JP3675189B2 - 支持体の表面処理装置、及び支持体の表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料、磁気記録媒体や画像表示装置用材料に有用な支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下でガス中放電プラズマ処理を施す表面処理装置、それを使用して処理する表面処理方法、及びその方法により表面処理された支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、構成層の支持体への接着性を助長させ得る技術として、真空グロー放電処理や火炎処理等が提案されて来た。しかし火炎処理は支持体に与えるダメージ、炎の揺らぎによる処理面の不均一さ、処理の強弱のコントロールの難しさ、危険性などがあり、課題も多い。真空グロー放電処理は処理する設備自体を真空にすることにより容量に自ずと限界があり、生産性とコストの面から好ましい方法ではない。
【0003】
これに対して、最近、大気圧あるいはその近傍の圧力下でヘリウムガスを使用して放電し処理する方法が特開平3−143930号、同4−74525号、特公平2−48626号、同6−72308号、同7−48480号公報等により提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されている表面処理方法においては、処理する電極間に供給するガスのヘリウムガスが非常に高価なため、工業生産には適し難い。そこで、支持体を連続搬送しながら処理が出来て、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層等の如き非接着物質の支持体への接着性を助長し得る、しかもコストが安く、生産性に優れた処理方法が求められていた。
【0005】
これらの課題に対して、大気圧もしくはその近傍の圧力下、一対の電極間の間隙を10mm以下としたところで、少なくとも不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして、連続搬送する支持体をガス中放電プラズマ処理を施す方法及び装置を、本発明者らは特願平10−94468号及び同10−97426号において提案した。この方法により、上記の各方法の持つ課題について解決が出来た。しかしながら、該特許出願においては、処理室に移送して来る支持体に同伴されてくる空気が、処理室内に混入し、それが原因で処理能力が劣化し、その結果接着性が劣化するといった問題があった。特に支持体表面に構成層との強固な接着性を必要とするハロゲン化銀写真感光材料、画像表示装置用材料や磁気記録媒体等に対して品質上重大な欠陥となっていた。それが高速搬送になればなるほど、目立つようになった。
【0006】
この課題に対して、同伴空気を遮断する方法として前記特開平3−143930号公報に、ニップロールもしくはブレードフィルムを用いてウェブと接触させることで遮断する方法が記述されている。確かにこの方法である程度の外気遮断は可能であるが、高度の接着性を必要とする場合、外気の遮断能力を上げなければならず、該公報の方法だけでは不十分である。またブレードフィルムを用いた場合、支持体に擦り傷が付き、製品として役にたたないばかりか、摩耗により発生した粉塵等により処理室内が汚染される等の問題があった。
【0007】
本発明の目的は、高速で搬送している長尺の支持体を連続して大気圧もしくはその近傍の圧力下でガス中放電プラズマ処理する際、全く新規な方法で、支持体に同伴してくる空気の処理室内への混入をほぼ完全に防ぎ、処理効率を向上させ、非接着性物質の接着性を増強すること、しかも品質を高めることの出来る支持体の表面処理装置、またそれを使用して処理する支持体の表面処理方法を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような課題に対して鋭意検討を行った結果、前記特許出願において発明された方法及び装置に更に改良を加え、連続的に搬送してくる支持体が同伴して処理室に持ち込む空気を遮断する手段を開発し、接着性が強固な、表面処理支持体を作製するための表面処理装置と表面処理方法を得ることに成功した。
【0009】
本発明は下記構成により達成された。
【0010】
(1)大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室を有し、処理ガスの少なくとも1成分を有している予備室を、支持体の入口側に一つ、または出入口両側に一つづつ該処理室に隣接して有することを特徴とする支持体の表面処理装置。
【0011】
(2)大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室を有し、該処理室の支持体の入口側に二つ以上の、または出入口の両側にそれぞれ二つ以上の予備室を有することを特徴とする支持体の表面処理装置。
【0012】
(3)予備室の少なくとも一つが、処理ガスの少なくとも一成分を有することを特徴とする(2)に記載の支持体の表面処理装置。
【0013】
(4)処理室と隣接する予備室の気圧が、処理室の気圧より0.03mmAq以上低いことを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
【0014】
(5)少なくとも1つの予備室の気圧が、隣り合い且つ処理室より遠い位置の次の予備室の気圧より0.03mmAq以上高いことを特徴とする(2)または(3)の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
【0015】
(6)少なくとも1つの予備室が減圧手段を有することを特徴とする(2)または(5)に記載の支持体の表面処理装置。
【0016】
(7)隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して所定の間隙を保ち、且つ非接触であることを特徴とする(1)乃至(6)の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
【0017】
(8)前記支持体に対する間隙が、下記数2の関係を満たすことを特徴とする(7)に記載の支持体の表面処理装置。
【0018】
【数2】
【0019】
ここで
d:間隙(cm)
W:装置の幅(cm)
Q:処理室への処理ガスの導入量(cc/sec)
ΔP:隣り合う室間の気圧差(mmAq)
である。
【0020】
(9)隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して非接触のロールであることを特徴とする(7)または(8)に記載の支持体の表面処理装置。
【0021】
(10)前記非接触のロールがゴムロールであることを特徴とする(9)に記載の支持体の表面処理装置。
【0022】
(11)前記非接触のロールの直径が70mm以上であることを特徴とする(9)または(10)に記載の支持体の表面処理装置。
【0023】
(12)隣接する室間の間仕切り手段が、非接触のブレードであることを特徴とする(7)または(8)に記載の支持体の表面処理装置。
【0024】
(13)隣接する室間の間仕切り手段がスリットから噴出するガスであることを特徴とする(7)または(8)に記載の支持体の表面処理装置。
【0025】
(14)スリットから噴出するガスが処理ガスの少なくとも一成分を有することを特徴とする(13)に記載の支持体の表面処理装置。
【0026】
(15)前記スリット内の内圧が20mmAqであることを特徴とする(13)または(14)に記載の支持体の表面処理装置。
【0027】
(16)隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して接触する少なくとも一対のロールであることを特徴とする(7)または(8)に記載の支持体の表面処理装置。
【0028】
(17)大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室の酸素濃度を750ppm以下とすることを特徴とする支持体の表面処理方法。
【0029】
(18)酸素濃度が600ppm以下であることを特徴とする(17)に記載の支持体の表面処理方法。
【0030】
(19)酸素濃度が200ppm以下であることを特徴とする(18)に記載の表面処理方法。
【0031】
(20)(1)乃至(16)の何れか1項に記載の表面処理装置を用いて処理することを特徴とする支持体の表面処理方法。
【0032】
(21)前記支持体が、セルロースエステル支持体、ポリカーボネート支持体、ポリイミド支持体、ポリスチレン(シンジオタクティック)支持体、ポリオレフィン支持体、紙基体に溶融被覆してあるポリオレフィン樹脂被覆印画紙支持体、あるいはポリエステル樹脂被覆印画紙支持体から選ばれる支持体であることを特徴とする(17)〜(20)のいずれか1項に記載の表面処理方法。
【0034】
本発明を詳述する。
【0035】
本発明のガス中放電プラズマ処理の基本的な事柄、条件、方法等については、特願平10−97426号と特願平10−94468号に記載されていることを参考にして第1の本発明の中で説明するが、これらの基本的な事項、条件、方法等は以下に示す全ての本発明においても共通するものである。
【0036】
図1は表面処理装置の概略構成図である。図1は、特願平10−97426号にある図と類似したもので、ここでは平型電極を基とした装置を示すがその形状、方式等はこれに限るものではない。
【0037】
第1の本発明を図1を用いて説明する。大気圧もしくはその近傍の圧力となっている処理室2に不活性ガスの50%以上をアルゴンガスとして、他の反応性ガスや不活性ガス等と混合して処理ガスを形成して、導入口から導入し、処理室2内に充満させることによって、一対の電極6と7の間にも処理ガスの雰囲気となる。この電極間で移送している(搬送して来る)支持体5をガス中放電プラズマ処理を行うが、その際、支持体5が同伴して来る空気によって表面処理の効率が低下するのを防ぐために、これを遮断する必要があり、本表面処理装置1には、表面処理を施す処理室2と、支持体5の搬送方向上流側に処理室2に隣接した予備室3aと、必要に応じて支持体5の搬送方向下流側に処理室2に隣接した予備室3bが設けられている。第1の本発明は、処理室に隣接する予備室3aまたは3bに例えば図示してないガス導入口のような手段から処理ガスの少なくとも1成分を導入することによって、予備室3aが導入されたガスで満たされ、処理室2への搬送して来る支持体5が同伴して持ち込む空気を遮断することが出来るが、予備室3aに導入するガスは処理ガスと全く同一組成のものとするのが好ましく、ガス中放電プラズマ処理がより安定して得られる。ガスの導入は、処理室からガスを隙間を通して流れ出させる方法でもよい。予備室3aまたは3bのうち、同伴空気を遮断するという目的からは、上流側の予備室3aの方が効果的である。従って、下流側の予備室3bは必要に応じて設ければよい。各予備室3a、3bと室外及び処理室2との間には、それぞれ間仕切り手段(例えばニップロールのような)9が設けられている。この間仕切り手段9や図示しない搬送手段により、支持体5が、処理室2内の一対の電極6と7の隙間を連続搬送される。一対の電極6と7は、処理室2内に設けられた平板電極である。この電極6と7は、導電性の金属(例えば、ステンレス、アルミニウム、銅など)の電極部材6A、7Aと、電極部材6A、7Aの一部を被覆した誘電体(例えば、ゴム、ガラス、セラミックなど)6B、7Bとから構成されている(被覆は全部でも一部でもよい)。また、図1では一対の電極6、7のように平板電極を用いてあるが、一方もしくは双方の電極を円筒電極もしくは一方をロール状電極としてもよい。この一対の電極6、7のうち一方の電極6に高周波電源10が接続され、他方の電極7はアース10Eにより接地されており、一対の電極6、7間に放電を生じせしめるように構成している。なお、8は支持体を表面処理装置1へ、または表面処理装置1から搬送するガイドロールである。
【0038】
次に本発明で使用する処理ガスに関することについて説明する。
【0039】
本発明は、処理室2に導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴン(Ar)ガスとしてガス中放電プラズマ処理する。他の不活性ガスとして、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガスなどがあるが、各種不活性ガスも不活性ガスの50圧力%未満に用いることが出来るが、アルゴン(Ar)ガスを主成分として用い、アルゴンガスを60圧力%以上とすることが、効率的な改質効果を得るために好ましい。
【0040】
ガス中放電プラズマ処理における処理効果は、アルゴンガスが、ヘリウムガスより原子量が大きく、一原子気体としての大きさも大きく、処理の際、プラスティック支持体5の表面にアルゴンが叩きつけられた時エッチングが起こり表面に凹凸を生じ、ヘリウムガスでは見られない処理として有効な効果がアルゴンガスにはある。また、他の不活性ガスに比してアルゴンガスは安価であり、しかも、格段の改質効果を得ることが出来る。他の不活性ガス、例えば、クリプトンガスやキセノンガスは、これらを使用してプラズマを発生させるためには、高出力、高周波数が必要になり表面処理が強すぎ、支持体5にダメージを与えてしまう。
【0041】
本発明の導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとするということは、導入不活性ガスの50圧力%以上がアルゴンガスで、残りの50圧力%未満に他の不活性ガスを混合して使用してもよく、更にその他に下記反応性ガスを混合して処理ガスとすることが好ましい。反応性ガスの不活性ガスに対する比率は0〜0.30とするのがよく、好ましくは0.01〜0.2圧力%である。
【0042】
本発明において、処理ガスに使用される不活性ガス以外のガスとして、窒素(N2)ガス、水素(H2)ガス、アンモニア(NH3)ガス、水蒸気等の反応性ガスを含有させてガス中放電プラズマ処理が行われる。ガス中放電プラズマ処理によって、分離(遊離)した反応性の分子が支持体表面に反応し、−NH2基、−OH基、−COOH基等のような化学的活性基が発現し、支持体5の化学的改質を行うことが出来、接着性の増強に寄与する。
【0043】
本発明において、処理室2内に導入するに先立ち、予め不活性ガスと反応性ガスとを混合した処理ガスを使用することが好ましいが、各ガスを独立して導入しても、処理室2内の電極6と7の間の雰囲気が、上述した処理ガスの成分になっていればよい。
【0044】
本発明のガス中放電プラズマ処理の放電状態は、真空下で起こるグロー放電に似た放電状態となっているが、支持体が同伴して来る空気を遮断することによって、本発明の表面処理をするにより適したガス中放電プラズマ処理の放電状態となる。
【0045】
本発明のガス中放電プラズマ処理の放電強度は、アーク放電も起こらず安定した効果的な処理を行うには、50W・min/m2以上500W・min/m2未満が好ましい。この範囲でガス中放電プラズマ処理を行うことにより、処理の均一性を有し、ダメージもなく仕上げることが出来、しかも優れた接着性を得ることが出来る。
【0046】
処理すべき支持体を予め加熱した状態でガス中放電プラズマ処理を行うと、短時間の処理で被接着層の接着性を向上させることが出来、また支持体の黄変、破壊、ひび割れ、極表面の裂傷等のダメージを大幅に減少することが出来る。余熱温度は支持体のガラス転移温度(絶対温度)の±35%範囲内がよく、±20%が好ましい。
【0047】
図2は、予備室を複数室有する表面処理装置11の概略構成図である。
【0048】
第2の本発明は、大気圧もしくはその近傍の圧力となっている処理室12に不活性ガスの50%以上のアルゴンガスと、他の反応性ガスや不活性ガス等と混合して処理ガスを形成して、ガス中放電プラズマ処理導入口から導入し、処理室12内に充満させ、搬送されて移送して来る支持体15にガス中放電プラズマ処理を行うが、支持体15が同伴して来る空気を、処理室12の前(上流側)に二つ以上の予備室、(予備室13a−1、予備室13a−2、予備室13a−3・・・予備室13a−n)を設置して、遮断するものである。第2の本発明においては、それを遮断するために二つ以上の予備室を設けていることが特徴となっていて、後述のような他の遮断手段をいろいろ組み合わせて用いることが出来るので有利である。予備室は少なくとも2室で、経済的、立地的、効果的な観点から好ましくは2〜4室である。なお、処理室12の後(下流側)にも同様に二つ以上の予備室(予備室13b−1、予備室13b−2、予備室13b−3・・・予備室13b−n)を設置して、下流側から入り込む空気を遮断してもよいが、処理室前側の予備室よりも混入量は一般的に少ない。なお、14は処理室12と第1予備室と、また各予備室との間の仕切の隙間を形成する手段である。16と17は一対の電極であり、19aは表面処理装置11と外界との間仕切り手段(遮断手段)であり、19bは後ろ側の間仕切り手段である。
【0049】
第3の本発明は、設置された二つ以上の予備室の少なくとも一つに、上記3aと同様に、処理室12内の処理ガスの組成の少なくとも一成分を導入する(図示してないが予備室に導入口を設けて)ことによって、あるいは処理室からガスを隙間を通して流れ出させてもよく、いずれでも処理室12への同伴空気を遮断することが出来るが、処理ガスと全く同一組成のガスを任意の予備室に導入することが好ましく、ガス中放電プラズマ処理が安定して得られる。また、各予備室全てに同様のガスを導入すれば、段階的に同伴空気を減少させることが出来、遮断は効果的に行われる。
【0050】
第4の本発明は、処理室2または12に隣接する予備室3aまたは13a−1あるいは予備室3bまたは13b−1の気圧P2を処理室2または12の気圧P1より0.03mmAq以上低く(ΔP1.2=P1−P2≧0.03mmAq)することによって支持体5または15が同伴してくる空気をほとんど遮断することが出来る。更にそれぞれの予備室3aまたは13a−1と3bまたは13b−1には処理室1または12内の処理ガスが流れ込み、同伴空気の遮断は効果的である。気圧差を大きくするためには、ガス流量を上げるか、もしくは室内外の密閉度を上げるのが好ましい。密閉度を上げるために9、14もしくは19の間仕切り手段の支持体の裏側を後出の図9のようなフィルム状のブレードで擦らせると効果的である。
【0051】
第5の本発明は、任意の位置の予備室13a−nの気圧Pnが、隣り合い、且つ処理室12より遠い位置の予備室13a−(n+1)の気圧Pn+1より0.03mmAq以上高くする(ΔPn.n+1=Pn−Pn+1≧0.03mmAq)ことによって、処理室12側の予備室13a−nは支持体15が同伴して来る空気をより薄めることが出来、複数室の予備室でこの気圧差を段階的に付けることによって、処理室に至るまでには同伴空気をほとんど完全に遮断することが出来る。なお、前記の第4の本発明と第5の本発明において、同伴空気を遮断するための圧力差が大きいほど有利であるが、あまり大き過ぎると大量のガスが通過するようになり、コスト高(ガス代が)になるため、系の各種条件に応じて0.03mmAq以上で最適点に設定すればよい。予備室の室数は多ければ多いほど効果は上がるが、2〜4室の予備室を設置することによって、本発明の効果を全う出来る。
【0052】
第6の本発明は、二つ以上の予備室の内、少なくとも1つの予備室を減圧することによって、同伴空気及び処理ガスの少なくとも一成分のガスもこの予備室に流れ処理室22への同伴される空気はほとんどなくなる。図3は減圧手段を有する表面処理装置21の概略構成図であり、この減圧手段は、予備室23a−2に図示したように吸気口を設け吸引してこの部屋を、予備室23a−1より減圧状態にすることによって、処理室22へ持ち込みをそこで遮断するものである。減圧予備室は任意に設定すればよく、23a−(n+1)において吸気口を設置して吸引してもよく、少なくとも処理室22までの間に1室設けるのがよい。また該表面処理装置21の処理室22の隣の予備室23a−1に図に示したように処理ガスに含まれる少なくとも1成分あるいは処理ガスを導入するガス導入口を設けてもよく、それにより予備室23a−2の減圧効果を高めることが出来る。なお、24は支持体25を通す隙間を形成する手段で、26と27は一対の電極である。
【0053】
図4は支持体が通る間隙を規制する非接触手段を有する支持体の表面処理装置31の概略構成図であり、支持体35は搬送ロール34によって予備室33a−1内を搬送され、間仕切り38と搬送ロール34とで支持体35が通る隙間を形成している。間仕切り38は支持体の厚さや条件に応じてその高さを正確に微調整出来るようになっている。搬送ロール34は全てのロールがテンデンシーのような機構で各ロールを回転させ、支持体35に擦り傷やゴミが付かないようにしている。なお、33a−2、33a−3は予備室である。なお、36と37は一対の電極である。
【0054】
第7の本発明は、図4において、隣り合う室間を、支持体に対して非接触の間仕切り38と下側の搬送ロール34との間で、支持体との間隙dを所定の距離に保つことが出来るようにして、あるいは処理した支持体35に擦り傷を付けることなく、また支持体のツレやシワを起こさせることなく処理することによって、高品質の処理支持体を得ることが出来る。この方法では搬送不良もなく生産効率もよい。この第7の本発明は第1の本発明にも適用出来、図1の間仕切り手段9を図4の38と搬送ロール34のようにすることによって達せられる。
【0055】
第8の本発明は、例えば図4で説明すると、隣り合う室間の間仕切り手段38と支持体35の処理面との間隙dが、隣り合う室間の気圧差ΔP、処理室への処理ガス導入量Q、及び装置の幅Wを入れて計算した値より同等かあるいは小さいという下記数3の関係を満たすようにすることにより、支持体35の同伴空気をほぼ完全に遮断することが出来、処理の安定性を高めること、高品質の処理支持体を得ることなどが出来ることがわかったものである。
【0056】
【数3】
【0057】
ここで
d:間隙(cm)
W:装置の幅(cm)
Q:処理室への処理ガスの導入量(cc/sec)
ΔP:隣り合う室間の気圧差(mmAq)
である。
【0058】
間隙dは支持体35の処理される表面と間仕切り手段38との間をいい、この間隙が支持体35が同伴空気を搬入する圧力に拮抗することが出来るように設定される。間隙dがこの式を満たさない場合はガス中放電プラズマ処理の結果が不十分となる。それぞれのパラメータの値は、dとしては、0.1cm以下が好ましい。なお、第1の本発明にも第7の発明と同様にすることによって適用出来、本発明の全ての間仕切り手段と室間に適用出来る。
【0059】
第9の本発明を、図5により説明する。図5は間仕切り手段としてのフリーロールを有する表面処理装置41の概略構成図である。各室間の間の仕切り手段としての非接触(支持体表面と)の回転可能なフリーロール48を、各室間の一部を間仕切っている搬送ロール44に対向して設け、支持体45の処理される表面と、フリーロール48のとの間隙dを規制することによって、支持体が同伴して来る空気を遮断する。しかし、支持体を長尺化して処理するには、支持体ロールごとにテープ等でスプライスして繋げなければならず、そのスプライス部分はテープの厚さ分は厚く、そこの部分が通過する際、間隙形成部分につっかえるおそれがあるので、間仕切りロールをフリーロールとすることによって、ロールが回転してやり過ごすことが出来る。しかも間隙を所定の距離に保ち同伴空気を遮断し、支持体を連続的に処理することが出来る。ロールはスプライス部の段差を吸収出来るように、上下動機構(図示してない)を設けていれば、効果的である(更にゴムロールを用いればより効果的である)。この結果、処理ガスや室間のガスが一時的に薄まることがなく、ガス組成を変動させることなく、均一の処理が出来、また生産効率も落とすことなく遂行出来る。図の符号の中で、図2〜4と同様に、42は処理室、43a−1、43a−2及び43a−3は予備室であり、46と47は一対の電極である。この第9の本発明は、図1の間仕切り9をフリーロール48とロール44と同様にすることによって、第1の本発明にも適用出来る。
【0060】
第10の発明は、図5のフリーロール48の材質がゴムであることである。ゴムの場合はスプライスが通過する際、滑ることなく同調して回転するので、擦り傷などを発生することなく、高品質の表面処理支持体が得られる。この第10の本発明は、図1の間仕切り手段9をゴム製のフリーロール48にすることによって、同様に第1の本発明にも適用出来る。
【0061】
また、第11の本発明は、前記フリーロール48の直径を70mm以上とすることにより、前記の効果を生み出すことが出来る。ロールが弯曲することなく、また自由に回転出来る質量からこの範囲が好ましい。あまり直径を大きくし過ぎると設備規模が大きくなるので、各種の条件に応じて70mm以上で最適点に設定すればよい。この第11本発明は、図1の間仕切り手段9を直径70mm以上のフリーロール48にすることによって、同様に第1の本発明にも適用出来る。
【0062】
第12の本発明は、間隙の規制に支持体と非接触のブレードを用いるものである。図6は間隙規制にブレードを用いた表面処理装置51の概略構成図である。各室の間仕切り板にブレード58を付け、支持体表面との間隙dを規制して同伴空気を遮断する方法である。ブレードの材質としては、剛性の高いプラスティックフィルム、鋼のような金属薄片、セラミック薄片などが用いられる。何れのブレードも間隙調整のための微調整具がついている。この第12の本発明は、図1の間仕切り手段9を非接触のブレードとすることによって、第1の本発明にも適用出来る。なお、53a−1、53a−2、53a−3はいずれも上記と同様に予備室であり、56と57は電極である。
【0063】
第13の本発明はガスを噴出させ、且つ吸引することの出来るガス流ブレード装置70を設置することによって、支持体が同伴して来る空気を遮断する方法である。図7はガス流ブレードを有する表面処理装置61の概略構成図である。図8はガス流ブレード装置70の拡大図である。ガス流ブレード装置70は搬送ロール64の上の搬送している支持体65の表面とスリット部71との間隙dを微調整出来るようになっており、ガス流ブレード装置70の内部(図8では右側)から放出ガス72が加圧された状態でスリット71から支持体表面に、放出角度を支持体65の搬送方向と逆方向に取って放出するが、好ましくはその角度は60〜90゜が好ましい。ガスはスリットから放出のみでもよいが、放出されたガスが支持体65の搬送方向と逆方向に減圧吸引しガスの流れ73とする方が一層効果的に処理が出来る。スリット71の幅は小さい方がよく、2.0mm以下が好ましい。この第13の本発明において、第14の発明として、ガス流ブレードに使用するガスは空気でもよいが、処理ガスもしくは処理ガスの組成の好ましくは一成分のガスを使用するのが好ましく、処理効果を著しく向上させることが出来る。この第13及び14の本発明は、図1の間仕切り手段9を70のガス流ブレード装置とすることによって、同様に第1の本発明にも適用出来る。なお、63a−1、63a−2、63a−3はいずれも上記と同様に予備室であり、66と67は電極である。
【0064】
第15の本発明は、ガス流ブレード装置70の放出側の内圧を20mmAq以上とするのがよく、内圧が大きいほど有利であるが、あまり大き過ぎると設備仕様アップのためコストがかかるので、系の各種条件に応じて20mmAq以上で最適点に設定すればよい。ガス流ブレード装置70は複数もうけてもよく、最も離れた予備室の入口に設けることにより充分効果が得られる。この第15の本発明は、図1の間仕切り手段9をガス流ブレード装置70とし、その放出側の内圧を20mmAq以上とすることによって、同様に第1の本発明にも適用出来る。
【0065】
第16の本発明は、二つ以上の予備室の少なくとも一つの間仕切りに支持体に接触するロールを使用することであり、この場合ニップロールが好ましい。何れか一つの間仕切りに使用することによって遮断効果を上げることが出来るが、好ましくは図2の19aまたは19bの間仕切り手段にニップロールを使用し、支持体の表面処理装置11の入口と外界との仕切りに使用することである。あまりニップロールを多用すると、支持体に傷がついたり、ゴミが付着したりするので好ましくはない。この第16の本発明は、図1の間仕切り手段9を接触ロールにすることにより、同様に第1の本発明にも適用出来る。
【0066】
図9は、機密性を高めるフィルム状のブレードを設置した表面処理装置の一部の拡大図である。支持体75の通過する間隙以外の隙間の機密性を、フィルム状のブレード79を、間仕切りに上記各発明においてロールを使用している箇所、例えば搬送ロール74、フリーロール78の背側に擦らせてタッチさせることによって高められる。74と78が対になってニップロールであってもよく、また支持体75の上側にロールがない場合には搬送ロール74だけでもよい。気圧差を高めるには、ガスの流量を上げるか、もしくは室内外の密閉度を、図9のようにして上げるのがよい。
【0067】
第17〜19の本発明では、搬送して来る支持体が同伴して来る空気を、上記各本発明の方法及び表面処理装置を用いることによって遮断し、処理室内の酸素濃度を極端に低めることが出来る。本発明の表面処理を支持体表面に効果的に行うためには、処理室内の酸素濃度を1000ppm以下とすることがよく、750ppm以下が好ましく、特に600ppm以下、更には200ppm以下とすることが好ましい。
【0068】
第20の本発明は上記各発明の装置を用いてガス中放電プラズマ処理した支持体の表面処理方法であり、第21の本発明は上記発明の装置及び方法を用いてガス中放電プラズマ処理した表面処理した支持体である。
【0069】
本発明の表面処理の際のプラズマの発生は、Optical Emission Spectroscopy法(略してOES)、あるいはPhotoelectoron Spectroscopy法(光電子分光法)(略してPES)の測定により知ることが出来る。
【0070】
本発明のガス中放電プラズマ処理によりプラスティック支持体表面に発現する活性基については光電子分光法(ESCA)により知ることが出来る。例えばVG社製ESCALAB−200Rが使用できる。
【0071】
次に、本発明で使用する支持体について述べる。
【0072】
本発明の支持体は、ハロゲン化銀写真感光材料や磁気記録材料に用いられるものならば制限なく使用し得る。
【0073】
本発明に使用する支持体としては、セルローストリアセテート等のセルロースエステル支持体、ポリエステル支持体、ポリカーボネート支持体、ポリイミド支持体、ポリスチレン(シンジオタクティック)支持体、ポリオレフィン支持体、紙基体に溶融被覆してあるポリオレフィン樹脂被覆印画紙支持体、あるいはポリエステル樹脂被覆印画紙支持体等を挙げることが出来る。
【0074】
ポリオレフィン樹脂被覆印画紙支持体、あるいはポリエステル樹脂被覆印画紙支持体、ポリエステル支持体、ポリオレフィン支持体には、用途に応じて、白色顔料を混合させてもよい。この用途は印画紙支持体であり、反射画像として見るために支持体面が白色となっている。白色顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛等が好ましく、これらの内、酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンはルチル型とアナターゼ型の2種がよく用いられるが、その中でも白さの安定性からアナターゼ型が好ましい。
【0075】
本発明に用いられるポリオレフィン支持体またはポリオレフィン樹脂被覆支持体のポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることが出来る。
【0076】
セルロースエステル支持体を構成するものとしては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースフタル酸半エステル、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート、セルロースアセテートナイトレート、ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート等のセルロース誘導体を挙げることが出来、中でも脂肪族エステルや混合脂肪酸エステルが好適に用いることが出来、特に酢化度50.0〜62.0%のセルロースアセテート、更に酢化度57.0〜62.0のセルローストリアセテートフィルムを用いることにより、機械的強度、寸法安定性、及び耐湿熱安定性の良好なフィルムを得ることが出来るので好ましい。これらのセルロースエステルは、重量平均重合度が200〜800、特に250〜400が好ましい。
【0077】
ポリエステルを主成分とするポリエステル支持体は、上記支持体以上に機械的強度があり、また寸法安定性にも優れているため、非常によく使用されている。
【0078】
本発明に有用なポリエステル支持体を構成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステル、またはポリエステル以外のポリマーが混合されていてもよい。
【0079】
本発明に有用なポリエステル支持体は、構成成分のジカルボン酸とジオールとのエステル化及び重縮合により得られたポリエステルを溶融したシートを2軸延伸製膜法により得られる支持体である。
【0080】
構成成分の一つのジカルボン酸としては、透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸が、またもう一つの構成成分のジオールとしては、上記同様な点からエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。これらジカルボン酸とジオールを適宜組み合わせてエステル化及び重縮合したポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリエチレンナフタレート(PEN);テレフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなるポリ(テレフタレート−コ−2,6−ナフタレート);PETとPENの分子量の異なるものの混合物を溶融時エステル交換したコポリエステル;エチレンテレフタレートとシクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとのコポリエステル、エチレン−2,6−ナフタレートとシクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとのコポリエステル;エチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールのジオールとテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸のジカルボン酸との混合ポリエステルが好ましい。これらのうち、全ポリエステルに対してエチレンテレフタレートユニット及び/またはエチレン−2,6−ナフタレートユニットが70重量%以上含有されていると、透明性、機械的強度、寸法安定性等に優れたポリエステルフィルムが得られ好ましい。
【0081】
また、特開平6−240020号公報に記載されているような積層構成を有するポリエステルであってもよい。この場合、ポリエステルとしての共重合成分として、スルホフタル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等共重合成分として組み込むことによって親水性のポリエステルとなり、この親水性ポリエステルを外側に、そして芯としてポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのような剛性のある材料を用いることによって親水性を有するポリエステル支持体を作ることが出来、本発明においても好ましく用いられる。
【0082】
上記のうちポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、特にポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリオレフィン樹脂のフィルム支持体及び樹脂被覆印画紙支持体が特に好ましく本発明に用いられ、これらを前記各発明の装置と方法を用いてガス中放電プラズマ処理した表面処理支持体が第22の本発明である。
【0083】
本発明のガス中放電プラズマ処理した支持体には下引層はもとより、ゼラチン層、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層、磁気記録媒体の構成層、またその他の樹脂層等を接着することが出来る。
【0084】
本発明に適する下引層や他の層のポリマーバインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、ジオレフィン等の共重合体、ゼラチン、セルロースナイトレート等を挙げることが出来る。
【0085】
ゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン、及び、ゼラチン誘導体、即ち、分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基を持ち、それらと反応し得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの製法に関しては、例えば、T.H.James:The Theory of the Photographic Process 4th.ed.1977(Macmillan)55頁、科学写真便覧(上)72〜75頁(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることが出来る。
【0086】
ゼラチン中のカルシウムイオン(Ca++)含有量は塗布液の安定性付与のため、乾燥ゼラチンに対して2500ppm以下がよく、1000ppm以下がより好ましく、更にこのましくは500ppm以下である。ゼラチン中のカルシウムイオンを2500ppm以下にするには、ゼラチンを水に溶解した後、脂肪不純物を除去し、続いてゼラチン水溶液をカチオン交換樹脂のカラムに通すか、またバッチ処理によりカチオン交換樹脂と接触させることにより得ることが出来る。本発明に用いられるゼラチンは、動物の骨や皮の主成分であるコラーゲンまたはオセインから製造工程で塩酸等による処理を伴って製造された酸処理ゼラチン、石灰などによる処理を伴って製造された石灰処理ゼラチン、官能基を置換したゼラチン誘導体及び変性ゼラチン、酵素処理ゼラチンである。これらの製法、性質の詳細はアーサー・ヴァイス(Arther Veis)著、ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(The Macromolecular Chemistry of Gelatin)、(アカデミック・プレス、Academic Press)、1964年、の187〜217頁に記載されている。更に、ゼラチン下引層塗布液の凝集防止や下引層塗布性のために、ノニオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。好ましいノニオン性界面活性剤としては、特公平3−27099号公報記載の化合物I−5、化合物I−6、化合物I−12、化合物I−13、化合物I−23、化合物I−31等が挙げられる。
【0087】
これらのゼラチン層に添加する硬膜剤としては、ゼラチンと反応して硬膜する硬膜剤であれば制限なく使用できるが、それら代表的な硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジン系(例えば、PBレポート、19921、米国特許第2,950,197号、同2,964,404号、同2,983,611号及び同3,271,175号の各明細書、特公昭46−40898号及び特開昭50−91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサゾール系(例えば、米国特許第3,331,609号明細書に記載あるもの)、エポキシ系(例えば、米国特許第3,047,394号、西独特許第1,085,663号及び英国特許第1,033,518号の各明細書、更に特公昭48−35495号公報に記載のもの)、ビニルスルホン系(例えば、PBレポート19,920、西独特許第1,100,942号、同2,337,412号、同2,545,722号、同2,635,518号、同2,742,308号、同2,749,260号及び英国特許第1,251,091号の各明細書、また特公昭49−13563号及び同48−110996号、更に、米国特許第3,539,644号及び同3,491,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロイル系(例えば、特公昭53−778号公報及び米国特許第3,640,720号明細書に記載のもの)、カルボジイミド系(例えば、米国特許第2,938,892号、同4,043,818号及び同4,061,499号各明細書に記載のもの)、トリアジン系(例えば、西独特許第2,410,973号、同2,553,915号及び米国特許第3,325,287号の各明細書、更に特開昭52−12722号公報に記載のもの)、オキサゾリン系(例えば、特開平5−295275号公報に記載のもの)、高分子型(例えば、英国特許第822,061号、米国特許第3,623,878号、同3,396,029号及び同3,226,234号の各明細書)、特公昭47−18578号、同47−18579号及び同47−48896号の各公報に記載のもの)、イソシアネート系、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(例えば、特開昭51−3619号記載のもの)、反応性のハロゲンを有する化合物、その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸エステル系、N−メチロール系の硬膜剤を挙げることが出来る。
【0088】
本発明のガス中放電プラズマ処理した支持体に塗布し得るポリマーバインダー層の疎水性ポリマーとしては、熱可塑性ポリマー、放射線硬化性ポリマー、熱硬化性ポリマー、その他の反応性ポリマーなどを挙げることが出来る。熱可塑性ポリマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルポリマー、酢酸ビニルービニルアルコールコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、エチレンービニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコールターポリマー体等のビニル系ポリマーあるいはコポリマー、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース誘導体、、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレンターポリマー、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンターポリマー、ポリアクリルエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステルポリウレタンコポリマー、ポリエーテルポリウレタンコポリマー、ポリカーボネートポリウレタンコポリマー、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、スチレンーブタジエンコポリマー、ブタジエンーアクリロニトリルコポリマーやシリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー等を挙げることができる。これらは単独または2種類以上併用して使用することが出来る。熱可塑性ポリマーのTg(絶対温度)は170〜420゜Kの範囲のものが好ましく、210〜400゜Kの範囲のものがより好ましい。
【0089】
放射線硬化ポリマーとしては、電子線、紫外線などの放射線によって硬化するポリマーで、アクリル型、無水マレイン酸型、ウレタンアクリル型、エーテルアクリル型、エポキシアクリル型、エポキシ型等を挙げることが出来る。
【0090】
また熱硬化性ポリマー、その他の反応性ポリマーとしては、フェノールポリマー、アミノポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン系硬化型ポリマー、イソシアネート系硬化型ポリマー、メラミンポリマー、尿素ポリマー、アルキッドポリマー、シリコーン系硬化型ポリマー、オキサゾリン系硬化型ポリマーなどが挙げられる。これら単独または2種類以上併用して使用することが出来る。
【0091】
本発明のガス中放電プラズマ処理した支持体に塗布し得るポリマーバインダー層の親水性ポリマーとしては、本発明に使用できる親水性ポリマーとしては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー(以降RDと略す)No.17643(以降No.を略す)、26頁、および同18716、651頁に記載されている水溶性ポリマーやラテックスポリマーを挙げることができる。
【0092】
ゼラチン以外の水溶性ポリマーとしては、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉等の天然加工物、ポリビニールアルコール、アクリル酸系コポリマー、無水マレイン酸コポリマー等付加重合ポリマー類、金属スルホ置換ジカルボン酸を含むジカルボン酸とエチレングリコールのようなジオールとの水溶性ポリエステル類等を挙げることが出来る。また、ゼラチンの一部をコロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類などのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイド、例えば、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、アクリル酸系コポリマー体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分解物、ゼラチン誘導体などで置き換えたものでもよい。水溶性ポリエステルも有用である。水溶性ポリエステルは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ナフタレジカルボン酸、フタル酸等と、ジオール成分としてはエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジーオール等との組み合わせによるポリエステルに水溶性成分として、金属スルホフタル酸、ポリエチレングリコールを共重合成分として組み込んだものが好ましい。
【0093】
ラテックスポリマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ブタジエン、スチレンまたはスチレン誘導体等のモノマーを適宜組み合わせて乳化重合したラテックスポリマーが挙げられる。
【0094】
上記列挙の親水性ポリマーまたは疎水性ポリマーは、その分子中に極性基を有していてもよい。極性基としては、エポキシ基、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO3M3、−OPO3M(Mは各々、水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは各々、水素原子、アルキル基を表す)等が挙げられ、これにより該ポリマーバインダー層内の架橋を促進したり、種々の添加剤の混合状態を安定化したり、また上の層とのアフィニティーを増したりすることが出来る。
【0095】
【実施例】
以下に、本発明を実施例で具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0096】
実施条件
下記条件で、ガス導入を開始後10分間処理室にパージし、支持体を搬送させて処理を開始し、安定してから2分後の処理品をサンプリングした。
【0097】
処理室: 容量0.2m3、幅420mm
支持体: 400mm幅、100μmのPEN、80μmPEN支持体
処理ガス: 導入する不活性ガス100圧力%アルゴンガスとし、不活性ガスと反応性ガスの比を、Ar:N2=50:1
周波数: 10kHz
電極間ギャップ: 5mm
支持体搬送速度: 150m/min
処理時間: 0.5sec
出力: 22kW/m2
(酸素濃度測定)
市販の酸素濃度測定器(東レ社製、LC800)を用い、上記処理条件において、ガス導入後10分間パージし、支持体搬送開始後、安定搬送になって2分後に測定を行った。
【0098】
(接着性試験)
ガス中放電プラズマ処理した支持体にゼラチン水溶液を乾燥膜厚0.1μmになるようにワイヤーバーで塗布し、乾燥後試料を10mm幅、200mmの長さに断裁した。次に試料を2枚ゼラチン面同士を、片端50mmが互いに貼り付かないようにしてあとの部分を全て重ね合わせ、35℃80%RHの雰囲気に2日間重量のある錘を乗せて放置して接着させた。これら試料を20℃、40%RHの雰囲気で1日放置した後、テンシロン(東洋精機者製)引張試験機に、試料の接着してない端の部分を上下のクリップに固定してT字型に10cm/minで引っ張った。引張り時の最大の引張強さ(gfm)を剥離強さとした。
【0099】
実施例1
予備室の室数、予備室のガスの導入の有無、予備室の減圧の有無、室間仕切方式とその条件、室間の圧力差、仕切の間隙をいろいろ変化させ、搬送して来る支持体にガス中放電プラズマ処理を施した。
【0100】
室間の圧力差は、図1の処理室2と予備室3aとの圧力差、また図3の処理室22と予備室23a−1との圧力差をΔP1.2とし、予備室23a−1と同23a−2との圧力差をΔP2.3とした。
【0101】
予備室へのガス導入と、予備室からの減圧とは図3に示したように行った。
【0102】
非接触のブレードは、図6の58に示したようなポリエステルフィルム箔片のブレード、図5の48のような非接触のフリーロール、また、スリットから噴出するガス流ブレードについては図7及び8のガス流ブレード装置70のスリット71から窒素ガスを放出して、それぞれ表1の条件で実験した。数式1のQ、ΔPとから計算した値より設定間隙dを大きくした場合、小さくした場合の比較もした。
【0103】
測定評価としては、処理室内の酸素濃度の測定、剥離強さの測定、及び擦り傷の観察を行い表2のような結果を得た。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
(結果)
予備室が無しあるいは1室しかない比較例は、支持体が持ち込んだ同伴空気により処理室内の酸素濃度が高く、剥離強さの結果を見る如く、剥離強さが小さくほとんど処理した支持体面から剥離した。
【0107】
これに対して本発明の予備室を2室を設けることによって、また、予備室が1室でも本発明の予備室にガスを導入したり、間仕切り手段を用いることによって支持体が同伴してくる空気を遮断することが出来、良好な結果を得ることが出来た。
【0108】
非接触ブレードと非接触のフリーロール結果は何れも良好であったが、No.8のフリーロールの間隙が数式1の値より大きく、若干剥離強さが低下した。
【0109】
ガス流ブレードの実験では、スリットのガス減圧側の内圧を0としてもその効果はほとんど変わらず、ガス流ブレードによる間仕切り方式は良い結果が得られた。ニップロールを使用したため微小の擦り傷が僅かに見られた。また、酸素濃度が750ppm以下において接着強度が高く種々な間仕切り手段を施すことによって更に酸素濃度が減少し、高度な接着力が得られることがわかった。このように支持体が同伴してくる空気を遮断する装置及び方法を確立することが出来た。
【0110】
【発明の効果】
大気圧もしくはその近傍の圧力下で、支持体をガス中放電プラズマ処理する装置を得ることが出来、その方法を開発した。これにより生産性が高く、品質の優れた支持体を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面処理装置の概略構成図である。
【図2】予備室を複数個有する表面処理装置の概略構成図である。
【図3】減圧手段を有する表面処理装置の概略構成図である。
【図4】間隙を規制する非接触手段を有する表面処理装置の概略構成図である。
【図5】間仕切り手段としてのフリーロールを有する表面処理装置の概略構成図である。
【図6】間隙規制にブレードを用いた表面処理装置の概略構成図である。
【図7】ガス流ブレード装置を有する表面処理装置の概略構成図である。
【図8】ガス流ブレード装置の拡大図である。
【図9】機密性を高めるフィルム状のブレードを設置した表面処理装置の一部の拡大図である。
【符号の説明】
1 表面処理装置
2,12,32,42,52,62 処理室
3a,3b,13a−1,23a−1,33a−1,43a−1,53a−1,63a−1 予備室
5,15,25,35,45,55,65,75 支持体
6,7,16,17,26,27,36,37,46,47,56,57,66,67 電極
9 間仕切り手段
10 高周波電源
19a,19b 間仕切り手段
34,64,74 搬送ロール
38 間仕切り(間仕切り手段)
48,78 フリーロール
58 ブレード
70 ガス流ブレード装置
71 スリット
79 フィルム状のブレード
Claims (21)
- 大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室を有し、処理ガスの少なくとも1成分を有している予備室を、支持体の入口側に一つ、または出入口両側に一つづつ該処理室に隣接して有することを特徴とする支持体の表面処理装置。
- 大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室を有し、該処理室の支持体の入口側に二つ以上の、または出入口の両側にそれぞれ二つ以上の予備室を有することを特徴とする支持体の表面処理装置。
- 予備室の少なくとも一つが、処理ガスの少なくとも一成分を有することを特徴とする請求項2に記載の支持体の表面処理装置。
- 処理室と隣接する予備室の気圧が、処理室の気圧より0.03mmAq以上低いことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
- 少なくとも1つの予備室の気圧が、隣り合い且つ処理室より遠い位置の次の予備室の気圧より0.03mmAq以上高いことを特徴とする請求項2または3の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
- 少なくとも1つの予備室が減圧手段を有することを特徴とする請求項2または5に記載の支持体の表面処理装置。
- 隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して所定の間隙を保ち、且つ非接触であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の支持体の表面処理装置。
- 隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して非接触のロールであることを特徴とする請求項7または8に記載の支持体の表面処理装置。
- 前記非接触のロールがゴムロールであることを特徴とする請求項9に記載の支持体の表面処理装置。
- 前記非接触のロールの直径が70mm以上であることを特徴とする請求項9または10に記載の支持体の表面処理装置。
- 隣接する室間の間仕切り手段が、非接触のブレードであることを特徴とする請求項7または8に記載の支持体の表面処理装置。
- 隣接する室間の間仕切り手段がスリットから噴出するガスであることを特徴とする請求項7または8に記載の支持体の表面処理装置。
- スリットから噴出するガスが処理ガスの少なくとも一成分を有することを特徴とする請求項13に記載の支持体の表面処理装置。
- 前記スリット内の内圧が20mmAqであることを特徴とする請求項13または14に記載の支持体の表面処理装置。
- 隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して接触する少なくとも一対のロールであることを特徴とする請求項7または8に記載の支持体の表面処理装置。
- 大気圧もしくはその近傍の圧力下、導入する不活性ガスの50圧力%以上をアルゴンガスとして連続搬送している支持体の表面をガス中放電プラズマ処理する処理室の酸素濃度を750ppm以下とすることを特徴とする支持体の表面処理方法。
- 酸素濃度が600ppm以下であることを特徴とする請求項17に記載の支持体の表面処理方法。
- 酸素濃度が200ppm以下であることを特徴とする請求項18に記載の表面処理方法。
- 請求項1乃至16の何れか1項に記載の表面処理装置を用いて処理することを特徴とする支持体の表面処理方法。
- 前記支持体が、セルロースエステル支持体、ポリカーボネート支持体、ポリイミド支持体、ポリスチレン(シンジオタクティック)支持体、ポリオレフィン支持体、紙基体に溶融被覆してあるポリオレフィン樹脂被覆印画紙支持体、あるいはポリエステル樹脂被覆印画紙支持体から選ばれる支持体であることを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の表面処理方法。
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