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JP4025845B2 - 木材の曲げ加工方法及び木材の曲げ加工装置 - Google Patents
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JP4025845B2 - 木材の曲げ加工方法及び木材の曲げ加工装置 - Google Patents

木材の曲げ加工方法及び木材の曲げ加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材を例えば塑性曲げ加工するときに用いられる木材の曲げ加工方法及び木材の曲げ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、楽器、建材、家具、自動車内装材、一般的な木製品等を製造する場合、木材を例えば塑性曲げ加工する技術が必要である。この塑性曲げ加工の一例として、木材を高温高圧の水蒸気雰囲気中で加熱して軟化させた後、この木材を曲げ木成形プレスによって曲げると共に乾燥させて、木材の形状を固定する方法がある。また、他の例として、木材を蒸気またはマイクロ波で加熱して軟化させた後、この木材をその繊維方向(縦方向)に圧縮してから、曲げ加工を実行する方法がある。更に、他の例(特公平2−31646号)として、直線状の狭い通路の中に木材を通しながらマイクロ波をかけて加熱して軟化させた後、この木材を湾曲した通路の中に圧入して、曲げ加工する装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成のうちの、曲げ木成形プレスを用いる方法の場合、加熱軟化処理と、曲げ処理と、乾燥処理という3段階の処理が必要になるので、作業時間が非常に長くなるという問題点があった。また、縦方向圧縮を行った後、曲げ加工する方法の場合も、加熱軟化処理と、圧縮処理と、曲げ処理と、乾燥処理とが必要であるので、やはり作業時間が非常に長くなるという問題点があった。更に、上記2つの方法の場合、木材を連続的に曲げ加工することは全く考えることができなかった。
【0004】
これに対して、特公平2−31646号の装置の場合、木材を連続的に曲げ加工することが可能であるかもしれないと考えられたので、本発明者らは、この装置を実際に試作し、この試作装置によって木材を曲げ加工してみた。この結果、次のようなことがわかった。まず、この試作装置によると、圧縮側に応力集中が起こり難いため、曲げ加工がし易いという良い点があった。
【0005】
しかし、上記試作装置の場合、ブナのように曲げ易い木材であっても、曲率半径/材料厚の比(曲げ限界係数ともいう)が6以下の木材であると、曲げることができず、破損してしまった。また、上記試作装置によって曲げ加工を良好に行うためには、直線状の狭い通路の中に木材を通しながらマイクロ波をかけて加熱軟化させるときに、木材を加圧下で100℃以上の環境条件に設定しなければならないことがわかった。
【0006】
この環境条件を実現するためには、直線状の狭い通路の中に、少なくとも2か所の狭い部分を設け、この狭い部分に木材を圧入することにより、木材で閉鎖される構造(圧力が高くなる空間部)を作っている。しかし、このような閉鎖構造があると、木材と通路との間の摩擦抵抗が大きくなるため、木材を移動させることがかなり困難となった。反対に、上記摩擦抵抗を小さくして移動し易くすると、十分な閉鎖構造とならないため、木材を加圧することができず、上記環境条件を実現できない。従って、上記試作装置を実際に運用すること(即ち、製品化すること)はかなり難しいという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、曲げ難い(曲率半径/材料厚の比が6以下の)木材であっても、成形(曲げ)加工することができ、また、木材を連続的に成形加工することを可能にして、作業時間を短縮することができる木材の曲げ加工方法及び木材の曲げ加工装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の木材の曲げ加工方法は、加熱軟化装置により棒状の木材を蒸気またはマイクロ波で加熱して軟化させる加熱軟化工程と、前記加熱軟化工程を実行して加熱軟化された木材を直線状をなす筒状金型内に収容した状態で前記加熱軟化された木材を一方向へ押して前記筒状金型内を移動させる工程と、前記移動させる工程を実行して移動された加熱軟化された木材を前記筒状金型の出口に設けられた絞り金型内に通すことにより、前記加熱軟化された木材を移動方向へ圧縮すると共に前記加熱軟化された木材の外周部を径方向へ圧縮するように絞る工程と、前記絞る工程を実行して移動方向及び径方向へ圧縮された木材を前記絞り金型の出口に設けられた成形金型内に通すことにより、前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材を曲げ加工する工程とを備えたところに特徴を有する。
【0009】
上記方法によれば、加熱軟化した棒状の木材を、筒状金型内を押して移動させながら、絞り金型内に通すようにしたので、加熱軟化した棒状の木材は、移動方向に圧縮(縦方向圧縮)されると共に、径方向内方へも圧縮されるようになる。そして、このように圧縮された木材は、容易に成形(曲げ)加工できることを、試作・実験で確認している。また、曲率半径/材料厚の比が6以下の木材であっても、成形(曲げ)加工できることを確認している。
【0010】
更に、本発明の方法によれば、含水率の低い木材を使用しても、十分良好に成形(曲げ)加工可能であることも確認している。そして、成形(曲げ)加工した後の木材は、冷却するだけで、その加工状態を固定可能であることも確認している。従って、絞り金型を出た木材を、連続的に成形(曲げ)金型内に通すように構成したので、木材を連続的に成形(曲げ)加工することが可能となる。これにより、作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0011】
また、上記構成の場合、前記木材を前記絞り金型の出口に設けられた成形金型内に通すことにより、前記木材の断面形状を変形加工する工程を備えることも良い構成である。更に、前記筒状金型を加熱することが好ましい。更にまた、前記絞り金型を加熱することがより一層好ましい構成である。
【0012】
また、前記成形金型の入口部分を加熱すると共に、前記成形金型の出口部分を冷却するように構成しても良い。更に、前記成形金型内を通る木材に対して蒸気を付与するように構成することも好ましい。更にまた、前記棒状の木材として、気乾状態の木材を使用することがより一層好ましい。
【0013】
一方、前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成しておくと共に、前記木材の曲げ加工後、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入するように構成することが好ましい構成である。また、前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成すると共に、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入しておき、この後、前記木材に対して請求項1の各工程を実行するように構成することも良い構成である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図3を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の木材の曲げ加工装置1の全体構成を概略的に示す上面図である。この木材の曲げ加工装置1は、図1に示すように、ベース2と、このベース2に固定された耐圧フレーム3と、この耐圧フレーム3の図1中の上辺部に配設された油圧シリンダ4と、ベース2のほぼ中央部に配設された筒状金型5と、この筒状金型5の下端部に配設された絞り金型6と、この絞り金型6の下端部に配設された成形金型7とから構成されている。
【0015】
上記油圧シリンダ4は、油圧ロッド8を図1中の上下方向に移動駆動するように構成されている。この油圧シリンダ4は、油圧ロッド8の先端部で木材(図示しない)を押したときに、例えば数十kN程度の力で押すことが可能なように構成されている。この場合、油圧シリンダ4が移動手段を構成している。
【0016】
また、筒状金型5は、直線状をなしていると共に、図3に示すように、断面形状が円形の通路(空洞部)9を有している。この通路空洞部9内に例えば丸棒状の木材(図示しない)を挿入することにより、筒状金型5は上記木材を移動可能に収容するように構成されている。上記筒状金型5は、下金型5aと上金型5bとをボルト10等で連結して構成されている。尚、筒状金型5は、例えばステンレス(SUS)で構成されている。
【0017】
そして、絞り金型6は、上記筒状金型5の出口(下端部)に連続するように配設されている。この絞り金型6には、図2にも示すように、上記木材を通して絞るための例えば円形の貫通孔11が形成されている。この貫通孔11は、内径がしだいに小さくなる第1の孔部11aと、この第1の孔部11aに連続し且つ内径が変わらない第2の孔部11bと、この第2の孔部11bに連続し且つ内径がしだいに少し大きくなる第3の孔部11cとから構成されている。尚、絞り金型6は、例えばステンレス(SUS)で構成されている。
【0018】
この構成の場合、油圧シリンダ−4の油圧ロッド8により押されて、筒状金型5の出口から押し出されてきた木材は、絞り金型6の第1の孔部11aの内部に押し込まれると、第1の孔部11aの傾斜した内周面により木材の外周部が径方向内方へ向けて押されて圧縮され、絞られるように構成されている。このとき、同時に、木材は、絞り金型6の第1の孔部11aの傾斜した内周面と、油圧シリンダ−4の油圧ロッド8との間に挟まれる状態となることから、移動(図1中の上下)方向に圧縮(即ち、縦方向圧縮)されるように構成されている。
【0019】
ここで、絞り金型6の貫通孔11の第1の孔部11aの図2中の上部開口部の内径寸法をDinとし、第1の孔部11aの図2中の下部開口部(第2の孔部11b)の内径寸法をDminとし、第3の孔部11cの図2中の下部開口部の内径寸法をDoutとし、第1の孔部11aの傾斜した内周面の傾きの角度をθとする。すると、上記絞り金型6による木材の絞り角度はθで定義され、木材の絞り率R(%)は、R=(Din−Dmin)/Din(%)で定義される。
【0020】
また、成形金型7は、曲げ金型と呼んでも良く、絞り金型6の出口(貫通孔11の第3の孔部11cの図3中の下端開口部)に連続するように配設されている。この成形金型7は、全体として半円弧状をなしていると共に、断面形状が円形の半円弧状の通路(空洞部)12を有している。この通路12内に上記絞り金型6を出た丸棒状の木材(図示しない)が押し込まれると、成形金型7により上記木材は半円弧状に成形されながら(曲げられながら)、通路12内を移動されて通されるように構成されている。上記成形金型7は、下金型と上金型7bとをボルト等で連結して構成されている。尚、成形金型7は、例えばステンレス(SUS)で構成されている。
【0021】
次に、上記構成の木材の曲げ加工装置1の動作について説明する。まず、気乾状態の棒状の木材を例えば100〜120℃の水蒸気条件で加熱して軟化(熱可塑化)させる工程を実行する。この加熱軟化工程(処理)は、加工装置1とは別の加熱軟化装置(図示しない)によって実行するように構成されている。上記加熱軟化装置が、木材を蒸気またはマイクロ波で加熱して軟化させる加熱軟化手段を構成している。
【0022】
尚、上記木材としては、広葉樹のブナ、ナラ、クルミ等の曲げ易い木材を使用しても良いし、また、針葉樹のすぎ、ひのき等の曲げ難い木材(断面が大きい材料)を使用しても良い。また、気乾状態の木材とは、通常の大気の温度・相対湿度に平衡する程度まで乾燥した木材のことである。この気乾状態の木材の含水率は、約15%程度(日本の平均値)である。更に、木材の加熱軟化の温度や時間は、木材の種類によって異なる(具体例は後述する)。
【0023】
さて、木材の加熱軟化が完了したら、直ちに、その木材を加工装置1の筒状金型5内に図1中の上方から挿入する。このとき、筒状金型5は予め加熱して所定温度(例えば80℃程度)まで暖めておく。尚、筒状金型5には、加熱用のヒータ(加熱手段)と、温度コントロール用の温度センサとを配設しておくことが好ましい。
【0024】
続いて、油圧シリンダ−4を駆動して、油圧ロッド8により木材の一方の端面部(図1中の上端側の木口面)を押して、筒状金型5内において木材を図1中の下方へ押し出して移動させる。これにより、木材の他方の端面部(図1中の下端側の木口面)が絞り金型6の貫通孔11内に圧入されていく。この結果、木材は、絞り金型6の第1の孔部11aの傾斜した内周面により木材の外周部が径方向内方へ向けて押されて圧縮され、絞られる。これと同時に、絞り金型6の第1の孔部11aの傾斜した内周面と油圧シリンダ−4の油圧ロッド8との間に挟まれる状態となることから、移動方向(木材の繊維方向)に圧縮(即ち、縦方向圧縮)される。
【0025】
この場合、木材の圧縮の程度は、絞り金型6の絞り角度θと絞り率Rで決まるように構成されており、これら絞り角度θと絞り率Rを、木材の種類(樹種)によって適宜設定する必要がある。即ち、木材の種類に応じて絞り金型6を取り替える必要がある。尚、絞り角度θ及び絞り率Rと、木材の種類との関係は、予め試作及び実験等を繰り返し実行して決めておくことが好ましい。
【0026】
また、絞り金型6は予め加熱して所定温度(例えば80℃程度)まで暖めておくことが好ましい。尚、絞り金型6には、加熱用のヒータ(加熱手段)と、温度コントロール用の温度センサとを配設しておくことが好ましい構成である。
【0027】
そして、上記絞り金型6から押し出された木材(縦圧縮された木材)は、変形し易くなっており、成形金型7の通路12の内部へ容易に挿入される。続いて、上記木材は、成形金型7の通路12に沿って押し出されて移動されることから、木材は通路12の形状(半円弧状)に合うように半円弧状に曲げられていく。
【0028】
ここで、成形金型7における入口部分(絞り金型6に近い側の部位)を、予め加熱して所定温度(例えば80℃程度)まで暖めておくことが好ましい。即ち、上記入口部分には、加熱用のヒータ(加熱手段)と、温度コントロール用の温度センサとを配設しておくことが好ましい。また、成形金型7における出口部分を、予め冷却して室温(例えば20℃程度)まで冷やしておくことが好ましい。即ち、上記出口部分周辺には、例えば水冷や空冷の冷却装置(冷却手段)と、温度コントロール用の温度センサとを配設しておくことが好ましい。
【0029】
さて、成形金型7により成形された木材は、成形金型7の出口部分で冷却されると、塑性変形状態が固定されるようになり、元の状態には復帰しなくなる。このように、冷却するだけで、塑性変形状態が固定される理由は、加工に使用した木材の含水率が低いためである。
【0030】
そして、この状態で、木材が更に押されると(例えば次の成形加工用の木材が筒状金型5内に挿入されることにより前の木材が押し出されると)、成形金型7から押し出され、成形金型7の外へ出てくる。そして、木材が成形金型7の外へ完全に出てくるのを待つと、或いは、木材を成形金型7の外へ引っ張り装置(図示しない)により引っ張り出すと、成形された木材(この場合、半円弧状に曲げられた木材)が得られる。これにより、木材を連続的に成形(曲げ)加工することができる。
【0031】
ここで、本発明者らが、実際に本実施例の曲げ加工装置1を使用して木材を曲げ加工した具体例を3つ紹介する。
【0032】
・実施例1
木材として例えば直径46mmで曲率半径/材料厚の比(曲げ弾性係数)が5の杉の丸棒を使用した。この杉の丸棒を加熱軟化工程においては、例えば100℃程度で2時間程度、水蒸気で加熱した(即ち、蒸煮した)。そして、絞り金型6として、絞り角度θが例えば30度、絞り率Rが例えば42%のものを使用した。また、成形金型7として、通路12の内径寸法が例えば35mmで、通路12の中心半径が例えば176mmのものを使用した。これにより、直径寸法が35mmの半円弧状をなす杉丸棒曲げ部材が得られた。この杉丸棒曲げ部材は、破断のない、良質な部材であった。
【0033】
この実施例1の場合、木材を押し出すときの最大押し出し力は、約10kN程度であった。また、上記したようにして成形加工された木材は、圧密化されるため、比重が0.6以上となり、広葉樹並の強度が得られた。尚、上記成形加工前の杉材は、比重が0.35程度と低いため、強度が弱く、利用上の障害となっていた。
【0034】
・実施例2
木材として例えば直径38mmのハードメイプルの丸棒を使用した。このハードメイプルの丸棒を加熱軟化工程では、例えば100℃程度で20分程度、水蒸気で加熱した。そして、絞り金型6として、絞り角度θが例えば30度、絞り率Rが例えば62%のものを使用した。また、成形金型7として、通路12の内径寸法が例えば35mmで、通路12の中心半径が例えば176mmのものを使用した。これにより、直径寸法が35mmの半円弧状をなすハードメイプル丸棒曲げ部材が得られた。このハードメイプル丸棒曲げ部材は、破断のない、良質な部材であった。
【0035】
この実施例2の場合、木材を押し出すときの最大押し出し力は、約20kN程度であった。
【0036】
・実施例3
木材として例えば直径38mmのナラまたはウオールナットの丸棒を使用した。これらナラまたはウオールナットの丸棒を加熱軟化工程では、例えば100℃程度で30分程度、水蒸気で加熱した。そして、絞り金型6として、絞り角度θが例えば30度、絞り率Rが例えば71%のものを使用した。また、成形金型7として、通路12の内径寸法が例えば35mmで、通路12の中心半径が例えば176mmのものを使用した。これにより、直径寸法が35mmの半円弧状をなすナラまたはウオールナットの丸棒曲げ部材が得られた。このナラまたはウオールナットの丸棒曲げ部材は、破断のない、かなり良質な部材であった。
【0037】
この実施例3の場合、ナラの木材を押し出すときの最大押し出し力は、約20kN程度であった。一方、ウオールナットの木材を押し出すときの最大押し出し力は、約15kN程度であった。
【0038】
このような構成の本実施例においては、棒状の木材を蒸気で加熱して軟化させる加熱軟化工程と、木材を直線状をなす筒状金型5内に収容した状態で木材を一方向へ押して筒状金型5内を移動させる工程と、木材を筒状金型5の出口に設けられた絞り金型6内に押し込んで通すことにより、木材を移動方向へ圧縮すると共に木材の外周部を径方向へ圧縮するように絞る工程とを備えた。
【0039】
この木材の曲げ加工方法によれば、加熱軟化した棒状の木材を、筒状金型5内に押し出して通しながら(移動させながら)、絞り金型6内を押し込んで通すように構成したので、加熱軟化した棒状の木材は、移動方向に圧縮(縦方向圧縮)されると共に、径方向へも圧縮されるようになる。そして、本発明者らは、このように圧縮された木材は、容易に成形(曲げ)加工できることを、試作・実験等で確認している。
【0040】
そして、上記実施例の場合、絞り金型6から押し出された木材を、絞り金型6の出口に設けられた成形金型7内を押し込んで通すことにより、木材を半円形状に曲げ加工する工程を備えた。このように構成したので、木材を連続的に曲げ(成形)加工することが可能となり、加工に要する作業時間を大幅に短縮することができた。
【0041】
また、本発明者らは、上記加工方法を用いると、曲率半径/材料厚の比(曲げ限界係数)が6以下の木材であっても、成形(曲げ)加工できることを、試作・実験等で確認している。具体的には、曲率半径/材料厚の比(曲げ限界係数)が4までの木材を、破断なく、良好に成形(曲げ)加工可能であることを確認している。
【0042】
更に、本発明者らは、上記加工方法によれば、含水率の低い木材を使用しても、十分良好に成形(曲げ)加工可能であることを、試作・実験等で確認している。具体的には、含水率が10%程度の乾燥木材であっても、破断なく、良好に成形(曲げ)加工可能であることを確認している。
【0043】
そして、本発明者らは、成形(曲げ)加工した後の木材は、冷却するだけで、その加工状態を固定可能であることを確認している。このように、冷却するだけで、加工状態、即ち、塑性変形状態が固定される理由は、加工に使用した木材の含水率が低いためである。すなわち、本実施例の場合、成形加工後の木材を乾燥させる工程が不要になる。
【0044】
従って、絞り金型6を押し出された木材を、連続的に成形金型7内に押し込んで通すように構成すれば、複数の木材を連続的に成形(曲げ)加工することが可能となる。これにより、作業時間を大幅に短縮することが可能となる。ちなみに、従来構成においては、金型内に木材を入れた状態のままで、木材を冷却すると共に十分乾燥させる必要があるので、金型から木材を取り出すまでにかなり長い時間(1日〜2日レベルの長い時間)を要した。
【0045】
図4は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。この第2の実施例では、成形金型13で木材を成形するときに、木材の断面形状を変形加工するように構成したものである。具体的には、木材の断面形状を円形から、図4に示すように、楕円形に変形加工した。
【0046】
この構成の場合、成形金型13の内部の通路14は、その入口部分の断面形状が円形であると共に、出口部分(または出口に近い後半部分及びそれ以降の部分)の断面形状が楕円形(図4参照)であるように構成されている。そして、成形金型13の内部の通路14は、入口部分から出口部分(または後半部分)にかけて、断面形状が円形から徐々に楕円形(図4に示す最終的な楕円形)に変化していくように構成されている。
【0047】
また、上記成形金型13は、その通路14の入口部分の周辺の温度が80℃程度になるように加熱されていると共に、通路14の入口に近い中間部分の周辺の温度が180℃程度となるように加熱され、更に、通路14の出口に近い中間部分周辺の温度が20℃程度となるように冷却され、そして、上記中間部分から通路14の出口部分まで温度が20℃程度となるように冷却されている。この場合、成形金型13には、上記各部分を加熱及び冷却するために、ヒータ(加熱手段)と、例えば水冷や空冷の冷却装置(冷却手段)と、温度コントロール用の温度センサとが配設されている。
【0048】
尚、上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2の実施例によれば、成形金型13によって木材の断面形状を変形加工するように構成したので、断面形状が異なる木材を成形加工することができ、成形加工の自由度が高くなる。
【0049】
また、上記第2の実施例では、木材の断面形状を円形から楕円形に変形させるように構成したが、他の断面形状に変形させるように構成しても良い。また、木材の外周面に、浮き彫りのような凸状の模様が出るように、木材の断面形状を変形させるように構成しても良い。このように、木材の断面形状を変形させる成形加工は、3次元的な成形加工と定義することが好ましい。これに対して、第1の実施例のように、木材を曲げるだけの成形加工は、2次元的な成形加工と定義しても良い。
【0050】
図5及び図6は、本発明の第3の実施例を示すものである。尚、第2の実施例と同一部分には、同一符号を付している。この第3の実施例では、成形金型13の通路14の内部へ、蒸気を噴射するように構成したものである。具体的には、成形金型13に、図6に示すように、蒸気を噴射する噴射口15、15と、蒸気を排気する排気口16、16、16、16とを通路14の内周面に開口するように設けた。これら噴射口15及び排気口16は、通路14に沿って設定間隔をおいて多数設けられている。
【0051】
また、第3の実施例の成形金型13の通路14の断面形状は、その入口から出口までずっと楕円形状となるように構成されている。尚、通路14の入口に近い中間部分(周辺の温度が180℃程度となるように加熱される部分)は、図5において、符号17で示す部分である。また、通路14の出口に近い中間部分(周辺の温度が20℃程度となるように冷却される部分)は、図5において、符号18で示す部分である。
【0052】
上述した以外の第3の実施例の構成は、第2の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第3の実施例においても、第2の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第3の実施例によれば、成形金型13の通路14の内部へ、蒸気を噴射するように構成したので、成形金型13によって木材を成形するときに、木材をより一層成形し易くなる。
【0053】
尚、上記各実施例において、筒状金型5の通路内にも、蒸気を噴射するように構成しても良い。このように構成すると、木材を絞り成形し易くなる。また、筒状金型5内に木材を挿入する前に、木材を加熱軟化しておく工程を省くことも可能となる。更に、上記各実施例においては、木材を加熱軟化する工程において、木材を蒸気で加熱するように構成したが、これに限られるものではなく、木材をマイクロ波で加熱するように構成しても良いし、また、木材を蒸気及びマイクロ波で加熱するように構成しても良い。
【0054】
一方、上記各実施例では、木材として例えば丸棒状の木材を成形(曲げ)加工したが、これに限られるものではなく、断面形状が例えば多角形状(3角形状、4角形状、5角形状、………)の棒状木材を成形(曲げ)加工するように構成しても良い。
【0055】
また、上記各実施例では、棒状の木材を成形(曲げ)加工したが、これに代えて、棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成しておくと共に、この木材の成形(曲げ)加工後、木材の貫通孔内に芯金を挿入するように構成しても良い。このように構成すると、成形(曲げ)加工した木材の強度を大幅に高くすることができる。この場合、棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成すると共に、木材の貫通孔内に芯金を挿入しておき、この後、木材に対して成形(曲げ)加工を実行するように構成しても良い。
【0056】
更にまた、上記各実施例において、成形金型7の通路を、その出口部分の高さ位置が入口部分の高さ位置よりも高く(または低く)なるように構成し、この成形金型7によって、比較的長尺な木材を螺旋状(コイル状)に曲げるように構成しても良い。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、加熱軟化装置により棒状の木材を蒸気またはマイクロ波で加熱して軟化させる加熱軟化工程と、前記加熱軟化工程を実行して加熱軟化された木材を直線状をなす筒状金型内に収容した状態で前記加熱軟化された木材を一方向へ押して前記筒状金型内を移動させる工程と、前記移動させる工程を実行して移動された加熱軟化された木材を前記筒状金型の出口に設けられた絞り金型内に通すことにより、前記加熱軟化された木材を移動方向へ圧縮すると共に前記加熱軟化された木材の外周部を径方向へ圧縮するように絞る工程と、前記絞る工程を実行して移動方向及び径方向へ圧縮された木材を前記絞り金型の出口に設けられた成形金型内に通すことにより、前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材を曲げ加工する工程とを備えたので、このように圧縮された木材は、曲率半径/材料厚の比が6以下の木材であっても、成形(曲げ)加工でき、また、含水率の低い木材を使用しても、十分良好に成形(曲げ)加工可能であり、また、木材を連続的に成形加工することも可能であるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す加工装置の上面図
【図2】絞り金型の縦断面図
【図3】筒状金型の縦断面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す加工装置の部分上面図
【図6】図2相当図
【符号の説明】
1は木材の曲げ加工装置、2はベース、3は耐圧フレーム、4は油圧シリンダ−(移動手段)、5は筒状金型、6は絞り金型、7は成形金型、8は油圧ロッド、9は通路、11は貫通孔、11aは第1の孔部、11bは第2の孔部、11cは第3の孔部、12は通路、13は成形金型、14は通路、15は噴射口、16は排気口を示す。

Claims (18)

  1. 加熱軟化装置により棒状の木材を蒸気またはマイクロ波で加熱して軟化させる加熱軟化工程と、
    前記加熱軟化工程を実行して加熱軟化された木材を直線状をなす筒状金型内に収容した状態で前記加熱軟化された木材を一方向へ押して前記筒状金型内を移動させる工程と、
    前記移動させる工程を実行して移動された加熱軟化された木材を前記筒状金型の出口に設けられた絞り金型内に通すことにより、前記加熱軟化された木材を移動方向へ圧縮すると共に前記加熱軟化された木材の外周部を径方向へ圧縮するように絞る工程と、
    前記絞る工程を実行して移動方向及び径方向へ圧縮された木材を前記絞り金型の出口に設けられた成形金型内に通すことにより、前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材を曲げ加工する工程とを備えたことを特徴とする木材の曲げ加工方法。
  2. 前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材を曲げ加工する工程を実行するときに、前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材の断面形状を変形加工するように構成したことを特徴とする請求項1記載の木材の曲げ加工方法。
  3. 前記筒状金型を加熱することを特徴とする請求項1または2記載の木材の曲げ加工方法。
  4. 前記絞り金型を加熱することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  5. 前記成形金型の入口部分を加熱すると共に、前記成形金型の出口部分を冷却することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  6. 前記成形金型内を通る木材に対して蒸気を付与することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  7. 前記棒状の木材として、気乾状態の木材を使用することを特徴とする請求項ないし6のいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  8. 前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成しておくと共に、前記木材の曲げ加工後、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  9. 前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成すると共に、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入しておき、この後、前記木材に対して請求項1の各工程を実行することを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の木材の曲げ加工方法。
  10. 蒸気またはマイクロ波で木材を加熱して軟化させる加熱軟化手段により加熱軟化された棒状の木材を移動可能に収容する直線状をなす筒状金型と、
    前記加熱軟化された木材を前記筒状金型内に収容した状態で一方向へ押して移動させる移動手段と、
    前記筒状金型の出口に設けられ、内部に前記加熱軟化された木材が通されたときに前記加熱軟化された木材を移動方向へ圧縮すると共に前記加熱軟化された木材の外周部を径方向へ圧縮するように絞る絞り金型と、
    前記絞り金型の出口に設けられ、内部に前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材が通されたときに前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材を曲げ加工する成形金型とを備えたことを特徴とする木材の曲げ加工装置
  11. 前記成形金型は、前記移動方向及び径方向へ圧縮された木材の断面形状を変形加工するものであることを特徴とする請求項10記載の木材の曲げ加工装置。
  12. 前記筒状金型を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項10または11記載の木材の曲げ加工装置。
  13. 前記絞り金型を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
  14. 前記成形金型の入口部分を加熱する加熱手段と、前記成形金型の出口部分を冷却する冷却手段とを備えたことを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
  15. 前記成形金型内を通る木材に対して蒸気を付与することを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
  16. 前記棒状の木材として、気乾状態の木材を使用することを特徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
  17. 前記棒状の木材を加熱して軟化させる前に、前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成しておき、前記木材の曲げ加工後、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入することを特徴とする請求項10ないし16のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
  18. 前記棒状の木材の軸心に、貫通孔を形成すると共に、前記木材の貫通孔内に芯金を挿入しておき、この後、前記芯金を挿入した木材を加熱して軟化させるように構成されていることを特徴とする請求項10ないし17のいずれかに記載の木材の曲げ加工装置。
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