概要
ああ、気持ちがいい。こんな気分で演奏したのは実に久しぶりだ。
しめやかな葬式に、高らかな葬送曲が鳴り響く。
一話と、その背景を明かす四通の手紙。
*カクヨムコンテスト10【短編】中間選考突破作品です。
〈登場曲〉
・G線上のアリア/リスト
・幻想即興曲/ショパン
・ソナチネ第1番/クーラウ(曲名のみ)
一話と、その背景を明かす四通の手紙。
*カクヨムコンテスト10【短編】中間選考突破作品です。
〈登場曲〉
・G線上のアリア/リスト
・幻想即興曲/ショパン
・ソナチネ第1番/クーラウ(曲名のみ)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ピアノ、手紙、楽譜。どれもモノクロのメッセージ。
手紙とは、真っ白な紙に黒い文字を書くこと。
それはまるで、黒鍵と白鍵を奏でることのようではないだろうか。
そして、文字もメロディも、時を超え誰かに届く。
ある天才ピアニストの葬儀。弔辞の代わりに生演奏でピアノを引いたのは、彼の親友であり、ライバルのピアニストだった。
演目は、G線上のアリア。そして……幻想即興曲。
見事な演奏だったが、この演奏を見ていた人には、二人で演奏していたように見えたという……。
そして、程なくして、もう一人の天才ピアニストも逝ってしまう。
手紙でやりとりされる、思いと想い。
それは楽譜のように、遠く先まで残り、誰かに届く。
手紙べーす…続きを読む