JP3698684B2 - 運転訓練シミュレータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、操船設備における運転操作を訓練するための運転訓練シミュレータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、操船設備や発電設備、ダム設備のようなプラント設備(この明細書では、ポンプ操作のみのような小さなプラント設備も含む)における運転操作を訓練するために、運転訓練シミュレータ装置が用いられている。この運転訓練シミュレータ装置では、実際のプラント設備を運転操作する前に同様の操作を疑似体験することによって、実際の運転時における複雑な操作を予め訓練するものである。近年のプラント設備においては複雑な操作が伴うことが多く、様々な運転訓練シミュレータが開発されている。
【0003】
例えば、この種の従来技術である特開平6−282220号公報記載の発明には、天候状況によって変化する模擬音と、ゲート操作に伴うゲート動作音、ゲート放流音を出力し、ダム管理上に近い臨場感、緊張感を与え、効果的な訓練を実現するダム操作訓練用シミュレータが記載されている(従来例1)。
【0004】
また、他の従来技術である特開平2−43591号公報記載の発明には、シミュレータ装置に対するシミュレーション結果をCRT表示器に表示する際に、CRTの表示内容に関係する音声を出力する音響模擬方式が記載されている(従来例2)。
【0005】
さらに、特開平8−241027号公報記載の発明には、実際の操作盤を操作するのと同様な臨場感を与える静止画と動画と音声の情報を訓練生に与えるプラントの運転訓練用シミュレータが記載されている(従来例3)。
【0006】
また、特開平9−212076号公報記載の発明には、訓練イベントに関連する機器の状況を示す画像を表示装置に表示し、かつ機器の状態を示す効果音を発音装置によって発音させる訓練シミュレータが記載されている(従来例4)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例1は、ゲート操作等のスイッチ情報を接点情報に変換し、その接点情報に基づいて予め設定されている模擬音と音量レベルを選択して出力するものであり、操作によって出力される模擬音の組合わせは決まり、実際の操作に応じた臨場感を得ることは困難である。
【0008】
また、前記従来例2,3,4でも、訓練員の操作にともない、予め用意されたある特定の効果音を選択的に再生させるのみであり、実際の操作に応じた臨場感を得ることは困難である。
【0009】
つまり、これら従来の技術では、操作機器のON/OFFを見て予め用意された効果音を所定の音量で再生させるのみであり、出力がON/OFFのみである。そのため、実際のプラント設備を運転している時に生じる様々な状況(音の変化)を正確に再現することはできず、最適な操作を訓練するための運転訓練シミュレータ装置としては十分な効果を得ることが困難である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、前記課題を解決するために、本願発明は、操船設備における荷役ポンプの運転操作を訓練するための運転訓練シミュレータ装置であって、前記荷役ポンプに応じた各種効果音を予め記憶させた記憶装置と、訓練員の操作により変化する物理量に応じてフィルタをかける周波数成分を決定する主計算機能と、該主計算機能の計算結果に基づいて前記記憶装置に記憶された各種効果音の周波数成分にフィルタをかけて出力、および前記変化する物理量に応じて生じる現象の効果音を合成して出力する再生用計算機能を具備した計算機と、該計算機で計算した音を出力する出力装置と、を備え、前記計算機を、訓練員が操作する前記荷役ポンプ動作状態の検出と、該荷役ポンプ動作状態から物理量を計算して各種効果音にフィルタをかける周波数成分とキャビテーションの有無とを決定する主計算機と、該主計算機の計算結果に基づいて各種効果音の出力周波数成分の大きさと高さとを決定するとともに、各種効果音を合成する再生用計算機とで構成し、該再生用計算機に、荷役ポンプに応じた音声アナウンスを予め記憶装置に記憶させ、前記訓練員の操作状況に応じて、該記憶装置に記憶した音声アナウンスから適切な音声アナウンスを出力して訓練員に指示する指示手段を設けている。このように構成することにより、訓練員の操作に応じて計算された物理量に応じて出力される効果音を変化させ、しかも、この変化する物理量に応じて生じる現象の効果音をリアルタイムに合成(重ね合せ)して出力することができる。これにより、訓練員の操作による物理量の変化が効果音の再生スピードや音量に反映されて、臨場感の高い訓練が可能となる。
【0011】
しかも、訓練員の操作から各種効果音にフィルタをかける周波数成分の計算と、この計算結果に基づいて各種効果音の出力周波数成分や合成を行う計算とを別々の計算機で行うことにより、個々の計算機のプログラムを簡略化できるとともに、別々の場所に計算機を設置した運転訓練シミュレータ装置を構成できる。
【0012】
また、訓練員の操作に対して音声アナウンスで注意を促すことができるので、操作の早期修得も可能となる。
【0013】
さらに、前記訓練員の操作状況に応じて適切な音声アナウンスで対応することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示す運転訓練シミュレータ装置の構成図であり、図2は同運転訓練シミュレータ装置における効果音のフィルタ操作を説明するための模式図、図3は同運転訓練シミュレータ装置における効果音の合成操作を説明するための模式図である。
【0015】
図1に示すように、この運転訓練シミュレータ装置1には、主計算機2と、再生用計算機3(記憶装置、音響合成装置含む)と、音声指示CRT4と、スピーカ5とが設けられている。この再生用計算機3の記憶装置には効果音データ記憶部6および音声アナウンスデータ記憶部7があり、これら効果音データ記憶部6と音声アナウンスデータ記憶部7に、各種効果音データおよび音声アナウンスデータが予め記憶されている。効果音データはプラント設備に応じて決定されるが、例えば、荷役用ポンプ音、キャビテーション音、水撃音等である。音声アナウンスデータとしては、「ポンプ音が異常です」等の操作機器には表れない異常の告知、「回転数を下げてください」等の指示アナウンス等である。これら各種効果音データは実機動作音を録音したものでも、人工的に作成したものでもよい。前記スピーカ5が出力装置である。
【0016】
また、この実施形態では、操船設備における運転操作を訓練するための運転訓練シミュレータ装置を例にしているため、操船のためのコンソール8が設けられている。このコンソール8には、実際の操船を行うための操作レバーや操作ボタン等が設けられており、訓練員9の入力操作によって信号が入力されるように構成されている。この訓練員9の入力操作としては、例えば、荷役用のポンプを起動するスイッチ操作や、ポンプ回転数制御等の操作がある。
【0017】
前記主計算機2では、訓練員の操作に応じて物理式に則した数式モデルより物理量の計算が行われ、その結果から必要な値、機器の動作状態が再生用計算機3に送信される。
【0018】
前記再生用計算機3(音響合成装置)では、訓練員の操作により物理量がある一定の範囲にある場合、割り当てられた効果音の再生フラグをONとする。再生フラグがONとなった効果音は、記憶されている効果音を物理量の変化に応じて、特定の範囲の周波数成分にフィルタをかけて出力する。このフィルタをかける方法としては、基準となる効果音に訓練員の機器操作によって変化する物理量の変化(例えば、スイッチのON/OFF、レバーの移動等)に応じて、特定の周波数成分にフィルタをかけて出力することにより、訓練員の操作を動的に効果音へ反映させるようにしている。例えば、フィルタをかける周波数=f(物理量)とするような方法である。
【0019】
実際の装置としては、訓練員9の入力操作がポンプの回転数制御を行う操作レバーの傾転であれば、傾転方向と角度から操作量を計算し、その計算結果からポンプの回転数を計算し、その回転数に応じて基準となる効果音にフィルタをかけて、大きくしたり小さくした効果音を出力する(図2:詳細は後述)。また、状況によっては効果音の再生スピードを早くしたり遅くして、訓練員9の操作による物理量の変化を常に計算で反映させている。この効果音へのフィルタとしては、音質変化、音量変化、再生スピードの変化等がある。この処理はソフトウェアもしくは専用機器にて行うことができる。
【0020】
また、この実施形態では、音声指示CRT4が設けられており、この音声指示CRT4から指示が出力されると、音声アナウンスデータの再生フラグがONとなる。この再生フラグがONになると、割り当てられた音声アナウンスデータが出力される。この音声アナウンスデータも再生用計算機3によって処理されており、音声アナウンスデータ記憶部7に記憶されているデータから割り当てられたデータが再生される。
【0021】
このような処理により、複数のフラグがONとなった場合は再生用計算機3で効果音が重ね合わされて出力される(図3:詳細は後述)。この処理もソフトウェアもしくは専用機器にて行われる。
【0022】
以下、オイルタンカー船の荷役操作を訓練した場合の具体的な作用を説明する。コンソール8への訓練員9の入力操作として、荷役用のポンプの起動を行った場合を説明する。これにともない、シミュレータ主計算機2から荷役用ポンプの起動信号が再生用計算機3に送られる。
【0023】
再生用計算機3では、ポンプの起動信号により所定(ポンプ再生音)の再生フラグがONとなる。この再生用計算機3は音響合成装置(ソフトウェアにて行う)も兼ねており、再生フラグがONになると、ポンプの回転数によってフィルタをかける周波数成分の範囲を決定し、基準となる効果音(例えば、実機の動作音を録音した基準波形のもの)にフィルタをかけた後、出力される。
【0024】
図2では、ポンプの回転数が大きい場合と、小さい場合とで波形を異ならせる例を示している。例えば、回転数が大きい場合には、音の大きさ(通常「デシベル」)を大きくするとともに、音の高さ(通常「ヘルツ」)を高くし、回転数が小さい場合には、音の大きさ(通常「デシベル」)を小さくするとともに、音の高さ(通常「ヘルツ」)を低くする。このように訓練員の操作によって変化する物理量からポンプの回転数を計算し、その回転数に応じて基準となる効果音にフィルタをかけて、大きくしたり小さくした効果音を出力することにより、訓練員の操作量に応じて変化する臨場感が得られるようにしている。これらの波形は一例であり、使用条件に応じてフィルタのかけかたを適宜決定すればよい。
【0025】
一方、フィルタをかける周波数成分の範囲は、ポンプの回転数によってリアルタイムに変化する。例えば、図3の上段に示すように、訓練員が起動した荷役ポンプ動作中に、訓練員の操作により物理量が増加してポンプキャビテーション現象の範囲に入ると、中段に示すようにキャビテーション時の効果音再生フラグがONとなる。
【0026】
このキャビテーション効果音(人工的に作成したもの)は、例えば、NPSH曲線から度合を算出することでフィルタをかける周波数成分の範囲を決定し、フィルタをかけた後、出力される。この時、下段に示すように、荷役用ポンプの効果音にキャビテーションの効果音がリアルタイムで重ね合わされて出力される。
【0027】
その後、上段に示すように、訓練員の操作により物理量がキャビテーション現象の範囲外となると、中段に示すように、キャビテーションの効果音再生フラグがOFFとなり、荷役用ポンプの動作音のみが出力される。
【0028】
この時に出力される効果音は、下段に示すように、荷役用ポンプの効果音にキャビテーションの効果音が重ね合わされた状態から荷役用ポンプの効果音のみへリアルタイムで変更される。
【0029】
このように訓練員の操作によって変化する物理量(ポンプ回転数)によって生じる現象(キャビテーション)の効果音をリアルタイムに合成して出力している。図3の横軸は時間の経過を示している。なお、この例ではキャビテーションの効果音のみで説明したが、ポンプ回転数の変化により、例えば、回転数が上昇した時には高周波音を出して、回転数が下がると高周波音を消すような制御も同時に行われる。この時、その他の効果音を重ね合わせて音色を変化させてもよい。
【0030】
また、この実施形態では、音声指示CRT4を設けることにより、訓練員が臨場感を持ちながら訓練している時に、誤操作があった場合にはインストラクター等から適切な警告指示を同時に行えるようにしている。つまり、前記したように状況が逐次変化している状態でも、効果音出力中に音声指示CRT4より音声アナウンスデータ出力の指示がなされると、効果音に音声アナウンスデータが重ね合わされて出力される。このように、実際のプラント設備を操作しているような臨場感を保ち、同時に誤操作に対して即座に対応することを可能とする。これにより、短期間で充実した訓練を行うことが可能となる。
【0031】
以上のように、この運転訓練シミュレータ装置1によれば、シミュレータでの機器の操作によって変化する物理量の変化にともない、基準となる効果音の特定の周波数成分にフィルタをかけて出力することを可能とし、訓練員の操作を動的に効果音へ反映させることができる。また、同時に、訓練員の操作によって生じる物理量の変化に応じて生じる現象の効果音をリアルタイムに合成したり、複数の効果音および音声アナウンスデータを同時に出力することを可能とすることにより、音響による臨場感の高い訓練や、訓練員の適切な判断の助言を同時に行うことが可能となる。
【0032】
つまり、訓練員の機器操作による物理量変化に応じて出力する効果音の周波数を変化させているため、訓練の過程によって変化する操作が効果音にリアルタイムに反映されて、実際にプラント設備を操作しているような緊張感を持ちながら臨場感の高い訓練が可能となる。
【0033】
上述した実施の形態では、オイルタンカーの荷役設備のプラントにおける運転訓練シミュレータ装置1を説明したが、このような運転訓練シミュレータ装置1は他のプラント設備に採用してもよい。
【0034】
例えば、ダムプラント設備であれば、風雨の音の変化や、その変化による放出水音の変化や、訓練員が行うゲート開閉音等が合成されて出力され、訓練員が操作を誤ると放出水音の音量上昇や音質を変化させ、正常操作により定常運転状態に戻ると正常音に戻される。
【0035】
また、圧力容器の制御プラント設備であれば、開閉弁の操作間違い等によって容器内圧力が上昇すれば、高周波音を出して異常状態の効果音を出力し、正常操作によって容器内圧力が下がると徐徐に高周波音を下げて、定常圧力になると正常音に戻される。
【0036】
なお、上述した実施形態は一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0037】
【発明の効果】
本願発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0038】
訓練員の操作に応じて計算された物理量に応じて出力される効果音を変化させるので、訓練員の操作による物理量の変化が効果音に反映されて、臨場感の高い訓練が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態を示す運転訓練シミュレータ装置の構成図である。
【図2】図1に示す運転訓練シミュレータ装置における効果音のフィルタ操作を説明するための模式図である。
【図3】図1に示す運転訓練シミュレータ装置における効果音の合成操作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…運転訓練シミュレータ装置
2…主計算機
3…再生用計算機
4…音声指示CRT
5…スピーカ
6…効果音データ記憶部
7…音声アナウンスデータ記憶部
8…コンソール
9…訓練員
Claims (1)
- 操船設備における荷役ポンプの運転操作を訓練するための運転訓練シミュレータ装置であって、
前記荷役ポンプに応じた各種効果音を予め記憶させた記憶装置と、
訓練員の操作により変化する物理量に応じてフィルタをかける周波数成分を決定する主計算機能と、該主計算機能の計算結果に基づいて前記記憶装置に記憶された各種効果音の周波数成分にフィルタをかけて出力、および前記変化する物理量に応じて生じる現象の効果音を合成して出力する再生用計算機能を具備した計算機と、
該計算機で計算した音を出力する出力装置と、
を備え、
前記計算機を、訓練員が操作する前記荷役ポンプ動作状態の検出と、該荷役ポンプ動作状態から物理量を計算して各種効果音にフィルタをかける周波数成分とキャビテーションの有無とを決定する主計算機と、該主計算機の計算結果に基づいて各種効果音の出力周波数成分の大きさと高さとを決定するとともに、各種効果音を合成する再生用計算機とで構成し、
該再生用計算機に、荷役ポンプに応じた音声アナウンスを予め記憶装置に記憶させ、前記訓練員の操作状況に応じて、該記憶装置に記憶した音声アナウンスから適切な音声アナウンスを出力して訓練員に指示する指示手段を設けた運転訓練シミュレータ装置。
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