JP3228733B2 - 超伝導膜の形成方法 - Google Patents
超伝導膜の形成方法Info
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- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 超伝導膜形成方法に関し、 セラミックスを基板とした高臨界温度の超伝導膜の形
成並びに該基板と該超伝導膜間の化学反応を抑制し所用
の導体性能の確保を目的とし、 セラミックス基板上に所定温度で多層構造の金属膜
(緩衝層)を形成し、更にこの金属膜上に所定温度で超
伝導膜を形成するように構成する。
成並びに該基板と該超伝導膜間の化学反応を抑制し所用
の導体性能の確保を目的とし、 セラミックス基板上に所定温度で多層構造の金属膜
(緩衝層)を形成し、更にこの金属膜上に所定温度で超
伝導膜を形成するように構成する。
本発明は超伝導膜形成方法に関し、更に詳しくはセラ
ミックス基板上に、多層構造の緩衝層を形成し、この緩
衝層の上に酸化物超伝導体の配線を形成する方法に関す
る。
ミックス基板上に、多層構造の緩衝層を形成し、この緩
衝層の上に酸化物超伝導体の配線を形成する方法に関す
る。
電子装置等に用いる、電子素子間を相互接続するため
の配線基板として、セラミックス基板に配線を形成する
方法として、基板上に蒸着等を用いて薄膜を形成し、エ
ッチング技術により配線パターンを形成する方法、配線
導体を主成分としたペーストを印刷技術により基板上に
印刷パターンを作製、焼成し厚膜パターンを形成する方
法等が挙げられる。
の配線基板として、セラミックス基板に配線を形成する
方法として、基板上に蒸着等を用いて薄膜を形成し、エ
ッチング技術により配線パターンを形成する方法、配線
導体を主成分としたペーストを印刷技術により基板上に
印刷パターンを作製、焼成し厚膜パターンを形成する方
法等が挙げられる。
この膜の材料としてCu,Mo等の常伝導体のみならずNb,
Y−Ba−Cu−O系(M.K.Wu,L.R.Ashburn,C.J.Trong,P.H.
Hor,R.L.Meng,L.Gao,Z.J.Huang,Y.Q.Wang、およびC.W.C
hnu:Phy.Rev.Lett.,58,(1987)908参照)およびBi−S
r−Ca−Cu−O系(H.Maeda,Y.Tanaka,M.Fukutomi,and
T.Asano:Jpn.J.Appl.Phys.27(1988)L209参照)並びに
高野等によって報告されたBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系
(M.Takano,J.Takada,K.Oda,H.Kaitaguchi,Y.Miura,Y.I
keda;Y.Tomii,and H.Mazaki:Jpn.Appln.Phys:27(198
8)L1041参照)等の導体物質が挙げられる。しかし、こ
れらの常伝導や超伝導体等の導体物質の膜を基板上に形
成する際、膜と基板間の化学反応等の相互作用により、
目的の物質が均一組成で得られず、特に超伝導体の性能
を発揮できない場合があった。
Y−Ba−Cu−O系(M.K.Wu,L.R.Ashburn,C.J.Trong,P.H.
Hor,R.L.Meng,L.Gao,Z.J.Huang,Y.Q.Wang、およびC.W.C
hnu:Phy.Rev.Lett.,58,(1987)908参照)およびBi−S
r−Ca−Cu−O系(H.Maeda,Y.Tanaka,M.Fukutomi,and
T.Asano:Jpn.J.Appl.Phys.27(1988)L209参照)並びに
高野等によって報告されたBi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系
(M.Takano,J.Takada,K.Oda,H.Kaitaguchi,Y.Miura,Y.I
keda;Y.Tomii,and H.Mazaki:Jpn.Appln.Phys:27(198
8)L1041参照)等の導体物質が挙げられる。しかし、こ
れらの常伝導や超伝導体等の導体物質の膜を基板上に形
成する際、膜と基板間の化学反応等の相互作用により、
目的の物質が均一組成で得られず、特に超伝導体の性能
を発揮できない場合があった。
一方、本発明方法によって得られる超伝導膜と一見近
似した超伝導膜装置が知られている(日本特許公開公報
昭63−279521号)。すなわち、この装置は、セラミック
ス基板上に、両方間の熱膨張係数が10×10-6/Kより大き
い金属膜を形成し、この金属膜上にベロブスカイト型の
金属酸化物超伝導膜体の被膜を形成してなるものであ
る。この従来公知の発明は、本発明方法の目的とその目
的を異にしており、超伝導体自体の被膜に生じるクラッ
ク発生を防止するために所定の熱膨張係数の金属の導体
層をセラミックス基板と超伝導体層との間に介在せしめ
ている。
似した超伝導膜装置が知られている(日本特許公開公報
昭63−279521号)。すなわち、この装置は、セラミック
ス基板上に、両方間の熱膨張係数が10×10-6/Kより大き
い金属膜を形成し、この金属膜上にベロブスカイト型の
金属酸化物超伝導膜体の被膜を形成してなるものであ
る。この従来公知の発明は、本発明方法の目的とその目
的を異にしており、超伝導体自体の被膜に生じるクラッ
ク発生を防止するために所定の熱膨張係数の金属の導体
層をセラミックス基板と超伝導体層との間に介在せしめ
ている。
また特開昭63−305574号公報(昭和63年12月13日公
開)は、支持基板上に超伝導体を形成するための超伝導
体用基板において、前記支持基板と超伝導体との間に化
学的に反応を起こさない安定材を介在させて複合基板と
したことを特徴とする超伝導体用基板を開示する。しか
しこの特開昭63−305574はAl2O3基板上にPf,Pd,Ag,Au膜
を蒸着、スパッタ、溶射、メッキ等により形成し、その
上にY−Ba−Cu−O系超伝導体膜を形成するものであ
り、安定材としての上記金属膜を複数層形成する考えは
示されていない。
開)は、支持基板上に超伝導体を形成するための超伝導
体用基板において、前記支持基板と超伝導体との間に化
学的に反応を起こさない安定材を介在させて複合基板と
したことを特徴とする超伝導体用基板を開示する。しか
しこの特開昭63−305574はAl2O3基板上にPf,Pd,Ag,Au膜
を蒸着、スパッタ、溶射、メッキ等により形成し、その
上にY−Ba−Cu−O系超伝導体膜を形成するものであ
り、安定材としての上記金属膜を複数層形成する考えは
示されていない。
従ってこの従来技術は本発明の目的と構成を異にす
る。
る。
本発明の目的は、セラミックス基板と超伝導体の膜間
の化学反応を抑制又は防止して均一な超伝導体の膜を形
成することにある。
の化学反応を抑制又は防止して均一な超伝導体の膜を形
成することにある。
更に本発明の他の目的はセラミックス基板と超伝導体
膜との間に2以上の金属層を所定方法で形成することに
より金属層のピンホールの発精生等を抑制又は防止する
ことをその目的とする。
膜との間に2以上の金属層を所定方法で形成することに
より金属層のピンホールの発精生等を抑制又は防止する
ことをその目的とする。
本発は、上記課題を解決することを目的とするもので
ある。この目的達成のため、本発明者らは、鋭意研究を
重ねた結果、基板と超伝導体の膜間の化学反応を抑制す
るため、該超伝導体膜の物質と反応しにくい緩衝物質を
基板と該超伝導体膜間に複数層、所定方法にて形成する
ことが有効であることの知見を得て本発明を完成したの
である。
ある。この目的達成のため、本発明者らは、鋭意研究を
重ねた結果、基板と超伝導体の膜間の化学反応を抑制す
るため、該超伝導体膜の物質と反応しにくい緩衝物質を
基板と該超伝導体膜間に複数層、所定方法にて形成する
ことが有効であることの知見を得て本発明を完成したの
である。
すなわち、本発明はセラミック基板上にI b族(銅族:
Cu,Ag,Au)又はVIII族(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)
の金属膜を形成し、更にこの金属膜上に酸化物超伝導膜
を形成する方法であって、 前記金属膜を同種又は異種の金属層からなる二層以上
の多層構造の金属膜となし、更に該金属膜の形成を、該
超伝導膜の形成よりもより高い温度で原料ペーストの塗
膜を焼成することで行いかつ該超伝導膜の形成を、超伝
導体の結晶を成長させる温度範囲内で原料ペーストの塗
膜を焼成することで行うことを特徴とする。
Cu,Ag,Au)又はVIII族(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)
の金属膜を形成し、更にこの金属膜上に酸化物超伝導膜
を形成する方法であって、 前記金属膜を同種又は異種の金属層からなる二層以上
の多層構造の金属膜となし、更に該金属膜の形成を、該
超伝導膜の形成よりもより高い温度で原料ペーストの塗
膜を焼成することで行いかつ該超伝導膜の形成を、超伝
導体の結晶を成長させる温度範囲内で原料ペーストの塗
膜を焼成することで行うことを特徴とする。
以下、本発明を添付の図面を参照しつつ更に説明す
る。
る。
本発は上記の記載から明らかなように、例えば、アル
ミナ基板又はY2O3安定化ジルコニア基板の如きセラミッ
クス基板上に2以上の多層の金属膜(緩衝層)を形成す
る工程と、この金属膜上に酸化物超伝導体の膜を形成す
る工程とから成るものであり、以下、各々の工程につい
て説明する。
ミナ基板又はY2O3安定化ジルコニア基板の如きセラミッ
クス基板上に2以上の多層の金属膜(緩衝層)を形成す
る工程と、この金属膜上に酸化物超伝導体の膜を形成す
る工程とから成るものであり、以下、各々の工程につい
て説明する。
2以上の多層の金属膜を形成する工程において、金属
膜の材料としては以下の材料が用いられる。すなわち、
セラミックス基板上に形成される第1番目の金属膜の材
料としては、IB属金属、又はこのIB属と同じ結晶構造を
有し、原子番号が隣接した元素、例えばVIII族の鉄族
(Fe,Co,Ni)または白金族(例えばPd,Pt)に属する金
属が用いられる。また、第IB属の金属と酸素を介して結
合しうる金属、例えばCr等をも用いることができる。
膜の材料としては以下の材料が用いられる。すなわち、
セラミックス基板上に形成される第1番目の金属膜の材
料としては、IB属金属、又はこのIB属と同じ結晶構造を
有し、原子番号が隣接した元素、例えばVIII族の鉄族
(Fe,Co,Ni)または白金族(例えばPd,Pt)に属する金
属が用いられる。また、第IB属の金属と酸素を介して結
合しうる金属、例えばCr等をも用いることができる。
次に第1番目の金属膜上に形成される第2番目の金属
膜を構成する金属は、第1番目の金属膜の金属と密着し
やすい金属であればよい。具体的には、第2番目の金属
膜の金属は、前記金属の内の一種であればよく、同一金
属でもあるいは異なる金属であってもよい。金属層元素
としては酸化物超伝導体物質に影響を及ぼすことが少な
いもの、或いは多少置換されたとしても、超伝導相発現
に影響を及ぼさないものが用いうる。金属層元素として
Cu,Fe,Co,Ni等を用いる場合、金属層を形成する焼成雰
囲気としては不活性ガス雰囲気でなす。そして、超伝導
体層を形成する焼成雰囲気としては大気中等酸化性雰囲
気で焼成される為、金属層の表面層が酸化されることも
考えられるが、上に形成される超伝導体物質と反応しな
いものであれば良い。
膜を構成する金属は、第1番目の金属膜の金属と密着し
やすい金属であればよい。具体的には、第2番目の金属
膜の金属は、前記金属の内の一種であればよく、同一金
属でもあるいは異なる金属であってもよい。金属層元素
としては酸化物超伝導体物質に影響を及ぼすことが少な
いもの、或いは多少置換されたとしても、超伝導相発現
に影響を及ぼさないものが用いうる。金属層元素として
Cu,Fe,Co,Ni等を用いる場合、金属層を形成する焼成雰
囲気としては不活性ガス雰囲気でなす。そして、超伝導
体層を形成する焼成雰囲気としては大気中等酸化性雰囲
気で焼成される為、金属層の表面層が酸化されることも
考えられるが、上に形成される超伝導体物質と反応しな
いものであれば良い。
この金属膜は、有機物と金属粉末からのみなるペース
ト(フリットガラスを含まない)を印刷、乾燥、焼成し
てセラミックス基板、例えばアルミナ基板に金属膜を形
成する。焼成後、さらに、同様にして、同種又は異種の
金属ペーストを先に焼成した金属膜の上に印刷、焼成し
て2層以上の金属層を形成したアルミナ基板を作製す
る。この金属層は緩衝層として作用する。
ト(フリットガラスを含まない)を印刷、乾燥、焼成し
てセラミックス基板、例えばアルミナ基板に金属膜を形
成する。焼成後、さらに、同様にして、同種又は異種の
金属ペーストを先に焼成した金属膜の上に印刷、焼成し
て2層以上の金属層を形成したアルミナ基板を作製す
る。この金属層は緩衝層として作用する。
この緩衝層の上に、酸化物超伝導物質または、その組
成物を堆積し、熱処理することによって、超伝導膜を得
る。
成物を堆積し、熱処理することによって、超伝導膜を得
る。
超伝導物質と化学反応しにくい金属膜物質を見出して
も、それだけでは、金属膜の材料組織の状態によって、
超伝導体の形成を妨げることがあることがわかった。
も、それだけでは、金属膜の材料組織の状態によって、
超伝導体の形成を妨げることがあることがわかった。
すなわち、金属膜形成の際の焼成温度が、酸化物超伝
導体の焼結温度よりも高いことが必須である。これは、
金属膜形成の焼成温度が酸化物超伝導体の焼成温度と同
程度または低いと、金属膜を構成している金属表面付近
のエネルギー状態(これは焼成のために主に用いられ
る)が高温焼成の場合に比べ、高い場合があるためであ
る。この場合、酸化物超伝導体の熱処理中、金属膜中の
金属が物質移動を起こし、超伝導膜の組成がゆらぎ、超
伝導発現が阻害される。また、超伝導膜の形成を超伝導
体の結晶を成長させる温度範囲内で行うことが必要であ
る。
導体の焼結温度よりも高いことが必須である。これは、
金属膜形成の焼成温度が酸化物超伝導体の焼成温度と同
程度または低いと、金属膜を構成している金属表面付近
のエネルギー状態(これは焼成のために主に用いられ
る)が高温焼成の場合に比べ、高い場合があるためであ
る。この場合、酸化物超伝導体の熱処理中、金属膜中の
金属が物質移動を起こし、超伝導膜の組成がゆらぎ、超
伝導発現が阻害される。また、超伝導膜の形成を超伝導
体の結晶を成長させる温度範囲内で行うことが必要であ
る。
これらの範囲外で焼結すると超伝導物質の結晶成長が
良好でなく所期の臨界温度を有する超伝導現象が得られ
ないからである。
良好でなく所期の臨界温度を有する超伝導現象が得られ
ないからである。
更にまた、良好な超伝導特性の高温超伝導膜を作製す
るには熱処理時に、該超伝導膜が溶融する温度にするこ
とが好ましいことがある。このとき、緩衝層にピンホー
ルがあると、溶融している超伝導を得るための組成物が
一部、セラミックス基板の方に移動して組成がずれ、良
好な超伝導膜が得られなくなる。
るには熱処理時に、該超伝導膜が溶融する温度にするこ
とが好ましいことがある。このとき、緩衝層にピンホー
ルがあると、溶融している超伝導を得るための組成物が
一部、セラミックス基板の方に移動して組成がずれ、良
好な超伝導膜が得られなくなる。
すなわち、本発明方法は金属層(緩衝層)を2層以上
の多層構造に形成しかつ金属層形成のための焼成温度
を、酸化物超伝導体の焼成温度よりも高い温度で行うこ
とにより、超伝導膜の焼成中における緩衝層次いで基板
への超伝導物質の拡散が無く(すなわち、緩衝層および
基板への物質移動が抑制または防止され)、良好な超伝
導層が形成される。これは、緩衝層でのピンホールの発
生が防止され、かつ緩衝層中の粒界ポアが低減するため
と考えられる。なお、基板上に超伝導膜を形成するため
の焼成温度は後記のように超伝導体の結晶を成長させる
温度範囲から選定される。従って、超伝導体を構成する
系によってその温度範囲は異なる。
の多層構造に形成しかつ金属層形成のための焼成温度
を、酸化物超伝導体の焼成温度よりも高い温度で行うこ
とにより、超伝導膜の焼成中における緩衝層次いで基板
への超伝導物質の拡散が無く(すなわち、緩衝層および
基板への物質移動が抑制または防止され)、良好な超伝
導層が形成される。これは、緩衝層でのピンホールの発
生が防止され、かつ緩衝層中の粒界ポアが低減するため
と考えられる。なお、基板上に超伝導膜を形成するため
の焼成温度は後記のように超伝導体の結晶を成長させる
温度範囲から選定される。従って、超伝導体を構成する
系によってその温度範囲は異なる。
以下、更に実施例により本発明を説明する。
実施例1 本発明方法の概要の工程を第1図および第2図に示
す。第1図は金属膜付基板の製造工程を示し、第2図は
アルミナ基板上に超伝導膜を形成する工程を示す。
す。第1図は金属膜付基板の製造工程を示し、第2図は
アルミナ基板上に超伝導膜を形成する工程を示す。
以下、更に説明する。
純度99.7%のAl2O3基板上に平均粒径1μmの純度99.
9%以上のAg粉末、および有機物(溶剤および有機樹
脂;有機樹脂の重量部はAg粉末100重量部に対し0.8重量
部である)のビヒクルからなるAgペーストを印刷した。
プリント基板を110℃で乾燥した後、大気中で800〜970
℃の温度の種々の条件下で10分間焼成した。焼成したAg
膜の上に同じ領域でAgペーストを印刷、乾燥した後、焼
成し、金属膜付き基板を作成した(第1図)。この場
合、数μmより薄いと形成される金属層にむらが生ずる
ので1回の焼成で形成される金属層の膜厚はピンホール
発生を抑制する為数μm以上、好ましくは10μm以上で
ある。そして複数回の金属層印刷と焼成により得られる
金属層全体の膜厚は20μm以上であった。本実施例では
1回の焼成で形成されるAg層の厚さは10μmであり、2
回のAgペーストの塗布と焼成により、20μmのAg層が形
成された。
9%以上のAg粉末、および有機物(溶剤および有機樹
脂;有機樹脂の重量部はAg粉末100重量部に対し0.8重量
部である)のビヒクルからなるAgペーストを印刷した。
プリント基板を110℃で乾燥した後、大気中で800〜970
℃の温度の種々の条件下で10分間焼成した。焼成したAg
膜の上に同じ領域でAgペーストを印刷、乾燥した後、焼
成し、金属膜付き基板を作成した(第1図)。この場
合、数μmより薄いと形成される金属層にむらが生ずる
ので1回の焼成で形成される金属層の膜厚はピンホール
発生を抑制する為数μm以上、好ましくは10μm以上で
ある。そして複数回の金属層印刷と焼成により得られる
金属層全体の膜厚は20μm以上であった。本実施例では
1回の焼成で形成されるAg層の厚さは10μmであり、2
回のAgペーストの塗布と焼成により、20μmのAg層が形
成された。
金属層を焼成するために800℃で焼成した基板を用い
る場合において、以下に述べる超伝導膜の焼成を行うと
超伝導物質の成分がAg膜を通してアルミナ基板に達して
いた。一方、金属層を焼成するために900℃〜955℃で焼
成した基板を用いる場合には、以下に示す焼成では、ア
ルミナ基板への超伝導物質の成分の拡散は検出されなか
った。金属層を焼成するために、約960℃以上で焼成し
た場合にはAgは溶け出し表面張力のため基板上で膜を形
成しない。
る場合において、以下に述べる超伝導膜の焼成を行うと
超伝導物質の成分がAg膜を通してアルミナ基板に達して
いた。一方、金属層を焼成するために900℃〜955℃で焼
成した基板を用いる場合には、以下に示す焼成では、ア
ルミナ基板への超伝導物質の成分の拡散は検出されなか
った。金属層を焼成するために、約960℃以上で焼成し
た場合にはAgは溶け出し表面張力のため基板上で膜を形
成しない。
第1図に示すように基板上に複数の金属層を形成する
ために高温で2回焼成して得られた基板を次の工程用に
用いた。
ために高温で2回焼成して得られた基板を次の工程用に
用いた。
高温超伝導膜は次のようにして形成した。
Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系(但し、最終pbの量は微量
であるか、または検出されなかった)では110K級の臨界
温度を持つ高温超伝導体のバルクを作製した。Bi−Pb−
Sr−Ca−Cu−O系の組成の一例としては、Bi0.7Pb0.3Sr
1Ca1Cu1.8O9.15の組成比のものを用いた。このバルク
試料を乳鉢で粗粉砕した後、ボールミルでさらに粉砕
し、平均粒子径が約10μm以下の粉末となるようにし
た。この粉末と有機物からなるビヒクルを調合、混練
し、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系粉末を主成分としたペー
ストを作成した。このペーストを、緩衝層無しのアルミ
ナ基板、および金属層を形成するために約900℃で焼成
した金属膜付アルミナ基板上に印刷し次いで乾燥した。
超伝導物質(又は超伝導形成物質)のペーストを用いて
印刷された基板を大気中で焼成し、超伝導膜付基板を作
製した(第2図参照)。
であるか、または検出されなかった)では110K級の臨界
温度を持つ高温超伝導体のバルクを作製した。Bi−Pb−
Sr−Ca−Cu−O系の組成の一例としては、Bi0.7Pb0.3Sr
1Ca1Cu1.8O9.15の組成比のものを用いた。このバルク
試料を乳鉢で粗粉砕した後、ボールミルでさらに粉砕
し、平均粒子径が約10μm以下の粉末となるようにし
た。この粉末と有機物からなるビヒクルを調合、混練
し、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系粉末を主成分としたペー
ストを作成した。このペーストを、緩衝層無しのアルミ
ナ基板、および金属層を形成するために約900℃で焼成
した金属膜付アルミナ基板上に印刷し次いで乾燥した。
超伝導物質(又は超伝導形成物質)のペーストを用いて
印刷された基板を大気中で焼成し、超伝導膜付基板を作
製した(第2図参照)。
焼成温度は、超伝導体の結晶を成長させる温度範囲か
ら選定される。
ら選定される。
形成される超伝導体層の膜厚は、スクリーン印刷のメ
ッシュにもよるが、5〜100μmである。本実施例では
約80μmの超伝導体層が形成された。
ッシュにもよるが、5〜100μmである。本実施例では
約80μmの超伝導体層が形成された。
Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系の場合においては、焼成温
度は、830〜860℃である。従って本実施例では後記の第
1表に示すように870℃(比較例1)および840℃(実施
例1〜4)で焼成した。比較例2は、Ag金属膜の無い例
である。
度は、830〜860℃である。従って本実施例では後記の第
1表に示すように870℃(比較例1)および840℃(実施
例1〜4)で焼成した。比較例2は、Ag金属膜の無い例
である。
比較例1の試料は、Cu Kの線を用いたX線回折測定の
結果、膜表面でAg、約10KのTcを有するBi−Sr−Cu−O
超伝導相、CaO,CuOが検出され、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−
O系の80Kないし110K級の臨界温度を持つ超伝導体の高T
c相の結晶のピークは検出されなかった。
結果、膜表面でAg、約10KのTcを有するBi−Sr−Cu−O
超伝導相、CaO,CuOが検出され、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−
O系の80Kないし110K級の臨界温度を持つ超伝導体の高T
c相の結晶のピークは検出されなかった。
他のBi−Sr−Cu−O超伝導相に関する文献は、次の如
くである: (1)J.Akimitsu,A.Yamazaki,H.Sawa and H.Fujiki;Jp
n.J.Appl.Phys.26(1987)L2080。
くである: (1)J.Akimitsu,A.Yamazaki,H.Sawa and H.Fujiki;Jp
n.J.Appl.Phys.26(1987)L2080。
(2)C.Michel,M.Hervien,H.M.Borel,A.Grandin,F.Des
landes,J.Provost and B.Raveau:Z.Phys.B68(1987)42
1。
landes,J.Provost and B.Raveau:Z.Phys.B68(1987)42
1。
実施例1〜4の試料についてX線回折のパターンを第
3図に示す。これらいずれの試料も80Kないし110K級の
臨界温度を持つ超伝導体の低Tc相及び高Tc相の結晶のピ
ークが検出された。焼成時間が1,6,50時間では焼成時間
が増すと110K級の臨界温度を有する、対応した超伝導結
晶のピークが大きくなる傾向にあり、90時間の焼成で
は、逆に減る傾向にあった。第4図に実施例2〜4の各
試料の電気抵抗率の温度依存の測定結果の例を示す。実
施例3の試料でTce(TCエンドポイント)が約90Kの超伝
導膜となった。比較例2の試料は基板との反応が観察さ
れ、超伝導への遷移が観測されなかった。
3図に示す。これらいずれの試料も80Kないし110K級の
臨界温度を持つ超伝導体の低Tc相及び高Tc相の結晶のピ
ークが検出された。焼成時間が1,6,50時間では焼成時間
が増すと110K級の臨界温度を有する、対応した超伝導結
晶のピークが大きくなる傾向にあり、90時間の焼成で
は、逆に減る傾向にあった。第4図に実施例2〜4の各
試料の電気抵抗率の温度依存の測定結果の例を示す。実
施例3の試料でTce(TCエンドポイント)が約90Kの超伝
導膜となった。比較例2の試料は基板との反応が観察さ
れ、超伝導への遷移が観測されなかった。
実施例2 セラミックス基板として部分安定化Y2O3−ジルコニア
基板を用いた実施例を説明する。
基板を用いた実施例を説明する。
ジルコニア基板上に平均粒径1μmの純度99.9%以上
のAg粉末、および有機物のビヒクルからなるAgベースト
を印刷、110℃で乾燥した後、大気中で900〜960℃間の
温度で10分間焼成する。焼成したAg膜の上に同じ要領で
Agペーストを印刷、乾燥した後、焼成し、金属層が2層
付いたジルコニア基板を作製する。一方、Bi−Pb−Sr−
Ca−Cu−O系で110K級の臨界温度を持つ高温超伝導体の
バルクを作製する。このバルク試料を乳鉢で組粉砕した
後、ボールミルでさらに粉砕し、平均粒子径が約10μm
以下の粉末となるようにする。この粉末と有機物からな
るビヒクルを調合、混練し、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系
粉末を主成分としたペーストを作製した。このペースト
をジルコニア基板上直に、および金属層が2層付いたジ
ルコニア基板の金属層上に印刷、乾燥した後、大気中で
840〜860℃で焼成する。
のAg粉末、および有機物のビヒクルからなるAgベースト
を印刷、110℃で乾燥した後、大気中で900〜960℃間の
温度で10分間焼成する。焼成したAg膜の上に同じ要領で
Agペーストを印刷、乾燥した後、焼成し、金属層が2層
付いたジルコニア基板を作製する。一方、Bi−Pb−Sr−
Ca−Cu−O系で110K級の臨界温度を持つ高温超伝導体の
バルクを作製する。このバルク試料を乳鉢で組粉砕した
後、ボールミルでさらに粉砕し、平均粒子径が約10μm
以下の粉末となるようにする。この粉末と有機物からな
るビヒクルを調合、混練し、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系
粉末を主成分としたペーストを作製した。このペースト
をジルコニア基板上直に、および金属層が2層付いたジ
ルコニア基板の金属層上に印刷、乾燥した後、大気中で
840〜860℃で焼成する。
ジルコニア基板上に直に印刷、乾燥、焼成した試料
は、基板との密着がよくなく、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O
膜が剥離し易い、さらに77K付近で抵抗が残留する。一
方、金属層上に超伝導物質(又は超伝導形成物質)のペ
ーストを印刷し、乾燥、焼成した試料は、Bi−Pb−Sr−
Ca−Cu−O膜が剥離しにくく、Tco約110K、Tce約90Kの
超伝導膜となる。
は、基板との密着がよくなく、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O
膜が剥離し易い、さらに77K付近で抵抗が残留する。一
方、金属層上に超伝導物質(又は超伝導形成物質)のペ
ーストを印刷し、乾燥、焼成した試料は、Bi−Pb−Sr−
Ca−Cu−O膜が剥離しにくく、Tco約110K、Tce約90Kの
超伝導膜となる。
実施例3 金属層として銀ペーストに代えてAuペーストを用い、
Auペースト印刷基板の焼成を900℃でなした以外は、実
施例1と同様の工程で超伝導体層配線パターンを有する
回路基板を作成し、実施例1と同様の結果を得た。
Auペースト印刷基板の焼成を900℃でなした以外は、実
施例1と同様の工程で超伝導体層配線パターンを有する
回路基板を作成し、実施例1と同様の結果を得た。
以上、金属層として二層の構造からなる例について説
明したが、前記第2の金属膜上に更に該第2の金属と密
着性を有する金属からなる第3の金属膜を形成し、3層
構造の緩衝層とすることも可能である。
明したが、前記第2の金属膜上に更に該第2の金属と密
着性を有する金属からなる第3の金属膜を形成し、3層
構造の緩衝層とすることも可能である。
以上説明したように本発明は構成されるものであるか
ら、セラミックスを基板として高臨界温度の超伝導厚膜
を形成できる。また常伝導金属を緩衝層として用いてい
るので、この緩衝層を常伝導体と超伝導膜との良好な接
続を保った媒体として用いることができ、この結果、所
用の導体の性能を発揮させる効果を奏する。
ら、セラミックスを基板として高臨界温度の超伝導厚膜
を形成できる。また常伝導金属を緩衝層として用いてい
るので、この緩衝層を常伝導体と超伝導膜との良好な接
続を保った媒体として用いることができ、この結果、所
用の導体の性能を発揮させる効果を奏する。
第1図は、本発明の一実施例を示す工程図であり、 第2図は、本発明における金属膜付基板製造の一例を示
す工程図であり、 第3図は、本発明方法によって得られた試料のX線回折
パターン図であり、 第4図は、本発明方法によって得られた試料の電気抵抗
率の温度依存を示すグラフである。
す工程図であり、 第3図は、本発明方法によって得られた試料のX線回折
パターン図であり、 第4図は、本発明方法によって得られた試料の電気抵抗
率の温度依存を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 紘一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−248696(JP,A) 特開 平1−286920(JP,A) 特開 昭64−72410(JP,A) 特開 昭64−27294(JP,A) 特開 昭63−305574(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/22 - 39/24 H01L 39/00 H01B 12/06 H01B 13/00 H05K 3/24
Claims (1)
- 【請求項1】セラミックス基板上に酸化物超伝導体から
なる超伝導膜を形成する方法であって、 セラミックス基板上に、周期律表のI b族(銅族)又はV
III族の金属を含む原料ペーストを塗布し、得られた塗
膜を前記超伝導膜の形成に用いられる焼結温度よりも高
い温度で焼成することを反復して、同種又は異種の前記
金属からなる二層以上の多層構造の金属膜を形成する工
程、及び 前記セラミックス基板上に、前記多層構造の金属膜を介
して、前記超伝導膜の原料ペーストを塗布し、得られた
塗膜を超伝導体の結晶を成長させる温度範囲内で焼結す
る工程 を含んでなることを特徴とする超伝導膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01264190A JP3228733B2 (ja) | 1989-01-24 | 1990-01-24 | 超伝導膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1311789 | 1989-01-24 | ||
| JP1-13117 | 1989-01-24 | ||
| JP01264190A JP3228733B2 (ja) | 1989-01-24 | 1990-01-24 | 超伝導膜の形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02290975A JPH02290975A (ja) | 1990-11-30 |
| JP3228733B2 true JP3228733B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=26348276
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01264190A Expired - Fee Related JP3228733B2 (ja) | 1989-01-24 | 1990-01-24 | 超伝導膜の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3228733B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5400543B2 (ja) * | 2009-09-24 | 2014-01-29 | 田中貴金属工業株式会社 | 回路基板の貫通電極の形成方法 |
-
1990
- 1990-01-24 JP JP01264190A patent/JP3228733B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02290975A (ja) | 1990-11-30 |
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