わが子の受験を成功に導くために、親にできることはあるのか。大学受験塾代表の菅澤孝平さんは「高校生の親世代が経験してきた受験と、現在の受験は、まったくの別ものだ。親と子どもがタッグを組まずして成功は勝ち取れない」という――。

※本稿は、菅澤孝平『親の過干渉こそ最強の大学受験対策である。』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

公園を歩く母娘
写真=iStock.com/itakayuki
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「親世代の受験」と「今の受験」はまったく違う

最初にはっきり申し上げます。

本書をお読みの親世代(主に40~50代)が経験してきた受験と、現在の受験は、まったくの別ものです。大切なので繰り返します。「まったくの別もの」です。

どういうことか?

以前は、大学受験というのは生徒一人で考え、自ら進めていくものという認識が一般的にあったと思います。

しかし、昨今の大学受験は状況が変わり、生徒一人では乗り越えられるものではなくなりました。子どもを塾に行かせたり参考書を買うお金を渡したりといった「経済的サポートだけすればいい」というのは、すでに過去の話。もはや、保護者はただ経済的なサポートをすればいい時代は終わったのです。

これまで私たちは1200人の高校生を指導し、さまざまな生徒を見てきました。その中で確信を得るようになった、昨今の受験で成功している生徒の共通点があります。

それは「親が適切なタイミングで適切なサポートとアプローチをしていること」。

これに尽きます。

逆に言うと、受験生は受験生として、親は親としての領分を理解し、それぞれが本気で向き合わなければ大学受験は失敗するということです。

今、大学受験を控える子どもに必要なのは「過干渉」です。

といっても、勘違いしないでください。

「勉強、ちゃんとしてる?」「そろそろ塾に通ったら?」はただの「干渉」でしかありません。むしろ今のご時世、単に干渉してもデメリットしか招きません。

では、ここでいう「過干渉」とは何なのか。詳しく説明していきましょう。