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(CP・閲覧注意)ようこそ ジオン村へ②|あにまん掲示板
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(CP・閲覧注意)ようこそ ジオン村へ②

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:16:45

    宇宙猫難民ニャアンが、おそらく元宇宙犬難民で今はキシリア様の飼い犬のエグザベくんとニャンニャンするだけの話です。


    ※注意

    ・エグニャア

    ・一部キャラクターの擬獣化

    ・おとぎ話パロ?&パラレル世界(宇宙コロニーが宇宙村になっててMSはあるのに生活はシルバニアってる)

    ・人道的でない(生命倫理の欠如)したキャラクター有(フラナガン博士)

    ・スレ主はドスケベ卑しか雌猫のドスケベを書きたいだけ

    ・上記含めた諸々の二次創作要素が苦手な方はブラウザバックお願いします


    元ネタ

    【閲覧CP注意】エグザベ君とニャアンだけどさ17【エグニャア】|あにまん掲示板とりあえず先輩後輩にはなるんだろうそのような頼れる先輩と熱心な後輩の助け合いルートかもしれないもしくはさらに進んで恋人になるルートなのかもしれないとにかく良い関係で二人とも良い方向に行って欲しい不穏な…bbs.animanch.com

    上記より抜粋

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:19:26

    ニャアンの手がそっとエグザベの頭に触れ、柔らかな仕草で撫でる。

    後ろへ倒れて硬直していた彼の耳がぴくりと動き、こわばりがほどける。

    ────彼の理性を完全に崩したのは、意外にも“愛おしい”という感情だった。

    愛おしく、けなげで、いたいけな少女。

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:20:26

    だが今の彼にとって、目の前の少女は保護でなく支配の対象だった。

    エグザベは目の前の少女を“雌”として見ていた。

    「ぁ……」

    ニャアンの細い肩に、エグザベの手が伸びる。

    獣の行為。
    それは男女が愛情を確かめ合うものではなく、“雌雄”が繁殖のために行うもの。
    しかし狼は社会的な動物であり、つがいとの信頼関係なしには繁殖は行わない。
    分別を失った一部の人間のように、無理やり事を成すことはない

    相手が逃げないか、拒まないか。
    まずはそれを確かめる。

    幸いなことに、エグザベはその“狼の性質”にきわめて忠実だった。

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:23:02

    ニャアンの首筋に顔を埋め、においを嗅ぐ。

    「ん……」

    くすぐったそうに、彼女の口からかすかな吐息がこぼれる。
    しっとりと汗ばんだ肌の香りが、彼を駆り立てる。

    首筋を舐める。

    「ひぁっ」

    反応もかわいい。
    それに、このまま食べてしまいたいほど美味しい。

    エグザベは身震いするニャアンを抱きしめる。

    「んっ……」

    ニャアンの耳がぴくりと動く。
    抱きしめられるのが好きなのか、彼女は彼にもたれて体重を預ける。

    こうもかわいらしい反応を返されると、雄としてやり甲斐を感じずにはいられない。

    今度は本当に『食べる』をする。
    傷つけないように、痛くないように、優しく首筋に噛み付く。

    「〜〜〜〜っ」

    ニャアンは身体を縮こませる。
    彼の背中に回された両手が、衣服を強く掴んだ。

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:24:17

    その拍子に、背中に沿っていた彼の尻尾が、衣服の隙間からするりと抜け出した。

    彼女の尻尾が所在なさげに揺れている。
    エグザベの尻尾が、それに添うように動いた。
    2本の尻尾はまるで意志を持った生き物のように絡み合う。

    指先でニャアンの髪に触れる。
    引き寄せるのではなく、触れて確かめるような動作。
    髪に口付けを落とすと、ニャアンは恥ずかしそうに顔を伏せた。

    強引なことはしない。

    彼女が安心して、自分を完全に受け入れるまで、いくらでも時間をかける。

    「(このままだと、やりずらいな)」

    エグザベはニャアンを抱き上げる。

    「寝室、行こうか」

    「ぁ、……」

    ニャアンは黙って頷く。

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:25:34

    寝室に入り、ニャアンをベッドに寝かせると、そのままエグザベは彼女に覆い被さる。

    衣服ごしに、ニャアンの身体中にキスを落とす。
    少しでも嫌がるそぶりを見せたら、彼はすぐにそれはやめて別のアプローチをする予定だった。

    けれどニャアンは、キスのたびに身体をびくつかせ、か細く甘い声を漏らす。

    そして、吐息混じりの言葉を漏らした。

    「口にも……」

    今にも消え入りそうな声。
    そのかわいらしいおねだりは、ニャアンの一挙一投足に注視しているエグザベでなければ聞き逃していただろう。

    「……口に、何?」

    意地悪をしているわけではない。
    勘違いだったら、それで間違った行動を取ったら、嫌な気持ちになるのは彼女だから。ちゃんと確認を取らねばならなかった。

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:28:13

    「ぅ……」

    ニャアンは息を詰まらせ、所在なさげに視線を動かすが、最後はエグザベを見つめる。

    「キス……口にも……し、て……」

    涙混じりの声。
    ニャアンはあまりの恥ずかしさに堪えかねたのか、両手で顔を覆ってしまう。

    「ち、ちが……いまのは、やっぱり……」

    「いいの?」

    エグザベはニャアンの両手首を掴み、半ば無理矢理彼女の顔を暴く。
    真っ赤になった顔で、目には涙を溜めて、唇は緩み、熱い吐息がこぼれている。

    「ぅ……」

    ニャアンが顔を逸らそうとするのを、キスで阻む。

    噛みつくようなキス。
    だが意外にもその口唇は優しく彼女をなぞる。

    「んっ……ぅ……」

    ニャアンのつま先がせわしなく揺れる。

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:29:24

    苦しいのだろうか、エグザベは唇を離そうとする。

    しかしそれはニャアンによって阻まれた。

    ニャアンは彼に自身の唇を不器用に押し付け、ぎこちなく舌を動かす。

    それはキスというより、舌で触れるだけのかわいらしい動作だった。

    だが不思議と心地よい。
    ずっとされていてもよかった。

    「……ッ!」

    弾かれたようにニャアンが口を離す。
    エグザベの口内に鉄の味が広がった。

    ニャアンの舌から、わずかな出血。
    舌先には小さな傷ができていた。

    牙に当たって切ってしまったのか。
    かわいそうに。

    「痛い?」

    「だいじょうぶ……」

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:31:23

    その言葉を聞くと、もう一度彼女とキスをする。

    強引なキス。
    彼の舌がニャアンの口内を深く侵し、絡め取る。
    そのたびに、微かに血の味を感じる。
    苦味を帯びた鉄のような味でも、彼女のものだったら甘い蜜のように感じられる。

    「……っ」

    ニャアンが身じろぎをする。
    あえてそれを無視して、目的の行動を遂げようとした。

    がり。

    「っ!?」

    ニャアンは目を見開く。

    エグザベは舌をわずかに出し、彼女に見せる。
    そこには、猫の犬歯に自ら舌を押し付けて作ったばかりの傷があった。

    「これでおあいこってことで……」

    「……変なひと」

    眉を下げて、ニャアンは呟く。

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:32:30

    もう一度、口付けを交わす。
    今度は触れるか触れないかの、小鳥の戯れのようなキス。

    そろそろ次の段階に進んでも良いだろうか。

    彼女の両手首を掴んでいた手を離し、左手は彼女の頭部を撫でながら、右手はそこから下────頬、首筋を撫でて、なだらかな膨らみのある場所で止まる。

    「触って、問題ない?」

    ニャアンは躊躇いながらも首を縦に振る。
    彼女の上に着ていたものをたくし上げる。

    「!?」

    そうされるとは思ってなかったようで、ニャアンは目を見開いて身体を硬直させる。

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:34:21

    彼女の頭部に添えられていた右手は、今彼女の腰を掴んでいる。
    しっとりと汗ばむ肌が、吸い付いて離れない。

    本当に、細い。そしてしなやかで綺麗だ。
    くびれをなぞるように伸びた腹斜筋に触れると、彼女の身体がわずかに揺れる。

    まだ下着で隠されたままの、彼女の膨らみに指を這わせる。

    「……!」

    刺激が強すぎたのか、ニャアンは思わずぎゅっと目を瞑る。
    下着ごしに、少し手のひらで圧力を与える。

    息を吐く音と、身震い。

    頂上の部分に、指を走らせる。

    「ひぅっ!」

    ただでさえ敏感な彼女の、さらに弱い部分。
    親指で圧力を加える。

    「ぁ……」

    すぐにその部分は硬さを帯び、そのまましごくように指を走らす。

    「ぁ……あっ……」

    ニャアンは陶然といった様子で、与えられる刺激に肩を震わせる。
    大人っぽい子だが、その表情は無防備で、どこかあどけない。

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:37:07

    本来のエグザベであれば、その表情を見て我に返り、まだ子供になんてことを、などと思うのかもしれない。

    しかし薬物によって強制的に発情期を誘発され、さらに目の前の雌は自分を求めてくれている状況の彼はそうでない。
    何もわからぬままただ快楽に身を任せている目の前の雌の姿は、これから始まる行為への加速装置にしかならなかった。

    エグザベは片手で彼女の下着のホックを外した。

    「ぁ……だ、め……」

    ニャアンは胸部を隠そうとしたが、その腕を掴んで阻んだ。

    「見られるのは嫌?」

    「変だから……」

    「どこも変じゃないよ」

    なだらかな膨らみの頂上のそれは、ぷっくりと膨らんでおり、やや反り気味で、血色を帯びた色と合間ってとてもかわいらしいものだった。
    ニャアンの表情は羞恥に歪んでいる。

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:39:50

    「かわいいし……それに美味しそうだ」

    それを口に含むとニャアンは背中をしなるように浮かす。

    「ゃっ……ぁっ……」

    軽く吸うと、ニャアンは身を捩る。

    「だめ……だめ……」

    震えた声。
    彼女は掴まれた腕を振り解こうともがくが、びくともしない。

    舌で転がし、唇で喰む。

    「〜〜〜〜〜〜っ!」

    弄ばれるために作られた場所みたいだな、君のは。

    エグザベはその場所から口を離すと、ニャアンを掴んでいた腕を離して、両手で弄んでやった。

    「ぁ゛……! ぁあ……! だめっ、だめっ、ほんとうに……!」

    ニャアンは力無き声で何度も「だめ」を繰り返した。
    やだ、やめて、ではなく『だめ』
    両腕を自由にしてやったのに、その手は彼を突き飛ばすわけでもなくシーツを掴んで今この瞬間の快楽を堪えて、尻尾はエグザベのものと絡み合ったまま。

    なぞって、撫でて、圧して、つまんで……

    刺激に比例するかのように彼女の声にならない甘い鳴き声が激しくなる。

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:41:30

    「(まるで、料理してるみたいだな)」

    じゃあ、これが仕上げになるだろうか。
    エグザベはその部分を締め上げる。

    「あ゛っ……!」

    ニャアンが身体を逸らして、喉の奥から濡れた声を上げると、そのまま力無くベッドに身体を沈める。
    先ほどまでの彼女の身体のこわばりが嘘のようにほどけて、陶酔した表情を見せる。

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:47:12

    「もしかして、これだけでいけたの?」

    その言葉にニャアンは顔を伏せて、身体を丸めてしまった。

    「はじめて、で……ここが」

    ニャアンの目に溜まっていた涙がこぼれて、シーツを湿らせた。

    「ぅっ……ぇっ」

    小さな嗚咽の声。

    「本当は嫌だった?」

    探るような声。

    「わたし、おかしいんだって……はずかしいだけ……」

    ニャアンは肩を震わせている。

    「むね、さわられるだけで、こうなるなんて、しらない……」

    「ねえ、ニャアン。こっち向いて」

    エグザベがニャアンの頭を撫でると、彼女はちらりと彼を見る。
    そのままエグザベは彼女の濡れた目尻に口付けをした。

    「僕はまだなんだけど」

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:48:15
  • 17二次元好きの匿名さん25/10/18(土) 23:51:03

    なんてSザベくんだ!

    やっぱり男はオオカミ・・・

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 00:03:48

    かわいい猫ちゃんが狼さんにおいしく食べられちゃう!

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 07:09:54

    僕はまだってオイ…保湿

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 13:55:10

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:32:28

    「大丈夫。これからもっと恥ずかしいことをするから」

    「ぅ……」

    エグザベの指先が涙に触れ、まるで壊れものに触れるように拭い取った。



    ニャアンはまだ先ほどの刺激が抜けきっていないのか、たどたどしく衣服に手をかけ、いつもやっている『脱ぐ』という動作にも手間取っていた。

    一糸まとわぬ姿になると、彼女は小さく身を縮め、腕でわずかにでもその身を覆おうとした。
    耳は伏せられ尻尾も身体に巻きつき、防御姿勢のようだった。

    エグザベも着ていた衣服を脱ぎ去る。

    彼のものを見て、ニャアンは震え上がる。

    「それを、いれる……の?」

    「……優しくするから、なるべく」

    身体を丸めたままのニャアンを押し倒し、その身体を暴く。

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:34:35

    「綺麗だよ」

    細くしなやかな身体。
    なめらかな肌を撫でる。
    繊細すぎて、大切に扱わないと壊れてしまうかもしれない。

    二人は口付けを交わす。

    エグザベはそのままニャアンの鼠蹊部に手を伸ばす。

    「んく……」

    ニャアンは恥ずかしさから思わず瞼を閉じる。

    ニャアンのその場所は濡れそぼっていて、少し指で触っただけでニャアンは鳴き声を上げ、滴が溢れた。

    「本当に初めて?」

    思わず口をついて出た言葉。

    ニャアンは涙目で彼を睨みつける。

    「なんでそんなこと言うの……?」

    「ご、ごめん」

    「……はじめて、だから。痛く、しないで」

    「うん、本当にごめん」

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:36:57

    エグザベは起き上がり、彼女の両腿を掴んで、開かせる。

    「ゃっ……」

    ニャアンは反射的に足を閉じようとするが、びくともしない。

    充血したようなその場所は、湿った光沢に包まれている。

    エグザベはその部分にためらいなく口付けする。

    「……っ!」

    ニャアンは思わず彼の頭を両手で押さえつけ、そのまま引き離した。

    「こっちは好きじゃなかった?」

    「これ以上、おかしくなったら、もうだめ……かも」

    「ふーん」

    エグザベはその場所に今度は指をかける。

    「……っ!」

    ニャアンが口元を両手で抑える。

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:38:13

    とろとろに濡れ切って、先ほどの刺激のおかげか十分にほぐれている。

    指を一本、そこに入れてみる。

    「くっ……ぅ」

    悩ましげな声。

    わかってはいたが、狭い。
    裂けたりしないか心配になる。

    指が完全にそこに入ると、上部の肉壁を探る。

    ひゅう、と細く漏れる息が聞こえた。
    ニャアンは怯えたように身じろぎひとつしない。

    ここに異物が入ること自体が初めてなのだろうか。

    「(あった)」

    他の滑らかな場所とは異なる、ざらざらとした質感を持つ場所。

    わずかに指を曲げて、そこを刺激する。

    「ひゃ゛っ!」

    未知の感覚に、ニャアンは背筋をぴんと伸ばし、耳と尻尾も同じように立ち上がる。

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:39:34

    そのざらついた部分を、指の腹でやや強めに撫でる。

    「ぁ゛……あ゛っ、ぁ゛」

    直接的な衝撃に、ニャアンは恍惚とした表情になり、その部分は彼の指を強く締め付けている。

    この部分がない人もいる。
    上半身の膨らみの時もそうだったが、本当に弄ばれるために作られた身体のようだ。
    この子に勝手に外を出歩かれて、運悪く分別のない輩に捕まらなくてよかった。

    「(……いや、分別のない輩なのは、自分も同じか)」

    エグザベは自嘲気味に小さく笑い、思考を目の前の少女へ戻す。

    ここを適切に刺激すれば“アレ”ができるかもしれない。

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:40:37

    2本目の指をいれる。

    「ぁっ……」

    2本の指でしごく。
    掻き回して、刺激する。

    「ぁ゛ぁ゛ぁ゛……」

    喉の奥から絞り出されたのは、嬌声というにはあまりにも切なく、悶えを帯びた声。
    だがエグザベの指は強く締め付けられ、内部はうねりを上げてその刺激を求め続けている。

    「────っ!」

    飛沫が舞い、シーツに小さな染みが広がった。

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:41:59

    ニャアンは、呼吸を忘れるほどの震えに包まれ、やがて状況を理解すると、両手で顔を覆う。

    「もらし、ちゃった……?」

    そうして再び嗚咽を漏らし始めた。

    「こんなのって……ぅっ……」

    「おもらしではないよ。そういう部分を刺激したから、身体が反応しただけ」

    エグザベは指に付着した液体のにおいを嗅ぐ。
    普段その場所から排出されるものからはしないにおい。

    「君がそういう体質だっただけで、泣くことじゃないよ」

    ニャアンがその言葉で泣き止む気配はない。
    自分の身体が刺激によって起こす反応に追いついていないのか、排出器官から水鉄砲のように体液を迸らせた羞恥に耐えられなくなったのか。

    その様子にむしろエグザベはそそられていた。

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:43:58

    準備は万端になったその部分に、硬くなったものを擦り付ける。

    「ぁ……う……」

    ニャアンは指の隙間からそれを見て、身震いをする。

    「昨日は君が僕にこういうことをしてたよね」

    昨晩、エグザベがソファに横たわってまどろんでいたとき。
    ニャアンが毛布の中へ潜り込んできたのはそのまま受け入れた。
    彼女が身体を寄せて、彼のにおいを嗅いでいても、わざわざ起きて止めることはしなかった。
    だがその後、彼女の動きがどこか違う意図を帯びた瞬間、エグザベの意識は一気に覚めた。
    彼女が自身の下腹部をエグザベの下半身に擦り付けている。
    生理的反応でその部分が硬くなったら、それに気付かれたら。

    「ああいうことしたら、どういう気持ちになるかわかった?」

    「ごめん……なさい……」

    擦り付けているだけなのに、彼のものはどんどん湿り気を帯びてゆく。

    エグザベは彼女の両手を掴み、そのまま絡み合わせる。
    綺麗な顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:45:52

    「やめとく?」

    ニャアンは彼の目をちらりと見て、次に自分の下腹部とそれに擦り付けられているものを見ると、首をわずかに横に振った。

    「────ぁ゛っ!」

    一瞬の出来事。

    痛みは一瞬のほうが良いだろう、という気遣い。
    先ほどまで閉じられていた場所が、今はぱっくりと開かれて彼のものを根元まで咥え込んでいる。

    「〜〜〜〜〜〜〜っ!」

    痛み、息苦しさ、そして何かが壊れるような感覚。
    しかし満たされる感覚も同時に生まれ、ニャアンを包み込んでいた。

    繋がったまま、エグザベは彼女の手を強く握り、首筋や胸部に口付けを落とし、戯れる。

    すぐにでもこの狭くて熱い場所を味わいたかったが、彼女の身体が今内部に入り込んでいるものに馴染むのを待つために堪える。

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:47:01

    だんだんと緊張していた内部がうねりを上げて、彼女の最深部が締め上げてくる感覚がしてくる。

    ゆっくりと、その最深部に彼のものが強く押し付けられる。

    「ひぅ……っ!」

    雌猫の鳴き声。

    「ここも弱いんだね」

    律動が始まる。

    「はっ……ぁ゛……ぁ゛……」

    涙まじりの鳴き声。
    よく下準備をしたからか、涙を流しているものの、表情は発情した雌猫のそれだった。

    エグザベは目の前の雌に意識をすべて奪われ、思考も理性も掻き消されていた。

    ただただそれを貪り喰らい尽くす。
    彼女の内側を抉り取るような激しい動きは苛烈さを増してゆく。

    「ぁ゛ぁ゛……あ」

    すでに2度の絶頂を迎えているニャアンの身体は鋭敏を極め、激し過ぎる刺激に耐え切れないのか、もはや意識が朦朧としている有様だった。

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:48:36

    ふとエグザベは寝室に備え付けられた姿見が目についた。

    体勢を変える。

    エグザベはニャアンを抱いたまま、彼女の身体を背中が自分に向くように起こし、背後から抱き込む。

    「ぇ……?」

    ニャアンは状況が理解できていないのか、掠れた声を上げる。

    「前を見て」

    言われた通り彼女は前を見る。
    目の前には鏡。

    「ぃ……いや……」

    ニャアンは思わず目を瞑って俯いてしまうが、エグザベは背後から彼女の顎に触れて無理矢理前を向かせる。

    「ぅわ、ぁ……」

    鏡に映る自身の姿に。ニャアンはみじめな声を上げる。

    自分の身体が、自分の女性の部分が、血の気を含んで赤くなり、濡れそぼって、背後から自分を抱きしめている男のものを根元まで咥え込んでいる。
    ぱっくりと開かれたその部分は、ぴくぴくと痙攣して男のものを求め続けている。
    グロテスクとも言えるこの状況にありながら、自分の顔は紅潮し、惚けて、溶けたようになっている。

    「かわいいよ。とっても」

    「やっ……ぁ……」

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:49:40

    背後からの衝撃。

    ニャアンの身体が跳ね上がったが、背後からしっかりと抱き寄せられており、その衝撃を逃せずに受け止めた。

    その動きもだんだんと激しくなり、エグザベは吐息混じりにニャアンの耳元で囁く。

    「しっかり受け止めて」

    「ぇ……?」

    激しい奔流。
    同時に、ニャアンの内部に入り込んでいるものの形が変化している感覚。

    「う、ぇ……」

    あまりの苦しさに、ニャアンはえずくような声を上げた。
    ただでさえ狭い場所で、入り口に栓をするために彼の根元が膨らみを帯びている。

    それはイヌ科の生き物の特有の生理現象である。

    彼女を離さないように、出したものを一滴たりともこぼさせないように、鍵をかけてしまっている。

    「〜〜〜〜〜〜っ!」

    身体の中で暴れる熱い液体の感覚に、ニャアンは内部を溶かされるのではないかと錯覚し、反射的に身じろぎするが、それは絶対にこぼれることはないし、離れることもない。

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:51:03

    エグザベはニャアンを抱え込んだまま、ベッドに横たわる。

    「ごめん……こうなるとしばらく抜けないから。しばらくこのまま」

    「くるしぃ……」

    エグザベのニャアンを抱きしめる力が強くなる。

    「頑張って」

    ニャアンのわずかに張っている下腹部を、エグザベが撫でる。
    内部は彼のものと、彼から出されたもので満たされている。

    こんな狭い場所で、よく頑張ったと思う。
    その一方で、すべてを受け入れてくれたニャアンへの愛しさが込み上げ、エグザベは彼女の首筋に口づけし、そのまま顔を埋めた。

    「本当にかわいい」

    ニャアンの耳はピンと立ってぴくぴくと落ち着きなく動き続けている。
    エグザベの耳は後ろへ軽く倒されている。

    しかし彼らの尻尾は絡み合ったまま離れようとしない。
    いつからそうだったのか、あるいは最初からずっと絡み合ったままだったのか。

    結局二人は繋がったまま一晩を過ごした。

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:52:17

    投下おしまいです。
    保湿コメント感謝です。

    次の投下は明日の夕方以降です。
    フフフ……エグニャックス!

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 16:58:17

    遂にネコチャンが美味しく頂かれてしまった・・・

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 18:31:15

    うおっドスケベ……
    あの、繋がったまま朝を迎えるのえっちすぎて大好きなんだよな……
    翌日二人はちゃんと訓練に行けるのか!?色んな意味で

    あと絶対シャワー浴びてもお互いの匂いが取れなくて部隊の犬の子たちにバレるよね
    えっちだ

  • 37二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 20:32:52

    隊員A「ネコチャンから隊長のにおいがする…ヒソヒソ」
    隊員B「ネコチャン歩き方が内股気味だ…ヒソヒソ」

    こういうことですかわかりません!

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 22:05:03

    この世界婚約指輪ならぬ婚約首輪つけたりするのかな…いやスケベなやつじゃなくてね

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/19(日) 23:42:36

    気ぶりギャン小隊らしき一団いて草

  • 40二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 06:36:24

    保湿

  • 41二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 14:39:36

    辱めニャアンいいですねぐへへ
    ありがとうエグザベくん いやエグザベさん

  • 42二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 14:43:19

    潮吹きと鏡プレイとは叡智が過ぎるw
    設定年齢23歳と17歳、6歳の年齢差が、初々しさと淫靡さを両立させてくるかんじ

    同年齢だと好奇心の強さか耳年増感が勝つ気がするし、もっと年の差が離れると叡智さの雰囲気が変わりそう

  • 43二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:22:30



    翌朝。

    エグザベは目を覚まし、腕の中にニャアンがいることにまず驚いた。
    やがて昨晩の出来事が少しずつ蘇り、顔から血の気が引いていく。
    全身に冷や汗が滲んだ。

    「(僕は、なんてことを……)」

    目覚まし時計のアラームが鳴る。

    「ん……」

    腕の中のニャアンが目を覚ます。

    ニャアンはあっけらかんと言った様子で、挨拶代わりにエグザベの胸に頭を擦り付ける。

    「おはようございます……」

    少し遅れて朝の挨拶。
    眠たげなニャアンとは裏腹に、彼女の耳はぴょこぴょこと忙しなく動いている。

    「ニャアン、昨晩は……」

    「少尉は本当に狼さんだったんですね」

    ニャアンは彼の言葉を遮る。

  • 44二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:23:42

    「私のこと散々おもちゃにした」

    「返す言葉もない、本当にごめん」

    「後悔してるんですか」

    「うん、とても」

    「私は後悔してないですけど」

    ニャアンは彼の両頬に手を添える。

    「……もうお嫁に行けないです」

    彼の反応が知りたくて、ニャアンは思ってもいないことを口にした。
    結婚願望が芽生えるほどには、彼女の情緒はまだ育っていなかった。
    綺麗な白いドレスに憧れはあっても、それを婚姻という形と結びつけられてはいない。

    「責任は取るよ」

    エグザベは真剣な声で言い切った。
    ニャアンは眉を顰める。

    「義務感ですか」

  • 45二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:25:46

    「そういうのじゃ……」

    尻尾は絡み合ったままだった。

    「少尉は、あんなことを他の女の人とも?」

    「……昔は、人並みくらい」

    どこか歯切れ悪くエグザベは言った。

    「ふーん……」

    ニャアンはじとっとした目で彼を見つめ、両頬に添えた手を離してしまう。

    エグザベはそれを会話の終了と受け取った。

  • 46二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:26:49

    「先にシャワー浴びてきなよ。僕はその間にシーツを交換しちゃうから」

    エグザベが半身だけ起こし、床に落ちている自身の衣服を拾う。

    ベッドシーツは昨晩の行為でぐちゃぐちゃに乱れて様々な体液が付着していた。

    ニャアンは彼が衣服を身に付けたのを確認すると起き上がり、毛布で身体を隠しながら浴室に向かった。

    脱衣所に備え付けられた洗濯機に体液で汚れた毛布を放り込むと、改めてニャアンは自身の身体がひどく生々しい状態になっていると自覚させられる。

    すぐにシャワーを浴びて、彼女はどろどろになっていた自身の下半身に手を伸ばす。
    震える指をその内部に入れて、中を確認する。

    どろりと、粘度の高い白濁とした液体がこぼれ出た。

    「もったいない……」

    思わず彼女は呟いた。

  • 47二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:28:24



    車は訓練所とは別の場所へ向かっていた。
    エグザベは運転中、ハンズフリーで訓練所にスケジュール変更の連絡を入れていた。

    「どこに向かっているんですか」

    「病院だよ。緊急避妊薬、必要だろ?」

    「……」

    ニャアンはやや思案げな顔になり、俯く。

    到着したのは一昨日にも訪れた総合病院だった。
    婦人科は男性の立ち入りが制限されており、エグザベは落ち着かない様子で待合室の椅子に腰を下ろした。
    ニャアンはすぐに診察室へ呼ばれ、わずか数分ほどで診察を終えて戻ってきた。

    「もう終わったの?」

    エグザベが立ち上がる。
    ニャアンは彼の姿を見て違和感を覚える。

    「(なにかいつもとちがう気がする……)」

    具体的にそれが何かは出てこないまま、ニャアンは病院を出ようとする。

  • 48二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:29:41

    「受付に寄らなくていいの?」

    「……一昨日に処方された薬で、大丈夫だって」

    二人は病院を出て、車内に入る。
    すぐに車は訓練所に向かう。

    「抑制剤に、避妊の効果が?」

    エグザベはためらいがちに尋ねた。

    「……ずっと月のものが来ていないので、そっちのお薬も貰ってたんです」

    ニャアンは少しぼかして話す。
    月経は6年前に一度あったきり止まっていると言えば、余計な気を遣わせてしまいそうだった。

    「どこか悪いの?」

    「健康状態は問題ないですよ。私も何も困ってはいないです。でも将来的に病気とか……妊娠できなくなるリスクがあるから」

    「……色々と大変なんだね」

  • 49二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:31:14



    ワ゛ャン隊の隊員の平均年齢は非常に低く、隊長のエグザベでさえまだ23歳だった。
    最年長の隊員もエグザベと一つか二つしか年が違わない。
    それでも全員成人はしており、17歳のニャアンはその中で唯一の子供だった。

    午前のミーティングでは、エグザベが突然のスケジュール変更を詫び、今後の予定を伝えていた。
    隣にはニャアンが控えており、一人だけ訓練内容が異なる彼女は、どこか所在なさげにしている。

    ワ゛ャン隊の隊員の多くは犬の獣人だ。
    嗅覚に優れた彼らはすぐに違和感を察したし、そうでない者も、二人の様子を見れば何かがあったことに気付いた。

    いつもはきちんと仕舞われているエグザベの尻尾が、今日は仕舞い忘れたのか外に出ており、その大きなふさふさの尾がニャアンの細く長い尻尾と絡み合っている。

    当人たちはそれに気づいていないのか、エグザベは至って真面目な顔で話を続け、ニャアンは感情の乏しい表情のまま、ミーティングが終わるのを待っている。

  • 50二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:34:34

    「エグザベ隊長の尻尾、初めて見たね」

    ミーティング終了後、二人しかいない女性隊員の一人が、小さな尻尾をぱたぱたと振り回しながら、もう一人に声をかけた。
    小柄な彼女は、まさに小型犬のようだった。
    ぴんと立った耳を揺らし、瞳をきらきらと輝かせている。

    「あの二人のにおい、すごかったよね」

    「すごかったし、尻尾もなんかいちゃついてたし、子ネコちゃんもなんか歩きづらそうだった」

    もう一人の女性隊員は声こそ落ち着いていたが、耳は忙しなく動き、尻尾はちぎれんばかりに揺れていた。

    「お前ら、あんまり無粋なことを言ってやるなよ」

    数少ない非獣人の隊員が、苦笑まじりに二人の会話へ割って入った。

    「隊長も男だったってことだよ。俺たちは気づかないふりをしてやろうぜ」

    「子ネコちゃんはまだ17歳だよ? 心配だよぉ」

  • 51二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:36:11

    小柄な女性隊員が口を尖らせて言う。
    その耳の先はわずかに伏せられ、尻尾が落ち着かない。

    「あんなにおい撒き散らされて、同じ獣人としちゃ黙って見てられないね」

    もう一人の女性隊員が同意する。

    「そのにおいって、どんなにおいなんだよ」

    非獣人の隊員が首を傾げる。彼にはそれがどんな感覚なのかまるでわからない。
    小柄な女性隊員は顔を真っ赤にして視線を逸らした。

    「すごーーーく、いやらしいにおいだよ」

    「いやらしいにおいだったな、嗅いでるこっちも気がおかしくなる」

    二人の女性獣人の耳と尻尾が同時に激しく動く。

    「そういえば、午後のミーティングの内容ってなんだろうな」

    非獣人の隊員が話題を変えようとする。

    「キシリア様とギレン総帥の会談の護衛任務については昨日話したばっかりだしねぇ」

    「わざわざ隊長が招集するんだ、きっとすぐに伝えたいことがあるんだよ」

    そんな他愛のない会話を交わしながら、二人の女性獣人と一人の非獣人の隊員は、訓練に戻っていった。

  • 52二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:37:15

    投下おしまい。
    次の投下は0時前後の予定です。

    保湿とコメントありがたいです。
    ドスケベは光ですからね。

  • 53二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:40:46

    バレテーラ

  • 54二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 19:56:13

    尻尾に気づかないとはエグザベ君も動揺してるな

  • 55二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 21:06:25

    わんこ系獣人って、犬種によって外見さまざまなのかな?
    柴犬、シェパード、ビーグルぽい耳とシッポとか

    ボルゾイ、サルーキ系は超絶美形

  • 56二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:25:32



    「よし、みんな集まったね」

    午後のミーティング。

    午前中とは違い、エグザベの尻尾はきちんと仕舞われている。
    彼がいつも尻尾を隠すのを隊員たちは不思議に思っていたが、『隠し事ができない』からだと知って、皆納得した顔をしている

    「エグザベ隊長、ニャアンさんがいません」

    隊員の一人が声を上げる。

    エグザベは軽く頷き、平静に答える。

    「ニャアンはシミュレーター訓練中。これから話すことは、君たちに伝えておかなければならないことだ。そして相談したいこともある」

    エグザベは銀色のアタッシュケースを会議室のテーブルの上に置く。

    「これは新型の狂犬病の治療薬だ。フラナガン博士が、ワ゛ャン隊の犬の獣人の人数分を提供してくれた」

    隊員たちはざわめく。

    「分かっていると思うが、新型の狂犬病は犬の獣人にしか発症せず、感染力自体は弱い。こうして会議室に集まって会話した程度では感染しないだろう」

    「だが、一度発症してしまえば生存率はほぼゼロだと報告されている」

    エグザベは深呼吸をひとつして、次の言葉を選んだ。

  • 57二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:28:25

    「僕はイヌ科イヌ目の獣人だが、正確には犬ではない。だから新型の狂犬病に絶対に罹らない」

    会議室の空気が一度止まる。
    視線がエグザベに集中する。

    「ここにある治療薬は、君たちのために用意されたものだ」

    彼はさらに言葉を紡いだ。

    「これをみんなに伝えたのは……お願いしたいことがあるからだ」

    「隊長ではなく、僕個人としてのお願いだ」

  • 58二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:33:00

    「ここにある……君たちのために用意された治療薬を、一つ分けてほしい」

    エグザベが頭を下げる。

    「どうしても治療をしたい人がいる」

    「彼は僕の同期であり友人で……今は新型の狂犬病で意識不明の重体だ」

    エグザベの脳裏に、医療施設で眠るミゲルの姿が浮かぶ。
    エグザベは言葉に詰まりそうになりながら続ける。

    「それだけじゃない……彼はギレン派のスパイだ。先のジフレドのパイロット候補だった二人の獣人に新型の狂犬病を発症させ、猫の獣人であるニャアンに至っては直接手にかけようとした」

    部屋の温度が一段と下がるような感覚。

    先にジフレドのパイロット候補だった二人の獣人もまた、エグザベの同期であり友人であることは言わずとも皆わかった。

    誰も即座には言葉を返せない。

    「だが取り調べを受ける前に、彼は新型の狂犬病に罹ってしまった」

  • 59二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:37:01

    「自分の知る彼は、同期や何も知らない少女を手にかけようとする男ではない」

    「だから彼を目覚めさせて……なぜそうすることを選んだのか聞きたいんだ」

    「そのために……どうか治療薬を一本分けてほしい」

    「もし、これから先、集団感染が起こるような事態になったら、誰か一人が犠牲になるかもしれない」

    「もちろん、そのような事態になったら、僕はその一人を救うために尽力する」

    「自分がやろうとしていることは、命令違反で背信的行動だ」

    「僕をキシリア様のSSに突き出してくれても構わない」

    「卑怯なお願いだと自覚している。君たちの命を軽んじているとも思われるだろう」

    エグザベは頭を下げたまま語る。

  • 60二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:42:19

    「だがきっと、全て謎のままにして彼を闇に葬ったら、とても恐ろしいことになると僕は思っている。根拠はない。全て僕が勝手に考えていることで……そんな理由で君たちの中の誰かを犠牲にしてはならないとわかっている」

    しばらくの沈黙。
    重い空気が会議室を満たす。

    やがて隊員の一人が声を上げる。
    ワ゛ャン隊にいる数少ない非獣人の隊員だ。

    「俺も絶対に発症しないから、あくまで中立の立場から言うけど……俺は隊長がそうしたいならすればいいと思う。本当にここにいる犬の獣人たちの命を軽く見てるなら、最初から治療薬のことなんて隠すだろうし」

    彼は続ける。

    「どうせ俺たちの命は軽い。ここの獣人の誰かが一人犠牲になるなら、寂しくないように俺も一緒に死んでやる」

    小さなざわめきと共に、ひとり、またひとりと反応が出る。

    獣人の一人が静かに言った。

    「自分たちは、隊長に命を預ける覚悟があるからここにいるんですよ」

    口々に隊員たちは声を上げる。

    「顔をあげてください!」

    「ニャアンちゃんを手にかけようとした理由もちゃんと聞くべきだ!」

    「隊長、僕たちの中の一人の命を賭けるんだ。ちゃんと真相とやらを突き止めてきてください!」

    その言葉に、エグザベの肩から力が抜ける。
    そして震える声でワ゛ャン隊の隊員たちにお礼と謝罪の言葉を述べた。

  • 61二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:43:58

    投下おしまい。
    次の投下は明日の夕方以降の予定です。

    わんちゃんはいろんな犬種います。
    女性隊員はプードル系とシェパード系のイメージです。

    ミゲルの生殺与奪…どうしよう

  • 62二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 01:16:12

    そうだそうだ!みんなの前でどんなプレイをしたか赤裸々に話すべきだ!

  • 63二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 09:19:51

    公開尋問w

  • 64二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 13:37:40

    >>62

    >>63

    潮吹きと鏡プレイの曝露は色々まずいので許して差し上げろ…w

  • 65二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:25:45

    ミゲル、他の同期二人が何とか助かってくれるなら生きててくれた方が嬉しいけどねえ……

    それはそれとして初めてであんなになっちゃったのは発情期のせいであってそうじゃない私はあんなにいやらしい女じゃない!ってやるニャアンが発情期じゃないときにもいいところいじめられて潮吹いちゃって完堕ち調教済みのいやらしい女ですって卑しか雌猫晒してほしい
    私こんなえっちな女じゃない、ぜんぶ少尉のせい、ひどい、ってぐすぐす泣きながらうんうんそうだね君の全部僕が責任取るからねって挿入されててほしい

  • 66二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:46:18

    ミゲルと同期ズの犬種はなんだろう

  • 67二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 15:55:14

    ミゲルはスペイン系ルーツなのでスパニエル系?
    なんかミゲルってエグザベや他の同期二人よりももとになった犬種の体格とか小さめな気がする
    金髪はゴールデンレトリバーとかかも

  • 68二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:45:52

    訓練が終わった。

    エグザベの運転する車の助手席で、ニャアンは小さく息を吐いた。

    「何かあった?」

    「ワ゛ャン隊の女の人たちから……私とエグザベ少尉はどんな関係なのかって聞かれました」

    ニャアンは横目でエグザベを見る。

    「あなたが尻尾をしまい忘れたせいです」

    「それはごめん。それで、君はなんて答えたの?」

    「枕でおもちゃとだけ」

    エグザベの表情からは感情が窺い知れない。
    ニャアンは声を落として問いかけた。

    「エグザベ少尉、私たちの関係って、なんですか?」

    エグザベは前を向いたまま答える。

    「僕は君とつがいになりたいかも」

    ニャアンは赤くなった顔を隠すように、窓の外へ顔を向ける。

    「それは……責任感から?」

    「それはもちろんあるけど、君が僕のことを好いてくれているし、僕はそれが嬉しいし、君のことが好きになった」

  • 69二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:46:54

    ニャアンはじとっとした目になり、そのまま彼をちらりと見た。

    その言葉を信じたい気持ちと、どこか嘘っぽく聞こえる不安がぶつかる。

    表情にはまだ疑いの色が残っていたが、耳はぴんと立ち、尻尾は小刻みに揺れている。

  • 70二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:47:55



    帰宅すると、ニャアンは台所に立ち、簡単な夕食を用意した。

    「……今日は早く寝よう」

    食事を取りながらエグザベがそう言うと、ニャアンは眉を寄せた。

    「どうして?」

    「君の身体、まだ完全に回復してないだろ。無理はさせたくない」

    昨晩の出来事がニャアンの頭をよぎる。
    体の節々に残る痛みが、エグザベの言葉に重なるように響いた。

    「……仕方ないですね、少尉がそう言うなら」

    ニャアンの声には少しの寂しさが混じっていた。

  • 71二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:49:55



    寝室に入ると、二人は自然と同じベッドに身を沈める。
    エグザベは彼女を抱き寄せ、艶やかな髪を指先で梳いた。

    「おやすみ、ニャアン」

    「ん……おやすみなさい」

    ニャアンはエグザベの胸に顔をうずめ、尻尾を絡ませたまま目を閉じる。

    しばらくして、彼女の呼吸は穏やかで規則的なものになった。

    エグザベはそれを確認すると、静かに腕を外しベッドから身を起こした。

    そのまま音を立てずに部屋を出て行った。



    しばらくして、ニャアンの瞼がゆっくりと開いた。

    部屋の空気が変わっている。

    「……少尉?」

    ニャアンは身体を起こす。

  • 72二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:51:05

    不安が彼女の胸を締めつける。
    ベッドから抜け出して家の中を見て回るが、どこにも姿はない。

    「どこ行っちゃったの……?」

    心臓がばくばくと鳴る。
    耳は後ろに倒れ、尻尾も力なく垂れている。

    また置いてけぼりにされたの?

    ニャアンの中で過去の出来事がフラッシュバックする。

  • 73二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:52:38

    震えが止まらない。
    けれど外に駆け出して探すのは、現実的ではないと頭では理解している。

    「……つがいになりたい、って言ってたのに」

    ぽつりと漏れた言葉。
    彼のことがよくわからない。

    ニャアンはベッドに戻り、小さく体を丸めた。
    身体に巻き付いた尻尾が胸の前でしなだれ、耳は力なく垂れたままだ。

    ニャアンはエグザベの使っていた枕に顔を擦り寄せた。

    「(だいすきなにおい……)」

    そのまま、無意識のように自分の下半身へ手を伸ばす。
    けれど指先が少し触れただけで、昨日の余韻が痛みとして蘇り、すぐにその手を止めた。

    「早く、戻ってきて……」

    ニャアンは不安げな表情のまま、眠ることもできずに彼の帰りを待った。

  • 74二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:54:54



    エグザベが帰ってきたのは早朝になってからだった。

    薄暗い部屋で、エグザベの枕を抱えたままソファの端に座っていたニャアンが、ぱっと立ち上がる。
    その目の下には、明らかな疲労の色が浮かんでいた。

    「……少尉!」

    駆け寄って、抱きつく。
    エグザベの上着から、病気のにおいがした。

    「どこへ行ってたんですか……?」

    ニャアンの声は震えている。

    エグザベは一瞬だけ目を伏せ、すぐに柔らかい声音で答える。

    「少し……気分転換に、ドライブしてた」

  • 75二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:57:56

    彼は嘘をついている。
    しかしそれを指摘する勇気が出ず、ニャアンは小さく息をついた。

    「キシリア様が知ったら、村の空気を汚すなと言うはずです」

    言いたいことはたくさんあった。
    寂しかった。
    また置き去りにされるのかと思って怖かった。
    しかしニャアンはそのどれも喉の奥で飲み込んだ。

    「……もしかして、ずっと起きてた?」

    エグザベの問いに、ニャアンは小さく頷く。

    「今日の訓練、大丈夫そう?」

    「……今から少し寝られたら、なんとかなると思います」

    「そっか。じゃあそうしよう」

    エグザベは上着を脱ぐ。

    二人は再び寝室へ戻る。

    ベッドに横たわると、ニャアンはためらいもなくエグザベを抱きしめ、胸に顔をうずめた。
    彼の体温が伝わり、鼓動が響く。

  • 76二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 18:59:53

    しばらくそうして彼の匂いと温もりを確かめてから、ニャアンは顔を上げて彼の表情を覗き込む。

    エグザベの瞳はどこか遠くを見ているようだった。

    彼の指がニャアンの髪を撫でていても、意識はどこか別の場所にある。

    ニャアンは胸の奥がひゅっと冷たくなるのを感じた。
    そのまま彼を抱きしめる腕の力をさらに強める。
    離したら、またどこか遠くへ行ってしまう気がして。
    彼女の細く長い尻尾すら、彼に巻き付いて離れようとしない。

    彼女の身体は小さく震えている。

    「……少尉」

    ようやく絞り出した声は、かすれて震えていた。

    「どうしたの?」

    エグザベの声にはどこか余所余所しい響きが混じっている。

    「次は……勝手にいなくならないで」

    小さな声。

  • 77二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:00:59

    「うん、そうする。ごめんね」

    優しい声。
    しかしニャアンには、それが嘘くさいと感じられてしまった。

    「あなたは隠し事を、している」

    ニャアンは呟く。

    図星だったのか、彼の尻尾がびくりと跳ね上がった。

    それ以上、彼女は追求しなかった。

  • 78二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:04:20

    投下おしまい
    保湿コメント本当にありがとうございます
    早くスケベ書きたいです

    ミゲルは某ピクサーの某リメンバーミーをに出てくる黒いワンちゃんのことを考えながら書いてました。
    主人公もミゲルくんだし…黒いワンちゃんアレブリヘになっちゃうし…
    しかしこっちのミゲルくんはメキシコやんけ!って思いました。
    スパニッシュもかわいい。グラナダはいぬいぬしい空間で絶対癒されますね。

  • 79二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:17:47

    乙です

    このエグザベくんは獣人なせいかスレ主さんの他作品より合理的でS度が高いように感じる

    >>5のいくらでも時間をかけるつもりの余裕もオスメスの力関係あってこそというか

    今も何か含みがあるのにそれほど動揺しないし他にどんな顔を隠し持っているのやら

  • 80二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:29:09

    発情期のオオカミは攻撃的で独占欲が強くなるらしいからね…

  • 81二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:41:03

    不穏な空気が漂うとドキドキしちゃうね・・・

  • 82二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 19:55:02

    そこで癒しのプードルちゃんとシェパードちゃんですよ

  • 83二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:04:39

    ニャアンに心配かけないように狂犬病の件を調べているだけにしては妙な雰囲気を漂わせるエグザベくん
    時々不穏な単語も出るし続きが気になりますね…
    それはそれとして狼ザべ君と猫ニャアンのガオガオニャンニャンな夜はもっと気になりますね…

  • 84二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:32:38

    ────昨晩。

    エグザベはニャアンが眠りに落ちたのを確認すると、物音を立てぬよう家を抜け出していた。

    上着を羽織り、車に乗り込む。

    彼が向かったのはミゲルが入院している医療施設だった。

    車を医療施設からやや離れた場所に止めると、医療施設の門の外にある配送用の出入口のシャッターの隙間から身を滑り込ませた。

    院内の地図を頭に描き、迷うことなくミゲルの病室へ向かう。

    病棟には、居残りの研究員と夜勤の看護師が巡回しているだけで、人影はほとんどなかった。

    記憶を頼りに進み、ミゲルの病室へ繋がる扉を見つける。
    幸いなことにロックはかかっていない。
    外側からのみ自由に出入りできる構造のようだった。

    機械の低い鳴動と、管を通る水の音、そしてミゲルの微かな呼吸音が聞こえる。

  • 85二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:34:57

    エグザベは眠るミゲルに近付く。

    上着に入れておいた小さなケースから一本の注射器を取り出す。

    ミゲルの腕に固定された留置針は、透明なチューブにつながっていた。
    エグザベはそのチューブの途中にある注射口から薬液を流し込む。

    薬液がゆっくりとミゲルの中に入ってゆく。

    注射を終えると、エグザベは手の甲をミゲルの額に当てる。

    まだ冷たい。
    朝までに意識を取り戻してくれるだろうか。

    エグザベは念のため、物陰に身を潜める。
    監視カメラの位置は前回の来訪で把握している。
    幸いにも、ミゲル自体を映すカメラはなかった。

  • 86二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:37:24

    暫し時間が経つ。
    時刻が早朝を迎えようとする頃。

    機械が発する電子音が、わずかに速まる。
    ミゲルの呼吸が、確かなものになっていく。
    やがて、彼の体が小さく身じろぎを見せた。

    「ミゲル、僕だ。喋れるか?」

    ミゲルのまぶたが震え、微かなうめき声が漏れる。
    焦点がゆっくりとエグザベに合う。

    ミゲルは口を動かし、かすれた声を発する。

    「エグ、ザベ……? なぜ……」

    「聞きたいことがある」

    エグザベの言葉を聞くと、ミゲルは小さく笑ったように見えた。

  • 87二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:43:10

    ミゲルは、もつれる舌と乾いて掠れた喉から、かろうじて声を絞り出した。

    「……イヌマグヌッコを、止めろ……」

    唇を震わせながら、断片的に言葉を紡いでいく。

    「キシリアは……アースノイドや……敵対勢力を……家畜に……」

    「特定の遺伝子にしか……発症しない病を……管理のために……」

    エグザベは、一語一句を逃すまいと耳を澄ませた。

    「ぼく、たちは……人間、だろ……?」

    ミゲルの手が震えながら伸びる。
    その先には、ベッド脇の生命維持装置のパネル。

    「何を……!」

    エグザベはそれに気づき、咄嗟に手を伸ばした。

    だがミゲルの動きは、衰弱していることが嘘のように素早い。

    彼は震える指先で、装置を乱暴に操作した。
    生命維持装置の稼働を乱すこと。
    それだけがミゲルの目的だった。

  • 88二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:44:28

    「お前も、消される……逃げろ」

    彼の声はか細く震えているが、その瞳は真剣だった。

    「機械の誤作動で……俺は意識不明のまま……死んだ……きっと、そういうことに……」

    扉の外から足音が近づく気配がする。

    「(そろそろここを出なければ……!)」

    エグザベはミゲルから半歩ほど離れ、扉の向こうの足音に耳を澄ませる。

  • 89二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:48:40

    エグザベは胸の奥に渦巻くもの────責任、友情、恐怖、そして疑念。
    そのすべてを飲み込み、彼はミゲルの最後の判断を受け止めた。

    ミゲルの瞼は閉じられ、すでに呼吸は止まっている。

    エグザベは静かに眠る彼の顔を見据え、心の中で呟く。

    「(君の言ったことは、必ず確かめる)」

    ミゲルの言葉を全て信じているわけではない。
    だが彼の言うことが真実ならば、エグザベの感じていた『恐ろしいことになるかもしれない』という直感と合致する。

    ワ゛ャン隊の隊員一人分の命を預けてもらい、得た情報。
    そしてミゲルの判断。

    無駄にするわけにはいかない。

    エグザベは足音が過ぎたのを確認すると、病室を後にした。

  • 90二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 23:49:51

    投下おしまい。
    コメントありがとうございます。

    次の投下は明日の夕方以降。
    早くスケベ書きたいです。

    ごめんよミゲル……

  • 91二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:01:35

    こんなシリアスな展開なのにイヌマグヌッコで笑ってしまう

  • 92二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 00:12:27

    イヌマグヌッコって犬と猫だけなのかな?
    サルの獣人とかになっちゃったらかなり悲しいな

  • 93二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 08:00:56

    保湿

  • 94二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 11:42:27

    やるべきことに囚われた男はニャアンを置いて行ってしまう……

    しかしエグザベくんもだいぶ立場が厳しいよね
    本編で全然情報与えられてなかったけど、じゃあ情報があればちゃんと動けたのかっていうと……っていう逃げ場のなさ
    ギレン派はクローン強化人間とかやってるし連邦も強化人間使ったテロやってるしで実験動物にされる可能性がデカいしサイド6はジオンや連邦に睨まれたくないので逃げ場にはならない
    その上でキシリア派はこれ
    本編ならまだキシリア派は大人しく従ってれば身の安全だけは保障されたかもしれないけど、こっちの世界線だとエグザベくんはまだ知らないとはいえ子供は取り上げられて実験動物にされるのが既定路線
    シャリアに助けを求めるにしてもキシリアとギレン同時キルのためにはイオマグヌッソ(コ)の竣工式で二人が同じ場所に来てくれないと駄目なので現時点ではシャリアすら味方にはなってくれない地獄
    ここから入れる保険ってあるんですか!?

  • 95二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 17:45:50

    なんとか…こうシルバニアパワーでこう…ふわふわっと……

  • 96二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:14:07

    目覚ましのアラームが鳴る。
    一睡もできないまま、ニャアンは朝を迎えてしまった。

    隣でエグザベが身を起こし、彼女の方を見やる。

    「今日の訓練……無理だけはしないで。できる範囲で頑張って」

    穏やかな声音。

    二人は支度を済ませて車に乗り込む。

    助手席に座ったニャアンは、少しでも眠れたらと思いながらシートに身を沈めた。
    車の振動が心地よく、まぶたを閉じて呼吸を整える。

    だが、目を閉じると昨晩から早朝にかけての不安が次々と浮かび上がった。
    エグザベがいなかった時間、戻ってきた彼から漂う病気のにおい、そして何も聞けなかった自分。

    心臓が早く打ちすぎて、むしろ意識は覚醒してゆく。
    結局、眠ることはできないまま訓練場へ到着した。

  • 97二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:15:22



    午前の訓練は散々なものだった。

    シミュレーターの操作は乱れ、判断は遅れ、反応も鈍い。
    何度も同じ動きを繰り返しては、エラー音が鳴り響く。

    周囲のモニターには、赤い警告表示がいくつも点滅している。

    それでもニャアンは集中しなければと自分に言い聞かせて操作を続けた。

    エグザベがシミュレーションの様子をモニターで確認しながら、記録の手を止める。

    「ニャアン、午後の実機訓練は中止にしよう」

    「……っ」

    「再度予定を組み直すから、一旦休んできて」

    純粋な心配の声。

    この人もほとんど寝てないはずなのに。

    ニャアンは黙って頷く。
    彼女の尻尾は力なく垂れ下がっていた。

  • 98二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:17:16



    医務室での一時間弱の仮眠の後、ニャアンは昼食を取るように言われ、ワ゛ャン隊の女性隊員二人と同じテーブルに座ることになった。

    一人は明るくて小柄なプードル系の獣人。

    もう一人はシェパード系の獣人で、落ち着いた雰囲気を漂わせているが、耳と尻尾は常に忙しなく揺れている。

    「ニャアンちゃん、グラナダ村は慣れた?」

    「ここは他の村と勝手が違うから、最初のうちは体調を崩すことも珍しくない。エグザベ隊長はそういうのの察しが悪いから、なんかあったらいつでも相談してよ」

    グラナダ村に来てからニャアンの身体は変化を続けている。
    彼女はそれに振り回され続け、自己同一性もちっぽけな自尊心もすでにめちゃくちゃだった。

    「ありがとうございます……」

    純粋な親切が嬉しかった。

    世間話が続く中、ニャアンがぽつりと呟いた。

    「……つがいって、どんな感じなんですか?」

  • 99二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:19:16

    スプーンを持ったまま、プードルの女性が目を丸くした。

    「えっ!? いきなり!? どうしたの?」

    「急に知りたくなりました」

    ニャアンの真面目な声音に、二人の犬の獣人は一瞬だけ顔を見合わせ、質問の意図を察して、耳と尻尾をぶんぶんと動かし始めた。

    「うーん……犬のつがいはね、すごく近いよ」

    先に口を開いたのは、おしゃべり好きなプードルの女性隊員だった。

    「相手のにおいを嗅ぐと落ち着くし、体温が伝わると安心する。一緒に寝ると、心臓の音が揃う気がするんだ。ああ、でもこれって全人類共通かも」

    顔を赤くしながら、続ける。

    「発情期が来たら気になる相手とくっつくけど、終わるとケロッとしてまた別の相手を選ぶ不届者もいるんだよ。うーん、これも人間と同じかなぁ」

    隣のシェパードの女性隊員が、軽く補足する。

    「気が合えば長く一緒にいるけど、そうじゃなければ自然と離れる。犬のつがいはあんまり人間の恋人同士と変わんないよ」

    その言葉にプードルの女性は苦笑しながら、自分の耳をぴくぴくと動かした。

    「わたしも昔つき合ってた人とはそんな感じだったなぁ。一緒に寝ると落ち着くし、においが心地よくて。もちろん好きって感情はあるけど、とにかく安心するの……戦争なんてなければ、今も一緒だったかも」

    「……」

    その言葉に、ニャアンは思わず息を詰めた。

  • 100二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:20:36

    空気の変化を察したのか、シェパードの女性が少し声を落として話題を変える。

    「狼のつがいは、私たち犬と結構違うよ」

    本当に知りたかったことはこっちだろうと、彼女は語りかける。
    ニャアンの耳がぴくりと動いた。

    「狼の獣人ってさ、一途な奴が多いんだって。普通に恋人作って恋愛関係を築くこともあるけど、つがいは別格。一度つがいになると一生その相手だけ。片方が死ぬまで他の異性には目もくれないんだって」

    「……生涯の相手、ってことですか?」

    ニャアンの食事の手が止まる。

    昨日、エグザベから『つがいになりたいかも』と言われた。
    彼の口調はいつもと変わらず、特別な響きには聞こえなかった。
    だからその言葉の意味を『恋人のようなもの』だと思っていた。

    本当に彼は、自分と生涯を共にしてくれるのだろうか。

    「言い忘れてた!」

    プードルの女性が、照れ笑いを浮かべながら口を挟む。

    「狼の発情週ってすごいんだって!」

    その言葉にニャアンの耳がピンと立つ。

  • 101二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:22:17

    「だいたい一週間、毎日交尾! その後もいっぱいイチャイチャするって聞いたよ!」

    「ま、毎日……?」

    ニャアンの頬がみるみる赤くなっていく。
    その様子が面白くて堪らないのか、二人の犬の尻尾はもはや千切れんばかりに揺れている。

    「狼の交尾って、なんかお互いの絆を深め合うための儀式とか聞いたよ!」

    ニャアンは両手を膝の上に置き、俯いてしまった。

    好奇心とお節介が、二人の女性隊員を興奮させる。

    「ニャアンちゃん、犬だ狼だ言っても結局人類だし、実際に毎日ってわけじゃないと思うよ? 無理したら身体壊すし」

    シェパードの獣人は呟く。

    「そうそう! 誰とは言わないけど、あの人って機体の操縦めっちゃ荒いし!」

    「わっ、私の話じゃないです……!」

    ニャアンは声を絞り出す。
    二人の女性は顔を見合わせ、少し意地悪な笑みを浮かべた。

  • 102二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:23:18

    投下おしまい。
    保湿とコメント大変ありがたいです。
    次の投下は0時前後です。
    スケベさえ書ければよかったのに…

  • 103二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 19:57:05

    乙です
    シェパードちゃんとプードルちゃん好き
    ニャアンが人間関係を築いてくれるの本当好き
    生き残ってくれ頼む……!

  • 104二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:08:46

    投下乙です

    オオカミのつがいの絆はなぁ…狼王ロボで泣いたよ。

    シェパード姐さんとプードルタンはやはり癒しだった
    。女子トークかわいいのうかわいいのう

    ありがとうスレ主さん!

  • 105二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 20:18:19

    …エグザベくん昔つがいと死に別れた?

  • 106二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:28:18

    人並みくらい…
    何せエグザベ・オリベのコメントだ
    まったくあてにならないのである!!

  • 107二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:26:28



    その日の訓練が終わり、ニャアンはエグザベと共に家に戻る。
    玄関の扉を閉めると、ニャアンは彼の背中をじっと見つめた。

    「エグザベ少尉」

    「うん?」

    エグザベが振り向いた瞬間、ニャアンは彼に抱きついた。胸に顔をうずめ、深く息を吸い込む。

    「こうしてると、安心します」

    「そっか。うん、僕もそうかも」

    エグザベは彼女の背中に腕を回す。

    ほんの数秒の沈黙。
    その短い間に、彼の心の中ではいくつもの感情が交錯していた。

    ミゲルの声が耳の奥でこだまする。
    否が応でも彼の言葉が浮かび上がってくる。

    『イヌマグヌッコを止めろ』

    『キシリアはアースノイドや敵対勢力を家畜にしようとしている。特定の遺伝子にしか発症しない病を、管理のために』

    そして、フラナガンと交わした短い会話が頭を過ぎる。

    彼は都合良く犬の獣人だけが発症する病気を、人為的に作られたものだと言い切った。

  • 108二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:27:29

    もしもミゲルの言葉が真実だとしたら。
    彼の凶行は、キシリアがこれから進めようとしている計画を止めるためのものだったのならば。

    『ぼく、たちは人間、だろ……?』

    ミゲルはどういう意味でそれを口にしたのか。

    忠誠を誓うキシリアへの疑念が、エグザベの心をかき乱す。
    彼はこれまで、彼女が誰よりもNTと獣人の未来を考えていると信じてきた。
    だがそれらが全てまやかしだったとしたら。

    彼の指が無意識に震えた。

    その震えを誤魔化すように、ニャアンの髪を撫でる。
    柔らかい感触が、頭の中のざわめきをほんの少しだけ静めてくれる。

    ニャアンは顔を上げ、エグザベの唇に軽く口づけを落とした。
    最初は子猫がじゃれつくようなかわいらしいそれが、だんだんと熱と湿り気を帯びる。

    「……っ」

    それに応えるように、エグザベはニャアンを力いっぱい抱きしめ、激しい口づけを交わした。

    部屋になまめかしい音が響く。

  • 109二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:29:16

    ニャアンは少しだけ上手になったキスで、彼の口内をくすぐる。
    だが一昨日作ってしまった舌の傷が痛み、わずかに眉を顰めて彼女はキスを中断させた。

    名残惜しそうに唇が離れる。

    代わりにニャアンはエグザベの左手を両手で包み込み、自分の頬にそっと擦り寄せた。

    「少尉のにおい、いっぱい嗅ぎながら、したい……」

    恥じらいながら、頬を紅潮させて、おねだりをする。

    『つがいになりたい』と思うほど愛しく、かわいくて仕方のない少女から、艶を帯びた瞳で紡がれる言葉。

    聖人でもない彼がこの誘惑に抗えるはずがなかった。
    ましてや発情期にある狼という状態では、理性という防波堤など、とうに意味を成していなかった。

  • 110二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:30:19

    それに何よりも、今自分が直面している現実からほんの少しの間だけでも目を逸らしたかった。

    安らぎが、目の前にある。

  • 111二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 23:31:25

    投下おしまい。
    保湿とコメントありがたい…!
    もふもふふわふわたちは無事でいてほしいですね。
    次の投下は明日の夕方以降の予定です。

    フフフ……セクノヴァ!

  • 112二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 00:13:24

    ニャアンのお腹にできる予定の大事なかわいい子猫か子狼が奪われるなんて耐えられない…!

  • 113二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 06:32:56

    しゃあっ ネコちゃんの誘い受け発動っ
    夕方が待ち切れない

  • 114二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 14:22:19

    うおおお媾えー!

  • 115二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 19:44:01

    正座ほしゅ

  • 116二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:52:47



    「避妊具なんて……いつの間に用意してたんですか」

    二人はベッドに横たわっていた。
    エグザベは背後からニャアンを抱き寄せ、ちゅっ、ちゅっと彼女の首筋や肩に口づけを落としていく。

    ニャアンはわずかに吐息を漏らしながらも、手には避妊具の箱を握りしめ、眉をひそめていた。

    エグザベは首筋に埋めていた顔を上げ、息を整えて答える。

    「必要だろ……念のために」

    エグザベがそれを取り返そうと手を伸ばすと、ニャアンは小さく身体を丸め、箱を胸に抱えて守るように拒んだ。

    「君のためだ」

    「別に頼んでないです」

    どうせ妊娠の心配なんてないんだから、とニャアンは心の中で付け加える。

    「一昨日みたいに……したい、です」

    ニャアンはか細い声で、顔を真っ赤にしながら呟く。

    「君は……!」

    エグザベも顔を赤くして、彼女から無理やり避妊具の箱を取り返そうとした。

    ニャアンは避妊具の箱をベッドの下に滑り込ませてしまう。

  • 117二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:55:39

    「あっ、こら!」

    ベッドの下を確認しようと身を動かしたエグザベを、ニャアンは抱きとめて制止し、自身の下腹部を彼の硬くなった場所に擦り付ける。

    「……お腹の中に、いっぱい……出して」

    あの激しい奔流、お腹の中ですごく熱い液体が暴れ回っている感覚を、ニャアンは忘れられなかった。

    「……っ!」

    エグザベは息を呑む。
    彼のそれはびきびきと血管を浮かせ、抑え込もうとする理性を嘲笑うかのように脈打っていた。
    頭ではブレーキをかけようとしても、身体の方は目の前の少女を今すぐ食べたくて仕方がなかった。

    「あんなに苦しがってたのに?」

    「初めてでしたし」

    ニャアンの声は強がっていたが、身を縮こませて耳も尻尾も硬直している。

  • 118二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 20:58:22

    「後から何か言ってきても、知らないよ」

    ニャアンは羞恥に耐えかね、目をぎゅっと瞑って小さく頷いた。

    エグザベは右手で彼女の片方の腿を掴み、開かせる。

    「ぁぅ……」

    「君は本当に、才能があるよね」

    まだキスしかしていないのに。

    ニャアンのその部分は、湿りと熱を帯び、まるで溶けたガラスのように光をまとっていた。

    左手でそれに触れる。

    「〜っ!」

    とろとろとした感覚が彼と彼女の境界を曖昧にしてしまう。

    「手、もうこんなになっちゃった」

    少しからかってやるつもりだった。
    分泌液の付着した指を、ニャアンの顔に寄せる。

  • 119二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:02:20

    「ぅ……」

    ニャアンは目を伏せながらも、わずかに顎を上げ、その指を咥えた。

    「っ!」

    予想外の行動に、エグザベは思わず動揺の声を漏らす。

    「ん……」

    子猫のようにエグザベの指をちゅうちゅうと吸って、しゃぶる。
    くちゅっ、と湿った音が鳴る。

    彼の指を自分の体液で汚してしまったことのお詫びのつもりなのだろうか、丁寧に指をなめとると、ニャアンは吐息を漏らしながらそれを離した。

    「これで……きれい?」

    「……最初から汚れてないよ」

    君は本当にかわいいね、とエグザベは心の中で呟く。

  • 120二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:03:59

    『おそうじ』してもらったばかりの手で、彼女の下半身を探る。

    ひだに覆われて普段は露出しない、刺激を受けるためだけに存在する、多数の神経が集まる小さな感覚器官を見つけ出すと、人差し指と中指の関節で挟み上げた。

    「ぁ゛っ!」

    やはりここも彼女には劇物だったようで、ニャアンは身体を逸らしてわずかに痙攣を見せる。

    刺激を逃さぬよう、2本の指で挟まれたそこに親指を押し付け、執拗に押し立てる。

    「ぁ゛! ぁぁ゛……!」

    息を乱し、口許から熱い息を零しながら彼女は与えられる刺激を享受する。

    その部分を扱き上げて、彼女の身体が弾けんばかりに震え、絶頂に至るその寸前────エグザベは動きを止めた。

    「ぇ……」

    ニャアンは息を呑んで、彼を見上げる。

  • 121二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:05:12

    「足りない?」

    「ぅ……」

    彼女は真っ赤な顔を両手で覆い隠してしまう。

    「答えて」

    「いやぁ……」

    唇を噛みながら零れる声。

    エグザベは硬くなって脈打つものを、先ほどまで刺激していた部分に擦り付ける。

    「指と、こっち、どっちがいい?」

    「ぁ、う……」

    ニャアンは心臓を高鳴らせ、指の隙間から今自分に擦り付けられているものを見やる。

  • 122二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:10:48

    「君は、僕のことを枕でおもちゃって言ってたらしいけど……それならこっちじゃなくても問題ない?」

    ニャアンは言葉の代わりに自由な方の足と、自身の尻尾を彼に絡める。
    そうして今自分に擦り付けられているものを引き寄せる。

    「言葉で言ってくれないと、わかんないよ」

    意地悪を言っているわけではない。

    自分はあまり察しが良くないから、ちゃんと言葉で確認を取らないと、誤った行動を取ってしまうかもしれない。

    そんな、彼なりの気遣いだった。

    「ぅ、……」

    ニャアンは掠れる声を絞り出す。

    「ゆびじゃ、ない」

    舌足らずな言い方。

    「指じゃない方で、して」

    「その言い方、少し卑怯だな」

    エグザベは、彼女の顔を覆う両手を掴み、力ずくで引き剥がした。
    そしてニャアンの目を見つめた。

  • 123二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:20:43

    「ぅ……」

    「頑張って」

    まるで、訓練中にニャアンを励ますときと同じ口調だった。

    「いじわる……」

    「いつまでも待てるよ、こっちは」

    ニャアンの瞳に、涙が滲む。

    もしかすると、自分はこの顔が見たかったのかもしれない。

    いつもはどこか澄ました態度で自分に接する彼女の意外な一面。
    そして、心のどこかで“少しわからせてやりたい”という気持ちがあったのかもしれない。

    「……これを、ちょうだい」

    震える声。
    腰を浮かし、硬くなったものに自身の入口を押し当てる。

    「仰せのままに」

    ゆっくりとそれは入った。

    「……っ! は……」

    ニャアンはゆっくりと息を吐き出す。

  • 124二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:25:36

    まだ二度目の行為で、彼女の身体に大きな負担がかかっていた。
    受け止めるには重すぎる熱と圧力、それが入り込む痛みにはまだ慣れそうもなかった。

    「いい子」

    小さな子供をあやすように、エグザベは彼女を抱きしめて、頭を撫でる。

    「ぁ、ぅ……」

    ニャアンの最奥が彼を抱き返すように、きゅぅっと締めつけた。

    なるべく負担がかからないように、怖がらなくていいように。

    前回のように激しいものではなく、愛を確かめ合う、溶け合うように柔らかな動き。

    それでも彼のものはニャアンの最奥を突き上げ、その度にニャアンは嬌声を上げた。

  • 125二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:28:33

    子供を育てるための入れ物となる器官が潰されている感覚。

    本来なら苦しみを感じるはずのそれが、ニャアンには“寂しさ”という穴を埋めてくれる錯覚を与え、彼をいっそう強く求めさせた。

    先ほどは意図的に焦らされたせいで、彼女の中には不完全燃焼のまま燻っているものがあった。
    ニャアンは手足を彼に巻きつけて、強く抱きしめた。

    「は……ぁ……」

    最深部により届きやすくなるように、ニャアンは自分から押し付けにいく。

    エグザベはそのわずかな動きを感じ取ったのか、探るようにニャアンの最奥へとより強い力を込めた。

    「して……」

    ニャアンの吐息混じりの声。

    潰して。
    私のいらない場所を、潰して。

    「ぁ……ぁっ……」

    彼のものがニャアンの『いらない場所』に接触し、圧が加わるたびに、ニャアンの思考が白く霞み、恥じらいを忘れて艶を帯びた声を上げる。

  • 126二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:31:19

    いらないのに、ここにこの人のものが当たると、どんどん身体がとろけていくみたいで、頭がぼーっとして、もっと欲しくなる。

    この場所は私を大人にするからいらないのに、ここにこの人のものを押し付けられると、キスされてるみたいで、すごくきもちいい。

    熱に溶かされていく意識の中で、ニャアンは彼と本来の意味でのキスもする。

    「ん……すき……これ……」

    いらない場所をキスされながら、口でちゃんとしたキスをするのが。

    エグザベは要望通りに、深く溶け合う口づけをする。
    ニャアンに聞かせるように、わざとらしく濡れた音を立てる。

    彼女の繊細な部分が、今は蹂躙されているその場所が彼を締め付けて離そうとしない。

    部屋中になまめかしい音を響かせて、やがてエグザベの律動が激しくなる。

    「んっ! ……っ!」

    キスをしたまま、果てる。

  • 127二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:32:58

    とてもあつい。
    あつくて、あばれてる。
    だけど逃げられなくされて、お腹の中を満たしている。
    いらない場所にも、入り込んでしまうかも。

    「は……ぁ……」

    「ごめん……最後までしちゃった」

    繋がっている場所に、鍵がかかってしまった。

    ぼんやりとした頭でニャアンは考える。
    生理現象なのだから仕方ないのに、どうして謝るのだろうか。

    「すんどめ……また、するつもりだったの……?」

    「不便だろ、しばらく繋がったままじゃ」

    ニャアンは彼の口をキスで塞ぐ。
    むしろこうしている時間が幸せで仕方ないのに、彼はそうでないのだろうか。

    舌を絡めようとすると、エグザベが口を離す。

    「だめ、まだ出るかもしれないから」

    「え……?」

  • 128二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:36:06

    こんなにいっぱい出したのに、まだ出るの?
    ニャアンは目で訴える。

    「そういう生態というか……体質というか……これ以上君に負担はかけられないよ」

    エグザベはニャアンを抱きしめる。

    確かにこれ以上はくるしすぎて本当に上から何かが逆流するかもしれない。
    幸いなことに今は胃の中が空っぽなのだが。

    「キスすると……少尉も、そういう気持ちになるんだ」

    「……」

    エグザベは答えない。

    「私が慣れたら、この次もできる?」

    「そういう気分になるから、やめて」

    「えっち」

    ニャアンはそう呟くと、目を瞑ってしまう。
    この心地よい余韻に、身を委ねていたかった。

  • 129二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:37:21

    投下おしまい。
    次の投下は明日の夕方以降の予定です。
    新たなるスケベが早くほしいですね。

    フフフ……エグニャックス!

  • 130二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:45:40

    フフフ……エグニャックス!

    ニャアンは大人になりたくないの?身体はスケベを求める雌猫なのに…

  • 131二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:50:13

    スケベェ・・・

    わからされちゃう雌猫ちゃんは本当に良いものですね

  • 132二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 00:14:02

    繋がっていたいニャアンえっちだね

    繋がってる限り離れていかないもんね

    おいたわしい……


    >>130

    正しく子供でいられなかったから大人になれないのはしょうがないんだよねえ……

    大事な人に離れて行って欲しくないで止まってる

    正真正銘グラナダ時代のせいで今までの歴代ドスケベスレのニャアンの中でも一番不安定

    まあ初代の過去改変ニャアンも大概不安定だったけど不安定の方向が違うというか

  • 133二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 00:20:33

    小耳に挟んだけど狼って獲物に近づくときには一見穏やかに近づいてからパックリ食べちゃうらしいね
    ニャアンも狼さんに美味しく頂かれちゃったね

  • 134二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 06:23:25

    保湿

  • 135二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 14:49:51

    ほしゅ

  • 136二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 15:37:52

    >>119

    ザベが動揺するニャアンからのスケベアクションほんと好き

    >>122

    今回フルスロットルSザベさんで助かる

    口調優しく攻めるの良い

    17歳の初めてに鏡プレイをかます精神攻撃は基本の獣ザベさん

    たくさんいじめて差し上げて

    >>123

    お、仰せのままに!?

    最高のドスケベじゃあ!

  • 137二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:33:35

    ニャアンとエグザベが夜を共にするようになって、すでに一週間が過ぎていた。

    最初の二日間の彼らの関係は、まるで子猫と犬が戯れるような、穏やかで無邪気なものだった。

    転機が訪れたのは3日目の夜。
    ニャアンがキシリアの屋敷へ呼び出されてから何かが変わった。

    翌日、4日目の夜に戻ってきた彼女の身体には異変が起きていた。
    それは獣人特有の発情期の兆候だった。

    ただし4日目から5日目にかけて、二人のあいだに決定的な関係はなかった。
    ただ5日目はエグザベの膝で眠るという、穏やかで優しい時間があった。

    しかし、6日目にはエグザベ自身にも季節外れの発情期が訪れ、理性の壁は崩れた。
    その夜、二人はついに一線を越えてしまう。

    7日目、エグザベはニャアンを置いて深夜に家を抜け出し、医療施設へ忍び込んだ。
    そこで、意識の戻りかけたミゲルから信じがたい言葉を聞かされる。

    ────そして、8日目。
    ニャアンの発情期は5日目を迎え、症状は落ち着きを見せていた。
    一方で、エグザベの発情期は3日目に入り、発情期の症状はピークを迎えていた。
    彼はそれを表に出さなかったが、内側では理性を押し流すような衝動が燃え続けていた。

    7日目に聞かされたミゲルの言葉。
    その衝撃がエグザベの精神に負荷を与え、彼を現実からの逃避へ駆り立てているのかもしれない。

    だがそれでも、この胸に宿る想いは偽りではない。
    少なくともエグザベはそう信じていた。

  • 138二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:35:24

    同居を始めて9日目の朝を迎えた。
    ニャアンの発情期は6日目。
    ここまで来ると身体の熱もすっかり落ち着き、発情期は終了したと言えるだろう。

    一方で、エグザベの様子は違っていた。
    本来ならばピークを過ぎ、落ち着きを取り戻しているはずの発情期4日目を迎えても、衝動は鎮まる気配を見せなかった。
    幸いにも、彼は理性を保ちその衝動をどうにか抑え込むことができていた。

    この日はMSの一斉整備のため、実機訓練がなかった。
    訓練施設にもメンテナンスが入るため、エグザベは午前中にいくつかの事務処理を終えると、残りの作業は持ち帰ることにして、ニャアンの家へと向かった。

    昼間にハンドルを握るのは久しぶりだった。

    窓の外には、緑豊かな景色と澄んだ青空が広がっていた。
    どれほど美しく見えても、それがすべて人工的に作られたものだと知っているせいか、エグザベの胸には何の感情も湧かなかった。

    それは“偽物”だから、という理由だけでなく、この村を作り上げたキシリアへの疑念が彼の心を冷ましているのかもしれない。

  • 139二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:40:29

    玄関のドアを開けると、出来立ての料理の香りが彼の鼻腔をくすぐる。

    「おかえりなさい」

    ニャアンがエグザベを出迎える。
    彼女の耳と尻尾がゆらゆらと揺れている。
    久しぶりの休息が嬉しいのだろう。

    食卓には湯気を立てる出来立ての料理が並んでいる。

    「いっぱい作ったね」

    「訓練がないと、やることがないから」

    二人は向かい合って座り、スプーンを手に取る。

    「いただきます」

    エグザベは料理を口にする。

    「すごく美味しい」

    彼の言葉に、ニャアンは嬉しそうに耳をぴんと立てた。

    食後、エグザベが皿を洗い、ニャアンがふきんで拭く。

    それが終わると、二人で洗面所に並び歯を磨く。
    鏡越しに視線が合うと、ニャアンはやや照れくさそうに目を逸らしてしまった。

  • 140二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:47:50



    エグザベはソファに腰掛け、ノートPCを開いて持ち帰った仕事を処理していた。

    その隣にニャアンが腰を下ろす。
    膝の上に毛糸玉を転がし、編み針を動かし始めた。

    エグザベの体内を血液が巡る。
    理性の奥で、抑えていた衝動が唸りを上げる。

    今すぐにでも隣にいる少女を抱きしめ、めちゃくちゃにしてしまいたい。

    ふと視線を落とすと、二人の尻尾がいつの間にか絡み合っていた。

    心臓がひときわ強く跳ねる。
    エグザベはやや忌々しそうな態度で自身の尻尾を掴むと、そのままソファの外側へ倒して体重をかけて動きを封じた。

    ニャアンは怪訝そうな表情になり、エグザベを横目で見る。

    エグザベはなるべく彼女を見ないように、手元の作業に集中した。

  • 141二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:51:38



    夕刻。
    エグザベは作業を終えてノートPCを閉じ、大きく伸びをする。

    「お疲れ様です」

    「うん、ありがとう」

    ニャアンはエグザベの顔を見ながら自身の腿をぽんぽんと叩いた。
    まるで『ここにどうぞ』とでも言うように。

    「……え?」

    エグザベは少し戸惑いながらも、その仕草の意味を測りかねていた。
    彼の反応を見て、ニャアンは小さく息を吐き、落ち着いた声で言う。

    「頑張った人は、ちゃんと褒めてあげないといけないですからね」

    その言葉には冗談めいた軽さはなく、至って真剣なものだった。
    エグザベはためらいがちに頭を彼女の腿の上に預ける。
    柔らかく、あたたかい感触。

    ニャアンの細く長い指がエグザベの髪をすくい上げ、優しく撫でる。

    「少尉の髪、尻尾と同じ毛質ですね」

    「そう? 癖が強くて跳ねやすくて、結構不便してるんだ」

  • 142二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:53:59

    「私は好きです。だからストレートをかけたりしたらダメですよ」

    「わざわざしないよ」

    エグザベは苦笑いを浮かべる。

    「ニャアンの髪はまっすぐで、さらさらで綺麗だね」

    「遺伝です」

    いつもの淡々とした声だったが、その表情には少しの照れが含まれている。
    彼女が毎日髪の手入れを欠かさずにしていることをエグザベは知っている。

    暫しの間、二人は無言のまま見つめ合った。

    ニャアンの大きな金色の瞳が、まるで夜空に浮かぶ満月のようで。
    エグザベはそれに見つめられていると、優しい光に包まれるような気持ちになった。

    ニャアンはエグザベの瞳を見つめながら考える。
    緑と紫が混じり合う、不思議な色。
    優しさと静かな力、その両方を宿した眼差しは、包み込むような温もりと、彼の測り知れぬ深さを同時に感じさせた。

    二人は考えた。
    ただ見つめ合っているだけなのに、なぜ満たされているのか。

    それを知るためには、もっとお互いを感じる必要があった。

    「「……この時間がずっと続けばいいのに」」

    二人の言葉が重なる。

  • 143二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:54:59

    エグザベは思わず身を起こし、ニャアンと距離を詰める。
    唇が触れ、静かな口付けを交わす。
    抱きしめ合いながら、互いの体温を感じていた。

    「ニャアン……身体は大丈夫?」

    ニャアンは顔を赤くし、頷く。

  • 144二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 18:56:12

    投下おしまい。
    次の投下は0時前後の予定。

    保湿とコメント本当に助かります。
    やりたい展開が見えてきたので今回はかなりフルスロットルです。

    フフフ……セクノヴァ!

  • 145二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 20:18:28

    乙です
    欲望を抑え込む悩める少尉からしか摂れない出汁がある…
    そんな少尉に美味しく頂かれる子猫からしか摂れない栄養素がある…

  • 146二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 23:32:25

    絆が深まってるなあ

  • 147二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:50:07



    二人で浴室に入る。
    ニャアンは自身の身体を見られまいとエグザベの背後に回り込む。
    そして彼の目元に両手を伸ばし、手のひらで目隠しをした。

    「わざわざこうする必要ある?」

    「……恥ずかしいじゃないですか」

    ニャアンはイズマ村にいたころ、異性の友人────シュウジの前で下着姿になることくらいなんとも思っていなかった。
    それは彼女の情緒がまだ幼く、自身の身体が女性のものであるという自覚が薄かったからだ。

    さらに言えば、ニャアンはシュウジを異性として見ておらず、ただ仲の良い友達と同じ感覚を共有したいという、無邪気な気持ちからの行動だった。

    だが今は違う。
    彼女の心は確かに成長し、年相応の羞恥心が芽生えている。
    そして何より、ニャアンにとって目の前のエグザベはれっきとした“異性”だった。

  • 148二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 00:53:29

    「今更だと思うんだけど」

    「背中、洗ってあげますから。絶対に目を開けないでくださいね」

    「自分で洗えるよ」

    ニャアンは自身の身体を彼の背中にぴたりと押し当てた。

    エグザベの尻尾が一瞬、ぴんと硬直する。

    そのふさふさとした毛先が彼女の肌をくすぐり、ニャアンは小さく身をよじった。

    「……目、閉じてますよね?」

    「ちゃんと閉じてるよ」

    ニャアンの身体がいったん離れる。

    湯船に満たされたお湯が波打ち、エグザベの背中にかかる。
    石鹸を泡立てる音がして、やがて背中全体に温もりが広がった。

    それがお湯の温かさだけではないことは、見なくても彼にはわかった。
    石鹸の香り、そして背中に絡みつく何かが滑る感触。
    それは細く、しなやかで、けれど柔らかかった。

    「……なにで洗ってる?」

    わかっていても、聞かずにはいられなかった。

  • 149二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:01:53

    「なにって……石鹸で身体を洗ってます」

    ニャアンは軽くはぐらかす。
    その間も、ぬくもりが彼の背中を包み、時おり彼女の吐息が耳に触れた。

    エグザベは律儀に目を閉じたままだ。
    前方には鏡がある。
    目を開ければ、何をどうされているのかすぐにわかる。
    だがそれをしてしまえば、歯止めが効かなくなる気がした。

    ニャアンはエグザベの尻尾にも手を伸ばし、たっぷりの泡で包み込みながら、優しい手つきで撫でるように指を滑らせていった。

    そして、尻尾の付け根に手のひらとは異なる何かが触れた瞬間、エグザベの身体がびくりと跳ねた。

    それが反射なのか、それとも別の感覚なのか。

    彼は何も言わず、静かに口を開く。

    「僕も、同じことしていい?」

    「ザンネン。私はもう、自分の身体を洗い終えちゃいました」

  • 150二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:15:11

    背中に絡みついていたものが離れ、シャワーの音が響く。
    エグザベにもわずかに飛沫がかかった。

    ちゃぷっ、と湯船に誰かが入る音がした。

    「もういいですよ」

    エグザベはゆっくりと目を開けた。

    ニャアンはすでに湯船の中にいて、背を向けたまま膝を抱え込んでいる。
    尻尾は湯船の縁にだらりと垂れ、その先端がゆらゆらと揺れていた。

    エグザベが身体を洗い終えると、二人で湯船に浸かった。
    膝を抱えるニャアンを背後から包み込み、エグザベは彼女の首筋に顔を埋める。

    ニャアンの髪はまとめられ、うなじが露わになっていた。
    彼はその柔らかな肌に、時おり唇を落とす。

    「ん……」

    口付けを落とされるたびにニャアンは甘い吐息を漏らす。

    ニャアンの発情期は、すでに収まっている。

    だからこそ、先ほどまでの行為も、これから行われるであろう行為も、本能に突き動かされたものではなく、ニャアン自身の意志によって選ばれた行動となる。
    発情期だった、という言い訳はもう通用しないのだ。

    エグザベは、ニャアンの発情期がすでに収まっていることをにおいで理解していた。

    彼女が自分の意思でこの選択をしてくれたことを、彼は純粋に嬉しいと思った。背を向けたまま小さく丸まっている少女の姿が、どうしようもなく愛おしい。

  • 151二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:25:07

    「のぼせてきました……」

    ニャアンは顔どころか、身体中が真っ赤になっていた。

    「そろそろ出ようか」

    エグザベもそれは同様で、二人は浴室を出て、濡れた髪をそのままにベッドへと身を沈めた。

    温もりを残した肌が触れ合うたびに、しっとりと張り付き、離れる音が微かに響く。
    息とともに、押し殺した声が漏れた。

    ふと、エグザベは思い立ったように彼女の尻尾へ手を伸ばす。
    指先がその付け根に触れた瞬間────

    「に゛ゃっ!?」

    ニャアンの身体がびくりと跳ねる。
    耳がぴんと立ち、尻尾が反射的に波打った。
    腰が浮き、背中を反らせて臀部を突き出す形になる。

    その反応が可愛らしかった。
    エグザベは我慢できずにもう一度尻尾の付け根に触れた。

    「〜〜〜〜〜〜っ!」

    ニャアンの尻尾が鋭くしなり、彼の手をはたくように叩いた。

    「ごめん……つい」

    「次に尻尾を触ったら、許しませんと言った気がします」

  • 152二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:26:31

    罰を与えなければ、と言わんばかりにニャアンはエグザベに寄りかかり、彼の耳にふぅ、と息を吹きかける。

    「……っ」

    エグザベの身体がわずかに震える。
    そのままニャアンは彼の耳を舐め始める。

    「……っ!?」

    耳を舐められるのは初めてだったのか、エグザベは目をぱちくりさせながら身体を硬直させる。

    艶めいた水音が耳孔に直接響き、彼は脳を掻き回される感覚を覚えた。

    「本当に、悪かった」

    震える声でエグザベはニャアンの肩を掴む。
    続けられたら頭がおかしくなりそうだった。

    「もうしちゃダメですよ」

    ニャアンは彼の耳を甘噛みした。
    びくりと彼の身体が跳ねる。

    「耳、弱いんですね。かわいい」

    ニャアンはどこか妖しい笑みを見せる。

  • 153二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:38:27

    その声音と表情が、エグザベの本能を刺激した。

    君は全部弱いくせに。

    エグザベはニャアンを組み伏せ、背後から抱き寄せる。

    「……!?」

    ニャアンの膝を抱えて、開かせる。

    「ひぅっ……」

    目の前には姿見。
    ニャアンは以前のことを思い出し、手足をばたつかせる。
    なんとか脚だけでも閉じようとするが、力で敵うはずがなかった。

    ニャアンは堪えきれずにぎゅっと目を瞑ってしまう。

    「何日か前だったかな……君がキシリア様のところから戻ってきてから、君に発情期がきて……」

    「居間のソファで寝てたら、君の声が聞こえたんだ」

    「あの時、部屋で一人で、何をしていたの?」

    「ぅ……」

    ニャアンは言葉を詰まらせ、肩を縮こませる。

  • 154二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:39:38

    「今、やってみせてよ」

    エグザベの声は穏やかだったが、その響きには逆らえない力があった。

    「ぃゃ……」

    エグザベは彼女ののなだらかな膨らみの先端に手を伸ばす。
    少し指に力を加えると、ニャアンはか細い声を上げ、身体をびくつかせる。

    「やらないなら、ずっとこのままだけど」

    きゅぅっ、と彼女の頂をつまみ上げる。

    「ぅぁっ……」

    たらりと、彼女の晒されている部分から液体が漏れる。

    「目を開けた方がやりやすいよ」

    「……」

    そんなに自分のあられもない姿を見たくないのか、ニャアンは目を閉じたままゆっくりと自身の下半身に手を伸ばす。

    入り口をなぞって、かき分けて、その部分を見つけると、指先で触れてみせた。

    「……っ!」

    必死で刺激を繰り返す。

    その手つきは上手とは言えず、目標達成には時間がかかりそうだった。

  • 155二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:46:13

    手伝ってやろうと、エグザベは自身の指を彼女の深部にゆっくりと沈める。

    「……っ!」

    指が完全に沈むと、以前に見つけたざらついた部分を指の腹でしごいてやる。

    「ゃ……ゃぁ……!」

    ニャアンは背中を反らし、腰をガクガクと震わせた。

    「手、止まってるよ」

    ニャアンは震える身体で、ぎこちない動きで自身の小さな突起を刺激する。
    内側に入れられているエグザベの指が、彼女の全身を狂わせる。
    それでも押し寄せる感覚の先を求めて、手を止めなかった。

    「ぁ゛……!ぁ゛ぁ゛……!」

    透明な液体が迸り、ベッドと床を湿らせる。

    「癖になっちゃうかもね、これ」

    耳元で囁かれる。

    ニャアンの身体からは力が抜け、肩を震わせながらひゅぅひゅぅと、か細い呼吸を漏らしている。

    ニャアンの閉じられた目からぽろぽろと涙が溢れる。

  • 156二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:47:37

    上と下で連動しているのだろうか、エグザベは涙を拭ってやる。

    「ちがう……こんなの……ぅっ……」

    「何も違わないよ。前も言ったでしょ、そういう現象だって」

    「わたし……こんな異常、嗜好者じゃ、ない……」

    「どこで覚えたの、そんな言葉」

    息を詰まらせて泣くニャアンの頭を撫で、何度も「大丈夫だよ」と言ってやる。

    「なにも……大丈夫じゃないっ」

    「困ることなんてないでしょ、僕しか知らないんだし」

    ずっと泣かれているのは自分も心苦しい。
    何か別のことで上書きしてやろうと、エグザベは彼女の尻尾の付け根を撫でる。

    「ひぅ゛っ!」

    反射的に、彼女は背中を逸らす。
    細い腰を背後から掴み、突き出された臀部をそのまま固定してしまう。

    「ぁ……なにを……!」

    ニャアンの声には羞恥と、わずかな怒りが混じっていた。

    やっと目を開けた。

  • 157二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 01:53:33

    エグザべは背後から、一気に彼女を貫いた。

    「〜〜〜〜〜〜〜っ!」

    ニャアンは声にならない叫びを上げて、しかし彼女の内部はきゅぅきゅぅと彼を締め上げた。

    ニャアンの視線の先には、鏡。

    「へんたい……!」

    ニャアンは鏡越しにエグザベを睨みつけようとしたが、それよりも自身の恥態が堪えかねたようで、すぐに俯いてしまう。

    四つん這いの、動物の交尾そのものの姿になって、自分はそれを受け入れている。
    その事実が彼女には耐え難かった。

    「変態かも」

    エグザベはニャアンの胸部の、慎ましい曲線をわざとらしく手のひらで包み込み、圧を与える。

    「ぅ、ぁあっ!」

    ニャアンの身体がしなる。

    淫美な姿と言ってもいい。彼の理性を完全に破壊するのに、十分すぎる反応だった。

    おおよそ普段の彼女からは想像のつかぬふしだらな姿。
    こんなに嫌がる態度を見せているのに、内側は彼を求めてうねり、締め上げている。

    激しい突き。突かれるたびにニャアンは雌猫の鳴き声を上げた。
    彼女の最奥の、彼女にとっていらない器官が潰される感覚に、悦楽と喜びと切なさがまぜこぜになり、鳴くしかなかった。

  • 158二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 02:01:44

    獣のような行為は続き、終わる頃にはニャアンの髪は乱れ、涙の跡が頬を伝っている。
    力なく身体をエグザベに預け、指の先すら動かせない様子が見て取れた。

    それでも二人は繋がったままで、ニャアンの内側はびくびくと痙攣している。

    やりすぎた、と流石のエグザベも思った。

    「ごめん……」

    ニャアンを抱きしめる。

    「ばか……へんたい……エグザベ・オリベ……」

    小さく毒付きながら、ニャアンは耳を横に伏せ、毛が逆立った尻尾はばしばしとエグザベを叩いている。
    泣き腫らした目は真っ赤になり、声は掠れている。

    「もう、少尉とは、しません」

    悦んでいた自分を否定するように、羞恥心を誤魔化すように、ニャアンは思ってもいないことを口にした。
    けれど、言葉にした直後にはもう後悔していて、前言を取り消すための言葉を必死に探していた。

    しかしエグザベはその一言を重く受け止めていた。

    「うん……そうだよね。本当に酷いことをした」

    しょげた声で、耳も尻尾も垂れ下がったまま。
    それでもニャアンを抱きしめ続け、謝罪の言葉を繰り返した。

    『ちがう、本当はそんなことが言いたかったんじゃない』
    そう言いたかったのに、ニャアンは声を発することができなかった。

  • 159二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 02:03:12

    投下おしまい。
    保湿もコメントも本当にありがたいです。ありがとうございます。
    スケベは人を幸せにする力がありますよね。
    次の投下は明日の夕方以降の予定です。

    フフフ……エグニャックス!

  • 160二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 10:47:20

    尻尾触られたから可愛い仕返ししたのに十倍返しだ!ってくらい辱められてるの笑う
    癖になって挑発してくる雌猫ニャアン誕生するかと思ったけど正常ニャアン
    発情期終わったもんね  あれちょっと悦んでるやんけ
    ドスケベには抗えないもんね
    待ち望んだガツガツドスケベ獣ックスありがたいです
    いつか窓でヤりそう…

  • 161二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 12:56:46

    「ばか へんたい エグザベ・オリベ」はいずれエグニャックス界隈で万病に効く魔法の言葉になると思う

  • 162二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 17:16:07

    狼ザベさんは、未亡人編に出てくるクロザベさんの進化形態ぽく感じる

  • 163二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:20:11

    意外にも、翌朝のニャアンの様子はいつも通りだった。
    冷たい態度を取られるかと思っていたが、そんなことはない。
    いつものように朝食を作り、いつものように言葉を交わしてくれる。

    違うところがあるとすれば────ニャアンが、指一本たりとも触れることをエグザベに許さなかったことだった。

    ふとした拍子に肩や髪に触れようとすればすぐに身を引かれ、同じ寝床に入ろうとすると「今日はダメです」と発言する。
    しかしその言動からは敵意や怒りは感じられず、ただ単純にエグザベは距離を置かれている。

    官舎に戻った方がいいかと尋ねれば、おそらく今の彼女なら『はい、お戻りください』と返すかもしれない。
    だからエグザベは居間のソファに横たわり、夜を明かすことにした。

    「(自分はやりすぎた……だから反省して、自重するしかない)」

    天井を見つめながら、エグザベは心の中で呟く。

    多少の寂しさを感じつつも、無理に距離を詰めれば彼女にまた嫌な思いをさせてしまうだろう。

  • 164二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:21:38

    それに、案外この状況は彼にとって都合がよかった。

    新型の狂犬病とイヌマグヌッコの調査のために、どうしても一人で動ける時間が必要だった。
    ニャアンには申し訳ないと思いつつ、彼はこの状況を利用することに決めた。

    エグザベはグラナダ村から出ることを許されていない。
    外部との通信も制限されているが、そもそも外に信頼できる人間はいない。
    もっとも、それは村の中でも同じことだった。
    ここにいる者たちは皆、キシリアの配下であり、
    フラナガンでさえ信用することはできない。

    自分が掴んだ断片的な情報を共有し、協力を仰げる相手として真っ先に思い浮かぶのはワ゛ャン隊の隊員たちだった。
    しかし彼らを巻き込むわけにはいかない。
    これはキシリアに対する背信行為であり、もし露見すれば処分は免れないだろう。
    ただでさえ、彼らの中の一人の命を預けてもらっているというのに、これ以上仲間を危険に晒すことなどできなかった。

    「(僕が、シャリア中佐のように読心ができれば……)」

    エグザベの思考の中で、かつての忠告が蘇る。

    『シャリア・ブルを信用しすぎるな』

    彼にはギレン派のスパイである疑いがかけられていた。だがキシリア暗殺計画を阻止したことで、その疑惑は晴れている。しかしあの男の胸の内には、まだ何かもっと大きな目的が隠されているような気がしてならない。

    自分は彼のように有能ではない。
    だが、それでもできることをやっていくしかない。

    自分はキシリア直属の近衛部隊の隊長であり、イヌマグヌッコ計画の要となるMS・ジフネコのパイロット────ニャアンの護衛兼監視役でもある。

    上手く立ち回ることはできなくとも、怪しまれない範囲で探りを入れることくらいはできるはずだ。

  • 165二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:23:14



    約1週間が経った。
    エグザベの調査は順調とは言えなかった。

    このウイルスの発生源はいまだ不明だが、約半年前、サイド6の官僚である犬の獣人が発症したことでその存在が公になった。

    その官僚がかつて犬の獣人が多く暮らすグラナダ村に駐在していた時期があったことから、一時はグラナダ村が発生源ではないのかという疑惑が浮上した。
    しかし駐在期間と発症時期を照合した結果、その疑惑はすぐに否定されている。
    当初は社会的混乱も生じたが、ウイルスの特性が早期に判明し、感染力が極めて低いこと、および非獣人には感染しないことが確認されると騒動は速やかに沈静化した。

    調査を進めるうちに、エグザベはその官僚が親キシリア派の人物であることを突き止めた。
    彼は秘密裏にグラナダ村へ金銭的な援助を行っていたのだ。

    加えて、ギレン派のスパイだったミゲルが、スクール時代の同期二人に意図的に新型狂犬病を感染させていたという事実があった。

    これまでに感染・発症が確認されているのは、いずれもキシリアの配下、あるいはその支持者だった。

    通常ならばギレン派の研究者が開発したウイルスと結論づけるのが自然だ。

  • 166二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:24:18

    ギレン・ザビは、獣人を劣等種と見なし、排除しようとする動きを見せていた。
    彼の周囲を固める将校や部隊は“純粋な人類”のみで構成されている。

    それに対しキシリアは獣人を積極的に登用し、研究・軍事の分野でも多く受け入れていた。

    この構図から見れば、ギレン派がウイルスを利用してキシリア派の要人を狙ったと考えるのが筋だった。

    だが、ミゲルの最期の言葉が、その前提を覆す。

    『キシリアが特定の遺伝子にしか発症しない病を管理のために作らせた』
    その理由は『アースノイドや敵対勢力を家畜にするため』

    もしこの言葉が真実なら、ウイルスはキシリアの管理下で生み出され、その後、ギレン派のスパイがその設計データを複製し奪取した可能性が生まれる。

    半年前の時点でギレン派はすでにウイルスを入手し、まずは犬の獣人である親キシリア派の官僚を標的にした。
    あるいは複数の親キシリア派の獣人に感染を試み、犬の獣人だけが発症するという特性を確認したのかもしれない。

  • 167二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:25:27

    「(……わざわざあの状況で、ミゲルが嘘をつくとは思えない)」

    さらに言えば、ミゲル自身も犬の獣人だった。
    彼がそのウイルスを扱って同期たちを事実上“暗殺”するのは、自らの身にも高いリスクを負うことになるはずだ。

    それに彼はキシリアに恩義を感じ、忠誠を誓っていたはず。
    獣人を公然と劣等種と扱うギレン・ザビに寝返るなど考えられるだろうか。

    「(情報が足りない……)」

    一軍人にアクセスできる情報など、たかが知れている。

    エグザベは一度、調査を中断して通常業務に戻った。
    この村では、ほんの少しでも不自然な動きを見せれば、すぐに疑いの目を向けられる。

    まして、普段は期日をきっちり守る彼が業務に滞りを見せれば、余計に目立つだろう。

  • 168二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:27:07

    書類に目を通す。

    イヌマグヌッコ竣工式の警備配置の更新、輸送経路の確認、竣工式に向けた各部の連携状況の確認だった。

    この竣工式には、ジオン公国総裁ギレン・ザビとその妹であるキシリアが揃って出席する。
    二人が公の場で顔を合わせるのは数年ぶりのことであり、政治的に対立する両者の対面は、軍内部でも極めて緊張を孕んだ出来事だった。

    エグザベの役割はキシリアの警護を含む式典全体の安全管理。
    会場図と出入りの経路、要人の警護動線、補給物資輸送用のMSの識別番号に至るまで確認していく。

    彼の視線が止まる。

    『イヌマグヌッコ開発部門』
    『開発責任者:レオ・レオーニ』

    その下に並ぶ担当者や協力者、開発技師たちの欄────

    「(……フラナガン博士?)」

    思わず息を呑む。

  • 169二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:28:37

    イヌマグヌッコは地球環境を修復するための巨大装置である。
    対して、フラナガンの専門分野はNT研究────両者の間に何らかの関係はあるのだろうか。

    ミゲルの最期の言葉が、再び脳裏で反響する。

    『イヌマグヌッコはアースノイドや敵対勢力を家畜化する兵器、病気はキシリアがそれの管理のために作らせた』

    フラナガンが非倫理的な人体実験を行っているという噂は、エグザベも耳にしたことがあった。
    戦争難民や身寄りのない人間をNT研究のために実験体にしている────そんな話だ。

    だが少なくとも、戦争難民であるエグザベがフラナガンスクール在学中にその対象にされたことも、実際にそれを目にしたこともなかった。

    「(自分が知らないだけで、地球環境改善とNT研究が結びつく事柄があるのかもしれない……)」

    心の奥で否定の言葉を浮かべながらも、胸の底には拭えないざらつきが残った。

  • 170二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:30:09



    翌日。
    エグザベは格納庫で整備中のジフネコを見上げる。

    ジフネコの詳細な機体データにはいつでもアクセスできる。
    毎日のシミュレーター訓練と実機訓練を通じて、その性能については熟知していた。

    だがジフネコにはまだ機密機構がある。

    機体データの中にはアクセス不能な領域が存在する。
    整備士でさえその部分に触れることはできず、そこに介入できるのはキシリア直属の技術将校だけだった。

    そしてその機密機構が何か、パイロットであるニャアンすら知らされていないはずだ。

    「少尉?」

    背後からニャアンの声。

    「考え事ですか」

    ニャアンがエグザベの隣に立つ。
    そしてジフレドを見上げる。

    その顔は穏やかで、まるで母を見上げる子供のような表情だった。

    「君は……この機体が好きなのか?」

    エグザベが問いかける。

  • 171二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:31:40

    「好き? そんな風に見えますか」

    「うん。すごく穏やかな表情で見てたよ」

    「……似ているんです、お母さんに」

    ニャアンは一瞬だけ笑みを浮かべ、静かに答えた。

    「ジフネコが?」

    エグザベはジフレドの頭部をまじまじと見つめるが、人間のそれとはかけ離れて見える。

    「ジフネコの中にいるとなんだか子供の頃に戻ったような気持ちになって……声が、聞こえるんです」

    「ジフネコが喋るのか?」

    「……声、と言うより鳴き声かもしれないです。私に訴えかけてくるんです」

    エグザベの眉がわずかに動く。

    ジフネコには未知の機構がある。
    その情報が脳裏をかすめ、彼は意識的に冷静を装った。

    「それ、詳しく教えてくれないか?」

    「どうして知りたいんですか?」

  • 172二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:32:52

    「そりゃ……MSが何か伝えようとしてるなら、知りたいだろ」

    軽く笑って誤魔化すつもりだった。
    ニャアンは顔を伏せて、表情は硬い。

    「少尉は私にたくさん隠し事をするから、それにすごく変態だから……ジフネコは少尉のことを警戒して、威嚇してます」

    ニャアンは至って真面目な口調でそれを言った。

    ニャアンは一呼吸おくと、一歩、彼に近づいた。
    吐息がかかるほどの距離。
    二人がこのように向き合うのは、久方ぶりだった。

    ニャアンはしばらく彼を見つめた後、おずおずと口を開いた。

    「少尉、ジフネコの前で、私にキスできますか?」

    「えぇ……?」

    「ジフネコが、見たいと」

    ニャアンは頬を赤らめている。

    「それは嘘だろ」

  • 173二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:35:07

    ニャアンは目を閉じて、顎をわずかに上げる。
    挑むような仕草。

    「……」

    嫌われてしまったわけではなくて、よかった。
    真っ先にエグザベはそれを考えた。

    エグザベは周囲に人がいないのを確認すると、ニャアンを抱き寄せて口付けを交わした。

    ずっとこうしたかったのかもしれない。
    強く触れ合うだけのキスが、数秒ほど。

    唇を離すと、ニャアンは満足げに微笑んだ。

    「え……?」

    だが次の瞬間、ニャアンは目を見開いて身体をよろめかせる。

    「ぅ、あぁ……!」

    呻き声を上げながら頭を押さえ、ニャアンは足元をふらつかせた。

  • 174二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:36:23

    「ニャアン……!?」

    ニャアンの身体から、すっと力が抜けた。
    次の瞬間、彼女は意識を失い、床へと崩れ落ちる。
    そのすんでのところで、エグザベが彼女の身体を支えた。

    「ニャアン! 一体どうしたんだ!?」

    エグザベはすぐにニャアンの体を抱き上げ、医務室へ駆け出した。

    後方で、ジフネコのカメラアイがかすかに点滅した。

    まるで何かを見届けているかのように。

  • 175二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 19:37:45

    投下おしまい。
    区切りいいところまでやったら長くなってすいません。
    次の投下は0時前後の予定です。

    保湿とコメントありがとうございます。

  • 176二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:21:56

    乙です
    また急展開を…!

  • 177二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 00:51:26

    ジオン軍内の医療施設で、ニャアンは精密検査を受けた。
    検査が終わると、彼女は医務室のベッドに寝かされていた。

    意識を取り戻すころには、身体の異常はすでに治まっていたが、軍医から「しばらく安静にするように」と指示を受ける。

    エグザベは上官に呼び出されているらしく、
    ニャアンは所在なさげに天井を見つめたり、目を閉じてみたりを繰り返した。
    彼女の耳はわずかに伏せられ、尻尾の先が落ち着きなく揺れている。

    医務室のドアが開く音がした。

    エグザベが来てくれたのかと思い、ニャアンは飛び起きてドアの方を見た。
    しかし、そこに立っていたのは、薄い笑みを浮かべた白衣の中年男────フラナガンだった。

    軍医が入れ替わるように部屋を出ていく。

    「お久しぶりですニャアンさん。私のこと覚えてます?」

    フラナガンは、半身を起こしたニャアンのいるベッドへと歩み寄る。

    「あの時はキシリア様も一緒でしたから、こうしてお話しするのは初めてですよね」

    彼は片手に持っていた書類をニャアンに手渡した。
    ニャアンはわずかに警戒しながらも、それを受け取る。
    それは検査結果の一覧であり、その中の一行にはマーカーで印が付けられていた。

    『妊娠反応 陽性』

    「おめでとうございます」

  • 178二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:01:51

    「え……?」

    ニャアンの指先がわずかに震え、紙の端を掴む力が抜けていく。

    言葉の意味は理解できた。
    だが実感がない、わけもわからない。

    病院では『処方された薬を飲んでいれば大丈夫』と言われていた。
    それに初潮を迎えて以来、すでに6年間も月経が止まっている身体に、妊娠機能があるとは思えなかった。

    頭の中で、いくつもの思考が絡まり、ほどけぬまま沈殿していく。

    自分にはMSパイロットとしての責務がある。
    産むことを選べばきっとそれは続けられない。

    すなわち、それはキシリアの望みを果たせぬことを意味し、自分は“役に立たぬもの”と判断される。

    そしたら────

    「(ここには、いられなくなる……)」

    だが、いま自分の中に宿っている命を軽んじていいのだろうか。

    その命の半分は、自分の今もっとも大切な人で作られている。

    本来なら、これは喜びに包まれる出来事であろう。

  • 179二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:11:31

    「ニャアンさんのような特殊なケースは、私の管轄になります」

    フラナガンは、淡々とした口調で告げた。

    「あなたはMSパイロットであり、まだ若い……成人年齢すら迎えていない」

    「母子共に安全を考えるなら、受精卵を母体から取り出して人工培養に移すのが最も合理的です。その方が子も理想的な環境で育ち、母体への負担もゼロです」

    「この処置は早ければ早いほど良い。」

    彼の言葉は理屈としては正しい。

    ニャアンは腹部に手を当て、防御するように身を固くした。
    なぜそうしたのか────

    目の前の男が部屋に入ってきた時から、ずっとイヤなニオイがしていた。
    ニャアンの直感が、フラナガンを拒絶している。
    早く逃げなければいけない。
    そう、本能が告げていた。

    だが、彼の言葉はすべて正しかった。彼は嘘を一言もついていない。
    その選択肢しか実質的に残されていないという現実が、ニャアンの心をかき乱した。

    「……私はあなたを信用できません」

    絞り出された声。
    じゃあどうするのか聞かれれば、きっと彼女は何も答えられないはずだ。

  • 180二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:17:04

    フラナガンはわずかに眉を上げ、静かに笑った。

    「そう言うと思っておりました。では、また日を改めましょう。」

    そう言い残し、彼は医務室を去った。

    ニャアンは深く息を吐き、震える手で通信端末を取ろうとした。

    ────エグザベ少尉に、連絡をしなければ。

    だが、手を伸ばしたところで動きが止まる。
    訓練中に意識を失って倒れた彼女には、今、使える通信手段がなかった。

    早く彼に会ってこのことを話したい。

    ニャアンは医務室を出て、エグザベを探しに行こうとする。
    だが扉を出た途端、二人の兵士が立ちふさがった。
    キシリアの配下だった。

    「キシリア様がお呼びです」

    「……!」

    ニャアンは有無を言う間もなく、キシリアの屋敷へと連れて行かれた。

  • 181二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:28:28



    キシリアの屋敷に着くと、ニャアンはそのまま彼女の私室へと案内された。

    「来たな、ニャアン。体調はどうだ?」

    低く落ち着いた声。
    ニャアンは厳しく叱咤されることも覚悟していたが、とても柔らかい、優しい声音だった。

    「……問題ございません」

    ニャアンは、自分の震える身体を押さえた。

    今すぐにでも謝るべきだろう。
    大事な任務があるのに、こんなことになってしまったのだから。

    「すでに報告は受けている」

    キシリアは目線をニャアンに向ける。
    ニャアンの心臓が跳ね上がった。

    「フラナガンを信用できないそうだな」

    キシリアの目線は、その声と同様にとても優しいものだった。

  • 182二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:32:58

    「あの者を信じろとは私も言えぬ。その警戒心は何も悪いことではない」

    「……」

    「ニャアン、」

    まるで母が子供を諭す時のような声。

    「私の言葉なら信じてくれるか?」

    圧倒的な存在感を放ちながらも、威圧の色がなかった。
    キシリアからは“嫌なにおい”がしない。

    「そなたが小さき命を守ろうとすること、それを誰が咎められよう」

    キシリアは座っていた椅子から立ち上がり、ニャアンに歩み寄る。

    「だが、パイロットとしての責務を果たせなくなるのならば……私はお前を手元に置けなくなる」

    「それに出産というものは、母体に大きな負担を与える。お前の身体を危険に晒したくはない」

    「私の気持ちを、理解してくれるな?」

  • 183二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:51:25

    ニャアンは言葉を失い、視線を伏せた。
    胸の内では、恐れと迷いが渦を巻いていた。

    まだニャアンはエグザベに何も伝えられていない。

    キシリアは静かに彼女の肩へ手を置いた。

    「検査などせずとも、父親が誰かはわかっている。本来であれば、未成年に手を出した不届き者として、厳罰を免れぬところだ」

    「キシリア様、それは……!」

    思わずニャアンは顔を上げる。

    「冗談だ」

    キシリアはわずかに目を細める。

    「案ずるな。たとえ子の父親が責任から逃げたとしても、その子は私とお前で育てよう。お前は何も考えずにパイロットを続ければいい」

    優しくも決定的な響き。
    拒否の余地を与えないほどの“愛情”がそこにはあった。

  • 184二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:53:15

    「処置の日まで、私のもとで過ごすといい。その間の訓練は休むように」

    ニャアンは『エグザベ少尉に連絡を取りたい』と言いかけた。
    しかし、喉が詰まり、声が出なかった。

    キシリアはその沈黙を同意と受け取った。
    ゆっくりとニャアンを抱き寄せ、頭を撫でた。

    まるで母が子を慈しむような、優しい手つきだった。
    けれど手袋越しでは、温もりまでは感じ取れない。

    「ニャアン、そなたは一度、命を狙われているな」

    「エグザベ少尉はそのとき、そなたを守れたか?」

    キシリアは耳元で囁くように言った。

    「もうお前一人の身体ではない。私のそばが一番安全だ」

    「……!」

    ニャアンは『ちがう』と言いかけたが、唇を噛んで沈黙した。

    本能からの判断だった。

    キシリアに抱きしめられていると、守られているようでいて、逃げ場を失っていく感覚があった。

    ────この人に逆らってはいけない。
    現実を突きつけられたその瞬間、ニャアンの胸に静かな諦念が根を下ろした。

  • 185二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 01:55:32

    投下おしまい。
    次回投下は明日の夕方以降の予定です。
    新スレ立てるので立てたらここで宣伝します。

    保湿とコメントに感謝です。
    予定より長編になりそうです。多分やっと後半入ってる気がします。
    早くスケベが書きたいです。

  • 186二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 02:02:45

    この絡めとられてゆく感じが堪らない
    おぉ、不穏不穏・・・

スレッドは10/26 12:02頃に落ちます

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