概要
耐えられず逃げ出した彼女は、元凶たる神の祠を絶望のまま、壊してしまう。
「罰当たりだな。これは君、死んだね」「別に良いよ。ちょうど、死にたかったところだから」「くっ……あははは! それなら、死なせてあげないよ」 こうして少女は、神に拾われた──。
神を呪った少女と、そのせいで眠りから叩き起こされてしまった気まぐれな神様(※独占欲強め)。神社を舞台に繰り広げる、和風恋愛ファンタジー!
♦︎カクヨムコン10ライト文芸部門【特別賞】受賞。
♦︎2025年11月14日、ビーズ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!暗闇だった少女の心に暁もたらされる和風ロマンス!
自らが義妹の身代わりと知り、絶望の心のまま祠を壊してしまった少女、小夜。
眠りから覚めた美貌の土地神様は、小夜をほんの暇つぶしにと気まぐれから匿う。
けれどもひた向きな小夜と生活を共にするうち、目の離せない存在となっていき――
人への愛など知らなかった、知りたくないとすら思っていた神様が、少女によって名付けられ、呼ばれ、かけがえのない存在へ変化してしまったことに気付かされる。
認めようとしない神様の傲慢と、執着があらわになっていくのがたまらないですね!
小夜さんも、神様・暁への想いを自覚するようになりながらも、その身分差から口にすること叶わず。
ゆえに拗れていく二人の関係。
ここに神様友達…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神に怒りを抱く余り祠を破壊するも土地神の気紛れから神と共に生きる
ヒロインは、神の末裔と言われる領主に嫁ぐ為に拾われ育てられ.拾われてから16年、嫁ぐ直前家出をし、それまで不幸にあっても神に助けられない境遇と神の末裔と言われる領主への嫌悪感から、神への当て付けから通り掛りの祠を破壊した所、祠の後ろから現れた土地神から神罰が降ると言われも、死を厭わない旨を伝えた所、神が気紛れによる揶揄いから、祠破壊は咎めず、ヒロインは家出した以上帰る場所も食べる事もままならない現状から、神に下働きを願い出て神と同居する嵌めとなった。以後互いに恋愛感情が芽生え結ばれるも、そこに至る過程が面白く感じました。
兎に角、ヒロインが孤児で、拾われてから領主に嫁ぐまで育てられたが、生か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ニヤニヤが止まらない!ロマンティックな和風ファンタジー
辛い境遇にいた小夜が祠を壊したら気まぐれな神様に溺愛されて――というお話です。
人ならざる存在に愛される和風シンデレラストーリーの王道と、今流行りの「因習村の祠を壊す話」とを掛け合わせた部分が新鮮です。
美丈夫なのにどこか飄々としていてつかみどころのない暁と健気で無垢な小夜。脇を固める蜜や弓彦、惣一郎といったキャラもよく、感情移入できました。
暁に拾われ人間らしい生活をするようになる小夜と、小夜に出会い人間らしい心を持ち始める神様の暁。
二人が出会うことで互いに失ったものや足りなかったものを補い合う関係なのがいいですね。
特にライバル出現に嫉妬する暁や夏祭りの場面はロマンチックでニ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神は優しくない。けれど、どこか憎めない。
「罰当たりだな。これは君、死んだね」
「別に良いよ。ちょうど、死にたかったところだから」
自身の運命を掻き回した元凶の祠を壊した小夜。
だが土地神――暁は気まぐれで、小夜を振り回す。感情が読めない暁の奇行に怯える小夜。だが帰る場所がない小夜は、暁のところに住まわせてもらうことになる。
実は暁は、うかつにも小夜に神力を与えてしまった。神は神力を与えてしまえば、責任を取らなければならない。
そのことは明かさず、暁は小夜にこう告げる。
「小夜、君はどちらになりたい? 神(わたし)の生贄か──それとも、花嫁か」
暁の気まぐれ翻弄されながらも惹かれる小夜と、心の中で言い訳をしながら小夜に触れる暁…続きを読む