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JP3384086B2 - フォトクロミック光記録材料 - Google Patents
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JP3384086B2 - フォトクロミック光記録材料 - Google Patents

フォトクロミック光記録材料

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JP3384086B2
JP3384086B2 JP04085894A JP4085894A JP3384086B2 JP 3384086 B2 JP3384086 B2 JP 3384086B2 JP 04085894 A JP04085894 A JP 04085894A JP 4085894 A JP4085894 A JP 4085894A JP 3384086 B2 JP3384086 B2 JP 3384086B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、π−共役鎖を有する置
換基が導入されたエチレン系誘導体を含むフォトクロミ
ック光記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック材料とは、光の作用に
より状態の異なる2つの異性体を可逆的に生成する分子
又は分子集合体を含む材料を言う。フォトクロミック材
料を光記録媒体として用いる際には様々の性能が要求さ
れるが、その1つは長波長域感受性である。即ち、光記
録に用いられる光源は半導体レーザであるため、半導体
レーザ領域(650〜850nm)に感度を持つことが
要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
ているフォトクロミック分子の多くは長波長域感受性を
持たず、また、長波長域感受性を持つものは熱安定性が
悪い、或いは低感度であるといった欠点を持っていた。
【0004】フォトクロミック材料に長波長域感受性を
付与するには、2つの方法が考えられる。1つは、分子
内電荷移動官能基を導入することであり、もう1つは長
いπ−共役鎖を分子に導入することである。
【0005】前者の方法として強い電子供与基と電子受
容基とを同一分子内へ導入することが試みられており、
波長828nmに感度を持つジアリールエテン分子が報
告されている(S.L.Gilat, S.H.Kawai,J-M.Lehn, Chem.
Commun. 1439(1993))。しかし、この分子の閉環体は熱
的に不安定であり、暗黒中において元の開環体へもどる
欠点を有し、光記録媒体として用いることはできない。
【0006】これに対して、本発明者らは、後者の長い
π−共役鎖を分子に持たせることが、熱安定性を損なう
ことなく長波長域に感度を持たせることに有効であるこ
とを見出した。
【0007】本発明は上記従来の実状に鑑みてなされた
ものであって、熱的に安定でしかも、長波長域感受性を
有するフォトクロミック光記録材料を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のフォトクロミ
ック光記録材料は、エチレン結合の1位の炭素及び2位
の炭素に、π−共役鎖を有する置換基が導入されたエチ
レン系誘導体を含むフォトクロミック光記録材料であっ
て、該π−共役鎖はヘテロ5員環鎖よりなり、前記1位
の炭素の置換基と2位の炭素の置換基のうちの少なくと
も一方の置換基は、ヘテロ5員環を2個以上有すること
を特徴とする。
【0009】請求項2のフォトクロミック光記録材料
は、請求項1のフォトクロミック光記録材料において、
ヘテロ5員環が、置換されていても良い、ピロール、チ
オフェン、フラン、セレノフェン或いはベンゾ(c)チ
オフェンであることを特徴とする。
【0010】請求項3のフォトクロミック光記録材料
は、請求項1又は2のフォトクロミック光記録材料にお
いて、エチレン系誘導体が下記一般式[I]で示される
ものであることを特徴とする。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、環Aは、ペルフルオロシクロアル
キル基、酸無水物又は置換されていても良いマレイミド
基を表し、R1 及びR2 は、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基又はトリフルオ
ロメチル基を表し、R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R
8 ,R9 及びR10は各々独立して、水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基又は置換
されていても良いアリール基を示し、m及びnは1〜5
を表す。ただし、m及びnは、少なくともどちらか一方
は、2以上を表す。) 以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明において、フォトクロミック光記録
材料を構成するエチレン系誘導体に形成されるπ−共役
鎖は、ピロール、チオフェン、フラン、セレノフェン或
いはベンゾ(c)チオフェン等のヘテロ5員環が複数連
結したヘテロ5員環鎖よりなるものである。即ち、本発
明において、エチレン系誘導体のエチレン結合の1位の
炭素及び2位の炭素に導入されるπ−共役鎖を有する置
換基(以下「π−共役置換基」と称する場合がある。)
は、1個のヘテロ5員環基又は2個以上のヘテロ5員環
が連結したポリヘテロ5員環基である。ただし、エチレ
ン系誘導体のエチレン結合に結合するπ−共役置換基の
うちの少なくとも一方のものは2個以上のヘテロ5員環
が連結したポリヘテロ5員環基である。このような置換
基で形成されるヘテロ5員環鎖は、得られるフォトクロ
ミック光記録材料の耐酸化性、フレキシブル性の点から
極めて好ましいπ−共役鎖を構成する。
【0014】なお、π−共役鎖を構成するヘテロ5員環
鎖の長さ、即ち、ヘテロ5員環の連結個数は、自由に制
御可能であるが、合成の容易さや反応性の面から、各π
−共役置換基のヘテロ5員環数として1又は2〜5個、
即ち、π−共役鎖の構成ヘテロ5員環数として3〜10
個とするのが望ましい。
【0015】このようなヘテロ5員環鎖よりなる長いπ
−共役鎖をエチレン系誘導体に導入することにより、該
エチレン系誘導体の閉環体において、分子全体に広がっ
たπ−共役系が構成され、吸収波長が長波長側へシフト
し、半導体レーザに感度を持つようになる。
【0016】なお、本発明において、エチレン系誘導体
の1位の炭素に導入するπ−共役置換基のヘテロ5員環
の種類及び数と2位の炭素に導入するπ−共役置換基の
ヘテロ5員環の種類及び数は同じであっても異なってい
ても良いが、前述の如く、少なくとも一方のπ−共役置
換基のヘテロ5員環数は2個以上とする。
【0017】本発明において、π−共役置換基として
は、好ましくは下記式(1) 〜(6) で表されるものが挙げ
られる。
【0018】
【化3】
【0019】ここで、R11及びR14はメチル基、エチル
基、n−フロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜8のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、is
o−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6の
アルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等
のジアルキルアミノ基を表し、R12は水素原子;メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数
1〜6のアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基等のジアルキルアミノ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;シアノ
基;ニトロ基;又は低級アルキル基、低級アルコキシ
基、低級アルキルアミノ基、低級ジアルキルアミノ基、
アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基等で置換されていて
も良いフェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6
〜12のアリール基を表す。
【0020】R13及びR15は、R12と同じか又は下記一
般式(7) 〜(15)で表されるヘテロ5員環系π−共役鎖を
表す。
【0021】
【化4】
【0022】なお、R12とR13とは互いに連結して炭素
数3〜5のアルキレン環、ベンゼン環、ナフタレン環等
の炭素環又はピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、
ピリダジン環、ピラン環、フラン環、チオフェン環等の
複素環を形成しても良い。
【0023】R16は水素原子、或いは、それぞれがハロ
ゲン原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ
基、アミノ基、ニトロ基等の置換基を有していても良い
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1
〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基
等の炭素数6〜12のアリール基;又はシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。
【0024】なお、前記で表されるR12とR13が連結し
て炭素環又は複素環を形成する場合、具体的にはベンゾ
フラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環
等を形成する場合、その環上には1以上の置換基を有し
ていても良い。かかる置換基としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピ
ル基、n−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プ
ロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコ
キシ基;シアノ基;ニトロ基;メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、
iso−プロポキシカルボニル基等の炭素数2〜7のア
ルコキシカルボニル基;トリフルオロメチル基等の炭素
数1〜6のハロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナ
フチル基等の炭素数6〜12のアリール基;シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;フェノ
キシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭
素数7〜13のアリールオキシカルボニル基;メチルア
ミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピ
ルアミノカルボニル基等の炭素数2〜7のモノアルキル
アミノカルボニル基;N,N−ジメチルアミノカルボニ
ル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基、N,N−
メチルエチルアミノカルボニル基等の炭素数3〜9のジ
アルキルアミノカルボニル基;アセチルオキシ基、プロ
ピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオ
キシ基等の炭素数2〜8のアルキルカルボニルオキシ
基;ベンゾイルオキシ基、トルオイルオキシ基、ナフト
イルオキシ基等の炭素数7〜13のアリールカルボニル
オキシ基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数
6〜12のアリールオキシ基;メトキシカルボニルオキ
シ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカ
ルボニルオキシ基、iso−プロポキシカルボニルオキ
シ基等の炭素数2〜8のアルコキシカルボニルオキシ
基;フェノキシカルボニルオキシ基、ナフチルオキシカ
ルボニルオキシ基等の炭素数7〜13のアリールオキシ
カルボニルオキシ基又は前記一般式(7) 〜(9) で表され
る5員環基等が挙げられる。
【0025】本発明において、特に好ましいエチレン系
誘導体としては、下記一般式[I]で示されるものが挙
げられる。
【0026】
【化5】
【0027】(式中、環Aは、ペルフルオロシクロアル
キル基、酸無水物又は置換されていても良いマレイミド
基を表し、R1 及びR2 は、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基又はトリフルオ
ロメチル基を表し、R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R
8 ,R9 及びR10は各々独立して、水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルアミノ基又は置換
されていても良いアリール基を示し、m及びnは1〜5
を表す。ただし、m及びnは、少なくともどちらか一方
は、2以上を表す。) 本発明において、前記一般式[I]中の環Aとしては下
記(16)等のペルフルオロシクロアルキル基、下記(17)等
の酸無水物基、又は下記(18)等の置換されていても良い
マレイミド基が挙げられるが、ここで、マレイミド基の
置換基Rとしては、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、
ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、フェ
ニル基等の置換基を有していても良いメチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル
基;ハロゲン原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル
基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基等の置
換基を有していても良いフェニル基、トリル基、ナフチ
ル基等の炭素数6〜12のアリール基;又は、ハロゲン
原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、
アミノ基、ニトロ基、フェニル基等の置換基を有してい
ても良いシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロ
アルキル基が好ましい。
【0028】
【化6】
【0029】本発明に係るエチレン系誘導体の具体的な
例としては、下記(A)〜(L)で示されるものが挙げ
られる。
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】このようなエチレン系誘導体を含有する記
録層を有する本発明のフォトクロミック光記録材料は、
公知の方法に準じて容易に得ることができる。
【0034】例えば、次の(i) 又は(ii)の方法に従って
記録層を形成することにより、本発明のフォトクロミッ
ク光記録材料を製造することができる。
【0035】(i) 前記エチレン系誘導体を、必要に応
じて、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セ
ルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のバインダ
ーと共に、四塩化炭素、ベンゼン、シクロヘキサン、メ
チルエチルケトン、テトラクロロエタン等の溶媒に分散
又は溶解させて、適当な基板上に塗布するか、或いは、
公知の蒸着法又は他の化合物との共蒸着法により、適当
な基板上に蒸着するなどにより、基板上に記録層を成膜
する。
【0036】(ii) 前記エチレン系誘導体を上述の様な
溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入する。
【0037】なお、(i) の方法において、使用される基
板としては、使用する光に対して透明又は不透明のいず
れでも良い。基板材料の材質としては、ガラス、プラス
チック、紙、板状又は箔状の金属等の一般の記録材料の
支持体が挙げられ、これらのうちプラスチックが種々の
点から好適である。プラスチックとしては、アクリル樹
脂、メタアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リサルホン樹脂等が挙げられる。
【0038】このような基板上に形成する記録層の膜厚
は、100Å〜100μm、特に1000Å〜10μm
とするのが好ましい。
【0039】また、成膜法としては真空蒸着法、スパッ
タリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナ
ー法、浸漬法など一般に行なわれている薄膜形成法を採
用することができる。
【0040】成膜にあたり、バインダーを用いる場合、
本発明に係るエチレン系誘導体の量が重量比で5%以上
となるようにするのが望ましい。
【0041】なお、スピナー法による成膜の場合、回転
数は500〜5000rpmが好ましく、スピンコート
の後、場合によっては、加熱或いは溶媒蒸気にあてる等
の処理を行なっても良い。
【0042】ドクターブレード法、キャスト法、スピナ
ー法、浸漬法、特にスピナー法等の塗布方法により記録
層を形成する場合の塗布溶媒としては、ブロモホルム、
ジブロモエタン、エチルセロソルブ、キシレン、クロロ
ベンゼン、シクロヘキサノン等の沸点120〜160℃
のものが好適に使用される。
【0043】本発明において、記録層にはその安定性や
耐光性向上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷
移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナート
キレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒ
ドオキシム、ビスジチオ−α−ジケトン等)又は3級ア
ミン化合物を含有していても良い。
【0044】本発明のフォトクロミック光記録材料の記
録層は、基板の両面に設けても良いし、片面だけに設け
ても良い。
【0045】上記の様にして得られる本発明のフォトク
ロミック光記録材料への記録は、基体の両面又は片面に
設けた記録層或いはセル中の記録層に1〜10μm程度
に集束した光をあてることにより行なう。しかして、光
照射された部分は、光エネルギーの吸収により色変化が
起こる。記録された情報の再生は光による色変化が起き
ている部分と起きていない部分の反射率或いは吸光度の
差を読みとることにより行なうことができる。
【0046】
【作用】本発明に係るエチレン系誘導体は、ポリヘテロ
5員環鎖による比較的長い、分子全体に広がったπ−共
役鎖が形成されるため、吸収波長が長波長側にシフトし
て半導体レーザに感度を持つものとなる。
【0047】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例を挙げて更に
具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り
これらの実施例に限定されるものではない。
【0048】実施例1 [エチレン系誘導体の合成]次の合成ルートにより化合
物(1−7)を合成した。なお以下において、「Me」
は「−CH3 」を表す。
【0049】
【化10】
【0050】化合物(1−2)の合成 化合物(1−1)5g(44.6mmol)を酢酸50
mlに溶解させ0℃に冷却後、臭素5ml(98mmo
l)を加え、室温にもどしながら終夜撹拌した。この溶
液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてエーテル抽出し
た後、硫酸マグネシウムで乾燥させた(収量:7.8
g,収率:65%)。
【0051】化合物(1−3)の合成 化合物(1−2)2.17g(8.05mmol)を窒
素雰囲気下、無水エーテル50mlに溶解させ−60℃
に冷却した。これにn−ブチルリチウムヘキサン溶液
5.6ml(8.86mmol)をゆっくり滴下し、
1.5時間撹拌した。これにトリブチルほう酸6.5m
l(24.2mmol)をゆっくり滴下し、−60℃で
1.5時間撹拌した。水を加えて反応を止め、エーテル
抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた(収量:
1.1g,収率:71%)。
【0052】化合物(1−4)の合成 フラスコ内のテトラキストリフェニルホスフィンパラジ
ウム(O)70mg(0.06mmol)に窒素雰囲気
下でジメトキシエタン50mlを加え、3分間撹拌の
後、2−ブロモチオフェン321mg(2.0mmo
l)を加えた。これに化合物(1−3)445mg
(2.2mmol)と炭酸ナトリウム水溶液(413m
g/5ml)を加えて、5時間撹拌後、終夜撹拌した。
溶媒留去後、水を加えてエーテル抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた(収量:124mg,収率:23
%)。
【0053】化合物(1−5)の合成 化合物(1−4)600mg(2.2mmol)を窒素
雰囲気下、無水テトラヒドロフランに溶解させ−60℃
に冷却した。これにn−ブチルリチウムヘキサン溶液
2.0ml(3.2mmol)をゆっくり滴下して1時
間撹拌し、パーフルオロシクロペンテン0.08mlを
加えて3時間撹拌後、再びパーフルオロシクロペンテン
0.05ml(計0.13ml,1.0mmol)を加
えた。−60℃で3時間撹拌後、水を注ぎエーテル抽出
した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた(収量:82m
g(crude),収率:13%)。
【0054】化合物(1−6)の合成 化合物(1−5)(crude)50mg(0.09m
mol)に四塩化炭素5ml、酢酸5ml、ヨウ素酸7
mg(0.04mmol)の水溶液を加えて、50℃に
加熱後ヨウ素32mg(0.13mmol)を添加し、
3時間加熱撹拌した。チオ硫酸マグネシウム水溶液を加
えてクロロホルム抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ
た(収量:43mg,収率:59%)。
【0055】化合物(1−7)の合成 窒素雰囲気下、2−メトキシチオフェン256mg
(2.24mmol)を無水エーテル2mlに溶解させ
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
0.39ml(2.7mmol)、n−ブチルリチウム
ヘキサン溶液1.68ml(2.7mmol)を加え、
室温で2時間撹拌した。これに無水テトラヒドロフラン
1ml、塩化亜鉛エーテル溶液2.8ml(2.7mm
ol)を加え、さらに室温で3時間撹拌し試薬を調製し
た。別のフラスコに窒素雰囲気下、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(O)2.3mg(0.
002mmol)と化合物(1−6)23mg(0.0
28mmol)を無水テトラヒドロフラン5mlに溶解
させ、先の調製試薬2.9mlを加えて1時間加熱撹拌
した。水と塩酸を加えてエーテル抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた(収量:10mg,収率:45%)。
【0056】得られた化合物(1−7)のNMRスペク
トルデータ及びMassスペクトルデータは以下の通り
であった。
【0057】
【化11】
【0058】[記録材料の作成]化合物(1−7)10
mgとポリメチルメタクリレート1gとをトルエン2m
lに溶解し、スピンコート法によりガラス基板上に薄膜
を作成した。その薄膜へ水銀ランプから波長366nm
の光を照射すると薄膜の色は緑色(λmax:662n
m)に変色した。この緑色は、波長680nmの半導体
レーザ光により退色し、再び無色となり、記録/消去が
確認された。
【0059】図1に、この記録/消去の様子を366n
mの水銀ランプ光照射後の閉環体の吸収スペクトルと、
680nmの半導体レーザ光による退色後の開環体の吸
収スペクトルとして示す。
【0060】比較例1 [エテン系化合物の合成]次の合成ルートにより化合物
(1−11)を合成した。
【0061】
【化12】
【0062】化合物(1−8)の合成 化合物(1−2)2.85g(10.1mmol)を無
水エーテル25mlに溶解させ、−60℃に冷却した。
これにn−ブチルリチウムヘキサン溶液10ml(1
5.8mol)をゆっくり滴下し2時間撹拌した。これ
に水を加えて反応を止めエーテル抽出し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた(収量:1.76g,収率:88
%)。
【0063】化合物(1−9)の合成 化合物(1−8)1.09g(5.74mmol)を窒
素雰囲気下、無水テトラヒドロフランに溶解させ−60
℃に冷却した。これにn−ブチルリチウムヘキサン溶液
4.3ml(6.88mmol)をゆっくり滴下し、
1.5時間撹拌し、パーフルオロシクロペンテン0.2
mlを加えて3時間撹拌後、再びパーフルオロシクロペ
ンテン0.15ml(計0.35ml,2.58mmo
l)を加えた。−60℃で3時間撹拌後、水と塩酸を加
えエーテル抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた
(収量:580mg,収率:51%)。
【0064】化合物(1−10)の合成 化合物(1−9)280mg(0.71mmol)に四
塩化炭素10ml、酢酸10ml、ヨウ素酸63mg
(0.36mmol)の水溶液を加えて、50℃に加熱
後ヨウ素179mg(0.71mmol)を添加し、3
時間加熱撹拌した。チオ硫酸マグネシウム水溶液を加え
てクロロホルム抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた
(収量:380mg,収率:82%)。
【0065】化合物(1−11)の合成 窒素雰囲気下、フラスコにナトリウムメチラートのメタ
ノール溶液(28%)1.13g(5.85mmol)
をいれ、酸化第二銅31mg(0.39mmol)とヨ
ウ化カリウム2mgを加え、化合物(1−10)250
mg(0.39mmol)のメタノール溶液を滴下して
48時間加熱撹拌した。反応終了後、水を加えてクロロ
ホルム抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた(収量:
30mg,収率:17%)。
【0066】得られた化合物(1−11)のNMRスペ
クトルデータ及びMassスペクトルデータは以下の通
りであった。
【0067】
【化13】
【0068】[記録材料の作成]化合物(1−7)の代
りに化合物(1−11)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてポリメチルメタクリレートに分散させて薄
膜を作成した。この薄膜に波長280nmの光を照射し
た時の吸収スペクトルの変化を、波長280nmの光の
照射後を閉環体、照射前を開環体として示す。図2より
明らかなように、閉環体の吸収位置は波長600nm以
下であり、半導体レーザ感受性を示さなかった。
【0069】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のフォトクロ
ミック光記録材料によれば、熱的安定性があり、かつ長
波長域に感度を有する良好な光記録媒体が提供される。
【0070】請求項2,3によれば、より一層優れた特
性を有するフォトクロミック光記録材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物(1−7)の吸収ス
ペクトル線図である。
【図2】比較例1で得られた化合物(1−11)の吸収
スペクトル線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−24245(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/73 503

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン結合の1位の炭素及び2位の炭
    素に、π−共役鎖を有する置換基が導入されたエチレン
    系誘導体を含むフォトクロミック光記録材料であって、 該π−共役鎖はヘテロ5員環鎖よりなり、 前記1位の炭素の置換基と2位の炭素の置換基のうちの
    少なくとも一方の置換基は、ヘテロ5員環を2個以上有
    することを特徴とするフォトクロミック光記録材料。
  2. 【請求項2】 請求項1のフォトクロミック光記録材料
    において、ヘテロ5員環が、置換されていても良い、ピ
    ロール、チオフェン、フラン、セレノフェン或いはベン
    ゾ(c)チオフェンであることを特徴とするフォトクロ
    ミック光記録材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のフォトクロミック光記
    録材料において、エチレン系誘導体が下記一般式[I]
    で示されるものであることを特徴とするフォトクロミッ
    ク光記録材料。 【化1】 (式中、環Aは、ペルフルオロシクロアルキル基、酸無
    水物又は置換されていても良いマレイミド基を表し、R
    1 及びR2 は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
    子、ジアルキルアミノ基又はトリフルオロメチル基を表
    し、R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 ,R9 及びR
    10は各々独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、
    ニトロ基、ジアルキルアミノ基又は置換されていても良
    いアリール基を示し、m及びnは1〜5を表す。ただ
    し、m及びnの少なくともどちらか一方は、2以上を表
    す。)
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