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ここだけマリーダさんを娼館から連れ出したのが、|あにまん掲示板
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ここだけマリーダさんを娼館から連れ出したのが、

  • 1二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:17:58

    カーディアスだったら


    リダイレクトの警告www.google.com
  • 2二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:27:32

    名前もマリーダじゃなくなるのかな?

  • 3二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:34:24

    サイド3、工業コロニーの裏通り。
    再生された「強化人間」の少女は、酒と汗の臭いが染みついた狭い部屋で、命じられた笑みを浮かべていた。
    その夜、黒いコートの男が彼女を見つける。
    白髪を後ろに撫でつけ、瞳はどこか憂いを帯びている。
    ――カーディアス・ビスト。ビスト財団の総帥。
    「……この子は、命令でしか動けぬ。まるで、我々人類の縮図のようだな。」
    娼館の主人が笑う。「客にしては珍しい趣味だ」と。
    だが男は、躊躇いもなく金を置いた。
    桁外れの額だった。
    「この子は今日から“所有物”ではない。彼女の意思に、価値を取り戻してやれ。」
    少女はその言葉の意味を理解できなかった。
    だが、初めて“命令ではない声”を聞いた気がした。

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:39:05

    カーディアスは少女を屋敷に引き取り、教育係をつけた。
    読み書き、作法、言葉、歴史――。
    しかし少女はいつも、背筋を伸ばし、主人の顔色を伺っていた。
    ある日、庭でカーディアスは彼女に問う。
    「おまえは、なぜ今も命令を待つ?」
    「……命令がなければ、私は存在してはいけません。」
    「ならば、私からの最後の命令だ。――“自分の意志で生きろ”。」
    その言葉に、少女の瞳が揺れた。
    彼女は初めて、自分の“心臓の鼓動”を感じた。

  • 5二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:45:39

    ビスト邸の書斎。薄い月光がカーテンの隙間から差し込み、古い紙の香りが漂っていた。机の上には開かれたままの資料――“強化人間回収リスト”。そこに、ひとつの名が書かれている。
    《プル・トゥエルブ》
    その少女は、静かに立っていた。肩まで伸びた髪を整え、視線は床を見つめている。彼女の指先は震えていた。
    ――「また、捨てられるのではないか」
    そんな恐れが、まだ心の奥底に残っていた。
    カーディアスはゆっくりと立ち上がる。手には万年筆。彼は書類を見つめながら、低く語った。
    「この名は……おまえの過去の“呪い”だな。」
    少女は答えない。ただ、かすかに唇を噛む。
    「ならば、ここで終わらせよう。」
    カーディアスは静かに赤いインクを取り出し、その名の上に一線を引いた。それは断罪ではなく、解放の線だった。
    「おまえに、もう一度“生きる名”を与える。」
    「……生きる、名……?」
    「そうだ。命令ではなく、願いで呼ばれる名だ。」
    彼は少しの沈黙のあと、その紙に新しい文字を記す。ゆっくりと、確かな筆跡で――
    《Maria Bist》
    書き終えた瞬間、彼は万年筆を置いた。そしてその名を見つめながら言う。
    「“マリア”――赦しの名だ。
    人が互いに憎しみ合うこの時代で、おまえはそれを思い出す者となれ。」
    少女の目が揺れる。涙が光を反射し、頬を伝う。
    「……それが、私の名……?」
    「ああ。マリア・ビスト。
    今日からおまえは、誰の所有物でもない。おまえ自身の意志で歩く“人間”だ。」
    マリアは小さく息を呑み、そして初めて自分の胸に手を当てた。脈打つ鼓動が、確かに「私」という存在を告げている。
    「……はい。カーディアス様。
    この名を……私の願いとして、生きます。」
    カーディアスは穏やかに微笑み、月明かりが二人の間を照らした。
    「――それでいい。おかえり、マリア。」
    その夜、ビスト邸の静寂の中で、一人の少女が“兵器”から“人間”へと生まれ変わった。
    それは誰にも知られぬ、宇宙世紀の片隅での小さな奇跡だった。

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:55:12

    朝、薄明かりの庭。マリアはまだ眠そうに目をこすりながら、カーディアスの用意した書斎に向かう。
    「おはよう、マリア。」
    「おはようございます、カーディアス様。」
    挨拶の声も、かつての機械のような硬さは消え、少し柔らかくなった。朝の庭には鳥のさえずりと、芝生の露の匂いが混じっている。マリアは深呼吸をして、自分の胸の鼓動を確かめる。
    “今日も自分の意思で生きている”――その実感が小さな幸福だった。

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:56:15

    書斎では、教育係が歴史や文学、科学の授業をしている。
    マリアは机に向かい、文字を丁寧に書き写す。
    「マリア、昨日の課題はどうだった?」
    「はい、アナトミアの課題は完了しました。……それから、読みかけの詩も読み終えました。」
    彼女は自らの好奇心で学ぶことを楽しむ。
    かつては“命令でしか動けなかった体”が、今は“学ぶ意思”を伴って動く。
    小さな手が紙をめくる音が、屋敷に穏やかなリズムを作っていた。

  • 8二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 22:57:15

    昼食後、マリアは庭園を散歩する。
    花壇の手入れをしている庭師に笑顔で挨拶を返す。
    カーディアスが見守る中、彼女は小さな菜園に水をやる。
    「マリア、手が汚れても気にするな。」
    「はい、でも……水の感触が心地よいのです。」
    指先で土を触る感覚。
    それは戦場でも、兵器としての身体でも、決して味わえなかった感覚だった。

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:05:45

    書斎で読書。
    お気に入りは地球の歴史書や、かつての民間伝承の詩集。
    カーディアスが傍らに座り、時折質問する。
    「なぜ、あの王は民を守れなかったのか?」
    「力を持つ者は、それを振るうことばかり考え……心を忘れたのでしょう。」
    「……なるほど。ならばおまえは?」
    「私は、人の心を覚えていたいです。」
    その言葉に、カーディアスは微かに頷く。
    “意志ある人間”として、マリアはすでに学び、選び、考える存在になっていた。

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:06:53

    屋敷の下級スタッフと共に、家事の手伝いや屋敷内の整理。
    マリアはかつて命令で動いていた体を、自らの意思で動かす喜びを感じる。
    「マリア、もうその棚の本はここでいいか?」
    「はい、私が整理しました。……少し、楽しいです。」
    微笑む表情は、かつての“無表情の兵器”とは別人のようだ。

  • 11二次元好きの匿名さん25/10/20(月) 23:12:40

    夕食後、暖炉の前でカーディアスと静かに話す。
    「今日も一日、無事だったな。」
    「はい……自分の意思で生きている実感がありました。」
    カーディアスは静かに微笑む。
    戦争も強化人間の過去も、屋敷の中では遠いものになった。
    マリアは穏やかな夜に包まれ、眠りにつく。

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 05:29:12

    今は普通にいい話だが、隠し子疑惑が広まってないか……?

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 07:10:55

    マリア姉上と弟バナージ…はじめましてはどんな風になるんだ?

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 07:15:43

    多分妾じゃなくて娼館にも通ってる女好きって評判になりそう

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 10:39:16

    18歳になったマリアは、書斎だけでなく、財団の執務室で資料を扱うことも許されるようになった。
    カーディアスは穏やかな声で指示を出す。
    「マリア、今日は財団の海外調査レポートを目を通してくれ。」
    「はい、カーディアス様。」
    資料の中には政治的駆け引き、資金運用、軍事技術に関する情報もある。
    かつての“命令でしか動けない少女”とは違い、マリアは自分の判断で重要事項にコメントを入れることができるようになっていた。
    「このプロジェクトは、リスク管理をもう少し厳格にする必要があります。」
    「うむ……なるほど、よく考えているな。」
    カーディアスは微かに微笑み、書類を受け取るマリアの手を見つめる。
    彼女の眼差しには、かつて見せたことのない自信と落ち着きが宿っていた。

  • 16二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 10:45:15

    兄さんはどう思う?

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 11:10:36

    財団の研究室や管理部門を巡り、スタッフの報告を聞く。
    マリアは指示を受けるだけでなく、提案や改善策も自ら提示する立場になっていた。
    「マリア、今日の調査結果はどう見ている?」
    「データ上、この計画は短期的な利益は出せますが、長期的リスクが高いです。
    代替案としてこちらの調整を提案します。」
    スタッフたちは驚きつつも、彼女の言葉に耳を傾ける。
    “カーディアスの養女”としてだけでなく、財団に欠かせないアドバイザーとして認められていた。

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 12:38:23

    バナージと家族か
    新鮮な感覚だ

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:16:03

    これ最期にバナージを頼むって言われるやつやん

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 21:19:39

    だとしたらクシャトリアはどうなるのか…

  • 21二次元好きの匿名さん25/10/21(火) 22:49:30

    財団の戦略会議にも参加するマリア。
    議題はサイド3や連邦、その他政治的均衡を保つための動き。
    「マリア、君はどう判断する?」
    「この地域の支援計画は、人的資源を最適化すべきです。
    兵力ではなく、情報と教育による安定化を優先する案を推奨します。」
    その言葉に、カーディアスも頷く。
    かつての少女が、今では知性と意志で状況を分析する大人の一員になっていた。

    執務を終えたマリアは、屋敷に戻ると庭を歩き、月光の下で深呼吸をする。
    「今日も、自分で考え、選び、生きることができた……。」
    かつての“命令で動く兵器”の記憶は薄れていく。
    それでも心の奥底には、忘れられない痛みと戦いの影がある。
    だが、今はそれを糧に、未来を形作る力として使える。
    カーディアスは書斎から静かに呼びかける。
    「マリア、今日もよくやったな。」
    「はい、カーディアス様。」
    「……財団の未来も、おまえに託せるかもしれん。」
    マリアは少し微笑む。
    18歳になった彼女は、もう“養女”だけではない。
    戦争の影を知る少女から、未来を創る一員へ。

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 08:08:09

    UC.0096、サイド3外縁部
    ガランシェール隊は、連邦とジオン残党の緊張が続くコロニー軌道上で哨戒任務にあたっていた。
    隊長は静かにモニターを睨む。
    「ここ数週間、敵の動きは停滞しているが……油断はできん。」
    隊員たちは緊張の中で整備を行う。
    だが、その背後には、ビスト財団の裏での情報網が静かに働いていた。
    マリアが分析し、カーディアスに助言した情報が、戦局に微妙な影響を与えている。

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 16:43:12

    戦況と隊員の心情
    哨戒と偵察が日課
    連邦側の偵察機や情報部隊との接触もあり、小規模の戦闘や妨害工作が発生
    隊員たちは精神的に消耗しているが、隊長は冷静を保つ
    隊員の一人がつぶやく。
    「……あの情報、財団から流れてきたって本当か?」
    「ああ。正確すぎて怪しいくらいだ。」
    彼らは知らない。
    その情報の正確さは、遠く離れたマリア・ビストの知性と判断力によるものだということを。
    任務の一幕
    ガランシェール隊は敵の輸送船団を追跡する任務に就く。
    追跡ルート、燃料消費、回避経路――
    情報部隊が出すデータに基づき、計画を練る。
    隊長は微笑みを抑えながら言う。
    「……おかげで今回は無駄弾も出さずに済みそうだ。」
    小隊は疲れた笑みを交わすが、誰も背後にある“財団の影”までは知らない。
    戦争の中でも、目に見えない知恵と戦略の影響がある世界。
    戦場の影とマリアの存在
    マリアは直接戦闘に関わらない
    しかし、財団のデータ分析・戦略立案は小規模戦局や哨戒任務の効率に直結
    ガランシェール隊の生存率を微妙に上げ、戦いの無駄を減らす
    過去の戦争の影に、静かに“希望の糸”を繋ぐ存在となる
    小さな日常の対比
    マリア・ビスト:庭園を歩き、資料を分析し、未来を設計する
    ガランシェール隊:宇宙の冷たい軌道で哨戒に明け暮れ、危険と隣り合わせ
    しかし二つの世界は、見えない情報の糸で繋がっている
    たとえマリアが屋敷で微笑んでいても、
    遠くの宇宙では、戦いと死の影が続いている――
    しかしそれもまた、彼女の知性と意思が少しずつ変えている現実だった。

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:39:52

    バナージ達とはどんな出会いになるのやら

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/22(水) 22:43:44

    サイド3外縁部。
    混乱の街を抜けたバナージとオードリーは、
    追跡を避けるようにして山間の道を進んでいた。
    オードリー「この先に、安全な場所があるの。……信じて、ついてきて。」
    バナージ「……オードリーは、いったい何者なの?」
    オードリー「それは、もう少し先で話します。」
    彼女の瞳は真剣だった。
    その先にある屋敷が、ビスト家の邸。
    バナージの運命を変える扉だった。
    ビスト邸の門前
    夜の帳が下り、灯りが点る石造りの屋敷。
    オードリーは警備兵に静かに身分を告げ、門を通る。
    バナージは圧倒されたように周囲を見回す。
    バナージ「……ここが、君の知り合いの家?」
    オードリー「ええ。ビスト家という一族の屋敷です。」
    バナージ「ビスト……財団の……?」
    少年の胸に、ざらつくような緊張が走る。
    そのとき、玄関のドアが静かに開いた。

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 07:02:46

    期待

  • 27二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 16:55:25

    白を基調としたホールに現れたのは、
    落ち着いた深紅のドレスに身を包んだ少女――マリア・ビスト。
    年は18。けれどその立ち姿には、少女というより“若き淑女”の威厳がある。
    マリア「ミネバ様……あなたが外で連れてきた方というのは、その方ですね?」
    オードリー「はい。彼を、カーディアス様に会わせたいんです。」
    マリア「……わかりました。父上は執務室にいます。案内します。」
    マリアは軽く一礼し、穏やかに微笑んだ。
    その微笑みには、知性とわずかな憂いが混じっている。
    “見ず知らぬ少年を受け入れる”ことへの慎重さと、人としての温かさ。
    廊下の歩み、静まり返った廊下を歩く三人。壁にはビスト家の肖像画が並び、
    そのひとつひとつが“歴史”を語っているようだった。
    バナージ「……立派な家だ。」
    マリア「ええ。でも、ここにあるものの半分は、失われた時代の遺物です。
    形ばかりの繁栄に、心がついていけない人もいます。」
    オードリー「マリア……」
    マリア「ごめんなさい。つい本音を。」
    マリアは苦笑し、けれどその横顔はどこか寂しげだった。
    彼女は財団の裏を知る者――「富と力が人を壊すこと」を、まだ若くして理解している娘。
    カーディアスとの面会前、執務室の前でマリアは立ち止まる。
    オードリーの方を見て、軽く頷く。
    マリア「ミネバ様、あなたがこの人をここに連れてきた理由……父はきっと理解します。
    でも、ひとつだけ。」
    バナージ「……?」
    マリア「この屋敷では、真実を知る覚悟が必要です。財団も、あなた自身の過去も――隠しきれるものではありません。」
    その言葉は静かだが、どこか警鐘のようでもあった。
    マリア・ビスト――彼女はまだ表には出ないが、ビスト家のもうひとつの理性と良心であり、
    この瞬間、運命の歯車の中に新たな意志が加わる。
    扉が開く。マリアが執務室の扉を押し開ける。
    その奥には、カーディアス・ビストが待っていた。
    運命の出会いが、静かに始まる。(この後、ミネバの「必要ない」まで本編通り)

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/23(木) 21:07:01

    夜のビスト邸。カーディアスとの面会を終えたバナージは頭の中にまだ整理できない言葉が渦巻いていた。
    「ラプラスの箱」――「ニュータイプ」――そして「可能性」。
    それらが意味するものを考えようとしても、自分が立っている場所さえ、まだよく分からない。
    執務室を出たバナージの前に、静かにマリアが現れた。
    マリア「お疲れさまでした。父と話して……どう、でしたか?」
    バナージ「……正直、何を言われたのか全部は理解できていません。」
    マリア「当然です。あの人の話は、初めて聞いた人には難しすぎるから。」
    彼女は微笑み、手に持っていた紅茶を取り出した。バナージは少し戸惑いながら受け取る。
    二人は屋敷の庭園へ出る。星の光が薄く差し込み、噴水の音だけが響いている。
    バナージ「ここ、静かですね。」
    マリア「この庭だけは、父が“外界の音を遮るように”設計したの。何も聞こえない場所で、人はやっと自分の声に気づける……って。」
    バナージ「……確かに。俺、ここに来るまでずっと走ってばかりでした。」
    マリア「あなたの瞳には、焦りが残ってる。誰かを追いかけてるの?」
    バナージ「……“何か”を、ですね。自分でもうまく言えません。」
    マリアはバナージの横顔を見つめ、静かに頷いた。
    マリア「なら、少しずつでいいんです。あなたは“まだ知らないことを知ろうとしている人”。それができるなら、ビスト家の誰よりも強い。」
    バナージはその言葉に、なぜか胸が熱くなる。
    戦争や血筋の話ではなく、“ひとりの人間”として見てくれる優しさが、そこにあった。
    バナージ「……マリアさんは、怖くないんですか?財団のことも、“箱”のことも、知っていて。」
    マリア「怖いですよ。でも、逃げないようにしています。ここで目を背けたら、“何も変えられない”から。」
    風に髪が揺れる。その横顔には、強さと哀しさが共存していた。
    マリア「父がこの家を守るように、私も“誰かの未来”を守りたい。それがどんなに小さなことでもね。」
    バナージ「……誰かの未来、ですか。」
    マリア「ええ。たぶん、あなたのような人の未来も。」
    彼女は優しく笑う。その笑みは、彼にとって救いだった。戦場の外にも、こんな穏やかな強さを持つ人がいる――そう思えただけで、胸の奥の重さが少しだけ軽くなる。

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 06:39:50

    >>28

    お姉ちゃんや…。

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 06:55:13

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 13:13:30

    最近マリーダさんのss書きが多いな

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 16:35:16

    ビスト邸、工業コロニー「インダストリアル7」の外縁。
    重厚な石造りの屋敷に、マリアは書類を抱えて立っていた。
    財団の理事会資料。
    祖父カーディアスの傍で、ビスト財団の理念を学び始めていた彼女の胸には、
    “平和を継ぐ者”としての誇りがあった。
    だがその夜、
    警報が鳴り響く。
    重力制御が不安定になり、屋敷のシャンデリアが激しく揺れる。
    使用人「マリア様! 外に! 袖付きのモビルスーツがっ!」
    マリア「……戦闘? どうして、ここが――!」
    外壁を震わせる轟音。
    モニターには、ギラ・ズールが連邦軍のリゼルと交戦する光景が映っていた。
    ビスト財団のコロニーが、まるごと戦場に巻き込まれていく。
    ビスト邸は、古くから秘密裏に独自の防衛システムを備えていた。
    だがそれも、戦争用ではない。
    侵入者が出た場合に通路を封鎖する程度のものだ。

    「マリア…っ…」
    「…!?お父様!!」
    怪我を負ったカーディアスは落ち着いて指示を出す。
    カーディアス「マリア、地下へ、ユニコーンの所へ行きなさい。ここはもう安全ではない。」
    マリア「お父さまは…?」
    カーディアス「私は残る。……守るべき“箱”がある。」

  • 33二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 22:02:43

    瓦礫が崩れ、静かな夜が、赤い炎に塗り潰されていた。
    ビスト邸の地下には、重油と金属の匂い。
    マリアは、倒れかけたカーディアスの身体を支えていた。
    マリア「お父さま、血が……!」
    カーディアス「構わん。……やはり、避けられん運命だったか……」
    カーディアスの胸には、銃で撃たれた痕が残っている。
    彼の手が震えながら、マリアの頬へ伸びた。
    カーディアス「ユニコーンを……バナージに託す。あの子は、まだ何も知らぬ。だが――真っすぐだ。
    その真っすぐさを……信じてやってほしい。」
    マリーダ「お父さま……」
    カーディアス「おまえには、別の役目がある。彼を導け。“力”ではなく、“希望”を信じられるように。」
    その声は、燃える空間の崩壊音にかき消されそうだった。
    だがマリーダの胸には、確かに届いた。
    彼女は泣いていた。命令でも、強化でもない。誰かのために流す――“人としての涙”。
    マリア「……わたし、約束します。あの子を……導きます。」
    カーディアスの瞳がわずかに細められる。
    その表情には、かつて見たことのない安堵が宿っていた。
    カーディアス「……そうか……やっと……笑える顔になったな。マリア。」
    その瞬間、爆風が吹き抜ける。
    崩れゆく天井の下、
    彼女は祖父の手を握りしめたまま、ただ嗚咽した。
    そして、瓦礫の隙間から見上げた空に、
    純白のモビルスーツ――ユニコーン・ガンダムの残光が、
    一瞬だけ見えた。
    マリア「バナージ……。
    あなたが光を見失いそうになったら、
    その時は、私が――あなたの影となって、導く。」

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/24(金) 23:07:49

    カーディアス…(泣)

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 06:21:46

    お姉ちゃん、覚悟完了

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 13:13:02

    この展開でも美味しい…

  • 37二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 17:31:08

    ビスト邸・第3格納庫。爆煙が立ちこめる中、純白のモビルスーツが静かに佇んでいた。
    RX-0 ユニコーンガンダム――ビスト財団の“遺産”にして、“希望”の象徴。マリアは、制御パネルの前に立っていた。後ろには、呆然と立ち尽くすバナージ。
    「……これが、ユニコーン……?」
    「そう。……あなたが乗るの。」
    「俺が? 無理だよ。俺、ただの学生で――」
    マリアは一歩、彼に近づいた。その目は震えている。恐怖ではなく、何かを押し殺しているような震え。
    「違う。あなたは“ただの誰か”じゃない。このモビルスーツは、あなたを選んだのよ。」
    「俺を…選んだ?」
    「ええ。……お父さまが言ったの。“ユニコーンは、希望を信じる者に託せ”って。」
    「…“お父さま”?」
    マリアの唇が、かすかに震えた。その名を出した瞬間、心の奥で何かが崩れた。
    「……カーディアス・ビストは、もう…いない。」
    「え?」
    「さっき……私の腕の中で……」
    そこで言葉が詰まる。抑え込んでいた涙が、一気に頬を伝う。彼女は胸を押さえ、息を震わせながら続けた。
    「あなたの……お父さまなのよ、バナージ。」
    「…………!」
    その瞬間、時間が止まったようだった。ユニコーンの装甲が淡く光を放ち、まるで二人の心の震えに共鳴するかのように、格納庫の空気が変わる。
    「……ごめんなさい。言うつもりじゃなかった。でももう、隠せないの。あなたには……“受け取る権利”があるから。」
    「俺が……ビスト家の……?」
    「そう。あなたはビスト家の血を継いでいる。けれど、血じゃない。あなたが信じる心が、この機体を動かすの。」
    彼女はユニコーンの脚部に手を置いた。
    その白い装甲に、涙が落ちて小さな光を反射する。
    「お願い……行って。あなたにしか、できないことがある。あなたが“希望”を見失わなければ……この機体は、きっと応えてくれる。」
    「でも、マリアさんは……!」
    「私は――あなたを導く者。あの人の願いを、継ぐ者だから。」
    ユニコーンのコクピットが開く。白い光の中で、少年はゆっくりと乗り込む。マリアはその背を見つめながら、胸の奥で静かに祈った。
    「どうか……“力”ではなく、“希望”を信じて。あなたが光を選ぶなら、私は――影の中からでも導ける。
    ミネバ様を…オードリーを守りなさい!」
    格納庫の天井が開き、ユニコーンが浮上する。マリアの瞳には、涙と光が混ざっていた。

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:12:53

    行け!バナージ!!

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 08:16:00

    ここからマーサに拉致られてプル・トゥエルブに戻されたらバナージは泣くだろ

  • 40二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 11:01:05

    >>39

    一応家族だからね…。

  • 41二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 12:09:58

    待ってください、ここでもトゥエルブ化は避けられないって言うんですか⁉
    そんな…信じない!俺は信じないぞ!

スレッドは10/26 22:09頃に落ちます

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