JP2018159386A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて耐圧性が高く、高温時及び低温時の何れにおいても高圧下でリークが発生することがなく、また、シールリングがハウジング又は軸体に押しつけられることによるクリープが発生することがなく、さらに、シールリングが位置ずれ(偏心)しても高圧下でリーク(漏れ)が発生することがない密封装置を提供すること。【解決手段】内周面1aに外側環状溝1bが設けられたハウジング1と、ハウジング1内に回転可能に配置され、外側環状溝1bに対向する内側環状溝2bが外周面2aに設けられた軸体2と、樹脂材料により円環状に形成され、前記内側環状溝2bが形成する空間から外側環状溝1bが形成する空間に渡って配置され、外側環状溝1bの側壁部1c及び該内側環状溝2bの側壁部2cに押圧されてシールするシールリング3と、を備えることを特徴とする密封装置。【選択図】図1
Description
本発明は、極めて高圧の流体に対して軸周を密封する密封装置に関し、より詳しくは、極めて耐圧性が高く、高温時及び低温時の何れにおいても高圧下でリークが発生することがなく、また、シールリングがハウジング又は軸体に押しつけられることによるクリープが発生することがなく、さらに、シールリングが位置ずれ(偏心)しても高圧下でリーク(漏れ)が発生することがない密封装置に関する。
自動車の変速機であるAT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)に使用される回転用の密封装置は、図10に示すように、ハウジング101と、このハウジング101内に回転可能に配置された軸体102との間をシールする。
軸体102の外周面には、環状溝103が設けられている。環状溝103内には、樹脂材料により円環状に形成されたシールリング104が配置されている。シールリング104は、油圧Pによって、その側面部104aが環状溝103の側壁部103aに押接され、外周面104bがハウジング101の内周面101aに押接されて、ハウジング101と軸体102との間をシールする(特許文献1、2)。
近年、このような密封装置においては、低燃費化や新たな方式の変速機の開発の要請のため、オイルポンプの高耐圧化及び小型化を可能とするべく、極めて高いシール性が求められている。
現状において一般的な低リークのシールリングとしては、特殊ステップカットがある。
現状において一般的な低リークのシールリングとしては、特殊ステップカットがある。
しかし、特殊ステップカットは、カット部や外周面の微小隙間から僅かなリークが生ずる虞があり、極めて高いシール性の実現は困難である。現状の変速機等においては十分なシール性ではあるが、さらなる高耐圧化を実現し、さらなる低燃費化や新たな方式の変速機の開発の要請に応えるには十分でない。
リーク経路を低減させるという点においては、カット部を有さないエンドレス仕様のシールリングが優れている。しかしながら、エンドレス仕様のシールリングには、下記の課題がある。
シールリング104をなす樹脂材料(PEEK、PTFE、PPS等)は、ハウジング101をなす金属材料よりも線膨張係数が大きいため、高温環境では、シールリング104が膨張し、その外周面104bがハウジング101の内周面101aに押しつけられ、クリープ(変形)が発生してリークが増大するおそれがある。
そして、低温環境では、シールリング104は初期の周長よりも短くなり、図11に示すように、その外周面104bとハウジング101の内周面101aとの間に隙間ができ易くなり、この隙間からのリークが増大するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、極めて耐圧性が高く、高温時及び低温時の何れにおいても高圧下でリークが発生することがなく、また、シールリングがハウジング又は軸体に押しつけられることによるクリープが発生することがなく、さらに、シールリングが位置ずれ(偏心)しても高圧下でリーク(漏れ)が発生することがない密封装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
内周面に外側環状溝が設けられたハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置され、前記外側環状溝に対向する内側環状溝が外周面に設けられた軸体と、
樹脂材料により円環状に形成され、前記内側環状溝が形成する空間から前記外側環状溝が形成する空間に渡って配置され、該外側環状溝の側壁部及び該内側環状溝の側壁部に押圧されてシールするシールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。
(請求項2)
前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
(請求項3)
前記シールリングは、
使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、及び使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったときの何れにおいても、
前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
(請求項4)
前記シールリングは、使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、外周面の周長が、前記外側環状溝の底面部の周長以下であり、使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったとき、内周面の周長が、前記内側環状溝の底面部の周長以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の密封装置。
内周面に外側環状溝が設けられたハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置され、前記外側環状溝に対向する内側環状溝が外周面に設けられた軸体と、
樹脂材料により円環状に形成され、前記内側環状溝が形成する空間から前記外側環状溝が形成する空間に渡って配置され、該外側環状溝の側壁部及び該内側環状溝の側壁部に押圧されてシールするシールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。
(請求項2)
前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
(請求項3)
前記シールリングは、
使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、及び使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったときの何れにおいても、
前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
(請求項4)
前記シールリングは、使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、外周面の周長が、前記外側環状溝の底面部の周長以下であり、使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったとき、内周面の周長が、前記内側環状溝の底面部の周長以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の密封装置。
本発明によれば、極めて耐圧性が高く、高温時及び低温時の何れにおいても高圧下でリークが発生することがなく、また、シールリングがハウジング又は軸体に押しつけられることによるクリープが発生することがなく、さらに、シールリングが位置ずれ(偏心)しても高圧下でリーク(漏れ)が発生することがない密封装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態における密封装置を示す断面図である。
この密封装置は、図1に示すように、ハウジング1と、このハウジング1内に回転可能に配置された軸体2との間の密封対象となる流体をシールする密封装置である。ここで、密封対象となる流体は、ATやCVTなどに使用される回転用の密封装置に使用される潤滑油などの油である。
この密封装置は、図1に示すように、ハウジング1と、このハウジング1内に回転可能に配置された軸体2との間の密封対象となる流体をシールする密封装置である。ここで、密封対象となる流体は、ATやCVTなどに使用される回転用の密封装置に使用される潤滑油などの油である。
ハウジング1は、金属材料により形成し、軸体2を挿通する挿通孔の内周面1aに、外側環状溝1bを設ける。外側環状溝1bは、内周面1aの全周に亘って設ける。
軸体2は、金属材料により形成し、ハウジング1の挿通孔内に、図1中矢印Rで示すように、回転可能に配置する。軸体2の外周面2aには、外側環状溝1bに対向させて、内側環状溝2bを設ける。内側環状溝2bは、外周面2aの全周に亘って設ける。
外側環状溝1b及び内側環状溝2bは、ほぼ同一の幅に形成する。また、外側環状溝1b及び内側環状溝2bは、シール対象となる流体が流入する側(図1中矢印P)の反対側の側壁部1c,2cが、同一平面上となるように形成する。
外側環状溝1b及び内側環状溝2bが形成する円環状の空間内には、シールリング3を配置する。
シールリング3は、樹脂材料により、横断面が矩形の円環状に形成されている。シールリング3は、樹脂材料を切削加工等によって円環状に形成できる。このシールリング3は、カット部を有さないエンドレス仕様のシールリングである。
したがって、このシールリング3は、横断面を小さくして小型化することが可能であり、密封装置全体の小型化も可能である。
したがって、このシールリング3は、横断面を小さくして小型化することが可能であり、密封装置全体の小型化も可能である。
シールリング3は、初期状態において、内周面3cの内径を軸体2の外周面2aの外径よりも小径に形成しており、外周面3bの外径を軸体2の外周面2aの外径よりも大径に形成してある。
したがって、このシールリング3を内側環状溝2b内に配置した状態では、シールリング3の外周面3bが軸体2の外周面2aよりも外方側に突出し、シールリング3の内周面3cが内側環状溝2b内に位置する。その結果、シールリング3は内側環状溝2bが形成する空間から外側環状溝1bが形成する空間に渡って配置される。このためシールリング3は、内側環状溝2bから抜け落ちることはない。
したがって、このシールリング3を内側環状溝2b内に配置した状態では、シールリング3の外周面3bが軸体2の外周面2aよりも外方側に突出し、シールリング3の内周面3cが内側環状溝2b内に位置する。その結果、シールリング3は内側環状溝2bが形成する空間から外側環状溝1bが形成する空間に渡って配置される。このためシールリング3は、内側環状溝2bから抜け落ちることはない。
シールリング3は、軸体2の軸方向については、外側環状溝1b及び内側環状溝2bの両側壁部との間の距離Z(シールリング3の幅と外側環状溝1b及び内側環状溝2bの幅との差)分しか移動することがない。
したがって、シールリング3の側面部と外側環状溝1b及び内側環状溝2bの両側壁部との間の距離Zを短くすることにより、軸体2の軸方向についてシールリング3を位置決めすることができる。
したがって、シールリング3の側面部と外側環状溝1b及び内側環状溝2bの両側壁部との間の距離Zを短くすることにより、軸体2の軸方向についてシールリング3を位置決めすることができる。
シールリング3は、例えば、耐熱性及び摺動性に優れたフッ素樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成することが好ましい。
また、シールリング3は、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)も好ましく用いることができる。
PTFE、PEEK及びPPSは、ともに高PV化された材料であって、このシールリング3において、良好なシール性を確保することができる。特に、PEEKは、中でも高PV化された材料であるため、高PV値の摺動条件下でも良好に使用できる。
これらの材料によりシールリング3を形成することにより、ATやCVTのような高温環境下でも、十分な耐熱性及び摺動性が確保され、シール性を確保することができる。
このシールリング3を軸体2に装着するには、軸体2がハウジング1の外にある状態で、軸体2の内側環状溝2b内に装着する。このとき、シールリング3の周長を伸ばして、その内周面3cの内径を軸体2の外周面2aの外径よりも大きくして、軸体2を挿入する。
次いで、このシールリング3を内側環状溝2bの位置までずらすことにより、シールリング3を内側環状溝2b内に装着することができる。
軸体2の内側環状溝2b内にシールリング3を配置した状態では、軸体2の外周面2aからのシールリング3の出っ張り量が、軸体2の外周面2aとハウジング1の内周面1aとの間隔よりも大きいため、軸体2をハウジング1内に挿入することができない。
そこで、ハウジング1又は軸体2の何れかを、外側環状溝1b又は内側環状溝2bの側壁部に沿った分割面S1、S2で分割された2部材から構成することができる。中でもハウジング1を、外側環状溝1bの側壁部に沿った分割面S1で分割された2部材から構成することが好ましい。
ハウジング1を2部材から構成した場合には、ハウジング1を構成する2部材を組み付けることにより、外側環状溝1bを形成することができる。この場合には、軸体2の内側環状溝2b内にシールリング3を配置した状態で、ハウジング1を構成する2部材を突き合わせて組み付けることにより、外側環状溝1b及び内側環状溝2bが形成する空間内にシールリング3を配置することができる。
なお、ハウジング1を2部材により構成し、これらを突き合わせて組み付ける場合には、これら2部材の間には、本件出願人が製造する図示しないメタルガスケットを介在させることが好ましい。このメタルガスケットにより、ハウジング1を構成する2部材の間からの流体のリークを防止することができる。
図2は、図1に示す密封装置の要部構成を示す拡大断面図である。
この密封装置においては、図2に示すように、シールリング3の側面部3aを、油圧P(図2中矢印P)によって、圧力Pが加わる側の反対側の側壁部1c,2cに押接させて、ハウジング1と軸体2との間をシールさせる。
シールリング3の側面部3aを押接させる外側環状溝1bの側壁部1cと側面部3aとの接触面(図2中矢印A1)を、シール面とする。また、シールリング3の側面部3aを押接させる内側環状溝2bの側壁部2cと側面部3aとの接触面(図2中矢印B1)を、シール面とする。
すなわち、シールリング3は、一平面上にある側面部3aをシール面とする。
この密封装置においては、シールリング3がカット部を有さないエンドレス仕様のシールリングであり、また、一平面上にある側面部3aをシール面としていることから、油圧Pが全て側面部3aに集中する。
このため、2つの面で油圧Pを分配してシールしている従来の密封装置とは異なり、極めて高いシール性が実現され、極めて耐圧性が高く、リークが生ずることはない。
したがって、この密封装置は、さらなる低燃費化や新たな方式の変速機の開発の要請に十分に応えることができる。
ハウジング1側のシール面である側壁部1cと底面部1dとの角部には、全周に亘って逃げ溝4を設けている。軸体2側のシール面である側壁部2cと底面部2dとの角部にも、全周に亘って逃げ溝5を設けている。
これら逃げ溝4、5を設けると、外側環状溝1b及び内側環状溝2bにおける側壁部1c、2cと底面部1d、2dとの角部と、シールリング3の角部とが、加工精度の差によって干渉することを避けることができる。
本形態では、これら逃げ溝4、5に代えて、シールリング3の角部を面取りしてもよい。
本形態では、これら逃げ溝4、5に代えて、シールリング3の角部を面取りしてもよい。
シールリング3の寸法は、本実施の形態では、この密封装置の使用温度範囲(例えば、−30°C〜+120°C)の中心温度において、シールリング3を軸体2に対して偏心のない状態にしたときに、ハウジング1側のシール面の幅A1と、軸体2側のシール面の幅B1とが、ほぼ等しくなるようにしている(A1≒B1)。
このとき、シールリング3の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとの半径の差C1と、シールリング3の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとの半径の差D1とが、ほぼ等しくなるようにしている(C1≒D1)。
つまり、シールリング3を軸体2に対して偏心のない状態にしたとき、シールリング3は、外側環状溝1b及び内側環状溝2bが形成する円環状の空間のほぼ中心線上に位置する。
つまり、シールリング3を軸体2に対して偏心のない状態にしたとき、シールリング3は、外側環状溝1b及び内側環状溝2bが形成する円環状の空間のほぼ中心線上に位置する。
そして、ハウジング1側のシール面の幅A1を、シールリング3の内周面3cと底面部2dとの半径差C1よりも、大きくしている(A1>C1)。
また、軸体2側のシール面の幅B1を、シールリング3の外周面3bと底面部1dとの半径差D1よりも、大きくしている(B1>D1)。
したがって、シールリング3が円環状の空間内で位置ずれ(偏心)しても、ハウジング1側のシール面及び軸体2側のシール面が確保され、リークが生じない。
また、軸体2側のシール面の幅B1を、シールリング3の外周面3bと底面部1dとの半径差D1よりも、大きくしている(B1>D1)。
したがって、シールリング3が円環状の空間内で位置ずれ(偏心)しても、ハウジング1側のシール面及び軸体2側のシール面が確保され、リークが生じない。
図3は、図1に示す密封装置においてシールリングが偏心した状態を示す断面図である。
この密封装置において、図3に示すように、シールリング3が円環状の空間内で、外来の振動や衝撃により位置ずれ(偏心)した場合には、この偏心量の最大値は、外側にはシールリング3の外周面3bと底面部1dとが接触するまでの距離(D1)であり、内側にはシールリング3の内周面3cと底面部2dとが接触するまでの距離(C1)である。
そして、前述したように、ハウジング1側のシール面の幅A1は、シールリング3の内周面3cと底面部2dとの半径差C1よりも大きく(A1>C1)、また、軸体2側のシール面の幅B1は、シールリング3の外周面3bと底面部1dとの半径差D1よりも大きい(B1>D1)ので、この密封装置は、シールリング3が位置ずれ(偏心)しても高圧下でリーク(漏れ)が発生することがない。
図4は、図1に示す密封装置の高温時の状態を示す拡大断面図である。
この密封装置において、使用温度範囲の最高温度においては、図4に示すように、シールリング3は、熱膨張により周長が最長になり、外周面3b及び内周面3cの周長も最長になる。
このとき、シールリング3の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとが接触(又は離間)した状態(最大でも押圧することなく接触する程度の状態)となるようにしている。つまり、このときの外周面3bの周長を、外側環状溝1bの底面部1dの周長以下としている。
このとき、シールリング3の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとが接触(又は離間)した状態(最大でも押圧することなく接触する程度の状態)となるようにしている。つまり、このときの外周面3bの周長を、外側環状溝1bの底面部1dの周長以下としている。
シールリング3の半径の増大限度を、温度上昇する前の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとの半径の差D1に等しくしている。このとき、シールリング3の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとの半径の差C2が大きくなり(C2=C1+D1)、シールリング3の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとの半径の差が0となる(D1−D1=0)。
このとき、シールリング3の側面部3aは、油圧Pによって、ハウジング1側のシール面(外側環状溝1bの側壁部1c)及び軸体2側のシール面(内側環状溝2bの側壁部2c)に押接される。
つまり、シールリング3が熱膨張しても、ハウジング1側のシール面の幅A2が大きくなり(A2=A1+D1)、軸体2側のシール面の幅B2が小さくなる(B2=B1−D1>0)ものの、ハウジング1側及び軸体2側のシール面が確保され、リークが生じない。
つまり、シールリング3が熱膨張しても、ハウジング1側のシール面の幅A2が大きくなり(A2=A1+D1)、軸体2側のシール面の幅B2が小さくなる(B2=B1−D1>0)ものの、ハウジング1側及び軸体2側のシール面が確保され、リークが生じない。
また、このとき、シールリング3の外周面3bは、外側環状溝1bの底面部1dに圧接されることはないので、シールリング3にクリープが生ずることはない。
なお、シールリング3は、周長のみならず厚さも熱膨張及び熱収縮するのであるが、厚さの膨張及び収縮は、周長の膨張及び収縮に比較すると極めて少ないので、ここでは考慮しない。
図5は、図1に示す密封装置の低温時の状態を示す拡大断面図である。
この密封装置において、使用温度範囲の最低温度においては、図5に示すように、シールリング3は、熱収縮により周長が最短になり、外周面3b及び内周面3cの周長も最短になる。
このとき、シールリング3の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとが接触(又は離間)した状態(最大でも押圧することなく接触する程度の状態)となるようにしている。つまり、このときの内周面3cの周長を、内側環状溝2bの底面部2dの周長以上としている。
このとき、シールリング3の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとが接触(又は離間)した状態(最大でも押圧することなく接触する程度の状態)となるようにしている。つまり、このときの内周面3cの周長を、内側環状溝2bの底面部2dの周長以上としている。
シールリング3の半径の縮小限度は、温度降下する前の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとの半径の差C1に等しくしている。このとき、シールリング3の外周面3bと外側環状溝1bの底面部1dとの半径の差D3が大きくなり(D3=D1+C1)、シールリング3の内周面3cと内側環状溝2bの底面部2dとの半径の差が0となる(C1−C1=0)。
このとき、シールリング3の側面部3aは、油圧Pによって、ハウジング1側のシール面(外側環状溝1bの側壁部1c)及び軸体2側のシール面(内側環状溝2bの側壁部2c)に押接される。つまり、シールリング3が熱収縮しても、軸体2側のシール面の幅B3が大きくなり(B3=B1+C1)、ハウジング1側のシール面の幅A3が小さくなる(A3=A1−C1>0)ものの、ハウジング1側及び軸体2側のシール面が確保され、リークが生じない。
また、このとき、シールリング3の内周面3cは、内側環状溝2bの底面部2dに圧接されることはないので、シールリング3にクリープが生ずることはない。
上述したように、本発明は、極めて耐圧性が高く、高温時及び低温時の何れにおいても高圧下でリークが発生することがなく、また、シールリングがハウジング又は軸体に押しつけられることによるクリープが発生することがない密封装置を提供することができる。
図6は、本発明の密封装置の他の態様を示す正面図であり、図7は、本発明の密封装置の他の態様を装着した状態の密封装置を示す断面図である。
本発明の密封装置は、上述した形態に限定されず、例えば、図6及び図7に示すように、シールリング3の外周面3bに、偏心補正リブ31を設けてもよい。
偏心補正リブ31は、図6に示すように、シールリング3の外周面3b近傍の一部が外周側に切り起こされた状態に形成されている。この切り起こしにより形成された切り起こし片である偏心補正リブ31は、一端部がシールリング3に連続しており、他の部分がシールリング3の外周側に突出している、
偏心補正リブ31は、シールリング3と同一の材料から形成されているので、変形された場合には、弾性的に復元する。偏心補正リブ31は、シールリング3の外周側の少なくとも3箇所に等角度間隔(120°間隔)で設けることが望ましい。偏心補正リブ31は、自然状態において外側環状溝1bの底面部1dに当接していることが好ましい。
偏心補正リブ31は、図7に示すように、軸体2の軸方向(シールリング3の幅方向)については、シールリング3の全幅に亘るのではなく、シールリング3のシール面から遠い側の一部の幅に形成することが好ましい。これは、偏心補正リブ31の切り起こしにより、シールリング3のシール面の面積を狭くしないためである。
偏心補正リブ31が設けられていることにより、図3に示すような、シールリングが偏心した状態を、図1に示すような、偏心のない状態に戻すことができる。つまり、図6に示す偏心補正リブ31は、シールリング3が偏心(位置ずれ)したときには、外側環状溝1bの底面部1dに押圧されて内周側に変形し、弾性的に外周側に復元するので、シールリング3の位置を元に戻す。このような復元がシールリング3の全周方向について行われるので、シールリング3の偏心が防止される。
〔その他の実施形態〕
図8は、本発明の他の実施形態における密封装置を示す断面図である。
図8は、本発明の他の実施形態における密封装置を示す断面図である。
この密封装置は、図8に示すように、ハウジング1には、外側環状溝1bに代えて、外側段差部1eを設けて構成してもよい、この実施形態においては、外側段差部1eが外側環状溝1bに代わっていることの他は前述の第1の実施形態と同様の構成であるので、他の構成については説明を適宜援用する。
外側段差部1eは、ハウジング1の内周面1aの全周に亘って設ける。この外側段差部1eは、シール対象となる流体が流入する側(図8中矢印P)の反対側に側壁部1cを有し、この側壁部1cの流体が流入する側(図8中矢印P)が拡径され、その反対側が縮径された段差部である。外側段差部1e及び内側環状溝2bは、シール対象となる流体が流入する側(図8中矢印P)の反対側の側壁部1c,2cが、同一平面上となるように形成する。
外側段差部1e及び内側環状溝2bが形成する円環状の空間内には、シールリング3を配置する。シールリング3は、前述したように、カット部を有さないエンドレス仕様のシールリングである。
このシールリング3と、軸体2及び内側環状溝2bとの相対的な大きさ及び位置関係は、前述の実施形態と同様である。
シールリング3は、軸体2の軸方向については、内側環状溝2bの両側壁部との間の距離(シールリング3の幅と内側環状溝2bの幅との差)分しか移動することがない。したがって、シールリング3の側面部と内側環状溝2bの両側壁部との間の距離を短くしていることにより、軸体2の軸方向についてシールリング3を位置決めしている。
このシールリング3を軸体2に装着するには、軸体2がハウジング1の外にある状態で、軸体2の内側環状溝2b内に装着する。このとき、シールリング3の周長を伸ばして、その内周面3cの内径を軸体2の外周面2aの外径よりも大きくして、軸体2を挿入する。次いで、このシールリング3を内側環状溝2bの位置までずらすことにより、シールリング3を内側環状溝2b内に装着することができる。
この実施形態においては、軸体2の外周面2aとハウジング1の内周面1a(外側段差部1eによって拡がっている部分)との間隔がシールリング3の厚さの半分よりも広いため、軸体2の内側環状溝2b内にシールリング3の厚さが半分程度入っていれば、軸体2をハウジング1内に挿入することができる。つまり、この実施形態においては、ハウジング1及び軸体2の何れも、前述した実施形態のように分割する必要はない。
図9は、本発明のさらに他の実施形態における密封装置を示す断面図である。
この密封装置は、図9に示すように、軸体2には、内側環状溝2bに代えて、内側段差部2eを設けて構成してもよい、この実施形態においては、外側段差部1eが外側環状溝1bに代わっていること、及び、内側段差部2eが内側環状溝2bに代わっていることの他は前述の第1の実施形態と同様の構成であるので、他の構成については説明を適宜援用する。
内側段差部2eは、軸体2の外周面2aの全周に亘って設ける。この内側段差部2eは、シール対象となる流体が流入する側(図9中矢印P)の反対側に側壁部2cを有し、この側壁部2cの流体が流入する側(図9中矢印P)が縮径され、その反対側が拡径された段差部である。外側段差部1e及び内側段差部2eは、シール対象となる流体が流入する側(図9中矢印P)の反対側の側壁部1c,2cが、同一平面上となるように形成する。
外側段差部1e及び内側段差部2eが形成する円筒状の空間内には、シールリング3を配置する。シールリング3は、前述したように、カット部を有さないエンドレス仕様のシールリングである。
このシールリング3と、軸体2との相対的な大きさ及び位置関係は、前述の実施形態と同様である。
このシールリング3を軸体2に装着するには、軸体2がハウジング1の外にある状態で、軸体2の内側段差部2eの近傍に装着する。このとき、シールリング3は、周長を伸ばすことなく、軸体2に挿入することができる。
この実施形態においては、軸体2の外周面2a(内側段差部2eによって縮径されている部分)とハウジング1の内周面1a(外側段差部1eによって拡がっている部分)との間隔がシールリング3の厚さよりも広いため、軸体2は何ら問題なくハウジング1内に挿入することができる。つまり、この実施形態においては、ハウジング1及び軸体2の何れも、前述した実施形態のように分割する必要はない。
なお、シールリング3の軸体2の軸方向についての位置決めをするには、軸体2の外周面2a(内側段差部2eによって縮径されている部分)に、位置決め環2fを取付ければよい、シールリング3は、外側段差部1eの側壁部1c及び内側段差部2eの側壁部2cと、位置決め環2fとの間に位置することにより、軸体2の軸方向についての位置決めをされる。
この位置決め環2fは、金属材料や合成樹脂材料により形成され、軸体2の外周面2a(内側段差部2eによって縮径されている部分)に、ネジ止めや接着によって取付ける。この位置決め環2fの外周面は、軸体2の外周面2a(内側段差部2eによって拡径されている部分)の径にほぼ等しくするか、又は、図7に示すように、ハウジング1の内周面1a(外側段差部1eによって拡がっている部分)に接近させてもよい。このようにしても、シールリング3及び位置決め環2fが装着された軸体2は、何ら問題なくハウジング1内に挿入することができる。
本発明の密封装置は、前述したように自動車の変速機であるAT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)や、その他種々の装置に使用されるが、極めて高いシール性を実現し、極めて耐圧性が高いので、さらなる低燃費化や今後開発される新たな方式の変速機のために使用することが好適であり、当該技術分野の飛躍的な発展をもたらすことは疑う余地がない。
1 ハウジング
1a 内周面
1b 外側環状溝
1c 側壁部
1d 底面部
2 軸体
2a 外周面
2b 内側環状溝
2c 側壁部
2d 底面部
3 シールリング
3a 側面部
3b 外周面
3c 内周面
31 偏心補正リブ
4 逃げ溝
5 逃げ溝
1a 内周面
1b 外側環状溝
1c 側壁部
1d 底面部
2 軸体
2a 外周面
2b 内側環状溝
2c 側壁部
2d 底面部
3 シールリング
3a 側面部
3b 外周面
3c 内周面
31 偏心補正リブ
4 逃げ溝
5 逃げ溝
Claims (4)
- 内周面に外側環状溝が設けられたハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置され、前記外側環状溝に対向する内側環状溝が外周面に設けられた軸体と、
樹脂材料により円環状に形成され、前記内側環状溝が形成する空間から前記外側環状溝が形成する空間に渡って配置され、該外側環状溝の側壁部及び該内側環状溝の側壁部に押圧されてシールするシールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。 - 前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
- 前記シールリングは、
使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、及び使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったときの何れにおいても、
前記シールリングの側面部が、油圧によって前記外側環状溝の側壁部及び前記内側環状溝の側壁部に押接され、該側面部によってシールすることを特徴とする請求項2記載の密封装置。 - 前記シールリングは、使用温度範囲の最高温度において熱膨張により周長が最長になったとき、外周面の周長が、前記外側環状溝の底面部の周長以下であり、使用温度範囲の最低温度において熱収縮により周長が最短になったとき、内周面の周長が、前記内側環状溝の底面部の周長以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の密封装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2017055174A JP2018159386A (ja) | 2017-03-21 | 2017-03-21 | 密封装置 |
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| JP2017055174A JP2018159386A (ja) | 2017-03-21 | 2017-03-21 | 密封装置 |
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| JP2018159386A true JP2018159386A (ja) | 2018-10-11 |
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| JP (1) | JP2018159386A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2021124131A (ja) * | 2020-02-03 | 2021-08-30 | ジヤトコ株式会社 | 動力伝達軸及び動力伝達軸の加工方法 |
-
2017
- 2017-03-21 JP JP2017055174A patent/JP2018159386A/ja active Pending
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