苦神師駅

主人公が体験する描写がとても生々しくリアル。そのリアルさが狂気とホラーを掻き立て、読後には恐怖の余韻が残る完成度の高い秀逸な作品です。

怪異、伝承、都市伝説に、関わりたいなら山奥の閉鎖された村を探さないとならないのか？
そんなことはない。

これは、世界一の動員を誇るらしい新宿駅から、異界に通じてしまうという物語である。


都会は、思われてる以上に実はアンバランスな場所だ。
例えば、スカイツリーも東京タワーも、モノは目立つが足元には閑散とした下町や工場がぽつりとあるだけだし、
新宿にしたって、神田川の方まで少し歩いただけで、まるで昭和に取り残されたかのような景色が広がっていたりするのだ。


これは完全な余談だが、
新宿、渋谷、池袋といったところは昔は、川やら沼地やらがあり、それを埋め立ててできた場所であるという。

「だ…続きを読む

まるで自分が体験してるみたいな感覚でした。
自分もホラー書いてるので参考にしたです！

なぎゃなぎさんの文の書き方の上手さが出ていてとても心を惹き寄せられました。またできれば新しいホラー作品を書いてほしいです！

冒頭の、静かな日常の描写から始まるこのホラー作品。読み進めていくうちに、読者の視線ををじわじわと迫りくる恐怖で惹きつけ、最期には残酷な結末へと導く………。

実在した場所やエピソードを元に描かれた、創作の中にリアリティすらも顔を覗かせる作者の渾身の短編ホラー！

どんな物語に昇華されるのか楽しみですね。