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JP3352883B2 - 光定着型感熱記録媒体 - Google Patents
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JP3352883B2 - 光定着型感熱記録媒体 - Google Patents

光定着型感熱記録媒体

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JP3352883B2
JP3352883B2 JP17949996A JP17949996A JP3352883B2 JP 3352883 B2 JP3352883 B2 JP 3352883B2 JP 17949996 A JP17949996 A JP 17949996A JP 17949996 A JP17949996 A JP 17949996A JP 3352883 B2 JP3352883 B2 JP 3352883B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光定着型感熱記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に普及している感熱記録媒体
(感熱記録紙と称する場合がある。)はロイコ染料系の
発色材料を用いたものである。このような感熱記録媒体
の特徴の一つとして現像・定着工程が不要であるという
点が挙げられる。
【0003】しかしながら、この現像・定着工程が不要
であるという特徴は、逆に画像保存性が不十分であると
いう欠点となっている。例えば、熱記録後に故意に、ま
たは誤って加熱されると白色部が発色し、記録が読めな
くなる可能性や改ざんの可能性がでてくる。このため、
完全定着による改ざんの防止は乗車券・定期券などの印
字の即時性を求められる有価証券に準じる物の記録媒体
に強く求められている。
【0004】このような背景から近年では、ロイコ染料
系の発色材料を用いた感熱記録媒体の欠点を解消するも
のとして、光分解可能なジアゾニウム塩を用いた光定着
型の感熱記録媒体が提供されている。この感熱記録媒体
は、ジアゾニウム塩と、カプラーと、塩基性化合物(有
機塩基または塩基性有機物質と称する場合もある。)と
を含む発色層を支持体上に具えたものである。そして、
良好なシェルライフと高い熱感度とを両立させるため、
ジアゾニウム塩をマイクロカプセル化してあるもの、す
なわちジアゾニウム塩がマイクロカプセルに内包されて
いるものが知られている。
【0005】そして、このような感熱記録媒体の中で
も、赤色に発色するものは印影イメージの印字部分など
に用いることが望まれている。また、印影イメージの印
字や目視による記録の認識性を上げるために、赤・黒の
二色発色が可能なものが特に強く求められている。
【0006】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光分解
可能なジアゾニウム塩を用いた光定着型の感熱記録媒体
として、青色に発色するものが多く、赤色に発色するも
のは少ない。
【0008】また、赤・黒の二色発色が可能な感熱記録
媒体として文献1:「“二色発光型記録紙”,電子写
真、第26巻,第1号,p26−30」、文献2:
「“TAシステム直接感熱型フルカラー記録材料”,Ja
pan Hardcopy ,94 Proce. ,p165−168」、文献
3:特開平3−288688および文献4:特開平4−
28585に開示されているものがある。
【0009】文献1には、二種類のジアゾニウム塩と二
種類のカプラーとを用いて赤・黒の二色発色による画像
記録を行う感熱記録媒体(文献1では二色発光型記録紙
と称する。)が開示されている。ジアゾニウム塩とし
て、400nmに最大吸収を持つ光分解可能な第1のジ
アゾニウム塩と、310nmに最大吸収を持つ光分解で
きない第2のジアゾニウム塩とを使用する。また、カプ
ラーとして、ナフトール系の第1のカプラーと、活性メ
チレン系の第2のカプラーとを使用する。この場合、第
1のジアゾニウム塩と第1のカプラーとの反応で青に発
色し、第1のジアゾニウム塩と第2のカプラーとの反応
で黄に発色し、第2のジアゾニウム塩と第1のカプラー
との反応で赤に発色する。ただし、第2のジアゾニウム
塩と第2のカプラーとの反応では発色しない。従って、
この感熱記録媒体を加熱すると、第1のジアゾニウム塩
と、第1および第2のカプラーとの反応から緑に発色
し、第2のジアゾニウム塩と、第1および第2のカプラ
ーとの反応から赤に発色し、緑と赤との混色により見か
け上、黒に発色する。その後、この感熱記録媒体に42
0nm付近に発光ピークを持つ蛍光灯の光を照射し、第
1のジアゾニウムを光分解すると第1のジアゾニウム塩
は第1および第2のカプラーとの反応性を失う。その
後、感熱記録媒体を再度加熱すると、第2のジアゾニウ
ム塩と、第1および第2のカプラーとの反応から赤に発
色する。以上の操作により赤・黒の二色発色による画像
記録が可能となる。
【0010】また、文献2〜4には、支持体上に熱感度
の異なるシアン、イエロー、およびマゼンダの3層の発
色層を積層し、最上層に耐熱性保護層を設けて、フルカ
ラー画像記録を行う感熱記録媒体(文献2〜4では感熱
記録材料と称する。)が開示されている。イエロー層に
は420nmの光で分解可能なジアゾニウム塩を発色成
分の一つとして用い、マゼンダ層には360nmの光で
分解可能なジアゾニウム塩を発色成分の一つとして用
い、シアン層には塩基性ロイコ染料を発色成分の一つと
して用いている。そして、この感熱記録媒体に対しイ
エロー層の書き込み、420nmの紫外線によるイエ
ロー層の定着、マゼンダ層の書き込み、365nm
の紫外線によるマゼンダ層の定着、シアン層の書き込
みという一連の処理を行うことによってフルカラー画像
記録が可能となる。ただし、この場合、イエロー層の書
き込み、マゼンダ層の書き込み、およびシアン層の書き
込みの順に書き込みの際の温度が高くなる。
【0011】しかしながら、以上の文献1および文献2
〜4に開示の感熱記録媒体であっても、画像を完全に定
着させることは不可能であった。具体的には、文献1に
開示の感熱記録媒体では赤発色性の定着ができず、また
文献2〜4に開示の感熱記録媒体ではシアン層の画像定
着ができなかった。
【0012】
【0013】従って、赤色系に発色する光定着型の感熱
記録媒体の出現や赤・黒の二色発色が可能な光定着型の
感熱記録媒体の出現が望まれていた。
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の第
1の光定着型感熱記録媒体によれば、マイクロカプセル
に内包されたジアゾニウム塩と、カプラーと、塩基性化
合物とを含む発色層を具えた光定着型感熱記録媒体にお
いて、ジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−4’−n−ブチ
ルジフェニルエーテル塩(4-diazo-4'-n-butyl-dipheny
lether Salt )から成るものとし、カプラーを、ナフト
ールASから成る第1のカプラーと、ナフトールAS−
Gから成る第2のカプラーとから成るものとしたことを
特徴とする。
【0016】ここで、ジアゾニウム塩は、テトラフルオ
ロボレート(BF4 )塩、ヘキサフルオロホスフェート
(PF6 )塩、およびテトラフェニルボレート(TP
B)塩の形で用いるのが望ましい。
【0017】このように光定着型感熱記録媒体を構成し
た場合、この感熱記録媒体に画像を記録し、記録した画
像を定着させるために、先ず、この感熱記録媒体に熱エ
ネルギーを印加して画像の記録(熱書き込みと称する場
合がある。)を行う。この場合、熱エネルギーを印加す
ることにより得られる第1および第2のカプラー、並び
に塩基性化合物を含む融解液がマイクロカプセルを透過
して、ジアゾニウム塩と反応する。ジアゾニウム塩は、
第1のカプラーと反応してマゼンダに発色し、第2のカ
プラーと反応して黄色に発色する。すなわち、黄色およ
びマゼンダの発色が同時に生じるため、見かけ上、赤に
発色する。また、ジアゾニウム塩をマイクロカプセル内
に高濃度に内包させることができるため、感熱記録媒体
の発色濃度を高くすることができる。
【0018】その後、この感熱記録媒体にジアゾニウム
塩が分解可能な波長の光を照射する。この場合、未反応
のジアゾニウム塩は、この光を吸収して分解して第1お
よび第2のカプラーとの反応性を失う。その結果、以
後、熱エネルギーを印加しても、赤に発色することはな
いため、赤色画像が定着する。
【0019】また、この発明の第2の光定着型感熱記録
媒体によれば、マイクロカプセルに内包された、第1の
ジアゾニウム塩及び第2のジアゾニウム塩と、カプラー
と、塩基性化合物とを含む発色層を具えた光定着型感熱
記録媒体において、マイクロカプセルに内包される第1
のジアゾニウム塩を、4−(4’−メチルフェニルチ
オ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩(4
−(4’−Methylphenylthio)−2,
5−Diethoxybenzendiazonium
Salt)から成るものとし、マイクロカプセルに内
包される第2のジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−4’−
n−ブチルジフェニルエーテル塩(4−diazo−
4’−n−butyl−diphenylether
Salt )から成るものとし、カプラーを、ナフトー
ルASから成る第1のカプラーと、ナフトールAS−G
から成る第2のカプラーとから成るものとしたことを特
徴とする。尚、上述したこの発明の第2の光定着型感熱
記録媒体における、第1及び第2のジアゾニウム塩と、
第1及び第2のカプラーについて詳細は後述する。
【0020】このように光定着型感熱記録媒体を構成し
た場合、この感熱記録媒体に画像を記録し、記録した画
像を定着させるために、先ず、この感熱記録媒体に熱エ
ネルギーを印加して画像の記録を行う。この場合、熱エ
ネルギーを印加することにより得られる第1および第2
のカプラー、並びに塩基性化合物を含む融解液がマイク
ロカプセルを透過して、第1および第2のジアゾニウム
塩と反応する。第1のジアゾニウム塩は、第1のカプラ
ーと反応して青に発色し、第2のカプラーと反応して黄
色に発色する。同様に、第2のジアゾニウム塩は、第1
のカプラーと反応してマゼンダに発色し、第2のカプラ
ーと反応して黄色に発色する。すなわち、青、黄色、お
よびマゼンダの発色が同時に生じるため、見かけ上、黒
に発色する。この工程を第1の熱書き込み工程と称す
る。
【0021】その後、この感熱記録媒体に第1の光を照
射する。この場合、第1の熱書き込み工程において未反
応であった第1のジアゾニウム塩は、第1の光を吸収し
て分解して第1および第2のカプラーとの反応性を失
う。その結果、以後、熱エネルギーを印加しても、黒に
発色することはないため、黒色画像が定着する。この工
程を第1の定着工程と称する。
【0022】その後、この感熱記録媒体に熱エネルギー
を印加して画像の記録を行う。この場合、第2のジアゾ
ニウム塩は、第1のカプラーと反応してマゼンダに発色
し、第2のカプラーと反応して黄色に発色する。すなわ
ち、黄色およびマゼンダの発色が同時に生じるため、見
かけ上、赤に発色する。この工程を第2の熱書き込み工
程と称する。
【0023】その後、この感熱記録媒体に第1の光より
波長の短い第2の光を照射する。この場合、第1および
第2の熱書き込み工程において未反応であった第2のジ
アゾニウム塩は、第2の光を吸収して分解して第1およ
び第2のカプラーとの反応性を失う。その結果、以後、
熱エネルギーを印加しても、赤に発色することはないた
め、赤色画像が定着する。この工程を第2の定着工程と
称する。
【0024】以上のようにして、赤・黒の二色発色によ
る画像記録およびその画像の定着を行うことができる。
【0025】なお、第1の光として波長が410±20
nmのもの、第2の光として波長が365±20nmの
ものを用いるのが良い。光源として410±20nmに
発光波長中心を有するものや、365±20nmに発光
波長中心を有するものが得やすいためである。例えば、
発光波長が410±20nmである光源として蛍光管、
すなわち管内に水銀蒸気を充填し管の内壁に蛍光体が塗
布されているものは、一般に知られている。また、発振
波長が365±20nmである光源として蛍光管または
水銀灯(g線)が知られている。
【0026】そして、第1の光として波長が410±2
0nmのもの、第2の光として波長が365±20nm
のものを用いる場合には、第1のジアゾニウム塩とし
て、4−(4’−メチルフェニルチオ)−2,5−ジエ
トキシベンゼンジアゾニウム塩(4−(4’−Meth
ylphenylthio)−2,5−Diethox
ybenzendiazonium Salt)(例え
ば、ダイトーケミックス社製のDH575(商品名)
(下記(1)式参照))、第2のジアゾニウム塩とし
て、4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエーテル
塩(4−diazo−4’−n−butyl−diph
enylether Salt)(下記(2)式参照)
がある。これら第1および第2のジアゾニウム塩は、テ
トラフルオロボレート(BF4 )塩、ヘキサフルオロホ
スフェート(PF6 )塩、およびテトラフェニルボレー
ト(TPB)塩の形で用いるのが望ましい。また、第1
のカプラーとして、ナフトールAS(例えば、関東化学
社製、商品名は同じ(下記(3)式参照))、第2のカ
プラーとして、ナフトールAS−G(例えば、関東化学
社製、商品名は同じ(下記(4)式参照))がある。な
お、(1)式、(2)式中のX- はジアゾニウム塩の対
陰イオンを示している。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】また、この発明の第2の光定着型感熱記録
媒体によれば、第1のジアゾニウム塩を、4−(4’−
メチルフェニルチオ)−2,5−ジエトキシベンゼンジ
アゾニウム塩(4−(4’−Methylphenyl
thio)−2,5−Diethoxybenzend
iazonium Salt)から成るものとし、第2
のジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−4’−n−ブチルジ
フェニルエーテル塩(4−diazo−4’−n−bu
tyl−diphenylether Salt )から
成るものとし、第1のカプラーを、ナフトールASから
成るものとし、第2のカプラーを、ナフトールAS−G
から成るものとしており、第2のジアゾニウム塩をマイ
クロカプセル内に高濃度に内包させることができる。ま
た、この場合、第1の定着工程に使用する光源から発光
する光の第2のジアゾニウム塩による吸収が減少し、そ
の結果、第1の定着時における第2のジアゾニウム塩の
光分解が減少する。従って、第2のジアゾニウム塩を内
包するマイクロカプセルの比率を減少させても、十分な
赤発色濃度を得ることができる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態を説明する。以下の説明に用いる各図におい
て、各構成成分は、この発明が理解出来る程度に各構成
成分の形状、大きさ、および配置関係を概略的に示して
あるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同
様な構成成分については同一の番号を付して示してあ
る。また、断面を示すハッチングは一部分を除き省略し
てある。また、以下の説明で述べる、使用材料、形成方
法および膜厚等の数値的条件はこの発明の実施の形態の
好適例にすぎない。従って、この発明がこれらの条件に
のみ限定されるものではないことは理解されたい。
【0043】1.第1の実施の形態 図1はこの実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示す概
略的な断面図である。図1に示すように、この実施の形
態の光定着型感熱記録媒体100は、支持体10とその
上に設けられた発色層12とから構成されている。この
発色層12は、バインダー樹脂14と発色に寄与する成
分とから形成されており、各成分はバインダー樹脂14
中に均一に分散された状態で保持されている。ここで
は、発色に寄与する主要な成分として、一種類のジアゾ
ニウム塩16と、そのジアゾニウム塩16と反応して所
望の色に発色する一種類のカプラー18とを用いてい
る。ここで用いるバインダー樹脂14はポリビニルアル
コール樹脂である。また、ジアゾニウム塩16は4−
(4’−メチルフェニルチオ)−2,5−ジエトキシベ
ンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート(4-
(4'-Methylphenylthio)-2,5-Diethoxybenzendiazonium
Hexafluorophosphate )(ダイトーケミックス社製のD
H575PF6(商品名))であり、波長410±20
nmの光を吸収して分解するものである。また、カプラ
ー18はナフトールAS(例えば、関東化学社製、商品
名は同じ)であり、ジアゾニウム塩16と反応してマゼ
ンダに発色するものである。そして、ジアゾニウム塩1
6とカプラー18とは互いに反応しないように、ジアゾ
ニウム塩16はマイクロカプセル化された状態でバイン
ダー樹脂14中に保持されている。一方、カプラー18
は微粉末の状態でバインダー樹脂14中に保持されてい
る。
【0044】なお、ジアゾニウム塩16およびカプラー
18の他に画像記録を行う際のジアゾニウム塩16とカ
プラー18との反応を促進する塩基性化合物20および
カプラー18の融点を下げる増感剤22がそれぞれ微粉
末の状態でバインダー樹脂14中に保持されている。
【0045】このようなこの実施の形態の感熱記録媒体
100は以下の工程に従って製造した。
【0046】 〔1−1〕ジアゾニウム塩のマイクロカプセル液の調製 ジアゾニウム塩としての4−(4’−メチルフェニルチ
オ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムヘキサ
フルオロホスフェート(4-(4'-Methylphenylthio)-2,5-
Diethoxybenzendiazonium Hexafluorophosphate )(ダ
イトーケミックス社製のDH575PF6(商品名))
4重量部と、フタル酸ジ−n−ブチル48重量部と、
キシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネートとし
て武田薬品社製のD−110N(商品名) 48重量部
と、酢酸エチル 12重量部とを混合し、均一に攪拌し
ながら40℃に加熱して、ジアゾニウム塩を完全に溶解
させた。この溶液中に、ポリビニルアルコール(日本合
成化学社製のN−300(商品名))の8.2wt%水
溶液 126重量部を加え、ホモジナイザーにて乳化分
散した。さらに、得られた乳化液(乳化分散液)に水
200重量部を加え均一化した後、攪拌しながら60℃
で3時間加熱して、界面重合法によりカプセル化反応を
行い、マイクロカプセル壁を形成してジアゾニウム塩の
マイクロカプセル液(マイクロカプセル分散液)を得
た。マイクロカプセルの平均粒径は約1μmであった。
なお、ここで用いるポリビニルアルコール水溶液は乳化
安定剤や保護コロイドとしての働きをするとともに、塗
布膜形成後はバインダー樹脂としての働きをする。以下
の工程で用いられるポリビニルアルコール水溶液につい
ても同様である。
【0047】このようにしてマイクロカプセル壁を形成
すると、ポリビニルアルコール水溶液を投入してからカ
プセル壁が形成されるまでの間に、油相(すなわちジア
ゾニウム塩、フタル酸ジ−nブチル、D110Nの混合
溶解物)中に溶解していたジアゾニウム塩の一部、すな
わち水溶性のものが水相(すなわちポリビニルアルコー
ル水溶液)中に移行する。
【0048】〔1−2〕水相中のジアゾニウム塩のテト
ラフェニルボレート(TPB)塩化と熱分解 〔1−1〕工程で調製されたマイクロカプセル液(すな
わち水存在液)を50℃に保持した状態で、ソジウムテ
トラフェニルボレート 1重量部を加え、1時間攪拌を
行った。この操作により、マイクロカプセル液の水相中
に溶解していた第1のジアゾニウム塩、不完全なマイク
ロカプセル壁を有する第1のジアゾニウム塩は、ヘキサ
フルオロホスフェート(PF6 )塩の形からテトラフェ
ニルボレート(TPB)塩の形に変化した。すなわち、
ヘキサフルオロホスフェート(PF6 )塩の形の際に
は、熱的に安定であるが若干の水溶性を有したジアゾニ
ウム塩が、全く水溶性がない熱的に不安定なテトラフェ
ニルボレート(TPB)塩の形に変化した。その後、マ
イクロカプセル液を室温で放置し、これにより熱的に不
安定なテトラフェニルボレート(TPB)塩の形のジア
ゾニウム塩を分解し、カプラーとの反応性を失わせた。
ここで、特に分解処理を速めたい場合には、マイクロカ
プセル液を前述したマイクロカプセル化の際の温度程
度、例えば40〜60℃程度に加熱し、これによりテト
ラフェニルボレート(TPB)塩の形のジアゾニウム塩
の分解を速めてもよい。このような分解処理によってこ
のマイクロカプセル液中には、水相中に溶解したジアゾ
ニウム塩がほぼ完全に消失し、マイクロカプセルに内包
された油相中のジアゾニウム塩のみが存在するようにな
る。
【0049】〔1−3〕カプラー分散液の調製 カプラーとしてのナフトールAS(例えば、関東化学社
製、商品名の同じ)10重量部をポリビニルアルコール
(日本合成化学社製のN−300(商品名))の5.0
wt%水溶液 50重量部中に加え、ボールミルで72
時間、混合・粉砕を行い、カプラーの分散液を得た。分
散液中のカプラーの平均粒径は約1μmであった。
【0050】〔1−4〕塩基性化合物分散液の調製 カプラーの代わりに塩基性化合物としての1,2,3−
トリフェニルグアニジンを用いた他は、〔1−3〕工程
と同様な方法を用いて塩基性化合物の分散液を得た。分
散液中の塩基性有機物質の平均粒径は約1μmであっ
た。
【0051】〔1−5〕増感剤分散液の調製 カプラーの代わりに増感剤としての4−ヒドロキシ安息
香酸ベンジルを用いた他は、〔1−3〕工程と同様な方
法を用いて増感剤の分散液を得た。分散液中の増感剤の
平均粒径は約1μmであった。
【0052】〔1−6〕塗布液の調製 以上のようにして調製した各液を以下の比率で混合し、
均一に攪拌して塗布液を得た。マイクロカプセル液およ
びカプラー分散液の混合比率は、所望の色が発色するよ
うに定められる。なお、ジアゾニウム塩のマイクロカプ
セル液として〔1−2〕工程後のものを用い、また、塗
布性を上げるために界面活性剤としてドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム水溶液の10wt%水溶液を用い
た。
【0053】 ジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 10重量部 カプラー分散液 2重量部 塩基性化合物分散液 2重量部 増感剤分散液 10重量部 界面活性剤 0.5重量部。
【0054】〔1−7〕塗布 〔1−6〕工程で調製した塗布液を合成紙(日清紡社製
のSPU−110XEW(商品名))上にバーコータ
(#5のバーを使用)により塗布し、室温で乾燥させ
た。乾燥後に得られた塗布膜の厚さは約10μmであっ
た。以上の様にして感熱記録媒体100を製造した。
【0055】次に、このようにして製造したこの実施の
形態の感熱記録媒体100の表面反射スペクトルを、上
記〔1−2〕工程を除いてこの実施の形態の感熱記録媒
体100と同様な方法により製造した従来の感熱記録媒
体の表面反射スペクトルと比較して説明する。図2に
は、この実施の形態の感熱記録媒体100の表面反射ス
ペクトル(図2中の曲線a)および従来の感熱記録媒体
の表面反射スペクトル(図2中の曲線b)を縦軸に反射
率(%)を取り、横軸に波長(nm)を取って示してい
る。
【0056】曲線aおよびbは、波長が300nmのと
き10%程度の反射率を示す。そして、波長が400n
mぐらいまで10%程度の反射率を保持した後、さらに
波長が長くなると反射率が急激に上昇し、波長が500
nmのとき80%程度の反射率を示す。さらに波長が長
くなると、曲線aの方は反射率がわずかに上昇し続け、
波長が700nmのとき90%程度の反射率を示す。一
方、曲線bの方は反射率が一旦減少し、波長が600n
mのときに75%程度の反射率を示した後、反射率が上
昇し、波長が700nmのとき曲線aと同等の反射率を
示す。このことから、この実施の形態の感熱記録媒体1
00は、従来の感熱記録媒体に生じていたジアゾニウム
塩とカプラーとの反応による波長600nmを中心とし
たブロードな吸収ピークが生じておらず、地肌部分の光
学濃度が下がっていることが理解できる。すなわち、塗
布液調製時のプレカップリングによる発色が減少してい
ることが理解できる。
【0057】従って、この実施の形態に示す製造方法で
は、塗布液調製時のプレカップリングによる発色が低減
し、これにより得られる感熱記録媒体の地肌部分の光学
濃度を下げて良好な画像記録を得られるようにすること
ができる。
【0058】2.第2の実施の形態 図3はこの実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示す概
略的な断面図である。図3に示すように、この実施の形
態の光定着型感熱記録媒体200は、第1の実施の形態
の感熱記録媒体100と構成がほとんど同じであるた
め、以下の説明では主に第1の実施の形態の感熱記録媒
体100と異なる点について説明し、その他の詳細な説
明は省略する。
【0059】この実施の形態の感熱記録媒体200は発
色に寄与する主要な成分として、一種類のジアゾニウム
塩16と、二種類のカプラーとを用いている(以下、二
種類のカプラーのうち、一方を第1のカプラー18aと
称し、他方を第2のカプラーと称する。)。ここで用い
るジアゾニウム塩16は4−ジアゾ−4’−n−ブチル
ジフェニルエーテルヘキサフルオロホスフェート(4-di
azo-4'-n-butyl-diphenylether Hexafluorophosphate)
であり、波長365±20nmの光を吸収するものであ
る。また、第1のカプラー18aはナフトールAS(例
えば、関東化学社製、商品名は同じ)であり、ジアゾニ
ウム塩16と反応してマゼンダに発色するものである。
また、第2のカプラー18bはナフトールAS−G(関
東化学社製、商品名は同じ)であり、ジアゾニウム塩1
6bと反応して黄色に発色するものである。
【0060】このようなこの実施の形態の感熱記録媒体
200は以下の工程に従って製造した。
【0061】〔2−1〕ジアゾニウム塩のマイクロカプ
セル液の調製 ジアゾニウム塩としての4−ジアゾ−4’−n−ブチル
ジフェニルエーテルヘキサフルオロホスフェート(4-di
azo-4'-n-butyl-diphenylether Hexafluorophosphate)
4重量部と、フタル酸ジ−n−ブチル 48重量部
と、キシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート
として武田薬品社製のD−110N(商品名) 48重
量部とを混合し、均一に攪拌しながら第1のジアゾニウ
ム塩を完全に溶解させた。この溶液中に、ポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製のN−300(商品名))
の8.2wt%水溶液 126重量部を加え、ホモジナ
イザーにて乳化分散した。さらに、得られた乳化液に水
200重量部を加え均一化した後、攪拌しながら40
℃で6時間加熱して、界面重合法によりカプセル化反応
を行い、マイクロカプセル壁を形成してジアゾニウム塩
のマイクロカプセル液を得た。マイクロカプセルの平均
粒径は約1μmであった。
【0062】なお、ジアゾニウム塩をオイル(この工程
ではフタル酸ジ−n−ブチル)に溶解させるために一般
に使用している補助溶剤(この工程では酢酸エチル)
を、この工程において使用していないことからも理解で
きるように、ジアゾニウム塩はマイクロカプセル内に高
濃度に内包されていると考えられる。すなわち、補助溶
剤を用いなくても、ジアゾニウム塩をオイルに溶解する
ことが可能となったため、ジアゾニウム塩はマイクロカ
プセル内に高濃度に内包されていると考えられる。
【0063】〔2−2〕水相中のジアゾニウム塩のテト
ラフェニルボレート(TPB)塩化と熱分解 〔2−1〕工程で調製されたマイクロカプセル液を40
℃に保持した状態で、ソジウムテトラフェニルボレート
1重量部を加え、1時間攪拌を行った。この操作によ
り、マイクロカプセル液の水相中に溶解していたジアゾ
ニウム塩、不完全なマイクロカプセル壁を有するジアゾ
ニウム塩は、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 )塩
の形からテトラフェニルボレート(TPB)塩の形に変
化した。すなわち、ヘキサフルオロホスフェート(PF
6 )塩の形の際には、熱的に安定であるが若干の水溶性
を有した第1のジアゾニウム塩が、全く水溶性がない熱
的に不安定なテトラフェニルボレート(TPB)塩の形
に変化した。その後、マイクロカプセル液を加熱するこ
とによりテトラフェニルボレート(TPB)塩の形のジ
アゾニウム塩を分解した。
【0064】なお、この〔2−2〕工程は、〔2−1〕
工程で用いるジアゾニウム塩がテトラフェニルボレート
(TPB)塩の形のものである場合には必要ない。
【0065】〔2−3〕第1のカプラー分散液の調製 第1のカプラーとしてのナフトールAS(例えば、関東
化学社製、商品名の同じ) 10重量部をポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製のN−300(商品名))
の5.0wt%水溶液 50重量部中に加え、ボールミ
ルで72時間、混合・粉砕を行い、第1のカプラーの分
散液を得た。分散液中の第1のカプラーの平均粒径は約
1μmであった。
【0066】〔2−4〕第2のカプラー分散液の調製 第1のカプラーの代わりに第2のカプラーとしてのナフ
トールAS−G(関東化学社製、商品名は同じ)を用い
た他は、〔2−3〕工程と同様な方法を用いて第2のカ
プラーの分散液を得た。分散液中の第2のカプラーの平
均粒径は約1μmであった。
【0067】〔2−5〕塩基性化合物分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて塩基性化合物の
分散液を得た。
【0068】〔2−6〕増感剤分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて増感剤の分散液
を得た。
【0069】〔2−7〕塗布液の調製 以上のようにして調製した各液を以下の比率で混合し、
均一に攪拌して塗布液を得た。マイクロカプセル液およ
びカプラー分散液の混合比率は、所望の色が発色するよ
うに定められる。なお、ジアゾニウム塩のマイクロカプ
セル液として〔2−2〕工程後のものを用い、また、塗
布膜の乾燥時に発生する地肌かぶりを低減するため、ア
ニオン性のシリコンオイルエマルジョンとして、東レ・
ダウコーニング・シリコーン社製のアニオン性シリコン
オイルエマルジョンSM7001を用いた。
【0070】 ジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 10重量部 第1のカプラー分散液 2.5重量部 第2のカプラー分散液 0.5重量部 塩基性化合物分散液 3重量部 増感剤分散液 6重量部 シリコンオイルエマルジョン 2.0重量部。
【0071】〔2−8〕塗布 〔2−7〕工程で調製した塗布液を合成紙(日清紡社製
のSPUY−140(商品名))上にバーコータ(#5
のバーを使用)により塗布し、室温で乾燥させた。乾燥
後に得られた塗布膜の厚さは約10μmであった。以上
の様にして感熱記録媒体200を製造した。
【0072】次に、このようにして製造したこの実施の
形態の感熱記録媒体200の発色特性について説明す
る。なお、光学濃度の測定にはマクベス反射濃度計(マ
クベス社製のRD−1200(商品名))を使用した。
【0073】ここでは、先ず、感熱記録媒体200にラ
インサーマルヘッド(TDK社製のLH4115(商品
名))を用いて熱書き込みを行った。ここで得られた色
調は赤であった。また、光学濃度は0.7であり、ジア
ゾニウム塩として他のものを用いた場合以外はこの実施
の形態と同様の方法で製造した感熱記録媒体(ジアゾニ
ウム塩をオイルに溶解するための補助溶剤を用いたも
の)に比べて発色濃度が向上したことを確認した。この
ように発色濃度が向上したのは、ジアゾニウム塩がマイ
クロカプセル内に高濃度に内包されているためであると
考えられる。
【0074】次に、この感熱記録媒体200に357n
mの光を効率よく発光する蛍光管(ウシオ電機社製のU
FL31140SCS−UV5(商品名))の光を約1
40秒間照射してジアゾニウム塩を分解した。
【0075】このジアゾニウム塩を分解した感熱記録媒
体200に対してラインサーマルヘッド(TDK社製の
LH4115(商品名))を用いて熱書き込みを行う
と、第1および第2のカプラー、塩基性化合物および増
感剤が溶解することによる表面反射の違いによる加熱痕
は認められるものの、ジアゾニウム塩とカプラーとの反
応による発色は認められなかった。
【0076】以上のことから、熱書き込みとジアゾニウ
ム塩の分解を行うことにより、赤発色画像の完全定着が
可能であることが理解出来る。
【0077】なお、ここでジアゾニウム塩16として用
いた4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエーテル
ヘキサフルオロホスフェート(4-diazo-4'-n-butyl-dip
henylether Hexafluorophosphate)は、以下の工程に従
って合成した。
【0078】〈1〉4−ニトロ−4’−n−ブチルジフ
ェニルエーテルの合成 先ず、下記の(16)式で表される反応式に従って、4
−ニトロ−4’−n−ブチルジフェニルエーテルを合成
した。
【0079】
【化5】
【0080】ジメチルホルムアミド41mlにn−ブチ
ルフェノール18.6g、p−ブロモニトロベンゼン2
5.0g及び炭酸カリウム17.2gをそれぞれ加え、
140℃で12時間攪拌して反応させた。反応液を室温
まで冷却後、この反応液を常温の水200mlに注入
し、酢酸エチル100mlにより2回抽出した。抽出液
(すなわち酢酸エチル溶液)を水洗後、溶媒としての酢
酸エチルを減圧で蒸発させることにより抽出液を濃縮し
た。抽出液の濃縮は酢酸エチルがほとんど蒸発しなくな
るまで行った。その後、濃縮液をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによりn−ヘキサンで展開し、4−ニト
ロ−4’−n−ブチルジフェニルエーテル30.2gを
得た。
【0081】〈2〉4−アミノ−4’−n−ブチルジフ
ェニルエーテルの合成 その後、下記の(17)式で表される反応式に従って、
4−アミノ−4’−n−ブチルジフェニルエーテルを合
成した。
【0082】
【化6】
【0083】ジメチルホルムアミド300mlに濃塩酸
(35wt%:以下の工程において同じ)10ml、鉄
粉20g及び水45mlをそれぞれ加え、95℃で1時
間攪拌した後、さらに4−ニトロ−4’−n−ブチルジ
フェニルエーテル30.2gを加え、95℃で30分間
攪拌して反応させた。反応液を室温まで冷却後、この反
応液を濾紙を用いて濾過し、溶媒としてのジメチルホル
ムアミドを減圧で蒸発させることにより濾液を濃縮し
た。濾液の濃縮はジメチルホルムアミドがほとんど蒸発
しなくなるまで行った。その後、濃縮液に常温の水20
0mlを注入し、酢酸エチル200mlにより抽出し
た。抽出液(すなわち酢酸エチル溶液)を水洗後、乾燥
した後、溶媒としての酢酸エチルを減圧で蒸発させるこ
とにより抽出液を濃縮した。抽出液の濃縮は酢酸エチル
がほとんど蒸発しなくなるまで行った。その後、析出し
た結晶を濾紙を用いて濾別し、少量の酢酸エチルを用い
て洗浄した後、乾燥を行い、4−アミノ−4’−n−ブ
チルジフェニルエーテルを25.4gを得た。
【0084】〈3〉4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフ
ェニルエーテルヘキサフルオロホスフェートの合成 最後に、下記の(18)式で表される反応式に従って、
4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエーテルヘキ
サフルオロホスフェートを合成した。
【0085】
【化7】
【0086】メタノール425mlに4−アミノ−4’
−n−ブチルジフェニルエーテル25.4gを溶解し、
濃塩酸69.1gを滴下した後、さらに氷冷下で38w
t%の亜硝酸ナトリウム水溶液18.8gを滴下し、5
℃まで温度を上げて30分間攪拌してジアゾ化反応させ
た。その後、反応液にヘキサフルオロリン酸カリウム2
9.3gを加え、5℃で2時間攪拌した。そして、析出
した結晶をろ紙を用いて濾別し、水洗後、乾燥を行い、
4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエーテルヘキ
サフルオロホスフェイトを28.2g得た。
【0087】以上のようにして、4−ジアゾ−4’−n
−ブチルジフェニルエーテルヘキサフルオロホスフェー
トを合成した。
【0088】3.第3の実施の形態 図4はこの実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示す概
略的な断面図である。図4に示すように、この実施の形
態の光定着型感熱記録媒体300は、支持体10とその
上に設けられた発色層12とから構成されている。この
発色層12は、バインダー樹脂14と二色発色に寄与す
る成分とから形成されており、各成分はバインダー樹脂
14中に均一に分散された状態で保持されている。ここ
では、二色発色に寄与する主要な成分として、二種類の
ジアゾニウム塩と、そのジアゾニウム塩とそれぞれ反応
して所望の色に発色する二種類のカプラーとを用いてい
る(以下、二種類のジアゾニウム塩のうち、一方を第1
のジアゾニウム塩16aと称し、他方を第2のジアゾニ
ウム塩16bと称する。また、二種類のカプラーのう
ち、一方を第1のカプラー18aと称し、他方を第2の
カプラー18bと称する。)。ここで用いるバインダー
樹脂14はポリビニルアルコール樹脂である。また、第
1のジアゾニウム塩16aは4−(4’−メチルフェニ
ルチオ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウムヘ
キサフルオロホスフェート(4-(4'-Methylphenylthio)-
2,5-Diethoxybenzendiazonium Hexafluorophosphate )
(ダイトーケミックス社製のDH575PF6(商品
名))であり、波長410±20nmの第1の光を吸収
して分解するものである。また、第2のジアゾニウム塩
16bはFast Violet B(例えば、アルド
リッチ社製、商品名は同じ)であり、第1の光により分
解しないが、第1の光より波長の短い波長365±20
nmの第2の光を吸収して分解するものである。また、
第1のカプラー18aはナフトールAS(例えば、関東
化学社製、商品名は同じ)であり、第1のジアゾニウム
塩16aと反応して青に発色し、かつ第2のジアゾニウ
ム塩16bと反応してマゼンダに発色するものである。
また、第2のカプラー18bはナフトールAS−G(関
東化学社製、商品名は同じ)であり、第1のジアゾニウ
ム塩16aと反応して黄色に発色し、かつ第2のジアゾ
ニウム塩16bと反応して黄色に発色するものである。
そして、第1および第2のジアゾニウム塩16aおよび
16bと第1および第2のカプラー18aおよび18b
とは互いに反応しないように、第1および第2のジアゾ
ニウム塩16aおよび16bはマイクロカプセル化され
た状態でバインダー樹脂14中に保持されている。一
方、第1および第2のカプラー18aおよび18bは微
粉末の状態でバインダー樹脂14中に保持されている。
【0089】なお、第1および第2のジアゾニウム塩1
6aおよび16b並びに第1および第2のカプラー18
aおよび18bの他に画像記録を行う際の第1および第
2のジアゾニウム塩16aおよび16bと第1および第
2のカプラー18aおよび18bとの反応を促進する塩
基性化合物20および第1および第2のカプラー18a
および18bの融点を下げる増感剤22がそれぞれ微粉
末の状態でバインダー樹脂14中に保持されている。
【0090】このようなこの実施の形態の感熱記録媒体
300は以下の工程に従って製造した。
【0091】 〔3−1〕第1のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液
の調製 第1のジアゾニウム塩としての4−(4’−メチルフェ
ニルチオ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム
ヘキサフルオロホスフェート(4-(4'-Methylphenylthi
o)-2,5-Diethoxybenzendiazonium Hexafluorophosphate
)(ダイトーケミックス社製のDH575PF6(商
品名)) 4重量部と、フタル酸ジ−n−ブチル 48
重量部と、キシリレンジイソシアネート系ポリイソシア
ネートとして武田薬品社製のD−110N(商品名)
48重量部と、酢酸エチル 12重量部とを混合し、均
一に攪拌しながら40℃に加熱して、第1のジアゾニウ
ム塩を完全に溶解させた。この溶液中に、ポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製のN−300(商品名))
の8.2wt%水溶液 126重量部を加え、ホモジナ
イザーにて乳化分散した。さらに、得られた乳化液に水
200重量部を加え均一化した後、攪拌しながら60
℃で3時間加熱して、界面重合法によりカプセル化反応
を行い、マイクロカプセル壁を形成して第1のジアゾニ
ウム塩のマイクロカプセル液を得た。マイクロカプセル
の平均粒径は約1μmであった。
【0092】〔3−2〕水相中の第1のジアゾニウム塩
のテトラフェニルボレート(TPB)塩化と熱分解 〔3−1〕工程で調製されたマイクロカプセル液を50
℃に保持した状態で、ソジウムテトラフェニルボレート
1重量部を加え、1時間攪拌を行った。この操作によ
り、マイクロカプセル液の水相中に溶解していた第1の
ジアゾニウム塩、不完全なマイクロカプセル壁を有する
第1のジアゾニウム塩は、ヘキサフルオロホスフェート
(PF6 )塩の形からテトラフェニルボレート(TP
B)塩の形に変化した。すなわち、ヘキサフルオロホス
フェート(PF6 )塩の形の際には、熱的に安定である
が若干の水溶性を有した第1のジアゾニウム塩が、全く
水溶性がない熱的に不安定なテトラフェニルボレート
(TPB)塩の形に変化した。その後、マイクロカプセ
ル液を加熱することによりテトラフェニルボレート(T
PB)塩の形の第1のジアゾニウム塩を分解した。
【0093】なお、この〔3−2〕工程は、〔3−1〕
工程で用いる第1のジアゾニウム塩がテトラフェニルボ
レート(TPB)塩の形のものである場合には必要な
い。
【0094】〔3−3〕第2のジアゾニウム塩のマイク
ロカプセル液の調製 第1のジアゾニウム塩の代わりに第2のジアゾニウム塩
としてのFast Violet B(例えば、アルド
リッチ社製、商品名は同じ)のテトラフェニルボレート
(TPB)塩を用い、カプセル化反応を40℃で行った
他は、〔3−1〕工程と同様な方法で第2ジアゾニウム
塩のマイクロカプセル液を得た。マイクロカプセルの平
均粒径は約1μmであった。
【0095】〔3−4〕第1のカプラー分散液の調製 第1のカプラーとしてのナフトールAS(例えば、関東
化学社製、商品名は同じ) 10重量部をポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製のN−300(商品名))
の5.0wt%水溶液 50重量部中に加え、ボールミ
ルで72時間、混合・粉砕を行い、第1のカプラーの分
散液を得た。分散液中の第1のカプラーの平均粒径は約
1μmであった。
【0096】〔3−5〕第2のカプラー分散液の調製 第1のカプラーの代わりに第2のカプラーとしてのナフ
トールAS−G(関東化学社製、商品名は同じ)を用い
た他は、〔3−4〕工程と同様な方法を用いて第2のカ
プラーの分散液を得た。分散液中の第2のカプラーの平
均粒径は約1μmであった。
【0097】〔3−6〕塩基性化合物分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて塩基性化合物の
分散液を得た。
【0098】〔3−7〕増感剤分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて増感剤の分散液
を得た。
【0099】〔3−8〕塗布液の調製 以上のようにして調製した各液を以下の比率で混合し、
均一に攪拌して塗布液を得た。マイクロカプセル液およ
びカプラー分散液の混合比率は、所望の色が発色するよ
うに定められる。なお、第1ジアゾニウム塩のマイクロ
カプセル液として〔3−2〕工程後のものを用い、ま
た、塗布性を上げるために界面活性剤としてドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液の10wt%水溶液
を用いた。
【0100】 第1のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 5重量部 第2のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 5重量部 第1のカプラー分散液 1重量部 第2のカプラー分散液 1重量部 塩基性化合物分散液 2重量部 増感剤分散液 10重量部 界面活性剤 0.5重量部。
【0101】〔3−9〕塗布 〔3−8〕工程で調製した塗布液を合成紙(日清紡社製
のSPU−110XEW(商品名))上にバーコータ
(#5のバーを使用)により塗布し、室温で乾燥させ
た。乾燥後に得られた塗布膜の厚さは約10μmであっ
た。以上の様にして感熱記録媒体300を製造した。
【0102】次に、このようにして製造したこの実施の
形態の感熱記録媒体300の発色特性について説明す
る。図5には、この実施の形態の感熱記録媒体300の
発色特性を縦軸に光学濃度(Optical Dens
ity)を取り、横軸に温度を取って示している。ま
た、表1には、その際の測定結果を示している。なお、
発色特性の測定には、所定の温度の金属塊を感熱記録媒
体に押し当て発色させ、その発色部分をマクベス反射濃
度計を用いて測定する熱スタンプ法を用いた。
【0103】
【表1】
【0104】ここでは、先ず、感熱記録媒体300に所
定の温度の金属塊を押し当て第1の熱書き込みを行った
後、発色特性を測定した。ここで得られた色調は黒であ
り、その発色特性を図5中、黒丸印で示している。図5
および表1に示す様に、75℃以下の温度で熱書き込み
を行った場合の光学濃度は0.13以下であり、81℃
の温度で熱書き込みを行った場合の光学濃度が0.74
であることから、75℃から80℃の間で発色が開始し
ていると考えられる。また、100℃以上の温度で熱書
き込みを行った場合の光学濃度はほぼ一定していること
から、100℃から110℃の間で発色が飽和している
と考えられる。
【0105】次に、この感熱記録媒体300に400n
mの光を効率よく発光するジアゾ複写用蛍光灯(三菱電
機社製のFL10BA37(商品名))の光を約15秒
間照射して第1のジアゾニウム塩を分解することにより
第1の定着を行った。
【0106】次に、第1のジアゾニウム塩を分解した感
熱記録媒体300に対してに所定の温度の金属塊を押し
当て第2の熱書き込みを行った後、発色特性を測定し
た。ここで得られた色調は赤であり、その発色特性を図
5中、白丸印で示している。図5および表1に示す様
に、79℃以下の温度で熱書き込みを行った場合の光学
濃度は0.12以下であり、86℃の温度で熱書き込み
を行った場合の光学濃度が0.32であることから、8
0℃から85℃の間で発色が開始していると考えられ
る。また、100℃以上の温度で熱書き込みを行った場
合の光学濃度はほぼ一定していることから、100℃か
ら110℃の間で発色が飽和していると考えられる。
【0107】さらに、この感熱記録媒体300に352
nmの光を効率よく発光するブラックライトブルー蛍光
管(三菱電機社製のFL10BLB(商品名))の光を
約15秒間照射して第2のジアゾニウム塩を分解するこ
とにより第2の定着を行った。
【0108】この第1および第2のジアゾニウム塩を分
解した感熱記録媒体300に対して熱スタンプ法により
熱書き込みを行うと、第1および第2のカプラー、塩基
性化合物および増感剤が溶解することによる表面反射の
違いによる加熱痕は認められるものの、ジアゾニウム塩
とカプラーとの反応による発色は認められなかった。
【0109】以上のことから、熱書き込みとジアゾニウ
ム塩の分解を交互に行うことにより、赤・黒の二色発色
画像の完全定着が可能であることが理解出来る。また、
発色層は単層構成であるため、形成が最も簡単である。
【0110】4.第4の実施の形態 この実施の形態の光定着型感熱記録媒体は、第2のジア
ゾニウム塩としてFast Red B、Fast R
ed Violet LB、またはFastViole
t Bを用いた場合の不満足点を解決するために、第2
のジアゾニウム塩として4−ジアゾ−4’−n−ブチル
ジフェニルエーテルヘキサフルオロホスフェート(4-di
azo-4'-n-butyl-diphenylether Hexafluorophosphate)
を用いた他は第3の実施の形態と同様に構成されてい
る。
【0111】ここでの不満足点とは、Fast Red
B、Fast Red Violet LB、または
Fast Violet Bを第2のジアゾニウム塩と
して用いた場合には、Fast Red B、Fast
Red Violet LB、およびFast Vi
olet Bが、第1の定着工程に使用する光源(以
下、第1定着光源と称する場合がある。)から発光する
光を吸収し、その結果、第1の定着工程時にある程度第
2のジアゾニウム塩が光分解することである。
【0112】これに対し、4−ジアゾ−4’−n−ブチ
ルジフェニルエーテル塩を第2のジアゾニウム塩として
用いた場合には、第1定着光源から発光する光の吸収が
減少し、その結果、第1の定着時における第2のジアゾ
ニウム塩の光分解が低減する。
【0113】図6には、Fast Red B(図6中
の曲線a)、Fast Red Violet LB
(図6中の曲線b)、Fast Violet B(図
6中の曲線c)および4−ジアゾ−4’−n−ブチルジ
フェニルエーテル塩(図6中の曲線d)の吸光度スペク
トルを、縦軸に吸光度(任意単位)を取り、横軸に波長
(nm)を取って示している。ただし、吸光度スペクト
ルの測定に用いたジアゾニウム塩はすべてヘキサフルオ
ロホスフェート(PF6 )塩の形ものである。また、図
7には、第1定着光源である、例えばウシオ電機社製の
UFL31140SCS−UV2(商品名)の発光スペ
クトルを縦軸に光強度(任意単位)を取り、横軸に波長
(nm)を取って示している。
【0114】図6中の曲線aは、波長が約310nmの
とき0.9程度の吸光度を示す。その後、波長が長くな
ると、吸光度が減少し波長が約320nmのとき0.7
程度の吸光度を示した後、再度吸光度が上昇し、波長が
約375nmのとき1.0程度の吸光度を示す。その
後、さらに波長が長くなると吸光度が減少し、波長が4
00nmのとき0.6程度の吸光度を示し、波長が50
0nmのとき吸光度は約0を示す。
【0115】曲線bは、波長が300nmのとき、0.
5程度の吸光度を示す。その後、波長が長くなると、吸
光度が上昇し波長が約350nmのとき1.0程度の吸
光度を示す。その後、さらに波長が長くなると吸光度が
減少し、波長が375nmのとき0.3程度の吸光度を
示し、波長が400nmのとき0.1程度の吸光度を示
す。その後、波長が450nmぐらいまで0.1程度の
吸光度を保持した後、さらに波長が長くなると吸光度が
減少し、波長が500nmのとき吸光度は約0を示す。
【0116】曲線cは、波長が300nmのとき、0.
3程度の吸光度を示す。その後、波長が長くなると、吸
光度が上昇し波長が約350nmのとき1.0程度の吸
光度を示す。その後、さらに波長が長くなると吸光度が
減少し、波長が375nmのとき0.4程度の吸光度を
示し、波長が400nmのとき0.1程度の吸光度を示
し、波長が500nmのとき吸光度は約0を示す。
【0117】曲線dは、波長が約310nmのとき1.
0程度の吸光度を示す。その後、波長が長くなると、吸
光度が減少し波長が375nmのとき0.05程度の吸
光度を示し、波長が400nmのときさらに小さな吸光
度を示し、波長が450nmのとき吸光度は約0を示
す。
【0118】図7に示す第1定着光源の発光スペクトル
は、波長が375nmのとき光強度は約0を示す。その
後、波長が長くなると、光強度が上昇し波長が400n
mのとき50程度の光強度を示し、420nmのとき2
75程度の光強度を示す。その後、さらに波長が長くな
ると光強度が減少し、波長が450nmのとき50程度
の光強度を示し、波長が500nmのとき光強度は約0
を示す。
【0119】このように、曲線a〜dの吸光度スペクト
ルと第1定着光源の発光スペクトルとは波長が375n
mより大きい領域で重なり合うが、曲線dの吸光度スペ
クトルは曲線a〜cの吸光度スペクトルに比べて第1定
着光源の発光スペクトルとの重なりが減少する。このこ
とから、4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエー
テル塩を第2のジアゾニウム塩として用いた場合には、
第1定着光源から発光する光の吸収が減少し、その結
果、第1の定着時における第2のジアゾニウム塩の光分
解が低減することが理解できる。
【0120】なお、三菱電機社製のFL10BA37
(商品名)を第1定着光源として使用した場合にも上述
したことと同様な効果が得られる。
【0121】このようなこの実施の形態の感熱記録媒体
は以下の工程に従って製造した。
【0122】〔4−1〕第1のジアゾニウム塩のマイク
ロカプセル液の調製 第3の実施の形態と同様の方法を用いて第1のジアゾニ
ウム塩のマイクロカプセル液を得た。
【0123】〔4−2〕水相中の第1のジアゾニウム塩
のテトラフェニルボレート(TPB)塩化と熱分解 第3の実施の形態と同様の方法を用いて水相中の第1の
ジアゾニウム塩のテトラフェニルボレート(TPB)塩
化と熱分解を行った。
【0124】〔4−3〕第2のジアゾニウム塩のマイク
ロカプセル液の調製 第2のジアゾニウム塩としての4−ジアゾ−4’−n−
ブチルジフェニルエーテルヘキサフルオロホスフェート
(4-diazo-4'-n-butyl-diphenylether Hexafluorophosp
hate) 4重量部と、フタル酸ジ−n−ブチル 48重
量部と、キシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネ
ートとして武田薬品社製のD−110N(商品名) 4
8重量部とを混合し、均一に攪拌しながら第1のジアゾ
ニウム塩を完全に溶解させた。この溶液中に、ポリビニ
ルアルコール(日本合成化学社製のN−300(商品
名))の8.2wt%水溶液 126重量部を加え、ホ
モジナイザーにて乳化分散した。さらに、得られた乳化
液に水 200重量部を加え均一化した後、攪拌しなが
ら40℃で6時間加熱して、界面重合法によりカプセル
化反応を行い、マイクロカプセル壁を形成してジアゾニ
ウム塩のマイクロカプセル液を得た。マイクロカプセル
の平均粒径は約1μmであった。
【0125】なお、ジアゾニウム塩をオイル(この工程
ではフタル酸ジ−n−ブチル)に溶解させるために一般
に使用している補助溶剤(この工程では酢酸エチル)
を、この工程において使用していないことからも理解で
きるように、第2のジアゾニウム塩はマイクロカプセル
内に高濃度に内包されていると考えられる。すなわち、
補助溶剤を用いなくても、ジアゾニウム塩はマイクロカ
プセル内に高濃度に内包されていると考えられる。
【0126】〔4−4〕水相中の第2のジアゾニウム塩
のテトラフェニルボレート(TPB)塩化と熱分解 〔4−3〕工程で調製されたマイクロカプセル液を40
℃に保持した状態で、ソジウムテトラフェニルボレート
1重量部を加え、1時間攪拌を行った。この操作によ
り、マイクロカプセル液の水相中に溶解していた第2の
ジアゾニウム塩、不完全なマイクロカプセル壁を有する
第1のジアゾニウム塩は、ヘキサフルオロホスフェート
(PF6 )塩の形からテトラフェニルボレート(TP
B)塩の形に変化した。すなわち、ヘキサフルオロホス
フェート(PF6 )塩の形の際には、熱的に安定である
が若干の水溶性を有した第2のジアゾニウム塩が、全く
水溶性がない熱的に不安定なテトラフェニルボレート
(TPB)塩の形に変化した。その後、マイクロカプセ
ル液を加熱することによりテトラフェニルボレート(T
PB)塩の形の第2のジアゾニウム塩を分解した。
【0127】なお、この〔4−4〕工程は、〔4−3〕
工程で用いる第2のジアゾニウム塩がテトラフェニルボ
レート(TPB)塩の形のものである場合には必要な
い。
【0128】〔4−5〕第1のカプラー分散液の調製 第3の実施の形態と同様の方法を用いて第1のカプラー
の分散液を得た。
【0129】〔4−6〕第2のカプラー分散液の調製 第3の実施の形態と同様の方法を用いて第2のカプラー
の分散液を得た。
【0130】〔4−7〕塩基性化合物分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて塩基性化合物の
分散液を得た。
【0131】〔4−8〕増感剤分散液の調製 第1の実施の形態と同様の方法を用いて増感剤の分散液
を得た。
【0132】〔4−9〕塗布液の調製 以上のようにして調製した各液を以下の比率で混合し、
均一に攪拌して塗布液を得た。マイクロカプセル液およ
びカプラー分散液の混合比率は、所望の色が発色するよ
うに定められる。なお、第1および第2のジアゾニウム
塩のマイクロカプセル液として〔4−2〕および〔4−
4〕工程後のものを用い、また、塗布膜の乾燥時に発生
する地肌かぶりを低減するため、アニオン性のシリコン
オイルエマルジョンとして、東レ・ダウコーニング・シ
リコーン社製のアニオン性シリコンオイルエマルジョン
SM7001を用いた。また、塗布液を調製するときの
第2のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液の比率を第
3の実施の形態の場合に比べて下げ、一方、第1のジア
ゾニウム塩のマイクロカプセル液の比率を第3の実施の
形態の場合に比べて上げることにより、第1のジアゾニ
ウム塩のマイクロカプセル液と第2のジアゾニウム塩の
マイクロカプセル液とを合わせた比率がほぼ等しくなる
ようにしている。
【0133】 第1のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 8重量部 第2のジアゾニウム塩のマイクロカプセル液 2重量部 第1のカプラー分散液 2.5重量部 第2のカプラー分散液 0.5重量部 塩基性化合物分散液 3重量部 増感剤分散液 6重量部 シリコンオイルエマルジョン 2重量部。
【0134】〔4−10〕塗布 〔4−9〕工程で調製した塗布液を合成紙(日清紡社製
のSPU−110XEW(商品名))上にバーコータ
(#5のバーを使用)により塗布し、室温で乾燥させ
た。乾燥後に得られた塗布膜の厚さは約10μmであっ
た。以上の様にして感熱記録媒体を製造した。
【0135】次に、このようにして製造したこの実施の
形態の感熱記録媒体の発色特性について説明する。な
お、光学濃度の測定にはマクベス反射濃度計(マクベス
社製のRD−1200(商品名))を使用した。
【0136】ここでは、先ず、この実施の形態の感熱記
録媒体にラインサーマルヘッド(TDK社製のLH41
15(商品名))を用いて第1の熱書き込みを行った。
ここで得られた色調は黒であった。また、光学濃度は
0.9であった。
【0137】次に、この感熱記録媒体に420nmの光
を効率よく発光する蛍光灯(ウシオ電機社製のUFL3
1140SCS−UV2)の光を約15秒間照射して第
1のジアゾニウム塩を分解することにより第1の定着を
行った。
【0138】次に、第1のジアゾニウム塩を分解した感
熱記録媒体に対してラインサーマルヘッド(TDK社製
のLH4115(商品名))を用いて第2の熱書き込み
を行った。ここで得られた色調は赤であった。また、光
学濃度は0.3であり、塗布液を調製するときの第2の
ジアゾニウム塩のマイクロカプセル液の比率を下げたに
もかかわらず、十分な発色濃度が得られたことを確認し
た。このように十分な発色濃度が得られた一つの理由
は、第2のジアゾニウム塩がマイクロカプセル内に高濃
度に内包されているためである。また、もう一つの理由
は、400nmより大きい波長の光に対する第2のジア
ゾニウム塩の吸収が低下し、その結果、第1の定着の際
に用いた蛍光灯の光による第2のジアゾニウム塩の分解
が低下したためであると考えられる。
【0139】さらに、この感熱記録媒体に357nmの
光を効率よく発光する蛍光灯(ウシオ電機社製のUFL
31140SCS−UV5(商品名))の光を約140
秒間照射して第2のジアゾニウム塩を分解することによ
り第2の定着を行った。
【0140】この第1および第2のジアゾニウム塩を分
解した感熱記録媒体に対してラインサーマルヘッド(T
DK社製のLH4115(商品名))を用いて熱書き込
みを行うと、第1および第2のカプラー、塩基性化合物
および増感剤が溶解することによる表面反射の違いによ
る加熱痕は認められるものの、ジアゾニウム塩とカプラ
ーとの反応による発色は認められなかった。
【0141】以上のことから、熱書き込みとジアゾニウ
ム塩の分解を交互に行うことにより、赤・黒の二色発色
画像の完全定着が可能であることが理解出来る。また、
発色層は単層構成であるため、形成が最も簡単である。
なお、塗布液を調製するときの第2のジアゾニウム塩の
マイクロカプセル液の比率を下げた分だけ、第1のジア
ゾニウム塩のマイクロカプセル液の比率を上げたため、
第1の熱書き込みによる色調が改善された。
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の第1の光定着型感熱記録媒体によれば、マイク
ロカプセルに内包されたジアゾニウム塩と、カプラー
と、塩基性化合物とを含む発色層を具えた光定着型感熱
記録媒体において、ジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−
4’−n−ブチルジフェニルエーテル塩(4-diazo-4'-n
-butyl-diphenylether Salt )から成るものとし、カプ
ラーを、ナフトールASから成る第1のカプラーと、ナ
フトールAS−Gから成る第2のカプラーとから成るも
のとした。
【0162】このように光定着型感熱記録媒体を構成し
た場合、熱書き込みとジアゾニウム塩の分解を順に行う
ことにより、赤色画像の完全定着が可能である。
【0163】また、この発明の第2の光定着型感熱記録
媒体によれば、マイクロカプセルに内包された、第1の
ジアゾニウム塩及び第2のジアゾニウム塩と、カプラー
と、塩基性化合物とを含む発色層を具えた光定着型感熱
記録媒体において、マイクロカプセルに内包される第1
のジアゾニウム塩を、4−(4’−メチルフェニルチ
オ)−2,5−ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩(4
−(4’−Methylphenylthio)−2,
5−Diethoxybenzendiazonium
Salt)から成るものとし、マイクロカプセルに内
包される第2のジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−4’−
n−ブチルジフェニルエーテル塩(4−diazo−
4’−n−butyl−diphenylether
Salt)から成るものとし、カプラーを、ナフトール
ASから成る第1のカプラーと、ナフトールAS−Gか
ら成る第2のカプラーとから成るものとした。
【0164】このように光定着型感熱記録媒体を構成し
た場合、熱書き込みとジアゾニウム塩の分解を交互に行
うことにより、赤・黒の二色発色画像の完全定着が可能
である。
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示
す概略的な断面図である。
【図2】第1の実施の形態の説明に供する光定着型感熱
記録媒体の反射スペクトル図である。
【図3】第2の実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示
す概略的な断面図である。
【図4】第3の実施の形態の光定着型感熱記録媒体を示
す概略的な断面図である。
【図5】第3の実施の形態の説明に供する光定着型感熱
記録媒体の発色特性図である。
【図6】第4の実施の形態の説明に供するジアゾニウム
塩の吸光度スペクトル図である。
【図7】第4の実施の形態の説明に供する第1定着工程
に使用する光源の発光スペクトルである。
【符号の説明】
10:支持体 12:発色層 14:バインダー樹脂 16:ジアゾニウム塩 16a:第1のジアゾニウム塩 16b:第2のジアゾニウム塩 18:カプラー 18a:第1のカプラー 18b:第2のカプラー 20:塩基性化合物 22:増感剤 100:第1の実施の形態の光定着型感熱記録媒体 200:第2の実施の形態の光定着型感熱記録媒体 300:第3の実施の形態の光定着型感熱記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−71771(JP,A) 特開 平4−70376(JP,A) 特開 平7−276806(JP,A) 特開 平8−118805(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロカプセルに内包されたジアゾニ
    ウム塩と、カプラーと、塩基性化合物とを含む発色層を
    具えた光定着型感熱記録媒体において、 前記ジアゾニウム塩を、4−ジアゾ−4’−n−ブチル
    ジフェニルエーテル塩(4−diazo−4’−n−b
    utyl−diphenylether Salt )
    から成るものとし、 前記カプラーを、ナフトールASから成る第1のカプラ
    ーと、ナフトールAS−Gから成る第2のカプラーとか
    ら成るものとしたことを特徴とする光定着型感熱記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 マイクロカプセルに内包された、第1の
    ジアゾニウム塩及び第2のジアゾニウム塩と、カプラー
    と、塩基性化合物とを含む発色層を具えた光定着型感熱
    記録媒体において、 マイクロカプセルに内包される前記第1のジアゾニウム
    塩を、4−(4’−メチルフェニルチオ)−2,5−ジ
    エトキシベンゼンジアゾニウム塩(4−(4’−Met
    hylphenylthio)−2,5−Dietho
    xybenzendiazonium Salt)から
    成るものとし、 マイクロカプセルに内包される前記第2のジアゾニウム
    塩を、4−ジアゾ−4’−n−ブチルジフェニルエーテ
    ル塩(4−diazo−4’−n−butyl−dip
    henylether Salt )から成るものと
    し、 前記カプラーを、 ナフトールASから成る第1のカプラーと、ナフトール
    AS−Gから成る第2のカプラーとから成るものとした
    ことを特徴とする光定着型感熱記録媒体。
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