吉沢亮演じる錦織友一のモデルとは
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」では、松江中学校の英語教師として松江にやってきたレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)の片腕として、英語教師の錦織友一(吉沢亮)がキーパーソンのひとりになる。
この錦織、第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」(10月20日~24日放送)から登場している。婿に迎えた銀二郎(寛一郎)が、松野家がかかえる借金と、祖父の勘右衛門(小日向文世)の厳格さに耐えきれずに出奔してしまうと、トキ(髙石あかり)は銀二郎がいるという東京の本郷まで、彼を連れ戻しにはるばる出かけた。
すると、銀二郎が居候している下宿に、松江の出身だという錦織がいた。帝国大学の門前に倒れていた銀二郎を助け、居候させているのだという。トキが東京に着いた翌日、銀二郎は中学校の教師の資格を得るための検定試験を受けに行った。錦織は松江で有名な秀才だったが、家が貧しく体も弱くて中学を中退せざるをえず、一時は松江で、無資格で教師をしていたのだという。
一方、銀二郎は松野という「家」に戻ることはかたくなに拒み、トキは彼を松江に連れ帰ることができなかった。
だが、それから約3年を経て、トキは錦織と再会する。
自由奔放なレフカダ・ヘブン
第5週「ワタシ、ヘブン。マツエ、モ、ヘブン。」(10月27日~31日放送)は、第4週の明治20年(1887)から約3年が経過している。8月30日、島根県知事の江藤安宗(佐野史郎)が松江中学校の英語教師に招聘したというレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)は、船から松江の地に降り立った。
「異人がくる」というので、多くの人が物見遊山で出迎えに訪れ、そのなかにトキや友人のサワ(円井わん)らもいた。まだヘブンが到着する前、トキが確認したのが、通訳を務める錦織の姿だった。
しかし、ヘブンは好奇心旺盛で、初対面の錦織は制御できない。対岸の天国遊廓から聴こえてくる音に夢中になり、錦織になんの音か尋ね、三味線の音と知ると、「オー、シャミセン!」といって遊廓のほうに走っていってしまった。歓迎式典があるので、錦織はなんとか連れ戻したいが、ヘブンは路地の奥までどんどん進んだ挙句、松江大橋に近い花田旅館を気に入り、そこに滞在すると勝手に決めてしまった。
錦織は江藤知事からも、ヘブンを松江に留め、英語教育に従事させるように再三指示されているが、ヘブンはその後も不可解な行動をとる。錦織は戸惑うが、どうやらヘブンは、慣れない松江に戸惑っていたようだ。次第に2人のあいだには信頼関係が醸成されていく。
