概要
ワインに導かれるように、異世界へと転移した元ソムリエ・余市タカヒコ。
そこで与えられたのは、“魔酒”と呼ばれる酒を“調律”する力だった。
香り、記憶、感情──
杯の向こうに眠る、ひとりひとりの物語が、魔酒に宿る。
騎士、神、そして少女。
鳴るはずのない酒が、“何か”を響かせたとき、静かに世界は動き出す。
ワインと魔法と、共鳴の物語。
こちらに主要人物4名のイラストあります
https://kakuyomu.jp/users/sabamisony/news/16818792435412033061
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ワインにまつわるタカヒコのセリフ回しに酔いしれる!
ワイン大好き作家、sabamisony さんの代表作です。
全編にワイン愛がちりばめられています。
ストーリーは、現世の古い白ワイン(この銘柄がカギを握ります)を通じて、異世界に召喚されてしまったタカヒコが、屋台のワインバーで、ソムリエを始めるところから始まります。
この世界のワインは「魔酒」と呼ばれ、調律師と言われるソムリエが、的確にワインの説明をするたび、「バフ」と言われる魔力が込められ、飲んだ冒険者の能力がアップする、という効果があるのです。
その中でもタカヒコの能力は突出していました。ワインを紹介する流麗なせりふ回しで、誰にも見向きもされなかったワインからも魔力が引き出…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一気読み!ワインも小説も美味いものは最後の一滴まで感じさせる余韻がある
繊細な文章力が、お話の軸となるワインの調律と、とても合っていて、文章自体が素敵な音色のようでした。
美味しいワインは、ずっと味わっていたくて…ついつい飲むのをが止まらないように、このお話も、最終話まで一気に読んでしまいます。
お話は、主人公タカヒコが女神ヴィーニアに呼ばれ、異世界への屋台で働きながら、忘れられたワインや、魔酒として力を発揮できない ワインを調律していくストーリー。
女神ヴィーニアがただの女神でなく、飲んだくれでツケ女神と呼ばれている所が、良い!
タカヒコの弟子になったアルネもピュア。
これから…あなたが何か進むべき道にであった時、女神ヴィーニアを思い出せば楽しく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!こちらの想いに応えてくれる、ワインの魔法
お酒の味がとても好きです。
私にとってのお酒とは、様々な料理に、まるでソースの一部であるように合わせたり、食事の味に変化を齎すもの、といったイメージです。
それもこれもアルコールには強くなく、量を飲めない体質がそうさせていて、これがお酒だけを楽しむ方向に進めない理由なのですが。
とはいえ、そうした楽しみ方であっても(文句をつけてくる人は偶に居ますが)何もかもを許容してくれるのがお酒。
味だけ、匂いだけ、といったものであっても、人それぞれに楽しめば良い。
きっとワインは応えてくれる!
このお話を読んで、後押しをして貰ったように、更にその思いが強まりました。
私ですらそうなのだから。
きっ…続きを読む