概要
これは青春の防衛に全力をかけた生徒たちの物語。
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神奈川県立湘南高校。
日本一の体育祭を謳う進学校だ。
青春も勉強も何一つ手放したくない! そんな生徒たちが通う神奈川県の公立高校。
西に富士山、南に江ノ島。絶好のロケーションの中、青春を駆け抜ける生徒たちの間にはスキャンダルがいっぱい!
あの子とあの子があんな関係に……あの人あんな趣味があるらしいよ?
そんな学校の醜聞《スキャンダル》を糧にしている部活が一つ。
湘南高校新聞部。副部長の成瀬利秋ことリシューは、普段はぐうたらだが文章を書かせると腕はピカイチ。
そんなリシューのところに、一人の先輩がやってきて……?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「あの言葉」という信念を胸に、青春を防衛した日々の記録
実在する高校をモデルにしているという本作は、特有の文化を持つ「体育祭」の説明からスタートします。一般的な体育祭の形として、多くの人々が想像する光景は、紅白のチームに分かれた生徒たちの対抗戦ではないかと思います。
ところが、本作の湘南高校では、紅白の二色ではなく、なんと九色。一学年に九つあるクラスに色を割り振り、縦割りの組み分け――例えば、一年一組、二年一組、三年一組で「紫」というチームを組むような形で、競技に取り組んでいくのです。
そんな九つのカラーを背負ったチームには、それぞれリーダーを務める三年生がいます。「総務長」と呼ばれる彼らは、皆の憧れであり、頼れる存在でしたが……彼らに集まってい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「あの言葉」を胸に秘めたる青春の子ら
青春というのは、爽やかなものという印象がある。もちろん爽やかといっても、すべて楽しいわけではなく、苦さからの爽やかさもある。
この作品は言うなれば、「The・青春」だろうか。
まず何よりも体育祭がすごい。こんなにもチーム数のある体育祭はなかなかないだろう。そして、この体育祭は熱い!
けれどそんな体育祭を目前にして、何やら醜聞――ゴシップという問題が発生した。
そんな問題をペンと己の足で解決しようというのである。
そんなゴシップについては、それぞれ見事な鮮やかさで解き明かされ、そして物語はそれらが繋がり黒幕の元へ。
これはきっと、忘れられない青春の1ページになるのでしょう。
ぜひ、ご一読く…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ペンも足も止めるな!――スキャンダルの奥に沈む、【真実】まで。
神奈川県立湘南高校。進学校にして日本一『アツい』体育祭に燃える、パワフルで自由な学舎。
生徒誰もが熱狂するその1年に1度の祭典を前に、新聞部員である花生は祭の権力者である先輩から奇妙なミッションを依頼される。
『クラスのリーダーたちにまつわる“ゴシップ”の火消しをして、彼らと体育祭を守ってほしい』
まだ湘南高校の伝統に染まっていない花生はワケがわからないながら、先輩の「リシュー」とともに生徒たちの間にはびこるゴシップの真相を追っていく。リーダーなのに行方をくらませる、誰が誰のカレシを奪った、彼は彼女にZOKKONらしい――どれも他愛のない噂のように見えて、学校という閉じた王国で暮らす生徒…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「あの言葉」を胸に据えて執ったペンは、きっと剣よりも強い
生徒の自主性を重んじる校風で、生徒が主体となって運営する、湘南高校の伝統の体育祭。
縦割りで組まれる9つのチーム、その代表である総務長たちに、ゴシップの影が?
新聞部の1年・花生は、2年のリシュー先輩に連れられ、ゴシップを揉み消す記事を書く任務に当たります。
如何にして波風たてずに真相へ近づき、平穏にコトを収めるか。
総務長らにまつわるゴシップは、ミステリ風のアプローチで一つ一つ鮮やかに解き明かされていきます。
普段はのらりくらりとして見えるリシュー先輩の手腕が光る。
そんな彼にいつもツッコミを入れる花生は、どこまで自分の気持ちに気付いているのか。
青春の甘酸っぱさもひと匙加わって、各章さ…続きを読む