JP3743395B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレンチ内にエピタキシャル成長膜を埋め込むことで形成される半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板にトレンチを形成し、このトレンチ内にエピタキシャル成長膜を形成する方法として、本発明者らは、先の特願2000−313918号の出願にて、次に示す製造方法を提案している。
【0003】
図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)に示す半導体装置の製造工程を参照して、この製造方法を説明する。
【0004】
図3(a)に示す工程では、n+型基板1上にn型ドリフト領域2が形成された半導体基板32を用意する。そして、この半導体基板32上にマスク31を形成し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により、マスク31をパターニングする。
【0005】
続いて、図3(b)に示す工程にて、マスク31を用いて、エッチングを行い、トレンチ10を形成する。その後、図3(c)に示す工程にて、トレンチ10の内部を含む半導体基板32表面をHF水溶液により洗浄する。
【0006】
次に、図4(a)に示す工程にて、非酸化性かつ非窒化性雰囲気中での熱処理を行う。この熱処理により、半導体基板32に形成されているトレンチ10の内壁面を流動化させる。これにより、トレンチ10の内壁表面が平坦化され、また、トレンチ10の内壁表面での結晶性不良が改善される。
【0007】
その後、図4(b)に示すように、エピタキシャル成長膜33を形成する。続いて、図4(c)に示すように、エピタキシャル成長膜33を平坦化する。
【0008】
このように先の出願明細書に示される方法は、エピタキシャル成長膜33を形成する工程の前に、非酸化性、かつ非窒化性の減圧雰囲気での熱処理を行っている。そして、この熱処理により、内壁が平坦化され、良好な結晶性とされたトレンチ10の内壁上にエピタキシャル成長膜33を形成している。これにより、このエピタキシャル成長膜33の結晶性不良を抑制することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非酸化性、かつ非窒化性の減圧雰囲気での熱処理工程において、熱処理中に半導体基板32に注入されているドーパントが、半導体基板内部から外部に向けて拡散してしまう。すなわち、ドーパントが半導体基板から抜けてしまうことから、半導体基板表面の濃度分布が変化する可能性がある。このため、形成された半導体装置において、半導体基板のドーパントの濃度が所望の濃度と異なってしまう可能性がある。
【0010】
本発明は上記点に鑑みて、非酸化性、かつ非窒化性の雰囲気での熱処理工程を行い、エピタキシャル成長膜を形成したとき、半導体基板のうちトレンチが形成されている領域におけるドーパント濃度を所望の濃度に制御することができる半導体装置の製造方法及びこの製造方法により製造された半導体装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(32)のうち、所定領域(2)にトレンチ(10)を形成する工程と、非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、導電型が所定領域(2)の導電型と同一であるドーパント、もしくはドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、所定領域(2)におけるドーパント濃度を熱処理前の濃度にて維持する工程と、トレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(33)を形成する工程とを有することを特徴としている。
【0012】
このようにドーパントが混入されている雰囲気にて熱処理を行い、所定領域のドーパント濃度を維持している。これにより、熱処理前に所望の不純物濃度にて所定領域を形成した後に、この熱処理を行っても、所定領域のドーパント濃度を所望の濃度とすることができる。
【0013】
本発明は、例えば、いわゆるスーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造に用いることができる。
【0014】
具体的には、請求項2に示すように、ドレイン領域を構成する第1導電型の半導体基板(1)上に、第1導電型のドリフト領域(2)と第2導電型の第1半導体領域(3)のうち、どちらか一方領域が形成された半導体基板(32)を用意し、その一方の領域に第1のトレンチ(10)を形成する。
【0015】
その後、非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、一方の領域と同一導電型のドーパントもしくはドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、一方の領域におけるドーパント濃度を熱処理前の濃度にて維持する。
【0016】
これにより、非酸化性かつ非窒化性雰囲気での熱処理を行っても、スーパージャンクション構造を構成する領域のうち、トレンチが形成された領域であって、所望のドーパント濃度にて形成された領域をその濃度に維持することができる。
【0017】
所望のドーパント濃度としては、請求項3に示すように、例えば、1×1015cm-3以上5×1018cm-3以下とすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、半導体基板(32)のうち、所定領域(2)にトレンチ(10)を形成する工程と、非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、所定領域(2)に拡散させるためのドーパント、もしくはドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、所定領域(2)にドーパントを拡散させ、所定領域(2)のドーパント濃度を熱処理前よりも高くする工程と、トレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(3)を形成する工程とを有することを特徴としている。
【0019】
本発明によれば、ドーパントが混入されている雰囲気において、熱処理を行い、半導体基板のうちトレンチが形成されている所定領域のドーパント濃度を高くすることで、所望の濃度とすることができる。
【0020】
また、例えば、スーパージャンクション構造を有する半導体装置の製造においては、請求項5に示すように行うことができる。
【0021】
具体的には、ドレイン領域を構成する第1導電型の半導体基板(1)を用意し、半導体基板(1)上に半導体層を形成し、半導体領域(2)に第1のトレンチ(10)を形成する。
【0022】
その後、非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、ドーパントもしくはドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、半導体層にドーパントを拡散させ、半導体層のドーパント濃度を高くすることで、半導体基板(1)上に第1導電型のドリフト領域(2)と第2導電型の第1半導体領域(3)のうち、どちらか一方の領域を形成する。
【0023】
そして、第1のトレンチ(10)内に、エピタキシャル成長法により、ドリフト領域(2)と第1半導体領域(3)のうち、残りの一方を形成することで、ドリフト領域(2)と第1半導体領域(3)との横方向の互層構造を形成する。
【0024】
これにより、非酸化性かつ非窒化性雰囲気での熱処理を行っても、スーパージャンクション構造を構成する領域のうち、トレンチが形成された領域を、所望のドーパント濃度にて形成することができる。
【0025】
なお、半導体層の導電型は、熱処理にて半導体基板(1)上に形成される第1導電型のドリフト領域(2)と第2導電型の第1半導体領域(3)のどちらか一方の領域と同一若しくは異なる導電型とすることができる。
【0026】
また、請求項6に記載の発明では、前記半導体層のうち、最外部を除く領域に一方の領域を形成することを特徴とする。
【0027】
これにより、請求項5の発明の効果に加えて、スーパージャンクション構造部の最外部に、この構造部を構成する領域よりもドーパント濃度が低い低濃度領域(41)が配置された半導体装置を形成することができる。
【0028】
スーパージャンクション構造を有する半導体装置において、スーパージャンクション構造を構成する領域のうち、最外部の領域が外側に延長されており、半導体基板の終端までスーパージャンクション構造部が形成されていない構造では、この最外部にソース・ドレイン間に逆バイアスが印加されたとき、最外部が空乏化されない。このため、この最外部では、最外部でのドーパント濃度により、耐圧が決まってしまう。
【0029】
これに対して、本発明によれば、低濃度領域(41)が形成されていない半導体装置と比較して、耐圧を向上させることができる。
【0030】
また、本発明によれば、スーパージャンクション構造部の形成と同時に、最外部にこの低濃度領域(41)を形成することができる。このことから、スーパージャンクション構造部を形成する工程とは、別途に低濃度領域(41)を形成する方法と比較して、製造工程を削減することができる。
【0031】
また、請求項4、5、6においては、請求項7に示すように、トレンチ(10)が形成された領域における熱処理前のドーパント濃度を1×1014cm-3以上5×1018cm-3未満とし、熱処理後のドーパント濃度を1×1015cm-3以上5×1018cm-3以下とすることができる。
【0032】
また、請求項4、5、6、7において、請求項8に示すように、前記ドーパント濃度を高くする工程では、該工程を行う前の前記トレンチ(10)が形成された領域と同一の導電型であるドーパント若しくはドーパントを含む化合物を用いることができる。
【0033】
また、熱処理条件としては、請求項9に示すように、非酸化性及び非窒化性雰囲気として、水素若しくは希ガスが導入されている雰囲気とすることができ、また、請求項11に示すように、ドーパントとして用いる元素は、P型ドーパントとしては、Bを用い、N型ドーパントとしては、P、As、Sbのいずれか1つを用いることができる。
【0034】
また、請求項10に示すように、非酸化性及び非窒化性雰囲気は、大気圧よりも低い減圧状態とすることが好ましく、また、請求項12に示すように、熱処理での温度は、1000℃以上1150℃以下とすることが好ましい。
【0035】
請求項13に記載の発明では、いわゆるスーパージャンクション構造を備えた半導体装置において、ドリフト領域(2)と第1半導体領域(3)により構成された互層構造の外側に隣接して配置され、ドリフト領域(2)及び第1半導体領域(3)よりも、ドーパント濃度が低い低濃度領域(41)を備えていることを特徴としている。
【0036】
スーパージャンクション構造を有する半導体装置において、スーパージャンクション構造を構成する領域のうち、最外部の領域が外側に延長されており、半導体基板の終端までスーパージャンクション構造部が形成されていない構造では、この最外部にソース・ドレイン間に逆バイアスが印加されたとき、最外部が空乏化されない。このため、この最外部では、最外部でのドーパント濃度により、耐圧が決まってしまう。
【0037】
これに対して、本発明によれば、低濃度n型領域が形成されていない半導体装置と比較して、耐圧を向上させることができる。
【0038】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本発明を適用した第1実施形態としてのスーパージャンクション構造のパワーMOSFETの平面図を示す。また、図2に図1中のA−A’線断面図を示す。このパワーMOSFETは、幅Bに示す範囲内の構造が一つの単位となっており、実際には、この単位構造が、複数回繰り返して形成されている。
【0040】
このパワーMOSFETは、n+型基板1と、n型ドリフト領域2と、第1半導体領域としてのp型シリコン領域3と、p型ベース領域4と、第2半導体領域としての上部n型シリコン領域5と、n+型ソース領域6と、ゲート電極7とを備えている。
【0041】
n+型基板1は、n+型ドレイン領域を構成しており、上下方向の厚さは例えば2μmである。また、ドーパント濃度は、例えば、1×1019〜1×1021cm-3である。
【0042】
n型ドリフト領域2は、n+型基板1上に形成されており、ドーパント濃度は例えば1×1016〜1×1017cm-3である。また、幅は例えば1μmであり、厚さは例えば10μmである。なお、これらの数値は、後述するが、所望の耐圧時にn型ドリフト領域2を完全空乏化できる数値に選択されている。
【0043】
そして、このn型ドリフト領域2には、側壁面10aと底面10cとから構成されたトレンチ10が形成されている。このトレンチ10内に、p型シリコン領域3が形成されている。このp型シリコン領域3のドーパント濃度は例えば1×1016〜1×1017cm-3である。また、幅は例えば3μmであり、厚さは例えば10μmである。ただし、後述する上部n型シリコン領域5に挟まれた領域の幅は例えば1μmである。なお、これらの数値は、所望の耐圧時にp型シリコン領域3を完全空乏化できる数値に選択されている。
【0044】
このようにn型ドリフト領域2とp型シリコン領域3とは、キャリアの移動方向に直交する方向、すなわち、図2では横方向に交互に配置されている。言い換えると、n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3は上記したトレンチ10の側壁面10aでもあるpn接合部10aで接合している。
【0045】
n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3の互層構造によって、pn接合部10aが横方向に断続的に形成されている。これらのn型ドリフト領域2とp型シリコン領域3の互層構造によって、いわゆるスーパージャンクション構造部11が形成されている。
【0046】
p型ベース領域4は、p型シリコン領域3上にて、p型シリコン領域3と直に接して形成されている。このドーパント濃度は例えば5×1016cm-3であり、厚さは1.5μmである。p型ベース領域4の表面には、厚さ0.5μmのp+型のベースコンタクト領域12が形成されている。
【0047】
上部n型シリコン領域5は、n型ドリフト領域2の上面と、p型ベース領域4の下面の間に配置されている。また、上部n型シリコン領域5はp型シリコン領域3とpn接合部22にて接合している。なお、この上部n型シリコン領域5は、n型ドリフト領域2とp型ベース領域4を繋ぐキャリア通路のほぼ全体を含む領域に配置されている。
【0048】
本実施形態では、上部n型シリコン領域5のドーパント濃度は、例えば1×1016cm-3となっており、n型ドリフト領域2と異なっている。なお、この上部n型シリコン領域5のドーパント濃度をn型ドリフト領域2と同様としても良い。
【0049】
また、上部n型シリコン領域5とp型ベース領域4との間には、pn接合部21が形成されている。上部n型シリコン領域5は、p型ベース領域4とも接しており、さらにp型ベース領域4のうち、n型チャネルが形成される領域4aとも接している。上部n型シリコン領域5は、n型ドリフト領域2とトレンチ13の底面の間に配置されているとともに、n型ドリフト領域2およびトレンチ13より幅広である。
【0050】
具体的な幅の一例は3μmであり、厚さは1μmである。上部n型シリコン領域5は、n型ドリフト領域2およびトレンチ13よりも左右方向にほぼ同じ長さだけ幅広である。上部n型シリコン領域5は、トレンチ13の底面の2箇所の隅部13aを覆っている。
【0051】
n+型ソース領域6は、p型ベース領域4の表面に接している。n+型ソース領域6の厚さは0.5μmである。
【0052】
また、ゲート電極7は、表面からベース領域4を貫通するトレンチ13の内壁上にゲート絶縁膜としてのゲート酸化膜14を介して形成されている。
【0053】
なお、図2に示す断面構造においては、例えば、ゲート電極7の幅は1μmであり、深さは2.5μmである。ゲート酸化膜14の幅は0.1μmである。
【0054】
次に、本実施形態のパワーMOSFETの動作を説明する。図2に示すn+型ドレイン領域1には正電圧が印加されており、n+型ソース領域6とp+型ベースコンタクト領域12は接地されている。この状態でパワーMOSFETをオンすると、すなわち、トレンチゲート電極7に正電圧が印加されると、p型ベース領域4中の電子は領域4aに集まり、n型チャネルが形成される。
【0055】
これにより、n+型ソース領域6から供給された電子は、n型チャネル4a、上部n型シリコン領域5、n型ドリフト領域2の順に流れ、n+型ドレイン領域1に達する。
【0056】
また、ゲート電極7に電圧が印加されていない状態、すなわち、オフの状態にて、ソース・ドレイン間に逆バイアスが印加された場合、n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3の接合部10aと、p型ベース領域4と上部n型シリコン領域5の接合部21と、p型シリコン領域3と上部n型シリコン領域5の接合部22から各領域2、3、4、5に空乏層が広がる。
【0057】
所望の耐圧時には、n型ドリフト領域2、p型シリコン領域3、及び上部n型シリコン領域5が完全に空乏化される。すなわち、スーパージャンクション構造部11が形成された領域が完全に空乏化されることで、この半導体装置は、高耐圧が確保されている。
【0058】
次に本実施形態における半導体装置の製造方法を説明する。図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に本実施形態における半導体装置の製造工程を示す。
【0059】
〔図3(a)に示す工程〕
まず、n+型ドレイン領域を構成するn+型基板1を用意する。そして、このn+型基板1上に、所望のドーパント濃度とされたn型ドリフト領域2を形成する。本実施形態では、ドーパント濃度は例えば1×1016〜1×1017cm-3とする。なお、このドーパント濃度は、1×1015〜5×1018cm-3の範囲内であれば、他の濃度としても良い。
【0060】
次に、n型ドリフト領域2上に、トレンチエッチング用マスクとなるシリコン酸化膜31を成膜する。シリコン酸化膜31上に、図示しないが、レジスト材を塗布し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を行う。フォトリソグラフィ工程により、レジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、シリコン酸化膜31をエッチングする。これにより、シリコン酸化膜31のうち、トレンチ形成位置が開口される。その後、レジストパターンを除去する。
【0061】
〔図3(b)に示す工程〕
この工程では、先の工程にてパターニングされたシリコン酸化膜31をマスクとして、n型ドリフト領域2の表層、すなわち、半導体基板32の表層をエッチングする。このとき、エッチングとしてはRIE(Reactive Ion Etching)法等によるドライエッチング、又はウェットエッチングによる異方性エッチングを行う。
【0062】
これにより、n型ドリフト領域2の表層に、側壁10aと底面10cとにより構成されたトレンチ10が形成される。このとき、トレンチ底面10cは、n+型基板1の上面よりも上側に位置している。
【0063】
〔図3(c)に示す工程〕
トレンチ10の内部を含むn型ドリフト領域2表面、すなわち半導体基板32表面をHF水溶液により洗浄する。これにより、トレンチ10の内壁や半導体基板32の表面上に存在する自然酸化膜を除去すると共に、マスクとして用いたシリコン酸化膜31を除去する。
【0064】
なお、RIE等のドライエッチングを行ったとき、反応生成物がトレンチ10の内壁に付着している場合がある。そこで、HF水溶液による洗浄の前に、反応生成物を除去するために、硫酸(H2SO4)+過酸化水素水(H2O2)溶液を用いた洗浄を行うことが有効である。
【0065】
〔図4(a)に示す工程〕
トレンチ10の内壁表面の平坦化、及び結晶性不良を改善するために、非酸化性、かつ非窒化性の減圧雰囲気での熱処理を行う。このとき、ドーパントガスが混入された状態で、熱処理を行う。
【0066】
具体的には、非酸化性、かつ非窒化性のガスとしては、水素若しくはHe、Ar等の希ガスを用い、大気圧よりも低い、例えば、1〜600torr(1torr=約133Pa)の減圧状態の雰囲気とする。
【0067】
温度は、例えば900℃以上、半導体基板32の融点よりも低い温度、例えば1200℃以下とする。なお、n型ドリフト領域2のうち、トレンチ10の内壁表面での結晶性を向上させるためには、高温で熱処理することが好ましいが、温度が高すぎると基板に反りが発生してしまう。この2つの観点を考慮して、本発明者らが実験を行った結果より、温度範囲は、1000℃以上1150℃以下とすることが好ましい。
【0068】
熱処理時間は、トレンチ10の内壁表面の荒れの大きさに応じ、設定温度との関係により任意に設定される。
【0069】
また、ドーパントとしては、トレンチ10が形成されているn型ドリフト領域2と同じ導電型、すなわち、n型のドーパントを用いる。n型のドーパントが含まれるガスとしては、例えば、PH3等のPを含む化合物、若しくはAsH3等のAsを含む化合物を用いる。なお、このn型ドーパントとしては、P、Asの他、Sb等の元素を用いることができる。また、これらのドーパントを含む化合物を用いて、熱処理することもできる。
【0070】
また、上記した条件に加え、トレンチ10が形成されているn型ドリフト領域2のドーパント濃度が、熱処理前の所望の濃度にて維持されるように、ドーパント濃度等の雰囲気条件を適当に設定する。
【0071】
このようにドーパントガスが雰囲気中に混入された状態にて、熱処理することで、トレンチ10が形成されたn型ドリフト領域2のドーパント濃度を、熱処理前に設定した濃度に維持することができる。これにより、非酸化性かつ非窒化性雰囲気にて、熱処理を行っても、熱処理後のn型ドリフト領域2におけるドーパントの濃度分布が変化するのを抑制することができる。
【0072】
なお、n型ドリフト領域2のドーパント濃度が維持されるメカニズムとしては、例えば次の2つのメカニズムが推定される。
【0073】
1つは、この熱処理時において、n型ドリフト領域2に含まれるドーパントが雰囲気中に拡散するが、雰囲気中のドーパントがn型ドリフト領域2に拡散することで、所望のドーパント濃度となることが推定される。
【0074】
もう1つは、この熱処理時では、予め雰囲気中にドーパントが混入されていることから、このドーパントにより、n型ドリフト領域2中に含まれるドーパントの雰囲気中への拡散が抑制されていることが推定される。
【0075】
また、この所望の濃度に維持されるというのは、半導体装置の製造上許容される範囲、すなわち誤差範囲にて、濃度が維持されるということである。
【0076】
〔図4(b)に示す工程〕
エピタキシャル成長法によって、トレンチ10内を含むn型ドリフト領域2上にp型層33を形成する。このとき、図4(a)の工程にて、トレンチ10の内壁表面が平坦化され、また、トレンチ10の内壁表面における結晶性が向上されていることから、良好な結晶性を有するp型層33が形成される。
【0077】
このp型層33の形成方法は、具体的には、図5(a)〜(c)に示す方法にて行う。図5(a)に示すように、トレンチ10の内壁表面及びn型ドリフト領域2表面上にエピタキシャル成長法により、1層目のp型層33aを形成する。
【0078】
続いて、図5(b)に示すように、1層目p型層33aの例えば、HClガス等を導入したハロゲン化物エッチングを行う。このとき、p型層33aのうち、トレンチ10の開口部付近の部分が選択的にエッチングされ、トレンチ10の底部10c上の部分のエッチング量が少なくなるようにエッチング条件を設定する。これにより、トレンチ10でのp型層33aの開口部が広がった状態となる。
【0079】
次に、図5(c)に示すように、エピタキシャル成長法により、2層目のp型層33bを1層目p型層33a上に形成する。これにより、p型層33が形成される。
【0080】
このとき、上記したエッチングを行うことなく、p型層を形成した場合では、トレンチ10内にp型層が完全に形成される前に、トレンチ10の上端部近辺にて、p型層がトレンチ10を塞いでしまう。このため、p型層33の内部に、いわゆる、すと呼ばれる埋め込み不良が発生してしまう。
【0081】
これに対して、本実施形態では、図5(b)において、1層目p型層33aのうち、トレンチ10の上端部近辺をエッチングすることで、トレンチ10が塞がれるのを抑制することができる。これにより、p型層33の埋め込み不良が抑制される。
【0082】
その後、非酸化性かつ非窒化性の減圧雰囲気にて熱処理する。これにより、トレンチ10に形成されたp型層33の中央部にて、埋め込み不良が発生していても、埋め込み不良が発生している領域近辺のシリコン原子が再配列され、埋め込み不良を縮小させることができる。
【0083】
また、図4(a)、(b)の工程では、図4(a)の工程での熱処理及び図5(c)の工程での熱処理により、n+型基板1中のドーパントがn型ドリフト領域2に拡散され、トレンチ10の底面2cとn+型基板1の上面とが接する状態となる。なお、本実施形態では、底面10cが、n+型基板1の上面よりも上側に位置するように、トレンチ10をn型ドリフト領域2に形成していたが、n型ドリフト領域2を貫通して、底面10cがn+型基板1に接するように、トレンチ10を形成することもできる。
【0084】
この場合においても、トレンチ10が形成されているn型ドリフト領域2及びn+型基板1のドーパント濃度を熱処理前の濃度にて維持することができる。
【0085】
〔図4(c)に示す工程〕
n型ドリフト領域2の上面の高さまで、p型層33を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化する。このようにして、n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3との互層構造が形成される。
【0086】
〔図6(a)に示す工程〕
図6、図7は、図4(c)中の領域Cを示している。なお、これらの図では、トレンチ10の上端及び下端での丸みを省略している。
【0087】
図6(a)に示す工程では、エピタキシャル成長法によってn型層34を形成する。
【0088】
〔図6(b)に示す工程〕
n型層34のうち、p型シリコン領域3上に配置された領域の中央付近に例えばイオン注入法によってp型のドーパントを添加する。この結果、p型接続領域15が形成され、同時に、p型接続領域15によって区画された上部n型シリコン領域5が形成される。
【0089】
また、上部n型シリコン領域5の上部の全体の領域に例えばイオン注入法によってp型のドーパントを添加する。この結果、p型ベース領域4が形成される。
【0090】
〔図7(a)に示す工程〕
p型ベース領域4のうち、n型ドリフト領域2の直上であって、上部n型シリコン領域5の中央付近の上方に、レジストをマスクにして、ドライエッチングによってp型ベース領域4を貫通して上部n型シリコン領域5に達するトレンチ13を形成する。
【0091】
〔図7(b)に示す工程〕
続いて、トレンチ13を構成する側面と底面に、例えばCVD法によってシリコン酸化膜14を形成する。その後、トレンチ13内に形成されたシリコン酸化膜14上に例えばCVD法によってポリシリコンからなるゲート電極7を成膜する。
【0092】
最後に、図2に示すように、ベース領域4の表面に例えばヒ素やリン等をイオン注入してn+型のソース領域6を形成する。また、ベース領域4の表面に例えばボロン等をイオン注入してp+型のベースコンタクト領域12を形成する。以上の工程により図1、2に示されるパワーMOSFETが製造される。
【0093】
非酸化性かつ非窒化性雰囲気での熱処理において、雰囲気中にドーパントを混入させない場合では、この熱処理により、トレンチ10が形成された半導体基板にて、ドーパントの濃度分布が変化してしまう可能性がある。
【0094】
特にスーパージャンクション構造を有する半導体装置では、スーパージャンクション構造部を完全に空乏化させるために、スーパージャンクション構造を構成するn型ドリフト領域2及びp型シリコン領域3を高精度に濃度制御することが必要である。したがって、このn型ドリフト領域2に濃度変化を抑制することが不可欠となる。
【0095】
本実施形態では、上記したように、トレンチの内壁表面を平坦化するための非酸化性かつ非窒化性の減圧雰囲気での熱処理において、トレンチ10が形成されているn型ドリフト領域2と同じ導電型であるn型ドーパントが含まれるガスを混入した状態にて、熱処理を行っている。
【0096】
これにより、所望のドーパント濃度にされたn型ドリフト領域2にトレンチ10を形成した後、非酸化性かつ非窒化性の減圧雰囲気で熱処理を行っても、n型ドリフト領域2を所望のドーパント濃度に維持することができる。すなわち、n型ドリフト領域2におけるドーパントの濃度変化を抑制することができる。したがって、本発明によれば、非酸化性かつ非窒化性雰囲気にて熱処理を行っても、n型ドリフト領域2におけるドーパント濃度を高精度に制御することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3との互層構造の形成において、n型ドリフト領域2に形成されたトレンチ10内にp型シリコン領域3を埋め込むことで互層構造を形成する場合を説明してきたが、本実施形態とは、逆に、p型シリコン領域3を先に形成し、このp型シリコン領域3に形成されたトレンチ内にn型ドリフト領域2を形成することもできる。
【0098】
p型シリコン領域3を先に形成した場合、非酸化性かつ非窒化性の減圧雰囲気で熱処理する工程において、ドーパントが含まれるガスとして、p型ドーパントを含むガス、例えば、B2H6等のBを含むガスを用いる。その他の条件は、上記にて説明した条件と同様である。
【0099】
(第2実施形態)
図8に第2実施形態におけるスーパージャンクション構造のパワーMOSFETの平面図を示す。また、図9に図8中のD−D’線断面図を示す。
【0100】
図8中のA−A’線断面は、図2と同じであり、この部分が素子部となっている。また、図9に示される図8中のD−D’線断面は、素子終端部を示している。
【0101】
本実施形態のパワーMOSFETは、図1に示す第1実施形態に対して、いわゆるスーパージャンクション構造部の最外部に、このスーパージャンクション構造部を構成する領域よりも、ドーパント濃度が低い低濃度領域41が追加された構造となっている。その他の構造は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。なお、同一部分には同一の符号を付している。
【0102】
具体的には、図8、9に示すように、素子終端部において、n型ドリフト領域2及びp型シリコン領域3から構成されたスーパージャンクション構造部11の最外部に、低濃度n型領域41を備えている。n型ドリフト領域2のドーパント濃度は第1実施形態と同様に、例えば1×1016〜1×1017cm-3であり、低濃度n型領域41のドーパント濃度は、例えば、1×1014cm-3〜1×1016cm-3となっている。このように、低濃度n型領域41はn型ドリフト領域2よりもドーパント濃度が低くなっている。
【0103】
第1実施形態にて説明したとおり、スーパージャンクション構造部11を有する半導体装置では、ソース・ドレイン間に逆バイアスが印加されたとき、pn接合部10aから空乏層が延び、スーパージャンクション構造部11が形成された領域が完全に空乏化されることで、高耐圧が確保されている。
【0104】
しかしながら、n型ドリフト領域2にトレンチ10を形成し、そのトレンチ10内にp型シリコン領域3を形成した構造では、このスーパージャンクション構造部11の最外部は、必ずn型ドリフト領域2にて終端している。したがって、n型ドリフト領域2の終端42には、pn接合が形成されていない。このため、この外周部の耐圧は、外周部に位置するn型ドリフト領域2のドーパント濃度、すなわち、キャリア濃度により、決まってしまう。
【0105】
したがって、スーパージャンクション構造部11において、高耐圧を確保しても、外周部の耐圧が低くなるため、半導体装置全体の耐圧を所望の耐圧とすることができなくなってしまう。
【0106】
この対策として、素子終端部において、最外部まで互層構造を形成する方法が考えられる。しかし、この方法では、素子と同様の耐圧を持たせるために、n型ドリフト領域2及びp型シリコン領域3の深さと同じ長さ分の互層構造を形成する必要がある。このため、素子領域の面積が必要な面積よりも大きくなってしまう。
【0107】
これに対して、本実施形態では、スーパージャンクション構造部11の最外部に、低濃度n型領域41が形成されていることから、低濃度n型領域41が形成されていない構造と比較して、耐圧を向上させることができる。
【0108】
また、低濃度n型領域41の横方向の幅は、n型ドリフト領域2及びp型シリコン領域3よりも短くなっている。これにより、形成された素子領域の面積は必要以上に大きくなっていない。
【0109】
次にこの半導体装置の製造方法を説明する。図10(a)〜(c)に本実施形態における半導体装置の製造工程の一部を示す。本実施形態は、第1実施形態における製造方法に対して、n型ドリフト領域2のドーパント濃度が異なっており、その他は同様である。したがって、第1実施形態における図3(a)〜(c)、図4(a)〜(c)に示す工程において、変更される工程についてのみ説明する。
【0110】
具体的には、図3(a)に示される工程にて、第1実施形態よりもドーパント濃度が低いn型ドリフト層2を形成する。第1実施形態では、n+型基板1上にn型ドリフト領域2を形成する際に、n型ドリフト領域2のドーパント濃度は、形成された半導体装置における所望のドーパント濃度と同じ濃度に設定されていた。
【0111】
これに対して、本実施形態では、n型ドリフト領域2の濃度をこの所望の濃度よりも低い濃度とする。n型ドリフト領域2のドーパント濃度を、例えば1×1014cm-3〜1×1016cm-3とする。なお、この濃度は1×1014cm-3以上5×1018cm-3未満であれば、他の濃度とすることもできる。この所望の濃度よりも低い濃度であるn型ドリフト領域2が、特許請求の範囲に記載の所定領域もしくは半導体層に相当する。
【0112】
続いて、図3(b)、(c)に示される工程を行う。
【0113】
次に、図4(a)、(b)、(c)に示される工程を行うが、本実施形態において、これらの工程に対応するのが、それぞれ図10(a)、(b)、(c)に示す工程である。なお、これらの図では、半導体基板のうち、中央部を一部省略し、素子終端部の形成予定領域である基板の両端部を示している。
【0114】
図10(a)に示す工程にて、非酸化性かつ非窒化性の減圧雰囲気であって、n型ドーパントが混入されている雰囲気にて熱処理を行う。
【0115】
本実施形態では、トレンチ10が形成されているn型ドリフト領域2に、予め雰囲気中に混入されているドーパントを拡散させる。このとき、n型ドリフト領域2のドーパント濃度が、例えば1×1016〜1×1017cm-3となるように、雰囲気中のドーパント濃度等を設定しておく。なお、n型ドリフト領域2のドーパント濃度に影響のない条件は、第1実施形態と同様とする。
【0116】
これにより、n型ドリフト領域2のドーパント濃度を所望のドーパント濃度とすることができる。
【0117】
また、このとき、素子が形成される領域では、n型ドリフト領域2が均一な濃度となるように、n型ドリフト領域2の上面及び、トレンチ10の側壁面10aから雰囲気中のドーパントが拡散される。
【0118】
これに対して、n型ドリフト領域2のうち、素子終端部の形成予定領域では、最外部にp型シリコン領域3を形成しないため、トレンチ10が形成されない。したがって、n型ドリフト領域2の最外部では、底面側の領域にドーパンドが拡散せず、ドーパント濃度は熱処理前と同様の濃度のままとなる。なお、n型ドリフト領域2の最外部における底面側の領域とは、n型ドリフト領域2の上面及びトレンチ10から離れている部分、言い換えると、ドーパントが混入された雰囲気にさらされた面より離れている部分である。
【0119】
このように、所望の濃度よりも低濃度とされたn型ドリフト領域2のうち、最外部にこの低濃度とされた領域を残し、最外部を除く領域に、所望の濃度とされたn型ドリフト領域2を形成している。すなわち、低濃度とされたn型ドリフト領域2のうち、外周部を除いた領域のドーパント濃度を高くしている。これにより、スーパージャンクション構造部11の最外部に低濃度n型領域41が形成される。
【0120】
その後、図10(b)に示す工程にて、p型層33を形成する。
【0121】
続いて、図10(c)に示す工程にて、低濃度n型領域41の上面高さまで、p型シリコン領域3を例えばCMPにより平坦化する。その後は、第1実施形態と同様に、図6〜図7の工程を行うことで、図8、9に示される半導体装置が製造される。
【0122】
上記したように、本実施形態では、n型ドリフト領域2をn+型基板1上に形成した際、n型ドリフト領域2のドーパント濃度を所望の濃度よりも低濃度としている。そして、非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、ドーパントガスが混入された雰囲気にて熱処理する。このとき、n型ドリフト領域2にドーパントを拡散させ、すなわち、n型ドリフト領域2にドーパントを補充している。
【0123】
この方法によっても、n型ドリフト領域2のドーパント濃度を所望の濃度とすることができる。すなわち、非酸化性かつ非窒化性雰囲気にて熱処理を行っても、n型ドリフト領域2におけるドーパント濃度を高精度に制御することができる。
【0124】
また、素子終端部における耐圧を向上させるために、スーパージャンクション構造部11を素子終端部の最外部まで形成する方法では、スーパージャンクション構造部11が形成された領域の面積が、必要な面積よりも大きくなってしまう。
【0125】
これに対して、本実施形態によれば、素子終端部において、スーパージャンクション構造部11の外側に隣接して、低濃度n型領域41を形成している。この低濃度n型領域41は、n型ドリフト領域2及びp型シリコン領域3の深さよりも短くすることができる。このため、最外部までスーパージャンクション構造を形成する方法と比較して、素子の面積を縮小することができる。
【0126】
また、最外部に低濃度n型領域41を形成する方法として、スーパージャンクション構造部11を形成する工程とは、別途に、低濃度n型領域41を形成する方法も考えられる。
【0127】
これに対して、本実施形態では、スーパージャンクション構造部11を形成する工程において、低濃度n型領域41を最外部に形成することができる。これにより、低濃度n型領域41を別途形成する場合よりも、工程数を削減することができる。
【0128】
なお、本実施形態では、図3(a)に示す工程において、n+型基板1上にn型ドリフト領域2と同じ導電型である低濃度とされたn型ドリフト領域2を形成していたが、この低濃度とされたn型ドリフト領域2を、n型ドリフト領域2と異なる導電型のp型の領域とすることもできる。
【0129】
この場合においても、p型の領域は、形成予定の半導体装置におけるp型シリコン領域3のドーパント濃度よりも低濃度とする。そして、非酸化性かつ非窒化性雰囲気にて熱処理する際には、この低濃度とされたp型領域と異なる導電型、すなわち、n型ドーパントを含むガスを混入して熱処理する。低濃度とされたp型領域にn型ドーパントを拡散させることで、n+型基板1上にn型ドリフト領域2を形成する。
【0130】
このとき、低濃度とされたp型領域の最外部の底面側を残して、最外部を除く領域にn型ドーパントが拡散されるように制御する。つまり、低濃度とされたp型領域の最外部を残して、最外部を除く領域にn型ドリフト領域2を形成する。これにより、n型ドリフト領域2の外側に隣接して、p型シリコン領域3よりも低濃度であるp型領域を形成することができる。
【0131】
この場合においても、スーパージャンクション構造部11の外側に低濃度とされたp型領域が形成されていることから、素子終端部の耐圧を向上させることができる。なお、低濃度とされたp型領域が、特許請求の範囲に記載の所定領域もしくは半導体層に相当する。
【0132】
また、第1実施形態と同様に、n型ドリフト領域2とp型シリコン領域3との互層構造の形成において、p型シリコン領域3を先に形成し、このp型シリコン領域3に形成されたトレンチ内にn型ドリフト領域2を形成することもできる。
【0133】
(他の実施形態)
第1実施形態における半導体装置を第2実施形態での半導体装置の製造方法にて、形成することもできる。すなわち、第2実施形態では、スーパージャンクション構造部11を形成する工程において、低濃度n型領域41を最外部に形成していたが、この低濃度n型領域41を形成しないこともできる。
【0134】
言い換えると、第1実施形態では、非酸化性かつ非窒化性の加熱処理において、n型ドリフト領域2のドーパント濃度を所望の濃度にて維持するように熱処理をしていたが、雰囲気中に予め混入されたドーパントをn型ドリフト領域2に拡散させ、このn型ドリフト領域2の濃度を高くして、所望の濃度とすることもできる。
【0135】
なお、この場合においても、第2実施形態にて説明したように、形成予定後のn型ドリフト領域2と異なる導電型のp型領域を形成し、その後の熱処理により、n型ドーパントをこのp型領域に拡散させ、n型ドーパント濃度を高くすることで、n型ドリフト領域2を形成することもできる。
【0136】
また、上記した各実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型として、nチャネル型のパワーMOSFETについて説明してきたが、各構成要素の導電型が逆となるpチャネル型パワーMOSFETについても、本発明を適用することができる。
【0137】
また、上記した各実施形態では、パワーMOSFETを例に挙げて説明してきたが、ドレインがコレクタに代わり、ソースがエミッタに代わったIGBTやサイリスタについても本発明を適用することができる。
【0138】
また、上記した各実施形態では、いわゆるスーパージャンクション構造を有する半導体装置を例として説明したが、トレンチ内にエピタキシャル成長膜が埋め込まれることで形成される他の半導体装置においても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における半導体装置の平面図である。
【図2】図1中のA−A’線方向の断面図である。
【図3】第1実施形態における半導体装置の製造工程を示す図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
【図5】図4(b)における製造工程を示す図である。
【図6】図4に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態における半導体装置の平面図である。
【図9】図8中のD−D’方向の断面図である。
【図10】第2実施形態における半導体装置の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1…n+型基板、2…n型ドリフト領域、3…p型シリコン領域、4…p型ベース領域、5…上部n型シリコン領域、6…n+型ソース領域、7…ゲート電極、10…トレンチ、10a、21、22…pn接合部、32…半導体基板、33…p型層、41…低濃度n型領域、42…終端。
Claims (13)
- 半導体基板(32)のうち、所定領域(2)に形成されたトレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(3)を備える半導体装置の製造方法において、
半導体基板(32)のうち、所定領域(2)にトレンチ(10)を形成する工程と、
非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、導電型が前記所定領域(2)の導電型と同一であるドーパント、もしくは前記ドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、前記トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、前記所定領域(2)のドーパント濃度を該熱処理前での濃度にて維持する工程と、
前記トレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(33)を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - ドレイン領域を構成する第1導電型の半導体基板(1)上に、第1導電型のドリフト領域(2)と第2導電型の第1半導体領域(3)のうち、どちらか一方の領域が形成された半導体基板(32)を用意する工程と、
前記一方の領域に第1のトレンチ(10)を形成する工程と、
非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、前記一方の領域と同一導電型のドーパントもしくは前記ドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、前記トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、前記一方の領域のドーパント濃度を該熱処理前の濃度にて維持させる工程と、
前記第1のトレンチ(10)内に、エピタキシャル成長法により、前記ドリフト領域(2)と前記第1半導体領域(3)のうち、残りの一方を形成することで、前記ドリフト領域(2)と前記第1半導体領域(3)との横方向の互層構造を形成する工程と、
エピタキシャル成長法によって第1導電型の層(34)を形成し、この第1導電型の層(34)に前記第1半導体領域(3)に接続する第2導電型の接続領域(15)を形成し、この接続領域(15)による区画によって前記ドリフト領域(2)上に第1導電型の第2半導体領域(5)を形成する工程と、
前記第2半導体領域(5)の上部の全体の領域に第2導電型のドーパントを添加することで、前記第1半導体領域(3)と前記第2半導体領域(5)との上に第2導電型のベース領域(4)を形成する工程と、
前記ベース領域(4)を貫通して、前記第2半導体領域(5)に達する第2のトレンチ(13)を形成し、該第2のトレンチ(13)の内壁上にゲート絶縁膜(14)を介して、ゲート電極(7)を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記ドーパント濃度を1×1015cm-3以上5×1018cm-3以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体基板(32)のうち、所定領域(2)に形成されたトレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(3)を備える半導体装置の製造方法において、
半導体基板(32)のうち、所定領域(2)にトレンチ(10)を形成する工程と、
非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、前記所定領域(2)に拡散させるためのドーパント、もしくは前記ドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、前記トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、前記所定領域(2)に前記ドーパントを拡散させ、前記所定領域(2)のドーパント濃度を熱処理前よりも高くする工程と、
前記トレンチ(10)内にエピタキシャル成長膜(3)を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法。 - ドレイン領域を構成する第1導電型の半導体基板(1)を用意する工程と、
前記半導体基板(1)上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に第1のトレンチ(10)を形成する工程と、
非酸化性かつ非窒化性雰囲気であって、ドーパントもしくは前記ドーパントを含む化合物が混入された雰囲気中にて熱処理することで、前記トレンチ(10)の内壁表面を平坦化すると共に、前記半導体層に前記ドーパントを拡散させ、前記半導体層のドーパント濃度を高くすることで、前記半導体基板(1)上に第1導電型のドリフト領域(2)と第2導電型の第1半導体領域(3)のうち、どちらか一方の領域を形成する工程と、
前記第1のトレンチ(10)内に、エピタキシャル成長法により、前記ドリフト領域(2)と前記第1半導体領域(3)のうち、残りの一方を形成することで、前記ドリフト領域(2)と前記第1半導体領域(3)との横方向の互層構造を形成する工程と、
エピタキシャル成長法によって第1導電型の層(34)を形成し、この第1導電型の層(34)に前記第1半導体領域(3)に接続する第2導電型の接続領域(15)を形成し、この接続領域(15)による区画によって前記ドリフト領域(2)上に第1導電型の第2半導体領域(5)を形成する工程と、
前記第2半導体領域(5)の上部の全体の領域に第2導電型のドーパントを添加することで、前記第1半導体領域(3)と前記第2半導体領域(5)との上に第2導電型のベース領域(4)を形成する工程と、
前記ベース領域(4)を貫通して、前記第2半導体領域(5)に達する第2のトレンチ(13)を形成し、該第2のトレンチ(13)の内壁上にゲート絶縁膜(14)を介して、ゲート電極(7)を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記一方の領域を形成する工程では、前記半導体層のうち、最外部を除く領域に前記一方の領域を形成することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記トレンチ(10)が形成された領域における前記熱処理前のドーパント濃度を1×1014cm-3以上5×1018cm-3未満とし、前記熱処理後のドーパント濃度を1×1015cm-3以上5×1018cm-3以下とすることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ドーパント濃度を高くする工程では、該工程を行う前の前記トレンチ(10)が形成された領域と同一の導電型である前記ドーパント若しくは該ドーパントを含む化合物を用いることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記非酸化性及び非窒化性雰囲気内には、水素若しくは希ガスが導入されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記非酸化性及び非窒化性雰囲気は、大気圧よりも低い減圧状態であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ドーパントとして用いる元素は、P型ドーパントとしては、Bを用い、N型ドーパントとしては、P、As、Sbのいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記熱処理での温度は、1000℃以上1150℃以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- ドレイン領域を構成する第1導電型の半導体基板(1)と、
前記半導体基板(1)上にて、横方向の互層構造を構成するように配置され、お互いが直に接して形成された第1導電型のドリフト領域(2)及び第2導電型の第1半導体領域(3)と、
前記ドリフト領域(2)上に形成された第1導電型の第2半導体領域(5)と、
前記第1半導体領域(3)と前記第2半導体領域(5)との上に形成された第2導電型のベース領域(4)と、
前記ベース領域(4)を貫通して、前記第2半導体領域(5)に達して形成された第2のトレンチ(13)と、該第2のトレンチ(13)の表面上に形成されたゲート絶縁膜(14)と、該ゲート絶縁膜(14)の表面上に形成されたゲート電極(7)とを備え、
前記ドリフト領域(2)と前記第1半導体領域(3)により構成された前記互層構造の外側に隣接して配置され、前記ドリフト領域(2)及び前記第1半導体領域(3)よりも、ドーパント濃度が低い低濃度領域(41)を備えていることを特徴とする半導体装置。
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