JP3909671B2 - エアバッグの処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されるエアバッグを廃棄処理するのに用いられるエアバッグの処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエアバッグの処理装置としては、防音および防ガスの機能を有する壁部により密閉空間を形成して、この密閉空間に車両から取外した未使用のエアバッグモジュールを収容し、プラズマ溶射、グロープラグ加熱あるいは通電によりエアバッグモジュールのインフレータを作動させてエアバッグを展開処理するものがあった。この種のエアバッグの処理装置としては、例えば、特開2000−264161号公報に記載されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したようなエアバッグの処理装置では、エアバッグが爆発的に作動することから、耐久性が要求されることは勿論であると共に、エアバッグの作動音や装置内部での衝突音が発生することから、その防音対策も重要となっている。そして、従来では、耐久性とともに防音性をより高めるうえでの改善が要望されていた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、耐久性および防音性を高めることができるエアバッグの処理装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるエアバッグの処理装置は、請求項1として、密閉空間を形成する筐体にエアバッグを収容して作動処理するエアバッグの処理装置であって、密閉空間を形成する筐体の壁部が、膨張展開したエアバッグを受けてその衝撃を吸収するとともに音を通過させる内壁と、音を吸収する防音壁と、筐体の内外を遮断する剛体層を設けた外壁を備え、内壁が、衝突したエアバッグを切り裂く切歯部を備えている構成とし、請求項2として、内壁と防音壁の間に空間層を備えた構成とし、請求項3として、外壁が、剛体層とその内側に設けた伸縮性を有する粘弾性層を備えている構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0006】
なお、上記構成において、内壁としては、ネット状に形成されたパネルや、金属板に多数の孔を形成したパンチングパネル、あるいは多孔質材料等を用いることができる。また、防音壁としては、繊維の集合体や多孔質材料等を用いることができる。さらに、外壁の剛体層としては、金属板あるいは金属板の間にコンクリートを充填した複合板などを用いることができ、粘弾性層には、ゴムや合成樹脂等を用いることができる。
【0007】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わるエアバッグの処理装置では、密閉空間を形成する筐体にエアバッグを収容して同エアバッグを作動させる。このとき、当該処理装置では、筐体の壁部が内壁、防音壁および外壁で構成してあり、内壁は、膨張展開したエアバッグが衝突した際に、同エアバッグを切歯部で切り裂いて衝突時の衝撃を緩和し、エアバッグ内のガスを筐体内に放出させて、エアバッグ内のガスの残留量を低減すると共に、防音壁に衝撃が加わるのを防止し、且つエアバッグの作動音を通過させて、作動音が筐体内で反響するのを防止する。防音壁は、音エネルギーを熱等の他のエネルギーに変換することによって吸音作用をもたらすものであり、エアバッグの作動音および内壁に対するエアバッグの衝突音を吸収する。そして、外壁は、重量のある剛体層により、筐体内で発生した騒音を遮断するとともに振動を抑制する。
【0009】
本発明の請求項2に係わるエアバッグの処理装置では、内壁と防音壁の間に空間層を設けているので、内壁に衝突したエアバッグが防音壁に達するのを完全に阻止する。
【0010】
本発明の請求項3に係わるエアバッグの処理装置では、外壁が剛体層の内側に伸縮性を有する粘弾性層を備えているので、内壁にエアバッグが衝突した際に発生する加振エネルギーを粘弾性層の伸縮性によって吸収する。
【0011】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わるエアバッグの処理装置によれば、密閉空間を形成する筐体にエアバッグを収容して作動処理するエアバッグの処理装置において、密閉空間を形成する筐体の壁部に、内壁、防音壁および外壁を備えたことにより、エアバッグの作動時の衝撃、作動音や衝突音、および振動を各壁で効率良く吸収することができ、耐久性および防音性を大幅に高めることができる。
【0012】
そして、上記のエアバッグの処理装置によれば、内壁に、膨張展開したエアバッグを切り裂く切歯部を設けたことにより、エアバッグが内壁に衝突した際の衝撃をさらに低減させることができ、耐久性のさらなる向上を実現することができる。また。エアバッグ内のガスを筐体内に放出させることから、後に行う排気作業でのガスの排気効率を高めることができる。
【0013】
本発明の請求項2に係わるエアバッグの処理装置によれば、請求項1と同様の効果が得られるうえに、内壁と防音壁との間に空間層を設けたことから、内壁に衝突したエアバッグが防音壁に達するのを完全に阻止して防音壁を保護することができると共に、作動音および衝突音を筐体内部反響させることなく防音壁で効率良く吸収させることができる。
【0014】
本発明の請求項3に係わるエアバッグの処理装置によれば、請求項1及び2と同様の効果が得られるうえに、外壁において、剛体層の内側に粘弾性層を設けたことにより、エアバッグの作動時に発生する騒音および振動をより一層低減することができる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係わるエアバッグの処理装置の一実施例を説明する。
【0016】
図3に全体を示す処理装置1は、防音および防ガスの機能を有する壁部によって密閉空間2を形成した筐体3を備えている。筐体3は、正面側に扉4を備えると共に、取外し可能な2枚の支持台5により内部が上下3段に仕切ってある。各支持台5は、上下方向の通気性を確保するため、少なくとも一部が格子状あるいは網状に形成してある。
【0017】
また、筐体3は、後記するエアバッグモジュールから発生したガスを排出するための構成として、図1に示すように、一方の側部に、排気口6を備えると共に、他方の側部に、排気口6に対向する給気口7を備えている。この実施例では、上段と中段に対して排気口6および給気口7を夫々備えている。各排気口6は、途中に排気弁8を設けた配管9を介して、フィルタ付の排気ポンプ10に接続してある。
【0018】
各給気口7には、排気ポンプ10の排気口10Aに通じる配管11が接続してある。つまり、この実施例の処理装置1は、排気ポンプ10によりガス成分を除去した空気を循環させて、給気に利用するものとなっている。なお、排気弁8としては、手動式のものを例示したが、排気ポンプ10に連動して自動開放するものを用いることもできる。
【0019】
さらに、筐体3は、図3(b)中に点線で示すように、上段に、助手席用のエアバッグモジュールを固定するためのクランプ機構C1を備えると共に、中段に、運転席用のエアバッグモジュールを固定するためのクランプ機構C2を備えている。つまり、処理装置1は、複数のエアバッグモジュールを同時に作動処理することができると共に、各クランプC1,C2により、処理時におけるエアバッグモジュールの跳ね上がりを阻止し、エアバッグモジュールが壁部に衝突するような事態を未然に防止するものとなっている。
【0020】
そして、筐体3は、排気ポンプ10とともにベース12上に固定してあり、さらに、ベース12を台車13上に固定することにより、自由に移動できるようにしてある。また、ベース12上には、エアバッグモジュールへの通電操作や排気ポンプ10を操作するための制御装置14が備えてあり、このほか、当該処理装置1を完全に独立して使用し得るようにバッテリーを設けることができる。
【0021】
ここで、処理装置1における筐体3の壁部は、図1(b)に示すように、膨張展開したエアバッグを受けるとともに音を通過させる内壁21と、音を吸収する防音壁22と、筐体の内外を遮断する剛体層23Aを設けた外壁23を備えると共に、内壁21と防音壁22の間に空間層24を備えた構成になっている。
【0022】
内壁21は、膨張展開するエアバッグの衝撃に対して充分に耐え得る強度を備えたものであって、図2(a)に一部を示すように、菱形枠状の金属製部材21Aを連結して網状パネルに形成したものである。また、各金属製部材21Aは、その断面が、図2(b)に示すように、図右側となる筐体内側を頂点とする三角形状を成しており、その頂点部分が、衝突したエアバッグを切り裂くための鋭利な切歯部21Bになっている。
【0023】
防音壁22としては、例えば、フェルト等から成る2枚の外皮22Aの間にグラスウール等の繊維22Bを充填したものが用いられる。なお、外皮22Aの少なくとも空間層24側の表面には、難燃性フェルトを用いて、エアバッグ作動時に発生する熱により発火するのを確実に防止すると良い。また、繊維22Bの吸音効率をより高めるため、エアバッグモジュールが固定される近傍のみ外皮22Aを配置し、それ以外は繊維22Bを露出させても良い。
【0024】
外壁23は、筐体3の外観を形成し且つ内外を遮断する金属製の剛体層23Aと、剛体層23Aの内側に設けた伸縮性を有する粘弾性層23Bを備えており、粘弾性層23Bには例えばゴム系材料が用いられる。さらに、空間層24は、膨張展開したエアバッグが内壁21に衝突した際に、内壁21の隙間から外側に膨出したエアバッグが防音壁22に接触することのない厚さに設定してある。
【0025】
上記の内壁21、防音壁22、外壁23および空間層24を備えた壁部構造は、筐体3の水平および垂直の各壁部と扉4に設けてある。また、筐体3の本体部と扉4の間には、防音および防ガスのための適宜のシール構造を設けることができる。
【0026】
上記構成を備えたエアバッグの処理装置1は、筐体3内において、各クランプC1,C2にエアバッグモジュールを固定すると共に、各エアバッグモジュールのインフレータにリード線を接続し、筐体3を密閉してから各エアバッグモジュールを作動処理する。
【0027】
このとき、当該処理装置1では、膨張展開したエアバッグを内壁21で受けてその衝撃を吸収すると共に、図2(c)に示す如く内壁21の隙間からエアバッグBを膨出させた状態し、この際、切歯部21BでエアバッグBを切り裂くことにより、エアバッグB内のガスを筐体3内に放出させるとともに衝撃をさらに緩和する。また、空間層24は、内壁21の隙間から膨出したエアバッグBが防音壁22に衝突するのを防止する。さらに、内壁21は、エアバッグモジュールの作動音を通過させて、作動音が筐体3内で反響するのを防止している。
【0028】
防音壁22は、音エネルギーを熱等の他のエネルギーに変換することによって吸音作用をもたらすものであり、内壁21を通過したエアバッグモジュールの作動音および内壁21に対するエアバッグBの衝突音を吸収する。そして、外壁23は、粘弾性層23Bにより、内壁21にエアバッグBが衝突した際に発生する加振エネルギーを吸収すると共に、重量のある剛体層23Aにより、筐体3内で発生した騒音を遮断するとともに振動を抑制する。
【0029】
このようにして、上記のエアバッグの処理装置1は、エアバッグモジュールの作動時の衝撃、作動音や衝突音、および振動を各壁21,22,23で効率良く吸収し、耐久性や防音性に非常に優れたものとなっている。また、壁部の構成が比較的簡単であるから、筐体3のコンパクト化を図ることもできる。
【0030】
また、上記の作動処理後には、排気ポンプ10により筐体3内の排気を行うこととなるが、この際、当該処理装置1では、内壁21に衝突したエアバッグBを切歯部21Bで切り裂いてガスを放出させるため、エアバッグB内のガスの残留量をきわめて少なくし得ると共に、排気時におけるガスの排気効率が良好なものとなる。
【0031】
なお、本発明に係わるエアバッグの処理装置は、詳細な構成が上記実施例のみに限定されることは無く、内壁には、上記実施例の網状パネルのほか、金属板に多数の孔を形成したパンチングパネルや多孔質材料、あるいはこれらを組合わせたものを用いることができる。
【0032】
また、切歯部にあっては、上記実施例のように内壁に一体的に設けたり、内壁に取付ける別体の切歯部材を用いることができ、その形状にあっても適宜変更可能である。なお、ピンを用いてもエアバッグに開口を形成することができるが、この場合、ピンが刺さったままになってガスの放出が充分に行われないため、所定の長さにわたる切歯とすることが望ましい。
【0033】
防音壁には、上記実施例の外皮および繊維のほか、外皮としてネットを用いたり、壁本体として軟質ウレタンフォーム等の多孔質材料を用いることができる。また、外壁の剛体層としては、上記実施例の金属板のほか、金属板の間にコンクリートを充填した複合板などを用いることができ、粘弾性層には、上記実施例のゴムのほか、合成樹脂や制振用のネットを用いたり、基板や拘束材を適宜組合わせたものを用いたりすることができる。
【0034】
さらに、上記実施例では、エアバッグの処理として、エアバッグモジュールを作動処理する場合について説明したが、これに限らず、インフレータ等のエアバッグの一部品を作動処理しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるエアバッグ処理装置の一実施例を説明する図であって、筐体および排気系を説明ずる斜視図(a)および壁部の断面図(b)である。
【図2】内壁の部分的な正面図(a)、図a中のA−A腺矢視に基づく断面図(b)、およびエアバッグが膨張展開したときの内壁および空間層を説明する断面図(c)である。
【図3】処理装置の全体を説明する正面図(a)および側面図(b)である。
【符号の説明】
B エアバッグ
1 処理装置
2 密閉空間
3 筐体
21 内壁
21B 切歯部
22 防音壁
23 外壁
23A 剛体層
23B 粘弾性層
24 空間層
Claims (3)
- 密閉空間を形成する筐体にエアバッグを収容して作動処理するエアバッグの処理装置であって、密閉空間を形成する筐体の壁部が、膨張展開したエアバッグを受けてその衝撃を吸収するとともに音を通過させる内壁と、音を吸収する防音壁と、筐体の内外を遮断する剛体層を設けた外壁を備え、内壁が、衝突したエアバッグを切り裂く切歯部を備えていることを特徴とするエアバッグの処理装置。
- 内壁と防音壁の間に空間層を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエアバッグの処理装置。
- 外壁が、剛体層とその内側に設けた伸縮性を有する粘弾性層を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグの処理装置。
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| JP2002058499A JP3909671B2 (ja) | 2002-03-05 | 2002-03-05 | エアバッグの処理装置 |
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