概要
平穏な日常の裏に潜む陰謀と危機、信じられるのは己の手に秘めた暗器のみ。その華やかな宮廷で彼女を見守るのは、幼き頃から彼女を知る第二王子。飄々とした振る舞いの裏に隠されたのは、圧倒的な実力と綿密な策略──どんな危機にも彼女を守ろうとする静かな執念があった。
血塗られた復讐の道と交錯する運命。刃を握る影の元王女が辿る未来は果たして光か、さらなる闇か。
今宵、元王女さまは殺し屋への道を歩み始める。
※第一部(第1話~第40話)『運命の雪華』
滅びた雪華国の大地に隠された雪蓮の秘密。復讐に燃える凛音の前に現れる伝説の龍。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!作者は言葉の奇術師である
20話まで読了。
〈雪の刃〉は、装飾と武器、慈愛と共犯、追憶と現在が常に二重写しになる物語でした。
象徴の織り込みが精妙で、まず「簪」が見事です。
第1話で凛音(千雪)が鳳凰の真珠簪を見て「毒を仕込める」と直感した瞬間に、装飾=刃という逆転の論理が芽吹き、第2話で翡翠簪が実際に喉を断つ。
第3話で蓮が簪を回収し刀傷に偽装、さらに第11話で「洗い清め、工匠で補修し、より軽く鋭くして返す」。
罪の痕跡を消し、刃を研いで返すこの所作は、保護と加担、愛と共犯の危うい均衡を凝縮していました。
水と毒の対位法も見事です。
雪華国と白瀾国を結ぶのは水脈であり、その汚染が戦の口実となった過去が語ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!渦巻く陰謀の中に純愛が光る
祖国である雪華国を失い、敵国である白瀾国の将軍に救われながらも復讐を誓い、殺し屋の道を選んだ凛音。
陰謀が渦巻く物語の中で、1人で祖国の仇に立ち向かう凛音の姿と、彼女を一途に支える白瀾国の王子が特に尊く、物語が進むほどに2人を応援したくなりました。
何度も覆る息もつけないストーリー展開、華麗に浮かび上がる戦闘シーンや宮廷の風景も魅力的で、読み出すとなかなか止まらなくなってしまうドラマチックな作品。
途中から登場する、少しとぼけた明るいキャラクターも物語のシリアスさを緩和し、物語をより楽しいものにしてくれます。
作り込まれた中華風ファンタジーや切なくも美しいラブストーリーを読みたい方に特…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魂の一献
重厚なストーリーと緻密な設定。
もはや“物語”という枠を超え、ひとつのジャンルとして確立されていると感じました。
物語全体に張り巡らされた数々の伏線。
改めて、その巧妙さに驚かされました。
私の拙い感想にまで丁寧にお返事をいただき、作者様のお人柄のあたたかさにも触れることができて、とても嬉しかったです。
実は、私自身が気づけなかった伏線も多く……
作者様からヒントをいただいたにも関わらず、読み返してようやく「なるほど」と腑に落ちる場面も、何度もありました。
伏線の深さと精巧さに気づけるかどうか。
ぜひ皆さんにも挑戦してみてほしい“楽しみ方”の一つです。
……ちなみに私は、完敗でした…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み応え抜群の中華風ファンタジー
ようやく最新話まで追い付いたので、連載中ですが、レビューを書かせて頂きました。
過酷な運命に翻弄されながらも、果敢に立ち向かっていく、凛音という少女の物語。
理不尽とも思える境遇や出来事の連続ですが、凛音は挫けずそれらに立ち向かっていく…
その姿に、感銘を覚えずにはいられません。
また、綿密且つ精密に張り巡らされた伏線や、精巧ながらダイナミックに描かれる世界観など、物語としての面白さも抜群で、ぐんぐん引き込まれていきます。
まだ、連載中ということで、この先読み続けられるというのが、幸せでなりません。
特に中華風ファンタジーが好きな方は、是非ご一読を!