JP3986019B2 - 電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、静電印刷、プリンタ、静電記録などに用いられる電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置、画像形成方法、さらに該画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ及びファクシミリ装置等の画像形成装置においては、一様帯電された感光体上に、画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された感光体に現像部よりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。画像形成装置は、この感光体上のトナー画像を転写部で転写紙(記録紙)に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。
【0003】
このような電子写真方式を利用した画像形成装置においては、従来から感光体表面の摩擦係数を低下させることで、不要なトナーの付着を防止し、地肌汚れのない画像が得られることなどが知られている。また、表面摩擦係数の小さい感光体は、表面の摩耗量が減少し感光体寿命を延ばすことができる。
【0004】
すなわち、感光体の寿命を決定する原因としては、感光体の感光層の摩耗があり、感光層がある一定量削り取られると、感光体の電気特性が変化して、適正な作像プロセスを行なえなくなる。この摩擦は、上記作像プロセスで、感光体と他の作像部である現像部や転写部等の接触する部位全てで発生するが、感光体表面の摩擦係数を低減させると、これらの接触部位で発生する摩耗を低減することができ、感光体の寿命を向上させることができる。
【0005】
さらに、感光体表面の摩擦係数を低減させることで、感光体上に形成されているトナー像を被転写体に転写するときの転写率が向上することが知られている。すなわち、虫食い版画の抑制や、転写後の残トナーの量を低減することができるので、廃トナー量の低減などの効果もある。
【0006】
さらに、最近では、電子写真の高画質化の要求から、乳化重合法や、懸濁重合法等を用いて製造される球形トナーのクリーニングに対して、高い効果が得られることが明らかになってきている。
一般的に感光体上の転写残トナーのクリーニングには、ウレタンゴムなどによって形成されたブレードをカウンター方向に当接させ、該ブレードによってトナーを除去する方法が用いられている。しかし、球形トナーは、該クリーニングブレードと感光体との当接部にもぐりこみ、すり抜けてしまうため、クリーニング不良となってしまう場合が多い。これに対して、感光体表面を低摩擦係数化することによって、球形トナーのすり抜けが抑えられ、クリーニング不良を抑制することができるのである。
【0007】
このような感光体表面の低摩擦係数化の方法としては、特許文献1で提案されているように、感光体表面に潤滑剤を供給する機構が備わっている画像形成装置が従来提案され、実用化されている。しかしながら、感光体周辺にこのような機構を備えるために、装置の大型化、複雑化が避けられず、コストアップ、メンテナンス性の悪化などの不具合が発生する。
また、感光体の低摩擦係数化の異なる方法として、感光体表面層に摩擦係数を低減するような潤滑剤を添加することが提案されている。具体的には、特許文献2、3などで提案されているものがある。
【0008】
潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂(以下フッ素樹脂)、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末、シリコーンオイルなどの潤滑性液体などが知られている。特にフッ素原子を多量に含むフッ素樹脂は、表面エネルギーが著しく小さいので潤滑剤としての効果が大きい。この様なフッ素樹脂は、結晶性の微粒子として用いられ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの結着材樹脂に分散させた後に、例えば感光体の表面層や保護層として成膜される。
【0009】
しかしながら、フッ素樹脂微粒子の含有量が比較的少ない場合、初期の感光体表面の摩擦係数は低減できても、繰り返し画像を出力すると徐々に摩擦係数が上昇してしまう。そこで、低摩擦係数を持続させるための手段として、フッ素樹脂微粒子の添加量を増加させることが考えられる。しかし、フッ素樹脂微粒子の性質として、樹脂溶液中の凝集傾向が強く、均一な分散が困難であるといった問題がある。
例えば、フッ素樹脂微粒子の分散方法については、従来より様々な検討がなされ、提案されており、具体的には、特許文献4〜7などが開示されている。特許文献4には、保護層の表面粗さを10点平均面粗さで0.1〜5.0μmとするため、重量平均分子量が好ましくは0.3万〜500万で粒径が好ましくは0.01〜10μm特に好ましくは0.05〜2.0μmのフッ素樹脂粒子をサンドミルを用いて5.0〜70.0重量%保護層中に分散させることが開示され、特許文献5には、フッ素系グラフトポリマー及び溶剤を複数の小径オリフイスより吐出される際に液同志を衝突させることにより粉砕及び分散されたフッ素樹脂粉体を含む表面層を有する感光体の製法が開示されており、特許文献6には、高圧で狭いノズルを通過させることにより分散された後にサンドミルで分散処理されたフッ素系樹脂粒子を含む表面層を有する感光体の製法が開示されており、特許文献7には、小径オリフイスから該オリフイスの径よりも大きい径を有するシリンダ部材内に吐出することにより分散処理された電子写真感光体塗工液を用いて電子写真感光体を製造する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、これらの方法で作成されているフッ素樹脂微粒子含有表面層は、いずれもその含有量が比較的小さいものがほとんどで、長期にわたって低摩擦係数を持続するには不充分である。また、含有量の多い記載がある特許文献4においても、分散後の粒径についての記載はないが、フッ素樹脂微粒子の含有量が高いので、より凝集しやすく、微細に分散することが困難であると考えられる。そのような塗工液を用いて塗膜を形成すると、塗膜中に巨大な二次凝集粒子が多く存在することとなり、塗膜表面の凹凸が大きくなってしまったり、塗膜表面のフッ素樹脂微粒子の局在化を引き起こしたりする。塗膜表面の凹凸が大きくなると、クリーニング不良やトナー画像の乱れを引き起こすことが考えられる。またフッ素樹脂微粒子の局在化は、感光体塗膜表面がミクロ的に摩擦係数が高い部分と低い部分が生じてしまうため、やはりクリーニング不良の原因となることが考えられる。さらに、フッ素微粒子の二次凝集径があまりに大きいと、レーザー光が凝集体上で散乱され、露光潜像の乱れ、光量が不足することによる電位コントラスト不足を引き起こし、異常画像の原因となることがある。
【0011】
このようにフッ素樹脂微粒子を用いて、感光体表面の摩擦係数低減、それによる異常画像の抑制が図られているが、低摩擦係数の持続性、フッ素樹脂微粒子の分散性、装置の小型化などを満足するようなものは得られていなかった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭56−142567号公報(第4頁右下欄第14行目〜第5頁右下欄第8行目)
【特許文献2】
特開昭58−102949号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭63−249152号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平6−130711号公報(特許請求の範囲の請求項1〜3及び段落[0013])
【特許文献5】
特開平6−332219号公報(特許請求の範囲の請求項1〜3及び段落[0017])
【特許文献6】
特開平8−179543号公報(特許請求の範囲の請求項1〜2)
【特許文献7】
特開2000−258928号公報(特許請求の範囲の請求項1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、低表面摩擦係数を持続し、かつ電子写真特性が良好で、長期的に安定した画像形成、クリーニングを行なうことができる安価で高耐久な電子写真感光体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、かかる電子写真感光体を用いた画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を達成するために、表面摩擦係数を低減し、かつ感光体の電気特性、潤滑剤の分散性が良好な電子写真感光体の最表層について鋭意検討した結果、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の最表層膜表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることを特徴とすることで、上記課題を解決し、長期間繰り返し使用しても、クリーニング不良などを発生することなく、良好な画像が出力できる電子写真感光体が得られることを見出し、本発明に到った。
【0015】
而して、上記課題は、本発明の(1)「導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の最表層膜表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることを特徴とする電子写真感光体」;
(2)「前記フッ素樹脂微微粒子の一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子のうち、平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面に占める投影面積比の合計が10%〜60%であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」;
(3)「前記フッ素樹脂微粒子の最表層に占める割合が20vol%〜60vol%であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真感光体」;
(4)「前記感光層が、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質を含有する層と、その上に積層された保護層とからなり、該保護層が少なくともバインダー樹脂とフッ素樹脂微粒子を含有する層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の電子写真感光体」;
(5)「前記最表層に少なくとも電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真感光体」により達成される。
【0016】
また、上記課題は、本発明の(6)「少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が前記第(1)乃至第(5)の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置」;
(7)「少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする前記第(6)項に記載の画像形成装置;
(8)「前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする前記第(6)項または第(7)項に記載の画像形成装置」;
(9)「前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写するものであることを特徴とする前記第(6)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」;
【0017】
また、上記課題は、本発明の(10)「帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと前記第(1)乃至前記第(5)項に記載の電子写真感光体とを具備してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」により達成される。
【0018】
さらに、上記課題は、本発明の(11)「少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法」;
(12)「少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成方法」;
(13)「前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする前記第(11)項または第(12)項の何れかに記載の画像形成方法」;
(14)「前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする前記第(11)項乃至第(13)項の何れかに記載の画像形成方法」により達成される。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
上記のように、本発明者は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることを特徴とすることで、上記課題を解決し、長期間繰り返し使用しても、クリーニング不良などを発生することなく、良好な画像が出力できる電子写真感光体が得られることを見出し、本発明に至ったが、ここで投影像の平均直径とは、最表層表面を略垂直方向から観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなし、その投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
【0020】
本発明で用いるフッ素樹脂微粒子は極く細かく、かつ基本的にバインダー樹脂に対する親和性に乏しいので樹脂塗工液中で二次凝集しやすいため、本発明における「一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上」はボールミルやサンドミルのような通常の塗工液分散方法或いは塗工液ノズルやオリフイスから噴出する程度の分散方法によっては得ることが難かしい。
【0021】
そこで、本発明において該塗膜を確実に形成する塗工液を得るためには、あらかじめフッ素系グラフトポリマーを含有し、オリフィスから高圧で吐出させ、液同士を衝突させて一次分散を行ない、さらに超音波を照射する二次分散を施すなどの方法が用いられる。
さらに、該分散方法によって得られた塗工液を、微粒子が沈降していない状態を保ちつつ塗工する必要がある。例えば、塗工液を攪拌する構造を有した液タンクから比較的短時間でスプレーノズルに達するような構造をしたスプレー塗工装置などを用いることが必要である。
例えば、メディアを用いたボールミルやサンドミル分散、器壁に衝突させる分散等により得られた塗工液では、分散が不充分で、本発明の塗膜は得られない。これは、フッ素微粒子は比較的柔らかい粒子であるため、粒子の変形や結合を促し、凝集を引き起こしやすいことなどが理由として考えられる。
【0022】
このような構成の最表層を有する電子写真感光体は、感光体表面の摩擦係数が非常に小さく、しかも、その低い摩擦係数を繰り返し使用しても維持されるため、長期間にわたって良好なクリーニング性を維持し、かつ摩耗も非常に小さいため、感光体の耐久性も高くなる。
その理由については、明確にはわかっていないが、以下のようなことが考えられる。
【0023】
一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が塗膜表面に対して10%より小さい場合としては、次のような形態が考えられる。
第1の形態としては、表面層中のフッ素樹脂微粒子の含有量が少ない場合。
第2の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子(二次粒子も含む)のほとんどが0.15μmより小さい場合。
第3の形態としては、表面に露出しているフッ素樹脂微粒子のほとんどが3μmより大きい場合である。
第1の形態では、前述の通り、表面の低摩擦係数が繰り返し使用において、維持できないため、やがてクリーニング不良などを引き起こすという可能性が考えられる。
第2の形態では、塗膜表面に露出している部分の平均直径が0.15μm未満と、あまり微小なフッ素樹脂粒子ばかりが分散している塗膜表面であるため、低摩擦係数化に対する効果が不充分となり、クリーニング不良となってしまうことが考えられる。すなわち、感光体表面を低摩擦係数とすることでトナーが滑りクリーニング性が向上するという機構を考えたときに、フッ素樹脂微粒子の一次粒子及び二次粒子とトナーが接する面積が小さくなってしまう。そのため、トナーが感光体表面を滑るという効果が半減してしまい、クリーニング不良を引き起こすことが考えられる。
さらに、第3の形態では、3μmよりも大きな粒子が多数表面に露出しているので、前述のように表面粗さが大きくなり、クリーニング不良を引き起こしたり、レーザー光を散乱して静電潜像のシャープネスの劣化、電位コントラストの減少などによる異常画像の発生が考えられる。
【0024】
従って、本発明に示すとおり、フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることが、重要不可欠となる。
【0025】
また、本発明においては、前記一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることを、そのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
これは、Dが適度な大きさである上記範囲にそろっており、かつ表面に占める割合も上記範囲となることで、感光体表面がより均一に低摩擦係数化され、前述の不具合が解消され、さらに表面粗さの低減などの効果がより大きくなるものと考えられる。
【0026】
さらに、本発明においては、最表層中に含有するフッ素樹脂微粒子が20vol%〜60vol%であることをそのより好ましい態様の一つとして包含するものである。
フッ素樹脂微粒子の含有率が上記範囲であり、かつ二次粒子が最表層中に非局在化するように塗膜を形成することで、摩耗により最表層が減少しても、内在する二次粒子が順次露出して、常にその表面に占める投影面積比の合計が好適な範囲となり、また、必要以上にフッ素樹脂微粒子が存在しないために、最表層の機械的強度も好適な範囲に保たれるので耐摩耗性の低下も抑制される。
【0027】
さらに、本発明においては、前記感光層が、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質を含有する層と、その上に積層された保護層とからなり、該保護層が少なくともバインダー樹脂とフッ素樹脂微粒子を含有する層であることがより好ましい。これは、電子写真感光体としての機能を有する感光層と、低摩擦係数の機能を有する保護層とに機能分離させることで、感光体の電気特性の副作用が小さく、摩擦係数、耐摩耗性が良好な電子写真感光体が提供される。
【0028】
さらに、本発明においては、前記最表層に少なくとも電荷輸送物質を含有することをより好ましい態様の一つとして包含するものである。
特に保護層が最表層となる場合、電荷輸送物質を含有させることで、電荷移動がスムーズに起こり、残留電位の上昇などの不具合を抑制することができると考えられる。
【0029】
さらに、本発明においては、少なくとも本発明の電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置、画像形成方法が提供される。これによって、長期間繰り返し使用によっても、感光体表面の低摩擦係数が持続するので、例えば、球形トナーを用いても、クリーニング不良が起きにくく、短波長レーザーを用いて高解像度としても、異常画像が発生しにくく、長期間良好な画像を得ることができる。
【0030】
また、本発明によれば、前記画像形成装置において、少なくとも電子写真感光体表面に接触して摺擦する接触部材を具備してなる画像形成装置が提供される。
これによって、低摩擦係数化の効果が飛躍的に上がり、クリーニング性、耐摩耗性が著しく上昇する。この効果について、明確には分かっていないが、次のようなメカニズムが考えられる。
フッ素樹脂微粒子が露出している最表層を接触部材が摺擦することにより、フッ素樹脂微粒子の露出部分が摺擦方向に延びて、フッ素樹脂微粒子が存在しない感光体表面も被覆する。このとき、本発明の電子写真感光体の最表層表面のように、好適な大きさの粒子が好適な範囲で略均一に存在することによって、フッ素樹脂微粒子の含有量を増加させることなくフッ素樹脂微粒子が存在しない表面をほぼ全域にわたって被覆することができるため、感光体表面の全域において、ほぼ均一に、かつ低い摩擦係数を発現することができる。さらに、最表層が摩耗しても、内在するフッ素樹脂微粒子が析出してくるので、長期間にわたって、低摩擦係数な表面を持続することが可能となり、高いレベルでのクリーニング性、耐摩耗性を維持できる。
実際にSEM像によって摺擦された感光体表面を観察すると、上記現象によって表面を被覆しているフッ素樹脂の様子が観察された。
【0031】
また、本発明によれば、少なくとも複数の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、転写手段を有するタンデム型画像形成装置、画像形成方法が提供される。
【0032】
これによって、1ドラム型画像形成装置にくらべて、非常に高速で良好なフルカラー画像を得ることができる。
【0033】
また、本発明によれば、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することで、色ズレを抑えた良好な画像が提供される。さらに中間転写体を介するレイアウトによって、画像形成装置内のレイアウトの自由度が向上し、装置の小型化、メンテナンス性の向上などが達成される。
【0034】
また、本発明によれば、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと、本発明の電子写真感光体とを具備してなる画像形成装置用プロセスカートリッジが提供される。
【0035】
これによって、電子写真感光体や、その他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行なうことができるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と電子写真感光体が一体となっているので、取り付け位置の精度向上などの利点もある。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の模式断面図であり、導電性支持体上に感光層を設けた構成の電子写真感光体を示している。図2、図3及び図4は各々本発明における電子写真感光体の他の構成例を示すものである。図2は、感光層が電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)より構成される機能分離型タイプの電子写真感光体を示し、図3は、導電性支持体と機能分離型タイプの感光層のCGL、CTLとの間に下引き層を入れた電子写真感光体を示している。図4は図3のタイプの感光層の上にさらに保護層を形成した電子写真感光体を示している。なお、本発明に係る電子写真感光体としては、導電性支持体上に少なくとも感光層を有していれば、上記以外のその他の層が形成されていてもよく、また、該感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
【0037】
本発明において電子写真感光体に使用される導電性支持体としては、導電体もしくは導電処理をした絶縁体、例えばAl、Ni、Fe、Cu、Auなどの金属、もしくはそれらの合金の他、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属あるいはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの、樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙等が使用できる。導電性支持体の形状は特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できるが、ベルト状の支持体を用いると、内部に駆動ローラ、従動ローラを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型化する反面、レイアウトの自由度が増すなどのメリットがある。しかしながら、保護層を形成する場合は、該保護層の可撓性が不足して、表面にクラックとよばれる亀裂が入る可能性があり、それが原因で粒状の地肌汚れが発生することが考えられる。このようなことから、支持体としては剛性の高いドラム状のものが好ましく用いられる。
【0038】
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。かかる下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。下引き層は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
【0039】
更に、かかる下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
【0040】
この他に、かかる下引き層として、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
下引き層の膜厚は約0.1〜5μmが適当である。
本発明の電子写真感光体に用いられる感光層の種類は、Se系、OPC系等のいずれも適用できる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。特に、環境に対して優しくかつ安価なOPCが良好である。これらのうち、OPC系について以下に簡単に説明する。
【0041】
本発明における感光層は、単層型でも積層型でもよいが、ここでは積層型について述べる。はじめに、電荷発生層について説明することにする。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0042】
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0043】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、必要に応じて、電荷輸送性物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送性物質も良好に用いられる。
【0044】
電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
【0045】
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0046】
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いことが要求される。
【0047】
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送性物質及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、これらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
【0048】
電荷輸送性物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0049】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0050】
また、高分子電荷輸送性物質は、以下のような構造を有していてもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
【0051】
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
【0052】
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
【0053】
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
【0054】
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
【0055】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0056】
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送性物質として更に有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルとしては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載の化合物が例示される。
【0057】
更に、電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0058】
電荷輸送層の膜厚は、約5〜100μm程度が適当であるが、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、より好ましくは5〜30μm程度が適当である。
【0059】
本発明における電荷輸送層中には、ゴム、プラスチック、油脂類などに用いられる他の酸化防止剤や可塑剤などの添加剤を添加してもかまわない。
更に、電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。かかるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
【0060】
塗工方法としては、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行なうことができる。
【0061】
更に、電荷輸送層が感光体の最表層になる場合には、少なくとも電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有する。
電荷輸送層中にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合、より効率よく摩擦係数低減効果を得るためには、電荷輸送層の表面付近の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、摩擦係数低減の効果を発揮するのは感光体表面に露出したフッ素樹脂微粒子であり、繰り返し使用による電荷輸送層の摩耗のために、もはや電子写真感光体としての機能を発揮できなくなる膜厚より上に含有させればよく、それより内部に含有したフッ素樹脂微粒子は無駄になってしまう上、逆に感光体の電子写真特性に悪影響を与える可能性もある。フッ素樹脂微粒子を電荷輸送層の表面付近に多く含有させる電子写真感光体の製造方法としては、例えば、フッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を塗布した後、フッ素樹脂微粒子を含有した電荷輸送層形成用塗工液を塗布するなどの方法が考えられる。
【0062】
例えば、具体的に説明すると、電荷発生層上に、まずフッ素樹脂微粒子を含有しない電荷輸送層形成用塗工液を用いて第1の電荷輸送層を形成し、その上からフッ素樹脂微粒子の含有量が固形分比40vol%の電荷輸送層形成用塗工液を用いて第2の電荷輸送層を形成し、乾燥することによって、表面にフッ素樹脂微粒子を多く含有した電荷輸送層が形成できる。
塗工方法としては、浸漬塗工、スプレー塗工など公知の方法が考えられる。
【0063】
該フッ素樹脂微粒子の含有量としては、20vol%〜60vol%であることが好ましく、さらに好ましくは、30vol%〜50vol%である。また、本発明の請求項の範囲となるように、表面に分散して露出している必要がある。含有量が20vol%より小さいと、表面に露出する微粒子の投影面積比が小さくなってしまい、低摩擦係数の持続性が低下してしまうことがあり、また含有量が60vol%よりも大きいと、必然的にバインダー樹脂の含有量が小さくなり、塗膜の機械的強度が低下してしまうことが考えられる。また、含有量が多いと、フッ素樹脂粒子同士の接触が多くなり、凝集した二次粒子も増加し、その粒径も増大しやすくなることが考えられる。
【0064】
また、該フッ素樹脂微粒子の一次粒径は、本発明の好適な一次粒子、および二次粒子の平均直径を満たすためには大きすぎても小さすぎても好ましくない。具体的には平均粒径が0.1〜0.3μmの範囲にあるものが好ましい。
【0065】
フッ素樹脂微粒子の分散方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、マイクロフルイダイザー(MFI社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)などの高速液衝突分散方法など、公知の方法を用いることができるが、分散方法によって、フッ素樹脂微粒子の二次粒子の粒度分布が大きく異なるため、本発明の請求項の範囲となるような分散を行なう必要がある。
好ましい分散方法として、分散メディアを用いた分散方法においては、過度のエネルギーを与え過ぎず、また分散メディアによる分散後に、超音波を照射することが挙げられる。発明者らの検討の結果、例えば、振動ミルにおいて、分散メディアの径としてより小さいものを用い、さらに振動速度も適度に穏やかなほうが二次粒子径が小さくなることが分かった。またメディアによる分散時の固形分濃度は比較的高いほうがよく、バインダー樹脂は分散後に添加するなどの塗工液作製時の条件によっても二次粒子の粒度分布は大きく変動することが分かった。
また、高速液衝突分散方法においては、アルティマイザーによる分散時の固形分濃度は低いほうが良く、液衝突圧力の大きさ、溶媒の種類、混合溶媒場合はその比率などによっても二次粒子の粒度分布が大きく変動するので、これらの条件を充分に検討して、本発明の範囲となるような塗膜を形成する必要がある。
【0066】
次に、本発明のフッ素樹脂微粒子が表面に露出している部分の投影像の平均直径、面積比の算出方法の例として、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察について説明するが、フッ素樹脂微粒子の露出状態が観察できるものであれば、この限りではない。
フッ素樹脂微粒子が分散された電子写真感光体の表面をSEMによって撮影し、得られたSEM像に映し出されているフッ素樹脂微粒子像を画像解析装置を用いて解析することで、微粒子の平均直径、個数、面積比等を得ることができる。このとき、SEM像として得られる画像は表面の略垂直方向より投影したものであるので、映し出されるフッ素樹脂微粒子の像も垂直方向の投影像である。ここで投影像の平均直径とは、観察したときに見られる粒子または粒子の凝集体を1つの粒子とみなした投影像について、重心を通る内径を角度2度刻みで測定した平均値である。
画像解析装置は、このフッ素樹脂微粒子の投影像と、その周りのバインダー樹脂とが二値的に区別でき、その中で複数の一次粒子が凝集した二次粒子を大きな粒子として近似できるような条件を選択できることが必要である。さらに、該フッ素樹脂微粒子の投影像一つ一つについて、少なくとも平均直径、面積比が算出できるようなプログラムが備わっていることが必要である。そのような画像解析装置としては、高詳細画像解析システムIP−1000(旭エンジニアリング社製)のような専用装置や、画像解析ソフトImage−Pro Plus(プラネトロン社製)を導入したコンピュータ等を用いることができる。
SEM像は、加速電圧が高いと、表面付近の内部の様子までが画像情報として得られる場合がある。バインダー樹脂にフッ素微粒子を分散した系においては、加速電圧が高いと表面に露出していない、表面近傍に内在するフッ素樹脂微粒子まで透過して観察される場合があるため、該加速電圧の設定は、表面に露出したフッ素樹脂微粒子が映し出されるように調整する必要がある。
例えば、SEMとして電界放出形走査電子顕微鏡 S−4200(日立製作所社製)を用いた場合、加速電圧としては、2kv〜6kv程度が好適であるが、これは、装置や感光体の材料などによって適宜調整する必要がある。
こうして得られた、表面のSEM画像を画像解析ソフトに取り込み、観察範囲においてカウントされた個々のフッ素樹脂微粒子の平均直径、面積比を算出させることによって、所望の感光体表面のフッ素樹脂微粒子の状態を観測することができるのである。
【0067】
また、本発明の感光体は、電荷輸送層が最表層になる場合には、電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子以外のフィラーを含有しても良い。
フィラー材料としては、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがある。有機性フィラー材料としては、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
【0068】
無機材料からなるフィラーは、有機材料からなるフィラーに比べ硬度が高いため、感光体最表層の耐摩耗性をより向上させることができる。ところが、一般的に、潜像担持体の耐摩耗性を向上させると該潜像担持体の表面部はほとんど摩耗しなくなるが、帯電時に発生するオゾン、NOx等の反応性ガスによって該表面部が低抵抗化し、次第に該表面部の静電荷が保持されなくなり、該静電荷が表面方向に移動してしまうことが知られている。その結果、静電潜像が滲んでしまい、該静電潜像がトナーなどで現像されたときに見られる画像ボケや画像流れと呼ばれる異常画像が起こるようになる。そこで、本発明で用いるフィラーとしては1010Ω・cm以上という高い抵抗を有することが好ましい。このようなフィラーを用いることで、感光体の最表面の低抵抗化が抑えられ、上記異常画像の発生を大幅に抑制することができる。
【0069】
これらのフィラーの中で、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらのフィラー材料は他の金属酸化物微粒子に比べ価格が安く入手も容易なため、感光体の製造コスト低減を図ることが可能となる。
その中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方最密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。このようなフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0070】
これらのフィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの一次粒径の平均は、0.05〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.3μmである。
フィラーの平均一次粒径が0.05μmよりも小さすぎると耐摩耗性が不充分となる場合がある。一方、フィラーの平均一次粒径が1.0μmよりも大きすぎると潜像担持体に照射される光書き込み光が該フィラーで散乱して透過率が低下し、画像ボケや文字太りが生じてしまうことがある。
【0071】
表面層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、5〜60重量%が好ましい。また、これらのフィラーを電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー含有率が高く、導電性支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、導電性支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
【0072】
次に、感光層が単層構成の場合について説明する。
キャスティング法で単層感光層を設ける場合、多くの場合、かかる単層感光層は、電荷発生物質と低分子並びに高分子電荷輸送性物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生物質並びに電荷輸送性物質としては、前述した材料を用いることができる。
また、かかる単層感光層には、必要により、可塑剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いることができる。その他に、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。
さらに、単層感光層が感光体の最表層となる場合には、少なくとも該単層感光層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子は本発明の分散状態で存在する。
これによって、前述の電荷輸送層の場合と同じ効果が得られる。
【0073】
また、前述の電荷輸送層の場合と同様に、表面付近のフッ素樹脂微粒子の含有量を多くするのが好ましく、その方法も同様の製造方法を用いることができる。
単層感光体の感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0074】
本発明の感光体においては、感光層の上に、保護層が設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0075】
また、保護層を用いる場合、保護層が最表層となるので、該保護層中にフッ素樹脂微粒子を含有する。保護層は主に耐摩耗性の向上を目的としている。本発明においては、フッ素樹脂微粒子を好適な分散状態で含有することで長期間繰り返し使用においても低摩擦係数が持続し、耐摩耗性が向上する。さらに、保護層は感光層の上に比較的小さな膜厚をもって設けられるため、感光体の電気特性への影響が比較的小さく、電荷輸送層にフッ素樹脂微粒子を含有させる場合よりも、含有量を大きくすることができたり、低摩擦係数化や耐摩耗性に特化した処方を用いて電荷輸送層と機能分離させることができるなどの利点がある。
【0076】
また、保護層にはさらなる耐摩耗性を付与するためにフィラー材料を含有してもよい。フィラーとしては、前述のものを用いることができ、また、これらのフィラー材料は単独もしくは2種類以上を混合して用いられる。
【0077】
また、保護層に電荷輸送物質を含有させることも感光体の電気特性、特に繰り返し使用時の光感度劣化、残留電位の上昇を抑制するのに非常に有用である。これは、保護層にも電荷輸送性を持たせることで、感光体表面までスムーズに電荷が移動できるようになるためだと考えられる。かかる電荷輸送性物質としては、先に挙げた電荷輸送層で用いられる電荷輸送性物質を用いることができる。
【0078】
更に、本発明に係る電子写真感光体の保護層には、接着性、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えてもかまわない。
【0079】
本発明にかかる保護層は、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に形成される。特に、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が有利である。
しかしながら、塗工における各種条件によっても、感光体表面のフッ素樹脂微粒子の分散状態変わるので、塗工する際の条件設定は非常に重要である。
例えば、スプレー塗工においては、まず、塗工液の条件として、固形分濃度、混合溶媒の場合はその種類と混合比などがあり、スプレー装置の条件としては、塗工液の吐出量、霧化エア圧力、スプレー先端と被塗布部表面との距離、被塗布物表面の移動速度、重ね塗りの回数などが上げられる。例えば、塗工液の吐出量を小さくして、重ね塗り回数を増やすことで所望の膜厚の保護層を形成する場合は、よりドライな状態で塗膜が形成され、逆に吐出量を大きくして、重ね塗り回数を減らすと、よりウェットな状態で塗膜が形成されることになる。さらに、液タンク内での攪拌などによってフッ素微粒子の沈降を防止する措置を講じる必要がある。このように塗工中の塗膜の状態一つをとっても、表面のフッ素樹脂微粒子の状態に影響を及ぼすことが考えられる。従って、表面のフッ素樹脂微粒子が本発明のような状態になるように、各種塗工条件を検討し、好適な範囲を把握する必要がある。
こうして得られる保護層の膜厚は0.1〜15μmの範囲が適当であり、より好ましくは1〜10μmである。
【0080】
次に本発明の画像形成装置について、図を参照して説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図である。なお、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図5に示すように、本発明に係る電子写真感光体を用いた画像形成装置は、本発明に係るドラム状の感光体(1)と、帯電チャージャ(3)と、転写前チャージャ(7)と、転写チャージャ(10)と、分離チャージャ(11)と、クリーニング前チャージャ(13)などから構成されている。なお、感光体(1)の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。また、各種チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)、帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
【0081】
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図5に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
【0082】
さて、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上にトナーが残存する。このようなトナーは、クリーニングブラシ(14)及びブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシ又はブレード単独で行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段としては、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0083】
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体に接触して摺擦する接触部材を具備させることができる。
加圧された接触部材としては、フッ素樹脂微粒子の露出部分の摺擦を目的とした接触部材を設けても良いし、帯電ローラなどの接触帯電部材、クリーニングブレード、クリーニングブラシなどのクリーニング部材、転写ベルト、中間転写ベルトなどの転写部材など一般的に画像形成装置に用いられる部材に加圧する機構を設けたようなものでもよい。ここでは、クリーニングブレード(15)によって感光体表面を摺擦する場合を例に挙げて説明する。クリーニングブレードは、感光体表面を略均等な圧力で感光体表面を押しながらほぼ全面を摺擦し、フッ素樹脂微粒子を均等に表面に付着させるという効果が大きく好ましい。
クリーニングブレードによってフッ素樹脂を被覆させる場合、クリーニングブレードの各種条件として、ブレード当接角10〜30度、当接圧力0.3〜4g/mm、ブレードとして用いるウレタンゴムのゴム硬度60〜70度、反発弾性、30〜70%、ヤング率30〜60kgf/cm2、厚さ1.5〜3.0mm、自由長7〜12mm、ブレードエッジの感光体への食い込み量0.2〜2mmの範囲が好適である。
【0084】
図6には、本発明による画像形成装置を用いた別のプロセスの例を示す。図6において、感光体(22)は、本発明の電子写真感光体であり、駆動ローラ(23)により駆動され、帯電チャージャ(20)による帯電、光源(21)による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ(25)を用いる転写、ブラシ(26)によるクリーニング、光源(27)による除電が繰返し行なわれる。
【0085】
さらに、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、潜像担持体たる感光体(56)は、図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ(53)によって一様帯電せしめられた後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光(L)の走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム(56)上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。感光体ドラム(56)の図中左側には、リボルバ現像ユニット(50)が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム(56)に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム(56)上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット(50)の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
【0086】
上記現像位置よりも感光体ドラム(56)の回転下流側には中間転写ユニットが配設されている。これは、張架ローラ(59a)、転写手段たる中間転写バイアスローラ(57)、2次転写バックアップローラ(59b)、ベルト駆動ローラ(59c)によって張架している中間転写ベルト(58)を、ベルト駆動ローラ(59c)の回転駆動によって図中時計回りに無端移動せしめる。感光体ドラム(56)上で現像されたイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像は、感光体ドラム(56)と中間転写ベルト(58)とが接触する中間転写ニップに進入する。そして、中間転写バイアスローラ(57)からのバイアスの影響を受けながら、中間転写ベルト(58)上に重ね合わせて中間転写されて、4色重ね合わせトナー像となる。
【0087】
回転に伴って中間転写ニップを通過した感光体ドラム(56)表面は、ドラムクリーニングユニット(55)によって転写残トナーがクリーニングされる。このクリーニングユニット(55)は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残トナーをクリーニングするものであるがファーブラシ、マグファーブラシ等からなるクリーニングブラシや、クリーニングブレードなどを用いるものであってもよい。
【0088】
転写残トナーがクリーニングされた感光体ドラム(56)表面は、除電ランプ(54)によって除電せしめられる。除電ランプ(54)には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などが用いられている。また、上記レーザ光学装置の光源には半導体レーザが用いられている。これら発せられる光については、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターにより、所望の波長域だけを用いるようにしてもよい。
一方、図示しない給紙カセットから送られてきた転写紙(60)を2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ対(61)は、転写紙(60)を中間転写ベルト(58)上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングで上記2次転写ニップに向けて送り込む。中間転写ベルト(58)上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写ニップ内で紙転写バイアスローラ(63)からの2次転写バイアスの影響を受けて転写紙(P)上に一括して2次転写される。この2次転写により、転写紙60上にはフルカラー画像が形成される。
【0089】
フルカラー画像が形成された転写紙(60)は、転写ベルト(62)によって紙搬送ベルト(64)に送られる。
搬送ベルトは(64)は、転写ユニットから受け取った転写紙(60)を定着装置(65)内に送り込む。
定着装置(65)は、送り込まれた転写紙(60)を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。
転写紙(60)上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて転写紙(60)上に定着せしめられる。
【0090】
なお、図示を省略しているが、転写ベルト(62)や搬送ベルト(64)には、転写紙(P)を吸着させるためのバイアスが印加されている。また、転写紙(60)を除電する紙除電チャージャや、各ベルト(中間転写ベルト(58)、転写ベルト(62)、搬送ベルト(64))を除電する3つのベルト除電チャージャが配設されている。また、中間転写ユニットは、ドラムクリーニングユニット(55)と同様の構成のベルトクリーニングユニットも備えており、これによって中間転写ベルト(58)上の転写残トナーをクリーニングする。
【0091】
図8は、本実施形態に係る画像形成装置の変形例である。この装置は、中間転写ベルト(87)を有するタンデム方式の画像形成装置であり、感光体ドラム(80)を各色で共有させるのではなく、各色用の感光体ドラム(80Y)、(80M)、(80C)、(80Bk)を備えている。また、ドラムクリーニングユニット(85)、除電ランプ(83)、ドラムを一様帯電せしめる帯電ローラ(84)も、各色用のものを備えている。なお、図7に示したプリンタではドラム一様帯電手段として帯電チャージャ(53)を設けていたが、この装置では帯電ローラ(84)を設けている。
タンデム方式では、各色の潜像形成や現像を並行して行なうことができるため、リボルバ式よりも画像形成速度を遙かに高速化させることができる。
【0092】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、下記実施例の態様に限定されるものではない。なお、下記の実施例及び比較例において使用する単位である「部」はいずれも重量基準である。
(実施例1)
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50(大日本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL(石原産業社製))90重量部を加えボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ90mm、長さ392mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し130℃20分間乾燥し厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC社製))4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記構造式(1)に示す。
【0093】
【化1】
【0094】
ビスアゾ顔料に10重量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行なった。これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗工し130℃20分間乾燥し厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0095】
次に、テトラヒドロフラン100重量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002重量部を溶解し、これに下記構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を加えて電荷輸送層用塗工液を作製した。こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、その後110℃20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
【0096】
【化2】
【0097】
次に、テトラヒドロフラン60重量部とシクロヘキサノン20重量部の混合溶媒に、パーフルオロアルコキシ樹脂微粒子(PFA)(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)18重量部、分散助剤(商品名:モディパーF210 日本油脂社製)2重量部を混合し、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)において、100MPa圧力下、1時間循環して、PFA分散液を得た。また、テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート16重量部を溶解した樹脂液を作成し、これに前記PFA分散液100重量部を加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した。こうして得られた保護層形成用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308 オリンポス社製)を用い、2kgf/cm2のエア圧でスプレー塗工を行ない、3回重ね塗りした後、130℃20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作製した。
このようにして得られた電子写真感光体の表面の任意の観察点10点について、サンプリングした塗膜表面をFE−SEM(S−4200形走査型電子顕微鏡 日立製作所社製)を用い、加速電圧2kvにおいて4000倍の表面を撮影し、得られたSEM写真を画像処理ソフト(IMAGE Pro Plus)を用いて、PFA粒子(一次粒子、および凝集した二次粒子)の個数、各粒子の平均直径、面積、面積比を解析し、平均直径0.15〜3μmの粒子の面積比の合計をS1、0.2〜1.5μmの粒子の面積比の合計をS2として、算出した。
【0098】
次に、本実施例に使用した重合トナーの製造例を示す。
1)単量体組成物の作製
スチレンモノマー 70部
n−ブチルメタクリレート 30部
ポリスチレン 5部
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2部
カーボンブラック 6部
上記の重合性単量体混合物をボールミルを用いて24時間分散混合して単量体組成物を調製した。
【0099】
2)造粒、重合
攪拌機、温度計、不活性ガス導入管及び細孔径110,000Å、細孔容積0.42cc/g、10φ×50mmの多孔質ガラス管を備えたフラスコに2%ポリビニルアルコール水溶液400mlを取り、窒素ガスを送りながら室温で攪拌を行ない、反応容器中の酸素を窒素置換した。
ついで1)の単量体組成物113gにアゾビスイソブチルニトリル1.56gを加え攪拌溶解し、ポンプを用いて多孔質ガラス管を通過させて、ポリビニルアルコール水溶液中へ加え、加え終ったのちポリビニルアルコールと単量体組成物の混合物を、前記ポンプと多孔質ガラス管を用いて約120ml/minの割合で2時間循環させたのち、内温を70℃とし8時間重合させた。
その後、室温まで冷却し一晩静置後、上澄液を除き水を加えて1時間攪拌後濾過、乾燥しトナーを得た。このトナーをコールターカウンターで粒子径を測定したところ、平均粒子径8.5μmで5〜0μm径の範囲にある粒子は全体の95%であり極めて狭い粒度分布であった。
また、形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当であり、この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度は0.98であった。
こうして得られた重合トナーをキャリアと4%のトナー濃度で混合して2成分現像剤とした。
【0100】
このようにして得られた2成分現像剤と、前述の製造方法と同様にして作製した別の電子写真感光体をフルカラー複合機 Imagio Color 5100(リコー社製)の改造機(画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換、更に潤滑剤塗布手段を除去、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を変更して、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節したのち、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ない、ランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
【0101】
ここで、クリーニング不良が原因と思われる地肌汚れについては、以下のようなランクを付けて評価した。
ランク5・・・地肌汚れがほとんどなく、良好なレベル
ランク4・・・わずかに地肌汚れが見られるがほとんど問題ないレベル
ランク3・・・やや地肌汚れが見られるが、実使用上問題ないレベル
ランク2・・・地肌汚れが目立ち、実使用上も好ましくないレベル
ランク1・・・実使用上、許容できないレベル
【0102】
(実施例2)
テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート16重量部を溶解した樹脂液に対して、PFA分散液を55重量部加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した以外は実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0103】
(実施例3)
テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート16重量部を溶解した樹脂液に対して、PFA分散液を300重量部加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層形成用塗工液を作製した以外は実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0104】
(実施例4)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散条件を、60MPa圧力下、20分間循環して、PFA分散液を作製した以外は、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0105】
(実施例5)
テトラヒドロフラン420重量部とシクロヘキサノン120重量部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート16重量部、前述の構造式(2)の電荷輸送物質10重量部を溶解して電荷輸送物質含有の樹脂液とした以外は実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0106】
(実施例6)
PFAの代わりに、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(PTFE)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0107】
(実施例7)
PFAの代わりに、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子(PTFE)を用いた以外は実施例2と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0108】
(比較例1)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散の代わりに、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで48時間分散して、PFA分散液を作製した以外は、実施例1と同様にして比較例1電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0109】
(比較例2)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散の代わりに、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで48時間分散して、PFA分散液を作製した以外は、実施例2と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0110】
(比較例3)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散の代わりに、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで48時間分散して、PFA分散液を作製した以外は、実施例3と同様にして比較例3の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0111】
(比較例4)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散の代わりに、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで48時間分散して、PFA分散液を作製した以外は、実施例6と同様にして比較例4の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0112】
(比較例5)
高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005 スギノマシン社製)による分散を行なったのち、超音波照射を行わなかった以外は、実施例1と同様にして比較例5の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
【0113】
(比較例6)
保護層形成時のスプレー塗工を1kgf/cm2のエア圧で、4回重ね塗りした以外は、実施例1と同様にして比較例6の電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。
こうして得られた評価結果を、表1に示す。
【0114】
【表1−1】
【0115】
【表1−2】
【0116】
(実施例8〜10、比較例7〜9)
実施例1〜3、比較例1〜3の電子写真感光体を、フルカラーレーザープリンター Imagio Color 8100(リコー社製)の改造機(クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を変更して、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、実施例1に記載の方法によって製造された重合トナー、現像剤を用い、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節したのち、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ない、ランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
こうして得られた結果を表2に示す。
【0117】
【表2−1】
【0118】
【表2−2】
【0119】
(実施例11〜13、比較例10〜12)
実施例1〜3、比較例1〜3の電子写真感光体を、図8の作像エンジンを搭載したコピースピード60枚/分(A4縦)のフルカラー複写機に搭載して、実施例1に記載の方法によって製造された重合トナー、現像剤を用い、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節したのち、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行ないランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。このとき、感光体の摩耗に対して負荷が加わるように、クリーニングブレード当接圧、現像部とのギャップ等の条件を調整した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。さらに、ランニング試験前の初期画像、ランニング試験後の耐久画像を出力し、画像品質についても評価を行なった。
こうして得られた評価結果を、表3に示す。
【0120】
【表3−1】
【0121】
【表3−2】
【0122】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が最表層膜中において、一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の(表面に露出した部分の投影像の)平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%〜60%であることを特徴とすることで、表面の摩擦係数を長期間繰り返し使用後においても、低減することができ、その結果、クリーニング不良を抑制し、感光体の耐摩耗性を向上することができることを見出した。これによって、例えば、球形の重合トナーを用いても、クリーニング不良が発生せず、安定して良好な画像を出力できる電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像家生成装置、画像形成方法、および、該画像形成装置用プロセスカートリッジが提供されるという、極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例の概略図である。
【図6】本発明の画像形成装置の他のプロセスを示す概略図である。
【図7】本発明の画像形成装置の例であるプリンタの概略構成図である。
【図8】本発明の画像形成装置の例であるプリンタの変形装置例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 クリーニングブラシ
15 ブレード
20 帯電チャージャ
21 像露光光源
22 感光体
23 駆動ローラ
24 テンションローラ
25 転写チャージャ
26 クリーニングブラシ
27 除電光源
50 現像ユニット
53 帯電チャージャ
54 除電ランプ
55 ドラムクリーニングユニット
56 感光体
57 バイアスローラ
58 中間転写ベルト
59a 張架ローラ
59b バックアップローラ
59c ベルト駆動ローラ
60 転写紙(像担持体)
61 レジストローラ
62 転写ベルト
63 紙転写バイアスローラ
64 搬送ベルト
65 定着ユニット
80 感光体
81 露光光源
82 現像ユニット
83 除電ランプ
84 帯電ローラ
85 クリーニングキット
86 バイアスローラ
87 中間転写ベルト
88 レジストローラ
89 紙(像担持体)
90 紙転写バイアスローラ
91 転写ベルト
92 搬送ベルト
93 定着ユニット
94 ファーブラシ
L レーザ光
P 転写紙
Claims (14)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真用感光体において、最表層にフッ素樹脂微粒子を含有し、該フッ素樹脂微粒子が、一次粒子及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子の最表層膜表面に露出した部分の投影像の平均直径をDとした場合、0.15≦D≦3μmの範囲にある粒子の、表面に占める(投影)面積比の合計が10%以上であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記フッ素樹脂微微粒子の一次粒子、及び一次粒子が複数個凝集して形成された二次粒子のうち、平均直径Dが0.2≦D≦1.5μmの範囲にある粒子の、表面に占める投影面積比の合計が10%〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記フッ素樹脂微粒子の最表層に占める割合が20vol%〜60vol%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、少なくとも電荷発生物質、電荷輸送物質を含有する層と、その上に積層された保護層とからなり、該保護層が少なくともバインダー樹脂とフッ素樹脂微粒子を含有する層であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子写真感光体。
- 前記最表層に少なくとも電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真感光体。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写するものであることを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の画像形成装置。
- 帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段の少なくとも一つと請求項1乃至5に記載の電子写真感光体とを具備してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段及び転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
- 少なくとも電子写真感光体表面を接触して摺擦する接触部材を具備してなることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
- 前記画像形成装置が複数の電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段を有するタンデム型であることを特徴とする請求項11または12の何れかに記載の画像形成方法。
- 前記画像形成装置が電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写したのち、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の画像形成方法。
Priority Applications (2)
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