目次Contents
この記事のサマリー
・「玉石混淆」は、優劣が混在する様子を表す四字熟語です。
・読み方は「ぎょくせきこんこう」です。
・「玉石混合」は誤用なので使わないようにしましょう。
情報があふれる今、「何が本当に価値あるものなのか?」と迷う場面は少なくありません。そんな状況を端的に言い表すのが「玉石混淆」という言葉です。
意味を知っているつもりでも、由来や本来のニュアンスまで説明できる人は意外と少ないかもしれませんね。「玉石混淆」が指す世界を、少し立ち止まってひもといていきましょう。
「玉石混淆」とは?
まずは、「玉石混淆」の読み方と意味から確認していきましょう。
読み方と意味
「玉石混淆」は、「ぎょくせきこんこう」と読みます。「価値のあるものとないものとが、入り混じっていること」を意味する四字熟語です。「玉石混交」とも書きますよ。
辞書では次のように説明されていますよ。
ぎょくせき‐こんこう〔‐コンカウ〕【玉石混×淆】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名](スル)《「抱朴子」外篇・尚博から》価値のあるものとないものとが、入りまじっていること。
[補説]「玉石混合」とするのは誤り。
評価の分かれる作品や情報が並ぶ場面などで使われることが多く、優れたものとそうでないものが一緒に存在している状況を的確に表すことができます。
由来は『抱朴子』にあり
「玉石混淆」という表現は、中国の思想書『抱朴子(ほうぼくし)』外篇・尚博に由来します。『抱朴子』には、「真偽顛倒、玉石混淆」という一文が見られますよ。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「玉石混淆」の使い方を例文で確認!
ここでは、「玉石混淆」の具体的な例文を通して、使いどころを確認していきましょう。
情報というのは、玉石混淆であることを踏まえて取捨選択する必要がある。
SNSやネットが身近になり、あらゆる情報にすぐアクセスできるようになりました。誰もが発信できる時代だからこそ、内容の信頼性には差があるもの。
この例文では、「正しい情報もあれば、誤った情報もある」という状態を「玉石混淆」と表現しています。
情報が無形である分、知らずに信じてしまうと判断を誤ることもあります。だからこそ、見極める意識が求められる… そんな注意喚起の意味も込めて使われています。
ヴィンテージ家具が大好きなのでよくショップに行くが、家具の状態は玉石混淆なので、細かくチェックする方がいいとアドバイスされた。
状態や価値にばらつきがある場面でも、「玉石混淆」は使えます。特に中古品や一点ものを扱うジャンルでは、良品とそうでないものが入り混じるのは当たり前のこと。
この例文では、外見だけではわからない品質差に注意を向ける言葉として「玉石混淆」が登場しています。
「玉石混淆」を使う場合に注意したいこと
言葉の意味を正しく理解していても、書き間違いや使い方ひとつで誤解を招いてしまうことがあるかもしれません。特に、次の2点には意識を向けておきたいところです。
誤表記に注意
「玉石混淆」と間違えやすいのが、「玉石混合」という表記です。発音が似ているため、混同されることもあるようですが、「玉石混合」は誤った使い方です。
誤表記や勘違いの多い表現ですので、注意しましょう。
人に対して使う場合は慎重に
「玉石混淆」は、物や情報のように評価対象が曖昧なものに使うことが多い言葉です。一方で、人に向けて使うと、不快な印象を与えてしまうおそれがあります。
例えば「今年の新人は玉石混淆だね」と言った場合、「優秀な人もいれば、そうでない人もいる」と伝わるでしょう。聞き手によっては、「自分もそうやって評価されているのか?」と疑問に思ったり、傷つけてしまったりするかもしれません。
「多様なタイプがいる」などといった表現の方が伝わりやすく、角も立たないでしょう。

「玉石」や「石」が入った関連する言葉をチェック
ここでは、「玉石」や「石」が入った四字熟語を見ていきましょう。意味や使い方を把握しておけば、ボキャブラリーの幅が広がりますよ。
玉石同匱(ぎょくせきどうき)
「玉石同匱」は、「玉(価値あるもの)」と「石(そうでないもの)」が同じ匱(ひつ)に入っている状態を表します。
賢と愚、善と悪などが一所に混在していることのたとえです。
《例文》
蚤の市は玉石同匱だから、一品一品よく見極めなければならない。
魚目燕石(ぎょもくえんせき)
「魚目燕石」は、本物に似せた偽物を意味する四字熟語です。
『デジタル大辞泉』(小学館)では、「魚の目」と「燕山から出る石」はどちらも玉に似ていることから、よく似ているが本物とは違うもの、にせものを指す語だと示しています。
「玉石混淆」が「良し悪しが入り混じる状態」を指すのに対して、こちらは「似ているが中身が異なる」ことに焦点を当てています。
《例文》
海外旅行のお土産だと渡された宝石は、すべて魚目燕石。そっくりの偽物だったことが判明し、心底がっかりした。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)、『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)

「玉石混淆」に関するFAQ
ここでは、「玉石混淆」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「玉石混淆」の正しい意味は?
A. 優れたものとそうでないものが、入り混じっている状態を表します。
Q2. 読み方は「ぎょくせきこんごう」で合っていますか?
A. いいえ、「ぎょくせきこんこう」と読みます。
Q3. 「玉石混合」という表記は使えますか?
A. 「玉石混合」は誤用です。正しくは「玉石混淆」です。
最後に
「玉石混淆」は、価値あるものとそうでないものが入り交じる様子を表した言葉です。すべてを見極めようと力を入れすぎなくても、時間をかけて触れていくうちに、自然と心に残るものが見えてくることもあります。
混ざり合っているからこそ、自分にとっての「玉」が際立つこともあるのかもしれませんね。
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