テニスの王子様

まるで「人生の寄り道」がくれた宝物のような一編――🎁🛳️

『テニスの王子様』は、若き日の船旅での偶然の出会いを描いたエッセイ風の短編作品です✨🚢。

フェリーという非日常空間で、作者は「テニスの王子様」と呼ばれる文芸青年と出会います🎾🎼。

会話がきっかけとなり、リチャード・クレイダーマンのピアノリサイタルに招かれるという、夢のような展開が綴られています🎹🌠。

その体験が、人生の中の宝物になっていく――ふとした記憶に触れたい方にオススメです🛤️🎧。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（178文字）

その時代の何でもない日常が、スマホ万能な今の時代になって、もう二度と帰って来ない時代になったような気がします。
素敵な物語をありがとうございます。

　リチャード・クレイダーマン。日本でも二十年くらい前に一世風靡したピアニストですね。

　ちょっとした懐かしさもあり、個人的にはこの名前が出てきただけで嬉しくなってしまいました。

　クレイダーマン。スラッとした雰囲気の、いわゆる「イケオジ」というイメージが似合うようなピアニストです。

　本作では、フェリーで知り合った人物に誘われ、そのクレイダーマンのピアノリサイタルを聞きに行くことになります。

　フェリーの上という非日常の空間で出会いがあり、その縁でピアノリサイタルを一緒に聴きに行くようになる。そして、その演奏をするのがクレイダーマン。

　数奇なような、お洒落なような、なんだか「特別…続きを読む