概要
そう信じていた……けれど、それはあっけなく打ち砕かれてしまう──
大好きなラノベに感化されて、恋愛小説を書き始めた僕、『間借瞬太郎』は、出来上がった初作品を投稿サイトに掲載しようとしていた。
頑張って作り上げた初作品に、期待と不安が入り混じる僕。
投稿前に、まずは身近な人に読んでもらおうと思った僕は、クラスで小説が好きな女の子に感想をもらったのだが……。
残念ながら、僕の小説は真っ赤なペンで添削されて返ってきたのだ。
「わたしには、何が面白いのかわからなかった」と一言添えて。
ショックを受けた僕はその日、創作の道を閉ざすように、自ら“心を折って”しまう。
だが、その直後。
転校してきたばかりの不思議な美少女が、うなだれた僕に声をかけてきた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この作品は、流し読みダメ🙅♂️
Twitterのファン動画をきっかけに、この小説を知りました。
ファンの方が動画を作るほど熱量を注がれるのも納得の一作です。
この物語は、創作を勉強したい人にこそ薦めたい作品だと感じました。
自己分析に役立つ視点、冷静に作品を見つめ直せる客観性、そして物語の流れに呼応して自然と学びを得られる構成……。どれも「創作論」として非常に実践的です。
また、文章の改行やリズムが絶妙で、読むだけで呼吸が整うような心地よさがあります。まるで「文章とはこうあるべき」と教えてくれているかのよう。
小説を書いている人はもちろん、「創作をもっと深めたい」と思っている人には格別の一冊。
読んで楽しく実践的にレ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夢中になれるものを持っている人にも、夢中になれるものが欲しい人にも
自ら心を折ってしまう――。
そんなマイナスからのスタートを切る物語は、"都合良く"現れた謎の少女 日々野アイの手引きにより、主人公の書く恋愛小説をロールプレイする、という体験学習に身を投じることとなり、心を折る前に求めていた"何か"を探すために再び歩み出します。
このロールプレイは、ときに気付かされ、ときに笑い、ときに泣いて、ときに熱くなる......。
読者は、主人公 間借瞬太郎の視線を通じて様々な感情を味わうことができます。
エンターテイメントがぎゅっと詰まっています。
間借瞬太郎にとって心を折ってしまったのは『創作』でしたが、読む方の好きなもの、夢中になれるもの、に置き換えてもいい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!創作を愛するすべての僕たちへ
これは創作のみならず、勉強や仕事、恋愛、色んな瞬間にあると思います。
靴下を反対に履いていた、食べた料理が美味しくなかった、ネット通販したら思ったものと違った……。
そんな小さなことでも、心は折れます。
本作を読み終えて、これは、そんな人たち全員に向けられた「じゃあそのあとどうする?」を問いかけ、答えを見つけていく物語だと感じました。
登場人物は基本、主人公と謎の美少女ヒロインのみ。
二人の会話は常に私たちにも向けられているようで、一緒になって考えさせられます。
そうこうしているうちに、いつの間にか自分も舞台の上にいます。
自分も登場人物の一人かのように、一緒になって笑い、涙し、そして…続きを読む