JP3979137B2 - 研削スラッジの固形化方法及び固形化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄系金属を研削した際にクーラント(研削液)と共に回収される研削スラッジを製鋼原料として再利用するために、これを圧搾して固形化する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受鋼や浸炭鋼等の鉄系金属を研削(研磨やラッピング等も含む。)した際に生じる研磨粉は、クーラント(研削液)とともに研削スラッジとして回収される。この研削スラッジは濾過されて濃縮スラッジとされた後、油圧シリンダを用いたプレス部により圧搾され、固形物(ブリケット)となる。この固形物は、例えば製鋼用原料として再利用される。圧搾時のプレス圧力の時間的変化は図3に示すように、圧搾開始から加速的に圧力が増加し、一定の最大圧力で所定時間保持された後、油圧シリンダのピストンが後退し始めると圧力が一気に下がる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、上記濃縮スラッジを固形化することは容易でなく、固形化に失敗することが多い。その原因の一つとして、濃縮スラッジに含まれている空気の泡が内部に閉じこめられたままで加圧時に破裂して、その衝撃により固形化を妨げている事実が判明している。このような破裂を防止するには空気を外部に逃がすことが必要であるが、焼き入れ部品の研磨粉は微細であることから空気が逃げにくい。また、油分を多く含むクーラントの場合には、油膜が空気の逃げ道を妨げている。
【0004】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、研削スラッジを確実に固形化する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クーラントを含んだ鉄系金属の研削スラッジを濾過して成る、空気を含んだ濃縮スラッジを圧搾して固形化する方法であって、油圧シリンダによる圧搾中に前記空気の泡が内部に閉じ込められたままで加圧時に破裂するのを防止すべく、前記空気が逃げ道を失うことなく前記濃縮スラッジから排出される一定昇圧速度のプレス圧力で圧搾するものである(請求項1)。
このような研削スラッジの固形化方法では、濃縮スラッジに含まれている空気が、一定速度の昇圧により、逃げ道を失うことなく順調に排出される。
【0006】
また、本発明は、クーラントを含んだ鉄系金属の研削スラッジを濾過して成る、空気を含んだ濃縮スラッジを圧搾して固形化する装置であって、油圧シリンダによるプレス部と、前記プレス部による圧搾中のプレス圧力を、油圧シリンダに込められる油圧によって検出する圧力センサと、前記圧力センサの出力に基づいて、圧搾中に前記空気が逃げ道を失うことなく前記濃縮スラッジから排出される一定昇圧速度のプレス圧力となるように、前記油圧シリンダへの油圧の供給を制御する圧力制御手段とを備えたものである(請求項2)。
【0007】
このような研削スラッジの固形化装置では、圧力センサの出力に基づいて、圧力制御手段が、圧搾中のプレス圧力を上記した一定昇圧速度で増加させる。従って、濃縮スラッジに含まれている空気は、一定速度の昇圧により、逃げ道を失うことなく順調に排出される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による研削スラッジの固形化装置の構成を示す図である。図において、軸受鋼や浸炭鋼等の鉄系金属を研削した際に生じる研磨粉は、クーラントと共に研削スラッジとして回収された後、濾過されて濃縮スラッジ1となり、油圧シリンダ2と金型3とによって構成されるプレス部4により、圧搾される。圧搾によりクーラントが絞り出され、濃縮スラッジ1が固形化して円柱状のブリケットになる。
【0009】
上記油圧シリンダ2には、ピストン2aを前進させる側のポート2p1に圧力センサ5と、電気制御式の比例弁6とが接続されている。また、比例弁6及び、ピストン2aを後退させる側のポート2p2は、切換弁7を介して油圧ポンプ8と図示のように接続されている。上記圧力センサ5の出力信号は制御装置9に送られ、比例弁6及び切換弁7は、制御装置9から制御信号を受けて動作する。比例弁6は、当該制御信号に応じて、油圧の入出力比を変化させることができる。
なお、比例弁6及び制御装置9は、圧力センサ5の出力に基づいて、油圧シリンダ2への油圧の供給を制御する圧力制御手段を構成している。
【0010】
次に、上記の構成により、研削スラッジを固形化する方法について説明する。
まず予め、クーラントを含んだ研削スラッジを濾過して得た濃縮スラッジ1を用意して、金型3内に入れておく。次に、油圧ポンプ8を運転し、制御装置9からの制御信号により切換弁7を動作(非励磁→励磁)させる。これにより、比例弁6を介してポート2p1に油圧が供給されると共に、ポート2p2の油が、戻しの状態となる。ポート2p1から油圧シリンダ2に込められている油圧はプレス圧力に相当するものであり、この油圧は圧力センサ5によって検出される。制御装置9は、圧力センサ5の出力信号を基に比例弁6のフィードバック制御を行い、比例弁6の出力する油圧すなわちプレス圧力が所定のパターンで変化するように制御する。
【0011】
図2は、油圧シリンダ2による、プレス圧力及びシリンダストロークの時間的変化を示すグラフである。図において、ピストン2aが前進して濃縮スラッジ1に当接した時刻t1において、ピストン2aは一時停止し、遊びを吸収した時刻t2からプレス圧力が増加し始める。このとき、仮に、単に油圧をポート2p1に供給し続ければ(すなわち、制御装置9や比例弁6を設けないで所定の設定圧をそのまま供給すれば)、プレス圧力は破線で示すように一定速度(勾配)ではなく加速的に増大するが、そうなることを避けて、プレス圧力の上昇速度が実質的に一定となるように、制御装置9は圧力センサ5の出力を勘案しながら比例弁6を制御する。
こうして、図2に破線で示す特に制御を行わなかった場合の加速的上昇カーブの時刻t2における接線と同じ傾きとなる一定速度で、プレス圧力が立ち上がる。プレス圧力が所定の設定圧(例えば10〜15Mpa)に達した時刻t3において油圧を込めるのを停止し、時刻t4まで保持した後、制御装置9から切換弁7に制御信号を送って切換弁7を非励磁状態に戻し、ピストン2aを後退させる。ピストン2aが後退しきった時刻t5において、当該プレス工程が終わる。
【0012】
以上のように一定速度でプレス圧力を立ち上げた結果、濃縮スラッジ1は従来に比して飛躍的に確実に固形化された。これは、濃縮スラッジ1に含まれている空気(の泡)が、一定速度の昇圧により、逃げ道を失うことなく順調に排出されたためであると考えられる。すなわち、特に制御を行わなかった場合の加速的立ち上がりのカーブでは、プレスの終期において既に相当な圧力が加わっている状態下で外部へ逃げようとする空気に対して加速的に加圧すると、空気の排出が困難になり気泡の破裂を招くが、一定速度の場合にはそのような問題がないからであると考えられる。
【0013】
なお、スラッジの種類によって最適な一定速度が異なる。従って、最適な一定速度を選択することにより、各種スラッジを確実に固形化することができる。但し、特に制御を行わなかった場合の加速的立ち上がりのカーブをも上回る一定速度は、空気の逃げ易さの点において十分とは言えなくなるので、あまり好ましくないと考えられる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の研削スラッジの固形化方法によれば、濃縮スラッジに含まれている空気が、一定速度の昇圧により、逃げ道を失うことなく順調に排出され、空気の泡が内部に閉じ込められたままで加圧時に破裂するのが防止されるので、濃縮スラッジは従来に比して飛躍的に確実に固形化される。
【0015】
請求項2の研削スラッジの固形化装置によれば、圧力センサの出力に基づいて、圧力制御手段が、圧搾中のプレス圧力を空気が逃げ道を失うことなく濃縮スラッジから排出される一定昇圧速度で増加させることによって、濃縮スラッジに含まれている空気は、その一定速度の昇圧により、逃げ道を失うことなく順調に排出され、空気の泡が内部に閉じ込められたままで加圧時に破裂するのが防止される。従って、濃縮スラッジは従来に比して飛躍的に確実に固形化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による研削スラッジの固形化装置の構成を示す図である。
【図2】 図1の装置における油圧シリンダによる、プレス圧力及びシリンダストロークの時間的変化を示すグラフである。
【図3】 従来の、研削スラッジの固形化のためのプレス工程における圧力の時間的変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 濃縮スラッジ
2 油圧シリンダ
3 金型
4 プレス部
5 圧力センサ
6 比例弁
8 油圧ポンプ
Claims (2)
- クーラントを含んだ鉄系金属の研削スラッジを濾過して成る、空気を含んだ濃縮スラッジを圧搾して固形化する方法であって、
油圧シリンダによる圧搾中に前記空気の泡が内部に閉じ込められたままで加圧時に破裂するのを防止すべく、前記空気が逃げ道を失うことなく前記濃縮スラッジから排出される一定昇圧速度のプレス圧力で圧搾すること特徴とする研削スラッジの固形化方法。 - クーラントを含んだ鉄系金属の研削スラッジを濾過して成る、空気を含んだ濃縮スラッジを圧搾して固形化する装置であって、
油圧シリンダによるプレス部と、
前記プレス部による圧搾中のプレス圧力を、油圧シリンダに込められる油圧によって検出する圧力センサと、
前記圧力センサの出力に基づいて、圧搾中に前記空気の泡が内部に閉じ込められたままで加圧時に破裂するのを防止すべく、前記空気が逃げ道を失うことなく前記濃縮スラッジから排出される一定昇圧速度のプレス圧力となるように、前記油圧シリンダへの油圧の供給を制御する圧力制御手段とを備えたことを特徴とする研削スラッジの固形化装置。
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