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JP4045606B2 - β型銅フタロシアニン顔料の製造方法 - Google Patents
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JP4045606B2 - β型銅フタロシアニン顔料の製造方法 - Google Patents

β型銅フタロシアニン顔料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はβ型銅フタロシアニン顔料の製造方法に関し、更に詳しくは、印刷インキのプロセス色に適した鮮明な緑味調を呈するβ型フタロシアニン顔料を工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、緑味調β型フタロシアニン顔料は、工業的には、粗製銅フタロシアニンを無機塩とエチレングリコールのような粘結剤と共にニーダー等の装置を用いて摩砕する方法により製造されている。この方法によって得られる顔料は、色相が緑味で且つ高着色力であり印刷インキのプロセス色として最適である。
【0003】
しかしながら、この方法は、摩砕時に粉砕物以外の摩砕助剤を用いるため、生産性が悪いこと、高COD排水が生じるため、環境対策が必要であること、これらを回収再利用するために経費がかかり、コストが高くなる等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題点を解決するために、特開昭50−157419号公報、特開昭52−69435号公報等には、粗製銅フタロシアニンを乾式粉砕して、α型銅フタロシアニンとβ型銅フタロシアニンの混合物を得た後、この混合物をキシレン等の結晶化溶剤に浸漬することによって、α形銅フタロシアニンをβ型銅フタロシアニンへと転移させるβ型銅フタロシアニン顔料を得る方法が開示されている。
【0005】
また、特公平6−51846号公報には、粗製銅フタロシアニンにロジン類を加えて乾式摩砕した後、得られた摩砕物をブチルセロソルブ水溶液中で加熱処理することによって易分散性の銅フタロシアニン顔料を得る方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特開昭50−157419号公報、特開昭52−69435号公報等に記載の方法で得られたβ型銅フタロシアニン顔料は、従来の粗製銅フタロシアニンを無機塩とエチレングリコールのような粘結剤を用いてニーダー等で摩砕する方法に比較して、色相が赤味で、ベヒクルへの顔料の分散性が悪いうえ、着色力も劣る等の欠点があるため、この方法への代替は困難であった。
【0007】
また、特公平6−51846号公報に記載の方法で得られた銅フタロシアニン顔料の色相は赤味であり、印刷インキのプロセス用には適さないものであった。また、この方法で用いるロジンは軟化点が約60℃と低いため、アトライターでの摩砕中に、その摩擦熱で溶融し、アトライター内壁に付着現象を引き起こし、異常加熱による発火を誘引する危険性があった。
【0008】
特公平6−51846号に記載の方法で得られるβ型銅フタロシアニン顔料の色相が赤味となる原因は、(1)αとβ型の混合物をブチルセロソルブ中でβ型に結晶変換する際に、針状の大きな結晶に成長するためと考えられる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、色相が緑味で、しかも着色力、分散性に優れ、工業的にも経済性にも優れ、且つ安全性の高いβ型銅フタロシアニン顔料の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究した結果、粗製銅フタロシアニンとロジン基本骨格を有する化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得られるα型銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニンの混合物を、アルコール、ケトン及びエステル等の有機溶剤を単独あるいは2種以上の混合溶液あるいはそれらと水との混合溶剤中で加熱処理する方法により、色相が緑味で、着色力、分散性に優れ、従来のニーダー法に匹敵するβ型銅フタロシアニン顔料を経済的且つ安全に製造できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は上記課題を解決するために、粗製銅フタロシアニン及びロジンの基本骨格を有する化合物を含有する混合物を乾式摩砕して得られるα型銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニンの混合物を、アルコール、ケトン、エステルから成る群から選ばれる単独の有機溶剤中で、2種以上の有機溶剤から成る混合溶剤中で、あるいはそれらと水との混合溶剤中で加熱処理することを特徴とする緑味調を呈するβ型銅フタロシアニン顔料の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で用いるロジン基本骨格を有する化合物としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等あるいはその金属塩あるいはエステル類等;ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂、ロジン変性アクリル酸樹脂、ロジン変性アルキド樹脂等あるいはその金属塩あるいはエステル類の如き各種ロジン変性樹脂が挙げられる。
【0013】
ロジンの基本骨格とは、大別してアビエタン、ピマラン、イソピマラン、ラブダン型の4種に分けられるが、本発明の製造方法で用いるロジン基本骨格を有する化合物では、その全てを含み、カルボキシル基を除いた骨格の部分を有しているもの全てを含むものである。
【0014】
この乾式摩砕の際、ロジンを未溶融状態で処理した方が、その結晶成長防止効果が高く、製造工程的にもアトライター等内部への付着を引き起こさず好都合である。ロジンをそのままを使用する場合は、十分な冷却を行なう必要が生じるが、ロジンを金属塩とすることによって、その軟化点が300℃以上となる結果、難燃性となり、溶融付着現象が発生せず、処理効果を高めるとともに工業的にも有利となる。また、ロジンを樹脂と反応させることで軟化点を高くすることによっても同様の効果が得られる。
【0015】
ロジンの金属塩の金属種には特に限定はないが、例えば、Na、K、Ca、Ba、Sr、Al、Ti等が挙げられる。
【0016】
ロジンの基本骨格を有する化合物の添加量は、粗製銅フタロシアニンの仕込量の0.5〜50重量%の範囲が好ましく、3〜20重量%の範囲が特に好ましい。
【0017】
粗製銅フタロシアニンとロジンの基本骨格を有する化合物の金属塩とを混合する方法は、磨砕時に粗製銅フタロシアニンにロジンの基本骨格を有する化合物の金属塩を添加する方法であっても、予め粗製銅フタロシアニンにロジンの基本骨格を有する化合物の金属塩を処理しておく方法であってもよい。
【0018】
本発明の製造方法において、乾式摩砕に用いる装置としては、例えば、アトライター、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ハンマーミル等を挙げることができる。
【0019】
乾式摩砕は、銅フタロシアニン顔料のα型及びβ型結晶形を表わすX線回折図ピーク高さをLα及びLβとした場合、Lα/Lβと含有率の検量線からα型の含有率が≧30%となるまで行なうことが好ましい。最も工業的に有利なのはα型の含有率が60%から75%程度である。なお、X線回折図におけるLαは6.8°の、Lβは9.2°のピーク高さをとった。
【0020】
本発明の製造方法で用いる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、4−ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ヘプチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、メトキシブチルアセテート、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶剤は、2種以上の混合物として用いることもでき、あるいはこれらの有機溶剤又はそれらの混合物と水との混合系を用いることもできる。なかでも、α型からβ型への結晶変換能力、溶剤の回収の容易さ、得られる顔料の品質特に色相、分散性に優れる点から、イソブタノール、2−ブタノール等の炭素原子数4の脂肪族アルコールを用いることが好ましい。
【0021】
有機溶剤の使用量は、摩砕物100重量部に対して5重量部以上が好ましく、100〜300重量部の範囲が特に好ましい。
【0022】
有機溶剤による処理温度は、処理溶剤系の結晶成長能力に応じて室温から該溶剤系の沸点或は混合溶剤ではその共沸点の範囲で適宜選択することができるが、例えば、イソブタノールと水の混合溶剤の場合はその共沸点89℃が好ましい。
【0023】
有機溶剤による処理時間も処理溶剤系の結晶成長能力に応じて変わるが、4〜8時間の範囲が好ましい。
【0024】
溶剤処理後は、蒸留、好ましくは水との共沸により、留去回収する。回収した溶剤は再度使用することができる。
【0025】
【作用】
ロジンの基本骨格部が、乾式摩砕によるメカノケミカル的作用により銅フタロシアニンの結晶成長面であるb軸面に強く親和する。それにより、顔料化時にα型からβ型へ結晶変換させる溶剤処理により引き起こされる結晶成長を防止するのに大きな効果をもたらし、また、顔料同志の凝集を緩和し解凝集を容易にさせる効果をもたらすことにより、色相の緑味化と高い着色力を有する顔料を得ることを可能にしたものと考えられる。
【0026】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の説明において、「部」及び「%」はそれぞれ『重量部』及び『重量%』を表わす。
【0027】
<製造例1>(粗製銅フタロシアニンの製造)
無水フタル酸1218部、尿素1540部、無水塩化第一銅200部、モリブデン酸アンモニウム5部及び溶媒として炭素原子数5〜8個のアルキル基を有するアルキルベンゼンの混合物4000部を反応器に仕込み、撹拌しながら加熱して200℃まで昇温させた後、同温度で2.5時間反応させた。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、残った反応生成物を2%塩酸8000部中に加え、70℃で1時間撹拌した後、吸引濾過した。このようにして得たケーキを80℃の温水で充分洗浄した後、乾燥させて粗製銅フタロシアニンを得た。
【0028】
<製造例2>(ロジン金属塩の製造方法)
水添ロジン(ステベライトロジン)100部、水酸化ナトリウム20部及び水1000部をビーカーに仕込んだ後、70℃以上に加熱することによって溶解させてロジン水溶液を得た。このようにして得たロジン水溶液に、塩化カルシウム27部及び水200部から成る水酸化カルシウム水溶液を撹拌しながら添加することによって、ロジンカルシウム塩を析出させた。ロジンカルシウム塩析出溶液のpHを8に調整した後、濾過し、得られた残渣を湯洗浄し、乾燥させて、ロジンカルシウム塩を得た。
【0029】
<製造例3>(粗製銅フタロシアニンの乾式粉砕物の製造)
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部及び製造例2で得たステベライトロジンカルシウム塩25部を容量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン71%及びβ型銅フタロシアニン29%から成る混合物を得た。
【0030】
α型銅フタロシアニンとβ型銅フタロシアニンの重量比(α/β)は、図1に示したX線回折図のα型結晶形を表わす回折角度(2θ)=6.8゜におけるピーク高さSαと、β型結晶形を表わす回折角度(2θ)=9.2におけるピーク高さSβから求めた。
【0031】
なお、この時のX線回折の測定条件は、ターゲット:Cu、フイルター:Ni、電圧:40KV、電流:30mAである。
【0032】
<製造例4>(粗製銅フタロシアニンへのロジン処理)
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部を水5000部に分散し、70℃に加熱して、粗製銅フタロシアニンの水分散液を得た。このようにして得た粗製銅フタロシアニンの水分散液に、水酸化ナトリウム10部及び水500部から成る水酸化ナトリウム水溶液にトール油ロジン50部を加熱溶解したロジン水溶液を添加した。この混合物に、塩化カルシウム13.5部を水100部に溶解した水溶液を添加した。混合液のpHを8に調整した後、生じた析出物を濾取し、湯洗浄し、乾燥させて、ロジンカルシウム塩含有粗製銅フタロシアニンのロジンを得た。
【0033】
<製造例5>(粗製銅フタロシアニンの乾式粉砕物の製造)
製造例4で得たロジンカルシウム塩含有粗製銅フタロシアニン500部を容量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン72%及びβ型銅フタロシアニン28%から成る混合物を得た。なお、α型とβ型の割合は、製造例3と同じ方法で求めた。
【0034】
<製造例6>(ロジン変性樹脂の金属塩の製造)
ロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ化成製の「ハリマックT−80」)100部、水酸化ナトリウム13部及び水850部をビーカーに仕込み、80℃に加熱して溶解させて、ロジン変性マレイン樹脂の水溶液を得た。このようにして得たロジン変性マレイン酸樹脂の水溶液に、塩化カルシウム48部及び水400部から成る塩化カルシウム水溶液を撹拌しながら添加し、ロジン変性マレイン酸樹脂のカルシウム塩を析出させた。ロジン変性マレイン酸樹脂のカルシウム塩析出溶液のpHを8に調整した後、濾過し、得られた残渣を湯洗浄し、乾燥させて、ロジン変性マレイン酸樹脂のカルシウム塩を得た。
【0035】
<製造例7>
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部及び製造例6で得たロジン変性マレイン酸樹脂のカルシウム塩25部を容量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン69%及びβ型銅フタロシアニン31%から成る混合物を得た。なお、α型とβ型の割合は、製造例3と同じ方法で求めた。
【0036】
<製造例8>
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部及びロジン変性マレイン酸樹脂(ハリマ化成製の「ハリマックT−80」)50部を容量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン67%及びβ型銅フタロシアニン33%から成る混合物を得た。
【0037】
<比較例1>(ニーダー法)
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部、粉砕食塩2500部、ジエチレングリコール500部及びキシレン30部を容量8リットルのニーダーを用いて80℃で6時間混練した。得られた混練物100部を1%塩酸水溶液2000部と共に、80℃で2時間分散させた後、濾過し、得られた残渣を水洗し、乾燥させて銅フタロシアニン顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニンの結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0038】
<比較例2>(粗製銅フタロシアニンの乾式粉砕物の製造)
製造例1で得た粗製銅フタロシアニン500部を容量5リットルのアトライター(直径3/8インチのスチールボール13Kgを含む)を用いて、内温90〜110℃で60分間粉砕して、α型銅フタロシアニン62%及びβ型銅フタロシアニン38%から成る摩砕物を得た。なお、α型とβ型の割合は、製造例3と同じ方法で求めた。
【0039】
<比較例3>(溶剤法)
比較例2で得た摩砕物100部、イソブタノール300部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で4時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0040】
<実施例1>
製造例3で得た粗製銅フタロシアニンの乾式摩砕物100部を、イソブタノール300部及び水600部と共に容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0041】
得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比較例1のニーダー法による顔料と比較したところ、色相はほぼ同等の緑味調β型銅フタロシアニン顔料であった。また、着色力も同等であった。
表1に評価結果を示した。
【0042】
<実施例2>
製造例3と同様操作にてステベライトロジンCa塩25部の代わりに、不均化ロジン(ハリマ化成製「バンディスT−25K」)のCa塩50部を添加し、乾式摩砕した摩砕物100部を、イソブタノール300部、イソプロピルアルコール30部及び水600部と共に容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に回収し、固形分を濾過、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0043】
得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散性,流動性に優れていた。
表1に評価結果を示した。
【0044】
<実施例3>
製造例4で得た粗製銅フタロシアニンの乾式摩砕物100部、イソブタノール300部、イソプロピルアルコール30部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0045】
得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散性,流動性に優れていた。
表1に評価結果を示した。
【0046】
<実施例4>
製造例7で得た粗製銅フタロシアニンの乾式摩砕物100部、イソブタノール300部、イソプロピルアルコール30部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を濾過し、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0047】
得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比較例1の顔料と比較したところ、色相,着色力とも同等であった。また、分散性,流動性とも良好であった。
表1に評価結果を示した。
【0048】
<実施例5>
製造例8で得た粗製銅フタロシアニンの乾式摩砕物100部、2−ブタノール300部及び水600部を容量1リットルのフラスコ中で共沸温度で8時間加熱した後、溶剤を共沸により完全に除去・回収した。固形分を濾過、乾燥させて顔料を得た。このようにして得た銅フタロシアニン顔料の結晶形をX線回折法により分析した結果、β型であった。
【0049】
得られた銅フタロシアニン顔料の色相を比較例1の顔料と比較したところ、色相はほぼ同等で分散性,流動性に優れていた。
表1に評価結果を示した。
【0050】
≪評価方法≫
上記実施例中の顔料の色差,着色力,流動性の測定は以下の方法で行い、その結果を下記表1にまとめた。
【0051】
<平版インキの製造>
(濃色インキ)
ロジン変性フェノール樹脂ワニス84部及びβ型銅フタロシアニン顔料16部をプレミックス後、ビューラー製3本ロールを用いて3パスしてインキを作製した。
【0052】
平版インキ用ビヒクルは上記記載のロジン変性フェノール樹脂に限定されるものではなく、その他石油樹脂、アルキッド樹脂又はこれら乾性油変性樹脂等の樹脂と、必要に応じて、アルニ油、桐油、大豆油等の植物油と、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤から成るものが使用できる。また、必要に応じて、インキ溶剤、ドライヤー、レベリング改良剤、増粘剤等の公知の添加剤を適宜配合できる。
【0053】
(淡色インキ)
上記濃色インキ0.020部と白インキ4.000部(大日本インキ化学工業製ニューチャンピオンAT白179)をフーバーマーラーで混合する。混合条件:加重50lb,50回転 X 3回。
【0054】
<着色力,色相の評価方法>
上記で作製した淡色インキを上質紙にへらで展色し、その上色(肉色)をグレタグ(Gretag)社製の分光光度計「SPM50」を用いて測定した。色相は比較例1で得た顔料との差(色差:△a)で示した。△a値が小さいほど、緑味である。着色力は、比較例1の顔料を標準としてシアン濃度の比で表した。
【0055】
<流動性>
70度に傾けたガラス板上に上記で作製した濃色インキを乗せ、1時間経過後の流れた距離により評価した。表1には、比較例1で得た顔料を用いて作製したインキの値を100としそれとの比で示した。
【0056】
【表1】
Figure 0004045606
【0057】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、乾式摩砕と溶剤処理法を組み合わせることによって、ニーダー法に匹敵した色相の緑味調のプロセスインキに適したβ型銅フタロシアニン顔料を製造することができるので、ニーダー法の大きな問題である副原料のジエチレングリコールと食塩の回収が不要となり製造コストの大幅な削減が可能となる。また、本発明の製造方法によれば、高COD排水の激減により、環境負荷を著しく小さくすることができ、更に、顔料化工程を短縮できるので、本発明の製造方法は、工業的に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例2で得た粗製銅フタロシアニンの乾式粉砕物のX線回折図である。
【図2】α型銅フタロシアニン顔料のX線回折図である。
【図3】β型銅フタロシアニン顔料のX線回折図である。

Claims (3)

  1. 粗製銅フタロシアニン及びロジンの基本骨格を有する化合物の金属塩を含有する混合物を乾式磨砕して得られるα型銅フタロシアニン及びβ型銅フタロシアニンの混合物を、アルコール、ケトン及びエステルから成る群から選ばれる単独の有機溶剤中で、2種以上の有機溶剤から選ばれる混合溶剤中で、あるいはそれらと水との混合溶剤中で加熱処理することを特徴とする緑味調を呈するβ型銅フタロシアニン顔料の製造方法。
  2. ロジン基本骨格を有する化合物がロジンで変性された樹脂の金属塩又はロジンで変性されたエステルの金属塩である請求項1記載の製造方法。
  3. 有機溶剤が炭素原子数1〜7の脂肪族アルコールである請求項1又は2記載の製造方法。
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