JP3560049B2 - 粉粒体用容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は硫黄や亜鉛等の粉粒体を供給するのに用いられる粉粒体用容器に関し、更に詳しくは、収容された粉粒体を反転することにより排出する際に、その粉粒体が容器内面に付着するのを防止するようにした粉粒体用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、タイヤ等の製造工程において、ゴム原料をミキサーで混練する際に、硫黄や亜鉛等の粉粒体を供給する作業がある。その際に、粉粒体は必要量だけ正確に計量され、供給装置を用いて供給されるが、その供給装置の構成部材として、反転することにより収容された粉粒体を排出する粉粒体用容器が用いられている。
【0003】
従来、このような容器は、粉粒体が内面に付着するのを防止するため、容器自体を粉粒体が付着し難いステンレス鋼で構成したり、或いは容器の内面に表面処理を施して、粉粒体が付着し難くなるようにしている。
しかし、上述した構成の容器は、収容する粉粒体の種類によっては、付着性が強いために、十分に内面付着を防ぐことができず、容器内を定期的に清掃する作業を要するという問題があった。
【0004】
また、粉粒体が容器に付着すると、その分だけ供給されないため、供給精度が低下し、最終的に出来上がった製品の品質低下を招き、また更に、粉粒体が容器に付着していると、周囲に飛散して環境にも悪影響を及ぼすという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、付着性が強い粉粒体であっても容器内に付着するのを防止し、容器内を定期的に清掃する作業を不要にすることができる粉粒体用容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、容器内への付着を一層防止することにより、粉粒体の供給精度を高めると共に、周囲の環境にも悪影響を及ぼすことがない粉粒体用容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、反転することにより収容された粉粒体を排出する粉粒体用容器であって、該容器を、上側に開口を有する硬質性の容器本体と、この容器本体の内側に吊設され前記粉粒体を収容する内層体とから構成し、その内層体を、柔軟性を有する布体と、この布体に取付けられた錘とから構成したことを特徴とする。
【0007】
【作用】
このように反転により収容された粉粒体を排出する粉粒体用容器は、容器本体の内側に吊設され、粉粒体を収容する内層体が、柔軟性を有する布体と、これに取付けた錘とからなる構成であるため、容器が反転された際に、吊設された布体が浮き上がって下方に向けて動き作用を行い、布体に取付けられた錘がその布体に張力を付与するように引張る状態となるので、下方に粉粒体を確実に払い落とすことができる。そのため、付着性が強い粉粒体であっても、従来のように、粉粒体が容器内に付着して残ることがなく、容器内の定期的清掃を行う作業をする必要がない。
【0008】
また、付着性が強い粉粒体であっても、布体に粉粒体が付着するのを防いで、従来よりも容器に対する付着を一層防止することが可能であるため、粉粒体の供給精度を高めることができ、更に周囲の環境に対しても悪影響が及ぶのを回避することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の粉粒体用容器の一例を示し、この粉粒体用容器1は、2層構造を有し、外側層となる容器本体10と、内側層となってこの容器本体10の内側に設けられ、粉粒体を収容する内層体20とから構成されている。
【0010】
上記容器本体10は、金属等の硬質性材料から構成されると共に、底部11とこの底部11の外周部に沿って周囲に立設された側壁部12とから構成され、上側に開口13を有している。また、断面形状が略半円弧状になっている。
底部11及び側壁部12には、貫通孔14,15が形成され、容器本体10と内層体20との間で外部の空気が自由に入出するのを可能にしている。底部11には、その中心部に貫通孔14が1個設けられ、また、側壁部12には、所定の間隔を隔てて複数の貫通孔15が設けられている。
【0011】
上記内層体20は、柔軟性を有する布体21と、この布体21に取付けられた錘22とから構成されている。布体21は、上側が開口した凹状の袋体に形成され、その上部21aの折り返し部が、図2に示すように、容器本体10の側壁部12の上部12aに、リング状の挟持用部材2を介して、ボルト3とナット4とからなる固定部材により固定され、布体21が容器本体10の底部11と側壁部12とで囲まれた収容凹部16内に収容されて吊設された構成になっている。
【0012】
上記錘22は、金属等の重量物で円板状に形成され、容器本体10の底部11に対応した布体21の底部21bの位置(布体21の中心部)に取付けられている。
上述した構成からなる粉粒体用容器1は、計量した硫黄や亜鉛等の粉粒体pを布体21内に収容し、ミキサー等に上から下方に向けて投入する供給位置まで搬送されると、図3の(a)の状態から、(b),(c)を経て180°回転し、(d)の状態になるように完全に反転される。
【0013】
この時、容器本体10の内側に吊設された布体21は、粉粒体用容器1の回転に伴って浮き上がると共に、錘22により張力を付与されながら、容器本体10の外側に飛び出し、容器本体10の下方に完全に突出するように動き作用を行う。下方に突出した布体21はそれに取付けられた錘22により布体全体に張力を付与された状態となる。そのため、収容された粉粒体pが布体21に付着することなく、確実に払い落とされる。
【0014】
また、容器本体10には貫通孔14,15が形成されているため、布体21と容器本体10との間の空間に外部の空気が自由に入ることができる。そのため、容器1の反転に伴って、錘22により引張られながら突出するように移動する布体21の動きを動き易くして、一層粉粒体pを布体21から払い落とすことができる。
【0015】
粉粒体pを投入した後、容器1は、再び図3(a)の状態に戻されるが、布体21の底部21bの位置に錘22が設けられているため、布体21は容器本体10の内側に収容された元の状態に確実に戻ることができる。しかも、貫通孔14,15を介して布体21と容器本体10との間の空間の空気を外部に逃がすことができるので、布体21を容器本体10の形状に沿った図3(a)の状態に迅速に戻すことができる。
【0016】
このように本発明では、反転することにより収容された粉粒体pを排出する粉粒体用容器が、容器本体10の内側に吊設された内層体20を柔軟性を有する布体21と、これに取付けられた錘22とから構成するため、容器1が反転した際に、粉粒体pを収容する布体21が落下するように下方に突出するように移動作用を行うと共に、錘22により布体21全体を張力を付与しながら引張ることになるので、付着性が強い粉粒体であっても、従来のように、粉粒体pを容器内に付着させることがない。そのため、容器内を定期的に清掃する作業を不要にすることができる。
【0017】
また、付着性が強い粉粒体であっても、布体21に粉粒体pが付着するのを防止し、従来よりも容器への付着を一層防止することができるため、粉粒体pの供給精度を高めることができ、かつ周囲の環境に悪影響を及ぼすことがない。
上記布体21の材質としては、容易に破損することがなく、所定のレベル以上の耐久性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、好ましくは、粉粒体pが付着し難いものがよく、例えば、テフロン濾布を使用することができる。
【0018】
また、布体21に用いられる布の織り方も、収容した際に粉粒体pが下方に漏れ落ちることがなければ、従来公知の織り方でよく、例えば、綾織り等を好ましく採用することができる。また、布体21として、不織布についても同様に使用することができる。
上記布体21の目の粗さも、収容した粉粒体pが下方に漏れ落ちなければよく、特に限定されない。
【0019】
本発明では、上述した実施例において、容器本体10の底部11と側壁部12との両方の箇所に、空気流入流出用の貫通孔14,15をそれぞれ設けるようにしたが、そのような貫通孔を設ける場合には、少なくとも側壁部12の方に設ければよく、それによって、布体21を容器本体10の内側形状に沿った図3(a)の状態に迅速に戻すことができる。
【0020】
また、上記貫通孔14,15に代えて、布体21と容器本体10との間の空間に空気を強制的に供排させる装置を接続するようにしてもよい。しかし、容器本体10に貫通孔を設けた上記実施例の構造の方が、構成が簡単でコスト的にも安価となって好ましい。
なお、上述した粉粒体pとは、粉体のみの状態や、粒体のみの状態、及び粉体と粒体とが混入された状態を示すものである。
【0021】
以下に、本発明を更に具体的に説明する。
布体を綾織りにしたテフロン濾布から構成すると共に、その目の粗さを縦211本/2.54cm、横95.5本/2.54cmの密度にし、その布体の底部に1kgの錘を取付け、図1に示すような構成の本発明容器を製作した。また、ステンレス鋼で構成した従来容器1、及び容器の内面に表面処理を施した従来容器2をそれぞれ得た。
【0022】
これら各試験容器を反転させる装置に取付け、粉粒体として、付着性が強い亜鉛華と硫黄とを用い、下記に示す測定条件により、粉粒体の付着性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
付着性
各試験容器を使用し、計量した粉粒体をミキサーに投入する動作を24時間繰り返し行った後、各試験容器に付着した粉粒体の量を測定し、その結果を従来容器1を100とする指数値で評価した。この値が小さい程、粉粒体の付着が少なく、付着が防止されたことを意味する。
【0023】
【表1】
表1から明らかなように、本発明の容器は、付着性が強い粉粒体であっても容器に対する付着が改善されていることが判る。
【0024】
【発明の効果】
上述のように本発明は、反転することにより収容された粉粒体を排出する粉粒体用容器であって、該容器を、上側に開口を有する硬質性の容器本体と、この容器本体の内側に吊設され前記粉粒体を収容する内層体とから構成し、その内層体を、柔軟性を有する布体と、この布体に取付けられた錘とから構成したので、付着性が強い粉粒体であっても容器内に付着するのを防止し、容器内を定期的に清掃する作業を不要にすることができる。
【0025】
また、容器内への付着を従来のものよりも一層防止することができるため、粉粒体の供給精度を高めることができると共に、周囲の環境に対する悪影響を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉粒体用容器の一例を示す断面図である。
【図2】図1のA部の拡大断面図である。
【図3】本発明の粉粒体用容器の作用説明図で、(a)は定常状態を示す説明図、(b)は反転を始めた状態を示す説明図、(c)は反転を開始して90°を越えた状態を示す説明図、(d)は180°回転して完全に反転した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 粉粒体用容器 10 容器本体
11 底部 12 側壁部
13 開口 14,15 貫通孔
20 内層体 21 布体
22 錘 p 粉粒体
Claims (5)
- 反転することにより収容された粉粒体を排出する粉粒体用容器であって、該容器を、上側に開口を有する硬質性の容器本体と、この容器本体の内側に吊設され前記粉粒体を収容する内層体とから構成し、その内層体を、柔軟性を有する布体と、この布体に取付けられた錘とから構成した粉粒体用容器。
- 前記容器本体に貫通孔を設け、該容器本体と前記内層体との間で外部の空気を入出可能にした請求項1に記載の粉粒体用容器。
- 前記貫通孔を前記容器本体の側壁部に形成した請求項2に記載の粉粒体用容器。
- 前記貫通孔を前記容器本体の底部に形成した請求項2または3に記載の粉粒体用容器。
- 前記錘を前記布体の容器本体の底部に対応した位置に取付けた請求項1乃至4に記載の粉粒体用容器。
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