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JP3870605B2 - 支持体の表面処理方法及びその装置 - Google Patents
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JP3870605B2 - 支持体の表面処理方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料、磁気記録媒体や画像表示装置用材料等に有用なシート状の支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下でパルス化された電界を用いて放電プラズマ処理を施す支持体の表面処理方法及びその装置並びに表面処理した支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、構成層の支持体への接着性を助長させ得る技術として、真空グロー放電処理や火炎処理等が提案されて来た。しかし火炎処理は支持体に与えるダメージ、炎の揺らぎによる処理面の不均一さ、処理の強弱のコントロールの難しさ、危険性などがあり、課題も多い。真空グロー放電処理は処理する設備自体を真空にすることにより容量に自ずと限界があり、生産性とコストの面から好ましい方法ではない。
【0003】
これに対して、最近、大気圧あるいはその近傍の圧力下でヘリウムガスを使用して放電し処理する方法が特開平3−143930号、同4−74525号、特公平2−48626号、同6−72308号、同7−48480号公報等により提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載されている表面処理方法においては、処理する電極間に供給するガスのヘリウムガスが非常に高価なため、工業生産には適し難い。このため支持体を連続搬送しながら処理が出来て、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層等の如き非接着物質の支持体への接着性を助長し得る、しかもコストが安く、生産性に優れた処理方法が求められていた。
【0005】
また、従来の方法では、支持体の搬送速度が3m/minを越えると、外部空気の巻き込みにより、放電プラズマ中に空気が混入し、表面処理性能に悪影響を及ぼす欠点があった。これを解決すべく、特開平10−130851号公報に記載の技術では、走行速度を上げても支持体の表面処理を可能にするために、支持体の搬送方向とは逆の方向から連続的に処理ガスを接触させ、パルス化された電界を印加する処理方法を開示している。しかし、支持体の搬送方向とは逆の方向から連続的に処理ガスを接触させるという方法では、支持体の搬入及び搬出時に空気の持ち込みがさけられず、特に処理室と外部との圧バランスが逆転した場合には、外部空気の量が多くなるか、あるいは処理ガスの外部放出につながる。外部空気の進入が多くなれば、支持体の表面処理への極性官能基(例えばアミノ基、カルボキシル基、水酸基、カルボニル基等)の付与効率が悪くなり、効率的な且つ均一な処理ができなくなり、特に支持体表面に構成層との強固な接着性を必要とするハロゲン化銀写真感光材料、画像表示装置用材料や磁気記録媒体等に対して品質上重大な欠陥となっており、それが超高速搬送になればなるほど、目立つようになった。また処理ガスの外部放出は無駄にコストを浪費することになる。
【0006】
またこの特開平10−130851号公報に記載の技術では、高速搬送と称しているが、実施例を見てもせいぜい30m/min程度である。近年では、設備の効率化から数百m/minというような超高速の搬送速度が要求されるように成ってきているが、かかる要請を満足するまでには至っていない。
【0007】
そこで、本発明者は、前者の課題であるコストが安く、生産性に優れた処理技術を開発すべく、鋭意検討の結果、大気中の放電であっても、パルス電界を印加するプラズマ処理によって、支持体表面の接着性の向上や極性官能基の付与効率が高いことを見出し、本発明に至ったものである。
【0008】
また本発明者は、後者の課題である、超高速搬送においても、支持体表面の接着性を向上させ、極性官能基の付与効率が高く、効率的な且つ均一な表面処理ができる技術を開発すべく、鋭意検討を行った結果、処理室内の支持体にパルス化された電界を印加して表面処理する際に、該処理部に封入する処理ガス中の反応ガスの割合が30%以上であり、該処理室内の気圧が外圧より高いことにより、課題を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明の第1の課題は、コストが安く、生産性に優れた支持体の表面処理方法及びその装置並びに表面処理した支持体を提供することにある。
【0010】
また本発明とは別の課題として、第2の課題がある。第2の課題は、支持体の超高速搬送においても、支持体表面の接着性を向上させ、支持体への極性官能基の付与効率が高く、効率的な且つ均一な表面処理ができる支持体の表面処理方法及びその装置並びに表面処理した支持体を提供することにある。
【0011】
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記第1の課題は、連続搬送される長尺状の支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する方法において、パルス化された電界を用いて空気中で処理することを特徴とする支持体の表面処理方法(以下、この方法を第1の方法という)によって達成される。好ましい態様は、空気中の雰囲気が絶対湿度0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上であることであり、また表面処理前に、予め支持体表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行うことである。
【0013】
また本発明の上記第1の課題は、上記の方法により表面処理したことを特徴とする表面処理した支持体によって達成される。好ましい態様は、写真感光材料用支持体であることである。
【0014】
更に本発明の上記第1の課題は、連続搬送される長尺状の支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部を有する支持体の表面処理装置において、該処理部を通過する支持体にパルス化された電界を印加する電極を有し、該処理部が大気開放されていることを特徴とする支持体の表面処理装置(以下、この装置を第1の装置という)によって達成される。
【0015】
好ましい態様は、支持体を処理する該処理部の絶対湿度が0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上であることである。
【0016】
更に本発明の上記第1の課題は、上記の表面処理装置を用いて表面処理したことを特徴とする表面処理した支持体によって達成される。好ましい態様は、写真感光材料用支持体であることである。更に本発明の上記第2課題は、連続搬送される長尺状の支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部を有する支持体の表面処理方法において、該処理部が前記支持体の入口と出口を有する処理室であり、該処理室内の支持体にパルス化された電界を印加して表面処理する際に、該処理室に封入する処理ガス中の反応ガスの割合が30%以上であり、該処理室内の気圧が外圧より高いことを特徴とする支持体の表面処理方法(以下、この方法を第2の方法という)によって達成される。
【0017】
好ましい態様は、処理室の気圧が外圧より0.03mmAq以上高いこと、処理室内の酸素濃度を600ppm以下に調整すること、表面処理前に、予め支持体表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行うことである。
【0018】
に上記第2課題は、上記の表面処理方法により表面処理したことを特徴とする表面処理した支持体によって達成される。好ましい態様は、支持体が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれるフィルム、トリアセチルセルロース又は樹脂被覆印画紙支持体であることであり、また写真感光材料用支持体であることである。更に本発明の上記第2課題は、連続搬送される長尺状の支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部を有する支持体の表面処理装置において、該処理部が前記支持体の入口と出口を有する処理室であり、該処理室内の支持体にパルス化された電界を印加する電極を有し、該処理室に封入する処理ガス中の反応ガスの割合を30%以上に調整する手段を有すると共に該処理室内の気圧を外圧より高く調整する構成を有することを特徴とする支持体の表面処理装置(以下、この装置を第2の装置という)によって達成される。
【0019】
好ましい態様は、(1)前記処理室に隣接して処理ガスの少なくとも1成分を有している予備室を具有しており、該予備室は支持体の入口側に一つ、または出入口両側に一つづつ有し、該処理室の気圧が、該処理室と隣接する予備室の気圧より0.03mmAq以上高いことであり、また(2)前記処理室に隣接して予備室を具有しており、該予備室は該処理室の支持体の入口側に二つ以上、または出入口の両側にそれぞれ二つ以上有し、少なくとも1つの予備室の気圧が、隣り合い且つ処理室より遠い位置の次の予備室の気圧より0.03mmAq以上高いことであり、さらに好ましくは予備室の少なくとも一つが、処理ガスの少なくとも一成分を有することである。
【0020】
更に他の好ましい態様は、(3)予備室の少なくとも1つが、減圧手段を有することであり、(4)隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して所定の間隙を保ち、且つ非接触であるか、または隣接する室間の間仕切り手段が、支持体に対して接触する少なくとも1対のロールであることであり、より好ましくは前記ロールのうち少なくとも一つがゴムロールであることである。
【0021】
更に他の好ましい態様は、(5)処理室内の酸素濃度を600ppm以下に調整することであり、(6)電極が、円筒型電極であるか、ロール型電極であるか、又はガスフロー型曲面電極であることである。
【0022】
に上記第2課題は、上記の表面処理装置を用いて表面処理したことを特徴とする表面処理した支持体によって達成される。好ましい態様は、支持体が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれるフィルム、トリアセチルセルロース又は樹脂被覆印画紙支持体であることであり、また写真感光材料用支持体であることである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の方法及び装置を説明するための概略構成図である。
【0025】
図1において、1は連続搬送される長尺状の支持体であり、2は大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部であり、3、4は一対の電極である。
【0026】
処理部2は第1の方法を実施するために大気開放状態になっており、処理室を構成しておらず、一対の電極3,4の間に形成される間隙が処理部を構成する。
処理部2には大気圧もしくはその近傍の圧力下に自然に存在する空気があればよいが、空気の流れを付けたり、あるいはその流れを規制したり、整流するための遮蔽板やニップロールを付加することもできる。また発生した副産物(例えばガス等)を排出、廃棄するための廃棄ダクトを設けることもできる。
【0027】
処理部2において表面処理されると、支持体表面への塗布性及び塗膜の膜付き性が向上し、官能基の付与性が向上し、更に光学的、電気的、機械的等の機能を有する表面が形成され、塗布性の向上という点でみれば、かかる表面処理後はすぐに塗布することが、処理面の経時劣化を防ぐ点で好ましい。
【0028】
図示の例で、一対の電極3,4は金属電極3A,4Aと固体誘電体3B、4Bで構成され、金属電極3A,4Aは銀、金、銅、ステンレス、アルミニウム、等の通電可能な材料を固体誘電体3B、4Bに貼り付けるのが一般的であるが、固体誘電体3B、4Bにメッキ、蒸着、コーティング、溶射等で付けることもできる。
【0029】
固体誘電体3B、4Bとしては、気密性の高い高耐熱性のセラミックを焼結した焼結型セラミックスを用いることも好ましい。焼結型セラミックスの材質としては例えばアルミナ系、ジルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラミックスである。焼結型セラミックスの厚みは0.5mm以上5mm以下が好ましい。また、体積固有抵抗は108Ω・cm以上が好ましい。
【0030】
焼結型セラミックスとして、アルミナ系焼結型セラミックスを用いる場合、純度99.6%以上のアルミナ系焼結型セラミックスを用いることが、電極の耐久性を上げる点で好ましい。純度99.6%以上のアルミナ系焼結型セラミックスに関しては、本出願人が先に提案した発明(特願平9−367413号)を参考にできる。
【0031】
この焼結型セラミックスを用いた電極の製造方法は耐熱性の高いセラミックスを焼結させて、焼結型セラミックスを作り、その焼結型セラミックスにメッキ、蒸着、溶射またはコーティング等して金属電極を付着させる。
【0032】
また固体誘電体3B、4Bとしては、特願平10−300984号に記載の低温ガラスライニングを用いることもできる。
【0033】
金属電極3A、4Aは固体誘電体3B、4Bによって全部が被覆されていてもよいし、一部が被覆されるだけでもよい。
【0034】
電極間の間隙は、対向する固体誘電体3Bと4Bの表面間の距離で、0.3〜10mmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜7mmの範囲である。
【0035】
また、図1では一対の電極3、4のように平板電極を用いてあるが、一方もしくは双方の電極を円筒電極、ロール状電極としてもよく、あるいはガスフロー型の曲面電極を用いてもよい。かかる電極の詳細は第2の方法及び装置の説明で詳述する。
【0036】
この一対の電極3、4のうち一方の電極3に高周波電源5が接続され、他方の電極4はアース6により接地されており、一対の電極3、4間にパルス化された電界を印加できるように構成されている。
【0037】
第1の方法において、表面処理前に、予め支持体表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行うことは、表面処理の均一性が更に向上するので好ましい。除電手段としては、通常のブロアー式、接触式以外に、複数の正負イオン生成用除電電極と支持体を挟むようにイオン吸引電極を対向させた除電装置と、その後正負の直流式除電装置を設けた高密度除電システム(特開平7−263173号)を用いることも好ましい。またこのときの支持体帯電量は±500V以下が好ましい。また除電処理後のゴミ除去手段としては、非接触式のジェット風式減圧型ゴミ除去装置(特開平7−60211号)等が好ましいが、これに限定される訳ではない。
【0038】
本発明の第1の方法及び装置において、大気圧近傍の圧力下とは、100〜800Torrの圧力下であり、好ましくは700〜780Torrの範囲である。
【0039】
この方法では、上記対向する電極間にパルス化された電界を印加することにより、放電プラズマを発生させるが、パルス波形は例えば図2に示す例が挙げられるが、これに限定されず、特開平10−130851号公報の図1の(a)〜(d)のパルス波形であってもよい。図2において、縦軸はパルス電圧、横軸は時間である。
【0040】
かかるパルス化された電界を印加することにより発生した放電プラズマを表面処理に用いると、空気中であっても十分表面処理機能があることを見出し、本発明に至ったものである。
【0041】
パルス電界の周波数は、5kHz〜100kHzの範囲が好ましい。
【0042】
一つのパルス電界が印加される時間は1μs〜1000μsであることが好ましい。一つのパルス電界が印加される時間というのは、図2における一つのパルス波形のパルスが印加される時間である。
【0043】
対向電極に印加する電圧の大きさは、特に限定されないが、電極に印加した時の電界強度が1〜100kV/cmとなる範囲になるようにすることが好ましい。
【0044】
従来のプラズマ処理では空気中のH2Oガスの割合が多くなると、電源の出力低下、放電不安定化をきたす問題みられる。しかし、本発明のようにパルス化された電界を用いてプラズマ処理することにより、意外にも空気中のH2Oガスの割合が多くても安定した放電が可能であり、従来見られた問題は生じないことが分かった。さらに、H2OはCO2やO2に比べて副産物のオゾンが少なく、改質効果が高くなる効果があることが見出された。
【0045】
従って、第1の方法および装置において、H2Oを反応ガスとして使用するためには、空気中の処理部2の絶対湿度を0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上に調湿することが好ましい。このように絶対湿度を規定することにより、副産物のオゾンの発生が少なく、支持体の表面処理の改質効果が高いという上記効果を十分発揮できるようになる。副産物のオゾンの発生が少なくなる原因はH2O濃度を高くし、相対的にO2や原子酸素濃度が低くなり、オゾンの発生源が少なくなることによるものと思われる。
【0046】
処理部2の絶対湿度は0.009[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上に調湿することがより好ましく、更に好ましくは0.012[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上に調湿することである。
【0047】
ここで、0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上とは、例えば温度20℃の時は、相対湿度35パーセント以上であり、温度25℃の時は相対湿度25パーセント以上であり、また温度30℃の時は、相対湿度19パーセント以上であることを示す。
【0048】
処理部2を絶対湿度0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上にする方法は特に限定されず、たとえば(1)処理部2内の空気を調湿する方法、(2)処理部2を含む処理部2周辺を調湿する方法が挙げられる。
【0049】
上記(1)の態様で、処理部2内の空気を調湿する方法としては、電極3、4間に形成される間隙により構成される処理部2に水蒸気雰囲気の空気を強制的に送る手段等が挙げられる。
【0050】
(1)の前者の態様で、水蒸気雰囲気の空気を処理部2に強制的に送る際には、改質効果が支持体表面で不均一になることを防止するため、処理部2内のH2O濃度のバラツキをなくすように考慮することが必要である。そのためには、例えば図2に示すように、処理部2近傍に水蒸気供給手段103、103を配設し、該水蒸気供給手段103、103から支持体1の上下両面にそれぞれ独立して水蒸気雰囲気空気を供給し得るようにすることが好ましい。また、図示しないが、更に水蒸気雰囲気空気を支持体1の上下面に強制的に送り込むために、ファン等の送風手段を付加するようにしてもよい。なお、同図において、支持体1の搬送方向は図示面に対して垂直方向である。
【0051】
かかる手段において、水蒸気供給手段103から送り込まれる空気をより厳密に調湿するには、同図に示すように、処理部2内の支持体1の上下の空間に臨むように湿度センサー101、101を配設し、該湿度センサー101、101による検出信号を制御部102に取込み、該制御部102において必要な水蒸気量を演算処理して水蒸気供給手段103、103により必要量の水蒸気を含んだ空気を処理部2に向けて供給するようにすることが考えられる。また、水蒸気供給手段103の作動をタイマー制御して、水蒸気雰囲気空気を予め決められた間隔で処理部2に向けて間欠的に供給するようにしてもよい。このように湿度制御をすることでプラズマに反応した水分を適度に補い処理湿度を一定にすることができ、ひいては改質効果を支持体表面で均一に保つことができる。
【0052】
このように支持体1の上下両面に水蒸気雰囲気空気を強制的に送り込み、調湿を行うようにすれば、支持体1の表裏面でも改質効果に差がなくなるために好ましい。
【0053】
処理部2内に水蒸気を均一に送るようにするためは、水蒸気供給手段103の噴出口を処理部2に向けて所定の間隔で複数配置させる方法が一般的であるが、噴出口の大きさを処理部2全体に亘る大きさに形成するようにしてもよい。
【0054】
水蒸気供給手段103としては、例えば図4に示すように、所定温度に保温された保温水を満たした恒温槽201に、純水を収容した容器204を保温水に浸るように設け、空気導入パイプ203を介して容器204内の純水中に外部からバブリングを行って空気を供給し、純水と空気とを十分に接触させることで水蒸気雰囲気空気を作り出し、こうして容器204内に満たされた水蒸気雰囲気空気を容器204に挿入された水蒸気雰囲気空気送出パイプ205によって処理部2へ供給するバブリング法による供給手段が挙げられる。
【0055】
なお、図4中、202は保温水を加温若しくは降温するためのヒーター及びクーラーであり、処理部2内の支持体1の上下に臨むように配設された湿度センサー101、101の検出信号に基づいて制御部102(図3参照)によって温度制御され、保温水を介して容器204内の純水を所定温度に保温するようになっている。このとき、水蒸気供給手段103から送出される空気の湿度は容器204の圧力と純水の温度により決定するので、実際には純水と熱的に接触した保温水の温度を調節することにより水蒸気供給手段103から送出される空気を調湿することができる。
【0056】
その他、水蒸気供給手段103としては、上記バブリング法に代えて、図示しないが、純水をヒーター等の加熱手段によって直接加熱したり、また、加熱手段に代えて電磁波を使う等の手段によって水蒸気雰囲気空気を発生させるようにしてもよく、それにより発生した水蒸気雰囲気空気を処理部2へ供給させるようにすることもできる。
【0057】
また、湿度センサー101の形状としては、プローブ状、棒状、板状、円盤状、球状等のいずれでもよい。湿度検出方式としては、制御部102に電気的に取り込むことができるように、湿度を電気的信号として認識して出力できる方式が好ましく、電気容量式、電気抵抗式等の方式が挙げられる。
【0058】
前記(2)の態様のように、処理部2を含む処理部2周辺を調湿する手段においては、空気を調湿する手段としては、処理部2周辺に水蒸気雰囲気の空気を強制的に送る手段、当該処理部2周辺に水蒸気雰囲気の空気を強制的に送らずに該処理部2周辺を水蒸気雰囲気にする手段等が挙げられる。
【0059】
このうちの前者の処理部2周辺に水蒸気雰囲気の空気を強制的に送る手段としては、例えば図5に示すように、処理部2を含む処理部2周辺に水蒸気雰囲気空気を供給できるように、該処理部2を内部に含むように部屋等を形成し、該部屋等内に向けて水蒸気雰囲気空気を供給する水蒸気供給手段103、103を配設することが考えられる。但し、この部屋等は、処理部2を大気開放下におくために、外界から隔絶された空間を形成するものではなく、処理部2を含み、該処理部2周辺を水蒸気雰囲気とすることができる程度に外界と連通したスペースを形成し得るものであればよく、処理部2近傍の側方又は上方を部分的に覆う程度の壁板105により形成すればよい。なお、同図においても、支持体1の搬送方向は図示面に対して垂直方向である。
【0060】
このように処理部2周辺に水蒸気供給手段103、103によって送り込まれた水蒸気雰囲気空気は、支持体1の改質効果のバラツキを抑えるためにも、その処理部2周辺に均一に存在することが好ましく、図示するように、壁板105により形成された部屋等内にファン104を設け、水蒸気供給手段103、103から部屋等内に向けて供給された水蒸気雰囲気空気を該ファン104によって攪拌し、処理部2周辺が一様に水蒸気雰囲気空気で満たされるようにすることが好ましい。
【0061】
かかる手段においても、水蒸気供給手段103から送り込まれる空気をより厳密に調湿を行う場合には、前記(1)の態様で説明したように、処理部2近傍に湿度センサー101、101を設け、該湿度センサー101、101による検出信号を制御部102に取込み、該制御部102において必要な水蒸気量を演算処理して水蒸気供給手段103、103により必要量の水蒸気を含んだ空気を部屋等内に向けて供給するようにすることが考えられる。また、水蒸気供給手段103の作動をタイマー制御して、水蒸気を予め決められた間隔で処理部2に向けて間欠的に供給するようにしてもよい。
【0062】
その他、部屋等内の水蒸気雰囲気にバラツキをなくすため、水蒸気雰囲気空気供給手段103を用いる方法に代えて、図示しないが、部屋等の下方全体に張った水をヒーター等の加熱手段によって加熱蒸発させて水蒸気を発生させ、部屋等内の全体に水蒸気が行き渡るようにしてもよい。この場合も、湿度センサー104により検出した湿度に応じて加熱手段を制御するようにしてもよい。
【0063】
また、前記(2)の後者の態様において、処理部2近傍がある程度の温度に保たれている時には、処理部2を含む部屋等の全体を水蒸気雰囲気にする手段として、部屋等に水を貯めた水槽等を設置しておき、絶対湿度の値を0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上に保つことが考えられる。
【0064】
次に本発明の第2の方法及び装置について説明する。
【0065】
図6は本発明の第2の方法及び装置の一実施の形態を示す概略構成図である。同図に示すように、連続搬送される長尺状の支持体1を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理するための処理部2が前記支持体1の入口2Bと出口2Bを有する間仕切りされた処理室によって構成されている。以下、処理部を処理室として説明する。
【0066】
処理室2には対向する平板電極3,4が設けられている。この平板電極の構成は第1の方法及び装置で使用したものと同一でよい。
【0067】
図示の例では、処理室2に隣接して支持体の入口側に予備室10が設けられ、その予備室10に隣接して予備室11が設けられている。支持体の出口側にも処理室2に隣接して予備室12が設けられている。
【0068】
予備室を設ける場合、図示のように、支持体1の入口側に二つ、出口側に一つを設ける態様であってもよいが、これに限定されず、支持体1の出入口側に一つづつ設ける態様、入口側に二つ設け、出口側に設けない態様、あるいは入口側に二つ以上、出口側に二つ以上設ける態様でもよい。
【0069】
いずれの態様であっても、処理室内の気圧が、該処理室と隣接する予備室の気圧より高いことが必要であり、好ましくは0.03mmAq以上高いことである。このように処理室と予備室の間でも圧力差を設けることによって、外部空気の混入を防止し、反応ガスの有効使用が可能となり、表面処理効果も更に向上する。
【0070】
また処理室に隣接して入口側に二つ以上、出口側に二つ以上予備室を設けた場合、その予備室と隣り合う予備室の間の気圧は、処理室に近い側の予備室の気圧が高く設定されることが好ましく、0.03mmAq以上高く設定されることが好ましい。このように複数の予備室同士の間でも圧力差を設けることによって、外部空気の混入をより効果的に防止し、反応ガスの有効使用がより可能となり、表面処理効果も更に向上する。
【0071】
予備室には、処理ガスの少なくとも1成分を有していることが反応ガスの効率的な使用と表面処理効果の向上の観点から好ましい。
【0072】
更に予備室を複数設けて圧力差を設けるには、減圧手段15を設けることが好ましい。この減圧手段としては吸引ファンあるいは真空ポンプ等が挙げられる。処理室と予備室、予備室同士の部屋には間仕切りされていることが必要であり、かかる間仕切り手段としては、図示のように、入口側にニップロール7,7、出口側にニップロール8,8を設ける態様も好ましい。
【0073】
かかるニップロールは、支持体に対して接触しながら閉鎖ないし間仕切りする機能を有するが、部屋同士を完全に間仕切りできないので、本発明の様な圧力差を設ける手段が有効に機能するのである。
【0074】
また間仕切り手段としては、支持体に対して所定の間隙を保ち、且つ非接触である態様であってもよい。かかる態様としては図示しないエアーカーテン方式等を採用できる。また後述する図13及び図14に示す装置を用いることも好ましい。なお予備室を設けない場合には、処理室と外部の間に間仕切りがされればよい。
【0075】
図6において、図1と同一の符号の部位は同一の構成であるので、その説明を省略する。図6に示す装置を用いて処理するには、先ず搬送される支持体1が処理室2内に入り、その処理室2内でパルス化された電界が印加される。かかる印加によって支持体の表面がプラズマ処理され、表面処理される。
【0076】
第2の方法は、かかる表面処理の際に、処理室2に封入する処理ガス中の反応ガスの割合が30%以上であること、及び処理室2内の気圧が外圧より高いことを特徴とするものである。
【0077】
処理室2内の気圧を外圧より高くすることによって、外部からの気体が処理室2内に進入しないため、必要に応じ、特定の処理したい(支持体に導入させたい)元素を持つガスのみを該処理室内に高純度で封入させることができ、より効率的な処理ができる。また、処理ガス中の反応ガスの割合が30%以上であることによって、不活性ガスの量を減らし、低コストで効率的な処理を行うことができる。
【0078】
本発明では、処理室2の気圧が外圧より0.03mmAq以上高い態様によって、更に最低限の気密性で最大限の効果を上げることができる。
【0079】
更に表面処理前に、予め支持体表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行うことによって、表面処理の均一性が更に向上するので好ましい。除電手段及び除電処理後のゴミ除去手段としては、前述の第1の方法のところで説明した手段と同様の手段を採用できる。
【0080】
処理室2に封入する処理ガス中の反応ガスの割合は30%以上であるが、かかる反応ガスとしては、窒素(N2)ガス、水素(H2)ガス、アンモニア(NH3)ガス、フッ素ガス、水蒸気(H2O)等があり、例えばアミノ基、カルボキシル基、水酸基、カルボニル基等の極性官能基ないし化学的活性基を付与できるガスであればよい。また反応ガスとしては、酸素元素含有化合物(酸素、オゾン、水、一酸化炭素、二酸化炭素の他、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、アルデヒド類等)、窒素元素含有化合物(窒素、アンモニア、一酸化窒素、二酸化窒素等の窒素含有無機物、アミン系化合物、その他窒素含有有機物等)、フッ素含有化合物(フッ素、有機フルオロ化合物など)等を用いることもできる。
【0081】
反応ガスとしては、上記例示のガスの1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせることができる。
【0082】
30%以上の反応ガス中の放電条件でも、特に水蒸気(H2O)量を0.7パーセント以上導入することが好ましく、より好ましくは1.4%以上、更に好ましくは1.7%以上である。
【0083】
処理ガス中の反応ガス以外のガスとして、不活性ガスを用いることができる。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム (He)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガスなどがある。
【0084】
本発明において、処理室2内に導入するに先立ち、予め不活性ガスと反応性ガスとを混合した処理ガスを使用することが好ましいが、各ガスを独立して導入しても、処理室2内の電極3と4の間の雰囲気が、上述した反応ガスの割合になっていればよい。
【0085】
更に本発明によると、搬送して来る支持体が同伴して来る空気を遮断し、処理室内の酸素濃度を600ppm以下に調整することで本発明の表面処理を支持体表面に効果的に行うことができる。処理室内の酸素濃度を更には200ppm以下とすることが好ましい。
【0086】
以上説明した態様に用いた電極は平板電極であるが、これに代えて電極を円筒型電極、ロール型電極、又はガスフロー型曲面電極とすることも好ましい。
【0087】
はじめに円筒型電極を用いた例を説明する。
【0088】
図7は、第2の装置の他の好ましい形態を示す概略構成図であり、同図に示す形態は、図6に示す形態で用いた平板電極に代えて、円筒型電極を用いた例である。
【0089】
なお、図7に示す符号のうち、図6に示す符号と同一の部位は同一の構成であるので、その説明を省略する。
【0090】
本実施の形態では、複数の円筒の電極3を支持体1の両面側に併設している。併設の方法は図示のようにチドリ状に配置してもよいが、対向させて配置することもできる。電極間間隙Lは支持体1の上側の電極の最下端と下側の電極の最上端との距離で表される。電極間の間隔は均等でもよいし、そうでなくてもよい。円筒電極は内部に導電性金属が配置され、外部に誘電体が配置された二重管構造であり、導電性金属と誘電体の構成は前述の構成を採用できるし、また、セラミックパイプの中に金属管や棒を挿入することもできる。
【0091】
なお、20、21,22は搬送ロールである。
【0092】
かかる円筒電極を用いることにより、電極間にガスを導入し易くなることによって、反応ガスと電極との接触効率が上昇し、その結果、表面処理効果も向上する。また構造的にも簡便で、互換性に優れ、低コストでの処理が可能となる。また支持体の高速搬送においても優れた効果を発揮する。
【0093】
次にロール型電極を用いた例を説明する。
【0094】
図8〜図11は、第2の装置の他の好ましい形態を示す概略構成図であり、同図に示す形態は図6に示す形態で用いた平板電極に代えて、ロール型電極を用いた例である。
【0095】
なお、図8〜図11に示す符号のうち、図6に示す符号と同一の部位は同一の構成であるので、その説明を省略する。
【0096】
図8(a),(b)に示す形態は、一方の電極3は円筒状のロール型電極であり、自ら回転し、支持体1がその表面に接触しながら搬送される。この電極はロール状の導電性金属の表面に誘電体が設けられている。
【0097】
一方、電極4はロール型電極の曲面に平行な曲面を有する曲面電極である。
【0098】
この電極3,4を図示のように配置し、曲面電極4側から、図示しない供給口から供給されたガスを矢符で示すように図示しない複数の孔から噴出する。
【0099】
ガスの噴出方向は、図8(a)に示すようにロールの半径方向でもよいが、図8(b)に示すようにロールの接線方向でもよい。またガスの噴出孔は丸孔でもスリットでもよい。
【0100】
複数の孔からガスが噴出されると、そのガスによって搬送されている支持体1の表面に十分行き渡り、安定した放電を可能にする。また一方のロール電極で支持体を接触支持しているので、曲面電極は支持体により近接でき、表面処理が安定し、処理効果が向上する。またロール電極は回転しているので、支持体の搬送の際に傷をつけることがない。図6に示す形態と比較するとニップロールの数を減少できる効果もある。またこの形態は、支持体の高速搬送においても優れた効果を発揮する。
【0101】
図9に示す形態は、複数のロール型電極と曲面電極の組合せで、処理室を形成した例であり、実際的な装置を提供するものである。またこの形態は支持体の高速搬送においても優れた効果を発揮する。
【0102】
図10に示す形態は、ロール型電極と複数の円筒型電極の組み合わせた例であり、図11に示す例は図10に示す形態の装置を複数設けて実用的な装置を構成した例である。なお、図10、図11に示す符号のうち、図6に示す符号と同一の部位は同一の構成であるので、その説明を省略する。またこれらの形態は支持体の高速搬送においても優れた効果を発揮する。
【0103】
次にガスフロー型曲面電極を用いた例を説明する。
【0104】
図12は、第2の装置の他の好ましい形態を示す概略構成図であり、同図に示す形態は図6に示す形態で用いた平板電極に代えて、曲面電極を用いた例である。
【0105】
なお、図12に示す符号のうち、図6に示す符号と同一の部位は同一の構成であるので、その説明を省略する。
【0106】
本実施の形態の電極3,4は支持体1の表面と平行であり、支持体1の搬送方向と直行する方向から見たときに、対向する面の断面形状が、曲面となっている曲面電極である。
【0107】
この電極3,4を複数(図12においては、3つ)搬送方向に並べることにより、搬送されている支持体1が蛇行するように構成されている。従って、図示しない供給口から供給されたガスを矢符で示すように図示しない複数の孔から噴出される。噴出は均等に成されるようにすることが好ましい。ガスの噴出孔は丸孔でもスリットでもよい。
【0108】
複数の孔からガスが噴出されると、そのガスによって搬送されている支持体1はその間隙が約10mm以下に設定された一対の電極3,4に非接触で搬送される。かかる態様は一対の電極間に直接ガスを噴出するのでガスの拡散を促進し、安定した放電を可能にする。また支持体1の両面を同時に処理することができ、処理効率に優れる。
【0109】
この形態では支持体1を蛇行搬送することにより、直線的な搬送(図6に示す搬送)に比較し、安定した搬送ができ、そのため電極間隙をさらに狭めることが可能で、放電効果も増加する。またこの形態は支持体の高速搬送においても優れた効果を発揮する。
【0110】
なお、図示の形態では蛇行搬送しているが、非接触搬送が可能な形態であれば、更に種々の改良形態を採り得る。
【0111】
以上説明した装置において、支持体が同伴して来る空気を遮断する効果を更に向上させるために図13及び図14に示す装置を用いることも好ましいことである。
【0112】
図13はガス流ブレード装置の拡大図である。ガス流ブレード装置は搬送ロール30の上を搬送している支持体1の表面とスリット部31との間隙dを微調整出来るようになっており、ガス流ブレード装置の内部(図では右側)から放出ガス32が加圧された状態でスリット31から支持体表面に、放出角度を支持体1の搬送方向と逆方向に取って放出するが、好ましくはその角度は60〜90゜が好ましい。ガスはスリットからの放出のみでもよいが、放出されたガスが支持体1の搬送方向と逆方向に減圧吸引しガスの流れ33とする方が一層効果的に処理が出来る。スリット31の幅は小さい方がよく、2.0mm以下が好ましい。この態様は図1の装置にも適用できる。処理室と予備室、予備室と他の予備室の間仕切りに適用できる。
【0113】
図14は、機密性を高めるフィルム状のブレードを設置した装置の一部の拡大図である。支持体1の通過する間隙以外の隙間の機密性を、フィルム状のブレード43を、間仕切りにロールを使用している箇所、例えば搬送ロール41、フリーロール42の背側に擦らせてタッチさせることによって高められる。41と42が対になってニップロールであってもよく、また支持体1の上側にロールがない場合には搬送ロール41だけでもよい。
【0114】
次に、本発明の表面処理された支持体は、上記の全ての方法及び装置によって処理された支持体を含むものである。
【0115】
本発明の表面処理の際のプラズマの発生は、Optical Emission Spectroscopy法(略してOES)、あるいはPhotoelectoron Spectroscopy法(光電子分光法)(略してPES)の測定により知ることが出来る。 本発明の放電プラズマ処理によりプラスティック支持体表面に発現する活性基については光電子分光法(ESCA)により知ることが出来る。例えばVG社製ESCALAB−200Rが使用できる。
【0116】
以下、本発明を適用できる支持体について説明する。
【0117】
本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれるフィルム、トリアセチルセルロースまたは樹脂被覆印画紙支持体であることが好ましく、また写真感光材料用支持体であることがより好ましいことである。
【0118】
樹脂被覆印画紙支持体には、用途に応じて、白色顔料を混合させてもよい。この用途は印画紙支持体であり、反射画像として見るために支持体面が白色となっている。白色顔料としては、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛等が好ましく、これらの内、酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンはルチル型とアナターゼ型の2種がよく用いられるが、その中でも白さの安定性からアナターゼ型が好ましい。
【0119】
本発明のパルス放電プラズマ処理した支持体には下引層はもとより、ゼラチン層、ハロゲン化銀写真感光材料の構成層、磁気記録媒体の構成層、またその他の樹脂層等を接着することが出来る。
【0120】
本発明に適する下引層や他の層のポリマーバインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、ジオレフィン等の共重合体、ゼラチン、セルロースナイトレート等を挙げることが出来る。
【0121】
ゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン、及び、ゼラチン誘導体、即ち、分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基を持ち、それらと反応し得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの製法に関しては、例えば、T.H.James:The Theory of the Photographic Process 4th.ed.1977(Macmillan)55頁、科学写真便覧(上)72〜75頁(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることが出来る。
【0122】
ゼラチン中のカルシウムイオン(Ca++)含有量は塗布液の安定性付与のため、乾燥ゼラチンに対して2500ppm以下がよく、1000ppm以下がより好ましく、更にこのましくは500ppm以下である。ゼラチン中のカルシウムイオンを2500ppm以下にするには、ゼラチンを水に溶解した後、脂肪不純物を除去し、続いてゼラチン水溶液をカチオン交換樹脂のカラムに通すか、またバッチ処理によりカチオン交換樹脂と接触させることにより得ることが出来る。本発明に用いられるゼラチンは、動物の骨や皮の主成分であるコラーゲンまたはオセインから製造工程で塩酸等による処理を伴って製造された酸処理ゼラチン、石灰などによる処理を伴って製造された石灰処理ゼラチン、官能基を置換したゼラチン誘導体及び変性ゼラチン、酵素処理ゼラチンである。これらの製法、性質の詳細はアーサー・ヴァイス(Arther Veis)著、ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(The Macromolecular Chemistry of Gelatin)、(アカデミック・プレス、Academic Press)、1964年、の187〜217頁に記載されている。更に、ゼラチン下引層塗布液の凝集防止や下引層塗布性のために、ノニオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。好ましいノニオン性界面活性剤としては、特公平3−27099号公報記載の化合物I−5、化合物I−6、化合物I−12、化合物I−13、化合物I−23、化合物I−31等が挙げられる。
【0123】
これらのゼラチン層に添加する硬膜剤としては、ゼラチンと反応して硬膜する硬膜剤であれば制限なく使用できるが、それら代表的な硬膜剤としては、アルデヒド系、アジリジン系(例えば、PBレポート、19921、米国特許第2,950,197号、同2,964,404号、同2,983,611号及び同3,271,175号の各明細書、特公昭46−40898号及び特開昭50−91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサゾール系(例えば、米国特許第3,331,609号明細書に記載あるもの)、エポキシ系(例えば、米国特許第3,047,394号、西独特許第1,085,663号及び英国特許第1,033,518号の各明細書、更に特公昭48−35495号公報に記載のもの)、ビニルスルホン系(例えば、PBレポート19,920、西独特許第1,100,942号、同2,337,412号、同2,545,722号、同2,635,518号、同2,742,308号、同2,749,260号及び英国特許第1,251,091号の各明細書、また特公昭49−13563号及び同48−110996号、更に、米国特許第3,539,644号及び同3,491,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロイル系(例えば、特公昭53−778号公報及び米国特許第3,640,720号明細書に記載のもの)、カルボジイミド系(例えば、米国特許第2,938,892号、同4,043,818号及び同4,061,499号各明細書に記載のもの)、トリアジン系(例えば、西独特許第2,410,973号、同2,553,915号及び米国特許第3,325,287号の各明細書、更に特開昭52−12722号公報に記載のもの)、オキサゾリン系(例えば、特開平5−295275号公報に記載のもの)、高分子型(例えば、英国特許第822,061号、米国特許第3,623,878号、同3,396,029号及び同3,226,234号の各明細書)、特公昭47−18578号、同47−18579号及び同47−48896号の各公報に記載のもの)、イソシアネート系、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(例えば、特開昭51−3619号記載のもの)、反応性のハロゲンを有する化合物、その他マレイミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸エステル系、N−メチロール系の硬膜剤を挙げることが出来る。
【0124】
本発明の放電プラズマ処理した支持体に塗布し得るポリマーバインダー層の疎水性ポリマーとしては、熱可塑性ポリマー、放射線硬化性ポリマー、熱硬化性ポリマー、その他の反応性ポリマーなどを挙げることが出来る。熱可塑性ポリマーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルポリマー、酢酸ビニルービニルアルコールコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、エチレンービニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコールターポリマー体等のビニル系ポリマーあるいはコポリマー、セルロースナイトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース誘導体、、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレンターポリマー、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンターポリマー、ポリアクリルエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリエステルポリウレタンコポリマー、ポリエーテルポリウレタンコポリマー、ポリカーボネートポリウレタンコポリマー、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、スチレンーブタジエンコポリマー、ブタジエンーアクリロニトリルコポリマーやシリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー等を挙げることができる。これらは単独または2種類以上併用して使用することが出来る。熱可塑性ポリマーのTg(絶対温度)は170〜420゜Kの範囲のものが好ましく、210〜400゜Kの範囲のものがより好ましい。
【0125】
放射線硬化ポリマーとしては、電子線、紫外線などの放射線によって硬化するポリマーで、アクリル型、無水マレイン酸型、ウレタンアクリル型、エーテルアクリル型、エポキシアクリル型、エポキシ型等を挙げることが出来る。
【0126】
また熱硬化性ポリマー、その他の反応性ポリマーとしては、フェノールポリマー、アミノポリマー、エポキシポリマー、ポリウレタン系硬化型ポリマー、イソシアネート系硬化型ポリマー、メラミンポリマー、尿素ポリマー、アルキッドポリマー、シリコーン系硬化型ポリマー、オキサゾリン系硬化型ポリマーなどが挙げられる。これら単独または2種類以上併用して使用することが出来る。
【0127】
本発明の放電プラズマ処理した支持体に塗布し得るポリマーバインダー層の親水性ポリマーとしては、本発明に使用できる親水性ポリマーとしては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー(以降RDと略す)No.17643(以降No.を略す)、26頁、および同18716、651頁に記載されている水溶性ポリマーやラテックスポリマーを挙げることができる。
【0128】
ゼラチン以外の水溶性ポリマーとしては、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉等の天然加工物、ポリビニールアルコール、アクリル酸系コポリマー、無水マレイン酸コポリマー等付加重合ポリマー類、金属スルホ置換ジカルボン酸を含むジカルボン酸とエチレングリコールのようなジオールとの水溶性ポリエステル類等を挙げることが出来る。また、ゼラチンの一部をコロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類などのセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン誘導体、デキストランなどの糖誘導体、合成親水性コロイド、例えば、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニルピロリドン、アクリル酸系コポリマー体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加水分解物、ゼラチン誘導体などで置き換えたものでもよい。水溶性ポリエステルも有用である。水溶性ポリエステルは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ナフタレジカルボン酸、フタル酸等と、ジオール成分としてはエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジーオール等との組み合わせによるポリエステルに水溶性成分として、金属スルホフタル酸、ポリエチレングリコールを共重合成分として組み込んだものが好ましい。
【0129】
ラテックスポリマーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、ブタジエン、スチレンまたはスチレン誘導体等のモノマーを適宜組み合わせて乳化重合したラテックスポリマーが挙げられる。
【0130】
上記列挙の親水性ポリマーまたは疎水性ポリマーは、その分子中に極性基を有していてもよい。極性基としては、エポキシ基、−COOM、−OH、−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO33、−OPO3M(Mは各々、水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを、Xはアミン塩を形成する酸を、Rは各々、水素原子、アルキル基を表す)等が挙げられ、これにより該ポリマーバインダー層内の架橋を促進したり、種々の添加剤の混合状態を安定化したり、また上の層とのアフィニティーを増したりすることが出来る。
【0131】
【実施例】
以下に、本発明を実施例で具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0132】
実施例1
実施条件
図1に示す装置を用い、下記条件で、支持体を搬送させて処理を行いながら、続いてスライドビード塗布方式でゼラチン水溶液を塗布し、乾燥後、サンプリングし、接着試験を行った。
【0133】
<表面処理条件>
大気圧下で空気雰囲気中:25℃、50%RH(絶対湿度0.010[kg-水蒸気/kg-乾きガス])
放電面積:幅250mm、長さ500mm
誘電体:厚み1mmのパイレックガラス
電極間ギャップ:5mm
電源:インパルス式高周波高圧電源PHF-6K(ハイデン研究所製)
周波数:10kHz
出力:1kw
支持体:幅200mm、厚み100μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)
支持体搬送速度:10m/min
<塗布条件>
ゼラチン水溶液:5%(w/vol)
塗布膜厚:60μm
比較例1
図16に示す放電装置に、ヘリウムガス10リットル/min、窒素ガス0.5リットル/minを混合して処理ガスを導入しながら、従来のサイン波高周波電源(神鋼電機社製、周波数:10kHz、出力:1kw)により印加し、プラズマ処理を実施し、実施例1と同様にして試験を行った。
【0134】
比較例2
表面処理装置として、図17に示すコロナ放電処理装置(春日電機社製、周波数:40kHz、出力:1kw)を用いて実施例1と同様にして試験を行った。
【0135】
(接着性試験)
塗膜試料に対し、剃刃で45゜及び90゜の角度で入刀した後、ニチバン製セロテープ(幅25mm)を張り付け、ピール試験法により、塗膜の残り状況を確認し、接着性を評価し、その結果を表1に示した。
【0136】
評価基準:塗膜残存率により以下の基準で評価した。
【0137】
◎:100%(ハクリなし)
○:90%以上
○△:90%未満70%以上
△:70%未満50%以上
△×:50%未満30%以上
×:30%未満5%以上
××:5%未満
【0138】
【表1】
Figure 0003870605
【0139】
実施例2
実施例1において、支持体を180μm厚のPETに代えても実施例1と同様の効果であった。
【0140】
実施例3
実施例1において、支持体を100μm厚のPEに代えても実施例1と同様の効果であった。
【0141】
実施例4
実施例1において、支持体を150μm厚のPPに代えても実施例1と同様の効果であった。
【0142】
実施例5
実施例1において、支持体を120μm厚のTACに代えても実施例1と同様の効果であった。
【0143】
実施例6
実施例1において、支持体のゼラチン水溶液を写真用白黒乳剤に代えた以外は、同様にして塗膜を形成し、以下の試験方法によって評価を行った。
【0144】
<液条件>
ゼラチン濃度5%の写真用白黒乳剤に下記ジクロロ・S−トリアジン型架橋剤をゼラチンに対して6%添加した塗布液を用い、付き量が3g/m2になるように塗膜を形成した。
【0145】
【化1】
Figure 0003870605
【0146】
比較例3
比較例1と同条件にて表面処理を行い、実施例6と同様に塗膜を形成した。
【0147】
比較例4
比較例2と同条件にて表面処理を行い、実施例6と同様に塗膜を形成した。
【0148】
(接着性試験)
実施例6,比較例3、4で作成した塗膜を40℃、80%RHの環境下で、1週間架橋反応を促進させた後、pH12で温度42℃の現像液に10min間浸漬させた後、2mm間隔で、格子状に切り込みを入れて、ゴム手袋を装着して手で強固に擦り剥がす操作を実施し、剥離状況を観察した。
【0149】
以下の評価基準で評価し、その結果を表2に示す。
【0150】
評価基準:塗膜残存率により以下の基準で評価した。
【0151】
◎:100%
○:90%以上
○△:90%未満70%以上
△:70%未満50%以上
△×:50%未満30%以上
×:30%未満5%以上
××:5%未満
【0152】
【表2】
Figure 0003870605
【0153】
実施例7
図6に示すプラズマ放電装置を用い、支持体を搬送させて処理を行いながら、続いて実施例1と同様の塗布方式でゼラチン水溶液を塗布し、乾燥後、サンプリングし、接着試験を行った。ここで不活性ガスとしてはアルゴンガスを、反応ガスとしては窒素ガスを用い、表3に示す混合比で放電試験を行った。
【0154】
<表面処理条件>
電源:インパルス式高周波高圧電源PHF-6K(ハイデン研究所製)
周波数:10kHz
出力:1.5kw
支持体:幅200mm、厚み100μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)
支持体搬送速度:30m/min
<塗布条件>
ゼラチン水溶液:5%(w/vol)
塗布膜厚:60μm
<処理室の内圧と外圧>
処理室の内圧と外圧の差:0.05mmAq
比較例5
実施例7において、印加する電源を従来のサイン波高周波電源(神鋼電機社製)に代え、下記条件でプラズマ処理を実施し、実施例7と同様にして試験を行った。
【0155】
周波数:10kHz
出力:MAX1.5kw(但し、ガス混合比により異なる)
(接着性試験)
実施例1と同様の試験方法に従い、90゜の角度で入刀した時の結果の接着性を評価し、その結果を表3に示した。評価基準は実施例1と同じにした。
【0156】
【表3】
Figure 0003870605
【0157】
実施例8
実施例7において、支持体を180μm厚のPETに代えても実施例7と同様の効果であった。
【0158】
実施例9
実施例7において、支持体を100μm厚のPEに代えても実施例7と同様の効果であった。
【0159】
実施例10
実施例7において、支持体を150μm厚のPPに代えても実施例7と同様の効果であった。
【0160】
実施例11
実施例7において、支持体を120μm厚のTACに代えても実施例7と同様の効果であった。
【0161】
実施例12
実施例7において、支持体のゼラチン水溶液を写真用白黒乳剤に代えた以外は同様にして塗膜を形成し、実施例6と同様に接着性試験を行い評価した。その結果を表4に示す。
【0162】
<液条件>
実施例6と同じ
比較例6
比較例5と同条件にて表面処理を行い、実施例12と同様に塗膜を形成した。
【0163】
【表4】
Figure 0003870605
【0164】
実施例13〜19、比較例7
実施例7において、表5に示す条件変更を行って、同様の処理試験を行い、同様の評価を行った。
【0165】
予備室の数による条件変更
条件1:図15(a)に示すように予備室を設けずに、処理室内部と外部の差圧を表5に示すように設定した。
【0166】
条件2:図15(b)に示すように予備室を1つ儲けて、処理室内部と外部の差圧を表5に示すように設定した。
【0167】
条件3:図15(c)に示すように予備室を2つ設けて、処理室内部と外部の差圧を表5に示すように設定した。
【0168】
予備室へのガスの導入
表5に示すようにガスの導入のある場合とない場合について試験した。
【0169】
減圧手段の採用の有無
表5に示すように減圧手段を設けた場合と設けない場合について評価した。
【0170】
処理室内の酸素濃度
支持体の搬送速度を180m/minと300m/minの分けて試験し、各々の場合の濃度を測定し、表5に示した。
【0171】
接着試験結果
試験方法は実施例7と同様にし、支持体の搬送速度を180m/minと300m/minの分けて試験し、各々の場合の結果を表5に示した。
【0172】
【表5】
Figure 0003870605
【0173】
実施例20
実施例19と同一の条件で、放電電極部を以下の形式に変更し、効果の確認を行った。
【0174】
<表面処理条件>
装置1
パイプ電極平行配置型プラズマ装置(図7に示す装置)
パイプ径:10mmφ
放電面積:250mm×500mm
誘電体:アルミナセラミックスを1mm溶射
電源:インパルス式高周波高圧電源PHF-6K(ハイデン研究所製)
周波数:10kHz
出力:1.5kw
装置2
ロール電極型プラズマ装置(図8に示す装置)
パイプ電極:装置1と同じ
ロール電極:1.5mφ,幅250mm(アルミナセラミックスを1mm溶射)
放電面積:250mm×500mm
電源:インパルス式高周波高圧電源PHF-6K(ハイデン研究所製)
周波数:10kHz
出力:1.5kw
装置3
ガスフロー型曲面電極(図12に示す装置)
電極:曲率1m,幅500mm,長さ500mm(パンチ板)
穴に内径5mmφ、外径8mmφのセラミックパイプを埋め込み後、アルミ
ナセラミックスを1mm溶射
放電面積:500mm×500mm×2
電源:インパルス式高周波高圧電源PHF-6K(ハイデン研究所製)
周波数:10kHz
出力:3kw
<支持体>
装置1及び2:幅200mm,厚さ100μmのPET
装置3:幅400mm,厚さ100μmのPET
<塗布条件>
ゼラチン水溶液:5%(w/vol)
塗布膜厚:60μm
(接着性試験)
実施例1と同様の試験方法に従い、45゜の角度で入刀した時の接着力を確保できる限界処理速度を評価し、その結果を表6に示した。
【0175】
【表6】
Figure 0003870605
【0176】
実施例21
実施例1において表面処理条件中の絶対湿度を表7のように変化させて同様の評価を行った。
【0177】
【表7】
Figure 0003870605
【0178】
【発明の効果】
本発明によれば、コストが安く、生産性に優れた支持体の表面処理方法及びその装置並びに表面処理した支持体を提供すること及び、支持体の超高速搬送においても、支持体表面の接着性を向上させ、支持体への極性官能基の付与効率が高く、効率的な且つ均一な表面処理ができる支持体の表面処理方法及びその装置並びに表面処理した支持体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の方法及び装置の一形態を示す概略構成図
【図2】パルス波の一形態を示す図
【図3】処理部2を調湿する装置の一形態を示す概略構成図
【図4】水蒸気供給手段の一形態を示す概略構成図
【図5】処理部2を調湿する装置の他の一形態を示す概略構成図
【図6】本発明の第1の方法及び装置の一形態を示す概略構成図
【図7】円筒型電極を用いた形態を示す概略構成図
【図8】ロール型電極を用いた形態を示す概略構成図
【図9】ロール型電極を用いた形態を示す概略構成図
【図10】ロール型電極を用いた形態を示す概略構成図
【図11】ロール型電極を用いた形態を示す概略構成図
【図12】ガスフロー型曲面電極を用いた形態を示す概略構成図
【図13】気密保持向上のための装置例を示す概略構成図
【図14】気密保持向上のための他の装置例を示す概略構成図
【図15】本発明の実験条件を示した説明図
【図16】比較例を示す図
【図17】比較例を示す図
【符号の説明】
1 :支持体
2 :処理部乃至処理室
3、4:電極
5 :電源
6 :アース
7、8:ニップロール
15:減圧手段
10、11、12:予備室
101:湿度センサー
102:制御部
103:水蒸気供給手段
104:ファン
105:壁板
201:恒温槽
202:ヒーター及びクーラー
203:空気導入パイプ
204:容器
205:水蒸気雰囲気空気送出パイプ

Claims (5)

  1. 連続搬送される長尺状のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム及び樹脂被覆印画紙支持体から選ばれる支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する方法において、パルス化された電界を用いて空気中で処理することを特徴とする支持体の表面処理方法。
  2. パルス化された電界を用いて空気中で処理する処理部の絶対湿度が0.005[kg-水蒸気/kg-乾きガス]以上であることを特徴とする請求項1記載の支持体の表面処理方法。
  3. 表面処理前に、予め支持体表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の支持体の表面処理方法。
  4. 連続搬送される長尺状のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム及び樹脂被覆印画紙支持体から選ばれる支持体を大気圧もしくはその近傍の圧力下、連続的にプラズマ処理する処理部を有する支持体の表面処理装置において、該処理部を通過する支持体にパルス化された電界を印加する電極を有し、該処理部が大気開放されていることを特徴とする支持体の表面処理装置。
  5. 前記処理部の絶対湿度が0.005 [kg- 水蒸気/ kg- 乾きガス ] 以上であることを特徴とする請求項4記載の支持体の表面処理装置。
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