「部屋から出てこない子」と「親」の特徴
お籠もり期は、子どもが自分の部屋から出てこなくなる時期(6カ月~12カ月 ※長期だと3年)です。家族との接触を絶ち、部屋に籠ります。諦め期のときは学校へ行くことを諦めたことで解放感が生まれましたが、学校に行っていない状況を悶々と考えるようになります。精神的に追い詰められていくと周囲(家族以外の他人)の視線が異常に気になるのが特徴で、当たり前にできていた生活習慣(歯磨き、入浴など)ができなくなります。
●お籠もり期の子どもの特徴
・他人の目が怖くなり、外出できなくなる
・歯磨き、入浴、散髪をしなくなる
・昼夜逆転が本格化する
・心のエネルギーを充電し始める
●お籠もり期の子どもの気持ち
・人生や将来への絶望感で苦しんでいる
・友人がいない場合は、孤独感でいっぱいになる
・自分を見つめ直している
●お籠もり期の親の気持ち
・同級生の子どもと比べて、落ち込む
・甘やかしているという周りの声が気になる
・誰かに子どもの様子を聞かれるのが嫌で、人を避けるようになる
・不安が大きくなり、つらさで心が押しつぶされそうになる
対応次第で「引きこもり」になってしまう
お籠もり期は、心と身体のエネルギーが充電され始める時期です。ただ、家や自分の部屋に引きこもったり、入浴や歯磨きをしなくなったりなど、親は表面上の行動にショックを受けやすいでしょう。
引きこもり(※社会的参加を避けて、6カ月以上にわたって家庭に留まり続けている状態)へと進んでしまわないように、親は家庭の環境をしっかりと整えつつ、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。この時期の過ごし方で数年も続く引きこもりへの道へ進むのか、外の世界へ出る道を進むのかが決まると言ってもいいでしょう。
お籠もり期に大切な、子どもの気持ちに寄り添う方法を解説します。人は誰しも大切にしている世界(=もの)があります。皆さんの場合は、子どものことをとても大切に考えている方が多いでしょう。それでは皆さんが高校生の頃はどうだったでしょうか。
友人や部活動、大好きなアイドルなどを挙げる人が多いかもしれませんね。私はというと、高校時代はフォークサークルというクラブに所属し、フォークギターの弾き語りに熱中していました。恋愛をして新婚時代は夫が一番大切でしたが、子どもを授かるようになると、やはり子どもの比重がとても大きくなりました。
このように人はそれぞれ大切にしている世界を持っています。これを心理学の専門的な用語では「上質世界」と呼びます。

