- 1◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 19:43:08
準備編↓
【準備編】ジブリっぽいファンタジーSSつくるよ|あにまん掲示板「病院のテレビでたまたまラピュタが流れていた」というだけの理由でやりたくなった、見切り発車もいいところなスレ。完結できたらいいなぁ…くらいのノリです。打ち切りになって、再開は〇ヵ月後…なんてこともある…bbs.animanch.com元々はジブリっぽいファンタジーSSがやりたいなぁと思いまして。
完結できたらいい、ぐらいのノリです。
とりあえずジブリあるあるの
・少年少女の冒険
・異種異形との交流
・自然と人間の調和または対立
・飛行シーン
・強い女性あるいは老婆
・ジブリ飯
があればいいなぁ。
- 2◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 19:43:59
【世界観】
・平安時代末期の日本
【物語のテーマ】
・主人公が起こした大事件を無かったことにするため、冒険に身を投じる
・人間の少年×小人
【主人公】
アザミ
・10歳の少年
・アザミのような紫色の痣が頬に常に浮き出ている
・要領が良くて人付き合いが良い
・貴族に代々仕える庭師の一族。両親は平治の乱で亡くなり、天涯孤独。
・横暴で傲慢な貴族の館に住み込みで働いている - 3◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 19:45:30
- 4◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 19:59:39
───
平安時代末期、平治の乱の煙がようやく収まった京の都。
平清盛率いる平家は栄華の道を歩み始め、武家の権勢は日増しに強まっていた。
だが、その裏で、源氏の残党は山野に潜み、寺社勢力はなおも燻る火種を秘めていた。
それでも、都の繁栄は貴族や武家のもの。
市井の民にとって、世の移ろいはただ重い税と飢えを意味するばかりだった。
都の東、鴨川の流れにほど近い一角に、刑部大輔宣隆(ぎょうぶたいふ のぶたか)の館がひっそりと佇む。
古びた門をくぐれば、煤けた屋敷に住み込みの下人や下女たちが忙しなく動き回る。みな貧家の出で、運よく奉公の口を得た者たちだ。
だが、彼らの顔に笑みは少ない。主人は横暴で、気まぐれに怒鳴り散らすその声は、館の隅々にまで響き渡る。 - 5◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:10:07
その庭の片隅で、10歳の少年──アザミは汗と土にまみれながら、大きな鋤をぎこちなく握っていた。
薄汚れた茶色い水干の裾は動きやすいようたくし上げられ、長い黒髪は後ろで結わえている。右頬に浮かぶ紫色の痣は、まるでアザミの花のようだった。
だが、アザミ自身はその痣を気にも留めず、ただ黙々と庭仕事に励む。
アザミの両親は平治の乱の混乱で命を落とし、彼はいまや天涯孤独の身。
代々貴族に仕える庭師の一族として、幼いながらもこの館に奉公に上がったのは、生きるための必然だった。
要領が良く、誰とでも笑顔で言葉を交わせるアザミは、下人や下女たちからも愛嬌者として見られていた。
だが、その胸の奥には、父の言葉が静かに響いている。
「人も草木も景色も、真の価値を知るには長く長く時がかかる」 - 6◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:15:34
アザミは、木々のざわめきに耳を傾け、草花の香りを吸い、池の水面に映る空を見つめながら、その言葉の意味を追い求めていた。
今日もまた、朝露に濡れた庭の真ん中で、土を掘り、草を抜く。館の主の怒号が遠くから響いても、アザミの心は庭の静けさに守られているようだった。
その時、ふと、視界の端で何かが動いた。茂みの根元を、素早く通り過ぎる小さな影。
アザミは手を止め、目を凝らす。
それはまるで“人”のようだった。3寸強ほどの小さな人間が、動物のような敏捷さで、外敵の目を避けるように動いた気がした。
「……?」
アザミはしゃがみ込み、茂みの根本をそっと覗き込む。土と湿った草の匂いが鼻をつくが、その“何か”の姿はもうどこにもなかった。
見間違いだろうか? いや、確かにそこにいた。
アザミの胸に、かすかな好奇心が芽生える。 - 7◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:16:13
(アザミはどうする?下3レスからダイス)
- 8二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:18:08
この後も仕事だ、館の主に怒鳴られるのは嫌だし無視して仕事をしよう
- 9二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:19:01
他の下人/下女からの雑談を振られたせいで小人を見失う
- 10二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:21:58
いや、それどころじゃない。今日は館の主より立場が上のお客様が来るんだから
- 11◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:25:05
- 12◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:43:04
アザミは茂みの根本をもう一度じっと見つめる。
自分がまだ知らない、この庭の秘密があるのだろうか? そんな好奇心が胸をくすぐったが、すぐに首を振って気を取り直す。
「今はそれどころじゃない」と心の中でつぶやき、握り慣れた鋤を再び手に取った。
今日は主人・刑部大輔の館に、位の高い貴人が客として訪れる日だ。庭の仕上がりが少しでも粗雑なら、主人の機嫌が荒れることは目に見えている。
アザミは土や砂利を丁寧に均し、池の縁に生えた雑草を抜きながら、庭仕事に没頭した。 - 13◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:44:02
───
日が傾き、京の空が茜色に染まり始めた頃、館の中では来賓を迎えるための準備が進められていた。
広間の床は磨かれ、几帳の向こうには色鮮やかな膳が並べられている。
下女たちが慌ただしく動き回る中、庇の上から一人の下女が声を張り上げた。
「アザミ、庭の方は?」
アザミは土まみれの手を袴で拭い、庭先から明るく答える。
「上々です。池の水は澄んでて、草は一つも残ってません。」
その声に、下女は小さく笑って頷き、すぐに館の中へと引っ込んだ。 - 14◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:46:24
やがて、刑部大輔が重い足音を立てて現れた。
絹の狩衣をまとい、威厳を漂わせるその姿は、普段の横暴な振る舞いとは裏腹に、貴人らしい貫禄を湛えている。
刑部は鋭い目で庭を見渡し、池の水面、整えられた木々、丁寧に刈り込まれた草の縁を一瞥した。
アザミは息を潜め、主人の視線が自分に注がれないことを祈りながら、そっと鋤を握り直す。 - 15◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 20:46:44
(刑部「(下3レスからダイス)」)
- 16二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:50:40
問題ないな
今日のお客には絶対に失礼がないように
京からお越しになる非常にお偉い方だ
その方に何かあれば政治が揺らぎかねんし、私含め屋敷の人間もまずいことになる - 17二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 20:54:49
良し、いいだろう
客人に粗相がないように - 18二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:00:21
うむ、よし
あぁそれから、客人の視界にお前たちのような身分卑しいものが入っては気分を悪くされてしまう
用がある時以外はしっかりと隠れていること、良いな? - 19◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:01:49
- 20◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:08:50
「ふむ…」
刑部の低い呟きが静寂を破る。
「よし、いいだろう。」
主人の言葉に、アザミは思わずホッと胸を撫で下ろした。
「今宵の客は、ただの貴人ではない。平家に連なるお方だ。一つたりとも粗相があってはならん。分かっておるな?」
下人と下女たちは無言で頭を下げた。アザミもそれに続く。
刑部はそれ以上言葉をかけず、くるりと背を向けて館の奥へと戻っていった。
一方、アザミの心はまだ庭の茂みに残っていた。
あの小さな“人”。あれはただの見間違いだったのだろうか?
アザミの胸は再びざわめき始めていた。 - 21◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:11:14
(その後、歓待の席の裏で……下3レスからダイス)
- 22二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:16:53
アザミが大事件を起こした
- 23二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:19:34
いつの間にか小人がアザミのすぐ後ろにいた
- 24二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:21:07
何も起きなかった
客は泊まるようだ - 25◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:24:03
- 26◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:41:38
───
暮れなずむ京の空の下、刑部大輔の館に平家一門の来賓が到着した。
絢爛な衣をまとった貴人が、重々しい足音とともに、広間へと導かれる。
やがて、広間からは盃を交わす音や、楽しげな笑い声が漏れ始めた。
館は一時、都の喧騒を忘れさせるような華やぎに包まれる。 - 27◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:42:57
アザミはそんな場に顔を出すことを許されていなかった。
低い身分の子どもであることに加え、刑部からは「その醜い顔が客人の目に入れば、気を悪くされる」と吐き捨てるように言われていたからだ。
アザミは右頬の紫色の痣にそっと手を当て、館から響く笑い声と音に耳を澄ませた。
だが、この痣を恥ずべきものと思ったことは一度もない。アザミの花に似たこの痣は、彼にとって誇りの証だった。
「刑部様は私の名前すらろくに覚えていないのだから、そのような方の言葉を真に受けることはない。」
アザミは小さく笑みを浮かべ、心の中でつぶやいた。 - 28◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:43:39
───
夜が更ける頃、来賓は今宵この館に泊まることになったようだ。
宴も一段落し、広間では下女たちが忙しなく膳を片付けている。
アザミもその手伝いに加わり、漆塗りの椀や皿を丁寧に運んだ。
「お客様は満足されたかな」と、思いを巡らせながら、重い膳を台所へと運ぶ。 - 29◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:44:26
やがて、来賓と主人たちがそれぞれの寝室へと引き上げ、館は静寂に包まれた。
アザミは下人たちが寝る粗末な部屋へと戻り、薄い布団を丁寧に並べた。
床は冷たく、隙間風がひゅうひゅうと音を立てる。
アザミは布団に横になりながら、昼間の庭での出来事を思い出した。
あれは見間違いではなかったはず。暗闇の中で目を閉じても、あの時の光景が頭から離れない。
あの庭のどこかに、知られざる秘密が潜んでいる。そんな予感が、アザミの小さな胸をざわめかせていた。 - 30◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 21:44:53
(その夜……下3レスからダイス)
- 31二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:50:54
アザミは何故かその夜の記憶は曖昧だった
確かなのは客人の身に重大なことがおき、屋敷がパニックに陥っていたことではありパニックだったから曖昧なんだろうとアザミはひとまず結論つけたようだ - 32二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 21:53:12
隙間風に混じってトタトタと音がする
これは…足音だろうか?しかし足音にしてはいやに軽いものだ。ネズミだろうか? - 33二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:00:46
アザミは結局すやすや眠っていたようだ
起きてー、話がしたいんだって、早くしないと手遅れになっちゃう、などの声が聞こえてきたがしたがきっと気のせいだろう - 34◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:03:42
- 35二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:09:10
事件、小人、何も起きないのうち何も起きないを2連続で引くとは
- 36◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:17:26
───
夜の静寂が館を包む中、アザミは粗末な布団の中で浅い眠りに落ちていた。
だが、ぼんやりとした意識の淵で、どこからか小さな声が聞こえてくる気がした。
「……起きてー。話がしたいんだって。」
その声はか細く、しかし確かにアザミの耳に届いた。
「……早くしないと手遅れになっちゃう…」
声はなおも続く。切迫した響きに、アザミは目を覚まそうと試みるが、体は鉛のように重く、声を発することもできない。
まるで夢と現実の狭間に閉じ込められたかのようだった。
声の主は誰? どこから聞こえてきてるの?
頭の中で疑問が渦巻くが、答えにたどり着く前に意識は再び闇に沈んだ。 - 37◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:18:10
───
ふと目を開けると、朝の光が粗末な部屋の隙間から差し込んでいた。
板張りの床に敷かれた布団の上で、アザミはゆっくりと身を起こす。
すでに起き出している下人たちが、朝の支度に追われながら低く言葉を交わしている。部屋にはいつもの湿った空気と、かすかなカビの匂いが漂っていた。
アザミは右頬の痣を無意識に指でなぞり、夜の出来事を思い返す。
「……きっと気のせいだな。」
そう心の中で呟き、頭を振って夢の名残を振り払った。 - 38◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:19:03
(そろそろ物語が大きく動くかな?次の出来事を、下3レスからダイス)
- 39二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:22:27
朝いつも通り庭を手入れしていると、不自然に土がほぐれている個所を見つけた
不自然に思い掘り返してみると人が埋まっていた - 40二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:23:42
その日から少しずつ記憶が途切れている時間ができた
- 41二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:38:27
小人と庭で出会う
- 42◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:39:23
- 43◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 22:59:09
朝の光が庭の露を照らし、京の都に新たな一日が訪れていた。
アザミはいつものように刑部大輔の館の庭で、鋤を手に土を掘り返していた。
だが、最近、彼の心には得体の知れない不安が広がり始めていた。
数日前から、一日の中で記憶がぽっかりと抜け落ちる瞬間が増えていたのだ。
最初は些細なことだった。
「あれ…? さっきまで何をしてたっけ…?」と、ふと手を止めて首を傾げる。
砂利を均していたはずなのに、なぜか道具が手元にない。池の縁を整えていたはずなのに、気づけば庭の反対側に立っている。そんなことが毎日と言っていいほど起こるようになった。 - 44◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 23:00:08
記憶が途切れる時間は短く、数瞬から長くても半刻ほど。
だが、庭の様子を見れば、その間、明らかに手が止まっていたことが分かる。雑草は抜かれず、土は掘り返されたまま。
まるでアザミ自身が、知らぬ間にどこか別の世界に連れ去られているかのようだった。
「あの小さな“人”と関係が…? それとも、あの日の夜の声…?」
アザミは庭の茂みをじっと見つめた。
あの日見た3寸ほどの“人”の影。それに、眠りの中で囁いた声。
あれらは本当に気のせいだったのか。それとも、この庭に、館に、何かが潜んでいるのか。
原因が分からないまま、毎日が過ぎていく。
記憶の空白は少しずつ彼の心を侵食していた。 - 45◆va2KrOhAnM25/10/25(土) 23:01:43
(次の展開を、下3レスからダイス)
- 46二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:06:53
(なぜ記憶が抜け落ちる?)(なぜ自分は小人なんて見た?)(いや違う、そもそも…なぜ……)
「なぜアナタはここで働いているんですか?」
まるで脳内の疑問が形を持ったかのように耳に届く
その声の方を咄嗟に振り向くが、何もいない。いや、居る……そこには確かに誰かが、何かが居た。 - 47二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:14:39
その日以降、館に住む人やその周辺に住む人が少しずつ消えていった
それは館の主も例外ではなかった - 48二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:37:50
なんとな記憶を辿ると、どうやら自分はあの小人とそのとき会っていたようだ
- 49二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 02:21:00
前作も名作だっただけに期待
- 50◆va2KrOhAnM25/10/26(日) 03:18:54