JP3845600B2 - シリンダロッドの固縛装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧シリンダ等において、シリンダチューブに対するシリンダロッドの移動を係止するシリンダロッドの固縛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
重量物を駆動する油圧シリンダの場合、油圧シリンダにかかる荷重変化伴ってシリンダチューブ内の作動油に体積変化が生じ、シリンダチューブに対してシリンダロッドが移動することが避けられない。
【0003】
このシリンダロッドの移動を抑えるため、ピストンの受圧面積を大きくすると、装置の大型化を招くという問題点があった。
【0004】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、シリンダチューブに対するシリンダロッドの移動を係止するシリンダロッドの固縛装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、シリンダチューブに対するシリンダロッドの移動を係止するシリンダロッドの固縛装置に適用する。
【0006】
そして、シリンダロッドの外周面に対峙する円筒状の金属製変形チューブと、この変形チューブのまわりに形成される圧力室とを備え、変形チューブが薄肉円筒状の座屈筒部と、この座屈筒部の両端に形成される環状のつば部とを有し、座屈筒部は圧力室に導かれる圧力によって内側に膨らむ座屈変形をして多数の膨出部分がシリンダロッドの外周面に押し付けられる構成とした。
そして、圧力室に導かれる圧力によって変形チューブが座屈変形する構成としたことを特徴とするものとした。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、変形チューブの外周面に対峙する圧力変形規制部を備えたことを特徴とするものとした。
【0009】
【発明の作用および効果】
第1の発明によると、圧力室に所定の圧力が導かれると、変形チューブが内側に膨らみ、この変形チューブの膨出部分がシリンダロッドの外周面に押し付けられ、シリンダロッドの外周面を固縛する。このため、圧力室に導かれる圧力を調節することにより、全ストロークに渡ってシリンダチューブに対するシリンダロッドの移動を係止することができる。
【0010】
そして、変形チューブ自体で圧力室を画成することが可能となり、構造の簡素化がはかれる。そして、変形チューブを金属によって形成することが可能となり、その表面剛性を確保され、十分な耐久性が得られる。
【0011】
第2の発明によると、変形チューブが圧力変形規制部に当接することによって変形チューブが過大に変形することを規制する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1に示すように、油圧シリンダ10は、円筒状のシリンダチューブ12と、このシリンダチューブ12の内側に図示しないピストンによって画成される油室14と、ピストンに結合されシリンダチューブ12の一端から突出するシリンダロッド11と、シリンダチューブ12に対してシリンダロッド11を摺動可能に支持するシリンダヘッド13とを備える。油室14は図示しない油圧回路に接続され、ピストンに与える油圧力によってシリンダロッド11を移動させ、油圧シリンダ10を伸縮作動させる。
【0015】
油圧シリンダ10は、シリンダチューブ12に対するシリンダロッド11の移動を係止するシリンダロッド11の固縛装置130を備え、油圧シリンダ10の伸縮作動を停止させる。固縛装置130はシリンダチューブ12の開口端側に設けられ、シリンダロッド11を挿通させている。
【0016】
図2に示すように、固縛装置130はシリンダチューブ12にシリンダヘッド13を介して固定される外ブロック131と、この外ブロック131内に介装される変形チューブ141と、外ブロック131と変形チューブ141の間に介装される内ブロック151と、外ブロック131の開口端に締結されるリテーナ161とを備える。外ブロック131は強度メンバであり、固縛装置130の本体をなす。環状のリテーナ161は複数のボルト162を介して外ブロック131に締結され、内ブロック151を外ブロック131との間で固定する。
【0017】
金属製の変形チューブ141は、薄肉円筒状の座屈筒部142と、座屈筒部142の両端に環状のつば部143がそれぞれ機械加工によって形成される。座屈筒部142はその内径が130mm程度であるのに対して、その板厚tは例えば0.8mm程度に形成される。変形チューブ141の材質としては、例えばステンレス、アルミニウム、黄銅が用いられる。
【0018】
外ブロック131と変形チューブ141の間に圧力室144が形成され、この圧力室144に導かれる油圧により座屈筒部142が内側に膨らむ座屈変形をしてシリンダロッド11の外周面を固縛するようになっている。
【0019】
外ブロック131と変形チューブ141の各つば143の間に2本のOリング145が介装され、このOリング145によって圧力室144の密封がはかられる。
【0020】
外ブロック131には圧力室144に連通する油通路132が形成される。圧力室144は、図示しない油圧回路を介して高圧と低圧が選択的に導かれる。
【0021】
内ブロック151は半環状に分割されており、外ブロック131と変形チューブ141の間に介装される。内ブロック151はその内周面が圧力変形規制部として座屈筒部142に隙間sを持って対峙している。内ブロック151には通孔152が形成され、この通孔152を介して圧力室144と油通路132が連通される。
【0022】
以上のように構成されて、次に作用について説明する。
【0023】
圧力室144が高圧が導かれると、圧力室144の油圧によって変形チューブ141の座屈筒部142が内側に膨らむ弾性変形した後に縦しま状に座屈変形し、この座屈筒部142の膨出部分がシリンダロッド11の外周面に押し付けられ、シリンダチューブ12に対するシリンダロッド11の移動を係止する。
【0024】
このとき、変形チューブ141は座屈筒部142に多数の縦しまが発生するまで加圧できる。この座屈圧力と接触時の弾性変形時の圧力の差が有効圧力ΔPとなってシリンダロッド11を圧縮する。シリンダロッド11の剛性によりこの有効圧力ΔPは少し低下する。この有効圧力ΔPと変形チューブ141の有効面積Aの積が接触力Fとなる。
【0025】
例えば、弾性変形時の圧力が50kgf/cm2、座屈変形時の圧力が20kgf/cm2とすると、有効圧力ΔPは次式で計算される。
ΔP≒(50−20)×0.8=24kgf/cm2 …(1)
変形チューブ141の内径を13.12cmとし、有効座屈長さを3.0cmとすると、有効面積Aは次式で計算される。
A≒13.12×(π/4)×3.0=404cm2 …(2)
全接触力Fは次式で計算される。
F=ΔP×A≒9700kgf…(3)
変形チューブ141とシリンダロッド11の摩擦係数μを0.2とすると、係止力Fsは次式で計算される。
Fs=F・μ=1940kgf …(4)
したがって、係止力Fsを2000kgf程度にすることが可能であり、シリンダロッド11の固縛が十分に行える。
【0026】
一方、圧力室144にタンク圧が導かれると、変形チューブ141の座屈筒部142は元の形状に戻り、シリンダロッド11を固縛することが解除される。
【0027】
変形チューブ141は圧力を受けて拡径するが、内ブロック151に当接するとそれ以上の変形が止められ、シリンダチューブ12の内壁面の形状が維持される。この結果、変形チューブ141の過大な変形によって支障を来すことが回避される。
【0028】
変形チューブ141自体が圧力室144を画成するため、構造の簡素化がはかれる。そして、変形チューブ141を金属によって形成することにより、その表面剛性を確保され、十分な耐久性が得られる。
【0029】
次に図3、図4に示す参考例を説明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0030】
この固縛装置130は、シリンダロッド11の外周面を固縛する金属製の変形チューブ171と、変形チューブ171を圧力室144に導かれる圧力によって締め付ける樹脂製の固縛チューブ181とを備える。
【0031】
金属製の変形チューブ171は、所定幅の縦割り溝172が軸方向に沿って形成され、固縛チューブ181によって締め付けられることにより縦割り溝172の開口幅を縮小して縮径するようになっている。
【0032】
変形チューブ171と軸方向に並んで円筒状のスペーサ173,174が設けられる。変形チューブ171はその両端が円筒状のスペーサ173,174によって挟持される。
【0033】
固縛チューブ181はMCナイロンを材質として円筒状に機械加工によって形成され、外ブロック131との間に圧力室144が形成される。
【0034】
外ブロック131と固縛チューブ181の間に2本のOリング145が介装され、このOリング145によって圧力室144の密封がはかられる。
【0035】
圧力室144に油圧ポンプ135からの吐出圧が導かれると、固縛チューブ181が変形チューブ171を締め付け、変形チューブ171の内周面がシリンダロッド11の外周面の外周面に押し付けられ、シリンダチューブ12に対するシリンダロッド11の移動が係止される。
【0036】
変形チューブ171を金属によって形成することにより、その表面剛性が確保され、十分な耐久性が得られる。
【0037】
変形チューブ171は縦割り溝172の開口幅を拡縮して変形することにより、その内周面の変形量を大きくすることが可能となり、シリンダロッド11を確実に固縛することができる。変形チューブ171は1%程度の変形量を確保することができ、例えばその内径を100mm程度とした場合に1mm程度の変形量を確保できる。
【0038】
他の参考例として、図5に示すように、縦割り溝172を変形チューブ171の軸方向に対して傾斜するように形成しても良い。
【0039】
この場合、変形チューブ171がその断面を円形に保ちながら変形することにより、その内周面の変形量を大きくすることが可能となり、シリンダロッド11の筒部42が樹脂材で形成された場合でも、シリンダロッド11を確実に固縛することができる。
【0040】
他の参考例として、図6に示すように、固縛チューブ182はフッ素樹脂を材質として円筒状に成形加工によって形成しても良い。外ブロック131に当接するリップ部183が一体形成され、圧力室144の密封がはかられる。
【0041】
この場合、固縛チューブ182をフッ素樹脂で形成することにより、耐熱性、耐久性を高められるとともに、Oリングを廃止して構造の簡素化がはかれる。
【0042】
なお、本発明の固縛装置は油圧シリンダに限らず、他の液圧シリンダあるいはエアシリンダ等にも適用できる。
【0043】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す油圧シリンダの断面図。
【図2】同じく固縛装置の断面図。
【図3】参考例を示す固縛装置の断面図。
【図4】同じく変形チューブ等の斜視図。
【図5】さらに参考例を示す変形チューブ等の斜視図。
【図6】さらに参考例を示す固縛装置の断面図。
【符号の説明】
10 油圧シリンダ
11 ピストンロッド
12 シリンダチューブ
130 固縛装置
141 変形チューブ
142 座屈筒部
144 圧力室
151 内ブロック(圧力変形規制部)
Claims (2)
- シリンダチューブに対するシリンダロッドの移動を係止するシリンダロッドの固縛装置において、前記シリンダロッドの外周面に対峙する円筒状の金属製変形チューブと、この変形チューブのまわりに形成される圧力室とを備え、前記変形チューブが薄肉円筒状の座屈筒部と、この座屈筒部の両端に形成される環状のつば部とを有し、前記座屈筒部は前記圧力室に導かれる圧力によって内側に膨らむ座屈変形をして多数の膨出部分が前記シリンダロッドの外周面に押し付けられる構成としたことを特徴とするシリンダロッドの固縛装置。
- 前記変形チューブの外周面に対峙する圧力変形規制部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダロッドの固縛装置。
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