概要
遂に降臨す。この世でたった一人「比売」の名を冠する少女神──常若比売が
いにしえより、日本全土には「神遺」(かむい)と呼ばれる八百万の神々が齎す気まぐれな災害現象が降り注いでいた。「神遺」を鎮魂するため、人界には「山を司る異能」を山神より授かった十二柱の現人神が顕現する。御方々は「客神十二柱」(まれびとじゅうにはしら)と呼ばれた。
万枝常若(よろずえとこわか)は、客神十二柱が一柱、「呪いの客神」として幼き頃から屋敷の結界の中に閉じ込められて過ごしてきた。常若の呪いの異能の強大さはまさに、千年に一度現れるか否かの逸材。凄まじい才能を秘めているがゆえに、異能の力に魂が呑まれ、常若自身が正真正銘の「神」そのものへと成りかけてしまっていた。
常若の強大な呪いの異能を恐れた人々は常若を忌み嫌い、疎み、遂には国の脅威として殺すべきだと判断し、「常若の異能制御の役を担
万枝常若(よろずえとこわか)は、客神十二柱が一柱、「呪いの客神」として幼き頃から屋敷の結界の中に閉じ込められて過ごしてきた。常若の呪いの異能の強大さはまさに、千年に一度現れるか否かの逸材。凄まじい才能を秘めているがゆえに、異能の力に魂が呑まれ、常若自身が正真正銘の「神」そのものへと成りかけてしまっていた。
常若の強大な呪いの異能を恐れた人々は常若を忌み嫌い、疎み、遂には国の脅威として殺すべきだと判断し、「常若の異能制御の役を担
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!文字から薫る和の世界。高い筆力が紡ぐ、純粋で美しい夫婦の物語
繊細でするすると読める文章は、淀みがなく清流のよう。
高い筆力に支えられた描写力と、細部まで練られた世界観がとても美しく、一瞬で惹きこまれていました。
“呪い”という人間の恐れる業を背負いながら、日々薄れていく感情を自覚していた常若。
どうしてこの子がこんな目にあうのだろう。
そう思わせる空気が、物語の中には満ちていました。
しかし、そんな常若の元に千種という神使がやってきます。
この千種という男性ですが……とてもエモいです。
ここでスパダリは狡いよと、思わず呟いていました。
スパダリは女子の理想郷そのもの。
つまり、読者にとっては大正解なのですが……(笑)
和の空気を文字だけで…続きを読む