2023年12月、当時30歳で東京証券取引所グロース市場へ上場し、「アパレル業界で史上最年少上場」と話題になったのが、yutoriの片石貴展社長だ。どのようにして起業し、会社を大きくしていったのか。著書『若者帝国 好きな人たちと、好きなことに熱狂して働く』(KADOKAWA)より、一部を紹介する――。
26歳で「売上高40億円+上場」を目標に
毎年、年始や年度の節目ごとに、僕は次に向かう場所についてポエムのようなものを書き連ねている。例えば、2020年1月にはこんなことを書いた。
貧乏をやめにしよう。
若く貧しくあることは革命家の必要条件だろうか?
力が欲しい。
僕はもっと遠くへ行ける。
2020年は、株式会社ZOZOがyutoriの株式の51%を取得し、資本業務提携をして節目となった年だ。ただ、その発表は7月で、先の言葉を書いた年初にその予定はまったくなかった。それが7月には株式を売却し、書いた通りにその年にたくさんのお金が入ってきたわけである。
そして、ZOZOグループに参画した直後に、僕はまた次の目的地を書いた。
2023年3月31日までに、売上高40億円、営業利益8億円を達成して上場する。
「叶うのが当然」と振る舞うと、現実になる
実際の上場は2023年12月にずれ込んだが、その期は売上高が約40億円となり、これもほぼ書いた通りになった。
このように、自分が信じた物語を、信じるということすら必要がないぐらい当然のこととして行動すると、不思議とその通りの未来がやって来る。夢や目標をただ叶えたいと思うのではなく、叶うことを確定事実として振る舞っていると、それがやがてやって来るという感じなのだ。
これはこのときになって始まったことではない。Suchmosの「信じることが真実だ」という言葉と、『ザ・シークレット』に出会ってから、より意識的になった僕は、明治大学のアカペラサークル「スナッチ!」の卒業ライブを終えた2016年3月31日にも、こうツイートしている。
3年以内に起業します。
