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この記事のサマリー
・「いい加減」には、「程よい程度」を表すポジティブな意味もあれば、「投げやり」を表すネガティブな意味もあります。
・副詞として使う場合は、「かなり」という意味を持ちます。
・類語には、「適当」「生半可」「ぞんざい」「投げやり」などがあります。
「いい加減にしてよ!」と言われて、カチンときたことはありませんか? けれど、この表現には「無責任」だけでなく「そろそろやめてほしい」といったニュアンスも含まれています。
言い方や場面次第で、意味や印象が大きく変わる「いい加減」。この記事では、その言葉が持つ本来の意味や、使われ方の違いをわかりやすく解説していきます。
いい加減ってどういう意味?
まずは、本来の意味と使われ方を確認していきましょう。
いい意味も悪い意味もある、「いい加減」
「いい加減」には「程よい程度」を表すいい意味もあれば、「投げやり」を表すネガティブな意味もあります。また、「いい加減、嫌になる」というように副詞として使う場合は、「かなり」という意味を持ちますよ。
辞書では次のように説明されています。
いい‐かげん【▽好い加減】
一[形動][文][ナリ]
1 仕事を最後までやり遂げずに途中で投げ出すさま。投げやり。おざなり。無責任。「―なやり方」「―な人」
→出鱈目(でたらめ)[用法]
2 相当な程度に達しているので、ほどほどのところで終わってほしいさま。「―に雨もやんでほしい」「冗談は―でやめてくれ」
二[副]かなり。相当。「―いやになった」「―飽きがきた」
三[連語]程よい程度。手ごろ。適当。「―の湯」「小物をしまうのに―の大きさの箱」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
それぞれの意味について、以下で解説していきましょう。
ネガティブに使われる「いい加減」
「いい加減な人だよね」そんなふうに言われたら、きっと誰だってショックですよね。本来やるべきことをきちんとやらなかったり、適当にごまかしたりする態度を指して、「いい加減なやり方だ」と表現することもあります。
この場合の「いい加減」は、無責任・おざなり・投げやりといった否定的な意味で使われています。
「もうやめて」という気持ちがにじむ使い方
「冗談はいい加減にして」「いい加減にしなさい」など、相手の言動を止めたいときにもよく使われます。
このような使い方では、「無責任」という意味とは少し違って、「そろそろ終わりにしてほしい」という気持ちがにじみます。

「相当」「かなり」の意味での使い方
「いい加減飽きてきた」「いい加減疲れた」そんなふうに、感情の高まりを表すときにもよく使われます。
この場合は、「かなり」「相当」といった意味を持つ副詞として使われています。
ポジティブに使われる「いい加減」
「スープがいい加減でできた」、「いい加減の広さ」というように、「程よい」「手頃」という意味でも使われます。意味が大きく変わるので、前後の文脈をしっかり押さえておきたいですね。
「いい加減な人」って、どんな人?
ネガティブな意味で「いい加減」と言われたとき、それは「その人自身」の印象に直結します。言われた側は戸惑い、心のどこかで引っかかるもの。
ここでは、どんな言動が「いい加減な人」と見なされやすいのか、その共通点を整理してみます。
頼りにされない「振る舞い方」
一度ならず何度も遅刻する。締め切りを守らない。言うことがその日によってコロコロ変わる…。
こうした行動は、周囲から「いい加減な人」と見なされやすい傾向があります。もちろん本人に悪気はないかもしれませんが、「信用できない」「責任感がない」と思われてしまうと、人間関係の中での信頼を少しずつ損なってしまいます。
「いい加減」という言葉には、態度や言動に「軽さ」が含まれていることを、心に留めておきたいところです。
責任感の薄さがにじみ出るとき
「そこまで真剣にやること?」と軽く流したり、「まあ、いっか」と投げやりな言い方をしたり…。
自分では柔軟に対応しているつもりでも、周囲から見ると「無責任」「おざなり」と受け取られてしまう場面があります。
「いい加減」は「投げやり」「無責任」といった意味合いで使われることが多く、相手の期待や信頼に応えようとする姿勢が見えにくいときに、口にされがちです。真面目な空気を茶化すような一言も、ときに「いい加減な人」と見られる引き金になります。
似ている言葉とどう違う?
ここでは、「いい加減」と似た意味を持つ「適当」「生半可」「ぞんざい」「投げやり」を紹介します。いずれも大雑把で中途半端なことを指す言葉です。

「適当」
「いい加減」と同じく、「適当」は「程よい」といった肯定的な意味でも使われます。一方で、「やり方がいい加減である(=やり方が適当だな)」というネガティブな意味も持ちますよ。
「生半可」
「生半可」は、「中途半端であること」や「いい加減であること」を意味します。ポジティブな意味は持ちません。
「ぞんざい」
「ぞんざい」は「乱雑で粗っぽい」「丁寧さに欠ける」という意味を持ち、言葉づかいや態度に表れます。
「投げやり」
「投げやり」は、「どうでもいい」という気持ちから、責任を放棄するような態度に結びつく表現です。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
言われたとき、どう受け止める?
誰かから「いい加減にしてよ!」と言われたとき、感情的に受け止めず、背景にあるニュアンスを感じ取ることが大切です。ここでは、受け止め方の視点を整理します。
「責められている」と感じたら
自分の態度や行動に対して、「いい加減にして」と言われたとき。つい「そんな言い方しなくても…」と反発したくなることもあるかもしれません。
でも、そう言った相手もまた、「もう限界」「そろそろ終わらせたい」といった思いを抱えているのかもしれません。
怒られているように聞こえても、まずは冷静に、相手の気持ちの背景に目を向ける余裕を持てるといいですね。
伝え方ひとつで印象が変わる
反対に、自分が「いい加減にして」と誰かに言いたくなったとき。その言葉をそのまま投げるのではなく、「もうちょっとだけでいいから」や「ここまでにしようか」といった言い回しに変えてみるのもひとつの手です。
言葉そのものが強く聞こえる分、伝える側が少しトーンを和らげるだけで、印象は大きく変わります。
「いい加減」は使い方によって、相手との距離を縮めることも、逆に壁を作ってしまうこともある表現です。だからこそ、自分の感情を伝えるために、どんな言葉を選ぶか… そこに、ちょっとした気配りが効いてくるのかもしれません。

「いい加減」に関するFAQ
ここでは、「いい加減」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1.「いい加減」の意味は本当に悪いこと?
A. 無責任というネガティブな意味だけでなく、「程よい程度」を表すいい意味もあります。
Q2.「いい加減にして!」と言われたらどう受け止める?
A. 相手の限界や本音が表れている場合もあります。冷静に背景をくみ取ることが大切です。
Q3. NGな使い方は?
A. 感情的に「いい加減にして!」と言うと、相手を責め立てる印象になりかねません。
最後に
「いい加減」という言葉には、無責任な印象だけでなく、「そろそろ」や「かなり」といった意味も含まれています。
どんな意図で使われているのか、どう伝わるのか…。場面や相手との関係性を踏まえて使い分けることができれば、言葉選びはもっと丁寧で、あたたかいものになっていくのではないでしょうか。
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