【短編】じれ恋なんて望まない！～乙女ゲームに逃げ込んだら、一途な乙女を待ち焦がれる神様が仕組んだ人喰いゲームでした～

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（472文字）

神獣である龍は、霖旱を司り命を育む。時代の変化とともに、神獣である龍も棲みかを変える。それは仮想空間であるゲームの中。人によって産み出されたものではなく、神によって創造された世界だった。
ブルーライトの光。それは龍が天に登った空の色なのか、それとも地に潜む暗き水の色なのか？

弥生ちえさんの「じれ恋なんて望まない！」は、乙女ゲームを舞台にしながら、甘さだけでは終わらない深い感情の機微を描き出した作品やで。花緒里が現実とゲームの世界を行き来しながら、自分自身の感情や千颯との関係に向き合う姿には、ほろ苦い共感と切なさを感じること間違いなしや。

特に水龍との対話を通じて心が揺さぶられるシーンは、ゲーム内の幻想的な要素が主人公のリアルな感情と結びついて、独特の緊張感を生み出してたんよ。ゲームの「人喰いゲーム」という不穏な設定が、物語にスリルと深みを加え、最後まで飽きずに楽しめる。

乙女ゲームのファンだけでなく、「誰かに認められたい」「素直になりたい」と感じるすべての人…続きを読む

　乙女ゲームって楽しいですよね。
　攻略対象の好感度とか気分とか数値で見られるから、わかりやすい。
　私もハマったことがあります。

　けど、現実はそうはいかないですよね。
　相手が自分のことをどう思っているか全然わからない。
　ああ、じれったいじれったい。

　現実の恋愛にじれじれの主人公、花緒里ちゃんは、つい、乙女ゲームの世界にのめりこんでしまいますが……
　じれじれで、こじれてしまった恋の行方は。

朝の通学バス、女子高生たちが噂する「人喰いゲーム」。
でもどのゲームがそんな恐ろしい存在なのか、よく分からない。

主人公の花緒里は幼なじみ以上恋人未満である千颯との関係を変えるべく、
朝のバス時間をずらすことにする。
でも彼女の心にはわだかまりがあって――？

進展しない彼のことを忘れたくてゲームに熱中してゆく花緒里の運命とは？
ちょっぴりホラー風味の恋愛短編です！