JP3757946B2 - 放射線撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段から取り出された電気信号を電気信号処理回路で増幅処理するとともに、電気信号処理回路で増幅処理された電気信号に基づいて画像処理回路で放射線画像が作成されるように構成された医療用ないし工業用あるいは原子力用等の放射線撮像装置に係り、特に、入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段での検出感度の変動や、さらには残留出力の発生を電気信号処理回路のダイナミックレンジを狭めずに回避できるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線(例えばX線)に有感な半導体層の一面側にバイアス電圧印加用の共通電極が形成されているとともに、他面側に複数個の分割電極が形成されており、放射線入射によって前記半導体層内部に発生する電荷を各々の分割電極から電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する直接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器と、取り出した電気信号を増幅処理する電気信号処理回路と、電気信号処理回路で増幅処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた従来の放射線撮像装置の場合、放射線検出器で検出感度が変動したり、残留出力が発生したりするという問題がある。
【0003】
すなわち、従来の直接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器では、分割電極間のスペースの領域に電界によって移動した電荷が掃き出される電極がなく、放射線の入射によって発生した電荷が溜まりやすいという性質がある。その結果、放射線の入射中に分割電極間のスペースの領域に空間電荷が徐々に溜まってゆくに連れて電界の歪みが徐々に進行し実効的な有感面積が変化するので、検出感度の変動という現象が起こる。また、その場合、放射線の入射が停止した後、分割電極間のスペースの領域に溜まった空間電荷は各分割電極へ徐々に掃き出されるので、残留出力の発生という現象も起こる。
【0004】
そこで、発明者らは、種々の検討を行った結果、放射線に有感な半導体層の分割電極形成側へ向けて光を照射すると、分割電極間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出されるということが分かった。その結果、実効的な有感面積の変化が起こらなくなり、放射線検出器の検出感度の変動を回避でき、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、分割電極間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避できる旨の知見を得た。上記内容について、特願2002−253819号(平成14年8月30日提出)として出願した。
【0005】
また、放射線(例えばX線)を光に変換する放射線−光変換層の一面側に、光に有感な半導体層を電気的に分割してなる複数個の半導体光センサが形成されているとともに、放射線入射によって前記放射線−光変換層に発生する光を、各々の半導体光センサから電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する間接変換タイプのフラットパネル型の放射線検出器と、取り出した電気信号を増幅処理する電気信号処理回路と、電気信号処理回路で増幅処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた従来の放射線撮像装置の場合も同様に、放射線検出器において検出感度が変動したり、残留出力が発生したりする問題がある。
【0006】
間接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器を用いた放射線撮像装置についても、前記放射線−光変換層の半導体光センサ形成側へ向けて光を照射すると、半導体光センサ間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される。その結果、実効的な有感面積の変化が起こらなくなり、放射線検出器の検出感度の変動を回避でき、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、半導体光センサ間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発明者らの検討により、上記のように光照射により放射線検出器の検出感度の変動が回避できて残留出力の発生も回避することができるが、フラットパネル型放射線検出器から取り出した電気信号を増幅処理する電気信号処理回路のダイナミックレンジが大きく狭められて電気信号の増幅処理に支障をきたす事態が起こることが分かった。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入射放射線検出用の放射線検出手段における検出感度の変動の発生や、さらには残留出力の発生を電気信号処理回路のダイナミックレンジを狭めることなしに回避することができる放射線撮像装置を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の放射線撮像装置は、放射線に有感な半導体層の一面側にバイアス電圧印加用の共通電極が形成されているとともに、他面側に複数個の分割電極が形成されており、放射線の入射に伴って前記半導体層内部に発生する電荷を各々の分割電極から電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段と、取り出した電気信号を設定されたゲイン値(ゲイン設定値)に応じて信号処理すると共にゲイン設定値の増加、減少がおこなえる電気信号処理回路と、電気信号処理回路で信号処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた放射線撮像装置において、(A)前記放射線に有感な半導体層の分割電極形成側へ向けて光を照射する光照射手段と、(B)電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて照射する光の強度が増加、減少するように前記光照射手段を制御する光強度制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
(作用・効果)請求項1に記載の発明では、撮像中、光強度制御手段による制御を受けた光照射手段が放射線に有感な半導体層の分割電極形成側へ向けて光を連続的ないし断続的に照射する。同時に、放射線の入射に伴って放射線検出手段の分割電極から取り出される電気信号を電気信号処理回路がセットされたゲイン設定値に従って増幅処理する。また、電気信号処理回路による増幅処理後には画像処理回路が入射放射線の空間分布に対応する電気信号に基づいて放射線画像を同時(オンタイム)または非同時(オフタイム)で作成する。
【0011】
したがって、請求項1の発明の場合、放射線検出手段における放射線に有感な半導体層の分割電極形成側に光照射手段により光が照射されるのに伴って、分割電極間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される結果、実効的な有感面積の変化が起こらなくなり、放射線検出器の検出感度の変動を回避することができる。
【0012】
また、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、分割電極間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避することができる。
【0013】
さらに、光強度制御手段による光照射手段の制御により、照射される光の強度は、電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少する。すなわち、電気信号処理回路のゲイン設定値が減った場合には光照射手段により照射する光の強度が増やされ、逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が増した場合には光照射手段により照射する光の強度が減らされる。
【0014】
一方、光照射手段による光照射は、電気信号に暗電流分として加わる電気信号の増加を伴う。この光照射手段による光照射に伴う暗電流分は、照射光の強度の増減に応じて増減し、照射光の強度が増すほど暗電流分は増える。
【0015】
他方、電気信号処理回路では光照射に伴う暗電流分も一緒にゲイン設定値に応じて増幅処理される結果、増幅処理後の暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を占める分だけ電気信号処理回路のダイナミックレンジが狭められることになるが、ゲイン設定値が増えると暗電流分の増幅度が増すので、同一量の暗電流分に対してはゲイン設定値が増すとダイナミックレンジの狭められる度合いも増える。
【0016】
しかしながら、請求項1の発明では、電気信号処理回路のゲイン設定値が増す場合、光照射手段により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺され、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が減る場合、光照射手段により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺され、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。
【0017】
したがって、放射線検出器の検出感度の変動や残留出力の発生を回避する為の光照射に伴って発生する暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めてしまうことは解消されることになるので、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮像装置において、放射線検出手段は、(C)半導体層と分割電極の間にキャリア選択性の中間層が形成されているとともに、少なくとも放射線の検出中は前記中間層に光照射手段により光を照射するよう構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
(作用・効果)請求項2に記載の発明によれば、半導体層と分割電極の間にキャリア選択性の中間層を備えた構成であっても、請求項1の発明と同様の作用・効果を奏すると共に、キャリア選択性の中間層により、電界の曲がりを中間層内部に生ずるようにさせることで半導体層の不感領域を縮小したりすることが可能となったり、或いは、光照射手段による照射光が半導体層へ到達するのを抑えることで半導体層における暗電流発生量を減少させたりすることが可能となる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の放射線撮像装置において、分割電極は、光照射手段により照射される光の波長にて透明または半透明であることを特徴とするものである。
【0021】
(作用・効果) 請求項3に記載の発明によれば、分割電極が透明または半透明であるので、照射光は分割電極間のスペース領域だけでなく、分割電極形成領域にも照射されるため、電荷の掃き出しスピードよりも高レートの放射線が入射して分割電極近傍に電荷が一旦溜まっても、照射光のエネルギーによってすぐにまた励起されて運動エネルギーを与えられるので、電位プロファイルが歪むことはなく、分割電極近傍の電位は上昇しない。よって、高バイアスを印加して使用する必要がある半導体材料を用いた場合でも、放射線の入射に伴って半導体層内部に発生する電荷を電気信号として取り出す回路が正常な動作を維持できる。
【0022】
また、請求項4に記載の放射線撮像装置は、放射線を光に変換する放射線−光変換層の一面側に、光に有感な半導体層を電気的に分割してなる複数個の半導体光センサが形成されているとともに、放射線の入射に伴って前記放射線−光変換層に発生する光を、各々の半導体光センサから電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段と、取り出した電気信号を設定されたゲイン値(ゲイン設定値)に応じて信号処理すると共にゲイン設定値の増加、減少がおこなえる電気信号処理回路と、電気信号処理回路で信号処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた放射線撮像装置において、(a)前記放射線−光変換層の半導体光センサ形成側へ向けて光を半導体光センサで直接検出されないように照射する光照射手段と、(b)電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて照射する光の強度が増加、減少するように前記光照射手段を制御する光強度制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
(作用・効果)請求項4に記載の発明では、撮像中、光強度制御手段による制御を受けた光照射手段が放射線−光変換層の半導体光センサ形成側に光を半導体光センサで直接検出されないように連続的ないし断続的に照射する。同時に、放射線の入射に伴って放射線検出手段の半導体光センサから取り出される電気信号を電気信号処理回路がセットされたゲイン設定値に従って増幅処理する。光照射手段による光照射は光が半導体光センサで直接検出されないように行うので、半導体光センサの検出動作が光照射手段による光照射で妨げられることはない。また、電気信号処理回路による増幅処理後には画像処理回路が入射放射線の空間分布に対応する電気信号に基づいて放射線画像を同時(オンタイム)または非同時(オフタイム)で作成する。
【0024】
したがって、請求項4の発明の場合、放射線検出手段における放射線−光変換層の半導体光センサ形成側へ光照射手段により光が半導体光センサで直接検出されないように照射されるので、実効的な有感面積の変化は起こらず、放射線検出器の検出感度の変動を回避することができる。また、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、半導体光センサ間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避することができる。
【0025】
さらに、光強度制御手段による光照射手段の制御により、照射される光の強度は、電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少する。すなわち、電気信号処理回路のゲイン設定値が減った場合には光照射手段により照射する光の強度が増やされ、逆に電気信号処理回路のゲイン設定値を増した場合には光照射手段により照射する光の強度が減らされる。
【0026】
一方、光照射手段による光照射は、電気信号に暗電流分として加わる電気信号の増加を伴う。この光照射手段による光照射に伴う暗電流分は、照射光の強度の増減に応じて増減し、照射光の強度が増すほど暗電流分は増える。
【0027】
他方、電気信号処理回路では光照射に伴う暗電流分も一緒にゲイン設定値に応じて増幅処理される結果、増幅処理後の暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を占める分だけ電気信号処理回路のダイナミックレンジが狭められることになるが、ゲイン設定値が増えると暗電流分の増幅度が増すので、同一量の暗電流分に対してはゲイン設定値が増すとダイナミックレンジの狭められる度合いも増える。
【0028】
しかしながら、請求項4の発明では、電気信号処理回路のゲイン設定値が増す場合、光照射手段により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺され、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が減る場合、光照射手段により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺され、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。
【0029】
したがって、放射線検出器の検出感度の変動や残留出力の発生を回避する為の光照射に伴って発生する暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めてしまうことは解消されることになるので、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【0030】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の放射線撮像装置において、(c)半導体光センサは、光遮蔽機能を発揮する電気信号出力用電極を光照射手段からの光が入射する側に有していることを特徴とするものである。
【0031】
(作用・効果)請求項5に記載の発明によれば、半導体光センサは光が入射する側に有している半電気信号出力用電極の光遮蔽機能によって光照射手段からの光が遮断されるので、光照射手段からの光が半導体光センサで直接検出されることを防止することができる。
【0032】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線撮像装置において、放射線検出手段は、各分割電極毎または各半導体光センサ毎に薄膜トランジスタ・スイッチ(TFTスイッチ)とコンデンサが放射線画像の各画素と対応付けられたかたちで形成された透明なガラス基板(TFT基板)を放射線に有感な半導体層の分割電極形成側または放射線−光変換層の半導体光センサ形成側に備えており、放射線入射に伴って分割電極経由あるいは半導体光センサ経由でコンデンサに放射線入射強度に応じた量の電荷が蓄積されるとともに、外部からの走査信号によってTFTスイッチを順次On・Offさせて各コンデンサに蓄積された電荷を読み出すことにより電気信号が取り出されるように構成され、さらに光照射手段からの光がTFT基板側から照射されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0033】
(作用・効果)請求項6に記載の発明によれば、放射線検出手段では光照射手段からの光が透明なガラス基板を透過して照射される。同時に、分割電極毎または各半導体光センサに得られて各コンデンサに蓄積される電荷がTFTスイッチ経由で電気信号として取り出される。さらに、光照射に伴うTFTスイッチの漏れ電流も、ダイナミックレンジを狭める作用をする暗電流分として照射光の強度に応じた量で電気信号に加わる。即ち、照射光の強度の増加に伴ってTFTスイッチの漏れ電流が増加する。しかし、光照射手段により照射される光の強度は電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少するようにコントロールされるので、TFTスイッチの漏れ電流によってダイナミックレンジが狭められる問題となる事態は起こらない。
【0034】
つまり、電気信号処理回路のゲイン設定値が増す場合は、照射光の強度が減るのでTFTスイッチの漏れ電流が減り、ゲイン設定値の増加が漏れ電流の減少で相殺されるので、ダイナミックレンジへの影響は殆どない。逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が減る場合も、照射光の強度が増すのでTFTスイッチの漏れ電流が増えるけれど、漏れ電流の増加はゲイン設定値の減少で相殺されるので、ダイナミックレンジへの影響は殆どない。
【0035】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射線撮像装置において、画像処理回路は、放射線画像作成用の電気信号毎に、各電気信号間のオフセットの場所的バラツキを補正するオフセット補正係数および各電気信号間の感度の場所的バラツキを補正する感度補正係数を登録する補正係数登録手段を備えていて、光照射手段により照射する光の強度を予め何段階かに段階分けして想定した光の強度の各想定段階毎にオフセット補正係数および感度補正係数を求めて補正係数登録手段に登録するとともに、実際に照射された光の強度の段階に相応する光の想定段階の登録済オフセット補正係数および登録済感度補正係数に基づき各電気信号に対してオフセットおよび感度のバラツキ補正処理を行う構成となっていることを特徴とするものである。
【0036】
(作用・効果)請求項7に記載の発明によれば、画像処理回路では、予め何段階かに段階分けして想定した光の強度の想定段階毎に、放射線画像作成用の電気信号間のオフセットの場所的バラツキを補正するオフセット補正係数および各電気信号間の感度の場所的バラツキを補正する感度補正係数が放射線画像作成に先立って求められ補正係数登録手段に登録される。そして、放射線画像作成の際、実際に照射された光の強度の段階に相応する光の想定段階の登録済オフセット補正係数および登録済感度補正係数に基づきオフセットおよび感度のバラツキ補正処理が行われ、バラツキ補正処理に光の強度が反映されるので、光照射手段による光照射によりオフセットおよび感度のバラツキ補正に誤差が生じるのを防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明の放射線撮像装置(以下、適宜「撮像装置」という)の実施例について、図面を参照しながら詳しく説明する。
<第1実施例>
図1は第1実施例に係る撮像装置の構成を直接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器(放射線検出手段)の内部構造を示すブロック図である。
【0038】
本実施例の放射線撮像装置は、図1に示すように、撮影対象の被検体(図示省略)を透過して入ってくる入射放射線の空間分布を電気信号として検出して取り出す直接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器(以下、適宜「FPD」という)1と、FPD1から取り出した電気信号を増幅処理する電気信号処理回路2と、電気信号処理回路2で増幅処理された電気信号に基づいて被検体の放射線画像を作成する画像処理回路3と、画像処理回路3で作成された放射線画像を表示する画像表示モニタ4と、撮像実行に必要な入力操作を行う操作部5と、操作部5による入力操作や撮影プロセスの進行状況に応じて必要な演算および制御を行う中央演算制御処理部6とを備え、被検体への放射線曝射に伴ってFPD1に投影される被検体の透過放射線像に対応する放射線画像が画像表示モニタ4に映し出されるように構成されている。
【0039】
FPD1は、放射線に有感な半導体層7の一面側にバイアス電圧印加用の共通電極8が形成されているとともに、他面側に多数個の分割電極9が縦横に2次元アレイ配列状態に形成されている。また、各分割電極9毎に薄膜トランジスタ・スイッチ(以下、適宜「TFT」という)10とコンデンサ11が放射線画像の各画素と対応付けられて形成された透明なガラス基板(以下、適宜「TFT基板」という)12が半導体層7の分割電極9形成側に配備されている。
【0040】
つまり、放射線入射に伴って分割電極9経由でコンデンサ11に放射線入射強度に応じた量の電荷が蓄積されるとともに、外部からの走査信号によってゲートドライバ13がTFTスイッチ10を順次On・Off切り替えさせて各コンデンサ11に蓄積された電荷を読み出すことにより、電気信号が取り出されて入射放射線の空間分布が検出されるように構成されている。また、本実施例の場合、半導体層7と分割電極9の間には中間層7aが介設されている。
【0041】
電気信号処理回路2は、取り出した電気信号を取り出した電気信号を中央演算制御処理部6によるセッティングによって設定されるゲイン値(ゲイン設定値)に従って増幅処理すると共にゲイン設定値の増加、減少がおこなえるように構成されている。ゲイン設定値は、通常、想定される入射放射線の強度が増えれば、ゲイン設定値が減り、想定される入射放射線の強度が減れば、ゲイン設定値が増す(つまり入射放射線の強度とゲイン設定値が反比例の関係となるように)設定される。
【0042】
電気信号処理回路2は、電荷(電流)−電圧変換器2Aとマルチプレクサ2BとA/D変換器2Cとからなり、電荷−電圧変換器2Aにゲイン設定値がセットされるように構成されている。本実施例の場合、放射線源(図示省略)の放射強度も中央演算制御処理部6によってコントロールされるように構成されており、中央演算制御処理部6が放射線源の放射強度に合わせて電気信号処理回路2のゲイン設定値をセットする構成になっている。
【0043】
なお、個別に放射線の強度を検出すると共に検出された放射線強度に見合ったゲイン設定値が中央演算制御処理部6によって自動的にセットされるように構成されていてもよい。
【0044】
画像処理回路3は、放射線画像作成用の電気信号毎に、FPD1の検出系統の場所的不均一性に起因する各電気信号間のオフセットの場所的バラツキを補正するオフセット補正係数および各電気信号間の感度の場所的バラツキを補正する感度補正係数を登録する補正係数登録部3Aを有しており、予め登録されているオフセット補正係数および感度補正係数に基づき各電気信号間のオフセットおよび感度のバラツキ補正処理が行われるように構成されている。
【0045】
そして、本実施例の撮像装置は、放射線に有感な半導体層7の分割電極9形成側へ向けて全面的に光を照射する光照射機構(光照射手段)14と、電気信号処理回路2のゲイン設定値の減少、増加に応じて光照射機構14が照射する光の強度が増加、減少するように制御する光強度制御部15とを備えている。電気信号処理回路2のゲイン設定値が減少すれば、光照射機構14が照射する光の強度が増大し、逆にゲイン設定値が増加すれば、光照射機構14が照射する光の強度が減少する(つまりゲイン設定値と光の強度が反比例の関係となる)ように制御される。
【0046】
したがって、本実施例の場合、普通、入射放射線の強度とゲイン設定値は反比例の関係となるように操作されると共に、ゲイン設定値と光の強度とは反比例の関係にあるので、結果的に、光強度制御部15は光照射機構14の照射光の強度と入射放射線の強度が正比例関係にあるように光照射機構14をコントロールすることになる。
【0047】
本実施例の場合、例えば、予め各ゲイン設定値について適当な照射光の強度を実験的に求めて、この照射光の強度を各ゲイン設定値と対応させて登録しておき、ゲイン設定値をセットする時に対応する照射光の強度を読み出して光強度制御部15にセット(設定)するように構成する。
【0048】
さらには、もし使用する放射線の強度が予め幾つかに限定されている場合、放射線の強度毎に適当なゲイン設定値および適当な照射光の強度を対応付けて登録しておき、放射線の強度を設定すると、自動的にゲイン設定値および適当な照射光の強度のセットが行われるように構成してもよい。
【0049】
光照射機構14の具体的な構成としては、図1に示すように、TFT基板12の裏側に重ね合わせるように配設された透明アクリル樹脂製の導光板16と、導光板16の側端面に設置された発光ダイオードや冷陰極管等の発光体17とが配備されている。また、TFT基板12との重ね合わせ面となる導光板16の表面には微細加工(表面粗化加工)が施されているとともに、裏面には反射シート18が取り付けられている。さらに、TFT基板12と導光板16の間に散乱シート19が介設されている構成が挙げられる。
【0050】
この場合、発光体17の光は、反射シート18で反射しながら導光板16を通り、導光板16の表面の微細加工および散乱シート19を経て照射されるので、半導体層7の分割電極9形成側に効率よく均一に光を照射することができる。
【0051】
この他、光照射機構14の具体的な構成としては、面発光ダイオードが発光面をTFT基板12に向けた状態で透明接着材に貼り付けられている構成も挙げられる。また光強度制御部15は発光体17の光強度がゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少するように発光体17の発光量をコントロールするとともに、光照射機構14による光照射が放射線の検出中だけでなく放射線の検出前あるいは検出後でも行えるようにコントロールする構成とされている。
【0052】
本実施例の撮像装置の場合、FPD1における放射線に有感な半導体層7および中間層7aの分割電極9形成側に光照射機構14により光が照射されるのに伴って、半導体層7や中間層7aにおける分割電極9間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される。その結果、実効的な有感面積の変化が起こらず、FPD1の検出感度の変動が回避できる。
【0053】
また、放射線の入射停止後も光照射機構14による光照射を続ければ、分割電極9間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生を回避することもできる。
【0054】
続いて、半導体層7および中間層7aについてより具体的に説明する。
半導体層7および中間層7aに照射する光の波長は、半導体層7や中間層7aの透過率半減波長よりも短く、かつ、バンドギャップエネルギーに対応する波長よりも長い波長である形態が、好ましい形態として挙げられる。この形態によれば、照射する光の波長が、使用する半導体の透過率半減波長よりも短く、かつ、バンドギャップエネルギーに対応する波長よりも長いため、照射光が一部半導体層7内部深くにまで侵入して不感領域が広がるが、逆に、バンドギャップエネルギーよりも照射光のエネルギーが小さいため、照射光による半導体層7の損傷(結晶欠陥の発生)や、照射光自体による電荷検出に起因する暗電流の増加がなくなる。
【0055】
照射光による半導体の損傷作用は、アモルファス・セレン(a−Se)のようなアモルファス半導体において大きいため、アモルファス半導体を用いる場合に特に有効である。
なお、中間層7aに対する透過率が10%となる波長とは、例えば、中間層7aにアモルファス・セレン(a−Se)を使用する場合、波長710nm程度である。また、中間層7aに三硫化二アンチモン(Sb2S3)薄膜を用いた場合には、660nm程度である。
【0056】
また、半導体層7は、ノンドープのSeもしくはノンドープのSe化合物のアモルファス体、AsまたはTeをドープしたSeもしくはSe化合物のアモルファス体、NaやK,Liなどのアルカリ金属をドープしたSeもしくはNaやK,Liなどのアルカリ金属をドープしたSe化合物のアモルファス体、FやClなどのハロゲンをドープしたSeもしくはFやClなどのハロゲンをドープしたSe化合物のアモルファス体、As、Te、NaやK,Liなどのアルカリ金属、FやClなどのハロゲンを組み合わせて複数ドープしたSeもしくはSe化合物のアモルファス体のいずれかであることが好ましい。
【0057】
また、半導体層7は、CdTe、CdZnTe、PbI2、HgI2、TlBr、GaAsの化合物半導体のいずれかの多結晶体、またはFやClなどのハロゲンをドープした前記化合物半導体の多結晶体であることも好ましい。
【0058】
また、中間層7aに照射する光の波長は、中間層7aの透過率半減波長よりも短いことが好ましいが、さらに中間層7aに対する透過率が10%となる波長よりも短いことがより好ましい。半導体層7よりも中間層7aの方が欠陥が多くて電荷が溜まりやすい場合には、中間層7a内部にのみ電界の曲がりが生ずる。したがって、中間層7aへ光を照射することによって、分割電極9間のスペース領域に溜まる電荷の影響で感度変動や残留出力が発生することはなくなる。また、照射する光の波長を中間層7aの透過率半減波長よりも短くすることで、中間層7aによって大部分の照射光が吸収されるので、半導体層7にまで到達する照射光を少なくできる。したがって、照射光に起因する半導体層7の暗電流も抑制することができる。
【0059】
この中間層7aは、ノンドープのSeもしくはノンドープのSe化合物のアモルファス体、AsまたはTeをドープしたSeもしくはSe化合物のアモルファス体、NaやK,Liなどのアルカリ金属をドープしたSeもしくはNaやK,Liなどのアルカリ金属をドープしたSe化合物のアモルファス体、FやClなどのハロゲンをドープしたSeもしくはFやClなどのハロゲンをドープしたSe化合物のアモルファス体、As、Te、NaやK,Liなどのアルカリ金属、FやClなどのハロゲンを組み合わせて複数ドープしたSeもしくはSe化合物のアモルファス体のいずれかであることが好ましい。
但し、中間層7aを機能させるために、半導体層7の材料と中間層7aは異なるものにする。
【0060】
また、中間層7aは、Sb2S3、CeO2、CdS、CdSe、CdTe、CdZnTe、ZnSe、ZnTe、ZnS、PbI2、HgI2、TlBr、GaAsの化合物半導体のいずれかの多結晶体、またはFやClなどのハロゲンをドープした前記化合物半導体の多結晶体、またはこれらの多結晶体を組み合わせて多層にしたもののいずれかであることも好ましい。
【0061】
また、中間層7aは半導体層7の透過率半減波長とバンドギャップエネルギーに対応する波長との間に透過限界波長を持つ場合、フィルター効果によって、半導体層7と中間層7aの両方に電荷が溜まって両方に光を照射する必要がある時に対応できる。具体的には、半導体層7の材料と中間層7aの材料を選択することで、中間層7aが半導体層7の透過率半減波長とバンドギャップエネルギーに対応する波長との間に透過限界波長を持つようにすることにより、フィルター効果を生じさせて所望深さにまで光を照射させる。つまり、白色光の波長成分のうち、短波長成分は中間層7aで吸収されて半導体層7には深く到達せず、照射損傷や暗電流の増加を引き起こすことなく、大部分の光を中間層7aに対して作用させることができる。また、長波長成分は中間層7aを透過して半導体層7に到達して作用させることができる。
【0062】
なお、ここでいう上記中間層7aは、キャリア選択性を有する層であり、暗電流を抑制する等の効果を有する。キャリア選択性とは、半導体中の電荷移動媒体(キャリア)である電子と正孔とで、電荷移動作用への寄与率が著しくことなる性質のことをいう。
【0063】
例えば、電子の寄与が大きいものとしては、n型半導体であるCeO2、CdS、CdSeのような多結晶体や、アルカリ金属や、As、Teをドープして正孔の寄与を低下させたアモルファスSe等のアモルファス体がある。また、正孔の寄与が大きいものとしては、p型半導体であるZnSe、ZnTe、ZnSのような多結晶体や、ハロゲンをドープして電子の寄与率を低下させたアモルファスSe等のアモルファス体がある。
【0064】
さらに、Sb2S3、CdTe、CdZnTe、PbI2、HgI2、TlBrや、ノンドープのアモルファスSeまたはSe化合物のように、成膜条件によって電子の寄与が大きくなったり、正孔の寄与が大きくなったりするものもある。
【0065】
半導体層7として、例えば、1mm厚のアモルファス・セレン(a−Se)を使用する場合、透過率半減波長は740nm、バンドギャップエネルギー2.2eVに対応する波長は560nmであるので、560nm〜740nmに透過限界波長がある材料を用いて中間層7aを形成すればよい。
【0066】
例えば、厚さ1μmの三硫化二アンチモン(Sb2S3)薄膜の透過限界波長は580nmであるので、アモルファス・セレンと分割電極9との間に厚さ1μmの三硫化アンチモン薄膜を中間層7aとして形成すれば、照射した白色光の内、580nm以下の短波長成分がカットされ、バンドギャップエネルギーよりも照射光のエネルギーは小さくなるため、照射光による半導体層7の損傷や、暗電流の増加がなくなる。使用する半導体層7の材質によって、中間層7aの材質や厚さを選択する必要があるが、照射光の波長を限定する必要がなくなって光照射に係る構成を簡素化できるという効果が得られる。換言すると、照射光源として単色光源を用いずに白色光源を用いた場合でも、照射損傷や暗電流の増加を引き起こすことなく、感度変動のない放射線検出器を得ることができる。
【0067】
なお、中間層7aは、上述したように分割電極9の直上に設ける代わりに、共通電極8の直下に設けるようにしてもよく、さらに分割電極9の直上と共通電極8の直下の両方に設けるようにしても上述した構成と同等の効果を奏する。この際、各中間層7aの材料は、同じである必要はない。
【0068】
さらに、前述したように、光強度制御部15による光照射機構14の制御により、照射される光の強度は、電気信号処理回路2のゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少する。
一方、光照射機構14による光照射は、電気信号に暗電流分として加わる電気信号の増加を伴う。光照射機構14による光照射に伴う暗電流分は、照射光の強度の増減に応じて増減し、照射光の強度が増すほど暗電流分が増える。
他方、電気信号処理回路2では光照射に伴う暗電流分も一緒にゲイン設定値に応じて増幅処理される結果、増幅処理後の暗電流分が電気信号処理回路2の出力範囲を占める分だけ電気信号処理回路のダイナミックレンジが狭められることになるが、ゲイン設定値が増えると暗電流分の増幅度が増すので、同一量の暗電流分に対してはゲイン設定値が増すとダイナミックレンジの狭められる度合いも増える。
【0069】
しかしながら、本実施例では、電気信号処理回路2のゲイン設定値が増す場合、光照射機構14により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺され、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。逆に電気信号処理回路2のゲイン設定値が減る場合、光照射機構14により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺され、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。
【0070】
したがって、本実施例の撮像装置の場合、FPD1の検出感度の変動や残留出力の発生を回避する為の光照射に伴って発生する暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めてしまうことは解消されることになるので、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【0071】
続いて、電気信号処理回路2におけるゲイン設定値と照射光の強度の対応関係を求める過程を具体的に説明する。
図2は、光照射機構14の発光体17である発光ダイオード(以下、適宜「LED」と略記)の印加電圧の変化に対するLEDの照度(光の強度)の変化、および、LEDの光照射により生じる暗電流分(FPD1の暗電流増加分)の変化を示すグラフである。図2は、電気信号処理回路2のゲイン設定値が30、ダイナミックレンジ8000LSBの時の場合のものである。ゲイン設定値を変更すると、ゲイン設定値が「GA」の場合、LEDの光照射による暗電流分は〔「GA」/30〕倍となる。
【0072】
図2に示すように、LEDの照度はLEDの印加電圧の変化に対し直線的に変化しない場合が多く、LEDの照度に対するLEDによる光照射に伴って生じる暗電流分も一定の比率で対応するわけではない。したがって、LEDへの最適印加電圧(LEDの照度)は、LEDによる光照射に伴って生じる実際の暗電流分が、ダイナミックレンジに対してどのくらいを占めるか(ダイナミックレンジの低下率)に従って求めることになる。
【0073】
図3は、代表的なゲイン設定値毎に、それぞれLEDの印加電圧と対応するダイナミックレンジの低下率を示した数値データの一覧である。図4は代表的な各ゲイン設定値毎のLEDの印加電圧とダイナミックレンジの低下率の対応関係を示すグラフである。
【0074】
目安となるダイナミックレンジの低下率は、撮影対象の放射線画像の種類などによって異なるが、広いダイナミックレンジが要求される医用放射線画像の場合、ダイナミックレンジの低下率が1%以下であることが望ましい。従って、電気信号処理回路2における段階的な各ゲイン設定値のLEDの最適印加電圧を求めれば、表1に示すようになる。
【0075】
【表1】
【0076】
本実施例の場合、光照射機構14の発光体17の光の強度の具体的制御方式としては、次のように行われる。
(制御方式A) 段階的なゲイン設定値とLEDの印加電圧との最適対応関係を予め登録しておき、ゲイン設定値の段階的な増減変更に対し、ゲイン設定値をセットする時に対応するLEDの印加電圧を読み出して光強度制御部15にセット(設定)し、発光体17であるLEDをセットした印加電圧で点灯する。この場合、オープンループ型の制御となる。
【0077】
(制御方式B) ゲイン設定値の段階的な増減変更に対し、新しいゲイン設定値に変更して発光体17の光をオン・オフさせて各暗電流値を測定すると共に、暗電流値の差がダイナミックレンジの何%になるかを算出し、さらに算出値が所定のダイナミックレンジの低下率(例えば1%)以下か否かをチェックする処理を、発光体17の光の強度を増減させながら算出値が所定のダイナミックレンジの低下率(例えば1%)以下となるまで繰り返す。この場合、フィードバック型の制御となる。
【0078】
(制御方式C) ゲイン設定値とLEDの印加電圧との連続的な最適対応関係を数式のかたちで求めて予め登録しておき、ゲイン設定値の段階的な増減変更に対してゲイン設定値をセットする時に対応するLEDの印加電圧を、数式を利用して取り出して光強度制御部15にセット(設定)し、発光体17であるLEDをセットした印加電圧で点灯する。この場合、オープンループ型の制御となる。
【0079】
(制御方式D) ゲイン設定値とLEDの印加電圧との連続的な最適対応関係を以下のようにテーブル形式のかたちで求めて予め登録しておき、ゲイン設定値の連続的な増減変更に対し、ゲイン設定値をセットする時に対応するLEDの印加電圧をテーブルから参照して取り出し、光強度制御部15にセット(設定)し、発光体17であるLEDをセットした印加電圧で点灯する。この場合も、オープンループ型の制御である。
【0080】
〔ゲイン設定値とLEDの印加電圧との連続的な最適対応関係例〕
ゲイン設定値 1.0 LEDの印加電圧10.0V
ゲイン設定値 1.1 LEDの印加電圧 9.7V
ゲイン設定値 1.2 LEDの印加電圧 9.5V
ゲイン設定値 1.3 LEDの印加電圧 9.3V
・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・
【0081】
(制御方式E) ゲイン設定値の連続的な増減変更に対し、新ゲイン設定値に変更して発光体17の光をオン・オフさせて各暗電流値を測定すると共に、暗電流値の差がダイナミックレンジの何%となるかを算出し、さらに算出値が所定のダイナミックレンジの低下率(例えば1%)以下か否かをチェックする処理を、発光体17の光の強度を増減させながら算出値が所定のダイナミックレンジの低下率(例えば1%)以下となるまで繰り返す。この場合、フィードバック型の制御となる。
【0082】
また、実施例装置の場合、分割電極9は、光照射機構14により照射される光の波長にて、透明または半透明である。このように、分割電極9が透明または半透明であると、照射光は分割電極9間のスペース領域だけでなく、分割電極9形成領域にも照射されるため、電荷の掃き出しスピードよりも高レートの放射線が入射して分割電極9近傍に電荷が一旦溜まっても、照射光のエネルギーによってすぐにまた励起されて運動エネルギーを与えられるので、電位プロファイルが歪むことはなく、分割電極9近傍の電位は上昇しない。よって、高バイアスを印加して使用する必要がある例えばa−Seを用いた場合でも、TFTスイッチ10は正常な動作を維持できる。
【0083】
また、本実施形態の撮像装置の場合、画像処理回路3において行われる既登録のオフセット補正係数および感度補正係数に基づく各電気信号間のオフセットおよび感度のバラツキ補正処理の際に、光照射機構14により照射される光の強度が反映される構成となっている。
【0084】
すなわち、オフセット補正係数および感度補正係数は、予め補正係数登録用のファントム(標準被検体)を用いて画像処理回路3ないし中央演算制御処理部6で求めて補正係数登録部3Aに登録しておく。この場合、光照射機構14により照射される光の強度を予め何段階かに想定し、光強度の各想定段階にオフセット補正係数および感度補正係数を求めて補正係数登録部3Aに登録しておき、実際の撮像の際に照射する光の強度に対応するオフセット補正係数および感度補正係数を読み出してバラツキ補正処理を行う構成となっている。
【0085】
したがって、画像処理回路3では、補正係数登録部3Aに登録済のオフセット補正係数および感度補正係数に基づき光照射機構14により照射する光の強度が反映されるようにオフセットおよび感度のバラツキ補正処理が行われる。その結果、光照射機構14による光照射によりオフセットおよび感度のバラツキ補正に誤差が生じるのを防止することができる。
【0086】
次に、上記第1実施例装置の放射線検出動作について具体的に説明する。
実施例装置のFPD1の場合、TFT基板12上にITO膜等の透明性を有する電極を分割電極9として形成した後、厚み1μmの三硫化アンチモン(Sb2 S3 )薄膜を中間層7aとして先に形成しておいて、厚み1mmのアモルファス・セレン(a−Se)半導体厚膜を放射線に有感な半導体層7として次に形成してから、アモルファス・セレン(a−Se)半導体厚膜の上に厚み0.1μmの金(Au)薄膜を共通電極8として形成するようにした。また、TFT基板12の裏側に緑色発光タイプの面発光ダイオードを透明接着剤で貼り付けることにより光照射機構14を配設した。
【0087】
次に実施例の撮像装置の放射線検出動作を説明する。
放射線は、FPD1から距離1mだけ離れたところにALフィルタを介在させた状態でX線管から管電圧55kV,管電流80mAの条件で曝射されるX線を用いた。そして、強いX線を曝射する時は、厚み1mmのALフィルタを用い、弱いX線を曝射する時は、厚み26mmのALフィルタを用いた。また、電気信号処理回路2の(ディジタル)出力は8000〔LSB〕がフルレンジとなるようにした。
【0088】
そして、下記の動作条件(1)〜(5)の場合のそれぞれについて、X線を4秒間、曝射してから停止した場合の電気信号処理回路2の応答出力波形を測定し、測定データから光照射による暗電流増加分によるダイナミックレンジの低下率や検出感度の変動の程度および残留出力の発生の程度を求めた。
【0089】
電気信号処理回路2の応答出力波形の測定結果を、図5および図6に示し、ダイナミックレンジの低下率と検出感度の変動の程度および残留出力の発生の程度等の結果を表2に示す。
【0090】
【0091】
なお、上記の動作条件(1),(2)は、第1実施例のものであり、上記の動作条件(3)〜(5)は比較例のものである。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例および比較例の間で、表2の検出感度の変動および残留出力の発生のデータ、並びに、図5と図6の応答出力波形を比較すれば、光照射機構14による光照射が、光の強度が検出感度の変動および残留出力の発生の回避に有効であることが分かる。また、特に図6の実施例と比較例の応答出力波形を比較すれば、光照射機構14による光照射の際、電気信号処理回路2のゲイン設定値の減少、増加に応じて照射する光の強度が増加、減少するように制御することにより、ダイナミックレンジの大幅な低下を回避できることが分かる。
【0094】
<第2実施例>
図7は第2実施例に係る撮像装置の構成を間接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器(放射線検出手段)の内部構造を示すブロック図である。
第2実施形態の撮像装置は、間接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器(放射線検出手段)を用いて放射線の検出を行う他は、第1実施例の撮像装置と同一の構成と作用効果を有するものであるので、共通する部分につていは同一符号を付すに留め、相違する部分について説明する。
【0095】
第2実施例の放射線撮像装置は、図7に示すように、撮影対象の被検体(図示省略)を透過して入ってくる入射放射線の空間分布を電気信号のかたちで検出して取り出す間接変換タイプのフラットパネル型放射線検出器(以下、適宜「FPD」と略記)20と、FPD20から取り出した電気信号を増幅処理する電気信号処理回路2と、電気信号処理回路2で増幅処理された電気信号に基づいて被検体の放射線画像を作成する画像処理回路3と、画像処理回路3で作成された放射線画像を表示する画像表示モニタ4と、撮像実行に必要な入力操作を行う操作部5と、操作部5による入力操作や撮影プロセスの進行状況に応じて必要な演算および制御を行う中央演算制御処理部6とを備え、被検体への放射線曝射に伴ってFPD20に投影される被検体の透過放射線像に対応する放射線画像が画像表示モニタ4に映し出されるように構成されている。
【0096】
FPD20は、放射線を光に変換する放射線−光変換層21の一面側に、光に有感な半導体層22を電気的に分割してなるとともに、各半導体層22の裏面に電気信号出力用電極23をそれぞれ有している多数個の半導体光センサ24が縦横に2次元アレイ配列状態で形成されている。また、各半導体光センサ24に薄膜トランジスタ・スイッチ(以下、適宜「TFT」という)25とコンデンサ26が放射線画像の各画素と対応付けられて形成された透明なガラス基板(以下、適宜「TFT基板」という)27が放射線−光変換層21の半導体光センサ24形成側に配備されている。
【0097】
つまり、放射線の入射に伴って半導体光センサ24経由でコンデンサ26に放射線入射強度に応じた量の電荷が蓄積されるとともに、外部からの走査信号によってゲートドライバ28がTFTスイッチ25を順次On・Off切り替えさせて各コンデンサ26に蓄積された電荷を読み出すことにより、入射放射線により放射線−光変換層21に発生する光が各々の半導体光センサ24から電気信号として取り出されて入射放射線の空間分布が検出されるように構成されている。
【0098】
そして、第2実施例の撮像装置も、放射線−光変換層21の半導体光センサ24形成側へ向けて全面的に光を照射する光照射機構(光照射手段)29と、電気信号処理回路2のゲイン設定値の減少、増加に応じて光照射機構29が照射する光の強度が増加、減少するように制御する光強度制御部30とを備えている。
電気信号処理回路2のゲイン設定値が減少すれば、光照射機構29が照射する光の強度が増大し、逆にゲイン設定値が増加すれば、光照射機構29が照射する光の強度が減少する(つまりゲイン設定値と光の強度が反比例の関係となる)ように制御される。
【0099】
したがって、本実施例の場合も、普通、入射放射線の強度とゲイン設定値は反比例の関係となるように操作されると共に、ゲイン設定値と光の強度とは反比例の関係にあるので、結果的に、光強度制御部30は光照射機構29の照射光の強度と入射放射線の強度が正比例関係にあるように光照射機構29をコントロールすることになる。
【0100】
本実施例の場合もまた、例えば、予め各ゲイン設定値について適当な照射光の強度を実験的に求めて、この照射光の強度を各ゲイン設定値と対応させて登録しておき、ゲイン設定値をセットする時に対応する照射光の強度を読み出して光強度制御部30にセット(設定)するように構成する。
【0101】
さらには、もし使用する放射線の強度が予め幾つかに限定されている場合、放射線の強度毎に適当なゲイン設定値および適当な照射光の強度を対応付けて登録しておき、放射線の強度を設定すると、自動的にゲイン設定値および適当な照射光の強度のセットが行われるように構成してもよい。
【0102】
なお、FPD20の場合、半導体光センサ24が光照射機構29からの光が入射する側に有している電気信号出力用電極23がAlやTaのような不透明材料で形成されていて光遮蔽機能をもっており、光照射機構29からの光は電気信号出力用電極23で遮断されて半導体光センサ24で直接検出されない構成となっている。光照射機構29の光は検出対象の放射線ではないので、半導体光センサ24で直接検出されないようにしている。
【0103】
光照射機構29の具体的な構成としては、図7に示すように、TFT基板27の裏側に重ね合わせるように配設された透明アクリル樹脂製の導光板31と、導光板31の側端面に設置された発光ダイオードや冷陰極管等の発光体32とが配備されている。また、TFT基板27との重ね合わせ面となる導光板31の表面には微細加工(表面粗化加工)が施されているのに加え、裏面には反射シート33が取り付けられているとともに、TFT基板27と導光板31の間に散乱シート34が介設されている構成が挙げられる。
【0104】
この場合、発光体32の光は、反射シート33で反射しながら導光板31を通り、導光板31の表面の微細加工および散乱シート34を経て照射されるので、放射線−光変換層21の半導体光センサ24形成側に効率よく均一に照射される。
【0105】
この他、光照射機構29の具体的な構成としては、面発光ダイオードが発光面をTFT基板27に向けた状態で透明接着材で貼り付けられている構成も挙げられる。また光強度制御部30は発光体32の光強度がゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少するように発光体32の発光量をコントロールするのに加えて、光照射機構29による光照射が放射線の検出中だけでなく放射線の検出前あるいは検出後でも行えるようにコントロールするように構成されている。
【0106】
本実施例の撮像装置の場合、FPD20における放射線を光に変換する放射線−光変換層21の半導体光センサ24形成側に光照射機構29により光が照射されるのに伴って、半導体光センサ24間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される結果、実効的な有感面積の変化が起こらず、FPD20の検出感度の変動を回避できる。
【0107】
また、放射線の入射停止後も光照射機構29による光照射を続ければ、半導体光センサ24間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避することができる。
【0108】
さらに、前述したように、光強度制御部30による光照射機構29の制御により、照射される光の強度は、電気信号処理回路2のゲイン設定値の減少、増加に応じて増加、減少する。
一方、光照射機構29による光照射は、電気信号に暗電流分として加わる電気信号の増加を伴う。光照射機構29による光照射に伴う暗電流分は、照射光の強度の増減に応じて増減し、照射光の強度が増すほど暗電流分が増える。
他方、電気信号処理回路2では光照射に伴う暗電流分も一緒にゲイン設定値に応じて増幅処理される結果、増幅処理後の暗電流分が電気信号処理回路2の出力範囲を占める分だけ電気信号処理回路のダイナミックレンジが狭められることになるが、ゲイン設定値が増えると暗電流分の増幅度が増すので、同一量の暗電流分に対してはゲイン設定値が増すとダイナミックレンジの狭められる度合いも増える。
【0109】
しかしながら、本実施例では、電気信号処理回路2のゲイン設定値が増す場合、光照射機構29により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺され、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。逆に電気信号処理回路2のゲイン設定値が減る場合、光照射機構29により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺され、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられる。
【0110】
したがって、本実施例の撮像装置の場合、FPD2の検出感度の変動や残留出力の発生を回避する為の光照射に伴って発生する暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めてしまうことは解消されるので、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【0111】
この発明は、上記実施の形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)第2実施形態の場合、FPD20における電気信号出力用電極23自体が有する光遮蔽機能により、光照射機構29の光が半導体光センサ24で直接検出されないようにする構成であったが、電気信号出力用電極23は光透過性の電極とするとともに、光照射機構29の側の例えば導光板31の表面に半導体光センサ24毎に光遮蔽機能を有する不透明パターンを配置し、不透明パターンで光照射機構29の光が半導体光センサ24で検出されないようにする構成であってもよい。
【0112】
(2)両実施例における光照射機構の発光体として、レーザダイオード(LD)やエレクトロルミネッセンス素子(EL)も使用することができる。
【0113】
(3)この発明の撮像装置は、医療用装置(例えば、X線透視撮影装置)に限らず、工業用装置(例えば、X線非破壊検査装置)等にも適用することができる。
【0114】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の放射線撮像装置によれば、放射線検出手段における放射線に有感な半導体層の分割電極形成側へ光照射手段により光が照射される構成を備えており、分割電極間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される。その結果、実効的な有感面積の変化が起こらなくなり、放射線検出器の検出感度の変動を回避できる。また、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、分割電極間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避可能となる。
【0115】
また、電気信号処理回路のゲイン設定値が増す場合、光照射手段により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺される構成を備えていて、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられるのに加え、逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が減る場合も、光照射手段により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺される構成を備えていて、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのも抑えられ、ダイナミックレンジを狭める作用をする暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めることはない。その結果、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【0116】
さらに、請求項4に記載の放射線撮像装置によれば、放射線検出手段における放射線−光変換層の半導体光センサ形成側に光照射手段により光が半導体光センサで直接検出されないように照射される構成を備えており、光照射手段による光は半導体光センサで直接検出されないので、半導体光センサの検出動作が妨げられることない。また、半導体光センサ間のスペースの領域に光照射で生じた空間電荷が溜まってしまうので、放射線の入射によって発生した電荷の方は溜まらずに掃き出される。その結果、実効的な有感面積の変化が起こらなくなり、放射線検出器の検出感度の変動を回避できる。
【0117】
また、放射線の入射停止後も光照射を続ければ、半導体光センサ間のスペースの領域に溜まった空間電荷は掃き出されずに留まり続けるので、残留出力の発生も回避可能となる。
【0118】
また、電気信号処理回路のゲイン設定値が増す場合、光照射手段により照射する光の強度が減らされて暗電流分が減るので、ゲイン設定値の増加が暗電流分の減少で相殺される構成を備えていて、ゲイン設定値の増加によってダイナミックレンジが狭められるのが抑えられるのに加え、逆に電気信号処理回路のゲイン設定値が減る場合も、光照射手段により照射する光の強度が増して暗電流分が増えるけれども、暗電流分の増加がゲイン設定値の減少で相殺される構成を備えていて、照射光の強度増加によってダイナミックレンジが狭められるのも抑えられ、ダイナミックレンジを狭める作用をする暗電流分が電気信号処理回路の出力範囲を広く占めることはない。その結果、ダイナミックレンジが大きく狭められる事態は起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の光照射機構の発光体であるLEDの印加電圧とLEDの照度変化またはLEDの光照射により発生する暗電流分の関係を示す図である。
【図3】LEDの印加電圧と対応するダイナミックレンジの低下率を示した図である。
【図4】第1実施例の電気信号処理回路における代表的なゲイン設定値毎のLEDの印加電圧とダイナミックレンジの低下率の対応関係を示す図である。
【図5】第1実施例装置の実施例と比較例のそれぞれで強い放射線を検出した時の電気信号処理回路の応答出力波形を示す図である。
【図6】第1実施例装置の実施例と比較例のそれぞれで弱い放射線を検出した時の電気信号処理回路の応答出力波形を示す図である。
【図7】第2実施例に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,20 … FPD(放射線検出手段)
2 … 電気信号処理回路
3 … 画像処理回路
3A … 補正係数登録部(補正係数登録手段)
7 … 放射線に有感な半導体層
7a … 中間層
8 … 共通電極
9 … 分割電極
10 … 薄膜トランジスタ・スイッチ
11 … コンデンサ
12,27 … TFT基板
14,29 … 光照射機構(光照射手段)
15,30 … 光強度制御部(光強度制御手段)
21 … 放射線−光変換層
23 … 電気信号出力用電極
24 … 半導体光センサ
25 … 薄膜トランジスタ・スイッチ
26 … コンデンサ
Claims (7)
- 放射線に有感な半導体層の一面側にバイアス電圧印加用の共通電極が形成されているとともに、他面側に複数個の分割電極が形成されており、放射線の入射に伴って前記半導体層内部に発生する電荷を各々の分割電極から電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段と、取り出した電気信号を設定されたゲイン値(ゲイン設定値)に応じて信号処理すると共にゲイン設定値の増加、減少がおこなえる電気信号処理回路と、電気信号処理回路で信号処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた放射線撮像装置において、(A)前記放射線に有感な半導体層の分割電極形成側へ向けて光を照射する光照射手段と、(B)電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて照射する光の強度が増加、減少するように前記光照射手段を制御する光強度制御手段とを備えたことを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1に記載の放射線撮像装置において、放射線検出手段は、(C)半導体層と分割電極の間にキャリア選択性の中間層が形成されているとともに、少なくとも放射線の検出中は前記中間層に光照射手段により光を照射するよう構成されていることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1または2に記載の放射線撮像装置において、分割電極は、光照射手段により照射される光の波長にて透明または半透明であることを特徴とする放射線撮像装置。
- 放射線を光に変換する放射線−光変換層の一面側に、光に有感な半導体層を電気的に分割してなる複数個の半導体光センサが形成されているとともに、放射線の入射に伴って前記放射線−光変換層に発生する光を、各々の半導体光センサから電気信号として取り出すことによって入射放射線の空間分布を検出する放射線検出手段と、取り出した電気信号を設定されたゲイン値(ゲイン設定値)に応じて信号処理すると共にゲイン設定値の増加、減少がおこなえる電気信号処理回路と、電気信号処理回路で信号処理された電気信号に基づいて放射線画像を作成する画像処理回路とを備えた放射線撮像装置において、(a)前記放射線−光変換層の半導体光センサ形成側へ向けて光を半導体光センサで直接検出されないように照射する光照射手段と、(b)電気信号処理回路のゲイン設定値の減少、増加に応じて照射する光の強度が増加、減少するように前記光照射手段を制御する光強度制御手段とを備えたことを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項4に記載の放射線撮像装置において、(c)半導体光センサは、光遮蔽機能を発揮する電気信号出力用電極を光照射手段からの光が入射する側に有していることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線撮像装置において、放射線検出手段は、各分割電極または各半導体光センサに薄膜トランジスタ・スイッチ(TFTスイッチ)とコンデンサが放射線画像の各画素と対応付けられたかたちで形成された透明なガラス基板(TFT基板)を放射線に有感な半導体層の分割電極形成側または放射線−光変換層の半導体光センサ形成側に備えており、放射線入射に伴って分割電極経由あるいは半導体光センサ経由でコンデンサに放射線入射強度に応じた量の電荷が蓄積されるとともに、外部からの走査信号によってTFTスイッチを順次On・Offさせて各コンデンサに蓄積された電荷を読み出すことにより電気信号が取り出されるように構成され、さらに光照射手段からの光がTFT基板側から照射されるように構成されていることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射線撮像装置において、画像処理回路は、放射線画像作成用の電気信号毎に、各電気信号間のオフセットの場所的バラツキを補正するオフセット補正係数および各電気信号間の感度の場所的バラツキを補正する感度補正係数を登録する補正係数登録手段を備えていて、光照射手段により照射する光の強度を予め何段階かに段階分けして想定した光の強度の各想定段階毎にオフセット補正係数および感度補正係数を求めて補正係数登録手段に登録するとともに、実際に照射された光の強度の段階に相応する光の想定段階の登録済オフセット補正係数および登録済感度補正係数に基づき各電気信号に対してオフセットおよび感度のバラツキ補正処理を行う構成となっていることを特徴とする放射線撮像装置。
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