JP4148479B2 - 走査型露光装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、より高精度な同期露光走査を実現するための基板ステージまたは原版ステージ制御系の動的な目標値を生成する手段を備える走査型露光装置に関し、特に、ショット内歪みを補正することも可能な走査型露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静止型露光装置においては図9に示すようなアライメント計測結果からショットの中心位置を計算し、ウエハステージの目標値として与える構成になっていた。ウエハステージに対する目標値としてはX軸回りの配列回転θx(Rot.x)、Y軸回りの配列回転θy(Rot.y)、X方向配列倍率Magx(Scal.x)、Y方向配列倍率Magy(Scal.y)、X方向位置ずれShift.x、Y方向位置ずれShift.y、露光ショットナンバー(Shot Used)から計算されるショット中心の座標、およびショット中心を回転中心としたチップローテーション(R.O)等のデータが与えられていた。静止型露光装置ではショットの画角内の露光が一括して行なわれるので、画角内の歪みが修正できないのに対し、走査露光装置では、1ショットの露光を部分的な露光から構成できるために図6のX1,Y1,θ1のようなショット内歪み(スキュー歪み)の補正が可能である。
【0003】
しかしながら、従来の技術においては図9に示したようなアライメント計測データから図6のような同期走査露光を実現するためのウエハステージの制御目標値を生成および定義する手段、すなわち、▲1▼走査露光を行なっている間に逐次変化するウエハステージの目標値の生成と定義手段、▲2▼ショットごとに変化する露光画角のサイズに対応する目標値の生成と定義手段、▲3▼ショットごとに変化する走査スピードと走査方向に対応する目標値の生成と定義手段、および▲4▼露光開始時に露光エリアにおける位置整合がとれた位置までステップする手段、が与えられていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基板ステージ及び原版ステージの少なくとも一方に対する目標位置生成に有用な手法を含む走査型露光技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の走査型露光装置は、原版と基板とを走査しながら、前記原版のパターンを介して前記基板のショット領域を露光する走査型露光装置において、前記原版を保持して移動可能な原版ステージと、前記基板を保持して移動可能な基板ステージと、グローバルアライメント計測によって得られる前記ショット領域の中心位置のデータに基づき、前記原版パターンの中心と前記基板上のショット領域の中心とが整合するように、前記パターンの中心又は前記ショット領域の中心を原点とした走査軸における座標を変数とする少なくとも0次乃至2次の項を含む多項式の0次の項の係数を設定し、該0次の項の係数に基づいて前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方の目標位置を生成する目標位置生成手段と、前記目標位置に従って駆動された前記原版ステージ及び前記基板ステージの相対位置の目標相対位置からのずれを取り除くための、前記目標位置に対する第1の補正値を生成する第1の補正値生成手段と、ジョブパラメータ及び前記グローバルアライメント計測の少なくとも一方から得られる前記ショット領域の歪みに関するデータに基づき、前記ショット領域の歪みに対応した前記多項式の少なくとも1次及び2次の項の係数を設定し、該少なくとも1次及び2次の項の係数に基づいて前記目標位置に対する第2の補正値を生成する第2の補正値生成手段と、前記目標位置並びに前記第1及び第2の補正値に基づいて、前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方を移動させる駆動手段と、を具備することを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明の走査型露光方法は、移動可能な原版ステージに保持された原版と移動可能な基板ステージに保持された基板とを走査しながら、前記原版のパターンを介して前記基板のショット領域を露光する走査型露光方法において、
グローバルアライメント計測によって得られる前記ショット領域の中心位置のデータに基づき、前記原版パターンの中心と前記基板上のショット領域の中心とが整合するように、前記パターンの中心又は前記ショット領域の中心を原点とした走査軸における座標を変数とする少なくとも0次乃至2次の項を含む多項式の0次の項の係数を設定し、該0次の項の係数に基づいて前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方の目標位置を生成し、
前記目標位置に従って駆動された前記原版ステージ及び前記基板ステージの相対位置の目標相対位置からのずれを取り除くための、前記目標位置に対する第1の補正値を生成し、
ジョブパラメータおよび前記グローバルアライメント計測の少なくとも一方から得られる前記ショット領域の歪みに関するデータに基づき、前記ショット領域の歪みに対応した前記多項式の少なくとも1次及び2次の項の係数を設定し、該少なくとも1次及び2次の項の係数に基づいて前記目標位置に対する第2の補正値を生成し、
前記目標位置並びに前記第1及び第2の補正値に基づいて、前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方を移動させることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明のデバイス製造方法は、前記走査型露光装置を用いて原版のパターンを介して基板を露光する工程を有することを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記多項式における各項の係数は上位プロセッサで決定され、下位プロセッサにショット単位で渡され、前記目標値は適切な値に設定されたサーボクロックの間隔で該下位プロセッサで演算される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態に係る走査型露光装置は、走査することによって原版上のパターンを投射する第1の方向に走査可能なステージを持ち、ショットごとに与えられるパラメータに基づいて、走査中の目標値を生成する目標値生成手段を具備する。上記目標値生成手段は、走査軸の座標値、または走査軸の走査開始時間に基づいた基準時間を変数とした関数式により走査軸以外の第2の方向の駆動目標値を計算する。
【0010】
上記関数は、該走査軸の座標値もしくは該基準時間を変数とした多項式であり、該多項式の係数をユーザがJOBパラメータとして入力、設定が可能である。またはグローバルアライメント計測によって得られるショット配列データからショット内のひずみを推測し、上記多項式の変数を計算しても良い。上記多項式の係数はショットごとにショット内の所定の1点を原点として与えられる。本実施形態では上記所定の1点はショット中心である。上記所定の1点からの相対距離で露光ショットの寸法をショットごとに指定する。上記露光ショットの定義方法に基づいたパラメータ群をショット単位で与える。
【0011】
好ましくは、走査露光ショットの露光を開始する前に、少なくとも走査露光領域と該補正パラメータと一定速度走査に入るまでの加速時間とセトリング時間によって与えられる走査開始位置までステップ移動するステップ移動手段を設ける。そして、ショット座標を定義したパラメータ群を露光ショットごとに指定することによって、1ショット分の露光のための走査開始位置までのステップ移動と露光のための走査が連続して行なわれる。
【0012】
本発明の実施の一形態に係る露光方法においては、露光ショットもしくはレチクルパターンの中心を原点とした座標系を定義する。走査露光中のウエハステージもしくはレチクルステージの全軸に関する目標値を上記座標系における走査軸における座標を変数にとった多項式で表現する。多項式における各項の係数はグローバルアライメント計測やJOBパラメータ入力によって決定し、ショット単位で上位プロセッサから渡される。下位プロセッサはこれらの係数を有する前記多項式と走査中のショット内における走査軸上位置座標から逐次目標値を再生する。
【0013】
【作用】
上記構成によれば、同期走査露光を実現するための基板ステージもしくは原版ステージの制御目標値を生成および定義する手段を提供することができる。また、目標値(X0,Y0,θ0)の与え方に関し、露光スリットの走査中に基板ステージと原版ステージの逐次生成する動的な目標値生成手段を従来の基板ステージの目標値生成手段に追加した構成にすることにより、従来の露光装置との露光シーケンスコントローラの互換性を維持することができる。また、本発明の定義手段によれば、ショット内歪みを補正することも可能である。さらに、その逆に、原版のパターンを先行工程において歪んで形成されたショット内パターンに合わせて歪ませて重ね合わせ露光することも可能である。
【0014】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例に係る露光装置を側方から見た様子を模式的に示す図であり、図2は、その露光装置の外観を示す斜視図である。これらの図に示すように、この露光装置は、レチクルステージ1上の原版のパターンの一部を投影光学系2を介してウエハステージ3上のウエハに投影し、投影光学系2に対し相対的にレチクルとウエハをY方向に同期走査することによりレチクルのパターンをウエハに露光するとともに、この走査露光を、ウエハ上の複数の転写領域(ショット)に対して、繰り返し行なうためのステップ移動を介在させながら行なうステップ・アンド・スキャン型の露光装置である。
【0015】
レチクルステージ1はリニアモータ4によってY方向へ駆動し、ウエハステージ3のXステージ3aはリニアモータ5によってX方向に駆動し、Yステージ3bはリニアモータ6によってY方向へ駆動するようになっている。レチクルおよびウエハの同期走査は、レチクルステージ1およびYステージ3bをY方向へ一定の速度比率(例えば4:−1、なお、「−」は向きが逆であることを示す)で駆動させることにより行なう。また、X方向へのステップ移動はXステージ3aにより行なう。Xステージ3aには不図示のZ−チルトステージが搭載され、その上にはウエハを保持するウエハチャック13が取り付けられている。
【0016】
ウエハステージ3は、ステージ定盤7上に設けられ、ステージ定盤7は3つのダンパ8を介して3点で床等の上に支持されている。レチクルステージ1および投影光学系2は鏡筒定盤9上に設けられ、鏡筒定盤9は床等に載置されたベースフレーム10上に3つのダンパ11および支柱12を介して支持されている。ダンパ8は6軸方向にアクティブに制振もしくは除振するアクティブダンパであるが、パッシブダンパを用いてもよく、あるいはダンパを介せずに支持してもよい。
【0017】
また、この露光装置は、鏡筒定盤9とステージ定盤7との間の距離を3点において測定するレーザ干渉計23,24、マイクロエンコーダ等の距離測定手段13を備えている。なお、25はレーザ側長光路、26はY方向移動鏡である。
【0018】
投光手段21と受光手段22は、ウエハステージ3上のウエハが投影光学系2のフォーカス面に位置しているか否かを検出するためのフォーカスセンサを構成している。すなわち、鏡筒定盤9に固定された投光手段21によりウエハに対して斜め方向から光を照射し、その反射光の位置を受光手段22によって検出することにより投影光学系2の光軸方向のウエハ表面の位置が検出される。
【0019】
この構成において、不図示の搬送手段により、装置前部の2つの支柱12間の搬送経路を経てウエハステージ3上にウエハが搬入され、所定の位置合せが終了すると、露光装置は、走査露光およびステップ移動を繰り返しながら、ウエハ上の複数の転写領域に対してレチクルのパターンを露光転写する。走査露光に際しては、レチクルステージ1およびYステージ3bをY方向(走査方向)へ所定の速度比で移動させて、スリット状の露光光でレチクル上のパターンを走査するとともに、その投影像でウエハを走査することにより、ウエハ上の所定の転写領域に対してレチクル上のパターンを露光する。走査露光中、ウエハ表面の高さは前記フォーカスセンサで計測され、その計測値に基づきウエハステージ3の高さとチルトがリアルタイムで制御され、フォーカス補正が行なわれる。1つの転写領域に対する走査露光が終了したら、Xステージ3aおよび/またはYステージ3bを駆動してウエハをX方向および/またはY方向へステップ移動させることにより、他の転写領域を走査露光の開始位置に対して位置決めし、走査露光を行なう。なお、このX,Y方向へのステップ移動と、Y方向への走査露光のための移動との組合せにより、ウエハ上の複数の転写領域に対して、順次効率良く露光が行なえるように、各転写領域の配置、Yの正または負のいずれかへの走査方向、各転写領域への露光順等が設定されている。
【0020】
図1のような走査露光方式の装置では、静止露光方式の場合と異なり、走査中のウエハステージの位置を所定の時間に所定の位置に位置決めする必要がある。そこで、本実施例では、変形成分を含んだショットの位置を次のように定義している。すなわち、露光ショットの中心を原点として、走査方向をY軸、露光面内で直交する方向をX軸、露光面に直交する方向(光軸方向)をZ軸と定義する。そしてY座標yを変数に持つ関数を1次からn次まで定義して、その関数値(以下、CASPパラメータという)を各軸(X,Y,Z,θX ,θY ,θZ の6軸)の座標値に補正値として加える。CASPパラメータは露光ショット毎に上位プロセッサから下位プロセッサに渡される。
【0021】
例えば、X軸に関するCASPパラメータは、下記の多項式
【0022】
【数1】
で表わすことができる。ここで、Cx0はショット中心とウエハステージとの位置関係を表わし、Y0 はショット中心とレチクル中心との位置関係を表わす。
【0023】
本実施例では、実際には、(1)式の2次の項までの式である下記の2次式を採用した。
【0024】
【数2】
図3は、図1の装置におけるステージ制御系の構成を示す。同図の制御系は、シーケンス処理を行なう上位プロセッサ30とリアルタイム処理を行なう下位プロセッサ40とで構成される。上位プロセッサ30には、JOBパラメータ入力手段31、グローバルアライメント計測手段32、ショット歪みデータ処理手段34、レチクルアライメント計測手段33およびアライメントデータ処理手段35等がソフトウエアとして設けられている。下位プロセッサ40には、CASP再生手段41、プロファイラ42、ユニット間補正目標値生成手段43、加算器45、加算器46、非干渉化処理・サーボ演算処理手段48およびトポロジー補正手段49等がソフトウエアとして設けられている。
【0025】
上位プロセッサ30は、シーケンス処理を行なうため、イベントによって種々のプロセスが起動され、各処理項目の実行に関して時間的な保証は期待することができない。本実施例においては、アライメント計測等のユニット間にまたがる処理やパラメータ入力処理など、時間的な束縛条件の緩い処理項目を上位プロセッサ30に担わせ、時間的な束縛条件の厳しい処理項目は下位プロセッサ40に担わせている。
【0026】
下位プロセッサ40は、リアルタイム処理を行なう。すなわち、タイマ割り込みによって決められたプロセスの起動がかかり、次回のタイマ割り込みが発生するまでに確実に処理の完結が保証される。本実施例においては、走査露光中におけるステージの目標値生成とサーボ演算処理を下位プロセッサが担っている。
【0027】
上位プロセッサ30において、JOBパラメータ入力手段31は、装置のユーザがマンマシンインターフェースを介して、プロセスやパターン情報に基づいた情報を入力するためのものである。この実施例では、平行四辺形や台形型ショット形状(スキュー歪み)に代表されるショット内歪みに関するJOBパラメータを入力できるようになっている。
【0028】
グローバルアライメント計測手段32は、ウエハ内で代表的な数ショットにおけるアライメント計測を行ない、計測データを得る。本実施例においてはグローバルアライメント計測は静止状態で行なっているが、走査しながら行なっても良い。グローバルアライメントデータからは、例えばショットとショットの中心位置の相対的な関係からウエハの延びが推測できるので、ショット歪みデータを計算することができる。
【0029】
例えばY方向倍率MagyはCASPY方向1次パラメータに代入し、X方向倍率Magxは投影レンズの投影倍率に代入することで露光ショットの縦横偏倍値をグローバルアライメントデータから得ることができる。
【0030】
レチクルアライメント計測手段33は、レチクルパターンの装置基準に対する中心位置のずれ量とショットパターン内歪み量を計測する。
【0031】
ショット歪みデータ処理手段34は、JOBパラメータ入力手段31から入力されるショット歪みデータと、グローバルアライメント計測手段32から得られるショット歪みデータを統合し、その統合結果とさらにレチクルアライメント計測手段33から得られるレチクル歪みデータとに基づいて、CASP1〜n次のパラメータを算出して出力する。
【0032】
アライメントデータ処理手段35は、レチクルパターンの中心とウエハ上のパターンの中心の位置を整合させるための演算処理を行なう。ここでは、両者のパターン中心がそれぞれ装置基準に対して整合するような補正計算が行なわれる。演算処理結果は、CASP0次パラメータ(Cx0,Cy0,‥‥,Y0 )として出力される。
【0033】
上記のCASP1〜n次パラメータは、CASP再生手段41等で計算される多項式の係数の集まりで、ショットの中心位置情報(CASP0次)とショット内歪み情報(CASP1〜n次)を含んでいる。CASPパラメータはショットごとに上位プロセッサから下位プロセッサ40に渡される。
【0034】
下位プロセッサ40において、プロファイラ42は、走査露光時およびステップ移動時のステージ移動を所定のプロファイルで行なうためのステージ位置決め目標値を生成する。また、上位プロセッサ30からショットごとに渡される上記0〜n次のCASPパラメータのうち0次のCASPパラメータに基づいて、上記位置決め目標値を補正して出力する(プロファイル出力)。
【0035】
CASP0次パラメータは、例えばショットからショットにステップ移動するときに大きなレンジで変化する。目標値が大きく変化する場合は、ウエハステージのサーボ系に大きなステップ入力が加わらないように、目標位置変位を滑らかになまらせる必要がある。プロファイラ42は、与えられた目標値と最大加速度、最高速度、最大撃力から最短時間でかつ時間軸に対して滑らかなステージ移動が行なわれるような前記位置決めの目標値データを出力する。また、走査露光時にはウエハステージ/レチクルステージを加速したあと一定速で駆動するための等速運動目標値を生成し、減速停止させることもできる。
【0036】
CASP再生手段41は、プロファイラ42と協働してCASPパラメータに表現された多項式の係数から、ウエハステージのショット内現在位置に応じて目標位置を再現する。すなわち、CASP再生手段41は、上位プロセッサ30からショットごとに渡される上記0〜n次のCASPパラメータのうち1〜n次のCASPパラメータを、上記(2)式の係数として、走査中のショット内における座標位置yから逐次補正値(x(y),y(y),z(y),θx(y),θy(y),θz(y))を算出し、ステージ位置補正値を再生する。CASP再生手段によって出力される逐次補正値はショット内歪みを補正するために使われるので実際の出力値は高々XY方向で±50nm程度である。
【0037】
本実施例においてはレチクルステージはY方向にのみ動く。レチクルステージガイドはY方向を案内するが、レチクルステージの絶対位置に応じてY軸以外において微少な変位量が発生するので、それによってレチクルが変位した分はウエハステージの位置を補正して誤差を取り除く必要がある。ユニット間補正目標値生成手段43はこのような誤差を取り除くためのユニット間補正目標値を生成する。
【0038】
加算器45は、CASP再生手段41から入力されるCASP再生データとプロファイラ42から入力されるプロファイラ出力とユニット間補正目標値生成手段43から入力されるユニット間補正目標値を加算する。3者の値は走査露光中は常に変化しており、合計値を逐次目標値としてサーボ系の目標値入力手段である加算器46に出力する。
【0039】
トポロジー補正手段49は、ウエハステージの現在位置を検出するセンサの信号読み値から機構的な要因から発生する他軸干渉を取り除き、ウエハステージ座標軸における現在位置を出力する。
【0040】
加算器46は、ウエハステージのサーボ系を構成する。トポロジー補正手段49からのウエハステージの現在位置と加算器45から出力される逐次目標値との差を演算して偏差データを計算する。
【0041】
非干渉化処理・サーボ演算処理手段48は加算器46から得られた各座標軸における偏差量をアクチュエータの取り付け位置基準の駆動量に変換する。また、PIDに代表されるようなサーボ演算や機械系の共振点を取り除くようなノッチフィルタ演算等が含まれる。
【0042】
50は座標変換器である。上位プロセッサはウエハステージの目標位置をウエハステージのチャック中心かつ表面をピボット点とした6軸の座標表現で目標位置を指定する。座標変換器50によってウエハステージの回転中心は投影レンズ中心かつ像面という不動の点に変換される。CASPパラメータによる回転成分は投影レンズ中心かつ像面をピボット点とした回転量で操作される。
【0043】
図4は本発明を実施した走査露光装置において走査露光開始時のスリット位置(A)と走査露光終了後のスリット位置(B)を表わしたものである。同図において、101(実線)はショット歪み補正をCASPパラメータ指定によって行なう場合のショット形状、102(点線)はショット歪み補正を行なわない場合のショット形状である。CASPパラメータによるショット歪み補正の指示によるショット歪み補正を行なわない状態のショット102に対してスリットの露光開始時の位置が元の位置からずれてしまう。
【0044】
図5は隣り合う露光ショットを連続して走査露光する場合の露光スリット中心のウエハ表面に対して通過する軌跡を表わす図である。同図において、201は第一のショット206の走査露光の軌跡、202は第一のショット206と第二のショットの間をステップする軌跡(ショット歪み補正を行なう場合)、203(点線)は第一のショット206と第二のショット207の間をステップする軌跡(ショット歪み補正を行なわない場合)、204は第二のショット207の走査露光の軌跡(ショット歪み補正を行なう場合)、205(点線)は第二のショット207の走査露光の軌跡(ショット歪み補正を行なわない場合)である。
【0045】
第二のショット207にショット歪みがある場合、走査露光を開始する位置を変更する必要がある。すなわちステップ駆動の目標値を203から202に変更しなければならない。上記変動量は、X軸方向成分のみのショット歪みを例にとった場合、以下の式で求めることができる。
【0046】
【数3】
図6は上記の実施例で補正可能なショット歪みとそれを補正するための多項式(図6はいずれも1次式)の説明図である。
【0047】
【第2の実施例】
上述においては、走査軸(Y軸)の座標値に応じて走査軸以外の駆動目標値を2次成分まで考慮して計算する方法として、(2)式を用いた例を示したが、もう一つの例として走査軸の走査開始時間に基づく基準時間に応じて走査軸以外の駆動目標値を計算する例を説明する。
【0048】
ステージの位置は、
【0049】
【数4】
で表現され、第1の実施例と同様の目標値再生が可能である。走査スリットがショット中心に位置する時間(Ts)は露光を開始する前にショットの中心座標と露光動作に入る前の現在位置と走査速度、加速度パラメータからあらかじめ求めることができる。すなわちショット中心を露光スリットが通過する時間を原点としたCASPパラメータを設けることにより、第1の実施例の走査位置に基づいた目標値再生方法と同じ結果が得られる。
【0050】
微小デバイスの製造の実施例
図7は微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。
【0051】
図8は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【0052】
本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを低コストに製造することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基板ステージ及び原版ステージの少なくとも一方に対する目標位置生成に有用な手法を含む走査型露光技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る露光装置を側方から見た様子を模式的に示す図である。
【図2】 図1の露光装置の外観を示す斜視図である。
【図3】 図1の装置における制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】 図1の装置におけるショット内歪み補正の説明図である。
【図5】 図1の装置における2つの隣り合うショットのショット内歪み補正の説明図である。
【図6】 図1の装置で補正可能なショット内歪みの形状図およびその補正のための式を示すグラフである。
【図7】 微小デバイスの製造の流れを示す図である。
【図8】 図7におけるウエハプロセスの詳細な流れを示す図である。
【図9】 従来の露光装置におけるグローバルアライメント計測結果出力画面である。
【符号の説明】
1:レチクルステージ、2:投影光学系、3:ウエハステージ、4:リニアモータ、3a:Xステージ、3b:Yステージ、6:リニアモータ、7:ステージ定盤、8:ダンパ、9:鏡筒定盤、10:ベースフレーム、11:ダンパ、12:支柱、13:距離測定手段、21:投光手段、22:受光手段、23,24:レーザ干渉計、25:レーザ測長光路、26:Y方向移動鏡、30:上位プロセッサ、31:JOBパラメータ入力手段、32:グローバルアライメント計測手段、34:ショット歪みデータ処理手段、33:レチクルアライメント計測手段、35:アライメントデータ処理手段、40:下位プロセッサ、41:CASP再生手段、42:プロファイラ、43:ユニット間補正目標値生成手段、45:加算器、46:加算器、48:非干渉化処理・サーボ演算処理手段、49:トポロジー補正手段、50:座標変換器。
Claims (7)
- 原版と基板とを走査しながら、前記原版のパターンを介して前記基板のショット領域を露光する走査型露光装置において、
前記原版を保持して移動可能な原版ステージと、
前記基板を保持して移動可能な基板ステージと、
グローバルアライメント計測によって得られる前記ショット領域の中心位置のデータに基づき、前記原版パターンの中心と前記基板上のショット領域の中心とが整合するように、前記パターンの中心又は前記ショット領域の中心を原点とした走査軸における座標を変数とする少なくとも0次乃至2次の項を含む多項式の0次の項の係数を設定し、該0次の項の係数に基づいて前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方の目標位置を生成する目標位置生成手段と、
前記目標位置に従って駆動された前記原版ステージ及び前記基板ステージの相対位置の目標相対位置からのずれを取り除くための、前記目標位置に対する第1の補正値を生成する第1の補正値生成手段と、
ジョブパラメータ及び前記グローバルアライメント計測の少なくとも一方から得られる前記ショット領域の歪みに関するデータに基づき、前記ショット領域の歪みに対応した前記多項式の少なくとも1次及び2次の項の係数を設定し、該少なくとも1次及び2次の項の係数に基づいて前記目標位置に対する第2の補正値を生成する第2の補正値生成手段と、
前記目標位置並びに前記第1及び第2の補正値に基づいて、前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方を移動させる駆動手段と、
を具備することを特徴とする走査型露光装置。 - 前記第2の補正値生成手段は、さらに原版アライメント計測によって得られる前記パターン領域の歪みに関するデータに基づき、前記第2の補正値を生成することを特徴とする請求項1記載の走査型露光装置。
- 前記第2の補正値生成手段は、さらに原版アライメント計測によって得られる前記パターン領域の歪みに関するデータに基づき、前記多項式の少なくとも1次及び2次の項の係数を算出する算出手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の走査型露光装置。
- 前記目標位置は回転成分を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の走査型露光装置。
- 上位プロセッサ及び下位プロセッサを備え、前記上位プロセッサは前記少なくとも1次及び2次の項の係数を生成し、前記下位プロセッサは前記少なくとも1次及び2次の項の係数を用いて前記第2の補正値を生成することを特徴とする請求項1記載の走査型露光装置。
- 移動可能な原版ステージに保持された原版と移動可能な基板ステージに保持された基板とを走査しながら、前記原版のパターンを介して前記基板のショット領域を露光する走査型露光方法において、
グローバルアライメント計測によって得られる前記ショット領域の中心位置のデータに基づき、前記原版パターンの中心と前記基板上のショット領域の中心とが整合するように、前記パターンの中心又は前記ショット領域の中心を原点とした走査軸における座標を変数とする少なくとも0次乃至2次の項を含む多項式の0次の項の係数を設定し、該0次の項の係数に基づいて前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方の目標位置を生成し、
前記目標位置に従って駆動された前記原版ステージ及び前記基板ステージの相対位置の目標相対位置からのずれを取り除くための、前記目標位置に対する第1の補正値を生成し、
ジョブパラメータおよび前記グローバルアライメント計測の少なくとも一方から得られる前記ショット領域の歪みに関するデータに基づき、前記ショット領域の歪みに対応した前記多項式の少なくとも1次及び2次の項の係数を設定し、該少なくとも1次及び2次の 項の係数に基づいて前記目標位置に対する第2の補正値を生成し、
前記目標位置並びに前記第1及び第2の補正値に基づいて、前記原版ステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方を移動させることを特徴とする走査型露光方法。 - 請求項1乃至6のいずれか記載の走査型露光装置を用い、原版のパターンを介して基板を露光する工程を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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