13

    このレスは削除されています

  • 731主25/10/21(火) 08:20:21

    [俺がいくら穢れたっていい、これからはずっと啓悟を守りたいから]

    「…けど…」

    [言語化が難しいね]

    […人を殺したこと、忘れろなんて言わない、忘れちゃいけない]

    [もう啓悟はその道を選んじゃったんだから]

    [人生は選択の繰り返し、辛いね]

    [俺は、何も出来ないから啓悟を見てることを選んだ]

    [啓悟も俺も苦しかった]

    ごーよくさんが俺の方を見る

    [選んで選んで選んで…その過程も、結果も全部間違いかもしれない]

    [もしかしたら今よりずっと苦しいかもしれない]

    [けど、もう選んじゃったから、変えられない、啓悟はその選択肢から逃げることはできない]

    [何回だって言うけど、俺が居る]

    ごーよくさんが笑って見せた

    まだ手が気持ち悪いような気がした

    そんな俺の手をぎゅっと握ってくれる


    目の前にはまた、幼い俺と幼いごーよくさん

    仲良く二人で寝ている


    ここまで説得されて、俺はどうすればいい?

    諦めるのは本当に簡単だ、すぐにでもできる


    「ごーよくさん…俺は…」


    1.2 前を向いて、進むことにした

    3 もう無理だと言った


    dice1d3=2 (2)

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 12:07:24

    進んだか……

  • 751主25/10/21(火) 15:58:45

    「ごーよくさん…俺は…」
    「誰かを殺したその手で、これから誰かを救っていく」
    「許されないかもしれないけど、せめて生きる意味を探したい」
    [啓悟、それが“守る”ってことなんだ]
    「……俺も、そう思えるようになりたい」
    ごーよくさんが頷き、
    [君がそうやって苦しみながら歩く限り、俺は君の中で生きる]
    [大丈夫、俺は離れない]
    [ずっと見とくよ]
    […ん、そろそろ時間だね、またね、啓悟]
    ごーよくさんは笑って、俺を抱きしめた
    ──────────
    目が覚める
    [おはよ、啓悟]
    「おはようって時間帯じゃないっすか…」
    [まぁね]
    心が軽くなり、考える余裕ができた
    あーぁ…こんな時間帯に起きたら怒られる
    ドアをノックされる
    俺はため息を着いたあと、「どうぞ」と返した
    「ホークス…その…」
    「俺の事…怒ります?」
    「いえ、ホークスが心配で」
    「ははっ、もう大丈夫です、ごーよくさんに教えてもらいましたから」
    「空元気…ですか?」
    「いえいえ、本当に元気です」
    「…良かったです」
    「そんなしんみりしないでくださいよ目良さん、心配かけてすいませんでした」
    「大丈夫です、元気なホークスの顔が見れて良かった」
    お母さんみたいなのが2人も居て…俺は恵まれてるな…

  • 761主25/10/21(火) 16:31:22

    そこからまた数年
    慣れてしまったなんて言う言葉はあまり使いたくはないが
    このヒーロー社会をより良くするために俺は、戦い続けた
    血にまみれ、ヒーローと呼べる姿ではない
    けど…憧れが、原点が消えてくれない
    でも、そのお陰で俺は今日まで生きてこれてる

    「ごーよくさん、なんか歳とらなくなりました?」
    [確かに、今の俺たち完全に双子だね]
    「ついにごーよくさんに歳が追いついちゃったか…老けたなぁ」
    [老いも大事だよ啓悟、俺みたいに強くなれる!]
    「ははっ、そうっすね」
    [それと、何回も言うけどチャート3位おめでとう!]
    「いやぁ…もう少し下の方で頑張りたかったんすけどね…」
    [啓悟の魅力は誰よりも俺が知ってるからね、逆に3位なんて納得いかない]
    「まぁ、オールマイトさんとエンデヴァーさんだからね…流石にあの人たちに追いつける気がしない」
    [大丈夫、啓悟は俺のナンバーワンだから]
    人生で俺はごーよくさんに何回バグをされるのだろう
    「ごーよくさん…もう俺成人してますから…ハグはちょっと…」
    [昔の啓悟はそんなこと言わなかったのに…!そんなふうに育てた覚えは無いよ…!]
    育てられたことないって言おうと思ったが…ほとんどごーよくさんに育ててもらったようなものだ
    [さて…啓悟、ここから先どうするの?]
    「インターンがもうすぐ始まる」
    「一応、何人か推薦した、ま、来てくれるかどうかは分かんないけどね」
    [啓悟と似たような個性?]
    「まぁ、1人はエンデヴァーさんの息子さん…多分エンデヴァーさんの事務所行くと思うけど…」
    「で、もうひとりは…」

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 17:17:00

    今めっちゃわくわくしてる…

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:16:56

    常闇&黒影とお揃いになるのか…

  • 791主25/10/21(火) 21:51:57

    ──────────
    「お、来た来た、待ってたよ、常闇踏陰くん」
    少し緊張しているのか周りをキョロキョロと見る常闇くん
    「ひとつ…聞いてもいいだろうか」
    「なんでも聞いて?」
    「俺は何故声をかけられた?」
    「鳥仲間」
    「お巫山戯で…?」
    「いーや…1割本音半分は1年A組の人から話を聞きたくて」
    「君らを襲った敵連合とかいうチンピラのね」
    「んで、どうせなら俺について来れそうな優秀な人ってことで、上位から良さげな鳥人を」
    常闇くんは、素直に話し始めた
    けど、まぁ、俺があえて煽るように言ったせいか、不機嫌そうだった

    それが職場体験の時の話

    そして、今回のインターン
    「久しぶりだね、常闇くん」
    正直来てくれるとは思わなかった
    印象最悪だと思ったし…
    まぁ、でも、俺はナンバースリー、トップヒーローを目指すなら、チャート10に入ってるヒーローの事務所に来るのは当たり前っちゃ当たり前
    [ごめん、啓悟…この子の事覚えてなかった]
    …確かに、SKに任せっきりであんまり話したことは無い
    ごーよくさんが覚えてないのも無理はないだろう
    今回は常闇くんに色々伝えたいこと、聞きたいことが山ほどある
    けど、それには…
    『ホークス!すぐ近くのコンビニで強盗が!』
    「分かりました、すぐ行きます」
    俺に着いてきてもらわなきゃね

  • 801主25/10/21(火) 22:01:11

    「事後処理お願いします〜」

    [啓悟]
    「どうしました?」
    [なんであの子なんだっけ?]
    「えぇ…」
    俺は後ろから着いてくる常闇くんにチラリと視線をやる
    「あの子の個性は、黒影、今常闇くんの動きをカバーしてる子…それが黒影」
    「理由わかった?」
    「…ごーよくさん〜?」
    俺は空を飛びながら、ごーよくさんと話していた
    地上からは俺の声は聞こえないだろう
    常闇くんからもギリギリ聞こえない程度の声で話している
    「まぁ、要するにあの子の個性は話せる」
    [それって俺と同じってこと?]
    「さぁね…そこを聞くために呼んだっていうのは誇張しすぎだけど…」
    「ごーよくさんも気になるでしょ?」
    […あの子の個性とかと話せたらどうしよう…俺啓悟としか話したことないから…]
    「ははっ!大丈夫ですって!そんなこと有り得ませんから!」
    [ま、そうだね、俺は啓悟が居ればいいし]
    [ていうか、常闇くんもうそこまで来てるよ]
    「分かってる」
    最高速度は出してないとはいえ、ここまで着いてこれるか…
    俺はさらにスピードを加速させた

  • 811主25/10/21(火) 22:09:20

    数日経ち、大分常闇くんのことが分かってきた
    SK達が、「お疲れ様でしたー」と言い帰っていく
    俺は、SK達と同様に帰ろうとする常闇くんに声をかけた
    「常闇くん」
    手招きをする俺に、常闇くんはゆっくりと近づいた
    ──────────
    「夜間飛行とシャレこもうよ」
    「ホ!ホークス!!我々は風になっている!」
    「飛ぶの初めて?」
    嫌がられるかと思ったら、案外楽しそうにしてくれていた
    「残りの4割さァ、常闇くんがもったいないことしてるなーと思ったからなんだよね」
    「空はね、良いよ、物事を俯瞰して見れるから」
    「?」
    「後進育成とかする気はないんだけどさ、」
    「…もったいない事とは?」
    「弱点の近距離カバーに尽力もいいけど、得意を伸ばすことも忘れない方がいい」
    「君は、もっと自由に動ける」
    「ホラ…鳥仲間のよしみさ」

    「飛べるやつは飛ぶべきだよ」
    「地面に縛り付けられる必要なんてない」

  • 821主25/10/21(火) 22:23:30

    「で!常闇くん、残りの4割の話したでしょ?」

    「また割って話して、残りの1割」

    「常闇くんの個性について少し教えて欲しい」

    「…個性?ホークスの見ての通りだ」

    「あー…そうじゃなくて…その、なんて言えばいいかな…」

    俺は口ごもった

    「俺さ…自分の個性と話せるんだよね」

    「あなたの個性は…個性と話せる個性では…無…いや、自分の個性と話…す…?」

    常闇くんはそこそこ混乱していた

    いや、当たり前だ…こんなこと急に言われても困る

    「えっと、俺の個性、剛翼は見ての通りこの大きな翼なんだけどさ」

    「剛翼自身が話しかけて来るんじゃなくて…俺そっくりの人型のになった剛翼が話しかけてくる…みたいな…?」

    「…???」

    ダメだ、常闇くん完全に宇宙猫状態だ…

    「見えない…?ここにいるんだけど」

    「黒影は、他の個性が見えたりしたことがあるか?」

    「異形トカ、発動シタラ分カル個性以外見エナイ…フミカゲト同ジ」

    [個性なのに実態があっていいなぁ]

    「本当に見えない?ここにいるよ?存在感しかないよ?」

    「個性同士なら有り得ないかな…」

    「ここまで必死なホークスは初めてだ…」

    2人とも目をこらしてホークスの隣を見た


    2人は

    1.2 見えない

    3 2人とも見える

    4 黒影にしか見えない

    5 常闇にしか見えない


    dice1d5=1 (1)

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:28:07

    見えないかぁ…

  • 841主25/10/21(火) 22:33:35

    「すまない、ホークス…俺達にはまだ潜らなければいけない試練が多いようだ…」
    「ゴメン…ホークス」
    「いや、いいよいいよ…大丈夫…俺は…」
    [そうだよね…だって俺啓悟の個性だもん…啓悟以外に見えなくても不思議じゃないよね…]
    俺の横でしゃがんで、ひと目でわかるほど不貞腐れてるごーよくさん
    「だが、ホークス…俺はあなたの事務所に行く前にあなたのことを調べた…」
    「そんな情報はひとつも…」
    「公表してないからね、ほら、みんなから見たら独り言ブツブツ言ってるヤバいヒーローでしょ?」
    「それに…公安の偉い人達から人に話すなって言われたからさ」
    「そんな大事なことを話してくれて感謝するホークス」
    「っ…はは!常闇くんってホント変な子だね」
    「何かあったら、役に立てるかは分からないが、俺にも話してくれ」
    「俺モ聞く!」
    「ありがとうね、2人とも」
    常闇くんと黒影を抱きしめる
    抱きしめた瞬間…これはさすがにやりすぎたと思ったが
    常闇くんは、どう反応すればいいか慌てるだけで嫌がってる様子はなかった
    黒影は喜んでた
    [癖、移っちゃったね、啓悟♪]
    俺はほんの少しだけごーよくさんを睨んだ
    ごーよくさんはすっかり機嫌を治したようで笑っていた

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:49:27

    抱き締めてるのがなんか微笑ましい

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 06:45:41

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:12:22

    ほしゅ

  • 881主25/10/22(水) 12:22:45

    常闇くんが帰ったあと、俺は自室からぼーっと星を眺めていた
    [いい子達だね]
    「でしょ?」
    [将来はSKにするの?]
    「常闇くん次第かなぁ、人の人生左右できるほど偉くないし」
    [そっか]
    「寒くなってきたね、ごーよくさん」
    [だね、啓悟、風邪引かないように気をつけてよ?]
    「分かってますって…でも、ちょっと緊張気味ですね今」
    「下半期ヒーロービルボードチャートJPがもうすぐだ」
    [あれ…そんな早かったっけ?この間お祝いしたばっかりな気がするけど]
    「時間ってのは早いんすよ、ごーよくさん」
    [確かに、啓悟はいつの間にか大人になってたしね]
    [あー…あの子たちぐらいの啓悟とまたお話したいなぁ…]
    「今の俺じゃ嫌っすか?」
    [今の啓悟と昔の啓悟じゃいい所が全然違う!もちろん今の啓悟も好きだよ]
    「過保護〜」
    [ふふっ、でもさ、啓悟なんで緊張してるの?またあの発表形式じゃないの?]
    「あぁ、今回会場に集まってヒーローから一言コメント話すみたいな感じらしいですよ」
    [おお!じゃあ、啓悟が好きなエンデヴァーに会えるね]
    「そこがちょっと心配で…多分エンデヴァーさん俺みたいなタイプいちばん嫌いだと思うんすよね」
    […エンデヴァーの個性嫌い…俺が燃えるもん]
    「ははっ、まぁ、お互い良い悪いはありますから、ごーよくさんも手伝ってくださいね」
    「見てくれてるだけで俺は嬉しいですから」
    [啓悟の言うことならなんでも聞くよ、啓悟二笑ってて欲しいから]

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 12:25:47

    羽根は燃えちゃうからねぇ…

  • 901主25/10/22(水) 20:08:31

    『敵連合に取り入れ、ホークス』

    「は?ちょっと待ってください、意味がわからない」
    「そっち捜索チーム組むんでしょ?グラントリノさんとかが」
    『どこで聞いた?まだ公表してない話だ』
    『…そういう所よホークス、貴方は───』
    ここの人達は、長々と話すのが相変わらず好きだ
    …さっきの一言が、頭から離れない
    敵連合に取り入れ…?
    『────同じ過ちを繰り返す事になる』
    「取り入る間、奴らが出す被害は?目を瞑れって?」
    『瞑れる男だと見込んでの頼みだ』
    『名誉名声に頓着がなく、ただただ、長期目標を見据えて動く、君程適任な者はいないと考えている』
    いい加減にしてくれ
    俺の事を不気味がって遠ざけて、都合が悪くなったら俺を使う
    「本当に必要なんですか?」
    『だからこその提案よ、表と裏から追い詰める事で確実に退路を断つ』
    「提案!断れないってわかった上で、そーゆー言い方するんだもんな、人が悪い」
    『否定はしないわ、ホークス、神野であなたの都合がつかなかったのは幸いだった』
    なんで今昔のことがフラッシュバックする?
    ねぇ…ごーよくさん…
    「…俺が穢れて皆が安心できるようになるのなら、喜んで引き受けますよ」

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:18:12

    あぁ……また曇ってきちゃった…
    なんか嬉しい

  • 921主25/10/22(水) 20:26:23

    […受けて良かったの?]
    「断れないって言ったでしょ」
    [ねぇ…啓───]
    「ごーよくさん、俺の事啓悟って言うのやめません?」
    「 …連合にもしも、俺のことがバレたら面倒だ」
    [でも、啓悟以外に俺と話せる人は…]
    「あのね、ごーよくさん…俺、本当はこの名前捨てなきゃいけないんですよ」
    […あんなの、間に受けなくたって…]
    「ごめんね、ごーよくさん、でも決めた事だから」
    […いいよ、啓悟が決めたことなんだもん、俺はそれに従うだけだ]
    [なんて呼べばいい?]


    「「ホークス」」


    「ヒーローを裏切るなんざ、ナンバースリーも落ちたもんだな?」
    「酷い言い草だけど、まぁ、否定はしないよ」
    「テメェ自身も分かってると思うが、ヒーローが簡単にこっちの信用を得られると思うなよ?」
    「はいはい、分かってるって」
    「それで?俺は何をすれば、連合の信用を得られる?」
    「あぁ、情報と、俺たちの仲間になるって行動で証明してくれ」
    「…それは、荼毘の独断?」
    「ナンバースリーを簡単にリーダーに会わせられるかよ」
    「ははっ、ごめんごめん、それもそうだ」
    俺はホークス、早すぎる男
    ‪”‬俺‪”‬が穢れて皆が安心できるのなら…
    [ホークス…]
    心配しないで、ごーよくさん
    …上手くやるから

  • 931主25/10/22(水) 20:52:22

    敵連合と関わった
    ヒーロー社会の輪郭がまた乱れていく
    ヒーローとは?と聞かれたら、俺は答えられる自信が無い
    [け…ホークス]
    「俺は間違ってない…よね」
    ただ、俺はその一言が欲しくてごーよくさんに聞いた
    [間違ってないよ]
    [心配しなくても、大丈夫]
    [それにさ…]
    ごーよくさんが指を差した方向を見る
    昔買ってもらったエンデヴァーさんのぬいぐるみ
    俺はそっと手に取った
    [明日、会えるんでしょ?]
    「そーだね…それもそうだ」
    けど、その日が過ぎれば、ほぼ生贄のようなヒーローを探して新しい脳無の実験台にする
    気が滅入る…
    [俺ね、エンデヴァーは嫌いだけど、このぬいぐるみのエンデヴァーは好き]
    [いつも、ホークスを慰めてくれるから]
    「本物と違って可愛いですからね」
    俺とごーよくさんは同時に笑った
    あぁ…ずっとこんな楽しい日が続けばいいのに
    楽しい日がやってきたと思ったら、次の日には、昨日まで全てが夢で、現実の悪夢が襲ってきては俺を犯して壊して行く
    「…幸せになりたい」
    色々考えていたらそんな言葉が溢れ出てしまった
    人殺しが自分の幸せなんか願ったらダメだ
    俺は目を瞑った

  • 941主25/10/22(水) 21:11:54

    まるでアイドルのライブ会場かのように、人が湧いている
    ちらほら見たことある顔が、幾つか

    『神野以降初めてのビルボードチャート!!その意味の大きさは誰もが知るところであります!!』
    始まった
    『ナンバーテン!前回の────』
    長い話は得意じゃない
    ごーよくさんと話せるなら話したい
    「はぁ…」
    少し気を抜いた俺にエンデヴァーさんの目線が向く
    怖か〜…ていうかコスチューム新しくなってる
    かっこいいですね!なんて言ったら…ねぇ…
    『ナンバーツー!マイペースに!しかし猛々しく!破竹の勢いで!今!2番手へ!』
    『ウィングヒーロー、ホークス!』
    「んな、大袈裟な…」
    『そして、今日!暫定1位から今日改めて、正真正銘!ナンバーワンの座へ!長かった!』
    『フレイムヒーロー!エンデヴァー!!』

    『今回このような場を設けたのは────』
    会長も大変だな、1から10まで説明して…
    [ホークス…熱い…]
    ごめん、ごーよくさん、でも、あと数時間は我慢して欲しいかな
    それはそうと…退屈だ
    「…1位って、どんな気分なんスか?」
    無言の圧力をかけられる
    お口チャックって話ね…
    全く…連合の件もあるってのに、少しも休む暇をくれないな…

  • 951主25/10/22(水) 21:21:15

    「何故あの日私は神野にいなかった!その思いが未だ胸を締めつける!!」
    「…」
    「今悪いこと企んでる奴!!私にぶっ飛ばされる覚悟しとけよ」
    「……」

    『支持率だけであれば、ナンバースリーの座でした』
    「数字に頓着はない」
    「結果として多くの支持を頂いたことは感謝しているが、名声の為に活動しているのではない」
    「安寧をもたらす事が、本質だと考えている」

    「それ聞いて誰が喜びます?ステインくらい?」

    「良いぞ生意気だ!」
    「…相変わらず和を乱すのが好きだな」
    「我慢が苦手なだけですよ」

    「えーと?支持率だけで言うとベストジーニストさんが休止による応援ブーストがかかって1位」
    「2位が俺、3位がエッジショットさん」
    「で、4位がエンデヴァーさん以下略」
    「支持率って、俺は今1番大事な数字だと思ってるんですけど」
    「過ぎたこと引きずってる場合ですか?やること変えなくていいんですか?」
    「象徴はもう居ない」
    「節目のこの日に俺より成果の出てない人達がなァにを安パイ切ってンですか!」
    「もっとヒーローらしいこと言ってくださいよ」
    剛翼がピクピクと反応する
    …ごめんて

  • 961主25/10/22(水) 21:24:28

    「俺は以上です」
    「さァ、お次どうぞ、支持率俺以外ナンバーワン」
    俺からマイクを奪い取るように持つ
    剛翼がさっきからずっと反応してる
    俺の邪魔しないように、話さないんだろうが…明らかにごーよくさんちょっと怒ってる…
    エンデヴァーさんの事だろう
    怒ってるのも知ってます…けど、エンデヴァーさんがなんて言うか正直楽しみなんすよ
    「…若輩にこうも煽られた以上、多くは語らん」

    「俺を見ていてくれ」

    静かな会場に俺の拍手だけが響いた
    ──────────
    「いやー、ゴメーワクオカケシャーシタ」
    「どういうつもりだ小僧」
    「皆さんがあまりに普通のことしか言わないんで、演出が必要だと」
    [ホークス…熱い…]
    「俺を試したな」
    胸ぐらから手を離される
    「まさか!むしろアシストでしょ、良かったでしょ?」
    「俺は別にオールマイトファンでもないし、あぁなりたいとも思ってません、それでもあの人の引退はショックでした」
    「あの人のようにアイコニックな存在とは言いません」
    「しかし、新たなリーダーは今絶対必要だと考えています」
    「安心しました、かっこよかったですよ」

  • 971主25/10/22(水) 21:25:33

    「自分がそうなろうとは考えんのか」
    「俺がそんな器に見えます?」
    「もうちょい下で自由にやりたいので」
    「貴様のような人間が最も嫌いだ、話は終いだ他の者への謝罪をして来い」
    「あ、こっからが本題です」
    「聞かん!失せろ!」
    「チームアップのお願いです、俺の地元、今、嫌な目撃談が増えてんですよ」
    「脳無って覚えてます?」
    ──────────
    エンデヴァーさんが居れば大丈夫だ
    もし万が一想定外の出来事が起きても…
    [ホークスが大体何考えてるかわかってきた]
    そりゃ良かったです、上手くいくといいんですけどね…

    「神野で格納されていた数十体をオール・フォー・ワンもろとも捕らえ、それ以降────」
    エンデヴァーさんが、今話してる相手はヴィランですよ
    人殺しの、貴方でも救えないようなどうしようもない人間
    例えば、俺から出るこんな言葉だって、きっと思っても無い言葉だ

    「ヒーローが暇を持て余す世の中にしたいんです」

    …あれ、俺…前に似たようなこと…誰かに…

    何か引っかかり思い出そうとしたタイミングで、剛翼が反応する
    またごーよくさんかと思ったが、違う

    「エンデヴァーさん」

  • 98二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:40:31

    来たな、ハイエンド戦…

  • 991主25/10/22(水) 23:16:49

    『はーい、お会計ですね』
    「下がって!お姉さん!」
    俺たち目掛けて脳無が突っ込んでくる
    ガラスが割れ、酷い音を立てる
    『どレが1番強イ?』
    「ホークス!避難誘導を!」
    「了解!エンデヴァーさんは!?」
    壁がメキメキと音を立てる
    「噂ではなかったか…なんとも間のいいやつだ…まァいい」
    「どのみちそのつもりで来た!赫灼熱拳」
    「ジェットバーン!」

    「来い、ナンバーワンを見せてやる」

    「エンデヴァーさん飛べるんですかぁ!?」
    「落ちないだけだ!抜かるな!こいつはまだ動く!」
    「こコんな火デ俺レをを、殺セるとと思っ思っ思ったカ?」
    「オ前は強いノか?」
    「生け捕りにして情報を頂く!」

    俺は剛翼を目いっぱいに広げた
    「サポートよろしく、ごーよくさん」
    [任せて、ナンバーツー]
    まったく…笑えない状況なのにごーよくさんは…

  • 1001主25/10/22(水) 23:18:16

    [啓悟、上から二階の東側、非常階段の前に人が詰まってる!子供三人と高齢者二名、窓際!]
    「了解」
    [上二階東、窓際に子供三名と高齢者二名!]
    吹き抜けが複数、内階段、外階段、避難経路は入り組んでいる。煙で視界が悪いフロアがいくつもある、だがごーよくさんは「見える」
    人の位置、けがの具合、動線、彼が伝える座標を俺が身体で返す
    声は低く簡潔に
    やることは単純だ、手を伸ばし、腕を回し、羽の風で人を支えて外の足場へ誘導する、ごーよくさんが指示する場所へ通路を作り、人を羽根で運ばせる
    通路の反対側から、別の市民のうめき声
    [左側の階段、曲がり角に女性が一人、足を挫いて動けない]
    「了解、他は────」
    叫び声とガラスの割れる音が別の階から聞こえてくる
    地震のようにビルが揺れる
    「オイオイ…頼みますよナンバーワン…!」
    [ホーク────]
    叫び声と共に、思わず耳を塞ぎたくなるような音がまた響く
    悲鳴、呼吸、衣擦れ、人から生じる振動!
    感知しろ剛翼
    ビル全階は無理、羽が足りない
    被害部分の人間全員!!

    「被害部分の76名、全員避難完了!」

  • 101二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:47:58

    ごーよくさんいる状態であれはどうなるか…ハラハラする…

  • 102二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 12:04:44

    ほしゅ

  • 1031主25/10/23(木) 13:33:17

    「エンデヴァーさん!」
    ビルごと脳無をヘルスパイダーで切る
    「それがハイライトですか!?」
    「まさか!」
    『…面モ白い…』
    そのままビルを焼き切る
    落ちてきた瓦礫を羽根で運びながら、被害を最小限に抑える
    「料理!したこと!ないでしょ!エンデヴァーさん!」
    「みじん切り粗いですよ、均等に切ってもらわないと」
    「喋るより動きに神経を使うんだな」
    「いや、羽減らしすぎると飛行性能下がるんですって」
    「それは悪かった」
    『トリ…』
    下にいたヒーロー達が加勢するが、殆ど意味を成してない
    『邪じゃっ…邪魔!』
    脳無が、体から脳無を吐き出す
    いくつ個性を…もし仮に予定通りだったとしてもこの脳無の性能を試せるようなヒーローなんて
    [ホークス]
    『うわぁぁ!!来るなぁぁ!!』
    吐き出されたの脳無に襲われかけている市民を間一髪で助ける
    「分かってますって…!」
    『ホークス!わっ…』
    「ハーイ、見えなくなるくらい下がっててください」
    「何を隠そう、パワー押しには割と無力なんで」
    「俺の背中やったら…安心させられん」

    上空のエンデヴァーさんに目をやる

    『残ネン』
    「エンデヴァーさん!」

  • 1041主25/10/23(木) 13:34:54

    『つっつままらん、ももっと強いヒヒーロローはいなナい』
    ──────────
    「なんだ…強くない…良かった」
    倒れる脳無をちらりと見た後SK達に指示を出す
    『ホークス!排出されたのは9体だ、まだいる!』
    「駅裏4体、交番前3体です、手分けを」
    剛翼が反応する
    「ごーよくさん、すいません…後でいいで──」
    遠くのビルが崩れていく
    「!」
    俺はSKにその場を任せ、飛んで行った

    エンデヴァーさんの火力を更にあげる方法
    [ホークス、今は俺の事じゃなくてエンデヴァーのことを考えて]
    [一緒に勝とう、ホークス]
    俺は小さく頷いた

    さらに火力を上げ、脳無に近づくエンデヴァーさん
    「そーゆーとこです!」
    エンデヴァーさん!
    俺の羽じゃ破壊力が足りない
    けれどスピードなら互角です
    ‪”‬俺達‪”‬ね、見てたんで知ってんですよ
    本気で越えようなんて人は一人もいなかった
    あなただけですよ、本気で越えようとしてたのは

    いや…無理でしょ…どんだけ不器用なんだこの人は
    「羽、あらかじめ飛ばしときました」
    あなたの火力に、俺のスピードを上乗せする!
    背中押しますよ!ナンバーワン!

  • 1051主25/10/23(木) 13:36:20

    まさに渾身の一撃を喰らわせようとした
    だが、その攻撃は突然獣のような様相になった脳無に防がれた
    「マジかよ…ッ!」
    猛スピードで、飛んでいく脳無とエンデヴァーさん
    十分な火力が出てない…!?
    [羽根はほぼ全弾撃った…]
    けど…それももう燃え尽きてなくなる…!

    「ホークス!!」

    まだ諦めない、こんな状況なのに
    明るく照らせる人になりたい
    「ッ!もう!燃えカス同然です!あまり助力できませんが!」
    脳無を抱えるようにし、上空へ、更に上へと登っていくエンデヴァーさん
    「なるほど、そこなら心置き無く放てますね…!」

    太陽が落ちてきたのではないかというほどの光と熱気
    煙にまみれて、状況が分からない
    羽根はほぼ使い切ってしまい、走ってエンデヴァーさんの元に行くしかない
    心臓の音がやけにうるさい
    生きててくれ、いや、あの人が死ぬ想像ができない
    だってほら…

    右手を上げ、勝利のスタンディングをしているエンデヴァーさん
    だが、もう余裕などないようでふらつく
    俺はそんなエンデヴァーさんを支えた
    「オールマイトとポーズ同じじゃないですか」
    「腕が…違う、奴は左…だ…!」
    「知らんですよ、とにかく!勝ってくれてありがとうございました…!」

  • 1061主25/10/23(木) 13:37:33

    「…0点だ、随分と酷いスタートを切った」
    「…すいません、でもこの勝ちは絶対…絶対にデカイはずです…!」
    「まず、その怪我と出血を何とかしないと」
    「俺はもう動けんぞ…誰かを呼んで来…」

    「ちょーっと待ってくれよ、色々想定外なんだが」
    「…!!!」
    「まァ、とりあえず、初めましてかな?エンデヴァー」
    エンデヴァーさんの呼吸が荒い
    なんで今来た…荼毘…!
    「お前がいるとは聞いてねぇ」
    「…あのスナッチを…殺したそうだな…」
    「敵連合、荼毘…!」
    俺とエンデヴァーさんを囲うように蒼炎が広がる
    「スナ?誰だっけ?」
    「んな事より話そうぜ?せっかくの機会だし」
    エンデヴァーさんが立とうとする
    「いや、あなたは休んでてください、俺やります」
    「雨覆しかありませんけど、時間稼ぎくらいは…」
    エンデヴァーさんも、ごーよくさんも戦わせるわけにいかない
    「勘弁してくれよ、そこの脳無を取りに来ただけなんだ、俺が勝てるハズねぇだろ」
    「満身創痍のトップツー相手によ!」
    攻撃を仕掛けてくる荼毘に、すぐに戦闘態勢を取る俺達
    だが、荼毘が炎を放つ前に、凄まじい風がそれをかき消した
    「ニュース見て跳んできたぜ!」
    「面白ぇ事になってんな!エンデヴァー!ホークス!」
    「てめェ、連合だな!蹴っ飛ばす!」
    「ミルコ…!?ったく…いいとこだったのに…」
    「氏子さん」
    荼毘の口から、神野の時の泥ワープであろう液体が出てくる

  • 1071主25/10/23(木) 13:40:17

    「また今度なナンバーワンヒーローさんよ、また話せる機会が来るだろう、その時まで…」
    「精々頑張れ、死ぬんじゃねぇぞ!!」
    「轟炎司!!」
    「今ッ…!話してけ!」
    たが、ミルコさんが蹴る前に荼毘は泥ワープで消えた
    「消えたっ…クソッ…これって神野ん時のアレじゃねぇのか?」
    「…とりあえずは」
    「一件落着…ぽいですね」
    ──────────
    エンデヴァーさんが病院に運ばれていくのを見た後、俺は燃やさず取っておいた、武器を拾った
    [その足で行くつもり?]
    「…苦労かけてすいませんね、ごーよくさん」
    [1度休んでからでもいいんじゃ…]
    「やらなきゃいけないことですから…燃やされないように気をつけますね」
    [死なないでね]
    「…死ぬ気はないですから」
    ──────────
    「色々話が違ってた」
    「そうだっけ?」
    「もっと仲良くできないかな、荼毘」
    荼毘の目の前に剛翼を突き付ける
    「ザコ羽しか残ってなかったんじゃねぇのか?」
    「嘘つきと丸腰で会うわけにはいかなかったからな」
    「予定じゃ、明日街中じゃなく、海沿いの工場だったはずだ、それにあの脳無、これまでのと明らかに次元が違ってた」
    「そういうのは予め言ってて欲しいな」
    「気が変わったんだ、脳無の性能テストって予め言わなかったか?」

  • 1081主25/10/23(木) 13:41:29

    「しかし、違うと言うとなら、そっちもそっちだぜ?適当な強いやつって言ったろ」

    「ナンバーワンじゃテストにならねぇ、程度を考えろよ」

    「ナンバーワンに大ダメージ、喜ばれると思ったんだけどな、約束は破ってない、反故にしたのはそっちだけだ」

    「いきなりナンバーツーを信用しろって方が無茶だぜ」

    「今回はお前の信用テストでもあった」

    「なんで今日のアレが死者ゼロで済んでる?」

    「俺たちに共感して協力願い出た男の行動とは思えねぇや」

    「こっちも体裁があるんだって、ヒーローとしての信用を失うわけにいかない」

    「信用が高い程、仕入れる情報の質も上がる、あんたらの利益のためだ、もうちょい長い目で見れんかな」

    「連合の事を思うからこそだよ荼毘」

    荼毘が俺の後ろの方向に歩き出した

    俺は手をそっと下ろす

    「まァ、とりあえずボスにはまだ会わせられねぇな」

    「また連絡するよホークス」


    ホークスは

    1 待て、と言った

    2 そのまま荼毘が去るまで何もしなかった


    dice1d2=2 (2)

  • 1091主25/10/23(木) 13:47:51

    …いや、今じゃなくていいか…それに別に荼毘じゃなくていい


    「ひとまず、燃やされずに済んだね、ごーよくさん」
    [炎系の個性はヒヤヒヤさせられる…]
    「そうっすね…でも、今日はありがとうございました、ごーよくさん」
    [勝つためだからさ、それに、俺が生えてる所を直接焼かれない限り別に痛くないし]
    [じゃんじゃん燃やしてこー!とかは、言わないでね]
    「ははっ、それは無いですって」
    なんで笑えるのだろう
    なんで平気で明る明日が来ると思っているのだろう

    俺は病室のドアを開けた
    エンデヴァーさん、ごめんなさい
    俺は…

  • 1101主25/10/23(木) 13:56:37

    とびきり疲れたというのに、今日は寝れそうにない
    プレッシャーで死にそうだ…
    「…ごーよくさん疲れたでしょ…俺が寝なきゃ、ごーよくさんも疲れたままだ…」
    [子守唄でも歌う?]
    「やめてください…ヘタクソ…」
    エンデヴァーさんの片目は大丈夫だろうか…
    [そういえば、なんとなく、荼毘とエンデヴァーって似てるね]
    […何その顔]
    「いや…ごーよくさんもボケるんだなって…歳か…?」
    [ボケてないよ、全く…ほら、なんとなく目の色とか個性とか]
    「髪の色も体格も全然違いますけど…似てるのは個性と瞳だけ」
    「そんなの探せばいくらでも居ますって」
    [そっか〜]
    [生で見たエンデヴァーはどうだった?]
    「かっこよかった」
    [良かったね]
    「けど…ちょっと苦しいっすね」
    「憧れの人の前で嘘をつき続けるって…ホント…こんな辛いとは思いませんでしたよ」
    両親を裏切った、人を殺した、ヴィラン連合にスパイをしている
    胃が重くなるどころかもう吐きそうだ
    「…つらーい…」
    ベットに横になる
    ごーよくさんはそっと頭を撫でてくれた
    無いはずの感触が、あるように感じるのはきっと疲れたせいだ
    [早く、啓悟が望む世界が来るといいね]
    名前のことについて一言言いたかったが
    俺が望む世界と言われ、また俺は考え始めた
    なんだったか思い出せない
    考えてるうちに眠気が襲ってきて、俺は眠りについてしまった

  • 1111主25/10/23(木) 13:58:38

    2日後、エンデヴァーさんの怪我が良くなったそうなので、迎えに行った
    色々聞かれたが、ほとんど嘘で返した
    悲しくなるよ、本当
    「じゃあ、また」
    俺はエンデヴァーさんに手を振った
    またフラッシュバックが起きた
    …そうだ、そうだったな…

    ヒーローが暇を持て余す社会

    必ず手に入れてやる、俺の出せる最高速度で

    でも、何か足りない気がしてならない
    なんだったか…もう思い出せない
    ごーよくさんに聞いても知らないと言われる
    思い出す価値が無いのだろうか…

  • 112二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 18:17:19

    ホークス……

  • 1131主25/10/23(木) 18:53:47

    荼毘から連絡が来た
    ヒーロー達がどういう動きをするか、普段はどこにいるか、主にヒーローに関する情報を求めてきた
    「…何が欲しいのか知らないけど、物資が豊富なのは、南の方」
    「金が欲しいなら、近くに工場がある」
    「昼休憩で人がいないタイミングを狙った方がいい」
    〔さすがナンバーツー、察しが良くて助かるよ〕
    「…人は殺すなよ」
    〔そっちが交渉できる立場だと思うな〕
    「目立ったら、捕まるのはお前達だ」
    〔さぁ?俺達だけで済むかな?〕
    「次はお前だ」
    〔何が欲しい?〕
    「…黒霧の居場所」
    〔悪いな、その件については俺も詳しくは知らねぇ〕
    〔けど…どっか遠くに行ってるってことだけは知ってる〕
    「待て、本当にそれだけか?」
    〔お前と違って俺は正直者だからな〕
    …嘘をついてる感じは無い
    捜索チームもようやく動き出した
    〔話は終いだ、また連絡する〕
    「…少しだけ時間いいか?荼毘」
    〔手短に話せよ?〕
    「お前が関わってきたヴィランに個性と話せる人間はいたか?」
    〔頭イッちまってるやつでもそんなこと言わねえぞ〕
    〔なんでそんなことを聞く?〕
    「個性と話せたら、面白いかもなって、雑談だよ」
    荼毘は数秒黙っていた
    〔…くだらねぇ話だな〕
    荼毘はそのまま電話を切った

  • 1141主25/10/23(木) 19:09:09

    「ねぇ…俺頭おかしいかな…」
    [その言い方だと、俺自身を否定してるってことになるけど…]
    「しょうがないじゃないですか!前例も何も無いんですから」
    [そりゃそうだけどさ]
    「…ごーよくさん」
    「ごーよくさんは、俺の言うことなんでも聞くじゃないですか」
    「俺が、消えてって言ったら貴方はどうするんですか?」
    屋上に静寂だけが響く
    言い過ぎた
    [それだけは聞けないな]
    [啓悟とずっと一緒って約束したから]
    「…俺はホークスです」
    [知ってる]
    [啓悟と約束したっていうのもあるけど…俺は啓悟がして欲しいこと言って欲しいこと、俺にできることなら何でもするけど、ホークスにはそんなことするって約束した覚えはないからね]
    「…屁理屈」
    [ただ、俺は啓悟のことが好きなだけだよ]
    [安心してホークス、きっと辛いのは今だけだから]
    [腹の底から笑える日はそう遠くないよ]
    「…そーっすね…」
    ひたすら前向きなごーよくさんは…ちょっと嫌いだ

  • 1151主25/10/23(木) 19:32:09

    情報を伝え、貰っては、公安に教える
    俺のメンタルなんてお構い無し
    犬が逃げるなら首輪を、鳥が飛ぶなら翼を
    [大通り、多分ブレーキが壊れた車が走ってる]
    「了解」
    ごーよくさんが人間だったらいいのに
    そしたら、こんな思いになることも無かっただろう
    「はーい、大丈夫ですか?」
    『あ、ありがとう!ホークス!』
    『おかげで助かったよ…』
    俺の会話を邪魔しないように、剛翼が反応する
    …見られたな
    こういう時に限って…なんで居るかなぁ…
    ──────────
    「君が訪ねてくるなんて珍しい」
    「調子はいかがです?」
    「だいぶ良くなってきたよ」
    「雄英のとこのお婆さんに頼まなかったンですか?」
    「先生は失ったものまでリカバリーはできない」
    「人間、肺が欠けても存外生きられる」
    「そろそろ露出していくつもりだよ、私の矯正を待っている者が大勢いる」
    「そうですか!」

    「それは残念です」

    ヒーロー殺しという言葉が頭を過ぎった
    ジーニストさんの説得には成功した
    殺さずに済んだ
    さて…これで終わってくれると助かるんだけどね…

  • 1161主25/10/23(木) 19:50:21

    仮死状態になったジーニストさんを見た
    俺は何もしてないと否定したかった
    けど、そんなことはきっと許されないだろう
    全て背負って生きていけ
    [時間通りに来なかったね]
    「勘弁して欲しいよ」
    […ねぇ、ホークス、俺さ、すごい嫌な予感もするんだ]
    「俺もです」
    [そっか、ホークスも同じなんだね]
    「一旦帰りましょうか、いつまで待ってたって、意味が無い」
    ──────────
    ごーよくさんは勘が鋭い
    個性と性格も関係してるのだろう
    …いや、ごーよくさん自体個性なんだ、色々と敏感なのだろう
    「泥花市で何があった?」
    「おまえたちだろ」
    「…とっとと連合を捕まえてりゃ市民が死ぬこともなかったかもなァ…」
    持ってきた仮死状態のジーニストさんを見て笑う荼毘
    「これが本物かどうかはともかく、お前は人を1人殺したって訳だ」
    「ヒーロー殺し、なんら俺らと変わらねぇな」
    「そうかも」
    「で、ちょっとは信用してくれた?」
    「信用つーか、ここまでやってくれると思わなかった」
    「ヒーローの片隅にも置けねぇな」
    荼毘はソレを持つ
    「氏子さん」
    「…あぁ、そうだ、次会う時は、いい仲間を紹介してやるよ」
    「きっと気にいる」
    「冗談はよせ」
    そのまま泥ワープで、跡形もなく消えていった

  • 1171主25/10/23(木) 20:16:35

    ほんの少しだけ、状況が落ち着いたような気がする

    ようやく、一息つけ、なにかしてみようかと思った

    「お疲れ様です、ホークス」

    「ありがとうございます、目良さん」

    缶コーヒーを受け取り飲むが…

    「っ苦!?」

    「…ふっ」

    目良さんがほんの少しだけ笑う

    缶のラベルを確認すると、ブラックコーヒーと書いてあった

    [珍しいね、目良さんがイタズラなんて]

    「ちょっと、勘弁してくださいよ!?目良さん!」

    「甘いものばかりだとそれこそ疲れますよ」

    「うえっ…」

    「ホークスも少しは大人になったかと思いましたが、まだまだですね、安心しました」

    「安心ってなんすか…大人になった方がいいに越したことはないでしょ?」

    「早く大人になる必要は無いんですよ」

    「ごーよくさんもそう思いますよね?」

    目良さんの口から久々にごーよくさんという言葉を聞いた

    最近…というかここ数年は目良さんにごーよくさんのことを話してなかった

    まだ、覚えててくれたんだ

    [そうだね、ずっと子供でいいよ]

    [無理して背伸びしなくたっていいからね]

    なんとなく恥ずかしくなり、俺は顔を逸らした

    目良さんもごーよくさんもクスクス笑っていた


    ホークスは今日なにをする?

    >>120

  • 118二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:29:52

    気分転換に散歩に行く

  • 119二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:31:54

    美味しいものを食べに行く

  • 120二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 00:01:04

    掃除をする

  • 121二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 07:11:49

    保守

  • 122二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 12:08:00

    原作考えると最終的にはごーよくさん…

  • 1231主25/10/24(金) 13:05:44

    昼過ぎ
    玄関のドアを開けると、乾いた空気と少しこもった匂いが出迎えた
    「……ただいま」
    靴を脱いで、ふぅと息を吐く
    家って、こんなに静かだったっけ
    [おかえり、啓悟]
    「ごーよくさん、ただいま」
    「って言っても、ごーよくさんはずっと一緒だったでしょ?」
    [気持ちだよ気持ち]
    いつもの声が、少し安心する
    ジャケットを脱いでソファに放り投げ、カーテンを開けると、
    昼の光が差し込んでくる
    埃が舞って、光の粒がふわっと浮かんだ
    「…掃除サボりすぎたな」
    [だね今日、休みでしょ?]
    「まぁ、そうっすけど……」
    少し考えてから、ぽんと手を叩いた
    「よし、やるか!」
    [その勢い大事だよ、ホークス]
    その言葉に背中を押されるように、ホークスは掃除機を引っ張り出した
    外は穏やかな昼下がり、窓から差す風が、カーテンをゆらしていた

  • 1241主25/10/24(金) 13:06:53

    掃除機をかけながら、散らかっているものを剛翼を使い分別しながらゴミ箱に捨てていく
    [昔からすると器用になったよね]
    「…頑張ったからね」
    [知ってる!]
    掃除機のうるさい音にも勝つぐらいの大きな声で俺を応援するごーよくさん
    なんだが楽しくて、すいすい掃除が進む
    [ホークスって、ベット下にエロ本とかないの?]
    「無いっすよ…そんなもん」
    [じゃあこれ何?]
    ごーよくさんがベット下を指さす
    「なんもな…」
    コツンと、手になにか当たる
    俺はそれを取りそっとベット下から引き抜いてみる
    チラッと、表紙を見てそっと元の場所に戻した
    [え?何それ?]
    「いや…幼い頃なんか表紙乗っちゃった雑誌をほぼ押し付けるように貰いまして…」
    「その時ちょうどタイミングが良かったのか悪かったのか、ごーよくさんが疲れてた時だったのでごーよくさん覚えてないんすね」
    [見せてよ]
    「嫌です!エロ本より嫌です…!」
    [そっか、ならどんな内容かだけ教えて]
    「まぁ、若手期待ヒーローみたいな…やつですかね」
    [なら、良くない?]
    「なんとなくごーよくさんに見せるの恥ずかしくて…」
    [可愛いね、ホークス、まぁ、人に見せたくないものぐらいあるしね]
    [さ、掃除機再開させよう!]

  • 1251主25/10/24(金) 13:08:24

    窓ガラスを拭いたり、ゴミをまとめたり、物の位置を変えたりしてみた
    我ながらいい感じになった気がする
    「俺が汚れちゃいましたね」
    [お風呂入る?]
    「あ、その前に洗濯物」
    洗濯物を集め、洗濯機に入れて回す
    [ホークスはいつお婿に出ても大丈夫だね]
    「出ませんよ…結婚する気ないですし」
    [いやいや、ホークスが結婚しないなんて、世間と俺が黙ってない!]
    [それに、啓悟には幸せになって欲しいし]
    「結婚は人生の墓場って言葉もありますし…」
    [今すぐって言ってるわけじゃないし、でも、いい人見つかるといいね]
    「気が早い…」
    俺は一旦洗濯機を止め、着ていた服を入れる
    そのままシャワーを浴びることにした
    湯をざっと浴びて、ホークスは背中の羽を大きく広げた
    お湯に濡れて重くなった羽根を、指の腹で優しく撫でていく
    ごーよくさんは、シャワー浴びて、羽を洗ってる時ものすごい静かだ
    痛いのか?とも思ったことがあるが、風呂上がりにごーよくさんと話してると、元気そうだし…多分気持ちいいのだろう
    よくよく考えたらごーよくさんの本体はコレか…
    なんでそれが人型になって見える
    すごい異常事態なんだな…と再確認させられる

    俺は身体を洗ったあと風呂からあがる
    羽を拭き身体を拭く
    ごーよくさんは俺が思春期に入ってから、風呂に入ってる最中は姿を現さない上、話しかけても来ない
    …要らないお世話…

  • 1261主25/10/24(金) 17:19:54

    身も心もそこそこスッキリした
    今日はよく寝れそうだ
    まだこんな時間だけど、あんな時間まで働かされてるんだ…もう寝ていいよな
    俺はベットに横になったが、すぐに寝れそうになかった
    「ごーよくさん、もし俺がさ…ヴィラン連合の思想に、本当に賛成してヴィランになったらどうしよう」
    […ホークスの意思を尊重するよ]
    [それが間違いだったとしてもね]
    「叱ってくださいよ」
    [俺は君の幸せだけを願ってるから]
    ごーよくさんが、久々に頭を撫でてくれる
    もちろん触られたという感じはなかったが
    それが心から落ち着き、俺はだんだんまぶたが重くなっていった
    ほんの少しだけ、明日はいい日だといいな

  • 127二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 17:20:48

    ゆっくり寝てね…

  • 1281主25/10/24(金) 22:44:38

    朝早く荼毘に群訝に来いと言われた
    最悪のモーニングコールを聞かされた
    けど、もっと最悪なことが起きるなんて俺は知らなかった


    「さァ!その名を!死柄木弔!」

    「超常解放戦線」

    遅かった

    一つの意志に統一された兵隊
    ネットワークを掌握するF・G・I社
    業界に深く関わりのあるデトネラット社
    そして…恐らくまだ数体はいるであろうハイエンド脳無
    やろうと思えばいくらでも…
    このヒーロー溢れる超人社会で死柄木はヒーローたちと同等かそれ以上の力を持ってしまった

    ボヤけていた未来がハッキリと見えてくる
    何落ち込んでる暇がある?過ぎたことを‪”‬今‪”‬考えている場合か?
    [ホークス、後ろ]
    俺はすぐに表情を取り繕った
    「おい、何してるナンバーツー」
    「嬉しそうだな」
    「ああ!皆に紹介頼むよ」

    まだだ、まだ奥にも後ろ盾がいる
    全貌を突き止め一刻も早くエンデヴァーさん達に
    さァ…ホークス、ここからは遅れを取れば日本が終わるぞ

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:30:43

    ごーよくさんいる状態で戦線編か…

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 06:42:51

    ほしゅ

  • 1311主25/10/25(土) 09:44:29

    「ん、あぁ、ちょっとこっちに来いよホークス」
    「何?」
    「この間、言った、いい仲間ってのを一応紹介しておかなきゃなって思ってな」
    「そういや言ってたね」
    俺は荼毘について行来ながら俺は何人か連合の顔を思い浮かべた
    「あー…もしかしてトゥワイス?」
    「彼…怪我人でしょ?」
    「心配すんな、元気さ」
    「それに、アイツもお前に会いたがってる」
    ──────────
    「改めて紹介する、ヴィラン連合トゥワイス」
    「荼毘から話は聞いてるぜ、裏切り者なんだってな、極悪人が!良い奴だな」
    「あはは、そうですね、ヒーロー社会ぶっ壊せ〜!って感じです」
    「まぁ、荼毘が連れてきたやつだから心配する事はなんもねえと思うんだけどよ」
    「コッチを裏切ったりはしねぇよな」
    「まさか!逆になんでそんなことしなきゃいけないんですか?」
    「安心する答えが聞けてよかったよホークス」
    「いいや、俺はまだ信用ならねぇ、あの鳥野郎の1件もあるからな」
    「鳥は鳥でも俺は鷹ですよ、あんなクチバシしかないのと一緒にしないでください」
    「挨拶はもういいな?あとはお前ら次第だ、友情育むなり、喧嘩するなり好きにしてくれ」
    「ま、仲良くできるに越したこたぁ、ねぇよなホークス」
    「ですね」
    「じゃ、今後よろしくの握手し…い‪”‬っってぇ!!」
    「大丈夫ですか!?骨折れてるんですから、無理しないでください」
    こんな至近距離で話したこと無かったけど…本当にヴィランか?

  • 1321主25/10/25(土) 09:45:35

    暗号でのやり取り、ヒーローとしての活動、ヴィランとしての活動、日常生活
    全部両立させるのは無理だと思ったが、慣れてしまえば…まぁ…できないことも無い
    それに、情報収集は思ったよりも早くいってる
    [ホークス、少し静かな場所に行こう]
    「分かった」
    ごーよくさんは、俺が気づかないほどの微弱な振動も感じ取っていた
    [────だから、気をつけてね]
    「情報ありがとうございます」
    [荼毘は信じちゃダメだよ]
    「ココの連中は…誰も信じてないですって」
    […トゥワイスは?]
    ごーよくさんがぽつりとつぶやく
    「ただの都合のいい情報の仕入先です」
    「感じも良くて、話してて楽しいですよ」
    「唯一、溜まったストレスが発散できてる気がする」
    無意識に少しだけ頬が緩む
    [それって矛盾してるね]
    「そうっすね」
    [彼のこと好き?もちろん恋愛的な意味じゃなくて、友達そっちの意味合い]
    「ええ?別になんとも…」
    [相手は、ヴィランだからね、忘れちゃダメだよホークス]
    […啓悟は優しいから]
    「大丈夫ですって、俺の行動一つ一つに命が関わってる」
    「ヘマなんか、しませんから」
    俺は外を見た
    ここはアイツらのアジト、本拠地
    入れる通路、隠し通路、見回り
    もうそこら辺は全部俺とごーよくさんで暴いた
    「もうすぐ、年明けますね」
    「…寒いなぁ」

  • 1331主25/10/25(土) 09:46:39

    遺体の共有保管を荼毘が提案してきた
    効果的な場面で使うべきだと
    予めごーよくさんとその件については話していたので、荼毘との会話はスムーズにいった

    四六時中の監視
    「ブラックを買いかけて慌てていたな」
    「甘いのが好きなんス」

    伝えたいことも直接言えない
    「読んどいてくださいね」
    「ナンバーツーが推す本…!僕も読んでみよう…あの速さの秘訣が隠されてるかも…」
    「そんな君の為にも持ってきてました!」
    「用意が凄い!」

    ごーよくさんが居なかったら俺はとっくに折れてぶっ壊れて、けど、壊れきれなくて、そのまま働いてただろう
    忙しくて、監視されてて言えないけど…ありがとう、ごーよくさん

    「とりあえず、解放思想の浸透をガンバってます!」
    「公安は未だに────」
    長ったらしい話、本当はもう聞きたくも話したくもない
    剛翼を扉に挟む
    どれだけ小さなSOSも取りこぼさないように鍛えてきた
    剛翼は振動幅から音の種類を割り出す

    聞こえてるぞ

  • 1341主25/10/25(土) 09:47:42

    この中にヒーローが何人いるのか
    死柄木が、死柄木の奥にいるやつが具体的に何をしようとしてるのか
    最小羽じゃ聞き分けられる距離も短い
    [ごめん、ホークス、物音が思ったよりも…]
    肝心なところが曖昧なまま掴めない
    でも、わかってからじゃ遅いんだ

    今すぐここを包囲してしまえば

    [最速を考えろ]

    解放軍の細かい数や、全国にあるという、潜伏地点そして協力しているヒーロー全員を明らかにして、奴らを一網打尽にする
    さもないと見えない敵を取り逃してしまうし、市民への被害も大きくなってしまう

    「実は俺、まだ全然わかってねェの!今度教えてくれ」
    「難しくはないっスよ」
    「なんなら、今からでも教えましょうか?」
    「頼むぜ!」

  • 1351主25/10/25(土) 09:49:08

    「ん〜…やっぱり俺、頭悪ぃのかなぁ」
    「そんなことないですよ、ちょっと整理してみましょう」
    俺は紙を折って、図を描く
    分倍河原の表情が少しずつほぐれていく
    柔らかな光の中、ただの人間として話してる気がした
    この時間が終わったら、また“スパイ”に戻らないといけない
    何も知らない分倍河原の笑い声が、心の奥を掻き乱す
    どうして、こんな人がヴィランなんだろう
    ──────────
    「ああもう!早く死柄木に会わせて、監視解いてやりてーよ!!」
    「なんで未だに会わせもしてくれないんですかね」
    「京都の山で強化中だからだよ、4ヶ月かけて」
    「オフレコネタな、黒髪ロングが盗聴してるだろーけどまー、大丈夫だ、お前俺達のために身を粉にして働いてるもんな」
    俺は思わず持っていたペンを落としてしまった
    罪悪感がこぼれたインクのように心に滲む
    「おい、大丈夫か?立ちくらみか?」
    「あ、あぁ、いえ、ちょっと…その、嬉しくて」
    「…あの、分倍河原…」
    俺は羽を広げたあと、分倍河原の前に立った
    「俺が個性と話せるって言ったら…貴方はどう思いますか?」
    分倍河原は少し黙った後、言った

    「きっと、お前と同じでいいやつなんだろうな、素敵じゃねぇか、クソみてぇだな!」

    「気味が悪かったりとか…しませんか…」
    「少なくとも俺はんな事思わねぇ」
    「あー、そうだな…俺とおそろいみてぇで、いいじゃねぇか!いや、良くねぇ」
    「…そうですか、ちょっとコーヒー買ってきますね、ブラックでしたっけ?」
    「おう!」
    俺はその場から逃げるように、部屋を出ていった

  • 1361主25/10/25(土) 09:50:14

    馬鹿だ、傷口を広げるような質問をした
    けど、あの人は受け入れてくれて、肯定して…褒めてくれた
    [ホークス…]
    「分かってる」
    もうあの人は、ただのチンピラなんかじゃない
    あの人ひとりで日本を終わらせることだって可能になってしまった
    そして、仲間を守る意思が強すぎる
    何度ごーよくさんに相談しても、この結論は変わらない
    俺はあの人を…

    ‪”‬殺さなきゃいけない‪”‬

    [また俺を使って、いつも通りに]
    違うよごーよくさん
    貴方を使って‪”‬俺が‪”‬コロすんだ

    ──────────
    「遅くなってすいませんね」
    「便所か?」
    「そんなとこです」
    分倍河原にコーヒーを投げる
    [迷わないで、ホークス]
    [君の行動一つ一つが命に繋がってる]
    ちらりと分倍河原を見る
    壁には血がべっとり、床には羽が何本も散らばって、真ん中には分倍河原の死体

    そんな事にはならないよ

    …ごーよくさんのそんな言葉が聞きたくなった

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 12:21:43

    トゥワイス、いい奴だからなぁ…

  • 1381主25/10/25(土) 14:10:52

    そんな一日が終わりベットになだれ込むように横になった
    もう俺は限界だったようで、そのまま眠りに落ちた
    ──────────
    [久しぶりだね、啓悟]
    [ここで会うのは2回目だね]
    「だから、俺はホークスですって」
    ごーよくさんがゆっくり近づいてくる
    羽を広げ、自分の体を大きく見せるように、威圧感を与えるように俺の前に立つ
    [啓悟は、優しいからきっと躊躇する]
    […嫌な予感が止まらないんだ]
    「公安に来た時よりも?人を殺した時よりも?」
    […うん]
    ごーよくさんのそんな一言に、俺は夢の中だと言うのにドバっと冷や汗をかく
    「日本が…終わるんすか…?」
    [啓悟、俺はね…日本とかどうでもいい]
    [啓悟はいい子で賢い子だから、そんなヘマはしない]
    [けど、優しすぎるから]
    [死なないでね]
    ごーよくさんの言葉が重い
    息をするのもやっとだ
    けど、そんな緊張も、ごーよくさんの体温を感じるハグで和らぐ
    何が起きるか分からない、用心を怠るつもりは無い
    けど…怖い…
    「怖いよ…ごーよくさん」
    […ずっと一緒にいるから、大丈夫…啓悟は大丈夫だから]
    [だから、躊躇っちゃダメだよ]

  • 1391主25/10/25(土) 19:56:08

    「なァ、ホークス」
    「仲間の役に立とうって人間に悪ィ奴はいねぇ」
    「一緒に好きに飛ぼうな!」

    あなたのおかげだ

    「どうなってんだよ…なァ…!」
    「襲撃日時は暗号でやりとりしました
    「いやー、めちゃくちゃ大変でしたよ」
    「今回はとにかく数が脅威でしたので、「2倍」のあなたに少しの猶予も与えたくなかった、あなたを常にマークする必要があった」
    「会議前に解放思想のおさらい、自然だったでしょ?」
    「ホーク───」
    「抵抗しないでください、あなたはこのまま拘束し、警察に引渡します」
    「ちょっと…待てよ…あぁあ…ねぇえ…」
    「いっっっも…こうだぁ…」
    「またかよォオオお…!!」
    「信じて、信じてあげねぇと可哀想だって…思ったから」
    「誰かが信じてあげねぇと可哀想だって!」
    「…ありがとう」
    その言葉に対して出てくる言葉はそれしか無かった
    「あなたは運が悪かっただけだ、罪を償ってやり直そう」
    「やり直せるよう俺も手伝う」

    「…あなたはいい人だから」

    「うるせぇ…」

    「これがヒーローか?」

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:57:24

    あぁああ……ここつらい…

  • 1411主25/10/25(土) 20:21:34

    「何をやり直すってんだ!」「やめろ」 「なァ!!」「分倍河原!」
    「俺は!俺のことなんかとっくにどうだっていいんだよ!」
    「あなたと戦いたくないんだ!分倍河原!」
    「そりゃテメェの都合だろ!」
    「俺の魂はただ…みんなの幸せの為に…」
    ただ、無心で俺は分身する分倍河原を切った
    ごーよくさんも何も言わない
    「倍々で増やしていくにつれ、耐久力が低くなってますね」
    「同じ大雨覆で攻撃して解けるのとそうでないのがいますね」
    「ここまでやってきて絆されるようなミスはしない」
    「大人しくどうこうしてくれれば、まだやりようはあったんだ」

    ‪”‬彼のこと好き?‪”‬

    「…俺はあなたのこと好きでしたし」

    「俺の仲間はこいつらだけだ!土足ではいってくんじゃねぇ!」
    「無駄だ!屑が!屑野郎が!」
    「高速化が進むヴィラン退治、なんでだと思いますか?」
    「諦めない人間が、ヒーローにとって最も恐ろしいからです」
    「経験上意思の硬い人間は気絶してくれない」
    「うる…せ」
    「だから、どっちも諦めないから殺すしかなくなる」
    「おめェらは…ヒーローなんかじゃねぇ…」
    「いつもそうだ、誰も彼も!あぶれた人間は────!」
    分倍河原の言葉一つ一つ、耳を塞ぎたくなる
    俺は反論なんてできない
    「連中に伝えとくよ」
    [啓悟!!]
    俺の意志とは関係なく、数十枚の羽が俺の背中を覆うように舞った

  • 1421主25/10/25(土) 20:37:00

    その瞬間、扉の方から勢いよく炎が吹き出した
    「伝えなくていいぜ!聞こえてる」
    炎から咄嗟に身を守ろうと、避けようとするが、体制を立て直す前に、頭を踏まれ、ゴーグルが割れる
    「俺に気づいてなかったろ!?」
    「絆されてんじゃねぇか!ヒーロー!」
    そのまま、俺を踏み潰すかのように炎を噴出する荼毘
    だが、俺は間一髪のところでそれを避けた
    「武器がだいぶ減っちまったな」
    「仲間も燃えるとこだったぞ…」
    「大丈夫、ヒーローってのは咄嗟に人命救助をしちまうもんだ」
    「皮肉が冴えてるね、わかってたかのような勢いだったけど、バレてた?」
    「バレるも何も、最初からなにも信じちゃいねぇ」
    ごーよくさんが守ってくれなかったら、今頃俺は今の状態より酷い怪我を負ってた
    分倍河原は弱らせた…ここから運び出────
    「燃やせェ!!」
    「ッ動くなって!」
    視線を誘導させられるかのように、羽根と窓が目に入った
    周り込め…ホークス!

    俺のことを完全に消し炭にしたと思っていたようで、荼毘はまだ窓の方を向いていた
    「速すぎだ…!」
    扉から出ようとする分倍河原に剣を振るう
    この状況に1番適した判断、任務を遂行する

    「鷹見啓悟!!」

    その声が嫌に耳に響いた

  • 1431主25/10/25(土) 20:38:23

    なぜ俺の名前を知っている?
    何だ、こいつ
    俺の視線は分倍河原に向いた
    殺さなきゃいけない、俺が求める可能性はゼロになった

    俺は分倍河原に剣を突き刺した

    一瞬の隙
    そのタイミングで俺は背中を丸ごと焼かれた
    叫び声が、聞こえた
    [痛い痛い痛い…熱い熱い熱い…ッ!!]
    「ごーよくさ…っ…」
    酷い痛みだ、俺は背中を焼かれただけだが…ごーよくさんは全身を焼かれたも同然だ
    火を消そうとする俺の背中を思い切り踏みつける荼毘

    痛い、熱い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い熱い熱い熱い熱い
    助けて、啓悟

    「よくも!よくも!トゥワイスを殺したな!」
    「それがッ…仲間を殺された奴の顔か…!?」
    「なんて言い草だ酷い!涙腺が焼けて泣けねぇんだよ俺ァよ!」
    「トゥワイスがいりゃ、俺の夢はより確実に叶っていたんだ!」
    「悲しいに決まってる!」
    「連合の…っ…素性を調べた!」
    「お前と死柄木だけだ!何も出なかった人間は!」
    「誰だ…誰だおまえは」

  • 1441主25/10/25(土) 20:41:29

    「────」
    「トゥワイスよりも誰よりも、お前は俺をマークしなきゃいけなかったんだ」
    「連合も、死柄木も最初からどうでもいい」
    「一人の人間のたった一つのしゅうねんあで、世界は変えられる」
    「この世界に本物の英雄なんていやしねぇ」
    「俺はステインの意思を全うする者だ」
    「じゃあなホークス」
    「お前の生死も俺にはどうでもいい」
    熱いとか、苦しいとか、そんなことはどうでも良かった
    「ごー…よく…さ…」
    返事は返ってこなかった
    徐々に感覚もなくなっていく
    …嘘つき…一緒にいるって…
    「ごーよくさんのっ…嘘つ…」
    炎の勢いが強まり、死を覚悟したその瞬間
    熱がほんの少し収まった

    「ホークス!」

    視界が揺れる…誰だ…
    「フミカゲまずいヨ…」
    「言うな!」
    「ホークスの背中が…ナイ…!」

    「雄英の…ダセェな学生まで引っ張り出してんのか」
    「見ろよガキ」
    「そいつが、殺した、仲間を守ろうと走る背中をグサッと!」
    「何しに来た?助けに来たのか?何を助けに来た?」
    「お前が健気に夢見るプロってやつぁ、俺たちなんかよりよっぽど薄汚ねえぞ」

  • 1451主25/10/25(土) 20:42:35

    「…と…こ‪”‬…やみ…く‪”‬ん…」
    ここから逃げろ、君じゃ勝てない…相性が悪すぎる
    だが、常闇くんは俺の上半身を起こし、そのまま黒影と共に守るような体制をとった
    「俺はただ、師を案じただけだ」
    「思考停止」
    狭い廊下に炎が立ち上る
    チラリと常闇くんの右足が焼けるのを見た
    「ぐぅ…!!!」
    「フミカゲ…ごみぇ…ん」
    「…まだ…しゃ…べる」
    「答えろよ焼き鳥ども、本当に救いを必要としてるのは誰だと思う?」
    「…指示を」
    俺との会話にかまけたせいで俺を殺し損ねた
    それなのに、今また繰り返してる
    そうだ…恐らくこれは余裕じゃない
    動揺を誘って時間を稼いでる
    今の炎もだいぶ弱まってた
    連発できなくなってる
    「い‪”‬…ま…いけ‪”‬…」
    そのまま手すりを超え、下の階まで降りていく
    だが、黒影が炎の光で力が弱まったせいか、そのまま位置は低かったものの落下した
    そのせいか、徐々に意識が薄れていった
    ごーよくさんは…無事か?常闇くんは無事に…
    あぁ…もう…俺…は…

    「ホークス!ホークス!!」
    「すまない、ホークス!」
    「…ホークスから話は聞いてる…ごーよくさんと言ったな…」
    「頼む…師を…ホークスを守ってくれ…!」
    「黒影!ここなら炎も無い!黒の堕天使!!」

  • 146二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:57:56

    ごーよくさんが…

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 07:42:47

    保守

  • 1481主25/10/26(日) 12:05:06

    フッと、煙のように消え、俺は痛みからか、それともごーよくさんが消えたショックからか、涙が溢れ出て止まらなくなった
    こんなに泣いたのは何時ぶりだろう
    あぁ、まだごーよくさんに助けてもらう前だ
    父に暴力を振られ、大声出ない喚いた
    俺はベットのシーツに爪を立てた
    …居なくならんでね、ごーよくさん

    幼い頃の光景が鮮明に浮かび上がる
    希望に満ちた俺を、まるで家族のように扱ってくれた
    優しく撫で、応援してくれた
    …他人から見たら、ただの異常者
    けど、そんなことどうだっていい
    大好きで、大切なんだから

    ‪”‬きっとそこにあるのは、笑っちまうぐらい明るい世の中なんだろうね‪”‬

    満点の星空の下、俺は何を願った?
    きっと答えはシンプルだ
    なのに、ずっと思い出せない

    みんなは無事か?死んでない…よな…
    常闇くん…エンデヴァーさん‪…

    また、ドッとした疲労感が俺を襲い、俺は眠りに落ちた

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