JP3159797B2 - ハロゲン系溶剤および、該溶剤を用いた溶液と三次元繊維の製造方法 - Google Patents
ハロゲン系溶剤および、該溶剤を用いた溶液と三次元繊維の製造方法Info
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Description
かつオゾン層を破壊する能力が小さい、改良された溶剤
および該溶剤を用いたポリオレフィン溶液を提供するも
のである。更には、該溶剤並びに該溶液を用いて不織布
シートに用いる強度及び開繊性に優れたポリオレフィン
の三次元繊維を得るための改良された製造方法を提供す
るものである。
に用いることのできる改良された溶剤であって、この溶
剤をもちいるポリオレフィン溶液および改良されたフラ
ッシュ紡糸方法に関するものである。更には、本発明に
よる溶剤は、フラッシュ紡糸用ポリオレフィン溶液のみ
ならず、洗浄剤、発泡材、中空糸製造用ガス、反応溶剤
等にも応用できる溶剤である。
ィンの網目状繊維の製造方法は、フラッシュ紡糸法とし
て知られている。このフラッシュ紡糸方法は、液化ガス
とも言える有機溶剤にポリオレフィンを加え、高温高圧
下にてポリオレフィン溶液を調整し、かかる後に減圧オ
リフィスを通して溶液の圧力を一旦下げて相分離をさ
せ、不透明になったこの溶液を更に紡口口金を通して常
温常圧下の雰囲気に噴出して三次元繊維とする方法であ
り、既によく知られた紡糸方法である。
519号公報、USP3227794号公報、USP3
227784号公報、USP3467744号公報、U
SP3564088号公報、USP3756411号公
報、EP285670A1号公報、EP321567A
1号公報、EP357364A2号公報、特公昭40−
28125号公報、特公昭42−19520号公報、特
開昭62−33816号公報、特開昭63−50512
号公報などに記載されている。
には、短繊維状物と連続した三次元繊維状物とがあり、
前者は合成パルプとして用いられ、後者は、不織布シー
トとして用いられているものである。この不織布シート
は、一般に合成紙と言われているものであり、この製品
の最大の特徴は、耐水性に富み、強くて軽くて毛羽だた
ないことである。このことが世上に高く評価され、この
不織布シートは、航空便封筒、フロッピーディスクスリ
ーブ、脱酸素剤袋、乾燥剤袋、医療用滅菌袋、建物断熱
結露防止布、原子炉発電作業服及びアスベスト作業服、
安全防護作業服等に応用されている。これらの特徴を備
えた製品を製造するためには、強度が高くてよく開繊し
た三次元繊維が必須である。なぜならば、このような繊
維でなければ、緻密で通気性のある均一なシートが得ら
れないからである。
米国デュポン社製のタイベック(Tyvek登録商標)
及び本出願人製のルクサー(Luxer登録商標)がす
でに市販されている。ところで、フラッシュ紡糸法に用
いるポリマーの溶剤は、以下の特性を備えていることが
必要であり、このことはすでにUSP3081519号
公報等でも知られている。すなわち、溶剤の沸点が用
いるポリマーの融点より少なくとも25℃低いこと、
紡糸する条件下で、ポリマーに対して不活性な溶剤であ
ること、ポリマー溶液を調整するに適した温度・圧力
下では、ポリマーの良溶媒であること、溶剤の沸点以
下では、ポリマーを1%以下しか溶解しない溶剤である
こと、紡糸時に直ちに相分離して、ほとんどポリマー
からなる相を形成し得る溶剤であり、かつその分離した
ポリマー相には、ほとんど残留しない溶剤であること、
である。
ルエン等の芳香族炭化水素、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素及びそれら
の異性体、同族体、シクロヘキサン等の脂環族炭化水
素、あるいは、不飽和炭素水素、塩化メチレン、四塩化
炭素、クロロホルム、塩化エチル、塩化メチル等のハロ
ゲン化炭化水素、エタノール、メタノール、ヘキサフロ
ロイソプロパノール等のアルコール、エステル、エーテ
ル、ケトン、ニトリル、アミド、トリクロロフロロメタ
ン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフロロ
エタン等のフッ化塩素化脂肪族炭化水素、二酸化硫黄、
二硫化炭素、ニトロメタン、水及び上記の各種液体混合
物等が知られている。
種条件および用いるポリマーの種類を考慮した上で最適
なものが適宜選定される。しかし、ポリオレフィンのフ
ラッシュ紡糸方法の溶剤としては、ポリマーの溶解性に
優れ、紡糸性にも優れており、更には不燃、無毒なトリ
クロロフロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,
2,2−トリフロロエタンが好適である。特に、トリク
ロロフロロメタンが最も優れている溶剤である。
ー溶液を大気中へ噴出させてガス化させるために、溶剤
は、沸点が低く、高温でも熱分解せず更にポリオレフィ
ンを溶解するに足る親油性がある溶剤であり、且つ少な
くとも低毒で難燃性であることが求められる。すなわ
ち、フラッシュ紡糸では、溶媒をガス化させてポリマー
から必ず分離して、そのガス化させた溶剤を回収し、冷
却圧縮等の操作により液状とする。従って、フラッシュ
紡糸は、広大な密閉空間中にて行うことになる。そうし
ないとガス化された溶剤を回収できないからである。密
閉空間の大きさは、例えば2000m3の規模にもなる。
このような膨大な空間に可燃性ガスを充満させること
は、火災、爆発等が起こる可能性を著しく高めるため、
極めて危険であり、事実上可燃性ガスを溶剤として使用
することはできない。
置あるいは、高電圧の除電装置が内蔵されており、可燃
性ガスの着火源になりうる。このため一層可燃性ガスを
使用することはできない。更に、上記密閉空間中には、
不織布化のための金属製コンベア、コロナ帯電装置、紡
口ヘッド等多種類の設備があり、それらの修理・保全の
ために作業員が密閉空間中に出入りせざるを得ない場合
がどうしても生じる。また、形成された不織布シートの
取り出し口は非接触シールであり、密閉空間内のガスは
絶えず作業場に漏洩する。従って、毒性を持つ場合は、
フラッシュ紡糸用の溶剤として使えないことになる。こ
うしたことから、フラッシュ紡糸法に使える溶剤は、唯
一不燃・無毒な溶剤であるトリクロロフロロメタンだけ
とされている。
ッ素で置換された全ハロゲン化炭化水素は、特定フロン
(クロロフロロカーボン、またはCFCとも言う)とし
て、そのオゾン破壊能力が極めて高いことが発見され、
地球保護の立場から西暦2000年までに製造が禁止さ
れることになった。当然、特定フロンであるトリクロロ
フロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフロロエタン等も製造を禁止され入手できなくな
る。従って、ポリオレフィンのフラッシュ紡糸方法の溶
剤として、トリクロロフロロメタンを使用できなくなっ
てしまう。
リクロロフロロメタンを用いないで新しい溶剤を使用す
るフラッシュ紡糸方法がすでに提案されている。すなわ
ち、USP5032326号公報、EP0357381
A2号公報、特開平2−139408号公報には、塩化
メチレンと代替フロン、例えば、クロロフロロメタン、
1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロ
ロエタン、1,1,1,2−テトラフロロ−2−クロロ
エタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン等との混
合溶剤を用いるフラッシュ紡糸方法が開示されている。
また、USP5081177号公報、USP50230
25号公報、EP0361684A1号公報、特開平2
−160909号公報には、1,1−ジクロロ−2,
2,2−トリフロロエタン、1,2−ジクロロ−1,
2,2−トリフロロエタン、1,1−ジクロロ−2,2
−ジフロロエタン、1,2−ジクロロ−1,1−ジフロ
ロエタン、1,1−ジクロロ−1−フロロエタン等を用
いる紡糸方法が、更にまた、EP0407953A2号
公報にはポリプロピレンに対して、1,1−ジクロロ−
2,2,2−トリフロロエタン、1,2−ジクロロ−
1,2,2−トリフロロエタン等を用いて紡糸する方
法、更には、EP357364A4号公報や特開平3−
76809号公報には、塩化メチレンと二酸化炭素とを
用いて紡糸する方法が提案されている。また、EP04
14498A2号公報や特開平3−152209号公報
には、含水有機溶媒の混合溶剤系を用いる方法が提案さ
れている。また、EP431801号公報には、二酸化
炭素と水を用いて紡糸する方法が提案されている。
3,3−ペンタフロロプロパンおよび/または、1,3
−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパ
ンと炭化水素類との混合物を用いて紡糸する方法が特開
昭4−185708号に示されている。しかしながら、
これらのすでに提案されているフラッシュ紡糸方法に
は、ポリオレフィンを用いて紡糸する場合、いずれも欠
陥がある。
提案による塩化メチレンと代替フロンとの混合溶剤は、
実験室的な溶剤として一時的に使用できるかもしれない
が、工業用の溶剤としては利用することができない。な
ぜならば、塩化メチレンは、毒性が高く、しかも発癌性
の恐れがあるからである。毒性の程度を示す指標として
は、ACGIH(American Conference of Govermental
Industrial Hygienists)のTLV( Threshold Lim
its Values of Airbone Contaminants)が知られてい
る。トリクロロフロロメタンのTLVは、1000ppm
であるのに対し、塩化メチレンのそれは僅か50ppm し
かなく、トリクロロフロロメタンよりも毒性の強いこと
が明らかである。しかも塩化メチレンは発癌物質として
も登録されている。従って、塩化メチレンおよびその混
合溶剤は、フラッシュ紡糸用の溶剤として工業的に用い
ることはできないことが明らかである。更に、紡糸時に
溶剤に必要とされる特性面からも塩化メチレンの使用に
は問題がある。その理由は、塩化メチレンの蒸発熱が、
78.7cal /gであり、トリクロロフロロメタン4
3.5cal /gに比べて非常に大きいことである。この
ことは、溶剤として塩化メチレンを用いるとフラッシュ
紡糸された紡出糸が残留する溶剤によって湿りやすいこ
とを意味する。湿った糸は、特開平3−76809号公
報にも指摘されているように、糸をシート構造体に固め
るために用いるローラーの周辺に付着し、かつ巻き付く
傾向があるために商品価値のある不織布シートとするこ
とができず商業生産できない。従って、塩化メチレンを
溶剤として用いる場合には、低沸点のガスを共存させ
て、紡出後の繊維中に残存する塩化メチレンの蒸発を促
すことと同時に、予め紡糸溶液のポリマー濃度を高めて
おくことが必要となる。ポリマー濃度を高めるのは、ポ
リマー溶液をフラッシュさせる時、ポリマーの凝固熱発
生量を多くしてその熱を利用して紡出糸の乾燥を促進さ
せることに効果がある。この場合、低沸点ガスの使用と
ポリマー濃度を高めることのいずれか一方が欠けても湿
った糸になってしまう。ところが、紡糸溶液のポリマー
濃度を高めると、得られた紡出糸の開繊状態が悪くな
り、シート状製品の品質が低下する傾向を示す。従っ
て、塩化メチレンは、このような紡糸性の観点からも使
用できないことが理解される。
替フロンを用いる提案についても問題がある。1,1−
ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタンやその異性体
は、最近の検討でラットに対し良性ではあるが腫瘍をも
たらすことがわかった。更に、これらの代替フロンは、
ポリオレフィンの代表例である高密度ポリエチレンの貧
溶剤であるため、単独使用では高密度ポリエチレンを溶
解することができないという他の問題がある。そこで、
溶解性を改良するために、炭化水素や塩化メチレン等を
共溶剤として用いる技術が同時に公開されている。しか
しながら、代替フロンを炭化水素や塩化メチレン等と共
存させたとしても、それでもまだ代替フロンが溶媒中に
占める割合が50%以上と高いために、これら代替フロ
ンの高密度ポリエチレンに対する貧溶媒と言う溶媒性質
が強く残り、高密度ポリエチレンに対してはやはり溶解
が困難であり、溶解速度が遅いという問題が依然として
残る。このように、1,1−ジクロロ−2,2,2−ト
リフロロエタンやその異性体については、毒性と高密度
ポリエチレンの溶解性に問題がある。同様に、1,1−
ジクロロ−2,2−ジフロロエタンやその異性体につい
ても毒性(生殖器への毒性)と高密度ポリエチレンの溶
解性に問題がある。一方、1,1−ジクロロ−1−フロ
ロエタンやその異性体は、単独で使用しても高密度ポリ
エチレンを溶解し、良質の糸を与える。しかしながら、
これらの溶剤は、非常に熱分解しやすく、押出機により
迅速に溶解させても大量の塩化水素やフッ化水素を放出
して熱分解し、ハロゲン化オリゴマーを生成しやすい。
これらの分解物は、製品を着色させたり、紡糸装置を腐
食させたりする等重大な問題を引き起こす。更に、1,
1−ジクロロ−1−フロロエタンに関して述べると、こ
の溶剤は更にオゾン破壊能(ODP, Ozone Depleti
on Potential)も0.1を越えており、高いオゾン破
壊能力を有するという問題もある。従って、1,1−ジ
クロロ−1−フロロエタンやその異性体は、熱分解しや
すいこととオゾン破壊能力が高いことからフラッシュ紡
糸溶剤として使用することができない。
術は、溶剤として塩化メチレンを使用しているために、
既述の理由で使用できない。また、EP431801号
公報の提案する二酸化炭素と水を溶剤としてフラッシュ
紡糸する方法では、親水性に富むビニルアルコールを共
重合成分として持つ特定のポリオレフィンについては適
用できる。しかし、この溶剤は一般的なポリエチレン、
ポリプロピレンを溶解させる能力に乏しいために、好ま
しい物性を有する繊維を得ることはほとんど不可能であ
る。しかも、この方法では、界面活性剤を実質上併用す
ることが必要であり、そのためにプロセスが複雑となる
ばかりか、得られた繊維に界面活性剤が残存して実用物
性が低下する等の問題がある。
等の含水有機溶媒の混合系を用いる提案では、用いる溶
剤が高い可燃性を有するので使用できない。また、特開
昭4−185708号に開示された1,1−ジクロロ−
2,2,3,3,3−ペンタフロロプロパンおよび/ま
たは、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタ
フロロプロパンと炭化水素類の混合物を用いて紡糸する
方法では、混合物に用いられる炭化水素類が易燃性があ
ったり、毒性が高いなどの問題を含んでいるため、実用
化できない。
ッシュ紡糸用のトリクロロフロロメタン代替の溶剤は、
いずれも未解決の問題を有していることが明らかであ
り、未だにトリクロロフロロメタンを代替しうる充分に
満足できる溶剤は提案されていない。本発明の目的は、
トリクロロフロロメタンを代替し得るかあるいはより優
れる溶剤を提供することにある。すなわち、ポリオレフ
ィンのフラッシュ紡糸用溶剤として優れ、更に、燃えに
くく、かつ毒性が少なく、その上オゾン破壊能力が低い
溶剤を提供することにある。また、この溶剤を使用した
ポリマー溶液の提供も本発明の他の目的である。更に、
また本発明の目的はこの溶剤を使用して高強度かつ開繊
性に優れた三次元繊維が得られる、改良されたポリオレ
フィンのフラッシュ紡糸方法を提供することにある。も
ちろん、本発明による溶剤と溶液は、その特性を生かし
うる他の技術領域で、例えば、代替フロンとして用いる
反応溶剤、発泡剤、洗浄剤等としても利用可能となる。
を達成するために、溶剤のスクリーニングについて膨大
な研究を行い、いかにして従来のフラッシュ紡糸方法に
よるポリオレフィン三次元繊維に匹敵する繊維が得られ
るか、もしくは、凌駕する性能をもつ繊維が得られるか
について試行錯誤し、その結果、本発明に到達すること
ができた。
にブロモクロロメタンおよび/または1,2−ジクロロ
エチレンからなる溶剤と共溶剤からなる混合溶剤であっ
て、共溶剤を二酸化炭素、六フッ化硫黄、ジフロロクロ
ロメタン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1−
クロロ−1,2,2,2−テトラフロロエタン、1−ク
ロロ−1,1−ジフロロエタン、1,1−ジクロロ−
2,2,3,3,3−ペンタフロロプロパン、1,3−
ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパ
ン、ドデカフロロペンタン、テトラデカフロロヘキサン
からなる群の1種もしくはそれ以上から選択し、共溶剤
の混合溶剤中に含まれる割合が3〜65wt%であること
を特徴とするハロゲン系溶剤である。
クロロエチレンからなる2成分溶剤と共溶剤から構成さ
れた混合溶剤において、該2成分溶剤におけるブロモク
ロロメタンの割合が40〜75wt%であると好ましい。
共溶剤の混合溶剤中に含まれる好ましい割合は10〜3
0wt%である。安定剤として、プロピレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイド、ニトロメタン、構造式
(I)で表されるホスファイト、構造式(2)で表され
るジホスファイト、構造式(3)で表されるジホスファ
イトからなる群の1種もしくはそれ以上を混合溶剤の
0.001〜5wt%含ませるとよい。
たポリオレフィン溶液であって、溶媒として実質的にブ
ロモクロロメタンおよび/または1,2−ジクロロエチ
レンからなる溶剤と共溶剤からなる混合溶剤を用い、共
溶剤を二酸化炭素、六フッ化硫黄、ジフロロクロロメタ
ン、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ
−1,2,2,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−
1,1−ジフロロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,
3,3,3−ペンタフロロプロパン、1,3−ジクロロ
−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパン、ドデカ
フロロペンタン、テトラデカフロロヘキサンからなる群
の1種もしくはそれ以上から選択し、共溶剤の混合溶剤
中に含まれる割合が3〜65wt%であることを特徴とす
るハロゲン系溶剤を用い、該ポリオレフィン溶液におけ
るポリオレフィン濃度が5〜25wt%であることを特徴
とするポリオレフィン溶液である。
又はポリプロピレンを用いることができる。又1,2−
ジクロロエチレン中のトランス体を30〜40wt%にし
て用いることができる。本発明の第三の発明は、高温高
圧で調整したポリオレフィン溶液を、減圧オリフィス、
減圧室、紡口口金を通過させ、常温常圧域に放出して、
フィブリル化したポリオレフィン三次元繊維を製造する
方法において、溶媒として実質的にブロモクロロメタン
および/または1,2−ジクロロエチレンからなる溶剤
と共溶剤からなる混合溶剤を用い、共溶剤を二酸化炭
素、六フッ化硫黄、ジフロロクロロメタン、1,1,
1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,2,
2,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジ
フロロエタン,1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3
−ペンタフロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,
2,3,3−ペンタフロロプロパン、ドデカフロロペン
タン、テトラデカフロロヘキサンからなる群の1種もし
くはそれ以上から選択し、共溶剤の混合溶剤中に含まれ
る割合が3〜65wt%であり、該ポリオレフィン溶液に
おけるポリオレフィン濃度が5〜25wt%であることを
特徴とするポリオレフィン三次元繊維の製造方法であ
る。
タンと1,2−ジクロロエチレンからなる2成分溶剤と
共溶剤から構成された混合溶剤を用い、該2成分溶剤に
おけるブロモクロロメタンの割合を40〜75wt%とす
るとよい。この方法により、本発明者らは、オゾン破壊
能力が小さい溶剤でありながら、従来公知の方法とは異
なり、格段に強度の高い、そして開繊性の良好なポリオ
レフィンの三次元繊維を得ることができた。
に説明したように、常温常圧にてガスとなる有機溶剤で
あることがその前提となる。すなわち、ポリオレフィン
を高温高圧下にて溶解し、ついで一旦圧力を下げ、透明
液から不透明液に相変化させ、しかる後、紡糸口金を通
して、常温常圧の雰囲気中に不透明なポリマー溶液を吹
き出す。この時、有機溶媒は、ガス化して、超音速ガス
ジェットを形成する。このガスジェットによりポリマー
は、固化すると共に延伸され、強度の高い三次元繊維と
なる。
き性質は、前述したごとく広く知られているが、更に詳
しく見ると次のようになる。 常温常圧では、ポリマーを全く溶解せず、ポリマー
の融点を越えた温度、常圧をはるかに越えた高い圧力で
はポリマーを溶解すること。 ポリマーの融点を越え、かつ熱劣化を生じない範囲
の温度までに、透明液から不透明液に相変化すること、
特に、フラッシュ紡糸の場合、高分子溶液論に言うLC
ST( Lower Critical Solution Temperature、下
限臨界共溶温度)型相図を持つポリマー溶液とすること
が好ましく、フラッシュ紡糸溶剤もLCST型相図を持
つことが好ましい。しかも、LCST型相図を持ち、そ
の上、相変化は、瞬時に起こることが好ましい。フラッ
シュ紡糸は、圧力によって透明から不透明への相変化を
させるのでこの性質は重要である。 紡糸口金を出た瞬間、ガス化しなければいけない。
これは、常温常圧近辺に沸点を持たねばならないことを
意味する。すなわち、低沸点の有機溶剤でなければいけ
ない。 紡糸口金前後の変化は、ほぼ等エントロピー変化で
ある。従って、紡糸口金出口は、自生的に液/ガス混合
体となる。このままでは、漏れた三次元繊維となるので
使えない。ところが、ポリマーが熱を持っているので、
この熱量で液をガス化し、乾いた三次元繊維となる。こ
のことは、有機溶剤の蒸発熱が適切であらねばならない
ことを意味する。 ポリマーの融点より高い温度に曝されるので、有機
溶剤は、熱安定性が優れていなければいけない。尚、本
発明において熱安定性とは、ポリマーを溶解させる温度
下で熱分割し難いことを指す。 大容量の密閉空間に充満させ、かつ密閉空間内に着
火源となる電気設備があるので、不燃もしくは難燃でな
くてはいけない。 密閉空間に充満したガスにしばしば人間が触れるの
で、無毒であらねばならない。 フラッシュ紡糸装置全体が高圧装置となるので、腐
食性の低い溶剤であることが必要である。 ODPが小さくなければいけない。好ましくは、
0.01未満であることが好ましい。
リマー溶液、熱安定性、低燃焼性、無毒、低ODPであ
る。本発明者らは、低沸点、LCST型ポリマー溶液、
熱安定性、低燃焼性、無毒、低ODPの6条件を満足す
るフラッシュ紡糸溶剤を見いだすべく、極めて多くの実
験を行った。
よび1,2−ジクロロエチレンと、二酸化炭素、六フッ
化硫黄、ジフロロクロロメタン、1,1,1,2−テト
ラフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタ
ン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフロロエタ
ン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフ
ロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3
−ペンタフロロプロパン、ドデカフロロペンタン、テト
ラデカフロロヘキサンからなる群の1種もしくはそれ以
上の共溶剤から実質的に構成される混合溶剤が上記6条
件を完全に、あるいはほぼ完全に満たすことを見いだし
た。
ュ紡糸に特に必要な前述の6条件を満足する理由につい
て述べ、更に溶剤の特徴、好ましいその組成範囲等につ
いて述べる。尚、複雑さを避けるために、ジフロロクロ
ロメタンはHCFC−22,1,1,1,2−テトラフ
ロロエタンはHFC−134a,1−クロロ−1,1−
ジフロロエタンはHCFC−142b,1−クロロ−
1,2,2,2−テトラフロロエタンはHCFC−12
4,1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフ
ロロプロパンはHCFC−225ca,1,3−ジクロ
ロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパンはHC
FC−225cb,ドデカフロロペンタンはFC−61
12,テトラデカフロロヘキサンはFC−7114と以
下の記述において略記する。 毒性 ブロモクロロメタン、1,2−ジクロロエチレンのAC
GIHのTLVは、いずれも200ppm であり、クロロ
化合物としては、高い値(すなわち、毒性が低い)を示
す。また、共溶剤のTLVは、例えば二酸化炭素で50
00ppm であり、六フッ化硫黄で1000ppm まであ
り、非常に毒性が低いことが知られている。また、他の
共溶剤については、TLVは規定されていないが、その
毒性は非常に小さいと考えられている。しかも、これら
のいずれの溶剤についても人間に対する発癌性は、報告
されていない。従って、これらの溶剤から構成される本
発明のフラッシュ紡糸溶剤は完全無毒ではないが、かな
り毒性は低い。ガスの漏洩と場所の換気に留意し、作業
場所の管理濃度を維持し、人が触れる場合は、エアライ
ンマスク等の保護具を用いれば、人の健康を害すること
はない。 燃焼性と熱安定性 ブロムクロロメタンと1,2−ジクロロエチレンは、高
温に曝されると熱分解する場合があるので、必要に応じ
て安定剤等を用いることが必要である。今日、数多くの
安定剤が開発されているが、フラッシュ紡糸に必要な高
温高圧(代表的な温度と圧力は200℃,200kg/cm
2 程度)の下で効果を発揮する安定剤は極めて少ない。
なぜならば、溶剤の使用条件が非常に厳しいことと、こ
こで用いる安定剤は溶剤の安定剤であるためにあまり大
量に使用すると、紡糸後、安定剤は糸に濃縮され、糸か
らブルームあるいは、ブリードしてしまうからである。
従って、少量で、高温高圧で効果の高い安定剤が必要と
なる。数多くの安定剤を調査検討した結果、エポキシ化
合物、ニトロ化合物、ジホスファイト、ホスファイトが
有効であることがわかった。特に、ジホスファイトは高
い熱安定効果を示した。更に、安定剤の構造を詳細に検
討した結果、安定剤としては、プロピレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイド、ニトロメタン、構造式
(1)で表されるホスファイト、構造式(2)で表され
るジホスファイト、構造式(3)で表されるジホスファ
イトが特に優れていることを見いだした。
素数が1から30までの異種または同種の1価の炭化水
素基であり、その例としては、n−Cn Hn+1 ,iso
−C n Hn+1 (ただし、nは1から30までの整数であ
る。)、フェニル基または、部分的にアルキル基の付い
たベンゼン環等が挙げられる。これらの組み合わせの
内、R1 ,R2 ,R3 の一つもしくは2つは芳香族性基
を有していることが熱安定性を高める上で好ましい。ま
た、残りの一つもしくは2つは、nが8以上の脂肪族炭
化水素であることが熱安定性向上の観点から好ましい。
R4 ,R5 は、炭素数が8から30までの1価の脂肪族
炭化水素であり、その例としては、n−C n Hn+1 ,i
so−Cn Hn+1 (ただし、nは8から30までの整数
である。)である。好ましいnは、熱安定性を高める上
で、12から24、更に好ましくは、16から20であ
る。
が、他の安定剤、添加剤と共に使用することもできる。
他の安定剤、添加剤としては、ジブチルスズマレート、
金属石鹸、メタノール、フェノール誘導体、カテコール
誘導体、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エ
チル、β−ジケトン誘導体、ピリジン、トリブチルアミ
ン等の3級アミン、N,N−ジメチルピリジン誘導体等
が挙げられる。
応を低下せしめる点では、構造式(2)で表されるジホ
スファイトが最も効果が高い。しかし、ジホスファイト
は、本発明の溶剤に対する溶解性は低いので、プロセス
に応じて他の安定剤を用いると良い。使用量に関して
は、一般的には、本発明の安定剤の1種またはそれ以上
を、本発明の混合溶剤の0.001〜5wt%程度用いる
ことができ、エポキシ化合物とジホスファイトの場合に
は、0.001〜0.1wt%で高い熱安定性効果を発現
させることが可能である。尚、安定剤の効果を高めるた
めに、本発明で用いるブロムクロロメタン、1,2−ジ
クロロエチレンと共溶剤は、実質的に純品であることが
好ましい。特に、遊離の酸、例えば、塩化水素、臭化水
素や水分等は、できる限り少ないものがよく、特に好ま
しくは、10ppm 以下である。
2bを除いて、すべて完全不燃の溶剤である。従って、
当該2つのクロロ化合物に共溶剤を混合させる重要な意
味の一つには、本発明の溶剤の燃焼性を著しく低下させ
ることにある。HCFC−142bについては、燃焼性
はあるものの、爆発範囲が9〜15v%と狭く、難燃性
物質である。従って、HCFC−142bを用いても得
られる溶剤は難燃性であり、完全密閉プロセスで生産を
行うならば使用できる。
な消化剤として知られているように、完全不燃溶剤で、
燃焼抑制効果の極めて高い溶剤である。従って、ブロモ
クロロメタンと、HCFC−142bを除く共溶剤との
混合溶剤は、任意の溶剤組成で完全不燃である。1,2
−ジクロロエチレンは、爆発範囲が9.7〜12.8v
%であり、いわゆる難燃性物質である。1,2−ジクロ
ロエチレンは、爆発下限界が極めて高く、不燃性溶剤を
混合することにより、極めて容易に完全不燃あるいは、
難燃溶剤にすることが可能である。このような不燃性溶
剤として、本発明の共溶剤は極めて好適である。燃焼性
を低減あるいは皆無にするためにも、本発明の溶剤組成
は、非常に有用であり、このような好ましい1,2−ジ
クロロエチレンの割合は、70〜90wt%であり、特に
好ましくは、70〜80wt%である。
メタンを組み合わせることにより、完全不燃で同時に熱
安定性に優れた溶剤を調整することができる。可燃性溶
剤に不燃物質を添加させることにより、その爆発範囲を
小さくすることができる。そこで、1,2−ジクロロエ
チレンの燃焼性を改善するために、不燃物質として、ブ
ロモクロロメタンを用いた。ブロモクロロメタンは、低
毒性で、しかも後述するように高温高圧下におけるポリ
オレフィンの優れた良溶剤である。しかも、燃焼抑制効
果の高い臭素原子を有しているために、フラッシュ紡糸
を念頭においた燃焼抑制物質としては、極めて優れた、
唯一のものである。例えば、クロロホルム、四塩化炭
素、クロロホルム、臭化メチレン、ブロモホルムなども
高い燃焼抑制効果を有する。しかしながら、これらの化
合物は、いずれも高い毒性を有するためにフラッシュ紡
糸は使用できない。
メタンの2成分溶剤と共溶剤の混合溶剤の燃焼性を検討
したところ、2成分溶剤におけるブロモクロロメタンの
割合がおおむね40wt%で、完全不燃となることがわか
った。従って、完全不燃の2成分溶剤を調整するために
は、2成分溶剤中におけるブロモクロロメタンの割合
は、40wt%以上にしなくてはならない。
モクロロメタンに比べて、熱安定性に優れている。そこ
で、ブロモクロロメタンの使用量はできるだけ抑えた
い。一方、熱安定性を向上させるために、1,2−ジク
ロロエチレンをブロモクロロメタンに混合すると、トリ
クロロフロロメタンと同等もしくは、それ以上の熱安定
性を確保することができる。これは、ブロモクロロメタ
ンの溶媒中における存在比を低下せしめたことによる希
釈効果のみならず、1,2−ジクロロエチレンがブロモ
クロロメタンの熱分解を抑制する効果に由来する。すな
わち、1,2−ジクロロエチレンは、その二重結合の存
在により、分解物の発生を大幅に抑えることができる。
このような優れた熱安定性を得るためのブロモクロロメ
タンと1,2−ジクロロエチレンの2成分溶剤中におけ
るブロモクロロメタンの割合は、75wt%以下にしなく
てはならない。好ましくは、60wt%以下、更に好まし
くは50wt%以下である。
た溶剤を得るためには、1,2−ジクロロエチレンとブ
ロモクロロメタンの2成分溶剤におけるブロモクロロメ
タンの割合は、40〜75wt%であり、好ましくは、4
0〜60wt%、更に好ましくは50〜60wt%である。
また、1,2−ジクロロエチレンとブロモクロロメタン
の2成分溶剤と共溶剤から構成された本発明の混合溶剤
における共溶剤の混合比は、一般的には、3〜50wt%
である。特に、好ましくは、5〜30wt%であり、より
一層好ましくは、10〜30wt%である。
いといえども、高温高圧の滞留時間が短い押出機を用い
て溶液を調整したり、紡糸温度を低めに設定することに
よって、実用上なんら問題なく使用できる。 沸点 二酸化炭素、HCFC−22,HFC−134a,HC
FC−142b,HCFC−124は、常温常圧におい
てガスである。従って、当該2つのクロロ化合物にこれ
らのガス状共溶剤を混合させる重要な意味の一つには、
本発明のフラッシュ紡糸溶剤の沸点を著しく低下させる
ことにある。
上、60℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下
である。この沸点は、混合溶剤においては溶剤組成の関
数であり、上記のガス状共溶剤の混合比を変化させるこ
とによって自由に調整できる。ブロモクロロメタンの沸
点は、68℃である。また、1,2−ジクロロエチレン
には、トランス体とシス体の2つの幾何異性体がある。
トランス−1,2−ジクロロエチレンの沸点は、47.
7℃、シス−1,2−ジクロロエチレンの沸点は、6
0.25℃である。従って、ガス状共溶剤の混合比を変
化させることによって、本発明の溶剤は、60℃以下の
所望する沸点に調整できる。
℃),HCFC−225cb(沸点:56.1℃),F
C−6112(沸点:30℃),FC−7114(沸
点:56℃)の共溶剤については、沸点はやや高めであ
るが、これらの液状共溶剤を用いても実質60℃以下の
沸点である溶剤を得ることができる。尚、本発明の溶剤
を用いて紡糸しても、紡出糸が濡れることはなかった。 曇点曲線 本発明に用いる溶剤は、それにポリオレフィンを溶解す
ると、LCST型ポリマー溶液となる。前記したよう
に、フラッシュ紡糸は、高温高圧のポリマー溶液を減圧
して相分離させて、ポリマーと溶剤との少なくとも二相
からなる不透明液にしてから紡糸することがその基本原
理である。従って、透明液から不透明液に変わることに
よって判定できる曇点の温度・圧力が極めて重要であ
る。この曇点が、相分離する点でもある。曇点は、液が
透明から不透明に変わる点の温度・圧力によって示す。
高分子化学では、この曇点を温度・圧力座標にプロット
した図を曇点曲線と言う。この曇点曲線の温度・圧力座
標面上の位置により、その溶剤のフラッシュ紡糸適性を
判断することができる。
1および図2に示す装置にて測定した。図1は装置全体
の説明図であり、図2は曇点を測定する光学セル容器の
説明図である。すなわち、光学セル容器(内部寸法、直
径40mm×長さ83mm、容積約100cm3 )1には2つ
の光学窓2を設け、光を通して内部を観察できる構造と
する。光の通る光路の長さは、光学窓2のガラス14の
厚さは一個当たり9mm,2個付いているので18mm、更
に溶液の厚さは40mmなので、全部で58mmとなる。こ
の光学セル容器1には、攪拌羽13が内蔵され、ポリマ
ーが溶解するまで約180rpm で容器内部を攪拌する。
攪拌羽13の構造は、攪拌羽が2枚設置され、光学窓に
当たる部分の軸は、光学観察を邪魔しないように“コ”
の字型に加工している。更に、光学セル容器内の溶液に
直接接するように温度計4が差し込まれている。圧力計
5は配管9の途中に設けられ、光学セル容器内の圧力を
検出する。光学セル容器内の液圧を調整するために、配
管9を介してプランジャー式圧力調節器が設置されてい
る。また、光学セル容器内のガスを抜くガス抜きおよび
容器内の液を押し出すための配管10が設けられてい
る。更に光学セル容器全体はアルミ鋳込みヒーターで覆
われ制御回路温度は制御されている。
る。まずポリマー濃度が所定の濃度になるようにかつ容
器内が液封になるようにポリマーと溶媒を計量し、容器
に供給した。ポリマー溶液調整は、実験簡易化のために
容量%を基準として行った。混合溶剤は、ガス状共溶剤
を用いる時は、予めステンレス製の300cm3 のボンベ
に所定比率で混合溶剤を調整し、窒素ガスによる加圧に
よって光学セル容器に導入した。また、液状共溶剤を用
いる時は、調整後そのまま光学セル容器に導入した。い
ずれも場合も、ポリマーを所定量光学セル容器内に入
れ、空気の影響を避けるために光学セル容器を真空にし
てから混合溶剤を導入した。ついで、加熱し、液体が膨
張するにつれて、容器内の圧力は上昇する。昇温速度は
4.5℃/min であった。液の状態が50kg/cm2 ,1
05℃近くになってからはポリマーが完溶するまで圧力
調整は行わなかった。このようにして、ポリマーの融点
近傍に達したポリマーは溶剤に溶け始める。この状態で
ポリマー溶液を調整した。
せながら、プランジャー式圧力調節器によって圧力を変
化させて、目視で溶液が曇り始める点、すなわち曇点を
探した。1,2−ジクロロエチレン単独では、この曇点
曲線がフラッシュ紡糸の温度範囲で極めて低圧に存在
し、相当の高温にしないと観察できない。例えば、重量
平均分子量102000の高密度ポリエチレンを用いた
場合、2v%という極めて薄い濃度において、220℃
で62kg/cm2 ,230℃で83kg/cm2 を結ぶ線上
に、やっと曇点曲線が観測されるレベルである(ポリマ
ー濃度と共に曇点の圧力は低下するので、実用的なポリ
マー濃度では曇点曲線は観察できない)。この結果は、
1,2−ジクロロエチレンは、高温高圧下において、ポ
リオレフィンの良溶剤であることを示すものである。ま
た、ブロモクロロメタンは、1,2−ジクロロエチレン
よりも高い溶解性、すなわち高温高圧下において、ポリ
オレフィンの極めて優れた良溶剤であることを示す。例
えば、上述の高密度ポリエチレンを用いた場合、2v%
という極めて薄い濃度においてさえ、曇点を確認するこ
とはできない。
囲でポリマーを溶解することはできない。完全な貧溶剤
である。従って、高温高圧下においてポリオレフィンの
良溶剤である当該2つのクロロ化合物と共溶剤を組み合
わせることにより、フラッシュ紡糸に好適な位置に曇点
曲線を持ってくることができた。このような好ましい曇
点圧力とは、200℃において80〜300kg/cm2 程
度、特に好ましくは120〜230kg/cm2 程度であ
る。このような好ましい曇点圧力を共溶剤の好ましい混
合割合として換算すると、いずれのクロロ化合物につい
ても、一般的には、3〜65wt%であった。特に、好ま
しくは、5〜30wt%であり、より一層好ましくは、1
0〜30wt%であった。各共溶剤ごとに、特に好ましい
共溶剤量を例示すると、二酸化炭素は10〜20wt%、
六フッ化硫黄は5〜20wt%,HCFC−22は15〜
30wt%,HFC−134aは15〜25wt%,HCF
C−142bは20〜40wt%,HCFC−124は1
5〜30wt%,HCFC−225caは30〜65wt
%,HCFC−225cbは30〜65wt%,FC−6
112は15〜30wt%,FC−7114は15〜30
wt%である。これらの好ましい共溶剤量は、ポリマー種
や重合度によって若干異なるがおおむねここに示した範
囲となる。もちろん、これらの共溶剤を2種以上混合し
て使用したり、別途、新たな溶剤を部分的に添加するこ
ともできる。また、1,2−ジクロロエチレンについて
は、シス体の方が若干曇点が低圧に見られるものの、ト
ランス体、シス体の差異は、実質問題ではなかった。
である。すなわち図3は、A)ブロモクロロメタン/二
酸化炭素(85/15wt%)とB)ブロモクロロメタン
/HFC−134a(80/20wt%)及び(75/2
5wt%)の溶媒組成の曇点曲線を示したものである。各
々の曇点曲線の上部領域が一相、下部領域が二相であ
る。また、ポリマーは、密度0.97g/cm3 、重量平
均分子量102000(分散度6.14)の高密度ポリ
エチレンで、溶液のポリマー濃度は、18v%である。
一方図4は、トランス−1,2−ジクロロエチレン/ブ
ロモクロロメタン/二酸化炭素(45/40/15wt
%),(50/35/15wt%),(50/40/10
wt%)の3種の溶媒組成の曇点曲線を示したものであ
る。各々の曇点曲線の上部領域が一相、下部領域が二相
である。また、ポリマーは、密度0.97g/cm3 、重
量平均分子量102000(分散度6.14)の高密度
ポリエチレンで、溶液のポリマー濃度は、18v%であ
る。
物と共溶剤との組成比により曇点曲線の位置が変わるこ
とも確認された。これは、溶剤組成比によりポリマー溶
液の熱力学的性質が変化してゆくことを示している。な
お他の組成や他の共溶媒の場合についても曇点曲線を得
ており、この結果を用いて紡糸実験を行い、適切な溶剤
とその組成を見出したものである。
−ジクロロエチレンに六フッ化硫黄、FC−6112,
FC−7114を常温、自生圧力下で混合しても均一な
溶液にはならない。しかしながら、温度または/および
圧力を高くすることによって均一な溶液を得ることがで
きる。従って、均一な溶液を調整するときは、温度と圧
力の制御を行うことが必要である。一般的には、ブロモ
クロロメタンについては、140℃以上の温度で、また
1,2−ジクロロエチレンでは、80℃以上の温度であ
れば均一な溶液を得ることができる。 ODP 大気中のハロゲン化合物の寿命を決めているのは、OH
ラジカルと呼ばれる活性化学種である。これは、酸素と
有機物質が太陽からの紫外線の下で反応して生成する。
ブロモクロロメタンは、水素原子を有するクロロ化合物
であるため、大気中のOHラジカルとは、極めて容易に
反応する。従って、ブロモクロロメタンのODPは、実
質0である。1,2−ジクロロエチレンは、二重結合を
持っているので、OHラジカルと反応し、大気中に残る
ことは難しい。従って、1,2−ジクロロエチレンの大
気中の寿命は短い。ODPは、大気中の寿命を考慮して
求められているために、特定フロンや四塩化炭素>代替
フロン>塩化メチレン(ODPは0.003)>二重結
合を有するハロゲン化合物(例えば、1,2−ジクロロ
エチレン)の順序となる。従って、1,2−ジクロロエ
チレンのODPは、実質0である。
−134a,FC−6112,FC−7114は、非フ
ロン構造であるため、当然ODPは0である。従って、
これらの共溶剤を用いた本発明の溶剤は、オゾン破壊能
力を全く持たない溶剤から実質的に構成されているため
に、将来にわたって全く問題なく使用できる。今日まで
にいくつかの低ODPの代替フロンを用いたフラッシュ
紡糸溶剤が開示されているが、これらの溶剤は、いずれ
も低いレベルとは言いながら、オゾン破壊能力を有して
いる。フロンに関する規制が日増しに高まりつつある今
日、オゾン破壊能力を全く持たず、しかも不燃・低毒性
の溶剤を提供する本発明が、如何に重要かつ優れたもの
であるかは明白である。一方、HCFC−22,HCF
C−142b,HCFC−124,HCFC−225c
a,HCFC−225cbのハイドロクロロフロロカー
ボンは、0.01オーダーのODPを有しているため
に、規制強化によって20年以内に使用できなくなく恐
れがある。
ら、好ましい共溶剤の混合割合としては、5〜30wt%
である。特に、好ましくは、10〜30wt%である。ま
た、共溶剤の中でもODPが実質0であることから、二
酸化炭素、六フッ化硫黄、HFC−134a,FC−6
112,FC−7114が好ましく、特に、均一で操作
性の高い共溶剤である二酸化炭素とHFC−134aが
好ましい。
圧では異性化反応が生じる。このような異性化反応は、
溶剤の回収を考えると、回収ごとに異性体の比率が変化
することを意味する。ところが、フラッシュ紡糸の条件
下では、トランス体の割合が30〜40wt%の間でほぼ
平衡組成となることを見いだした。従って、この範囲に
異性体の比率を制御しておけば回収の回数に関係なく、
決まった異性体比率の1,2−ジクロロエチレンを扱う
ことができる。この制御は、安定生産を行うためには非
常に重要である。尚、100℃以下で、本発明の溶剤を
使用する時は、この異性化反応はほとんど生じないの
で、いかなる異性体比率の1,2−ジクロロエチレンを
用いても、安定性よく、使用、回収を繰り返すことがで
きる。
ッシュ紡糸溶剤を用いて紡出した三次元繊維は、濡れる
ことなく開繊性もよく強度も高く優れたもので、良好な
不織布シートにできるものであった。本発明のポリオレ
フィン三次元繊維の製造方法で用いられるフラッシュ紡
糸溶剤とポリオレフィンの重量比は、5〜25wt%であ
る。この範囲において、開繊性に優れ、その上強度も高
いポリオレフィンの三次元繊維が容易に製造できる。5
wt%以下では、パルプ状または強度の低い糸になり、2
5wt%以上では、糸の開繊性が低くなっていずれの場合
にも好ましくはない。より好ましくは、10〜20wt%
である。
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1等がある。ポ
リエチレンは、高密度ポリエチレンが最も好ましく、密
度で言えば、0.94g/cm3 以上である。更に、共重
合成分は、15wt%以下で、前記の密度を維持するもの
が好ましい。ポリプロピレンは、約85wt%以上アイソ
タクティックポリプロピレンを含有するものが好まし
く、約15wt%以下のその他のポリプロピレンまたは、
エチレン、ブテン等の共重合成分が含まれていてもよ
い。更に通常知られているポリマー添加剤、光安定剤、
滑剤、核剤、架橋剤、可塑剤及び充填剤等がポリマーに
含まれていてもよい。
減圧オリフィス・減圧室・紡糸口金からなる紡糸装置を
備えていればよい。その先に三次元繊維を開繊・分散さ
せる装置、開繊・分散した三次元繊維をシート状にする
移動コンベア装置、更にできたシートを巻取る巻取り機
がある。シート形成部は密閉ボックス内に収納され、ボ
ックス内の溶剤ガスは回収される。溶液調整装置は、オ
ートクレーブ装置でもよいし、押出機でもよい。あるい
は、従来公知の装置を用いることもできる。
この実施例は、本発明を具体的に説明するためのもので
あり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではな
い。
8の高密度ポリエチレン82.1g、ブロモクロロメタ
ン/二酸化炭素(85/15wt%)の混合溶媒613g
をオートクレーブに仕込んで、(ポリマー濃度11.8
wt%)プロペラ型攪拌機を回転させながらオートクレー
ブを加熱し、高密度ポリエチレンを溶解した。溶液を更
に加熱し、溶液圧力を上昇させ、ポリマーを全量溶解さ
せた。溶解後は、溶液圧力が300kg/cm2 を越えない
ように、オートクレーブ下部の放出ノズルから溶液を排
出し圧力をおおよそ250kg/cm2 に保った。溶液の温
度が200℃になった時点で、オートクレーブ上部の窒
素ガス導入バルブを開け、258kg/cm2 の窒素加圧を
行い、すばやくオートクレーブ下部の排出バルブを開け
た。次いで、溶液を減圧オリフィス(径0.65mm、長
さ5mm)を通過させて減圧室(径8mm、長さ40mm)に
導き、紡口口金(減圧室からノズルへの導入角度60
°、ノズル径0.5mm、長さ0.5mm、ノズルを中心と
して外側に3.3mmφ、深さ3mmの円形の溝を有す
る。)を通過させ、大気中に放出した。開繊糸は紡糸口
金から約20〜40mm離れた位置で約45°傾けた塩化
ビニル板に当てて作った。開繊状態の開繊糸を10メッ
シュの金網で受けて採取した。減圧室の圧力は174kg
/cm2 であった。また、紡糸速度は、279m/sであ
った。
引っ張り強さ6.0g/d、引っ張り伸び37%、比表
面積24m2/g、開繊糸で繊度95d、引っ張り強さ
5.8g/d、引っ張り伸び34%で形態のよい三次元
繊維であった。
ンを用い、ポリマー濃度12.5wt%にて、実施例1を
繰り返した。減圧室の圧力は73kg/cm2 であった。ま
た、紡糸速度は、159m/sであった。得られた繊維
は、未開繊糸で繊度99d、引っ張り強さ5.4g/
d、引っ張り伸び27%、比表面積21.2m2/gであ
った。
sに比べて比較例1の紡糸速度は159m/sに過ぎな
い。この事は本発明による溶剤を使用することで従来の
製造方法に比べて著しく速い速度で紡糸することが可能
になったことを示す。紡糸速度を高速にできることは、
更に従来より高延伸糸を得ることができることを意味す
る。この事は比較例1の繊維の引っ張り強さ及び引っ張
り伸びの値が実施例1のそれぞれの値より劣ることによ
って証せられる。
減圧室の圧力の紡出糸物性に及ぼす効果を調べた。表1
は、その紡糸結果を示したものである。遊離フィブリル
数の測定は、以下のようにして行った。すなわちサンプ
リングした開繊糸を静かにガラス板の間に挟み、対物レ
ンズ1.6倍、接眼レンズ10倍の光学顕微鏡を繊維幅
方向に移動させながら、視野の中にある一本一本の單糸
の数を数え、それを100デニール当りに換算して遊離
フィブリル数とする。
置に約25°傾けた銅板を置き、この銅板に繊維を含ん
だまゝのガスジェットを衝突させることによって得た。
表中の開繊性の評価の尺度は、「○」であれば遊離フィ
ブリル数が300本/100デニール以上、「△」であ
れば100〜300本/100デニールの間、「×」で
あれば100本/100デニール以下である。「×」で
あれば、使用できないことを示す。
度も高い良質な三次元網状繊維であった。
実施例1のポリマー及びポリマー濃度を固定したまま、
実施例1の紡糸装置を用い網状繊維を製造した。ブロモ
クロロメタン/二酸化炭素の割合が、90.6/9.4
wt%では、強度4.8g/dで比表面積が36m2/g,
80/20では、5.2g/d,70/30wt%では、
5.0g/dの網状繊維が得られた。これらの網状繊維
は、いずれも良い開繊性を示した。
て、実施例1のポリマー及び溶媒組成を固定したまま、
実施例1の紡糸位置を用い網状繊維を製造した。ポリマ
ー濃度が、7.0wt%では、強度3.4g/d,20.
5wt%では、5.4g/dの網状繊維が得られた。これ
らの網状繊維は、いずれも良い開繊性を示した。
8の高密度ポリエチレン81.2g、ブロモクロロメタ
ン/HFC−134a(78/22wt%)の混合溶媒6
57gをオートクレーブに仕込んで、(ポリマー濃度1
1.0wt%)プロペラ型攪拌機を回転させながらオート
クレーブを加熱し、高密度ポリエチレンを溶解した。溶
液を更に加熱し、溶液圧力を上昇させ、ポリマーを全量
溶解させた。溶解後は、溶液圧力が300kg/cm2 を越
えないように、オートクレーブ下部の放出ノズルから溶
液を排出し、圧力をおおよそ270kg/cm2 に保った。
溶液の温度が200℃になった時点で、窒素ガス導入バ
ルブを開け、270kg/cm2 の窒素加圧を行い、すばや
くオートクレーブ下部の排出バルブを開けた。次いで、
溶液を減圧オリフィス(径0.65mm、長さ5mm)を通
過させて減圧室(径8mm、長さ40mm)に導き、紡口口
金(減圧室からノズルへの導入角度60°、ノズル径
0.5mm、長さ0.5mm、ノズルを中心として外側に
4.0mmφ、深さ3mmの円形の溝を有する。)を通過さ
せ、大気中に放出した。開繊糸は紡糸口金から約20〜
40mm離れた位置で約45°傾けた塩化ビニル板に当て
て作った。開繊状態の開繊糸を10メッシュの金網で受
けて採取した。減圧室の圧力は159kg/cm2 であっ
た。また、紡糸速度は、206m/sであった。
d、引っ張り強さ6.6g/d、引っ張り伸び36%、
比表面積15m2/g、開繊糸で繊度123d、引っ張り
強さ6.5g/d、引っ張り伸び20%、繊維幅3.5
〜6cmで形態のよい網状繊維であった。
で、減圧室の圧力の紡出糸物性に及ぼす効果を調べた。
表2は、その紡糸結果を示したものである。但し、紡口
口金は、減圧室からノズルへの導入角度60°、ノズル
径0.5mm、長さ0.5mm、ノズルを中心として外側に
3.3mmφ、深さ3mmの円形の溝を有するものに変更し
た。
度も高い良質な三次元網状繊維であった。
て、実施例8のポリマー及びポリマー濃度を固定したま
ま、実施例8の紡糸装置を用い網状繊維を製造した。ブ
ロモクロロメタン/HFC−134aの割合が、90/
10wt%では、強度4.2g/d、85/15wt%で
は、5.8g/d,70/30wt%では、5.2g/d
の網状繊維が得られた。これらの網状繊維は、いずれも
良い開繊性を示した。
せて、実施例8のポリマー及び溶媒組成を固定したま
ま、実施例8の紡糸装置を用い網状繊維を製造した。ポ
リマー濃度が、7.2wt%では、強度3.4g/d,2
0.5wt%では、5.8g/dの網状繊維が得られた。
これらの網状繊維は、いずれも良い開繊性を示した。
て、種々の溶剤組成を持つ溶媒を用い紡糸を行った。表
3及び表4は、その結果を示したものである。
−ジクロロエチレン、BCMは、ブロモクロロメタンを
指す。HCFC−225は、HCFC−225caとH
CFC−225cbの50/50wt%混合物を示す。
78の高密度ポリエチレン81.7g、トランス−1,
2−ジクロロエチレン/ブロモクロロメタン/二酸化炭
素(50/35/15wt%、この場合、トランス−1,
2−ジクロロエチレン/ブロモクロロメタンの割合は、
58.8/41.2wt%となる)の混合溶媒613gを
オートクレーブに仕込んで、(ポリマー濃度11.8wt
%)プロペラ型攪拌機を回転させながらオートクレーブ
を加熱し、高密度ポリエチレンを溶解した。溶液を更に
加熱し、溶液圧力を上昇させ、ポリマーを全量溶解させ
た。溶解後は、溶液圧力が300kg/cm2 を越えないよ
うに、オートクレーブ下部の放出ノズルから溶液を排出
し圧力を200〜300kg/cm2 に保った。溶液の温度
(紡糸温度)が200℃になった時点で、オートクレー
ブ上部の窒素ガス導入バルブを開け、250kg/cm2 の
加圧を行い、すばやくオートクレーブ下部の排出バルブ
を開けた。次いで、溶液を減圧オリフィス(径0.65
mm:長さ5mm)を通過させて減圧室(径8mm、長さ40
mm)に導き、紡口口金(減圧室からノズルへの導入角度
6°、ノズル径0.5mm、長さ0.5mm、ノズルを中心
として外側に3.3mmφ、深さ3mmの円形の溝を有す
る。)を通過させ、大気中に放出した。開繊糸は紡糸口
金から約20〜40mm離れた位置で約45°傾けた塩化
ビニル板に当てて作った。開繊状態の開繊糸を10メッ
シュの金網で受けて採取した。
度84d、引っ張り強さ6.5g/d、引っ張り伸び3
9%、比表面積35m2/g、開繊糸で繊度85d、引っ
張り強6.5g/d、引っ張り伸び32%で形態のよい
網状繊維であった。なお紡糸温度を215℃にして、実
施例30を繰り返したが、得られた繊維は、やはり実施
例1と同様の白色で、同様の力学物性を示した。ところ
が、ブロモクロロメタン/二酸化炭素(85/15wt
%)の溶媒で、紡糸温度を215℃にすると、得られた
繊維は、実施例1と同様の力学物性を示すものの、溶媒
の分解物によって灰色に着色していた。
ストを行った。実施例30で示した溶剤は、空気との任
意の混合組成で不燃であった。しかしながら、比較のた
めに1,2−ジクロロエチレン/二酸化炭素(85/1
5wt%)の組成で同様の燃焼テストを行ったところ、1
000mJ以上着火エネルギーを与えると、空気の混合組
成によっては燃焼した。
て、実施例1を繰り返した。得られた糸は、若干黒く着
色していた。同様に、紡糸溶剤にプロピレンオキサイ
ド、1,2−ブチレンオキサイド、ニトロメタン、トリ
フェニルホスファイト、ジノニルフェニルホスファイ
ト、トリラウリルホスファイト、R4 がn−C18H37で
ある構造式(2)で表されるジホスファイト(旭電化製
PEP−8F)、またはR5 がn−C12H 25〜n−C15
H31の範囲にランダムに結合しているである構造式
(3)で表されるジホスファイト(旭電化製MARK−
1500)を溶剤に対して0.1wt%混合してから紡糸
した。これらの安定剤を用いて得られた糸は、全く着色
していなかった。特に、PEP−8FとMARK−15
00については、0.025wt%の使用でも全く着色し
ていなかった。
剤に対して0.1wt%の濃度で着色性を調べた。ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、メタノール、ジブ
チルスズジラウリレート、トリブチルアミン、酢酸メチ
ル、カテコール等について検討したが、着色はほとんど
改善されなかった。
の代わりに、アイソタクティックポリプロピレンを用い
て紡糸を行った。実施例32では、メルトフローレート
が1.53、実施例33、34では、メルトフローレー
トが2.38のポリプロピレンを用いた。紡糸は、21
5℃で行い、安定剤として、実施例31のPEP−8F
を溶剤に対して0.5wt%加えた。表5は、その結果を
示したものである。
て、実施例1,14,16,19,22,28,29の
実験を繰り返した。塩化メチレンを用いた場合には糸は
湿っていた。例えば、実施例1の条件を用いた場合、紡
出後すぐの糸中の塩化メチレン残存量は、乾燥糸に対し
て約16wt%であった。一方、本発明の実施例について
はいずれの場合も乾燥した糸が得られた。
と糸は乾燥したが、開繊性は、表1の評価方法で△〜×
であった。例えば、実施例1の条件を用いた場合、遊離
フィブリル数は、130であった。ちなみに、実施例1
の遊離フィブリル数は、310であった。実施例14,
15の溶剤を回収して繰り返し同じ実験をした。1,2
−ジクロロエチレンのトランス体の割合が紡糸回数を重
ねるごとに徐々に減少し、トランス体の割合が30〜4
0wt%の範囲でほぼ一定値となった。また、トランス体
/シス体の割合が35/65wt%の1,2−ジクロロエ
チレンを用いて、実施例14,15を繰り返したが、ほ
とんどトランス体/シス体の割合は、変化しなかった。
フラッシュ紡糸以外に応用した実施例として、血液親和
性を高めた再生セルロース高分子膜製造において、本発
明の溶剤を用いた結果を示す。C12H25(OCH2 CH
2 )n OCH2 COOH(nは、平均値で4.5)0.
32g,4.4−ジメチルアミノピリジン0.01g、
ジシクロヘキシルカルボジイミド0.13gをブロモク
ロロメタン/HFC−134a(85/15wt%)35
0cm3 に溶解した。この処理液に再生セルロース中空糸
膜(内径0.2mm、膜厚0.01mm、長さ30cm)の束
(本数約7000本)を時々上下させながら30分間揺
り動かした。処理後の再生セルロース中空糸膜束をメタ
ノール中に一昼夜浸せきした後、室温で減圧乾燥するこ
とによって中空糸表面がエステル化された中空糸膜束
(1)を得た。
ている、特定フロンを用いた1,1,2−トリクロロ−
1,2,2−トリフロロエタン/アセトン(87.5/
12.5wt%)をブロモクロロメタン/HFC−134
a(85/15wt%)の代わりに用いた。こうして得ら
れたエステル化された中空糸膜束を(2)とする。得ら
れたエステル化再生セルロース中空糸膜(1)と
(2)、並びに未処理の再生セルロース中空糸膜(3)
を各々透析器に組み込み、犬による体外循環を行った。
犬は体重約10kgのビーグル犬を用い、100cm3 /mi
n の血液を頸部に増設したシャントから取って透析器に
流した。尚、体外循環に先だって、生理食塩水で透析器
を洗浄した後、ヘパリン5U/cm3 を含有する生理食塩
水で透析器及び血液回路を充填し、その後血液を流し
た。透析器入口部で血液を採取し白血球数を測定した。
透析直前の白血球数を100とした時、透析後15分及
び30分の値を表6に示した。
リクロロ−1,2,2−トリフロロエタン/アセトン系
の溶剤と同等もしくはそれ以上の血液親和性を持つ再生
セルロース中空糸膜を与えることがわかる。
力が低く、新規な代替フロン溶剤、溶液として使用でき
る。とりわけ、本発明の溶剤、溶液は、フラッシュ紡糸
用の溶剤、洗浄剤、発泡材、中空糸製造用ガス、反応溶
剤等に極めて有用である。特に、フラッシュ紡糸用の溶
剤として重要である。
ゾン層を破壊することなく、トリクロロフロロメタンを
用いた場合と同等、もしくはそれ以上の強度、開繊性を
有する社会的に有用な三次元繊維が得られる。本発明を
活用すれば、従来公知のトリクロロフロロメタンを代替
し得る溶剤を用いたフラッシュ紡糸法に比べて格段に開
繊性に優れ、その上強度も高いポリオレフィンの三次元
繊維が、常に安定した生産性を保ち、容易に製造でき
る。この工業的意義は、計り知れない程の大きな価値を
持つ。
容器による測定装置の略図である。
る。
グラフであり、A)ブロモクロロメタン/二酸化炭素
(85/15wt%)と、B)ブロモクロロメタン/HF
C−134a(80/20wt%)及び(75/25wt
%)の溶媒組成の曇点曲線を示すグラフである。
クロロメタン/二酸化炭素(45/40/15wt%)、
(50/35/15wt%)、(50/40/10wt%)
の溶媒組成の曇点曲線を示したグラフである。
Claims (17)
- 【請求項1】 実質的にブロモクロロメタンおよび/ま
たは1,2−ジクロロエチレンからなる溶剤と共溶剤か
らなる混合溶剤であって、共溶剤を二酸化炭素、六フッ
化硫黄、ジフロロクロロメタン、1,1,1,2−テト
ラフロロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラ
フロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタン、
1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフロロ
プロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペ
ンタフロロプロパン、ドデカフロロペンタン、テトラデ
カフロロヘキサンからなる群の1種もしくはそれ以上か
ら選択し、共溶剤の混合溶剤中に含まれる割合が3〜6
5wt%であることを特徴とするハロゲン系溶剤。 - 【請求項2】 実質的にブロモクロロメタンと1,2−
ジクロロエチレンからなる2成分溶剤と共溶剤から構成
された混合溶剤であって、該2成分溶剤におけるブロモ
クロロメタンの割合が40〜75wt%であることを特徴
とする請求項1記載のハロゲン系溶剤。 - 【請求項3】 共溶剤の混合溶剤中に含まれる割合が1
0〜30wt%であることを特徴とする請求項1または2
記載のハロゲン系溶剤。 - 【請求項4】 安定剤として、プロピレンオキサイド、
1,2−ブチレンオキサイド、ニトロメタン、構造式
(I)で表されるホスファイト、構造式(2)で表され
るジホスファイト、構造式(3)で表されるジホスファ
イトからなる群の1種もしくはそれ以上を混合溶剤の
0.001〜5wt%含ませることを特徴とする請求項1
から3の何れか1項記載のハロゲン系溶剤。 【化1】 【化2】 【化3】 - 【請求項5】 高温高圧で調整したポリオレフィン溶液
であって、溶媒として請求項1から4の何れか1項記載
のハロゲン系溶剤を用い、該ポリオレフィン溶液におけ
るポリオレフィン濃度が5〜25wt%であることを特徴
とするポリオレフィン溶液。 - 【請求項6】 ポリオレフィンがポリエチレンであるこ
とを特徴とする請求項5記載のポリエチレン溶液。 - 【請求項7】 ポリオレフィンがポリプロピレンである
ことを特徴とする請求項5記載のポリプロピレン溶液。 - 【請求項8】 1,2−ジクロロエチレン中のトランス
体が30〜40wt%であることを特徴とする請求項5か
ら7の何れか1項記載のポリオレフィン溶液。 - 【請求項9】 高温高圧で調整したポリオレフィン溶液
を、減圧オリフィス、減圧室、紡口口金を通過させ、常
温常圧域に放出して、フィブリル化したポリオレフィン
三次元繊維を製造する方法において、溶媒として実質的
にブロモクロロメタンおよび/または1,2−ジクロロ
エチレンと共溶剤からなる混合溶剤を用い、共溶剤を二
酸化炭素、六フッ化硫黄、ジフロロクロロメタン、1,
1,1,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,
2,2,2−テトラフロロエタン、1−クロロ−1,1
−ジフロロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,3,
3,3−ペンタフロロプロパン、1,3−ジクロロ−
1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパン、ドデカフ
ロロペンタン、テトラデカフロロヘキサンからなる群の
1種もしくはそれ以上から選択し、共溶剤の混合溶剤中
に含まれる割合が3〜65wt%であり、該ポリオレフィ
ン溶液におけるポリオレフィン濃度が5〜25wt%であ
ることを特徴とするポリオレフィン三次元繊維の製造方
法。 - 【請求項10】 溶媒として実質的にブロモクロロメタ
ンと1,2−ジクロロエチレンからなる2成分溶剤と共
溶剤から構成された混合溶剤を用い、該2成分溶剤にお
けるブロモクロロメタンの割合を40〜75wt%とする
ことを特徴とする請求項9記載のポリオレフィン三次元
繊維の製造方法。 - 【請求項11】 共溶剤の混合溶剤中に含まれる割合が
10〜30wt%であることを特徴とする請求項9または
10項記載のポリオレフィン三次元繊維の製造方法。 - 【請求項12】 安定剤として、プロピレンオキサイ
ド、1,2−ブチレンオキサイド、ニトロメタン、構造
式(1)で表されるホスファイト、構造式(2)で表さ
れるジホスファイト、構造式(3)で表されるジホスフ
ァイトがらなる群の1種もしくはそれ以上を混合溶剤の
0.001〜5wt%含ませることを特徴とする請求項9
から11の何れか1項記載のポリオレフィン三次元繊維
の製造方法。 【化4】 【化5】 【化6】 - 【請求項13】 1,2−ジクロロエチレン中のトラン
ス体が30〜40wt%であることを特徴とする請求項9
から12の何れか1項記載のポリオレフィン三次元繊維
の製造方法。 - 【請求項14】 溶媒として実質的に80〜90wt%の
ブロモクロロメタンと20〜10wt%の二酸化炭素から
なる混合溶剤を用い、該溶液におけるポリオレフィン濃
度が10〜20wt%であることを特徴とする請求項9記
載のポリオレフィン三次元繊維の製造方法。 - 【請求項15】 溶媒として実質的に75〜85wt%の
ブロモクロロメタンと25〜15wt%の1,1,1,2
−テトラフロロエタンからなる混合溶剤を用い、該溶液
におけるポリオレフィン濃度が10〜20wt%であるこ
とを特徴とする請求項9記載のポリオレフィン三次元繊
維の製造方法。 - 【請求項16】 ポリオレフィンがポリエチレンである
ことを特徴とする請求項9から15の何れか1項記載の
ポリエチレン三次元繊維の製造方法。 - 【請求項17】 ポリオレフィンがポリプロピレンであ
ることを特徴とする請求項9から15の何れか1項記載
のポリプロピレン三次元繊維の製造方法。
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| JP19455191 | 1991-08-03 | ||
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| JP3-288766 | 1991-11-05 | ||
| JP28876691 | 1991-11-05 | ||
| JP28868291 | 1991-11-05 | ||
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| JP4-4938 | 1992-01-14 | ||
| JP493692 | 1992-01-14 | ||
| JP478092 | 1992-01-14 | ||
| JP4-4936 | 1992-01-14 | ||
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| JP1909692 | 1992-02-04 | ||
| JP3-288143 | 1992-02-04 | ||
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-
1992
- 1992-07-28 JP JP20116492A patent/JP3159797B2/ja not_active Expired - Lifetime
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