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JP4068683B2 - ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
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JP4068683B2 - ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
{100}面を主平面に有する高塩化銀含有平板状粒子としては、特開平5−204073号、特開昭51−88017号、特開昭63−24238号、特願平5−264059号等に述べられている。しかしながら、これらに記載のハロゲン化銀粒子は、アスペクト比、感度の点で充分満足のいくといったものではなく、鋭意それらに開示された技術の組み合わせを実施しても高感度化と迅速処理性とを両立させるという点において充分満足のいくものではなかった。
【0003】
高アスペクト平板粒子や厚みが、0.07μmを切る極薄平板粒子に関しては、特開昭62−99751号、特開昭62−115435号、特開平6−43605号、特開平6−43606号等に記載されている。
【0004】
欧州特許公開第(以下、EP)0699944A、EP0699946A、EP0699947A、特開平8−101476号、特開平8−101475号、特開平8−101473号、特開平8−101472号、特開平8−69069号、米国特許(US)5494789号には、エピタキシャル部位を有するアスペクト比の高い平板粒子に関する技術が開示されている。
【0005】
EP0701165A、特開平8−101472号、特開平8−101474号には、Ruを中心金属にした金属錯体をアスペクト比の高く厚みの薄い平板粒子にドープする技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、エピタキシャル部位を有すると、乳剤調製から塗布試料を作成するまでの間にエピタキシャル部位の変形に伴う性能変動を起こしてしまうなど、これらの従来技術では、高感度でも迅速処理性に優れた感光材料を提供することができなかった。これは、エピタキシャル部位と母体粒子のハロゲン組成差が大きいことが激しい再結晶化を引き起こしたり、エピタキシャル部が突起部として存在するために不安定で、再結晶化や変形、再溶解を起こしやすかったためである。この問題を解決するために安易にコンバージョン量を増加させたりした場合には、現像進行が遅く迅速処理に適さない問題を生じることが判ってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、第一に、高感度化が可能で、優れた迅速処理性を有するハロゲン化銀写真乳剤を提供することである。第二に、厚みの薄い高アスペクト比を有する塩化銀含有率の高い平板状粒子を安定に作ることができるハロゲン化銀写真乳剤の製造方法を提供することである。第三に、このようなハロゲン化銀写真乳剤を用いて高感度で迅速処理に適したハロゲン化銀感光材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の本発明によって達成される。
(1) 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が下記の条件a)〜)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されていることを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
a)塩化銀含有率が50モル%以上であること。
c)平板度が25以上であること。
e)平均厚みが0.09μm以上0.20μm以下であること。
d){100}面を主平面とする直方体であること。
f)投影面積の円相当直径の平均が2.0μm以下であること。
g)粒子のコーナー部のBr含有率が粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高いこと。
(但し、コーナー部とは、前記直方体の主平面を上にしたときの投影長方形の4つの頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域からはみ出した突起部をいう。)
b)前記突起部の体積が、前記投影長方形で規定される体積に対し0〜2%未満であること。
h)アスペクト比が5〜25であること。
(2)乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件h)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている(1)のハロゲン化銀乳剤。
h)核形成時の核部をコーナー部に有し、この粒子中に少なくとも1本以上3本以下の螺旋転位線を有すること。
(3)乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件i)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている(1)または(2)のハロゲン化銀乳剤。
i)粒子表面のヨウド含有率が0.3モル%以上3モル%以下であること。
(4) 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件j)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている(1)〜(3)のいずれかのハロゲン化銀乳剤。
j)粒子投影面積の円相当直径の変動係数が5%以上30%以下であること。
(5) 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が下記の条件a)〜)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されているハロゲン化銀乳剤の製造方法であって、粒子のコーナー部のBr含有率が、粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高くなるように、Brでコンバージョンすることを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
a)塩化銀含有率が50モル%以上であること。
c)平板度が25以上であること。
e)平均厚みが0.09μm以上0.20μm以下であること。
d){100}面を主平面とする直方体であること。
f)投影面積の円相当直径の平均が2.0μm以下であること。
g)粒子のコーナー部のBr含有率が粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高いこと。
(但し、コーナー部とは、前記直方体の主平面を上にしたときの投影長方形の4つの頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域からはみ出した突起部をいう。)
b)前記突起部の体積が、前記投影長方形で規定される体積に対し0〜2%未満であること。
h)アスペクト比が5〜25であること。
(6) 銀に対する酸化剤を、粒子形成以降化学増感終了までの間に添加する(5)のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
(7) 平板状ハロゲン化銀粒子がチオスルフォン酸存在下に化学増感されている(5)または(6)のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
(8)(1)〜(4)のいずれかのハロゲン化銀写真乳剤を含む少なくとも一層の親水性コロイド層を支持体の少なくとも一方の側に有するハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が下記の条件a)〜h)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されていることを特徴とする。
a)塩化銀含有率が50モル%以上であること。
c)平板度が25以上であること。
e)平均厚みが0.09μm以上0.20μm以下であること。
d){100}面を主平面とする直方体であること。
f)投影面積の円相当直径の平均が2.0μm以下であること。
g)粒子のコーナー部のBr含有率が粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高いこと。
(但し、コーナー部とは、前記直方体の主平面を上にしたときの投影長方形の4つの頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域からはみ出した突起部をいう。)
b)前記突起部の体積が、前記投影長方形で規定される体積に対し0〜2%未満であること。
h)アスペクト比が5〜25であること。
【0010】
このような高塩化銀平板乳剤を用いることによって、高感度で、処理時間を短縮した迅速処理においても良好な性能を有するハロゲン化銀写真感光材料が得られる。これに対し、上記平板状粒子において、コーナー部にエピタキシャル部位を有する粒子を用いると感度が低下し、特に迅速処理における感度の低下が著しく迅速処理に適さないものとなる。また、コーナー部のBr含有率が上記条件を満たさず、その差が10モル%未満となっても、あるいは35モル%を超えても感度が低下し、特に迅速処理における感度の低下が著しく、迅速処理に適さないものとなる。
【0011】
そして本発明の効果を得る上では、全投影面積の50%以上の粒子において、核形成時の核部をコーナー部に有し、この粒子中に1本以上3本以下の螺旋上転位線をもつ粒子が存在することが好ましく、また粒子表面のヨウド含有率が0.3モル%以上3モル%以下であることが好ましく、投影面積の円相当直径の変動係数が5%以上30%以下であることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記の塩化銀含有率、粒子形状および粒子分布等の条件を満たす高感度乳剤を改良するものであり、主として、{100}面を主平面とする直方体である平板状粒子のコーナー部の結晶成長とハロゲン組成とを上記のように規制することによって、さらに高感度化を図り、迅速処理に適するようにしたものである。
【0013】
(本発明の平板乳剤について)少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤において、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上、好ましくは60〜100%、より好ましくは70〜100%が主平面が{100}面である直方体である平板度25以上の平板状粒子が用いられる。
【0014】
ここで平板度とは、アスペクト比(直径/厚さ)を厚み(単位μm)で割った値である。また主平面とは、直方体である平板状粒子の最大外表面を指す。このような平板状粒子の厚さは0.20μm以下であり0.03〜0.16μmがより好ましく、0.03〜0.12μmが更に好ましい。アスペクト比は5〜25である。ここで直径とは、平板状粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を指し、厚さは2つの主平面間の距離を指す。円相当径は、投影面積の任意の50%以上の粒子の平均(投影面積の円相当直径の平均)が2.0μm以下であり、特に好ましいのは1.5μm以下である。また、その変動係数は、5%以上30%以下が好ましく、より好ましくは5%以上25%以下が好ましい。また、円相当径と同様の粒子に対する厚みの平均は0.09μm以上0.20μm以下であり、好ましくは0.16μm 以下である。
【0015】
このような形状に関する情報は透過型電子顕微鏡(TEM)などによる観察によって得ることができる。
【0016】
ハロゲン組成に関しては、Cl-含有率50モル%以上、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%が好ましい。
【0017】
このようなハロゲン組成は、EPMA(electron probe for micro analysis)法やX線回折法、等による分析により確認できる。
【0018】
前述の高アスペクト比単分散平板粒子乳剤の調製において特に好ましい要因は、以下の4点である。
【0019】
1.本発明の乳剤のうち{100}面を主平面に有する平板状粒子の先行技術としては、特開平5−204073号、特開昭51−88017号、特開昭63−24238号、特願平5−264059号等に述べられている。
【0020】
本発明においては、これらの先行技術に記載されている核形成方法を任意に用いることができるが、特に好ましい態様は、核形成時に予め作成した塩化銀微粒子に対し、ブロムイオンおよび/またはヨウドイオンを添加することで、ハロゲンギャップを形成し、そのときの温度が、50℃をこえないことと、低温でセットしたり粘度の増加を生じない低分子量の、または低温でセットしにくいゼラチンを保護コロイドに用いることである。
【0021】
2.本発明の乳剤は、ハロゲン化銀微粒子存在下の物理熟成(微粒子が溶解し、基板粒子が成長する)により結晶成長する方法を好ましく用いることができる。
【0022】
微粒子乳剤添加法では0.15μm径以下、好ましくは0.1μm径以下、より好ましくは0.06〜0.006μm径のAgX微粒子乳剤を添加し、オストワルド熟成により平板状粒子を成長させる。このような微粒子乳剤は連続的に添加することもできるし、継続的に添加することもできる。このような微粒子乳剤は反応容器の近傍に設けた混合器でAgNO3溶液とハロゲン(X-)塩溶液を供給して連続的に調製し、ただちに反応容器に連続的に添加することもできるし、予め別の容器のバッチ式に調製した後に連続的もしくは継続的に添加することもできる。このような微粒子乳剤は液状で添加することもできるし、乾燥した粉末として添加することもできる。また乾燥粉末を添加直前に水と混合し、液状化して添加することもできる。添加した微粒子は20分以内に消失する態様で添加することが好ましく、10秒〜10分がより好ましい。消失時間が長くなると、微粒子間で熟成が生じ、粒子サイズが大きくなるために好ましくない。従って一度に全量を添加しない方が好ましい。このような微粒子は多重双晶粒子を実質的に含まないことが好ましい。ここで多重双晶粒子とは、1粒子当たり、双晶面を2枚以上有する粒子を指す。実質的に含まないとは、多重双晶粒子数比率が5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下を指す。更には1重双晶粒子をも実質的に含まないことが好ましい。更には螺旋転位を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは前記規定に従う。
【0023】
このような微粒子のハロゲン組成はAgCl、AgBr、AgBrl(I-含有率は10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい)およびそれらの2種以上の混晶である。この他の詳細は特願平4−214109号の記載を参考にすることができる。
【0024】
微粒子の添加総量は、全ハロゲン化銀量の20重量%以上が必要であり、好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50%重量以上98重量%以下である。
【0025】
このような微粒子のCl含有率は10モル%以上が好ましく、より好ましくは50モル%以上100モル%以下が好ましい。
【0026】
3.核形成時、熟成時および成長時の分散媒としては従来公知のAgX乳剤用分散媒を用いることができるが、特に成長にはメチオニン含率が好ましくは0〜100μモル/g、より好ましくは0〜50μモル/gのゼラチンを好ましく用いることができる。このようなゼラチンが熟成、成長時に用いられた場合、直径サイズ分布が揃ったより薄い平板状粒子が形成され、好ましい。また、特公昭52−16365号、日本写真学会誌、29巻(1),17,22(1966年)、同30巻(1),10,19(1967年)、同30巻(2),17(1967年)、同33巻(3),24(1967年)記載の合成高分子を分散媒として好ましく用いることができる。微粒子添加による成長時のpHは,2.0以上が必要であるが、3以上10以下が好ましい。さらに好ましくはpH4以上9以下である。
【0027】
またpClは1.0以上が必要であるが、1.3以上が好ましい。さらに好ましくは1.5以上3.0以下が好ましい。
【0028】
これらの成長条件は、特に{100}面を主平面とする直方体である平板状粒子において特に好ましいものである。
【0029】
ここでpClとは、溶液中のClイオンの活量〔Cl- 〕に対し
pCl=−log〔Cl-
で定義される。T.H.James 著 THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS 第4版 第1章に詳しく述べられている。
【0030】
pHが2.0未満になってしまうと、例えば{100}面を主平面にもつ直方体である平板状粒子の場合、横方向の成長が抑制され、アスペクト比が下がり、乳剤のカバーリングパワーは低くなりがちで、かつ低感度化してしまう。pH2.0以上であると、横方向の成長速度が高くなり、高アスペクト比でカバーリングパワーも高い乳剤が得られるが、カブリが高く低感度化しやすい。一方、pClが1.0未満になるとたて方向の成長が促進され、アスペクト比が低下し、乳剤のカバーリングパワーが低く、かつ低感度化してしまう。pClが1.6以上になると高アスペクト比化してカバーリングパワーが増加するが、カブリが高く低感度化しやすい。このとき、ハロゲン化銀微粒子により基板粒子を成長させるとpHが2.0以上、さらには6以上および/またはpClが1.6以上でもカブリが低く、高感度でしかもより高アスペクト比で高カバーリングパワーとなる。
【0031】
4.本発明に特に好ましい{100}主平面螺旋転移入り平板乳剤について述べる。
【0032】
本発明の粒子の核は、1つのコーナーを含んで全投影面積の0.001%以上10%以下、より好ましくは0.001%以上7%以下の正方形の範囲内に存在していることが好ましい。
【0033】
このような平板状粒子の核の部分は、異方成長性を持たない粒子が異種ハロゲンによるハロゲンギャップおよび/または不純物等によりはじめて異方成長性を持つようになった部分までをいう。異方成長性は粒子に転位等が導入されたために付与されることが多い。核は、直接法低温透過型電子顕微鏡写真像(以後、「直接TEM像」と記す)により、格子の歪が観察され、存在場所を確認できる場合が多い。また、核はI- および/またはBr-等の異種ハロゲンを添加銀量に対して、好ましくは0.01モル%以上5モル%以下、より好ましく0.05モル%以上3モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以上1モル%以下添加するという方法で成長の履歴を入れ直接TEM像、もしくはI-の場合は低温発光を観察する方法〔例えばJournal of Imaging Science、31巻、15〜26(1987)の記載を参考にすることができる〕により、核の存在位置を間接的に確認できれば、直接TEM像で核部分の格子歪が観察されなくても良い。また本発明の粒子の核は核以外の部分と組成が異なっている場合が多いが、必ずしも組成が異なっている必要はない。しかしこの場合も、成長の履歴を核に入れること等で核の存在位置を確認できなければならない。
【0034】
このような平板状粒子は、直接TEM像で、主平面に対して垂直な方向から観察したとき、核からのびる2本の螺旋転位線を持つことが好ましい。このような転位線は、成長中の平板状粒子の投影面積が完成粒子の投影面積の20%まで保持されていることが好ましく、50%まで保持されていることが更に好ましく、99%まで保持されていることが特に好ましい。また、転位線は核形成時の核から直接のびている場合が多いが、のびている転位線の一部が消失しても、その転位線の延長が核形成時の核に達する場合は本発明の好ましい態様の粒子である。
【0035】
また、このような転位線同士のなす角は、主平面に対して垂直な方向から観察したとき5°以上85°以下であることが特徴で、30°以上75°以下であることが好ましく、45°以上75°以下であることが更に好ましい。また転位線は、平板状粒子の側面を{100}とした時、(31n)方向に導入されている場合が多いのが特徴である。
【0036】
このような構造の粒子を形成するためには、核形成で導入された転位線の消失が起こらないことが好ましい。{100}平板状粒子は、核形成で導入された転位線が粒子形成中、例えば、物理熟成、粒子成長中に消失し粒子が厚くなってしまうことが観察される。そのため、熟成は例えば微粒子存在下で行い、平板状粒子の各コーナーが溶解することに伴う転位線の消失を起こしてはならず、また、成長は、転位線が残っている状態から行わなければならない。更に転位線を安定に存在させるためには、導入された転位線がピンニングされている必要がある。そのためには、成長を単一ハロゲン組成ではなく異種ハロゲンを好ましくは0.1モル%以上25モル%以下、更に好ましくは0.5モル%以上10モル%以下、特に好ましくは0.7モル%以上7モル%以下含んだ混合ハロゲンで行う方法、黄血塩等の不純物を好ましくは0.1モル%以上20モル%以下、更に好ましくは0.2モル%以上10モル%以下含んだ単一ハロゲン組成のハロゲン溶液で成長させる方法、転位線のピンニングがはずれにくくするよう成長温度を低くする、好ましくは30℃以上75℃以下、更に好ましくは35℃以上65℃以下で成長させる方法等があり、いずれの一つの方法を用いても併用してもかまわない。ところで、異方成長性を保ちながら成長させるためにはAg+ 塩液とX- 塩液の低過飽和添加をすればよい。
【0037】
直接TEM法の、一例を以下に示す。
【0038】
(1)試料作成
粒子形成中および/または粒子形成後の乳剤を、粒子の変形が起こらないよう、フェニルメルカプトテトラゾール(1×10-3〜1×10-2モル/モルAg)のメタノール溶液中に添加した後、遠心分離により粒子を取り出し予めカーボン支持膜の貼られた電顕観察用試料支持台(メッシュ)上に滴下し乾燥させサンプルとした。
【0039】
(2)粒子の観察
作成した試料を、日本電子社製電子顕微鏡JEM−2000FXIIで、加速電圧200kV、倍率5000倍〜50000倍、試料冷却ホルダーgatan社製626−0300Cryostationを用い、観察温度−120℃で観察を行った。尚、転位線が観察できない粒子に関しては、試料を傾斜させて観察を行い転位の有無を確認した。
【0040】
観察される転位線は、核からエッジまでのびているものが大部分であるが、転位線の一部だけが観察されるものもあり、これも本発明の乳剤の好ましい態様である。
【0041】
本発明の平板状粒子の核形成は、ハロゲンギャップまたは不純物等で粒子に転位が導入することにより起こさせるが、粒子に導入された転位が3本より多くなると、最終的に得られる粒子はx、y、z軸方向に成長促進された低アスペクト比の厚い粒子が生成するようになる。ここで、x、y軸は主平面に平行で、直交し、z軸は主平面に垂直である。従って、厚い粒子の生成頻度が少なく、かつ、平板状粒子の生成頻度が高くなるように、転位形成量を制御すればよい。それを制御するために転位を形成するためのハロゲン種および添加量、そして不純物種および添加量をそれぞれトライ アンド エラーで適当な値を選ぶことができる。また、熟成および本発明の転位導入の停止に使用されるハロゲンの添加もハロゲン種および添加量もトライ アンド エラーで適当な値を選ぶことができる。
【0042】
(コーナー部に実質的にエピタキシャル部を有せず、Br含有率を高める方法)本発明に好ましく用いられる{100}高塩化銀平板乳剤は、コーナー部のBrイオン濃度が、粒子の平均Brイオン濃度よりも高いことが好ましい。ここでいうコーナー部とは、主平面を上にしたときの投影長方形の4つのコーナー部の頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される部分からはみ出した突起部で規定される。
【0043】
このようなコーナー部のBr含有率は、粒子の平均Br含有率に対し10モル%以上35モル%以下高いことが好ましく、15モル%以上30モル%以下がより好ましい。このハロゲン組成の決定には、配向X線回折法を用いることができる。配向X線回折法は、微粒子の結晶軸を1方向にそろえて、特定の結晶面からの回折X線を検出する方法である。立方体、八面体などの粒子に対し、平板状粒子は塗布時にも主平面が塗布面に平行になるよう塗られやすく配向法での検出感度が高い。
【0044】
もう一つの方法として、分析電子顕微鏡法を好ましく用いることができる。予め、ハロゲン組成の判っている試料を用いて検量線を作っておき、粒子コーナー部にのみ分析部分を絞ることで解析することができる。この場合の分析領域は0.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1μm である。装置としては、日本電子社製2000FXを好ましく用いることができる。また粒子全体の平均Br含有率はアニール後のX線回折法や、前述のEPMA法で求めることができる。
【0045】
粒子の頂点部が丸みを帯びている場合や突起を有している場合には、主平面を構成する4本の辺縁部の外挿点で頂点は決定される。
【0046】
本発明の実質的にエピタキシャル部を有しないということは、こうして決められた頂点部で、決められる長方形からはみ出した突起部の体積が、長方形で規定される体積に対し、0〜2%未満、好ましくは0〜1.9%、より好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0〜0.3%であることにより定義される。この様子を図1に示す。図1には、コーナー部に丸みを帯びた突起を有するほぼ直方体状の粒子の主平面を上にしたときの投影図が模式的に示されている。この投影図は、図示のように、四隅に丸みを帯びた突起を有するほぼ長方形状のものであり、上述のようにして外挿によって決定された頂点a、b、c、dによって規定された長方形部分であるR領域と、この長方形部分からはみ出した、突起部であるC領域とから構成されている。
【0047】
したがって、本発明のコーナー部のBr含有率は、上記の1/4円で規定される部分のほか、はみ出し部分である突起部を含めたものである。具体的には、上記の方法で決定された直方体の体積Rに対し、コーナー部の突起(エピタキシャル部)の体積Cの比率が2%未満、好ましくは1.9%以下、より好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0〜0.3%であるものをいう。
【0048】
このようなコーナー部のBr含有率を高める方法としては、粒子形成後脱塩水洗前に高いBr含有率を有するハロゲンイオンを添加する方法やBr含有率の高いハロゲン化銀微粒子を添加する方法、さらには、同様のことを脱塩水洗再分散後の化学増感工程で行うことにより達成されるが、このとき最も好ましいのは、臭化銀および/または臭塩化銀微粒子を脱塩水洗工程後化学増感工程終了間での間に添加して、ハロゲン変換を行うことが、最も好ましい。この場合に添加する粒子の銀量は、コンバージョンする土台ハロゲン化銀粒子に対して0.1モル%〜3モル%が好ましく、特に好ましくは0.2モル%〜2モル%である。3モル%を超えたコンバージョンを行うとコーナー部にエピタキシャル部位が成長してしまい好ましくないことが多い。
【0049】
(粒子表面のヨウド含有率を高める方法)
コーナー部のBr含有率を高めたあとヨウドイオンまたは超微粒子沃化銀含有乳剤にてコンバージョンすることで、粒子表面を高ヨウド化することが本発明には好ましい。このとき、添加するヨウドイオンまたは沃化銀の総量は、母体粒子の銀1モルに対し0.01%〜0.5%(モル)が好ましい。結果として粒子表面の局在する沃化銀の量は0.3モル%以上3モル%以下、さらには0.5モル%以上3モル%以下が好ましいが、より好ましくは0.8モル%以上2モル%以下が好ましい。粒子表面の沃化銀の量については、ESCA(光電子分光法)等で求めることができる。
【0050】
このプロセスには、当業界で一般的なハロゲン化銀溶剤(例えば、KSCNなど)を併用することで、いっそう粒子間で均一にヨウドのコンバージョンを行うことができる。塩化銀の場合沃化銀との溶解度差が大きいことから粒子間で均一なコンバージョンを行うためには、1重量%以下、好ましくは0.01〜1重量%の沃素イオン溶液を用いたり、0.1μm以下の平均粒子径を有する沃化銀、沃臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀などを用いることが好ましい。
【0051】
(粒子形成工程等での酸化剤の使用)
本発明では、粒子形成以降化学増感終了までの間に銀に対する酸化剤を添加することが好ましい。
【0052】
本発明の平板状粒子形成時等に用いる好ましい酸化剤としては、過酸化水素水、ジスルフィド化合物、臭素、塩素、沃素、ブロモサクシンイミド、チオスルフィン酸化合物等が好ましく用いられる。これらの中で、特に好ましいのは、過酸化水素水およびジスルフィド化合物である。ジスルフィド化合物の好ましい具体例としては、米国特許5,320,938号に記載の例示化合物のD−1ないしD−4等を好ましく用いることができる。
【0053】
これらの酸化剤の好ましい添加時期は、粒子形成時から脱塩水洗工程前、および化学熟成時のいずれのタイミングであっても良く、分割して添加しても良い。好ましい添加量は、酸化剤の種類によっても異なるが、全ハロゲン化銀量に対し1/1000000〜1/10モルの間である。
【0054】
酸化剤のなかで、チオスルフォン酸化合物を特に脱塩水洗後のハロゲン化銀乳剤に添加することで好ましくカブリを切り化学増感により高感度の乳剤を作成することができる。好ましいチオスルフォン酸化合物の例としては、米国特許5,573,901号に記載の例示化合物(6−1)ないし(6−22)、(7−1)ないし(7−9)、(8−1)ないし(8−4)を好ましく用いることができる。好ましい添加量は、銀1モル当たり1/1000000〜1/10モルである。
【0055】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は支持体の少なくとも一方の側に、本発明のハロゲン化銀写真乳剤を含む少なくとも一層の親水性コロイド層(感光性ハロゲン化銀乳剤層)を有する。
【0056】
このような親水性コロイド層のバインダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0057】
例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類等のようなセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体のような多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
【0058】
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull. Soc. Sci. Photo. Japan, No.16, P30(1966) に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
【0059】
本発明における親水性コロイドの塗布量は、感材1m2(片面)当たり1〜5g であることが好ましく、銀の塗布量は、感材1m2(片面)当たり1〜5g であることが好ましい。
【0060】
本発明の感材には、例えば特開平8−76309号に記載のコア−シェルラテックスを好ましく用いることができる。具体的には、実施例に記載のラテックスLAT1ないしLAT8を好ましく用いることができる。ポリマーラテックスを構成するモノマーの種類やガラス転移点などの特性に関しては、この公報の段落[0018]〜[0052]に記載の内容を好ましく用いることができる。
【0061】
さらに、特開平8−220669号に記載の化合物例 I−1ないしI−16およびP−1ないしP−12を好ましく用いることができる。
【0062】
本発明には、特開平6−194779号の実施例1に記載のNo. 1〜No.8のマット剤を好ましく用いることができる。また、特開平6−138572号の段落[0023]に記載の好ましい化合物例1〜9を好ましく用いることができる。
【0063】
これらのマット剤のサイズなどに関しては、特開平6−194779号の段落[0049]に記載のサイズや使用量で好ましく用いることができる。また2種類以上の粒子サイズのマット剤を混ぜて使うことができる。マット剤の粒子サイズ分布については、目的に応じてその変動係数が3〜30%の単分散粒子を用いたり、30%以上の多分散粒子を用いたりできる。
【0064】
本発明の写真感光材料に用いられる各種添加剤等については特に制限はなく、例えば、以下の該当箇所に記載のものを用いることができる。
【0065】
Figure 0004068683
Figure 0004068683
【0066】
本発明は、印刷感光材料、マイクロフィルム用感光材料、医療用Xレイ感光材料、工業用Xレイ感光材料、一般ネガ感光材料、一般リバーサル感光材料等の白黒ハロゲン化銀写真感光材料および一般カラーネガ感光材料、一般カラーリバーサル感光材料、ならびにカラー印画紙感光材料に適用することができる。好ましくは、医療用Xレイ感光材料である。
【0067】
本発明の感材の処理におけるトータルの処理時間は180秒以内、さらには90秒以内、特には20〜70秒であることが好ましい。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0069】
実施例1
本発明の乳剤A:{100}を主平面とする(以下、単に{100}ということあり。)高塩化銀平板状粒子乳剤の調製
反応容器にゼラチン水溶液1582ml(ゼラチン−1(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アルカリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 l N液7.8mlを含む水溶液。pH4.3)、NaCl−1液(水100ml中にNaCl 10gを含む)を13ml入れ、温度を40℃に保ちながら、Ag−1液(水100ml中にAgNO3 2 0gを含む)とX−1液(水100ml中にNaCl 7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ同時混合添加した。3分間撹拌した後、Ag−2液(水100ml中にAgNO3 2 gを含む)とX−2液(水100ml中にKBr 1.4gを含む)を80.6ml/分で28.2mlずつ同時混合した。3分間撹拌した後、Ag−1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同時混合添加した。2分間撹拌した後、ゼラチン水溶液203ml(ゼラチン−1 13g、NaCl 1.3g、pH6.5にするためのNaOH1N液を含む水溶液)を加え、pClを1.75とした後、温度を63℃に昇温し、その後、過酸化水素水をゼラチン1gに対し6×10-4モル添加し、pClを1.70に合わせ、3分間熟成した。その後、AgCl微粒子乳剤(E−1)(平均粒子直径0.1μm)をAgCl 2.68×10-2モル/分の添加速度で20分添加した。添加終了後40分間熟成した後、沈降剤−1を加え、温度を35℃に下げ、沈降水洗した。アルカリ処理ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH6.0に調節した。得られた粒子のレプリカのTEM像を観察した。得られた粒子は、銀を基準としてAgBrを0.44モル%含む塩臭化銀{100}平板状粒子であった。
【0070】
得られた粒子の形状特性値は、
(平板度25以上の{100}平板状粒子の全投影面積/全ハロゲン化銀粒子の投影面積和)×100=a1=95%
{100}平板状粒子の平均アスペクト比(平均直径/平均厚さ)=a2=15.5
{100}平板状粒子の平均投影面積直径 =a3=1.40μm
{100}平板状粒子の主面縁長比 =a4=0.90
{100}平板状粒子の平均厚さ =a5=0.09μm
{100}平板状粒子の厚さ分布の変動係数[(厚さの標準偏差/平均厚さ)×100] =a6=11%
[{100}平板状粒子で粒子のコーナー部より伸びる2本の転位線が、透過型電子顕微鏡にて観察できる粒子数/全粒子数]×100 =a7=87%
2本の転位線のなす角の平均角度 =a8=56°
【0071】
また、この平板状粒子を直接TEM像で観察したところ塗布後の乳剤でも、その57%の粒子に前記転位線を観察することができた。
【0072】
化学増感
以上のように調製した粒子を撹拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。まず、チオスルホン酸化合物−1をハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル添加し、つぎに平均粒子直径0.10μmのAgBr微粒子を全銀量に対して下記表1のように添加し、5分後、1重量%のKI溶液をハロゲン化銀1モル当たり下記表1のように添加し、さらに3分後、二酸化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデンを3×10-4モル/モルAgと増感色素−1、2、3、4をそれぞれ添加した。さらに塩化カルシウムを1×10-2モル/モルAg添加した。さらに塩化金酸1×10-5モル/モルAgおよびチオシアン酸カリウムを表1のように添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム(6×10-6モル/モルAg)およびセレン化合物−1(4×10-6モル/モルAg)とテルル化合物−1(3×10-6モル/モルAg)を添加した。さらに3分後に核酸(0.5g/モルAg)を添加した。40分後に水溶性メルカプト化合物−1を添加し、35℃に冷却した。こうして乳剤の調製(化学熟成)を終了した。
【0073】
上記において用いた化合物の構造式は下記のとおりである。
【0074】
【化1】
Figure 0004068683
【0075】
【表1】
Figure 0004068683
【0076】
調製した乳剤の電子顕微鏡写真から、前述のようにしてコーナー突起部の体積C/母体の体積Rの比率C/R(%)を求めた。さらにコーナー部の臭化銀含有率を分析電子顕微鏡により前述のようにして求めた。この際検量線は、別途用意した均一ハロゲン組成のBr量0〜100モル%の立方体ハロゲン化銀粒子を用いて作成した。この検量線用粒子の正確なハロゲン組成は、別途200℃10時間のアニール後のX線回折から求めた。また、表面ヨウド量をESCAにより求めた。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0004068683
【0078】
(乳剤層塗布液の調製)
化学増感を施した上記乳剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品を添加して乳剤塗布液とした。
【0079】
・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 50.0g
・デキストラン(平均分子量3.9万) 10.0g
・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1g
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2g
・沃化カリウム 78 mg
・硬膜剤 1,2ービス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
膨潤率が90%の値となるように添加量を調整
・化合物A−1 42.1mg
・化合物A−2 10.3g
・化合物A−3 0.11g
・化合物A−4 8.5mg
・化合物A−5 0.43g
・化合物A−6 0.04g
・化合物A−7 70g
・染料乳化物a(染料固形分として) 0.50g
・染料乳化物m(染料固形分として) 30mg
(NaOHでpH6.1に調整)
上記における化合物A−1〜A−7は以下のとおりである。
【0080】
【化2】
Figure 0004068683
【0081】
また、上記で用いた染料分散物a、mは以下のようにして調製したものである。
【0082】
(染料乳化物aの調製)
下記染料−1を60gおよび2,4−ジアミルフェノールを62.8g、ジシクロヘキシルフタレートを62.8gおよび酢酸エチル333gを60℃で溶解した。つぎにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5重量%水溶液65mlとゼラチン94g,水581mlを添加し、ディゾルバーにて60℃で30分間乳化分散した。つぎにp−ヒドロキシ安息香酸メチルを2gおよび水6リットルを加え、40℃に降温した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモジュールACP1050を用いて、全量が2kgとなるまで濃縮し、p−ヒドロキシ安息香酸メチルを1g加えて染料乳化物aとした。
【0083】
【化3】
Figure 0004068683
【0084】
(染料乳化物mの調製)
下記染料−2を10g秤取し、トリクレジルフォスフェート10mlと、酢酸エチル20mlから成る溶媒に溶解した後、アニオン界面活性剤−1 750mgを含む15重量%ゼラチン水溶液100ml中に乳化分散することにより、染料乳化物mを調製した。
【0085】
【化4】
Figure 0004068683
【0086】
(染料層塗布液の調製)
染料層の各成分が、下記の塗布量となるように塗布液を調製した。
【0087】
・ゼラチン 0.25g/m2
・化合物A−8 1.4mg/m2
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 5.9mg/m2
・染料分散物i(染料固形分として) 20mg/m2
【0088】
上記における化合物A−8は以下に示すものであり、染料分散物iは以下のようにして調製した。
【0089】
【化5】
Figure 0004068683
【0090】
(染料分散物iの調製)
下記染料−3を乾燥させないでウェットケーキとして取り扱い、乾燥固形分で6.3gになるよう秤量した。下記分散助剤Vは、25重量%の水溶液として扱い、乾燥固形分で染料固形分に対し30重量%になるように添加した。水を加えて全量を63.3gとし、良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニア製ビーズを100ml用意し、スラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/16Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて6時間分散し、染料濃度が8重量%となるように水を加えて染料分散液を得た。
【0091】
得られた分散物は、染料固形分が5重量%、写真用ゼラチンが染料固形分と等重量%となるように混合し、防腐剤として下記添加剤Dがゼラチンに対して2000ppm となるように蒸留水を添加して冷蔵し、ゼリー状にて保存した。
【0092】
このようにして915nmに光吸収極大を持つ非溶出性の固体微粒子分散状の染料として染料状染料分散物iを得た。
【0093】
染料分散物iの固体微粒子の平均粒子径は0.4μm であった。
【0094】
【化6】
Figure 0004068683
【0095】
【化7】
Figure 0004068683
【0096】
(表面保護層塗布液の調製)
表面保護層塗布液を、各成分が下記の塗布量となるように調製した。
【0097】
・ゼラチン 0.780 g/m2
・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.025 g/m2
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万)0.0012g/m2
・マット剤−1(平均粒径3.7μm) 0.072 g/m2
・マット剤−2(平均粒径0.7μm) 0.010 g/m2
・化合物A−9 0.018 g/m2
・化合物A−10 0.037 g/m2
・化合物A−11 0.0068g/m2
・化合物A−12 0.0032g/m2
・化合物A−13 0.0012g/m2
・化合物A−14 0.0022g/m2
・化合物A−15 0.030 g/m2
・プロキセル(ICI社製) 0.0010g/m2
(NaOHでpH6.8に調整)
【0098】
上記におけるマット剤−1、−2、化合物A−9〜A−15は以下に示すものである。
【0099】
【化8】
Figure 0004068683
【0100】
【化9】
Figure 0004068683
【0101】
(支持体の調製)
(1)下塗層用染料分散物Bの調製
下記染料−4を特開昭63−197943号に記載の方法でボールミル処理した。
【0102】
【化10】
Figure 0004068683
【0103】
水434mlおよびTriton X200(登録商標)界面活性剤(TX−200(登録商標))の6.7%水溶液791mlとを2リットルのボールミルに入れた。染料−4 20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡した後、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は0.05〜1.15μmにかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、遠心分離操作を行うことで0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Bを得た。
【0104】
(2)支持体の調製
二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が4.9ml/m2 と成るようにワイヤーコンバーターにより塗布し、185℃にて1分間乾燥し第1下塗層を設けた。
【0105】
つぎに反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料−1(前記)が0.04重量%含有されているものを用いた。
【0106】
(第1下塗液)
・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液
(固形分40%。ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158ml
・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s
−トリアジンナトリウム塩4重量%溶液 41ml
・蒸留水 801ml
*ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物A−16をラテックス固形分に対し0.4wt%含有
【0107】
【化11】
Figure 0004068683
【0108】
(3)下塗層の塗布
上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ,両面にワイヤー・バーコーダー方式により塗布し、155℃で乾燥した。
【0109】
Figure 0004068683
【0110】
上記における化合物A−17、A−18は以下に示すものである。
【0111】
【化12】
Figure 0004068683
【0112】
(写真材料の調製)
前述のように準備した支持体上に先の染料層、乳剤層と表面保護層とを組み合わせ同時押し出し法により両面に塗布し、乾燥した。片面当たりの塗布銀量は1.4g/m2、 片面当たりの全塗布ゼラチン量は1.8g/m2とした。こうして塗布試料1〜11を作成した。
【0113】
(膨潤率の測定)
まず、測定する感材を40℃60%RH条件下7日間経時させた。次に、この感材を21℃の蒸留水に3分間浸漬し、この状態を液体窒素で凍結固定した。この感材をミクロトームで感材面に垂直となるよう断面を切った後、−90℃で凍結乾燥した。以上の処理を行ったものを走査型電子顕微鏡で観察し膨潤膜厚Twを求めた。一方、乾燥状態の膜厚Tdも走査型電子顕微鏡を用いた断面観察により求めた。このようにして求めたTwとTdの差をTdで除して100倍した値を膨潤率(単位%)とした。
【0114】
{(Tw−Td)/Td}×100=膨潤率(%)
この写真材料においては、Tw=3.5μm、Tw=6.65μmであり、膨潤率は上記のとおり90%であった。
【0115】
(現像液の調製 )
下記処方のエリソルビン酸ナトリウムを現像主薬とする現像液を調製した。
【0116】
Figure 0004068683
下記化合物を下記量
【0117】
【化13】
Figure 0004068683
【0118】
【化14】
Figure 0004068683
【0119】
水を加えて2リットルとする。
【0120】
水酸化ナトリウムでpH10.1に調整する。
【0121】
(現像補充液の調製)
上記現像液をそのまま、現像補充液として使用した。
【0122】
(現像母液の調製)
上記現像液2リットルをとり、下記組成のスタータ液を現像液1リットル当たり55ml添加し、pH9.5の現像液を現像母液とした。
【0123】
(スタータ液の調製)
臭化カリウム 11.1g
酢酸 10.8g
水を加えて55mlとする。
【0124】
(濃縮定着液の調製)
以下の処方の濃縮定着液を調製した。
水 0.5リットル
エチレンジアミン テトラ酢酸・2水塩 0.05g
チオ硫酸ナトリウム 200g
重亜硫酸ナトリウム 98.0g
水酸化ナトリウム 2.9g
NaOHでpH5.2に調整し、水を加えて1リットルとする。
【0125】
(定着補充液の調製)
上記濃縮定着液を第1水洗水廃液で2倍希釈し、定着補充液として使用した。
【0126】
(定着母液の調製)
上記濃縮定着液2リットルを水で希釈し4リットルとした。pHは5.4であった。
【0127】
(水洗水補充液)
グルタルアルデヒド 0.3g
ジエチレン−トリアミン−ペンタ−アセティック−アシッド 0.5g
蒸留水にて希釈し、かつNaOHでpH4.5に調整し、完成液1リットルを得た。
【0128】
(写真材料の処理工程)
富士写真フイルム(株)製CEPROS−Sを改造し、水洗槽を2段向流水洗として、第2水洗層に水洗水補充を行った。また、現像槽、定着槽の開口率は、0.02cm-1に改良した。水洗槽の容量は、いずれも6リットルである。また、乾燥は、ヒートローラー方式(ローラー表面温度85℃)を用いた。
【0129】
上記現像母液および定着母液、水洗水補充液を用いて、現像補充液および定着補充液、水洗水補充液をいずれも感光材料1m2当たり65ml補充しながら処理した。
【0130】
工 程 温 度 処理A 処理B
現 像 35℃ 8秒 12秒
定 着 35℃ 7秒 10秒
水 洗 第1 30℃ 5秒 8秒
水 洗 第2 25℃ 5秒 8秒
乾 燥 3秒 7秒
合 計 28秒 45秒
【0131】
(写真性能の評価)
写真材料を富士写真フイルム(株)社製のXレイオルソスクリーンHGMとHGHを使用して両側から0.05秒の露光を与えた。露光後、感度は試料1の処理Aを基準とし、カブリに加えて1.0の濃度を与える露光量の比の逆数で示した。
【0132】
写真性能の評価を表3に示す。
【0133】
【表3】
Figure 0004068683
【0134】
表3から、本発明の効果は明らかであり、本発明の乳剤を用いた塗布試料は迅速処理に適することがわかる。
【0135】
【発明の効果】
本発明によれば、高感度で迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平板状ハロゲン化銀粒子を説明するための模式図である。
【符号の説明】
a,b,c,d 頂点
R 長方形部分
C コーナー部

Claims (8)

  1. 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が下記の条件a)〜)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されていることを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
    a)塩化銀含有率が50モル%以上であること。
    c)平板度が25以上であること。
    e)平均厚みが0.09μm以上0.20μm以下であること。
    d){100}面を主平面とする直方体であること。
    f)投影面積の円相当直径の平均が2.0μm以下であること。
    g)粒子のコーナー部のBr含有率が粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高いこと。
    (但し、コーナー部とは、前記直方体の主平面を上にしたときの投影長方形の4つの頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域からはみ出した突起部をいう。)
    b)前記突起部の体積が、前記投影長方形で規定される体積に対し0〜2%未満であること。
    h)アスペクト比が5〜25であること。
  2. 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件h)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている請求項1のハロゲン化銀乳剤。
    h)核形成時の核部をコーナー部に有し、この粒子中に少なくとも1本以上3本以下の螺旋転位線を有すること。
  3. 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件i)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている請求項1または2のハロゲン化銀乳剤。
    i)粒子表面のヨウド含有率が0.3モル%以上3モル%以下であること。
  4. 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がさらに下記の条件j)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されている請求項1〜3のいずれかのハロゲン化銀乳剤。
    j)粒子投影面積の円相当直径の変動係数が5%以上30%以下であること。
  5. 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が下記の条件a)〜)を同時に満たす構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子から構成されているハロゲン化銀乳剤の製造方法であって、粒子のコーナー部のBr含有率が、粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高くなるように、Brでコンバージョンすることを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
    a)塩化銀含有率が50モル%以上であること。
    c)平板度が25以上であること。
    e)平均厚みが0.09μm以上0.20μm以下であること。
    d){100}面を主平面とする直方体であること。
    f)投影面積の円相当直径の平均が2.0μm以下であること。
    g)粒子のコーナー部のBr含有率が粒子平均Br含有率よりも10モル%以上35モル%以下の範囲で高いこと。
    (但し、コーナー部とは、前記直方体の主平面を上にしたときの投影長方形の4つの頂点と、そこから半径0.2μm以内の1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域および前記1/4円で規定される主平面と粒子厚みの占める領域からはみ出した突起部をいう。)
    b)前記突起部の体積が、前記投影長方形で規定される体積に対し0〜2%未満であること。
    h)アスペクト比が5〜25であること。
  6. 銀に対する酸化剤を、粒子形成以降化学増感終了までの間に添加する請求項5のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
  7. 平板状ハロゲン化銀粒子がチオスルフォン酸存在下に化学増感されている請求項5または6のハロゲン化銀写真乳剤の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかのハロゲン化銀写真乳剤を含む少なくとも一層の親水性コロイド層を支持体の少なくとも一方の側に有するハロゲン化銀写真感光材料。
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