音楽宣伝(デジタルプロモーション):SNSを活用して、アーティストや楽曲のヒットを目指す仕事
2025.12.10
音楽、アニメ、ゲーム、キャラクター、イベントなど、人に感動を提供するエンタテインメントにはさまざまなジャンルがあり、そのジャンルの数だけ多種多様な職種が存在する。
連載企画「エンタメ業界のお仕事紹介」では、ソニーミュージックグループで働くスタッフの生の声から、エンタメ業界に存在する職種と業務内容、そして、その仕事にどんな“やりがい”や“魅力”があるのかを紐解いていく。
今回は、デジタル配信のマーケティングを行なう、音楽営業(マーケティング)担当者に話を聞いた。
目次
HOMARE
音楽営業(マーケティング)
キャリア:5年目
【マーケティング】
CDやDVD、Blu-rayなどの発売元であるレーベルと、セールスとの間に立ち、商品の販売方針についてプランニング、提案を行なう。ヒットを目指して、1枚でも多くの作品をファンの手に届けるために、レーベルと目標枚数や特典、イベントといった施策内容などを打ち合わせ、セールス担当と連携をとりながら調整、推進する。
【セールス】
CDやDVD、Blu-rayなどのパッケージ商品をショップに販売するセールス活動を行なう。店頭、オンラインで行なう施策や、リリースイベント、クライアントのSNSを使った施策などの提案、調整、実施に加え、商品の出荷指示も行なっている。
【Eコマース運営】
ソニーミュージック公式直販サイト「Sony Music Shop」や、特典つき商品の応募、購入専用サイト「forTUNE music」などEコマースサイトの運営、マーケティングを行なう。また、各種Eコマースサイトの制作、運営を行なうと同時に、自社物流を持つ強みをいかし、タイムリーなサービス提供を実現する。
音楽企画制作/経理・財務/アニメ・ゲーム宣伝/音楽営業(マーケティング)/マーチャンダイジング/音楽宣伝/グローバルマーケティング(音楽)/アニメ企画制作/人事/プログラマー/著作権・契約・法務/ゲーム企画制作/キャラクタービジネス/マネージャー/パッケージ制作進行/ファンクラブ運営/デジタルコーディネーター/クリエイティブ(クリエイティブ/アートディレクション・制作プロデュース)/グローバルマーケティング(アニメ・ゲーム)/エンタプライズITシステム/音楽営業(セールス・マーケティング)/イベント・展示会運営/クリエイティブ(空間設計/企画)
 
音楽営業(セールス)/音楽宣伝(デジタルプロモーション)/海外ライセンス(アニメ・ゲーム)/国内ライセンス(アニメ)/スタジオエンジニア
僕は、6歳から中学卒業まで韓国で育ったのですが、当時、韓国である大型新人グループがデビューしたんです。それからまもなく日本でも大人気になり、あまりのスピード感に圧倒されました。その反面、当時の韓国にはJ-POPのアーティストを知っている人がほとんどおらず、日本の国民的アイドルグループすら知られていない状況で、そのギャップに違和感を覚えました。
その後、高校3年間と大学1年間を日本で過ごし、交換留学でカナダへ。さらに大学を休学して、バンクーバーの音楽制作学校でクリエイティブについても学びました。その学校の授業で、それぞれが自分の好きな音楽を紹介するとなったときに、僕が薦めたJ-POPの楽曲を「このK-POP、いいね」と言われたことがあって。
つまり、K-POP=アジアンポップの総称だと思われていたんです。韓国での違和感とカナダでのできごとが重なり、“このギャップを埋めたい”という思いが芽生えていきました。
そんなときに、「Nizi Project」をはじめとした日本から世界に発信されているコンテンツを目にしたんです。そして、それらがソニーミュージックグループから生まれたことを知り、この会社に興味を持ちました。僕が目指すのは、日本の音楽やコンテンツを海外に届けること。ソニーミュージックグループならその目標を叶えられるのではないかと思い、志望しました。
僕が所属する販売推進部は、CDやDVDなどのパッケージ商品を担当するチームと、ストリーミングやダウンロードなどのデジタル配信を担当するチームに分かれています。僕の担当は、デジタル配信のマーケティング。扱うレーベルも幅広く、ベテランから若手、さらにはアニメのサウンドトラックやキャラクターソングまで多岐に渡ります。
業務内容は、アーティストが作った音楽コンテンツをより多くの人に届けること。具体的には、ストリーミングやダウンロードの再生数、売上をどう伸ばしていくか、音楽の企画制作を行なうA&Rとともに施策を考え、マーケティングプランを動かすのが仕事です。
A&Rがアーティストや楽曲制作を担当し、僕たち販売推進がマーケティングやプロモーションを設計。そのうえで、セールスチームがストアとの調整や交渉を行なっています。
例えば、配信リリースの形態を考えるのも僕らの仕事です。1曲だけで出すのか、それとも複数曲まとめて出すのか。リリース日を何曜日に設定するか。同じ週にどんなアーティストがリリースを控えているかを考慮して、スケジュールを調整します。
また、キャンペーン施策を考えるのも大事な仕事です。“ダウンロードしてくれた方に特典をプレゼントする”“SNSでシェアしてくれた人のなかから抽選でプレゼントを贈る”などの施策を仕かけています。
さらに、ストリーミングサービスのプラットフォーマーと連携し、“1週間で対象楽曲を1,000回以上再生した人に特典をプレゼント”という“再生回数キャンペーン”を実施することもあります。アーティストの規模によっては、ファンを招いたリアルイベントを開催するといったケースもありますね。
いろいろな人と関わることができることです。A&Rや音楽営業はもちろん、宣伝、ヒットを分析するアナリティクス部門、納品に関わるシステム担当、レコーディングスタジオのスタッフなど多岐に渡ります。
また、キャラクターソングやサウンドトラックのリリースが増えていることもあって、昨年からはアニプレックスが手がける音楽作品も担当するようになりました。同じソニーミュージックグループでも、アニメ製作会社は音楽レーベルとはまったく考え方が違います。さまざまな部署と直接関われるのは、販売推進部ならではの面白さですし、多種多様なエンタテインメントの分野に携わることができるのはソニーミュージックグループならではだと思います。
やりがいという視点では、ヒットが生まれた瞬間の達成感ですね。自分が直接施策に関わっていなくても、リリース日や販売形態を考えて綿密に準備した結果、楽曲がヒットすればチームみんなで盛り上がります。楽曲制作やレッスン、ステージでのパフォーマンスなど、日々頑張っているアーティストのヒットに、自分たちがその一部として関われた喜びは何にも代えられません。
それと、僕は普段から洋楽を聴くことが多いので、洋楽アーティストの施策をよくチェックしています。これを日本のアーティストに落とし込み、うまくセールスが伸びるとやりがいを感じますね。
以前、ある洋楽アーティストがアルバムのリリース前にファンを招き、一緒に新譜を聴くイベントを実施していました。日本で同じことをするのは難しいため、アプリ上でアーティストとファンが会話しながら音源を聴くリスニングパーティーを開いたんです。この施策は2年ほど前に提案、実施したものですが、今ではほかのアーティストでも定番化しています。こういった経験を通して、やりがいと何ごとにもトライすることの大切さを実感しました。
ここ1、2年で意識するようになったのは、“ワンチームで取り組む”という考え方です。例えば、マーケティング施策について、僕ひとりがプレゼンしてもなかなかOKが出ないとき、営業やデジタルマーケティングのスタッフも巻き込んで“こういうふうにやりましょう”とチームで提案すると、企画に厚みが出てうまくいったということがありました。
先ほどお話ししたリスニングパーティーも、こうした姿勢から生まれたアイデアです。
また、仕事の話をするとき、できるだけ直接会って話すことも大事にしています。報告だけならオンラインでも十分ですが、アイデア出しや意見交換は顔を見て話さないと、細かいニュアンスまで伝わりません。
僕はコロナ禍での入社だったので、1、2年目はなかなか仕事相手と顔を合わせる機会がなくて。実際に会って話してみたら、“あれ、意外と意見が通るな”“この人はこういう考え方なんだ”と気づくことが多かったんです。だから、僕は圧倒的にリアルで会う派。わざわざ打ち合わせの時間を作らなくても、日ごろからA&Rのスタッフの席にフラッと行って“どう思いますか?”と話しかけるようにしています。
人に興味がある人ですね。“はじめまして”が好きで、オープンなタイプが向いていると思います。この仕事をしていると、関わる人の数がどんどん増えていくので、コミュニケーションを楽しめることは大事な適性です。
また、周囲との関係構築が得意な人、自分のアイデアをしっかり言語化して伝えられる人も向いていると思います。
まずは、日本のマーケットでしっかり結果を残したいと考えています。その次のステップでは、どうすれば日本の音楽やコンテンツをもっと海外に展開できるかに取り組みたいですね。さらには、海外マーケティングや海外事業部にも関わってみたいと思っています。
日本の場合、アーティストが単体で海外に進出しようとするケースが多いですが、韓国ではK-POPという文化を丸ごと海外に輸出しました。日本もアーティスト単体ではなく、J-POPそのものを売り込んでいく必要があるのではないかと考えています。そのためにも、将来的にはJ-POPを海外に広めるハブのような存在になりたいです。日本で人気のアーティストたちを束ねて、アメリカやヨーロッパなどへと広げていく。その中心的な役割を担える人間になっていきたいと考えています。
文・取材:野本由起
撮影:干川 修
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