※本稿は、菅澤孝平『親の過干渉こそ最強の大学受験対策である。』(日刊現代)の一部を再編集したものです。
親世代とは大きく変わった「大学のレベル感」
数十年前は、高学歴といえば国公立は旧帝国大学、つまり東京大学・京都大学・名古屋大学・東北大学・北海道大学・大阪大学・九州大学、私立は早慶、つまり早稲田大学と慶應義塾大学と決まっていました。
しかし、現在のレベル感は当時から変わっているところがあります。
大きく変わっているのは私立大学です。
といっても、早稲田大学なら政治経済学部、中央大学は法学部と、大学の中での花形となる学部は変わりありません。
各大学内の学部の優劣が変わらないのは、社会的に意義ある賞を受賞した人、大きく活躍している人、そういった知名度のある人の出身大学および学部が変わらないためです。
歴史は揺らがないわけです。また、特に目立って新しい花形となるような学部もここ数十年では出現していません。
では何が変わったのかというと、学校の序列です。
例えば親世代が現役のころだと、早慶の次は「MARCH」でした。早慶の滑り止めとして、明治大学=M・青山学院大学=A・立教大学=R・中央大学=C・法政大学=Hを受けた人もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、今ではMARCHという言葉は使われていません。これはすでに認知が広がりつつありますが、代わりに登場したのが「GMARCH」という言葉。学習院大学=Gが加わり、新たに6大学が横並びで見られるようになったのです。
早慶の次は、「GMARCH」→「SMART」へ
「早慶上智」という言葉もありましたが、今、上智大学はどちらかというとGMARCH寄り。上智大学は英語の入試形態が独特で受けにくく、外れていったのです。
そして、昨今評価が上がっているのが東京理科大学。偏差値は、20年前が最高55~57程度だったのに対して、2024年現在は最高62.5~64程度まで上がっています。
ここまで人気が高まった主たる要因は、化学・物理・生物学の分野で顕著な研究成果を上げてきた昨今の実績ゆえ。日経BPコンサルティングが発表した「大学ブランド・イメージ調査2020-2021」では14位にランクインし、大手企業への就職率は早慶に並ぶ勢いです。
また、GMARCHにも次のようにレベルに差が出ています。
○難易度上位グループ
明治大学、青山学院大学、立教大学
○難易度下位グループ
中央大学、法政大学、学習院大学
こうした背景から、昨今は「SMART(上智大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・東京理科大学)」という言葉も生まれました。
新しい言葉が全てというわけではありませんが、少なくとも当時の感覚で大学を判断するのは間違いであるのは事実。もし子どもと私立大学について話しているときに齟齬が生じたら、今現在の偏差値を確認するようにしてください。

