JP3925101B2 - 偽造防止用シート状物の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、極めて高度な偽造防止手段を具備した紙またはプラスチックシートのごとき偽造防止用シート状物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明を理解しやすくするために、以下の説明では主として偽造防止用シート状物の代表的な例である偽造防止用紙を挙げて説明する。
【0003】
紙幣、商品券等は、不正に変造、偽造できないように、各種の偽造防止対策が施されている。偽造防止対策の考え方の一つは、容易に製造できないように高度な製造技術を用いて用紙を製造することである。その一例として、プラスチックフィルムや薄葉紙等をマイクロスリッターを用いて数mm程度の細巾にスリットしたスレッドを紙層内に抄き込んだ「スレッド入り紙」と呼ばれる偽造防止用紙があり、各国の紙幣等で多く使用されている。
【0004】
「スレッド入り紙」には大きく分けて2種類がある。一つは図6に示したように、スレッド1が紙層内に埋没されていて用紙表面に露出しない種類のものであり、もう一つは図7に示したように、スレッド1の一部が用紙表面に露出した「窓開きスレッド入り紙」である。後者は、用紙の流れ方向に間欠的に厚みを薄くした窓開き部2を形成し、この窓開き部2でスレッド1が露出していることが特徴である。
【0005】
また、かようなスレッド入り紙の偽造防止効果をより一層高めるために、窓開きスレッド入り紙の窓開き部2内にすき入れ3を施したり(特許第2845197号公報)、スレッド1表面に金属蒸着層からなるマイクロ文字やマイクロ画像を形成することも行われている。
【0006】
一方、本発明者等は、特願平10−358674号で、紙またはフィルム状の媒体の偽造防止を行う目的で、微細な半導体チップを紙またはフィルム状の媒体中に挿入することを提案した。かような半導体チップとしては、例えば、複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップが使用でき、情報の書き込みおよび非接触による情報の読み取りができるものである。
【0007】
上記特願平10−358674号においては、半導体チップをフィルム状の媒体中に挿入する方法として、媒体の中に複数の半導体チップを分散配置させる方法、2枚のフィルム状媒体の間の所定位置に半導体チップを挿入する方法、和紙を抄く際に和紙繊維とともに和紙内部または表面に半導体チップを挿入する方法などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の「スレッド入り紙」は、スレッドを抄き込む技術、間欠的に窓開き部にスレッドを露出させる技術、窓開き部にすき入れを施す技術、スレッドにマイクロ文字やマイクロ画像を形成する技術等の高度の技術を要するため、偽造防止手段として好ましく採用されている。
【0009】
しかしながらこれらの偽造防止手段といえども万全といえるものではないため、より一層偽造の困難な偽造防止手段として上述したごとき微細な半導体チップを紙やフィルム状媒体中に挿入することが提案されたものであるが、これ程に微細な半導体チップを紙やフィルム状媒体の中に挿入する作業は実際には難しく、特に媒体中の所定位置に半導体チップを挿入することは極めて困難な作業となる。
【0010】
そこで本発明は、スレッドを抄き込んだ従来の偽造防止用紙における偽造防止効果をさらに高めるために微細な半導体チップを紙やプラスチックシートのごときシート状物に挿入する技術を提供すること、さらには微細な半導体チップでも容易かつ効率よくシート状物中に挿入でき、特にシート状物中の所定位置に半導体チップを確実に挿入しうる技術を提供することを課題としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、従来から「スレッド入り紙」のごとき偽造防止用紙の偽造防止手段として用紙中に挿入されていたスレッドに、上述のごとき微細な半導体チップを予め接着しておき、このスレッドを紙またはプラスチックシートのごときシート状物中に挿入すれば、半導体チップを容易にかつ効率よくシート状物内に挿入することができ、しかも偽造防止効果も一層向上できることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0015】
すなわち本発明は、複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップを細巾にスリットしたフィルムの片面に接着してありかつ前記半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークが付与されている偽造防止用スレッドを、紙またはプラスチックシートの表面に貼合して偽造防止用シート状物を製造する方法であって、紙またはプラスチックシートに形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知しながら貼合時のスレッドの張力を調節することによって、所定位置に前記半導体チップが位置するようにスレッドを貼合することを特徴とする偽造防止用シート状物の製造方法である。
【0016】
さらに本発明は、複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップを細巾にスリットしたフィルムの片面に接着してありかつ前記半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークが付与されている偽造防止用スレッドを、複数枚の紙またはプラスチックシートの間に挿入しながら複数枚の紙またはプラスチックシートを貼合することからなる多層の偽造防止用シート状物を製造する方法であって、紙またはプラスチックシートに形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知しながら挿入時のスレッドの張力を調節することによって、所定位置に前記半導体チップが位置するようにスレッドを挿入することを特徴とする偽造防止用シート状物の製造方法である。
【0017】
上述したように、スレッドに付与したタイミングマークおよびシート状物に付与したタイミングマークの位置を目安として、これらのタイミングマークを検知しながらスレッドをシート状物に貼合または挿入することにより、半導体チップをシート状物の所定位置に正確かつ効率よく貼合または挿入することが可能となる。
【0018】
本発明の偽造防止用シート状物は、例えばこれをリーダライタ等の外部機器にかけることにより、スレッドに接着されている半導体チップのアンテナと外部機器との間で電波や静電結合、電磁波などの無線により非接触方式で情報の授受を行うことができ、半導体チップに記憶させた情報を読み出して、これが所定の情報か否かを検出することにより、シート状物が偽造されたものであるか否かを確実に認識することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する半導体チップは、複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の微細かつ薄型のIC半導体チップであり、バッテリレス非接触認識方式により半導体チップ内に記憶させた情報をアンテナ配線を介して読みとることができるものである。
【0020】
かような半導体チップは次のような方法によって製造される。まず、鏡面で純度が高いシリコン単結晶ウエハを準備する。このウエハ表面に、各種酸化膜や窒化膜などの絶縁膜により絶縁する工程を経て、ホトレジスト工程によって、回路設計された各種の素子パターンが形成されたガラスマスクを通して、レジストパターンを形成する。このレジストパターンを通して、前記の絶縁膜をエッチングしたり、不純物をインプラしたりして、電気的デバイス層を形成し、最終的には各種トランジスタ、ダイオード、抵抗、容量素子となる拡散層を形成する。さらに、その上に配線パターン層を形成して、前記拡散層の素子間接続を終了して回路機能を発揮する形態とする。このウエハを、例えばダイヤモンドブレードを用いて一辺が0.5mm以下のサイズの半導体チップに分離することにより、半導体チップとして完成する。
【0021】
さらにこの半導体チップに、配線パターン層を利用して、コイル素子およびコンデンサ素子による共振回路を形成して、オンチップにてマイクロ波エネルギと信号を得るアンテナを形成する。このアンテナはマイクロ波であるために、時定数が小さいため、たとえば、コイルのインダクタンスは2ナノヘンリー、コンデンサは2ピコファラッドとすることなどによって、小さな部品回路によって共振回路を実現することが可能である。これによって、一辺が0.5mm以下の平面寸法の半導体チップ上にアンテナを配置することが可能となる。アンテナを形成するコイル素子とコンデンサ素子は並列または直列に接続されて、半導体チップの中に実現される高周波受信回路に接続される。このようにして得られた半導体チップ10の一例を図1に示す。
【0022】
この半導体チップへの情報の書き込み、および読み取りは以下のようにして行う。図1に図示したような半導体チップの「ID番号」の箇所には複数ビットのメモリが配置されている。このメモリに情報を書き込むには、完成した半導体チップのアンテナを介して外部からエネルギおよび信号を与えて情報を書き込む方法、前記したウエハ状態において電子線直接描画技術またはレーザ技術によってパターンを形成して情報を書き込む方法等が採用できる。次にメモリ内に書き込んだ情報を読み取るには、非接触により、エネルギを電磁波によって半導体チップのアンテナに与え、さらに特定の信号パターンを与えて、あらかじめ決められた手順通りにメモリデータをシリアルに読み出す方法が採用できる。これらの機能は半導体チップ内のアナログおよびデジタル回路によって実現することができる。このようにして読みとられた情報は、例えばインターネットを介して、ルートサーバに存在するデータベース内の真正なメモリ情報と照合することにより、直ちに真贋を判定することができる。
【0023】
半導体チップの寸法は、一辺を0.5mm以下とする。一辺が0.5mmより大きいと、チップの複製物が比較的容易に製造されうるようになるとともに、スレッド幅より半導体チップが大きくなると、半導体チップを接着したスレッドをシート状物に貼合または挿入する際に、半導体チップがスレッドから脱落しやすくなり、さらにはシート状物を折り曲げた場合に、半導体チップがシート状物を突き破り外部に露出しやすくなる。また半導体チップの厚さは好ましくは0.1〜200μmとする。0.1μmより薄い半導体チップを製造することは技術的に難しく実用し得ない。また200μmより厚くなると、シート状物に貼合または挿入した際に半導体チップの箇所が過度に厚くなってしまう。
【0024】
本発明において用いるスレッドについて説明する。ベースとなるフィルムとしては、セロファン、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム等の各種フィルムを使用できる。このベースフィルムは、抄紙機の乾燥ゾーンで溶融もしくは軟化しない材質を用いるが、通常90〜110℃の乾燥ゾーンの温度で粘着性を帯びない性質を有するものが望ましく、この理由からポリエステルフィルムのような耐熱性のあるフィルムが好ましく使用できる。
【0025】
また、ポリビニルアルコール等の水溶性フィルムをスレッドとして用いると、水溶性フィルムの溶解温度によっては、抄造中にスレッドを溶解させることが可能となる。すなわち、半導体チップを接着した水溶性フィルムからなるスレッドを紙層内に挿入すると、抄造中に水溶性フィルムが溶解し、半導体チップのみが紙層内に実装されることになる。また、溶解した水溶性フィルムは半導体チップ周囲に残留することになるため、溶解した水溶性フィルムの接着性により半導体チップが紙層内に一層強固に固着される。さらに、スレッドのベースフィルムとして水溶性フィルムを使用することにより、このスレッドを用いた偽造防止用紙を損紙や故紙として回収、再利用する際に、原料にスレッドの断片が混入する問題も解消される。
【0026】
スレッドのベースフィルムには、必要に応じて種々の処理を施しておいてもよい。例えばヌレ指数の改善のためのコロナ放電処理や、プライマー処理、透明樹脂を塗工してホログラムエンボス処理を行う等である。スレッドのベースフィルムは、通常8〜25μmの厚みのものを使用する。
【0027】
ベースフィルム上に金属蒸着層からなるマイクロ文字やマイクロ画像を形成する場合には、パスター加工法が好ましく使用できる。パスター加工法そのものはよく知られた方法であり、例えば金属アルミニウムを真空蒸着したポリエステルフィルムの蒸着面に、耐アルカリ性を有するインキで文字や画像を印刷し、次いで水酸化ナトリウム水溶液にフィルムを浸漬して印刷部分以外の露出しているアルミニウム蒸着層を溶解し、次いでフィルムを水洗して水酸化アルミニウムを除去してから乾燥する方法が代表的な例である(詳しくは特開昭63−216795号公報等を参照)。こうすることで、印刷部分と、印刷部分に同調した下層の金属蒸着部分はフィルム上にそのまま残り、それ以外の部分ではフィルムが露出する。
【0028】
このようにして表面または裏面に種々の加工を施し、あるいはマイクロ文字および/またはマイクロ画像を形成したスレッドのベースフィルム原反を、マクロスリッターを用いて通常0.3〜数mmの細巾にスリットすることにより、本発明に使用するスレッドが得られる。
【0029】
マイクロ文字やマイクロ画像を形成したスレッドを紙層内に抄き込んで偽造防止用紙を製造する際に、スレッドが用紙の窓開き部で露出する場合(図7)には、スレッド表面のマイクロ文字やマイクロ画像を反射光の下で視認することができる。スレッドが紙層内に埋没して用紙表面に露出していない場合(図6)でも、透過光の下ではスレッド上のマイクロ文字やマイクロ画像を視認することができる。
【0030】
スレッドを用いて窓開きスレッド入り紙とする場合には、窓開き部でのスレッド露出部を爪等でこするとスレッドが剥がれてしまったり、用紙に印刷する際にスレッドが浮き上がってしまう現象が生じやすい。そのため表裏両面に感熱接着剤を塗工したスレッドを使用して窓開きスレッド入り紙を抄紙し、抄紙機の乾燥ゾーンでこの用紙を乾燥する際にスレッドに塗工されている感熱接着剤を溶融もしくは軟化することによって、用紙を構成するセルロース繊維とスレッドとを確実に接着させ、剥離強度を高めることもできる。
【0031】
なお、感熱接着剤をスレッドの表裏両面に塗工した場合には、用紙の窓開き部で露出するスレッド面は抄紙機に乾燥ゾーン途中でシリンダードライヤー、キャンバス、タッチロール等に必然的に接触することになり、感熱接着剤が熱によって溶融もしくは軟化し、シリンダーロール等の表面を汚染する問題を引き起こす。そのため、用紙の窓開き部で露出するスレッド面(スレッド表面)には感熱接着剤を塗工せず、窓開き部で露出しないスレッド面(スレッド裏面)のみに感熱接着剤を塗工することが望ましい。
【0032】
本発明によれば、図2に示したように、スレッド1の表面または裏面に半導体チップ10を接着剤で接着する。接着剤としてPVA、澱粉、アルギン酸ソーダ等の水溶性接着剤、ポリクロロプレン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、熱可塑性SBR系接着剤、ホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニル系接着剤、フェノキシ樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリスルホン系接着剤等を単独、もしくは組み合わせて使用できる。特に耐水性と耐熱性に優れた接着剤が好ましく、例えば2液硬化型のエポキシ接着剤が代表的な例である。また、接着剤を瞬間的に硬化させたい場合には、紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。接着した半導体チップ10をスレッド1から剥がれにくくするためには、スレッド1の巾より小さい半導体チップ10を接着することが望ましく、例えば、0.3mm角の半導体チップには幅1.0mm前後のスレッドを使用することが好ましい。
【0033】
半導体チップを接着したスレッドを紙層内に抄き込んで偽造防止用紙を製造する方法は、従来の「スレッド入り紙」あるいは「窓開きスレッド入り紙」と全く同様な方法を採用することができる。
【0034】
スレッドが紙層内に埋没するように抄き込んだスレッド入り紙(図6)を製造する方法としては、1層抄きの方法、あるいは多層抄きの方法の何れの方法も採用できる。1層抄きの方法としては、例えば長網抄紙機のスライスから抄紙網に供給される紙料と共にスレッドを繰り出して、抄紙網上に形成される紙層の内部にスレッドを埋没させるように挿入する方法(特開昭51−13039号)や、長網抄紙機のフローボックスから流出する紙料へスレッドの挿入装置を設置し、空気流でスレッドと紙料を非接触状態としながらスレッドを抄き込む方法(特開平2−169790号)が挙げられる。多層抄きの方法としては、例えば多槽式円網抄紙機を用いて最外層の紙層と内層の紙層との少なくとも2層からなる抄合わせ紙を製造するに際して、各紙層を重ね合わせる直前でスレッドを紙層間に挿入して抄き込む方法が採用できる。
【0035】
半導体チップを接着したスレッドを多層抄合わせ紙の紙層内に埋没するように抄き込んで挿入する場合は、スレッドが挿入される部分の紙層だけ薄くして、スレッドを挿入するための溝を形成しておくことが有効である(後述する図4(a)参照)。このようにすることで、用紙に圧力が加わった際、紙層の厚い部分がクッションとなり、溝(薄い部分)に挿入されたスレッド上の半導体チップを前述した圧力から保護することが可能となる。紙層の厚い部分と薄い部分の厚みの差は、半導体チップの厚みや材質、シートの厚みによって適時変更することができるが、およそ半導体チップの厚みの0.5〜2倍が好ましい。
【0036】
上記した溝を紙層に形成する方法は、公知のすき入れの技術を使用することができる。例えば、円網シリンダーの上網に針金、金属、樹脂、紙等をハンダ付けしたり接着剤で貼り付けたりする方法、網に塗料や樹脂を塗布して網目を塞ぐ方法、抄紙網自体に直接凹凸をつける方法、網に感光性樹脂を利用して型を取り付ける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分に圧縮空気を吹きかける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分を擦過ロールにより擦過する方法等が挙げられる。
【0037】
また、窓開きスレッド入り紙(図7)を製造する方法としては、抄紙網ワイヤー上の紙料懸濁液に、凹凸を有するガイドの凸部先端にスレッドを通した溝を有するベルト機構を埋没し、窓開きスレッド入り紙を製造する方法(特公平5−085680号)、長網抄紙機ワイヤー上の回転ドラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め湿紙に挿入したスレッド上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ばしてスレッドを露出させる方法(特開平06−272200号)、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使用し、スレッドを網表面の凹凸部に接触させながら挿入して窓開き部分にスレッドを抄き込む方法(米国特許第4462866号)等が挙げられる。
【0038】
さらに多槽式円網抄紙機を用いて最外層の紙層と内層の紙層との少なくとも2層からなる抄き合わせ紙を製造する際に、最外層の紙層(または内層の紙層)に間欠的に窓開き部を形成し、これを窓開き部のない内層の紙層(または最外層の紙層)と重ね合わせる直前でスレッドを紙層間に挿入し、窓開き部からスレッドが露出するようにする方法も採用できる。
【0039】
図3は2層の紙層からなる窓開きスレッド入り抄合わせ紙を製造する為の2槽式円網抄紙機を示しており、窓開き部のない内層の紙層を形成するための第1の槽11と、窓開き部を有する最外層の紙層を形成するための第2の槽12とを備えている。槽11の円網シリンダー11aには何ら細工を施さない上網を装着し、槽12の円網シリンダー12aの上網の円周方向には、窓開き部に相当する寸法を有する型13を複数個間欠的に取り付けることにより、窓開き部を有する最外層の紙層を形成することができる。円網シリンダー11aで抄紙した紙層は毛布14に転移され、円網シリンダー12aの上に運ばれ、この円網シリンダー12aで抄紙された最外層の紙層の上に重ねられ、2つの紙層が抄き合わされた用紙が抄造される。スレッドの挿入は、2つの紙層が重ねられる直前の矢印Vの箇所で行われる。このとき、窓開き部形成用の型13に、文字または画像のすき入れを形成するための欠損部分を設けておくことにより、図7に示したような窓開き部2でスレッド1が露出すると共に、窓開き部2内にすき入れ3が形成された窓開きスレッド入り紙を製造することができる(特許第2845197号公報参照)。
【0040】
これら窓開き部に半導体チップが配置されるように、半導体チップの挿入位置を調節すると、窓開き部は他の部分の紙層より薄くなっていることから、半導体チップの破壊を防止する効果が得られる。半導体チップの挿入位置の調整は、窓開き部の位置を検出器により検出し、この位置に合わせるようにスレッドの張力を調整することにより可能である。
【0041】
窓開き部に半導体チップを配置する場合、窓開き部で露出しているスレッドの表面側に半導体チップが配置されていると、窓開き部で半導体チップが剥き出しになり剥がれ落ちる危険がある。このため、半導体チップが剥がれないように、窓開き部で露出しているスレッド面の裏面側に半導体チップが接着されていることが好ましい。
【0042】
半導体チップを接着したスレッドを抄き込んだ偽造防止用紙を用いて紙幣、商品券、小切手等とする場合には、図6および図7に示したようにこれら紙幣、商品券等の短辺または一辺に沿ってスレッドが位置するように裁断して使用されるが、紙幣や商品券などの1枚中に少なくとも1個の半導体チップがスレッド上に置かれているように裁断する必要がある。また、窓開きスレッド入り紙では、窓開き部に露出したスレッド上に半導体チップが位置していてもよく、あるいは窓開き部と窓開き部の間で埋没したスレッド部分に半導体チップが位置していてもよい。
【0043】
かようなスレッド入り紙を製造するに際して、生産性を高めるために紙の幅方向(すなわち抄紙時の紙の流れ方向と直角となる方向)に対して通常複数本のスレッドを挿入することが行われる。この際、紙中での蛇行を防ぐために、通常はスレッドは張力が掛かった状態で紙中に抄き込まれる。この様な方法によって、スレッドを紙の幅方向に対し定位置に抄き込むことが可能となる。紙の幅方向の位置精度は、スレッドを検出する方法や機器によって異なるが、±5mm以内、好ましく±2mm以内であることが好ましい。
【0044】
前述した通り、スレッドに張力を掛けた状態で紙中に抄き込むことにより、スレッドを紙の幅方向に対して定位置に精度良く配置することができ、これを利用し紙の幅方向に対して定位置に半導体チップが位置するように抄き込むことができる。しかしこの方法では、抄紙時の紙の流れ方向に対して半導体チップの位置を制御することはできない。これを可能とするため、後述するスレッドの弾性変形を利用することができる。
【0045】
一般に、スレッドのベースフィルムとなるプラスチックフィルムは低張力の場合は弾性変形する性質、すなわち、張力が掛かると伸び、張力が弱まると縮むゴムのような性質がある。スレッドが弾性変形する性質を利用して、抄紙時の紙の流れ方向における半導体チップの位置を調整することが可能である。この原理は以下の通りである。スレッドを抄紙中の紙層内に抄き込む際、スレッドに張力を掛けるとスレッドは弾性変形して伸びる。そうすると、スレッド上に接着されている半導体チップと半導体チップの間隔が長くなり、半導体チップ同士の位置をずらすことが可能となる。逆に張力を弱めると、同様の原理から半導体チップと半導体チップの位置が狭くなる。
【0046】
具体的な例を上げて説明すると、抄紙中の紙の流れ方向の定位置に半導体チップを配置しようとした場合、半導体チップが目的としている位置より紙の流れ方向の下流側にずれていた場合、スレッドの張力を強めることにより、半導体チップを紙の流れ方向の上流側にずらすことができる。スレッドが目的とする位置に設置されたら張力をもとにもどす。半導体チップが紙の流れ方向の上流側にずれた場合は逆にスレッドの張力を弱める。なお、スレッドに加える張力が強すぎた場合には、スレッドが伸びすぎて、張力を弱めてももとの長さに戻らないので注意する必要がある。
【0047】
スレッドに半導体スレッドを接着する工程では、一定間隔で半導体チップをスレッド上に接着することが必要であるが、一定間隔で半導体チップが接着されている場合でも、抄紙中にスレッド上の半導体チップの間隔が微妙にずれる可能性がある。このずれは、個々が小さくても長時間の抄紙過程の間にずれが蓄積し、最終的には大きくずれることになる。そこで、紙の流れ方向の半導体チップの位置を常に一定になるように調整するために、スレッド上の半導体チップの位置、スレッドの単位時間当たりの紙層内への挿入長さ、用紙が抄かれる単位時間当たりの長さ(抄紙速度)を正確に知る必要がある。
【0048】
このためにスレッドと用紙に位置合わせの目安となるタイミングマークを付与する。スレッドにタイミングマークを付与する場合には、スレッドを一定間隔で着色したり、図2に示したように、アルミニウムを蒸着したポリエステルフィルムのスレッドの場合、スレッドの長さ方向に対して一定間隔でタイミングマークとしてのアルミニウム蒸着溶出部21をパスター加工法を用いて形成する等の方法が採用できる。
【0049】
スレッドを一定間隔で着色した場合、検出器により着色した箇所を簡単に検知できる。これらの着色は可視光を可視光で反射する染料・顔料が使用できるが、通常これらの着色は着色された部分が目視で確認できてしまうため好ましくない。このため、可視光以外の波長の光を反射する染料・顔料を使用して着色することが好ましい。これら染料・顔料には蛍光発色染料・顔料、赤外発色染料・顔料が使用できる。この様な染料・顔料を使用することにより、目視では確認できないタイミングマークをスレッドに付与することが可能となる。
【0050】
また、図2に示したように、スレッド1にアルミニウム蒸着部20を形成した場合、アルミニウム蒸着溶出部21は光線が通過することを利用して、光電管でその位置を検知できる。また、スレッド1に接着されている半導体チップ10自体を検出する方法も適用できる。本発明に使用する半導体チップは、非接触方式で電波、静電結合、電磁波等によりデータを交換できるため、これらの原理を利用して、半導体チップの位置を容易に検出することができる。半導体チップ10がスレッド1上に正確に一定間隔で接着されていれば、この半導体チップ自体の位置を検出することによってスレッドの単位時間あたりの挿入長さを算出することもできる。
【0051】
用紙にタイミングマークを付与する場合には、例えば図3に図示したような円網シリンダー11a、12aの上網にタイミングマーク作製のための型を貼り付けて用紙を抄造する。こうすることで「すき入れ紙」の原理によりその箇所の紙層が薄くなった用紙を抄造できる。薄くなった箇所は光電管でその位置を検知できる。また、用紙を一定間隔で着色する方法も適用できる。着色された場所は光学的な検出器を用いれば容易に検出できる。用紙にタイミングマークを着色するには、スレッドにタイミングマークを着色する場合と同様な染料・顔料が使用できる。
【0052】
一方、用紙自体にタイミングマークを付与する以外に、図3に図示したような円網シリンダー11a、12aの端部に光輝板を貼り付けてこの位置にスポットライトを照射してその反射光を光電管で読むことにより、位置を検知することもできる。この方法は、用紙にタイミングマークを付与する必要がないことから有利である。長網抄紙で製造する場合も、抄紙ワイヤーに一定間隔で光輝板を取付け、同様の原理で位置を検知できる。光輝板は一つの例であり、光輝板の替わりに着色箇所を抄紙ワイヤーに形成しても良いし、抄紙に問題無い程度に傷等による目印を抄紙ワイヤーに付与しても良い。また、このような用紙の位置を検出するマークは、円網シリンダー、ワイヤー以外にもWETプレス、ドライヤーシリンダー等、抄紙工程中の回転物に付与しても同様な効果が得られる。
【0053】
このようにして、紙に抄き込まれるスレッドの単位時間当たりの挿入長さと、用紙が抄かれる単位時間当たりの長さを個々に検知できる。また、半導体チップの位置は前述した方法により確認できる。用紙の狙った位置に半導体チップを挿入するには、スレッド挿入装置を調整して先ず用紙の幅方向でスレッドの位置合わせを行い、次いで用紙の流れ方向でスレッドに掛かる張力を調整して用紙流れ方向におけるスレッド上の半導体の位置合わせを行う。用紙の流れ方向の位置合わせは、用紙とスレッドのタイミングマークおよびスレッド上の半導体チップの位置の検出装置と、スレッドの張力調整装置とを連動させることにより、自動で行うことが可能となる。
【0054】
以上偽造防止用紙を例にとり本発明の偽造防止用シート状物とその製造方法を説明したが、本発明によるシート状物は紙以外にも、プラスチックフィルム、プラスチックシート、セラミックシート、織物、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート等で構成することもできる。
【0055】
本発明の偽造防止用シート状物の1つの形態は、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、セラミックシート、織物、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート等から選ばれるシート状物の表面に、半導体チップを接着させたスレッドを貼合したものが挙げられる。貼合の際にスレッドの厚みと半導体チップの厚みと接着剤の厚み分だけ接着した箇所が盛り上がるので、この欠点を解消するために、図4(a)に示したように、予めシート状物30に厚みを薄くした溝31を形成しておくとよい。シート状物30に溝31を形成する方法としては、例えば前述したような公知のすき入れ技術等により抄紙工程で厚みを薄くする方法、エンボス等で型をつけて厚みを薄くする方法、薬品等で腐食させる方法、エッチングにより厚みを薄くする方法等が採用できる。
【0056】
半導体チップをシート状物の所定位置に配置させるには、シート状物表面にスレッドを貼合する際に、シート状物に形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知し、スレッドの張力を調節して所定位置に半導体チップが配置されるようにスレッドを貼合するとよい。
【0057】
図4(b)は図4(a)の溝31にスレッド1を貼合した状態を示している。この場合、シート状物30表面側に半導体チップ10が露出しないように、スレッド1露出面の裏側に半導体チップ10が配置されていることが望ましい。
【0058】
本発明の偽造防止用シート状物の別の形態は、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、セラミックシート、織物、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート等を同じ材質のシート同士または異種の材質のシートを組み合わせて貼合する際に、半導体チップを接着させたスレッドを両者の間に挿入しながら貼合したもの、あるいは、予め一方のシート状物にスレッドを接着させておき、スレッドを接着していないシート状物をこの上に貼合したものが挙げられる。貼合の際にスレッドの厚み分だけ貼合した箇所が盛り上がるので、この欠点を解消するために、図4に示したように予め一方のシート状物に厚みを薄くした溝を形成し、この溝にスレッドを挿入しておくとよい。
【0059】
半導体チップを所定の位置に配置させるには、複数枚のシート状物を貼合する際に、シート状物に形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知し、スレッドの張力を調節して所定位置に半導体チップが配置されるようにスレッドを挿入すればよい。
【0060】
複数枚のシート状物を貼合してこれらの間に半導体チップが接着されたスレッドを挿入する場合、クッション性のあるシート状物を使用すると、スレッドや半導体チップの厚みが盛り上がることを和らげることができる。例えば、プラスチックフィルムと低密度の不織布とを貼り合わせる構造や、プラスチックシートで低密度の不織布を挟んで貼り合わせる構成の貼合シートの場合に、これらのシート状物の間にスレッドを挿入することにより、低密度の不織布がクッションとなり、スレッドや半導体チップの厚みによる盛り上がりを緩和することができる。
【0061】
プラスチックフィルムやプラスチックシート内部に半導体チップが接着されたスレッドを挿入する方法としては、2枚以上のプラスチックフィルムやプラスチックシートを繰り出してその間に半導体チップが接着されたスレッドを挿入して熱により溶融接着する方法、エクストルーダーを使用して溶融押し出し法でプラスチックフィルムを製造する場合には、エクストルーダー吐出口から半導体チップが接着されたスレッドとプラスチックフィルムの材料となる熱溶融された樹脂とを同時に吐出させて冷却固化する方法、エクストルーダー吐出口を2つ設け、それぞれの吐出口から熱溶融された樹脂を吐出して貼合する際に両者の間に半導体チップが接着されたスレッドを挿入する方法等が採用できる。
【0062】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
<スレッドの作製>
幅1250mm、厚さ16μmのポリエステルフィルムの表面全面に、金属アルミニウムを厚さ400オングストロームとなるように蒸着した。このポリエステルフィルムのアルミニウム蒸着面上に、幅82.6mmの耐アルカリ性アクリル樹脂インキ塗工層が幅3mmずつの間隔を空けて平行に繰り返し形成されるようにグラビアロールを用いて耐アルカリ性アクリル樹脂インキを塗工した。
次いでこのフィルムを5重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、耐アルカリ性アクリル樹脂インキを塗工していない幅3mmmのアルミニウム蒸着面露出箇所を溶出させた。これにより、図5に図示したような幅82.6mmのアルミニウム蒸着部20が幅3mmおきに形成されたポリエステルフィルムが得られた。図中の番号21は、アルミニウム蒸着溶出部を示す。
このフィルムの裏面(アルミニウム蒸着面の施されていない面)にポリエステル系感熱接着剤(商品名「バイロン」、東洋紡(株)製造)を含む塗料を5g/m2 (乾燥換算)塗工して感熱接着剤塗工層を形成した。かくして得られたポリエステルフィルムをマイクロスリッターを使用して図5に図示したように巾1.5mmにスリットしスレッドを製造した。
【0063】
<スレッドへの半導体チップの接着>
半導体チップとしては、図1に図示したような一辺が0.3mm、厚さ約30μmの半導体チップ10を使用した。この半導体チップ10を、図2に示したように、スレッドの表面(感熱接着剤を塗工していない面)のアルミニウム蒸着部20の中央に紫外線硬化型の接着剤を用いて1個ずつ次々と接着した。図2におけるアルミニウム蒸着溶出部21は、半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークとして機能する。
【0064】
<スレッドを抄き込んだ偽造防止用紙(窓開きスレッド入り紙)の製造>
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20重量部,広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)80重量部をフリーネス350mlC.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸バンドを適量加え紙料を調製した。
この紙料を用いて、図3に示した2槽式円網抄紙機により抄紙速度50m/分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1層目(乾燥重量換算で坪量50g/m2 )と第2層目(同50g/m2 )の間に上記で製造したスレッドを挿入した。
【0065】
<半導体チップに対する情報の書き込みと読み取り>
半導体チップへの情報の書き込みは、ウエハ製造工程の段階で電子線直接描画によってウエハにパターンを形成することにより行った。また、この情報を読み取るに際しては、非接触によりマイクロ波(2.45GHz)による搬送キャリアを半導体チップのアンテナに与え半導体チップ内部の回路を起動させて情報を読みとった。このようにして読みとった情報と、予め書き込まれるべき真正なメモリ情報とを照合することにより、真贋を直ちに判定することができる。
【0066】
【発明の効果】
上述したところからわかるように本発明によれば、半導体チップを接着したスレッドをシート状物表面に貼合しあるいはシート状物内部に挿入することにより、微細な半導体チップを単体でシート状物の表面に貼合したりシート状物内部に挿入するのに比べて、作業性を大幅に向上でき、極めて効率よくかつ簡便に偽造防止用シート状物を得ることができる。
【0067】
さらに、スレッドに半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークを付与しておき、このスレッドをシート状物に貼合または挿入する際に、スレッドに付与したタイミングマークおよびシート状物に付与したタイミングマークの位置を目安として、これらのタイミングマークを検知しながらスレッドをシート状物に貼合または挿入することにより、半導体チップをシート状物の所定位置に正確かつ効率よく貼合または挿入することが可能となる。
【0068】
かくして得られた本発明の偽造防止用シート状物によれば、単にスレッドを抄き込むことによる偽造防止手段に加えて、半導体チップから読み取った情報とメモリ情報とを照合することで真偽を直ちに判定でき、より一層高度で確実な偽造防止手段を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する半導体チップの一例を示す説明図である。
【図2】半導体チップを接着したスレッドの実施例を示す斜視図である。
【図3】窓開きスレッド入り抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を製造するための2槽式円網抄紙機の一例を示す説明図である。
【図4】シート状物にスレッドを挿入するための溝を形成する例を示し、(a)は溝を、(b)は溝にスレッドを挿入した状態を示す斜視図である。
【図5】スレッドを作成するためのベースフィルムの一例を示す説明図である。
【図6】 スレッドが紙層内に埋没されている「スレッド入り紙」の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B’線に沿う断面図である。
【図7】 スレッドの一部が用紙表面に露出した「窓開きスレッド入り紙」の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b’線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1: スレッド
2: 窓開き部
10: 半導体チップ
20: アルミニウム蒸着部
21: アルミニウム蒸着溶出部
30: シート状物
31: 溝
Claims (5)
- 複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップを細巾にスリットしたフィルムの片面に接着してありかつ前記半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークが付与されている偽造防止用スレッドを、紙またはプラスチックシートの表面に貼合して偽造防止用シート状物を製造する方法であって、紙またはプラスチックシートに形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知しながら貼合時のスレッドの張力を調節することによって、所定位置に前記半導体チップが位置するようにスレッドを貼合することを特徴とする偽造防止用シート状物の製造方法。
- 前記紙またはプラスチックシートの表面に、スレッドを貼合するための溝を形成しておくことを特徴とする請求項1記載の偽造防止用シート状物の製造方法。
- 複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップを細巾にスリットしたフィルムの片面に接着してありかつ前記半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークが付与されている偽造防止用スレッドを、複数枚の紙またはプラスチックシートの間に挿入しながら複数枚の紙またはプラスチックシートを貼合することからなる多層の偽造防止用シート状物を製造する方法であって、紙またはプラスチックシートに形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知しながら挿入時のスレッドの張力を調節することによって、所定位置に前記半導体チップが位置するようにスレッドを挿入することを特徴とする偽造防止用シート状物の製造方法。
- 前記紙またはプラスチックシートの少なくとも1枚の表面に、スレッドを挿入するための溝を形成しておくことを特徴とする請求項3記載の偽造防止用シート状物の製造方法。
- 複数ビットのメモリを内蔵しかつアンテナ配線を備えた一辺0.5mm以下の半導体チップを細巾にスリットしたフィルムの片面に接着してありかつ前記半導体チップの接着位置の目安となるタイミングマークが付与されている偽造防止用スレッドを、最外層の紙層と内層の紙層との少なくとも2層からなる抄合わせ紙を多槽式円網抄紙機を用いて製造するに際して紙層間に挿入して抄き込むことからなる偽造防止用紙の製造方法であって、紙層に形成したタイミングマークとスレッドに付与したタイミングマークの位置を検知しながら挿入時のスレッドの張力を調節することによって、所定位置に前記半導体チップが位置するようにスレッドを挿入して抄き込むことを特徴とする偽造防止用紙の製造方法。
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