JP4011424B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、車載用のSBWシステム(ステアバイワイヤ・システム)に関し、特に、車両の操舵操作に伴う操舵感を良好にするための操舵反力生成方式に関する。
【0001】
【従来の技術】
ステアバイワイヤ・システムとしては、例えば、公開特許公報「特開平5−105100:車両の操舵装置」に記載されているもの等が一般に広く知られている。
これらの従来装置の操舵機構においては、ステアリングホイール(以下、「ハンドル」或いは「操舵ハンドル」等と言う場合が有る。)に連結されている操舵軸に付与すべき操舵反力の生成方式に関して、例えば以下の様な特徴が見受けられる。
(特徴1)操舵角又は転舵反力に基づいて、操舵軸の駆動制御を実行する。
(特徴2)転舵反力に対して線形な操舵反力成分を生成する。
(特徴3)転舵反力センサを用いて転舵反力を検出する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術には、以下の様な問題点が有った。
(問題点1)転舵軸を駆動する転舵モータは、操舵角θに応じた制御量に基づいて制御される。一方、ハンドルを中立位置(θ=0)から切り始めた際には、転舵機構に働く転舵反力は転舵変位が生じてからしか発生しない。しかし、ハンドルを有する操舵軸は、検出された転舵反力に比例する制御量に基づいて駆動されるため、ハンドルを中立位置から切り始めた際には、その初期の操舵反力は、従来の油圧式のパワーステアリング装置等を操舵した場合に比べて小さくなってしまい、この時操舵操作に違和感が伴う。
【0003】
この様なハンドルの切り始めにおける操舵反力の応答性の問題は、分離された操舵機構の機械的な慣性や粘性等が比較的小さいこと等にも起因している。しかし、これらを機械的な構造上の観点から改造することは、部品点数、製造コスト、車体重量等に派生問題が生じるため、必ずしも望ましい処置とは言えない。
【0004】
(問題点2)運転者が操舵トルクを弱めた際には、転舵反力に応じて操舵ハンドルが中立点に向けて急速に戻ろうとして、中立点回りで振動が発生する場合が有る。
【0005】
(問題点3)線形な関数(1例:図1の破線)で転舵反力を変換し、その変換値に基づいて操舵軸の駆動制御を行うので、ハンドルを中立位置から切り始めた際に、操舵角が小さい領域で操舵反力の増加率が小さくならざるを得ず、中立位置付近におけるビルドアップ感(確り感)の弱い操舵感になってしまう。
【0006】
(問題点4)転舵反力センサは、高精度化する程大型化する傾向があるため、取り付け空間の確保、重量、コスト等の面で不利な点が多い。
また、転舵反力センサを用いて転舵反力を検出する場合、転舵反力センサのノイズが大きいと、このノイズに応じてハンドルが振動することがある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、車載用のSBWシステム(ステアバイワイヤ・システム)において、車両の操舵操作に伴う操舵感を良好にすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出したステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、路面反力等に基づいて転舵機構に働く転舵反力Fを検出する転舵反力センサとを備え、操舵トルクT、転舵反力F及び転舵反力Fの時間微分dF/dtを用いて、操舵アクチュエータの制御量uhを決定することである。
【0009】
尚、上記時間微分dF/dtに替えて、転舵反力Fの所定時間当たりの時間変動を表す物理量、即ち転舵反力Fの時間変化率に略比例する実時間変数であるような任意の物理量を使用することもできる。
【0010】
上記の本発明の第1の手段に従い、転舵反力とその時間微分に基づいて操舵軸を駆動すれば、例えば図2等からも判る様に、転舵反力の微分値dF/dtの立ち上がりに伴って、操舵反力を急峻に立ち上げることができるため、転舵反力に応じた操舵反力を速やかに付与することが可能となる。
【0011】
また、中立点近傍において、転舵反力Fは転舵変位量xに略比例するため、転舵反力の微分値dF/dtは、転舵変位量の微分値dx/dt(≡v)に略比例する。したがって、微分値dF/dtを用いれば、転舵速度vに略比例する項(−av;a>0)を生成することができる。この項は転舵機構の粘性抵抗を表現する項として用いることもできる。したがって、この様な項(−av)を操舵反力を生成する項の中に含めると、例えば転舵後に操舵トルクを急に弱めた際等に、操舵ハンドルが中立点に向けて急速に戻ることを抑制する項(ダンパー作用項)として働くため、この項により操舵軸の振動を抑制することができる。
【0012】
これらの作用により、転舵反力に現れる路面情報を違和感無く運転者に伝えることができると伴に、ビルドアップ感(確り感)のある頑強かつ滑らかな操舵感を生成することが可能となる。
【0013】
また、本発明の第2の手段は、ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出したステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、路面反力等に基づいて転舵機構に働く転舵反力Fを検出する転舵反力センサと、転舵反力Fを独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段とを設け、操舵トルクT、及び従属変数Yを用いて、操舵アクチュエータの制御量uh を決定することである。
【0014】
ただし、ここで広義の単調減少関数とは、所定の定義域{x|x1 ≦x≦x2 }において、「x1 ≦∀a<∀b≦x2 ⇒『f(x1 )≧f(a)≧f(b)≧f(x2 )、かつ、f(x1 )>f(x2 )』」なる関数fのことを言うものとする。また、上記の従属変数Yがzにより微分又は偏微分できない点が有る場合には、その点近傍の変化率やその点近傍の平均変化率等を適当に代用するものとする。
【0015】
例えば、図1の実線のような関数を用いて転舵反力を変換し、その変換値に基づいて操舵軸を駆動することによって、ハンドルを中立位置から切り始めた際に、操舵角が小さい領域ほど操舵反力の増加率が大きくなる。
したがって、この様な操舵反力の生成手段によっても、ビルドアップ感の良い操舵感が得られる。
【0016】
また、第3の手段は、ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出したステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、路面反力等に基づいて転舵機構に働く転舵反力の推定値Fhを、転舵アクチュエータの制御量ur、及び転舵変位量xを用いて算定する転舵反力推定手段とを設け、操舵トルクT、及び推定値Fhを用いて、操舵アクチュエータの制御量uhを決定することである。
【0017】
この様に、転舵反力の推定値を使用することによって、転舵反力センサが不要になる。また、転舵反力センサのノイズに起因した振動が発生しない。
したがって、転舵反力の推定値を使用する場合、コストを低減できると伴に、より滑らかな操舵感が得られる。
【0018】
また、上記の本発明の第1から第3の手段は、任意に組み合わせて構成することが可能であり、これらの間には、「転舵反力推定手段を設ける際には転舵反力センサの設置が必要なくなる」と言う点以外には、特段の背反要件はない。
したがって、これらの個々の手段を任意に組み合わせることにより、上記の第1から第3の各手段における各作用・効果をその組み合わせに応じて同時に得ることも可能である。
【0019】
即ち、本発明の第4の手段は、上記の第1の手段において、転舵反力Fを独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段を備え、転舵反力Fの所定係数倍GpfFの代わりに従属変数Yを用いて、操舵アクチュエータの制御量uh を決定することである。
【0020】
また、第5の手段は、上記の第3の手段において、操舵トルクT、推定値Fh 、及び推定値Fh の時間微分dFh /dtを用いて、操舵アクチュエータの制御量uh を決定することである。
【0021】
また、第6の手段は、上記の第3の手段において、推定値Fh を独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段を設け、操舵トルクT、及び従属変数Yを用いて、操舵アクチュエータの制御量uh を決定することである。
【0022】
また、第7の手段は、上記の第6の手段において、操舵トルクT、従属変数Y、及び推定値Fh の時間微分dFh /dtを用いて、操舵アクチュエータの制御量uh を決定することである。
以上の様な第4乃至第7の何れか一つの手段に見られる各種の組み合わせによっても、前記の第1から第3の各手段における各作用・効果をその組み合わせに応じて同時に得ることができる。
【0023】
また、本発明の第8の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段において、操舵アクチュエータの制御量uh 、又は、転舵アクチュエータの制御量ur を車速Vに応じて変更するステアリングギヤ比可変手段を設けることである。
この様な手段を具現するものとしては、例えば、後述の実施例の中でも言及される、図7、図11、或いは図12等に例示された各種のゲイン係数調整手段等が考えられる。
【0024】
これらのステアリングギヤ比可変手段により、例えば、操舵角θに対する転舵角(転舵変位量x)の比等を車速Vに応じて任意に変更することが可能となる等の作用が得られ、これらの作用により、高速走行時等に、直進性に優れ、比較的頑強で安定感のある操舵感が生成できる等の効果が得られる。
即ち、この様な手段によれば、操舵感を車速Vに応じて最適化或いは好適化することが可能又は容易となる。
【0025】
また、この様なチューニングによれば、ラグジュアリータイプの車両、スポーツタイプの車両、中小形の車両などの各種の車両の特性や想定される顧客層の好み等に応じて、任意に操舵感を調整することができるため、上記の手段は車両に大きな付加価値を付与する手段として産業上の利用価値が高い。
【0026】
更に、本発明の第9の手段は、上記の第1乃至第8の何れか1つの手段において、操舵トルクT又は操舵角θを独立変数λ(−a≦λ≦a)として持ち、「λ>0⇒F(λ)≦0」と「F(−λ)=−F(λ)」を満たし、且つ、1周期の略正弦波形状又は略鋸波形状、或いは略N字形状を有する関数F(λ)で表される中立感補償トルクTCを、操舵アクチュエータの制御量uhを生成する項の1つとして含めることである。
【0027】
この様な手法は、例えば、公開特許公報「特開2002−087300:電動パワーステアリング装置」等に記載されている公知の従来技術の中にも見られるが、分離された操舵機構の機械的な慣性や粘性等が比較的小さいSBWシステムを採用する車両においては特に、この様な手法を上記の本発明の何れか1つの手段と適度に組み合わせることにより、より一層の操舵安定感を生成することが望ましい。
【0028】
この場合、転舵反力に現れる路面情報を低減させない範囲で適度に、上記の中立感補償トルクTC を付加的に付与することが望ましいが、例えばこの様な手段の追加によっても、各種の車両の特性や想定される顧客層の好み等に応じて、任意に操舵感を調整することができる。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
図3は、本実施例のステアリング制御装置100のシステム構成図である。このステアリング制御装置100は、運転者が操作するステアリングホイール(ハンドル)1を有する操舵機構と、転舵輪16を転舵する転舵機構と、これらの操舵機構と転舵機構との連動制御を電気的に行う制御装置(コンピュータ)8等から構成されている。
【0030】
操舵機構は、操舵反力を生成する操舵アクチュエータ(反力モータ5)を備える。反力モータ駆動回路6は、制御装置8から与えられる制御量(uh )に応じて反力モータ5を駆動する。反力モータ5の出力軸は減速器を介して操舵軸(ステアリングシャフト)2に連結されており、この操舵軸2は操舵ハンドル1に連結されている。
【0031】
操舵軸2には、この軸の回転角である操舵角θを検出する操舵角センサ3と、操舵軸2に加わる操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサ4が配設されている。ただし、操舵角センサ3の代わりに、反力モータの回転角を検出する反力モータ角センサを備え、反力モータの回転角から操舵角θを推定してもよい。この場合、減速比のみに基づいて反力モータの回転角を操舵角θに換算してもよいし、操舵軸の捩れ剛性を考慮して、操舵角θを補正してもよい。
【0032】
一方、転舵機構は、転舵輪13を転舵する転舵アクチュエータ(転舵モータ11)を備える。転舵モータ駆動回路9は、制御装置8から与えられる制御量(ur )に応じて転舵モータ11を駆動する。転舵モータ11の回転運動を直線運動に変換する変換器(減速器12)は、例えば、ボールねじ機構等から構成することができる。転舵軸13の両端は、タイロッド14、ナックルアーム15を介して転舵輪16に接続されている。
【0033】
転舵軸13には、この軸の転舵変位量xを検出する転舵変位量センサ10と、外部(転舵輪16側)から転舵軸13に加わる転舵反力Fを検出する図示しない転舵反力センサとを備えても良いが、本実施例では、後者の転舵反力センサを外乱オブザーバにて置換した構成例について詳しく例示する。
【0034】
また、転舵変位量センサ10の代わりに、転舵モータの回転角を検出する転舵モータ角センサを備え、この転舵モータの回転角から転舵変位量xを推定してもよい。この場合、減速比のみで換算してもよいし、転舵軸13の軸方向の剛性を考慮して補正してもよい。
【0035】
制御装置8には、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ4、転舵変位量センサ10、車速センサ7の各検出結果(操舵角θ,操舵トルクT,転舵変位量x,車速V)が入力され、これらの検出結果を基に、反力モータ5と転舵モータ11が所定の駆動力を出力するように各駆動回路(6,9)へ制御信号(反力モータの制御量uh ,転舵モータの制御量ur )を出力する。
【0036】
図4は、ステアリング制御装置100の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラムである。
反力モータ駆動回路6への制御信号(反力モータの制御量uh )は、反力モータの制御量演算器85により算出される。
一方、転舵モータ駆動回路9への制御信号(転舵モータの制御量ur )は、位置制御器82により算出される。この位置制御器82は、目標値演算器81が算出する転舵変位量の目標値xref と、転舵変位量センサ10が検出した転舵変位量xに基づいて、周知のPD制御により転舵モータの制御量ur を算出する。
【0037】
転舵反力推定器88は、転舵変位量xと転舵モータの制御量ur に基づいて転舵反力Fの推定値Fh を算定する。
この転舵反力推定器88は、転舵反力Fを直接的に検出する転舵反力センサと置換することも可能であるが、以下の実施例では、転舵反力推定器88を有するステアリング制御装置(100)について詳しく述べる。
【0038】
図5は、ステアリング制御装置100の制御装置8が実行する制御手順の概要を例示するフローチャートである。この制御手順は、図4のステアリング制御を具現する手段である。
この制御手順では、まず最初に、ステップ510によりシステムの初期化を行う。この初期化は、制御変数の初期化等の処理が中心である。これらの具体的な内容については、後から断片的に例示する。
【0039】
ステップ520では、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ4、転舵変位量センサ10、車速センサ7の各検出結果(操舵角θ,操舵トルクT,転舵変位量x,車速V)を入力する。
ステップ530では、転舵モータ制御を行うサブルーチン(図6)を呼び出して実行する。このサブルーチンは、図4の目標値演算器81と位置制御器82を具現するサブルーチンである。
【0040】
ステップ540では、転舵反力を求める。この転舵反力は、転舵反力センサにて直接的に検出された信号から求めても良いが、本実施例では、転舵反力推定器88により、転舵変位量xと転舵モータの制御量ur に基づいて転舵反力Fの推定値Fh を算定する手順について詳しく例示する。
ステップ550では、反力モータ制御を行うサブルーチン(図10)を呼び出して実行する。このサブルーチンは、図4の反力モータの制御量演算器85を具現するサブルーチンである。
【0041】
ステップ560では、ステップ520以降の処理を定期的(1例:0.5ms周期)に実行するために、タイマ割り込みの予約設定処理等を行い、タイマ割り込みの待ち状態に遷移する。
次に、ステップ530でサブルーチンとしてコールされる転舵モータ制御を行うサブルーチン(図6)に付いて、詳細に説明する。
【0042】
1.転舵軸の制御手順
図6は、図3の制御装置8により具現される転舵モータ制御部(即ち、上記の目標値演算器81、及び位置制御器82)が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
【0043】
操舵角θから転舵変位量xの目標値xref を式(1)により決定する。伝達比Gr には定数を用いても良いが、操舵角θや車速V等に応じて、例えば図7の様なマップ(a),(b)を用いて、「Gr =gr1×gr2」の様な形式にして、決定してもよい。例えばこの様な車速に応じた設定によれば、本発明のステアリングギヤ比可変手段を具現することが可能である。
【0044】
【数1】
xref =Gr θ …(1)
例えばこの様にして、目標値演算器81の演算処理(ステップ620、及びステップ640)を実行することができる。
【0045】
偏差(xref −x)、及びその時間微分d(xref −x)/dtに基づいて転舵モータ11の制御量ur を式(2)により決定し、転舵変位量xが上記の目標値xref に追従するように駆動制御を行う。ゲイン係数Gpx,Gdxは定数である。
【数2】
ur =Gpx(xref −x)+Gdx・d(xref −x)/dt …(2)
例えばこの様にして、位置制御器82の演算処理(ステップ660、及びステップ680)を実行することができる。
【0046】
以下、外乱オブザーバに関する演算手法により、この転舵反力の推定値Fh を算定する手順(図5のステップ540)について、図8と図9を用いて具体的に例示する。
【0047】
2.転舵反力の推定手順
転舵機構の運動方程式は式(3)で記述される。ただし、ここで、Mは、ラック軸質量やモータの慣性(イナーシャ)等から決まる転舵機構の転舵変位方向の有効質量である。また、fは転舵モータ11、変換器(減速器12)等の転舵機構内部に生じる摩擦力である。この摩擦力fには、予め測定しておいた値を使用しても良いし、或いは、摩擦力fを下記のx,vの関数として求めておいても良い。
【数3】
M・d2 x/dt2 =ur −f−F≡d …(3)
【0048】
ここで、力dを外乱オブザーバにおける外乱とみなせば、図9の式(a)の形で表現される外乱オブザーバを構成することができる。ただし、以下、行列Gはオブザーバゲイン(3行2列の定数行列)であり、Fh ,xh ,vh ,dh は、それぞれF,x,v,dの各推定値を表す。また、変数v(転舵速度)は、次式(4)で定義するものとする。
【数4】
v = dx/dt …(4)
【0049】
時刻kにおけるオブザーバの状態量をx0 (k) (3行1列の列ベクトル)とする。この時、オブザーバゲインGを極配置法によって決定し、サンプリング時間を適当な時間間隔(1例:約0.5ms程度)で離散化すると、上記の状態量x0 (k) は、図9の式(b)の形で、逐次算出することができる。したがって、上記の力dの推定値dh は、図9の式(c)の形で、逐次算出することができる。
ただし、ここで、kはサンプリング時刻を表す時刻パラメータ(整数変数)であり、行列A,Cはそれぞれ3行3列の定数行列、行列B,Dはそれぞれ3行2列の定数行列である。また、状態量x0 (k) の初期値x0 (0) は0ベクトルで良い。また、転舵速度vの初期値v(0) も0で良い。
【0050】
したがって、上記の力dの推定値dh を用いて、転舵反力Fの推定値Fh は、次式(5)にて逐次求めることができる。
【数5】
Fh (k) = ur (k) −f(k) −dh (k) …(5)
【0051】
例えばこの様にして、転舵反力センサの検出値Fの代わりに、転舵反力の推定値Fh を用いて、反力モータの制御量uh を設定すれば、転舵反力センサが不要になるのでコストを低減できる。また、転舵反力センサのノイズに起因する振動が発生しないので、滑らかな操舵感が得られる。
【0052】
尚、転舵反力センサの検出値や上記式(5)の推定値Fh の代わりに、次式(6)で定義されるFfh に基づいて、反力モータの制御量uh を設定する様にしてもよい。
【数6】
Ffh (k) ≡Fh (k) +f(k) =ur (k) −dh (k) …(6)
この変数Ffh は、摩擦力fをも含んだ形をしているので、このFfh を用いることによって、転舵反力Fだけでなく摩擦力fにも応じた操舵反力を付与することができる。これにより、ハンドルを中立位置から切り始めた際に、操舵反力が図2の破線のようにより速やかに立ち上がるので、より違和感の無い操舵感が得られる。
【0053】
また、式(5)の代わりに式(6)を用いれば、プログラム開発時に予め摩擦力fを経験的に求めて与えておいたり、或いは、x,vを独立変数とする関数を用いる等して摩擦力fを動的に実時間で算出たりする必要が無くなると言う利点も同時に得られる。
【0054】
これらの理論に基づいて、図4の本発明に係わる転舵反力推定器88(即ち、図5のステップ540)を構成することができる。
図8は、制御装置8により具現される転舵反力推定器88が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
【0055】
本制御手順では、まず、最初に、ステップ910により、上記の式(4)により、転舵軸の移動速度v(k) の値を求める。
次に、ステップ920では、図9の式(c)によりdh (k) の値を求める。
ステップ930では、上記の式(6)により、Ffh (k) の値を求める。
ステップ940では、このFfh の値を、転舵反力を表す変数Fに代入する。これにより、反力モータの制御量演算器85において、転舵反力Fの値が参照可能となる。
【0056】
ステップ950及びステップ960では、次回の制御周期における演算処理の準備をしておく。即ち、ステップ950では、図9の式(b)に従って、x0 (k+1) の値を算出し、所定の記憶領域に記憶しておく。
また、ステップ960では、時刻パラメータkを更新する。
【0057】
尚、ステップ960の処理は、前述のステップ560の中で実行しても良い。また、k=0,x0 (0) =0,v(0) =0等の各種の使用変数の初期化処理は、前述のステップ510で実行するものとする。
【0058】
次に、図5のステップ550でサブルーチンとしてコールされる反力モータ制御に付いて、詳細に説明する。
【0059】
3.操舵軸(反力モータ)の制御手順
反力モータ5の制御量uh は、操舵トルクTとその時間微分dT/dt、及び転舵反力Fとその時間微分dF/dtに基づいて決定することができる。例えば、反力モータ5の制御量uh は、次式(7)に従って決定しても良いが、本実施例では、下記の式(8)により反力モータ5の制御量uh を決定する例を示す。ただし、ここで、ゲイン係数Gpt、Gdt、Gpf、Gdfは適当な定数であり、式(7)、(8)の各右辺の第3項及び第4項の転舵反力Fには、前述の推定値Fh を代入するものとする。
【数7】
uh =GptT+Gdt・dT/dt−GpfF−Gdf・dF/dt …(7)
【数8】
uh =GptT+Gdt・dT/dt−fpf(F)−Gdf・dF/dt…(8)
【0060】
上記の式(7),(8)の各々の第3項と第4項は、操舵トルクが付与された方向と逆方向に作用する制御量である。第3項によってセルフアライニングトルク等の転舵反力に応じた操舵反力が生成される。また、第4項によって転舵反力に対して速やかに操舵反力が生成されると伴に、転舵反力に起因する振動が抑制される。そのため、転舵反力(路面情報)を違和感無く運転者に伝えることができると伴に、滑らかな操舵感が得られる。
【0061】
一方、第1項と第2項は、操舵トルクが付与された方向に操舵軸を回転させるための制御量である。第1項によって減速器の摩擦に起因する操舵反力が抑制され、第2項によって反力モータのコギングに起因する振動が抑制される。そのため、転舵反力に応じた操舵反力を正確に付与することができる。
【0062】
これらの理論に基づいて、図4の本発明に係わる制御量演算器85(即ち、図5のステップ550でサブルーチンとしてコールされる反力モータ制御)を構成することができる。
図10は、制御装置8により具現される反力モータの制御量演算器85が実行する制御手順を例示するフローチャートである。
まず、ステップ810では、式(8)の演算を実行する準備として、操舵トルクT、及び転舵反力Fの時間微分の値を求める。
次に、ステップ830では、式(8)のゲイン係数Gdfを決定する。
【0063】
図11は、ゲイン係数Gpf,Gdfの算出に用いられるデータマップを例示するグラフである。ゲイン係数Gpf,Gdfは、車速Vに応じて図11のようなマップ(a),(b)に基づいて変更してもよい。例えばこの様に、車速Vが大きい時程ゲイン係数Gpf,Gdfを大きくすることによって、車速Vが大きい時程操舵反力が大きくなるので、操舵感がより向上する。
【0064】
この様に車速Vに応じて、ゲイン係数Gpf,Gdfを最適化する手段も、本発明のステアリングギヤ比可変手段を具現する一例である。また、ゲイン係数Gpfを大きくすると制御系の安定性が悪化して振動が発生しやすくなるが、同時にゲイン係数Gdfも大きくすることによって振動を抑制できるので、この様な設定によっても滑らかな操舵感が得られる。
【0065】
次に、ステップ850では、式(8)の第3項を決定する。ここで、上記の関数fpf(F)は図12の様に車速Vに依存した関数にしてもよい。図12は、上記の式(8)の第3項として利用することができる関数fpf(F,V)の設定形態を例示するグラフである。
【0066】
転舵反力が小さい領域ほど操舵反力の増加率を大きくすること(急峻立ち上げ手段)によって、ハンドルを中立位置から切り始めた際に、操舵反力は図1、或いは図2のようになるので、ビルドアップ感の良い操舵感が得られる。更に、図12に例示する様な車速Vに依存する関数fpf(F,V)を用いることにより、車速Vに応じて式(8)の第3項を最適化することが可能となる。例えばこの様な手段も、本発明のステアリングギヤ比可変手段を具現する一例である。この様な設定に従えば、車速Vが大きい時程操舵反力が大きくなるので、操舵感がより向上する。
【0067】
これらの手順により、式(8)の各項を求めることができる。ステップ870では、式(8)の演算処理を実行する。ステップ890では、ステップ870で算出した制御量uh を反力モータ駆動回路6に出力する。
【0068】
以上の制御手順により、安い生産コストで所望の操舵感を生成することが可能或いは容易となる。
尚、前記のステップ540では、転舵反力センサを用いて転舵反力Fを直接測定する代わりに、転舵反力モータの制御量uh と転舵変位量xに基づいて、転舵反力Fの値を推定しているが、転舵反力センサを有するステアリング制御装置(SBWシステム)においては、勿論、転舵反力Fを転舵反力センサから直接求める様にしても良い。この場合には、部品コストやノイズ対策等が問題となる場合もあるが、しかし、この様な方式によれば、上記の外乱オブザーバに関して、それらの開発工数や運用時のCPUオーバヘッド等を削減或いは抑制することができる。
【0069】
〔その他の変形例〕
前述の実施例においては、前記の式(7)或いは式(8)の制御量uh は、操舵トルクT,転舵反力F、及びそれらの各時間微分の値に基づいて、決定されているが、反力モータ5の制御量uh には、操舵角θに依存する項を追加しても良い。
以下、その様な、式(7)或いは式(8)の右辺に追加すべきθ依存項について例示する。
【0070】
例えば、その様なθ依存項としては、次の中立感補償トルクTC 等を考えることができる。この中立感補償トルクTC は、例えば次式(9)の様に決定することができる。ただし、操舵角θは、中立点において0である。
【数9】
TC =G3・G1・F(Θ),
Θ=θ/(μ+G1) …(9)
【0071】
図13は、上記の式(9)の演算手順を例示する制御ブロックダイヤグラムである。
ここで、ゲインG1には、図示する様な車速依存性が与えられている。また、有効領域制限部262は、操舵速度推定部266により推定された操舵速度ωに基づいて、ゲインG3に操舵速度依存性を与えるものである。分母のμは、0<μ<4程度の適当な定数である。
【0072】
操舵速度推定部266は、反力モータ5の回転角θM や操舵トルクTの時間に対する変化率等に基づいて操舵速度ωを推定する。また、中立位置学習部261は、操舵角を相対的に表す角度θH 等から中立位置θ0 を経験的に割り出す制御ブロックで、その差分(θH −θ0 )から、絶対的な操舵角θが算出される。
【0073】
以上の様な有効領域制限部262や車速依存ゲインG1演算部263等の作用により、高速走行時で、特に安定した中立感が期待される操舵速度領域、即ち、ω≒0なる低速操舵領域においてのみ、所望とされる中立感補償トルクTC が出力される。
また、上記の式(9)の「Θ=θ/(μ+G1)」なる車速依存性もまた、本発明のステアリングギヤ比可変手段を具現する一例と考えることができる。
【0074】
以上の様な操舵角依存項生成手段は、例えば、公開特許公報「特開2002−087300:電動パワーステアリング装置」等に記載されている公知の従来技術の中にも見られるが、特に、分離された操舵機構の機械的な慣性や粘性等が比較的小さいSBWシステムを採用する車両においては、これらの様なθ依存性を有する操舵反力生成手法を上記の実施例等と適度に組み合わせることにより、車種や想定される顧客層の好み等に応じて、より一層の操舵安定感を生成することも可能であり、付加的なチューニング技術として期待できる。
【0075】
この場合、転舵反力に現れる路面情報を低減させない範囲で適度に、θ依存項(1例:上記の中立感補償トルクTC )を付加的に、前記の式(7)或いは式(8)の制御量uh に付与することが望ましいが、例えばこの様な手段の追加によっても、操舵感を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の急峻立ち上げ手段の構成を説明するグラフ。
【図2】本発明の作用・効果を説明するグラフ。
【図3】本発明の実施例に係わるステアリング制御装置100のシステム構成図。
【図4】ステアリング制御装置100の制御装置8の操舵反力生成方式に係わる論理的な主要構成を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【図5】ステアリング制御装置100の制御装置8が実行する制御手順の概要を例示するフローチャート。
【図6】制御装置8により具現される転舵モータ制御部(目標値演算器81、位置制御器82)が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図7】伝達比Gr の算出に用いられるデータマップを例示するグラフ。
【図8】制御装置8により具現される転舵反力推定器88が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図9】転舵反力推定器88が使用するベクトル演算公式をまとめた公式表。
【図10】制御装置8により具現される反力モータの制御量演算器85が実行する制御手順を例示するフローチャート。
【図11】ゲイン係数Gpf,Gdfの算出に用いられるデータマップを例示するグラフ。
【図12】関数fpf(F,V)の設定形態を例示するグラフ。
【図13】その他の変形例における演算手順を例示する制御ブロックダイヤグラム。
【符号の説明】
100 … ステアリング制御装置
1 … ステアリングホイール(ハンドル)
2 … 操舵軸(ステアリングシャフト)
3 … 操舵角センサ
4 … 操舵トルクセンサ
5 … 反力モータ
6 … 反力モータ駆動回路
7 … 車速センサ
8 … 制御装置(コンピュータ)
9 … 転舵モータ駆動回路
10 … 転舵変位量センサ
11 … 転舵モータ
12 … 減速器
13 … 転舵軸
81 … 目標値演算器
82 … 位置制御器
85 … 反力モータの制御量演算器
88 … 転舵反力推定器
T … 操舵トルク
F … 転舵反力
V … 車速
θ … 操舵角
x … 転舵変位量
xref … 転舵変位量の目標値
ur … 転舵モータの制御量
uh … 反力モータの制御量
Fh … 転舵反力の推定値
f … 転舵機構内部に生じる摩擦力
G … オブザーバゲイン(3行2列の定数行列)
k … サンプリング時刻を表す時刻パラメータ
x0 (k) … 時刻kにおけるオブザーバの状態量
A,C … 3行3列の定数行列
B,D … 3行2列の定数行列
Claims (9)
- ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出した前記ステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、
前記ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、
路面反力等に基づいて前記転舵機構に働く転舵反力Fを検出する転舵反力センサと
を有し、
前記操舵トルクT、前記転舵反力F及び前記転舵反力Fの時間微分dF/dtを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uhを決定する
ことを特徴とするステアリング制御装置。 - ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出した前記ステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、
前記ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、
路面反力等に基づいて前記転舵機構に働く転舵反力Fを検出する転舵反力センサと、
前記転舵反力Fを独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、前記従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段と
を有し、
前記操舵トルクT、及び前記従属変数Yを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uhを決定する
ことを特徴とするステアリング制御装置。 - ステアリング・ホイールに操舵反力を付与する操舵アクチュエータを有する操舵機構と、操舵角センサにより検出した前記ステアリング・ホイールの操舵角θと転舵変位量センサにより検出した転舵変位量xとに基づいて決定される制御量u r により転舵軸を駆動する転舵アクチュエータを有する転舵機構とを機械的に分離し、これら双方を連結する連結機構を電気的な連動機構にて代替的に構成した、ステアバイワイヤ・システムにおいて、
前記ステアリング・ホイールに運転者が付与する操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサと、
路面反力等に基づいて前記転舵機構に働く転舵反力の推定値Fhを、前記転舵アクチュエータの制御量ur、及び前記転舵変位量xを用いて算定する転舵反力推定手段と
を有し、
前記操舵トルクT、及び前記推定値Fhを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uhを決定する
ことを特徴とするステアリング制御装置。 - 前記転舵反力Fを独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、前記従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段を有し、
前記転舵反力Fの所定係数倍GpfFの代わりに前記従属変数Yを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uh を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。 - 前記操舵トルクT、前記推定値Fh 、及び前記推定値Fh の時間微分dFh /dtを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uh を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載のステアリング制御装置。 - 前記推定値Fh を独立変数zとして持ち、Y=fpf(z)=−fpf(−z)を満たし、かつ、原点近傍の所定の定義域{z|0≦z<ε}において従属変数Yの増加率(dY/dz又は∂Y/∂z)が広義の単調減少関数となる関数fpf(z)により、前記従属変数Yの値を算出する急峻立ち上げ手段を有し、
前記操舵トルクT、及び前記従属変数Yを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uh を決定する
ことを特徴とする請求項3に記載のステアリング制御装置。 - 前記操舵トルクT、前記従属変数Y、及び前記推定値Fh の時間微分dFh /dtを用いて、前記操舵アクチュエータの制御量uh を決定する
ことを特徴とする請求項6に記載のステアリング制御装置。 - 前記操舵アクチュエータの制御量uh 、又は、
前記転舵アクチュエータの制御量ur
を車速Vに応じて変更するステアリングギヤ比可変手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のステアリング制御装置。 - 前記操舵トルクT又は前記操舵角θを独立変数λ(−a≦λ≦a)として持ち、
「λ>0⇒F(λ)≦0」と「F(−λ)=−F(λ)」を満たし、且つ、
1周期の略正弦波形状又は略鋸波形状、或いは略N字形状を有する
関数F(λ)で表される中立感補償トルクTCを、前記操舵アクチュエータの制御量uhを生成する項の1つとして含む
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のステアリング制御装置。
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