ワールドエンド・レメゲトン

甘さのない選択と試練の連続――⚔️💔

五十鈴りく先生の『ワールドエンド・レメゲトン』は、戦乱の大陸を舞台にしたシリアスで残酷描写もあるダークファンタジーです📖✨

主人公はファールン公国の少年公子・リュディガー。祖国を失い、母に手を引かれて逃げ延びた彼が、悪魔フルーエティと契約を交わすことで物語は始まります👦🩸

――選択の重みと、それでも守りたいものの尊さ🧭💫

魂を揺さぶるダークファンタジーを、ぜひ最後まで見届けてください🛡️🌌

命の灯火が消えかけている少年リュディガー。
そんな少年と契約をした悪魔フルーエティ。
二人の歩みを追う本作。
どうなるのだろうと、目が離せないストーリーです。
数々の試練に遭遇し、選択を強いられるリュディガーと、それを見守るフルーエティ。
優しさ、悲しみ、絶望、それでも大切な人を守りたいと願う心。

どうか最後まで読み進め、結末を見届けてほしい、そんなダークファンタジーです！

確かな筆致で描かれる中編ダークファンタジー。

とある大陸、とある公国の少年公子と悪魔のお話であり、きたる終末への始まりにして終わりの物語。

主人公と契約を結んだ悪魔の両者を軸に、人間と悪魔、それぞれの魅力と恐ろしさ、儚さと救われなさにぐいぐいと引き込まれてしまいます。

全編通してシリアスな内容で、それ故甘いご都合主義などもなし。
個人的にはエティのツンツンした甲斐甲斐しさと、配下の悪魔たちが個性派かつカッコよくて好きでした(*´﹃｀*)

作者の五十鈴様は、色々なジャンルのお話を書かれる方ですが、こちら続編の構想もあるとのことで、良ければこの機会に皆様ぜひお読みくださいませ！

始まりから終わりまで一貫してシリアスなお話になっております。
幸せに暮らしていた幼い公子リュディガーが突然戦に巻き込まれ、逃げた末、悪魔の元へ。

序盤から苦しい展開が続きますが、悲しみだけでなく、確かに喜びもあります。
一人の人間の生き様を自然と書き出していて、よりリアルに世界を感じられます。

悪魔と契約し、成長したリュディガーの行き着く先をぜひ最後まで追って欲しいです。
人間の汚さや、どうにもならない世の中のもどかしさを存分に味わいましょう。

＜序章「カイーナ-Caina-」を読んでのレビューです＞

物語は、大陸マエスティティアで幼い公子リュディガーが母と共に逃避行をする序章から始まる。戦火と追手、馬車の転覆、冷たい雨――外的な危機が細やかに描写される一方で、母子の関係や信頼の糸、ヴィーラント卿との接触といった内的情景も丁寧に描かれる。そこへ、突如現れる「悪魔」という存在が、物語に一気に不穏な色彩を添え、読者の視線はリュディガーの心境へと引き込まれる。

個人的に印象的だったのは、悪魔がリュディガーの手を取ろうとする場面だ。ここでは単なる脅迫ではなく、リュディガーの小さな意思や純粋な覚悟が際立つ描写になっている。悪魔の威圧と皮肉…続きを読む