JP3685773B2 - ワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出方法及び検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置を製造するために用いられるワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出方法及び検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワイヤ不着検出方法及び検出装置として、例えば特開平8−264586号公報に示すものが知られている。この方法は、定電流発生手段を介在した矩形波形を半導体デバイスに印加して半導体チップ上のパッドと半導体デバイス又はボンディングステージ間の印加電圧を抽出し、この抽出印加電圧より微分成分を得ている。前記抽出印加電圧は、半導体デバイスの静電容量が小さいとエッジが急な矩形状となって大きな微分成分が得られ、半導体デバイスの静電容量が大きいとその静電容量に応じて傾斜した矩形波形となり、小さい微分成分が得られる。これにより、半導体デバイスの静電容量に関係なく微分成分が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、ワイヤ不着検出が行える旨の記載はあるが、検出方法の詳細な説明はない。ところで、ワイヤ不着の場合には、ワイヤは半導体デバイスより分離された状態となっているので、ワイヤは非導通状態となっており抵抗値は非常に大きい。このため、上記従来技術においては、ワイヤ不着の場合にはエッジが急な矩形状の抽出印加電圧が得られる。即ち、半導体デバイスの静電容量が小さい場合と同じ現象となる。このため、半導体デバイスの静電容量が小さい場合には、ワイヤ不着検出の判定が困難になる。
【0004】
本発明の課題は、半導体デバイスの静電容量の大小に関係なく、ワイヤ不着検出を確実に行うことができるワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出方法及び検出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、急峻な矩形波形を生成するパルス発生器と、このパルス発生器より入力された矩形波形を微分する第1及び第2の微分器と、前記第1の微分器の第1の微分波形を半導体デバイスに印加してワイヤを通してクランパより得られる第1の出力波形又は半導体デバイスを経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形と前記第2の微分器の第2の微分波形とを加算する加算器と、前記第2の微分波形を遅延させる遅延器とを備え、前記遅延器で遅延された遅延出力波形は、ワイヤが正常に接着された際に前記第1の出力波形とタイミングを合わせて加算器で加算するように予め設定されており、ワイヤ不着を判定する判定タイミング信号時に、前記加算器で加算された加算波形と判定レベル信号とを比較器によって比較し、前記加算波形が前記判定レベル信号より大きい時は正常と判定し、前記判定レベル信号より小さい時はワイヤ不着と判定することを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、急峻な矩形波形を生成するパルス発生器と、このパルス発生器より入力された矩形波形を微分する第1及び第2の微分器と、前記第1の微分器の第1の微分波形を半導体デバイスに印加してワイヤを通してクランパより得られる第1の出力波形又は半導体デバイスを経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形と前記第2の微分器の第2の微分波形とを加算する加算器と、ワイヤが正常に接着された際に前記第2の微分波形を前記第1の出力波形とタイミングを合わせて前記加算器に入力されるように遅延させるように予め設定させる遅延器と、前記加算器で加算された加算波形と判定レベル信号とを判定タイミング信号時に比較してワイヤ不着の有無を判定する比較器とを備え、前記加算波形が前記判定レベル信号より大きい時は正常と判定し、前記判定レベル信号より小さい時はワイヤ不着と判定することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1及び図2により説明する。半導体デバイス1は、リードフレーム又は基板(以下、リードフレームという)2上に半導体チップ3が固定されている。半導体デバイス1は、ヒートブロック等よりなるボンドステージ4上に位置決め載置され、キャピラリ5に挿通されたワイヤ6が半導体チップ3のパッド(第1ボンド点)とリードフレーム2のリード(第2ボンド点)間に接続される。キャピラリ5の上方には、第2ボンド点へのボンディング後にワイヤ6をクランプして切断するためのクランパ7が配設されている。
【0008】
次にワイヤ不着検出装置の構成について説明する。急峻な矩形波形10aを出力するパルス発生器10を有し、パルス発生器10は、第1及び第2の微分器11、12に接続されている。第1の微分器11はボンドステージ4に接続され、クランパ7は加算器13に接続されている。第2の微分器12は遅延器14を介して加算器13に接続されている。クランパ7からの微分波形7a又は半導体デバイス1を経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形17は、遅延器14より出力される第2の微分器12の微分波形12aと加算器13によって重畳(加算)され、加算波形13a又は13bを出力する。
【0009】
ワイヤ6が正常に接着された際の第1の微分器11の微分波形11aは、ボンドステージ4、半導体デバイス1、ワイヤ6及びクランパ7を通って加算器13に入力されるので、第2の微分器12の微分波形12aが加算器13に入力されるタイミングより遅れる。遅延器14は、クランパ7からの微分波形7aと第2の微分器12の微分波形12aのタイミングを合わせるために設けられ、遅延器14を調整して微分波形7aと微分波形12aが同一時間に加算器13に入力されるようにする。加算器13の加算波形13a又は13bは、比較器15に入力され、図示しない制御部より出力される判定タイミング信号18時に、閾値信号である判定レベル信号16と比較されて比較器15より判定信号15a、15bが出力される。
【0010】
まず、ワイヤ不着検出タイミングについて説明する。ワイヤ不着検出タイミングは、クランパ7が閉じた状態の時に行われる。ワイヤ6の先端に形成されたボールを半導体チップ3のパッド(第1ボンド点)にボンディングした後、キャピラリ5は上昇して該キャピラリ5よりワイヤ6を繰り出してリードフレーム2のリード(第2ボンド点)に移動する。この移動途中でワイヤ6が一定量繰り出されるとクランパ7は閉じて第2ボンド点に接地し、該第2ボンド点にボンディングする。この第2ボンド点にワイヤ6が接地する直前に第1のワイヤ不着検出を行う。この第1のワイヤ不着検出により、第1ボンド点にボールがボンディングされなかったり、第1ボンド点から第2ボンド点にキャピラリ5が移動している時にワイヤ6が切れたか否かが検出される。
【0011】
第2ボンド点にワイヤ6をボンディングしている時はクランパ7が開となり、第2ボンド点にボンディング後、キャピラリ5と共にクランパ7が上昇し、この上昇途中にクランパ7が閉じてワイヤ6が第2ボンド点の付け根で切断される。このワイヤ6が切断される直前に第2のワイヤ不着検出を行う。これにより、第2ボンド点のワイヤ不着検出が検出される。
【0012】
次に作用について説明する。前記ワイヤ不着検出タイミング時に、パルス発生器10より急峻な矩形波形10aが出力される。矩形波形10aは第1及び第2の微分器11、12によって微分される。微分波形7aはボンドステージ4、半導体デバイス1、ワイヤ6及びクランパ7を通って加算器13に入力される。第2の微分器12の微分波形12aは、前記微分波形7aとタイミングが合わされて加算器13に入力される。
【0013】
ワイヤ6が半導体デバイス1に接続されている正常時は、ワイヤ6は導通状態であるので、図2(a)に示すように、クランパ7からは前記微分波形11aがボンドステージ4、半導体デバイス1及びクランパ7の静電容量20分だけ若干小さくなった微分波形7aが前記微分波形12aと同時刻に加算器13に入力される。ワイヤ6が半導体デバイス1に接続されていないワイヤ不着時は、ワイヤ6は非導通状態であるので、図2(b)に示すように、クランパ7からは前記微分波形7aは入力されなく、半導体デバイス1を経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形17が前記微分波形12aより時間t遅れて加算器13に入力される。
【0014】
加算器13では微分波形7a又は浮遊微分波形17と微分波形12aが加算される。正常時には図2(a)に示すように同時刻に入力された微分波形7aと微分波形12aが加算された波高値の加算波形13aが比較器15に入力される。ワイヤ不着時には図2(b)に示すように微分波形12aとこれより遅れた浮遊微分波形17とが加算されるので、波小値の加算波形13bが比較器15に入力される。比較器15は、判定タイミング信号18時に加算波形13a又は13bと判定レベル信号16を比較し、正常時には図2(a)に示すように正常である旨の判定信号15aが出力され、ワイヤ不着時には図2(b)に示すように信号15bは出力されない。
【0015】
なお、上記実施の形態においては、第1の微分器11を接続するベースとしてボンディングステージ4に接続したが、半導体デバイス1のリードフレーム2に接続してもよい。この場合の静電容量20は、半導体デバイス1及びクランパ7間の静電容量となる。
【0016】
このように、パルス発生器10より出力される急峻な矩形波形10aを第1及び第2の微分器11、12で第1及び第2の微分波形11a、12aを形成させ、一方の微分波形11aは半導体デバイス1を経由させて加算器13に入力され、他方の微分波形12aは遅延器14により前記半導体デバイス1を経由した微分波形7aと同時刻に加算器13に入力される。ワイヤ6が導通状態、即ち正常時には2つの微分波形7aと12aを加算器13によって同時に加算するので、半導体デバイス1を経由してくる信号が小さくなっても加算波形13aは波高値となり確実に抽出できる。またワイヤ6が非導通状態、即ちワイヤ不着時には半導体デバイス1を経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形17は微分波形12aと遅延時間が異なるので、加算器13で加算された加算波形13bは波小値となり判別が可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、急峻な矩形波形を生成するパルス発生器と、このパルス発生器より入力された矩形波形を微分する第1及び第2の微分器と、前記第1の微分器の第1の微分波形を半導体デバイスに印加してワイヤを通してクランパより得られる第1の出力波形又は半導体デバイスを経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形と前記第2の微分器の第2の微分波形とを加算する加算器と、ワイヤが正常に接着された際に前記第2の微分波形を前記第1の出力波形とタイミングを合わせて前記加算器に入力されるように遅延させるように予め設定させる遅延器と、前記加算器で加算された加算波形と判定レベル信号とを判定タイミング信号時に比較してワイヤ不着の有無を判定する比較器とを備え、前記加算波形が前記判定レベル信号より大きい時は正常と判定し、判定レベル信号より小さい時はワイヤ不着と判定する構成よりなるので、半導体デバイスの静電容量の大小に関係なく、ワイヤ不着検出を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出装置の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】各部の信号波形を示し、(a)は正常時の信号波形図、(b)はワイヤ不着時の信号波形図である。
【符号の説明】
1 半導体デバイス
4 ボンドステージ
5 キャピラリ
6 ワイヤ
7 クランパ
7a 微分波形
10 パルス発生器
10a 矩形波形
11、12 微分器
11a、12a 微分波形
13 加算器
13a、13b 加算波形
14 遅延器
15 比較器
15a、15b 判定信号
16 判定レベル信号
17 浮遊微分波形
18 判定タイミング信号
Claims (2)
- 急峻な矩形波形を生成するパルス発生器と、このパルス発生器より入力された矩形波形を微分する第1及び第2の微分器と、前記第1の微分器の第1の微分波形を半導体デバイスに印加してワイヤを通してクランパより得られる第1の出力波形又は半導体デバイスを経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形と前記第2の微分器の第2の微分波形とを加算する加算器と、前記第2の微分波形を遅延させる遅延器とを備え、前記遅延器で遅延された遅延出力波形は、ワイヤが正常に接着された際に前記第1の出力波形とタイミングを合わせて加算器で加算するように予め設定されており、ワイヤ不着を判定する判定タイミング信号時に、前記加算器で加算された加算波形と判定レベル信号とを比較器によって比較し、前記加算波形が前記判定レベル信号より大きい時は正常と判定し、前記判定レベル信号より小さい時はワイヤ不着と判定することを特徴とするワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出方法。
- 急峻な矩形波形を生成するパルス発生器と、このパルス発生器より入力された矩形波形を微分する第1及び第2の微分器と、前記第1の微分器の第1の微分波形を半導体デバイスに印加してワイヤを通してクランパより得られる第1の出力波形又は半導体デバイスを経由しないで浮遊成分を経由してくる浮遊微分波形と前記第2の微分器の第2の微分波形とを加算する加算器と、ワイヤが正常に接着された際に前記第2の微分波形を前記第1の出力波形とタイミングを合わせて前記加算器に入力されるように遅延させるように予め設定させる遅延器と、前記加算器で加算された加算波形と判定レベル信号とを判定タイミング信号時に比較してワイヤ不着の有無を判定する比較器とを備え、前記加算波形が前記判定レベル信号より大きい時は正常と判定し、前記判定レベル信号より小さい時はワイヤ不着と判定することを特徴とするワイヤボンディング装置におけるワイヤ不着検出装置。
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