概要
治承四年夏、笹竜胆(ささりんどう)咲く頃に挙兵した頼朝は、政子と共に、平家との戦いを挑む。やがて笹竜胆咲く地に、おのれの国を作るために。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!お前はどう動く?
読了したので書きます。
源頼朝、平清盛。この名前を聞くと、私は腹の読めない老獪な存在というイメージが常に先行してしまいます。
ネタバレになるので詳細は省きますが、気に入っているシーンで連想させる描写がるのでこの印象も間違ってはいないのではないかと思います。ここは画のようにシーンが思い描けるので見てほしいところです!!
この先も木曾義仲との戦い、そして、壇ノ浦の戦いと話はまだまだ続きます。如何なるものにも常に終わりがあるのです。
しかし、若かりし日の頼朝と三浦や梶原など彼の幕僚たちがときに絶体絶命の危機に頭を抱えたり、ときに勝鬨を上げたり…。
そんな意外な一面に思いを馳せるのもまた歴史の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!源頼朝挙兵の経緯を描いた歴史小説。情報が濃いのに、読みやすい!
本作で描かれるのは小説キャッチフレーズ(北条政子と源頼朝――二人が出会い、挙兵し、やがて鎌倉に入るまで)のとおり。のちに鎌倉幕府成立の土台になる『伊豆に流刑となった頼朝が地方豪族の娘である政子に出会う』場面から始まるお話です。
小中学校で習いましたよね。鎌倉幕府。当時のテストでしっかり点数取れてるくらいの知識があれば、びっくりですが本作もきっと読みこなせます。
そう。すごく内容濃いのに、すらすら読めちゃうんです。
作者様の配慮でしょう。わたしみたいな歴史に触れるのは学校で習ったのが最初で最後みたいな人間にも分かるように、さりげなく状況がわかる補足情報を入れてくださってます。
学校で学習した…続きを読む - ★★★ Excellent!!!笹竜胆に始まり笹竜胆で締める、ここから始まる歴史小説
本作はあの有名な源頼朝を中心としたお話が展開されていきます。
1185つくろう鎌倉幕府!の頼朝さんは、きっと名前を聞いたことがない人はいないのでは?というくらいに有名なのに、確かに彼を中心とした作品って少ないんですよね。そんな中、彼の人間性や会話の構成などもこうして再現されているのが凄いと思いました。
彼を取り巻く人間関係や情勢などの描写も緻密でとても興味深く、最後まで楽しく拝読させて頂きました。
笹竜胆は源氏の家紋としても有名ですが、この描写がまた彩を豊かにしているようにも感じられます。歴史が好きな方にはお勧めの作品です。 - ★★★ Excellent!!!冷徹な軍略家としての源頼朝を主役に据えた、権謀術数うずまく歴史群像劇
簡潔で力強くリズミカルな文体で綴られる、権謀術数うずまく歴史群像劇です。
同時代を生きた武将でも、源義経や平清盛、木曽義仲などは、後世につくられたものだとしても、ある程度一般的なイメージというものが固まっていると思います。
でも、源頼朝は……もちろん平家を滅ぼして鎌倉幕府をつくったひとではありますが、あまりイメージが湧きません。
と、ちょっと気の毒な(?)頼朝ですが、本作では、先の先を読み裏の裏をかく冷徹な軍略家として描かれています。最終的な勝利をつかむためなら、あえて負け戦をすることも厭わない。
そんな頼朝が、彼に負けず劣らず聡明で意志の強い北条政子と出会い、惹かれあい、流人の身から“国”…続きを読む - ★★★ Excellent!!!権もはかりごと、謀もはかりごと、術もはかりごと、数もはかりごと
今からおよそ八百年前の鎌倉時代。この時代を作ったのは、日本史を習った人間なら誰でも知ってる源頼朝。平家を倒して鎌倉幕府を開いた人物という程度の知識なら、大抵の日本人は持っているはずです。
しかしその頼朝、平家打倒に立ち上がったのはいいが、あっという間に討伐軍を差し向けられ、石橋山の戦いでは絶体絶命のピンチに陥ります。そんな彼が、どうして武門の棟梁になれたのでしょうか?
そしてもっと驚くべきことには、八月に石橋山で敗れた頼朝が、翌月には千葉の諸勢力を糾合して南関東を制圧、十月には平家の討伐軍を富士川の戦いで撃破しています。日本史は割と得意な私も、これらのイベント期間がわずか二か月だった…続きを読む