次に、本発明に係る衛生洗浄装置の実施の形態を実施例に基づき説明する。まず、この衛生洗浄装置が有するノズル構成について説明する。図1は、2本の局部洗浄用ノズルを有するサブアッシーノズル体30の概略斜視図、図2は、ノズル軸方向に沿って要部を断面視した要部断面図、図3は、図2の3−3線拡大断面図、図4は、図2の4−4線拡大断面図である。
図示するように、サブアッシーノズル体30は、供給された洗浄水を人体局部に向けて噴出する第1ノズル31と、第2ノズル32とを有する。第1ノズル31と第2ノズル32は、共に円柱状に型成形された樹脂成型品である。そして、第1ノズル31は、その軸心を第2ノズル32と一致させて、第2ノズル32に収納されている。即ち、第2ノズル32は、第1ノズル31の外形形状(筒状)に倣って形成されたノズル挿入孔32aをセンターに有し、このノズル挿入孔32aに第1ノズル31が挿入されている。これにより、第1ノズル31と第2ノズル32は、別々のノズルでありながら一体化する。
ノズル挿入孔32aの内径は、第1ノズル31の外径より僅かに大きくされている。このため、第1ノズル31は、このノズル挿入孔32aに案内されて、単独で軸心に沿って前後動でき、第2ノズル32にあっても、単独で軸心に沿って前後動できる。なお、第1ノズル31が軸心回りに回転しないよう、例えばキー溝とキーにより回り止めが設けられている。
この第1、第2ノズルは、図示しない洗浄水給水ホースに接続される接続金具33,34を有し、各金具を経て洗浄水の給水を受ける。第1ノズル31は、図2に示すように、ノズル先端部に噴出口35を備え、接続金具33を経てノズル内流路36に流れ込んだ洗浄水を、この噴出口35から噴出する。第2ノズル32も、ノズル先端部に噴出口37を備え、接続金具34を経てノズル内流路38に流れ込んだ洗浄水を、噴出口37から噴出する。この場合、図3,図4に示すように、第2ノズル32のノズル内流路38は、ノズル挿入孔32aを取り囲むように形成されているので、有効流路面積が広くされている。よって、ノズル内流路38を洗浄水が通過する際の圧力損失は小さくなるので、第2ノズル32は、多流量の洗浄水噴出に適したものとなる。
第2ノズル32の端部は、下方が開口されて第1ノズル31の先端を取り囲む開口凹所39とされている。よって、図1,図2に示した状態で第1ノズル31が噴出口35から洗浄水を噴出すると、その噴出洗浄水は開口凹所39の内壁面で跳ね返って噴出口35周辺のノズル表面にかかる。このため、噴出洗浄水により第1ノズル31の噴出口35周辺を洗浄するいわゆるセルフクリーニングが可能となる。なお、サブアッシーノズル体30は、第2ノズル32の先端上方に図示しないクリーニングチャンバを有するので、第2ノズル32についてもセルフクリーニングが可能である。
次に、このサブアッシーノズル体30を有する実施例の衛生洗浄装置40について説明する。図5は、この衛生洗浄装置40を便器と共に示す分解斜視図、図6は、衛生洗浄装置40の構成を表すブロック図である。衛生洗浄装置40は、便器41の上面に固定される本体ベース42と、当該ベース上のユニット群43と、便座44並びに便蓋45が開閉自在に装着された本体カバー46とを有し、便器洗浄水タンク47の前方に設置される。ユニット群43は、サブアッシーノズル体30を有しほぼ中央に位置するノズルユニット50と、サブアッシーノズル体30の第1、第2ノズルに適温の洗浄水を給水するための給水ユニット52と、両ノズルを装置本体内の図示する待機位置と目的とする洗浄位置との間に亘って進退させるノズル駆動ユニット54と、温風を吹き出して人体局部を乾燥させる乾燥ユニット56と、各ユニットの構成部材を駆動制御して局部洗浄や乾燥を実行させる制御ユニット58等を、本体ベース42の上面に組み付け配置して構成されている。なお、制御ユニット58には、局部洗浄の開始・停止等を指示する種々のボタンが配設されており、同様のボタンはリモートコントローラ59にも設けられている。
この衛生洗浄装置40は、肛門洗浄と女性局部洗浄を行えるよう、ノズルユニット50におけるサブアッシーノズル体30の第1ノズル31を肛門洗浄用のノズル(肛門ノズル)とし、第2ノズル32を女性局部洗浄用のノズル(ビデノズル)とする。ノズル駆動ユニット54は、第1ノズル31を本体内の待機位置と肛門洗浄のための洗浄位置(肛門洗浄位置)とに亘って進退させるノズル駆動系と、第2ノズル32を待機位置と女性局部洗浄のための洗浄位置(ビデ洗浄位置)とに亘って進退させるノズル駆動系とを有する。そして、制御ユニット58は、CPU、ROM、RAM等の論理演算回路デバイスを有する電子制御装置58Aを備える。そして、この制御ユニット58は、使用者のボタン操作に応じて上記の両駆動系を選択的に用い、第1ノズル31または第2ノズル32をその洗浄位置に進出させる。また、制御ユニット58は、使用者のボタン操作に応じて給水ユニット52を制御して該当するノズルに洗浄水を供給し、洗浄位置にある第1ノズル31または第2ノズル32から目的の洗浄箇所(肛門または女性局部)に向けて洗浄水を噴出させる。更に、制御ユニット58は、給水ユニット52の有する後述の温水タンク53内の洗浄水温度を、設定された温度に維持制御する。この際、制御ユニット58は、温水タンク53の温度監視用サーミスタの検出水温を入力し、その結果に応じてタンク内のシーズヒータを通電制御する。
次に、サブアッシーノズル体30を用いた衛生洗浄装置40によるノズル駆動の様子と洗浄水噴出の様子について説明する。図7は、第1ノズル31を用いた肛門洗浄の様子を表す要部斜視図、図8は、第2ノズル32を用いたビデ洗浄の様子を表す要部斜視図である。まず、肛門洗浄について説明する。
制御ユニット58あるいはリモートコントローラ59の肛門洗浄ボタンが操作されると、制御ユニット58(図6参照)は、ノズル駆動に先立ち、給水ユニット52に第1ノズル31への給水信号を出力する。これにより、第1ノズル31は、図7に示す待機位置TPにおいて給水ユニット52から洗浄水の給水を受け、噴出口35からこの洗浄水を噴出する。こうして噴出された洗浄水は、第2ノズル32先端の開口凹所39の内壁面で跳ね返り、噴出口35周辺のノズル表面にかかる。この跳ね返り洗浄水によりセルフクリーニングがなされ、肛門洗浄に先立って噴出口35周辺が洗浄される。
その後、制御ユニット58は、給水ユニット52に給水停止信号を出力して第1ノズル31への給水を止め、セルフクリーニングを完了させる。次いで、制御ユニット58は、第1ノズル31を待機位置TPから肛門洗浄位置KPまで進出させるための駆動信号(進出信号)をノズル駆動ユニット54に出力する。これにより、第1ノズル31は、第2ノズル32のノズル挿入孔32aで案内されながら、図7に示すように単独で肛門洗浄位置KPまで進出して当該位置に停止する。こうして第1ノズル31が肛門洗浄位置KPに達すると、制御ユニット58は、給水ユニット52に肛門洗浄のための給水信号を出力する。これにより、肛門洗浄位置KPにある第1ノズル31の噴出口35から、肛門に向けて洗浄水が噴出し、この洗浄水による肛門洗浄が実施される。この第1ノズル31による肛門洗浄の間は、第2ノズル32は待機位置TPに位置したままである。
上記した肛門洗浄は停止ボタンが操作されるまで継続され、当該ボタンが操作されると、制御ユニット58は、給水ユニット52には給水停止信号を、ノズル駆動ユニット54には第1ノズル31を待機位置TPに後退させるための駆動信号(後退信号)をそれぞれ出力する。これにより、第1ノズル31は肛門洗浄のための洗浄水噴出を停止し、待機位置TPに後退復帰する。なお、待機位置TPに復帰後は、上記したセルフクリーニングが再度実行される。
制御ユニット58あるいはリモートコントローラ59のビデ洗浄ボタンが操作された場合は、制御ユニット58から給水ユニット52に第2ノズル32への給水信号が出力される。これにより、第2ノズル32は、待機位置TPにおいてその噴出口37から洗浄水を図示しないクリーニングチャンバに噴出する。よって、ビデ洗浄の場合であっても、第1ノズル31による肛門洗浄と同様にセルフクリーニングがなされ、ビデ洗浄に先立って噴出口37周辺が洗浄される。
このセルフクリーニングの完了後、制御ユニット58は、第2ノズル32を肛門洗浄位置KPより前方のビデ洗浄位置BPまで待機位置TPから進出させるための駆動信号(進出信号)をノズル駆動ユニット54に出力する。これにより、第2ノズル32は、図8に示すように単独でビデ洗浄位置BPまで進出して停止する。すると、制御ユニット58から給水ユニット52にビデ洗浄のための給水信号が出力されるので、ビデ洗浄位置BPにある第2ノズル32の噴出口37から、女性局部に向けて洗浄水が噴出し、女性局部の洗浄(ビデ洗浄)が実施される。この第2ノズル32によるビデ洗浄の間は、第1ノズル31は待機位置TPに位置したままである。
上記したビデ洗浄にあっても肛門洗浄と同様に停止ボタンが操作されるまで継続され、当該ボタンが操作されると、第2ノズル32からの洗浄水噴出が停止し、第2ノズル32は待機位置TPに後退復帰する。なお、待機位置TPに復帰後は、上記したセルフクリーニングが再度実行される。
以上説明したように、この第1実施例の衛生洗浄装置40によれば、次の利点がある。まず、第1に、本実施例では、第1ノズル31を第2ノズル32に収納して両ノズルを一体化したサブアッシーノズル体30を用いると共に、ノズル収納に当たっては、第1ノズル31をその外形に倣ったノズル挿入孔32aに収納した。よって、サブアッシーノズル体30をスペース的な無駄を省いて第1ノズル31を第1ノズル31に収納・一体化させたものとできるので、複数ノズルを単に並列設置した従来のものより小型化を図ることができる。また、第1ノズル31が第2ノズル32に収納されたサブアッシーノズル体30では、複数ノズルとしてよりも単一ノズルとしての外観を呈し単一ノズルのように取り扱えることから、見栄えが向上し取り扱いも容易となる。更に、第1ノズル31をノズル挿入孔32aで案内するので、肛門洗浄の際に第1ノズル31を容易に進退させることができ好ましい。
そして、第1ノズル31を肛門ノズルとし第2ノズル32をビデノズルとすると共に、第1ノズル31による肛門洗浄の際には、第2ノズル32を待機位置TPに位置させる。よって、図7に示すように、肛門洗浄時に人体で跳ね返った跳ね返り洗浄水を第2ノズル32にかからないようにでき、ビデノズルについての衛生感を損ねることが少ない。この結果、本実施例によれば、小型化に加え、女性局部洗浄時の不安感を複数ノズルを並列設置した従来のものと同程度にまでなくすことができる。
また、本実施例では、ビデノズルを、図3に示すように有効流路面積が広く圧力損失が小さいノズル内流路を形成可能な第2ノズル32とした。よって、女性局部洗浄を多流量の洗浄水噴出で実行できるので、女性局部の洗浄感を高めることができる。
上記した第1実施例の衛生洗浄装置40は、次のように変形可能である。図9ないし図13は、サブアッシーノズル体30の変形例を説明する説明図である。第1変形例では、図9(a)の噴出口周辺平面図と図9(b)の横断面図に示すように、ビデノズルである第2ノズル32は、噴出口37を、単一の噴出口ではなく、複数の小径噴出口が集合した噴出口として有する。こうすれば、比較的広い範囲を一度に洗浄でき、その際の洗浄感もソフトとできる。
第2変形例は、図10に示すように、ビデノズルである第2ノズル32は、左右に対称配置され同じ洗浄ポイントに向いた噴出口37を有する。こうすれば、左右から女性局部を一度に洗浄できる。また、第3変形例は、図11に示すように、ビデノズルである第2ノズル32は、洗浄ポイントの手前で噴出洗浄水がぶつかるように左右に対称配置された噴出口37を有する。こうすれば、左右から女性局部を一度に洗浄できると共に、衝突後の洗浄水が女性局部にかかることから、比較的広い範囲を一度に洗浄でき、その際の洗浄感もソフトとできる。
また、次のように変形することもできる。つまり、第1ノズル31をビデノズルとし、第2ノズル32を肛門ノズルとするよう変形できる。この変形例では、第2ノズル32による肛門洗浄時に、ビデノズルである第1ノズル31を待機位置TPに位置させるばかりか、この第1ノズル31を第2ノズル32に収納された状態とする。よって、肛門洗浄時の跳ね返り洗浄水を第2ノズル32自体で遮ることができ、この跳ね返り洗浄水を第1ノズル31にかけることが全くない。このため、この変形例によれば、ビデノズルについての衛生感を高めることができるので、第1ノズル31による女性局部洗浄時の不安感をより確実に解消することができる。
また、本実施例では、第1ノズル31と第2ノズル32により肛門洗浄とビデ洗浄を図る衛生洗浄装置40としたが、肛門洗浄専用の衛生洗浄装置とするよう変形することもできる。この場合は、第1ノズル31と第2ノズル32の両ノズルを待機位置TPから肛門洗浄位置KPまで駆動するものとし、第1ノズル31と第2ノズル32で洗浄水の噴出形態を異なるものとすればよい。例えば、第1ノズル31を一点に洗浄水を集中噴出する一般的な洗浄水噴出を図るものとし、第2ノズル32を多流量での洗浄水噴出や気泡混入済みの洗浄水噴出を図るものとできる。こうすれば、多様な洗浄感で肛門洗浄を実行でき好ましい。図12は、肛門洗浄専用の衛生洗浄装置に用いた変形例(第4変形例)のサブアッシーノズル体30を説明する説明図である。
この図12に示すように、第4変形例のサブアッシーノズル体30では、第2ノズル32は、第1ノズル31の噴出口35を取り囲むよう空けられた貫通孔37aとその周りに小径で同心に点在配置された噴出口37を有する。そして、第1ノズル31と第2ノズル32は、一体のままビデ洗浄位置BPに進出するようにされている。この変形例では、通常は、第1ノズル31による集中噴出洗浄が行われ、特別のボタン(例えば、ソフトボタン)が操作されると、第2ノズル32の噴出口37から環状に洗浄水を噴出させる。このように、この変形例によれば、集中噴出洗浄水による肛門洗浄と環状噴出洗浄水による肛門洗浄を選択実行でき、多様な局部洗浄を実行できる。この変形例では、いずれの肛門洗浄であっても、第1ノズル31と第2ノズル32は共に肛門洗浄位置KPに進出する。なお、集中噴出洗浄水による肛門洗浄時には、第1ノズル31のみを肛門洗浄位置KPに進出させ、環状噴出洗浄水による肛門洗浄時には、第2ノズル32のみを肛門洗浄位置KPに進出させるようにすることもできる。この場合には、第2ノズル32に貫通孔37aは不要である。
また、第5変形例を表す図13に示すように、第2ノズル32に第1ノズル31を収納するに当たり、両ノズルが上下に偏心配置するように変形することもできる。更に、第1ノズル31と第2ノズル32ばかりではなく、第3ノズルを追加しこの第3ノズルを第1ノズル31に同心あるいは偏心させて収納するよう変形することもできる。
更に、サブアッシーノズル体30では、第1ノズル31を第2ノズル32の長さ全域に亘って収納するようにしたが、第2ノズル32の長さ方向に一部範囲で第1ノズル31を収納するようにできる。例えば、第2ノズル32の先端側からノズル長の約1/3の範囲でのみノズル挿入孔32aを形成し、その他の範囲では第1ノズル31が露出してもよい。また、ノズル挿入孔32aを第1ノズル31の周囲全周に亘る孔としたが、この挿入孔を第1ノズル31の周囲の2/3程度を覆うものとし、例えば下端側がノズル長手方向に開口したものとすることもできる。また、ノズル挿入孔32aを、第1ノズル31との摺動抵抗を抑制するよう、挿入孔内周面にノズル長手方向に幾筋もの溝を有するものとすることもできる。
次に、第1、第2ノズルを有するサブアッシーノズル体の他の実施の形態について説明する。なお、上記したサブアッシーノズル体30と同一の部材あるいは同一の働きをなす部材については、サブアッシーノズル体30の説明で用いた符号を用いることとする。図14は、第1、第2ノズルを並列配置したサブアッシーノズル体30Aの概略斜視図、図15は、ノズル先端部の横断面図、図16,図17はサブアッシーノズル体30Aを用いた肛門洗浄・女性局部洗浄の様子を説明する説明図である。
図示するように、サブアッシーノズル体30Aは、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aをノズルの長手方向に対して左右に隣接配置して備える。この両ノズルは、半円形断面形状を有し、それぞれノズルの長手方向に亘る平坦部70,71を有し、この平坦部70,71を対向させて接合されている。そして、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aは、この状態で筒状リング72に挿入配置されており、一体のものとされている。
筒状リング72の内径は、上記両ノズルを平坦部で接合した円の外径より僅かに大きくされている。このため、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aは、この筒状リング72の貫通孔および互いの平坦部70,71で案内されて、単独で軸心に沿って前後動できる。なお、両第1ノズル31が筒状リング72に対して軸心回りに回転しないよう、例えばキー溝とキーにより回り止めが設けられている。
この第1、第2ノズルは、それぞれの接続金具33,34を経て給水された洗浄水を噴出する噴出口35A、37Aを備える。このサブアッシーノズル体30Aを有する衛生洗浄装置40にあっても、第1ノズル31Aを肛門ノズルとし第2ノズル32Aをビデノズルとする。よって、第2ノズル32Aでは、女性局部の洗浄のため、多流量の洗浄水噴出に適したノズル内流路38Aと噴出口37Aとされている。なお、サブアッシーノズル体30Aにあっても、両ノズルの先端上方に図示しないクリーニングチャンバを有するので、この両ノズルについてセルフクリーニングが可能である。
上記したサブアッシーノズル体30Aを有する衛生洗浄装置40では、図16に示すように、肛門洗浄時に第1ノズル31Aを単独で待機位置TPから肛門洗浄位置KPに進出させる。そして、第1実施例と同様に、この第1ノズル31Aで肛門洗浄を行う。また、図17に示すように、女性局部洗浄時に第2ノズル32Aを肛門洗浄位置KPより前方のビデ洗浄位置BPに単独で進出させ、第1実施例と同様に、この第2ノズル32Aで女性局部洗浄を行う。局部洗浄前後のセルフクリーニングも同様である。
以上説明したように、このサブアッシーノズル体30Aを有する衛生洗浄装置40によれば、次の利点がある。まず、第1に、本実施例では、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aをノズル長手方向に対して左右に隣接配置し、この隣接に当たっては平坦部70,71を接合させた。このため、第1、第2ノズルをただ単に並列設置した従来のものより小型化を図ることができる。また、第1、第2の両ノズルを、単一ノズル形状(円形)を多分割したような形状(半円形)のノズルとした。よって、複数ノズルとしてよりも単一ノズルに近い外観としてその見栄えを向上することができる。しかも、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aを平坦部70,71の接合を通して隣接配置した状態で筒状リング72に挿入させたので、単一ノズルのように容易に取り扱うこともでき好ましい。
また、第1実施例と同様に、第1ノズル31Aを肛門ノズルとし第2ノズル32Aをビデノズルとして、第1ノズル31による肛門洗浄の際には、第2ノズル32Aを待機位置TPに位置させる。よって、図16に示すように、肛門洗浄時に人体で跳ね返った跳ね返り洗浄水を第2ノズル32Aにかからないようにでき、ビデノズルについての衛生感を損ねることが少ない。この結果、サブアッシーノズル体30Aを用いても、小型化に加え、女性局部洗浄時の不安感を複数ノズルを並列設置した従来のものと同程度にまでなくすことができる。
このサブアッシーノズル体30Aは、肛門洗浄専用の衛生洗浄装置に適用することもできる。この場合は、先に説明したように、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aの両ノズルを肛門洗浄位置KPまで駆動するものとし、各ノズルで洗浄水の噴出形態を異なるものとすればよい。そして、サブアッシーノズル体30Aでは、平坦部70,71の接合により並列配置の複数ノズルとして左右方向について短寸化でき、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aの両噴出口を近づけることができる。よって、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aのいずれのノズルを肛門洗浄に用いても、肛門を外すことなく洗浄水を噴出できる。
サブアッシーノズル体30Aは、次のように変形することができる。図18は、サブアッシーノズル体30Aの変形例における横断面図である。図示するように、この変形例では、第1ノズル31Aは平坦部70にノズル長手方向に沿って溝73を有し、第2ノズル32Aは平坦部71にこの溝73に入り込んだキー74を有する。よって、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aは、この溝73とキー74により一体となると共に、溝とキーにより互いに案内されて待機位置TPと肛門洗浄位置KPあるいはビデ洗浄位置BPとの間を進退できる。このため、筒状リング72を必要としない。
次に、別の実施の形態のサブアッシーノズル体について説明する。図19は、第1、第2ノズルに加え第3ノズルをも並列配置して備えるサブアッシーノズル体30Bの概略斜視図である。図示するように、サブアッシーノズル体30Bは、第1ノズル31Aと第2ノズル32Aとの間に、第3ノズル75を有する。第3ノズル75は、左右端部に平坦部76,77を有し、これら平坦部が第1、第2ノズルの平坦部70,71と接合するようにして、第1、第2ノズルと隣接配置されている。そして、これら第1ないし第3ノズルは、この状態で筒状リング72に挿入配置されて一体とされ、いわゆる小判形状を左右の半円形部分とその間の部分に分割したものとされている。この第3ノズル75は、第1ノズル31Aとは異なる形態で洗浄水噴出が可能な噴出口78を有する肛門ノズルとされている。
上記したサブアッシーノズル体30Bを有する衛生洗浄装置40では、肛門洗浄時に第1ノズル31Aと第3ノズル75とを待機位置TPから肛門洗浄位置KPに進出させる。そして、第1ノズル31Aか第3ノズル75のいずれかから洗浄水を噴出して肛門洗浄を行う。また、女性局部洗浄時に第2ノズル32Aを肛門洗浄位置KPより前方のビデ洗浄位置BPに単独で進出させ、第1実施例と同様に、この第2ノズル32Aで女性局部洗浄を行う(24参照)。局部洗浄前後のセルフクリーニングも同様である。なお、第1ノズル31Aか第3ノズル75のいずれを給水対象ノズルとするかは、所定のボタン操作に応じて決定される。
以上説明したように、このサブアッシーノズル体30Bを有する衛生洗浄装置40によれば、サブアッシーノズル体30,30Aと同様に小型化や女性局部洗浄時の不安感回避等を図ることができる。また、第3ノズル75を有することで、多様な形態での肛門洗浄をノズルの大型化を招くことなく実現できる。
次に、更に別の実施の形態のサブアッシーノズル体について説明する。図20は、第1、第2ノズルを上下に並列配置して備えるサブアッシーノズル体30Cの概略斜視図、図21は、ノズル先端部の縦断面図、図22,図23はサブアッシーノズル体30Cを用いた肛門洗浄・女性局部洗浄の様子を説明する説明図である。
図示するように、このサブアッシーノズル体30Cは、サブアッシーノズル体30Aとノズルの並列方向が異なり、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cを、それぞれの平坦部70,71を対向・接合させて上下に隣接配置して備える。この両ノズルは、上下方向の寸法を短寸化するため、その断面形状が弧状とされている。なお、サブアッシーノズル体30Aと同様に、両ノズルは、この状態で筒状リング(図示省略)に挿入配置されて一体のものとされている。
第1ノズル31Cは、噴出口35Cを湾曲面の側に有し、第2ノズル32Cは、噴出口37Cを平坦部71の側に有する。そして、第1ノズル31Cのノズル先端部下端側は、第2ノズル32Cとの間に空隙を形成するよう切り欠かれており、当該空隙が開口凹所39Cとされている。よって、図20,図21に示した状態で第2ノズル32Cが噴出口37Cから洗浄水を噴出すると、その噴出洗浄水は開口凹所39Cの壁面で跳ね返って噴出口37C周辺のノズル表面にかかる。このため、噴出洗浄水により第2ノズル32Cの噴出口37C周辺を洗浄するセルフクリーニングが実施される。なお、第1ノズル31Cの先端上方のクリーニングチャンバ(図示省略)により、この第1ノズル31Cについてもセルフクリーニングが実施される。このサブアッシーノズル体30Cを有する衛生洗浄装置40では、第1ノズル31Cを肛門ノズルとし第2ノズル32Cをビデノズルとする。よって、第2ノズル32Cでは、女性局部の洗浄のため、多流量の洗浄水噴出に適したノズル内流路38Cと噴出口37Cとされている。
上記したサブアッシーノズル体30Cを有する衛生洗浄装置40では、図22に示すように、肛門洗浄時に第1ノズル31Cを単独で待機位置TPから肛門洗浄位置KPに進出させる。そして、第1実施例と同様に、この第1ノズル31Cで肛門洗浄を行う。また、図23に示すように、女性局部洗浄時に第2ノズル32Cを肛門洗浄位置KPより前方のビデ洗浄位置BPに単独で進出させ、第1実施例と同様に、この第2ノズル32Cで女性局部洗浄を行う。局部洗浄前後のセルフクリーニングも同様である。
以上説明したように、このサブアッシーノズル体30Cを有する衛生洗浄装置40によれば、次の利点がある。まず、第1に、本実施例では、第1、第2の両ノズルをノズル長手方向に対して上下に隣接配置し、この隣接に当たっては平坦部70,71を接合させた。このため、第1、第2ノズルをただ単に並列設置した従来のものより小型化を図ることができる。しかも、第1、第2の両ノズルを弧状断面としたので、特に上下寸法の短寸化を図ることができる。また、既述した通り、見栄えの向上や取り扱いの簡略化を図ることができる。
また、第1実施例と同様に、第1ノズル31Cによる肛門洗浄の際には、第2ノズル32Cを待機位置TPに位置させると共に、この第2ノズル32Cを第1ノズル31Cで覆う。よって、肛門洗浄時の跳ね返り洗浄水を第1ノズル31C自体で遮ることができ、この跳ね返り洗浄水を第2ノズル32Cにかけることが全くない。このため、サブアッシーノズル体30Cを用いても、ビデノズルについての衛生感を高めることができるので、第2ノズル32Cによる女性局部洗浄時の不安感をより確実に解消することができる。なお、このサブアッシーノズル体30Cにあっても、サブアッシーノズル体30Aと同様に、肛門洗浄専用の衛生洗浄装置に適用することもできる。
次に、他の実施例(第2ないし第5実施例)について説明する。これら実施例は、複数ノズルのそれぞれを駆動するノズル駆動系の構成に特徴がある。図24は、第2実施例の衛生洗浄装置が有するノズル駆動ユニット80の概略斜視図、図25は、ノズル駆動ユニット80の構成を模式的に示す模式図である。図示するように、このノズル駆動ユニット80は、サブアッシーノズル体30Cと一体化されており、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cをそれぞれ個別に進退させるべく、以下のような構成を有する。
ノズル駆動ユニット80は、モータ81と第1クラッチ82と第2クラッチ83を有する。モータ81は、その回転軸81aをモータケーシングから貫通して備えるいわゆる両軸モータであり、正逆回転可能なステッピングモータとされている。第1クラッチ82および第2クラッチ83は、マグネットクラッチ等の適宜な構造のクラッチであり、それぞれ出力軸82a、83aを有する。この第1、第2のクラッチは、回転軸および両出力軸が直線配列するよう、モータ81の左右に固定されている。このようなモータ・クラッチ配置を採るので、モータ81の左右に位置するクラッチの出力軸82a、83aが第1ノズル31Cおよび第2ノズル32Cの進退方向に対して左右に位置するよう、モータ81並びにその左右のクラッチを配置できる。つまり、モータ81をサブアッシーノズル体30Cの下方に配置することができ、クラッチの出力軸82a、83aは、第1ノズル31C、第2ノズル32Cにそれぞれ対応付けられる。
第1クラッチ82の出力軸82aは、第1ノズル31C(肛門ノズル)進退用の駆動プーリ84と、第2クラッチ83の出力軸83aは、第2ノズル32C(ビデノズル)駆動用の駆動プーリ85と、それぞれ連結されている。この駆動プーリ84は、タイミングベルト84aと二つの従動プーリ84c、84dと共に第1ノズル31Cの駆動系を構成し、タイミングベルト84aはラッチ84eにより第1ノズル31Cと連結固定されている。駆動プーリ85についても同様であり、そのタイミングベルト85aはラッチ85eにより第2ノズル32Cと連結固定されている。この両タイミングベルトは、従動プーリ84c、84dの間に、両ノズルの進退方向に沿った直線軌道を形成し、モータ回転をノズルの進退動作に変換する。そして、上記の両クラッチは、図示しない制御ユニットにより選択駆動される。
つまり、肛門洗浄ボタンが操作されれば、第1クラッチ82はオンとされ、第2クラッチ83はオフとされる。このため、第1クラッチ82の出力軸82aを介してモータ81の回転が駆動プーリ84に伝達される。この駆動プーリ84の回転は、タイミングベルト84aにより、両従動プーリ間の直線軌跡に沿ったノズル進退動作に変換される。よって、この場合は、第1ノズル31Cを、図示する待機位置TPからその洗浄位置(肛門洗浄位置KP(図22参照))に単独で進出させる。そして、この第1ノズル31Cに洗浄水が給水され、肛門洗浄が実施される。停止ボタンが操作されれば、クラッチの制御状態を維持したままモータ81が逆転駆動されるので、第1ノズル31Cは、待機位置TPに後退復帰する。その一方、ビデ洗浄ボタンが操作されれば、第2クラッチ83はオンされ、第1クラッチ82はオフとされる。よって、上記と同様にして、第2ノズル32Cを、待機位置TPとビデ洗浄位置BP(図23参照)との間に亘って単独で進退駆動できる。なお、肛門洗浄時とビデ洗浄時では、該当するノズルがそれぞれの洗浄位置(肛門洗浄位置KP、ビデ洗浄位置BP)に進出できるよう、異なる駆動量の駆動信号が制御ユニットからモータ81に出力される。
以上説明した第2実施例の衛生洗浄装置によれば、局部洗浄ノズルにサブアッシーノズル体30Cを用いたので、当該ノズル体による既述した効果(小型化、女性局部洗浄時の不安感解消等)を奏することができる。また、この第2実施例の衛生洗浄装置では、モータ81や第1、第2クラッチ等を集約配置したノズル駆動ユニット80をサブアッシーノズル体30Cの下方に配置する。よって、サブアッシーノズル体30Cとノズル駆動ユニット80の近接配置を通して、小型化を図ることができる。
この第2実施例は、モータ81を両軸モータとし第1、第2クラッチをモータの左右に配置したが、次のように変形することもできる。図26は、第2実施例の変形例におけるノズル駆動ユニット80Aの構成を模式的に示す模式図である。図示するように、このノズル駆動ユニット80Aは、モータ81Aの回転軸81aを第1クラッチ82、第2クラッチ83の出力軸82a、83aと直行するように配置し、この回転軸81aと各出力軸をギヤにて選択的に連結する。このノズル駆動ユニット80Aであっても、モータ81Aおよび第1クラッチ82、第2クラッチ83を一体にしてサブアッシーノズル体30Cの下方に組み込むことができるので、ノズル駆動ユニット80の場合と同様に小型化を図ることができる。
次に、第3実施例の衛生洗浄装置について説明する。図27は、第3実施例の衛生洗浄装置が有するノズル駆動ユニット90の概略斜視図である。図示するように、このノズル駆動ユニット90は、サブアッシーノズル体30Cと一体化されており、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cをそれぞれ個別に進退させるべく、以下のような構成を有する。
ノズル駆動ユニット90は、サブアッシーノズル体30Cの下方に組み込まれたモータ91と、モータ出力軸に直結された駆動プーリ92と、二つの従動プーリ93,94と、テンションプーリ95と、これらプーリにかけられたタイミングベルト96を有する。モータ91は、正逆回転可能なステッピングモータとされており、図示しない制御ユニットにより回転制御される。タイミングベルト96は、従動プーリ93,94の間と、従動プーリ94とテンションプーリ95の間に、第1ノズル31C、第2ノズル32Cの進退方向に沿った直線軌道を形成し、モータ回転をノズルの進退動作に変換する。そして、タイミングベルト96は、この二つの直線軌道範囲のそれぞれに、図示するように第1ノズル進退用の押圧駒97と第2ノズル進退用の押圧駒98とを有する。よって、これら押圧駒97,98は、タイミングベルト96の正逆回転に伴って上記の直線軌道範囲を往復動する。この場合、押圧駒97,98は、それぞれの直線軌道範囲のほぼ中央に設けられている。
第1ノズル31Cと第2ノズル32Cは、その後端側でそれぞれスプリング99a、99bと接続されている。このため、この両ノズルは、図示する待機位置TPに向けてスプリングの付勢力を常時受けており、図示しないストッパによりこの待機位置TPに位置する。また、両ノズルは、タイミングベルト96の側に突出した係止駒100a、100bを有する。この両係止駒は、タイミングベルト96の押圧駒97,98が当接すると、タイミングベルト96の駆動力を第1、第2ノズルに伝達する。よって、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cは、直線軌道に沿った押圧駒97,98の往復動作に応じて以下のように個別に進退する。
肛門洗浄ボタンが操作されると、制御ユニットは、モータ91を図中のM方向に回転駆動する。この際の回転駆動量は、待機位置TPにある第1ノズル31Cがその洗浄位置(肛門洗浄位置KP(図22参照))に達するものとされる。これにより、タイミングベルト96は左回りに回転し、この動作は、押圧駒97とこれに当接する係止駒100aを経て、第1ノズル31Cに伝達される。この際、他方の押圧駒98は係止駒100bから離れる側に移動するので、第2ノズル32Cにベルト駆動力が伝わることはない。よって、第1ノズル31Cは、スプリング99aの付勢力に抗して、待機位置TPから肛門洗浄位置KPに単独で進出する。そして、この第1ノズル31Cに洗浄水が給水され、肛門洗浄が実施される。その後、停止ボタンが操作されれば、制御ユニットは、上記の回転駆動量だけモータ91を図中のN方向に逆回転駆動し、モータ91をノズルが待機位置TPに位置する原点に復帰させる。この間のモータ逆回転時は、押圧駒97は係止駒100aを押圧しないので、第1ノズル31Cはタイミングベルト96により待機位置TPに復帰することはない。しかし、この第1ノズル31Cは、スプリング99aの付勢力を受けて待機位置TPに復帰する。
その一方、モータ91が上記の原点にあるときにビデ洗浄ボタンが操作されると、制御ユニットは、モータ91をN方向に回転駆動する。この際の回転駆動量は、待機位置TPにある第2ノズル32Cがその洗浄位置(ビデ洗浄位置BP(図23参照))に達するものとされる。これにより、タイミングベルト96は右回りに回転し、この動作は、押圧駒98とこれに当接する係止駒100bを経て、第2ノズル32Cに伝達される。この際、他方の押圧駒97は係止駒100aから離れる側に移動するので、第1ノズル31Cにベルト駆動力が伝わることはない。よって、第2ノズル32Cは、スプリング99bの付勢力に抗して、待機位置TPからビデ洗浄位置BPに単独で進出し、ビデ洗浄が実施される。その後、停止ボタンが操作されれば、制御ユニットは、上記の回転駆動量だけモータ91をM方向に逆回転駆動し、モータ91を原点に復帰させる。この間、第2ノズル32Cは、第1ノズル31Cの場合と同様に、スプリング99bの付勢力を受けて待機位置TPに復帰する。
以上説明した第3実施例の衛生洗浄装置によれば、サブアッシーノズル体30Cによる既述した効果(小型化、女性局部洗浄時の不安感解消等)を奏することができる。また、この第3実施例の衛生洗浄装置では、モータ91の正逆回転で第1ノズル31Cと第2ノズル32Cをそれぞれの洗浄位置に進出させ、待機位置TPへのノズル復帰をスプリング99a、99cで行う。このため、単一のモータ、タイミングベルト等からなる単一のノズル駆動系を要するに過ぎず、モータの回転伝達を切り替えるクラッチ等を要しない。よって、このノズル駆動系をサブアッシーノズル体30Cに近接配置でき、これを通して装置の小型化を図ることができる。
次に、第4実施例の衛生洗浄装置について説明する。図28は、第4実施例の衛生洗浄装置が有するノズル駆動ユニット110の概略斜視図、図29は、第1ノズル31Cを側面視し第2ノズル32Cを平面視しつつ、第1ノズル31Cの進退の様子を説明する説明図、図30は、第2ノズル32Cの進退の様子を説明する説明図、図31は、第2ノズル32Cの進退の様子を示す斜視図である。図示するように、このノズル駆動ユニット110は、サブアッシーノズル体30Cと一体化されており、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cを局部洗浄時に進退させるべく、以下のような構成を有する。
ノズル駆動ユニット110は、サブアッシーノズル体30Cの下方に組み込まれたモータ111と、モータ出力軸に直結された駆動プーリ112と、二つの従動プーリ113,114と、これらプーリにかけられたタイミングベルト115を有する。この場合、従動プーリの一方はテンションプーリとしても作用する。モータ111は、正逆回転可能なステッピングモータとされており、図示しない制御ユニットにより回転制御される。タイミングベルト115は、従動プーリ113,114の間に、第1ノズル31C、第2ノズル32Cの進退方向に沿った直線軌道を形成し、モータ回転をノズルの進退動作に変換する。そして、タイミングベルト115は、ラッチ116により第1ノズル31Cと連結固定されている。つまり、タイミングベルト115の回転動作は、この第1ノズル31Cにのみ直線動作として直接伝達される。
第2ノズル32Cは、第1ノズル31Cより後方に延びた後端部117を有する。この後端部117上面には、第1ノズル31C後端の案内ピン118が入り込むハートカム溝119が形成されている。この案内ピン118は、バネ鋼で形成されている。ハートカム溝119は、溝内での案内ピン118の位置に応じて、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cを係合させたり、その係合を解いたりするように形成されている。その詳細は後述する。このほか、第2ノズル32Cには、ハートカム溝119に連続した直線軌跡の溝120も形成されている。なお、第2ノズル32Cは、図示する待機位置TPより後方に移動しないよう、ストッパ(図示省略)により強制的にその移動が抑制されている。
次に、このノズル駆動ユニット110によるノズル進退の様子について図29〜図31を用いて説明する。洗浄ボタンが操作されていないとき、第1ノズル31C、第2ノズル32Cは、共に待機位置TPにある。また、案内ピン118は、その先端118aを図29に示すハートカム溝119の基部(原点位置G0)に位置させる。今、肛門洗浄ボタンが操作されると、制御ユニットは、モータ111を図28に示すM方向に回転駆動する。この際の回転駆動量は、待機位置TPにある第1ノズル31Cがその洗浄位置(肛門洗浄位置KP(図22参照))に達するものとされる。これにより、タイミングベルト115は左回りに回転し、この動作は、ラッチ116を経て第1ノズル31Cに伝達される。この際、案内ピン118は、溝120に沿って左方に移動可能であることから、第1ノズル31Cは、待機位置TPから肛門洗浄位置KPに単独で進出する。つまり、この場合の案内ピン118は、第1ノズル31Cの進退方向と一致した溝120に位置するに過ぎず、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cを係合しない。そして、この第1ノズル31Cに洗浄水が給水され、肛門洗浄が実施される。その後、停止ボタンが操作されれば、制御ユニットは、上記の回転駆動量だけモータ111をN方向に逆回転駆動し、モータ111を原点に復帰させる。この際、案内ピン118も原点位置G0に復帰する。
その一方、ビデ洗浄ボタンが操作されると、制御ユニットは、モータ111をN方向に回転駆動する。ハートカム溝119のカム溝底は、図30に示す原点位置G0から係合位置G1の手前までの間の往路K1に亘り、徐々に深くなるようにされているので、案内ピン118は抵抗なく溝に沿って図中右方に移動できる。よって、上記のようにモータが駆動されると、第1ノズル31Cは、単独で右方に移動する。この際の回転駆動量は、往路K1の末端より溝深さが深くされた係合位置G1に案内ピン118の先端118aが嵌り込むだけ第1ノズル31Cが移動する量とされている。なお、図示するように、この第1ノズル31Cの右方移動により、第2ノズル32Cの噴出口37Cは外部に露出する。
係合位置G1に繋がるカム溝の復路K2のカム溝底は、復路起点において、係合位置G1より浅くされ、原点位置G0にかけてカム溝底が徐々に深くなるようにされている。よって、案内ピン118の先端118aが係合位置G1に嵌り込むと、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cとは案内ピン118を介して係合する。このため、これ以降、両ノズルは、一体となって図中左右方向に移動(進退)できるようになる。
こうして両ノズルの係合・一体化が起きると、制御ユニットは、モータ111をM方向に回転駆動するので、第2ノズル32Cは、図31に示すように、第1ノズル31Cと共に待機位置TPから肛門洗浄位置KPに進出する。そして、この第1ノズル31Cに洗浄水が給水され、肛門洗浄が実施される。この場合、ハートカム溝119の復路K2末端では、そのカム溝底は往路K1の起点(原点位置G0)より高くされているので、案内ピン118は、復路K2を抵抗を受けることなく溝に沿って移動し、原点位置G0からは、溝120に沿って左方に移動する。
次いで、停止ボタンが操作されれば、制御ユニットは、以下のようにしてモータ111を段階的に制御する。まず、最初に、制御ユニットは、ノズルを復帰されるべく、モータ111をN方向に逆回転駆動する。これにより、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cは、係合・一体化されたまま、第2ノズル32Cが待機位置TPに復帰するまで後退する。この際、モータ111は、第2ノズル32Cが待機位置TPを所定距離だけ超えるよう駆動制御される。しかし、第2ノズル32Cは、既述したようにストッパにて待機位置TPを越えて後退しないので、この待機位置TPにとどまる。ところが、タイミングベルト115を経てモータの駆動力が伝達されているのは第1ノズル31Cであるため、この第1ノズル31Cは、第2ノズル32Cが待機位置TPにとどまった以降も上記の所定距離だけ後退する。すると、案内ピン118は、係合位置G1と復路K2の起点間のカム溝底の段差を乗り越えてこの復路K2に乗り上げる。
その後、制御ユニットは、第1ノズル31Cを待機位置TPに復帰させるべく、モータ111をM方向に回転駆動する。つまり、制御ユニットは、上記の所定距離と係合位置G1・原点位置G0間距離との加算距離だけ第1ノズル31Cが左方に移動するよう、モータ111を制御する。これにより、第1ノズル31Cは、正確に待機位置TPに復帰する。
以上説明した第4実施例の衛生洗浄装置によっても、サブアッシーノズル体30Cによる既述した効果(小型化、女性局部洗浄時の不安感解消等)を奏することができる。また、この第4実施例の衛生洗浄装置では、案内ピン118とハートカム溝119を介して第1ノズル31Cと第2ノズル32Cとを係合・一体化させて、第1ノズル31C進退用のノズル駆動ユニット110で第2ノズル32Cを進退させることができる。このため、単一のモータ、タイミングベルト等からなる単一のノズル駆動系(ノズル駆動ユニット110)を要するに過ぎず、モータの回転伝達を切り替えるクラッチ等を要しない。しかも、第1、第2の両ノズルを案内ピン118とハートカム溝119を介して係合・一体化できるよう並列配置できるので、両ノズルへのノズル駆動ユニット110の近接配置も可能となる。よって、これらを通して装置の小型化を図ることができる。
次に、第5実施例の衛生洗浄装置について説明する。図32は、第5実施例の衛生洗浄装置が有するノズル駆動ユニット130の概略斜視図、図33は、このノズル駆動ユニット130の有する給水圧駆動クラッチ140の構成を模式的に示す模式図である。図示するように、このノズル駆動ユニット130は、サブアッシーノズル体30Cと一体化されており、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cを局部洗浄時にそれぞれ個別に進退させるべく、以下のような構成を有する。
ノズル駆動ユニット130は、サブアッシーノズル体30Cの下方に組み込まれたモータ131と、モータ出力軸に直結された駆動プーリ132と、二つの従動プーリ133,134と、テンションプーリ135と、これらプーリにかけられたタイミングベルト136を有する。モータ131は、正逆回転可能なステッピングモータとされており、図示しない制御ユニットにより回転制御される。タイミングベルト136は、従動プーリ133,134の間に、第1ノズル31C、第2ノズル32Cの進退方向に沿った直線軌道を形成し、モータ回転をノズルの進退動作に変換する。そして、タイミングベルト136は、この両ノズルへの洗浄水の給水状態に応じて、モータ回転をノズル進退動作として第1ノズル31C、第2ノズル32Cのいずれかに選択的に伝達する給水圧駆動クラッチ140を有する。
この給水圧駆動クラッチ140は、洗浄水の温水化やノズルへの給水を行う給水ユニット150と接続されており、モータ回転を第1ノズル31Cに伝えるための第1クラッチ部141と、第2ノズル32Cに伝えるための第2クラッチ部142を備える。給水ユニット150は、制御ユニットにより制御され、操作ボタンに応じた給水先ノズル(第1ノズル31Cまたは第2ノズル32C)への洗浄水給水と、この給水先ノズルに対応した給水圧駆動クラッチ140への給水圧導入を図る。つまり、肛門洗浄ボタンが操作されれば、給水ユニット150は、第1クラッチ部141に洗浄水を供給して当該クラッチ部に給水圧を導入すると共に、第1ノズル31Cが肛門洗浄位置KPに達した後にこのノズルに洗浄水を給水する。一方、ビデ洗浄ボタンの場合は、第2クラッチ部142に給水圧を導入すると共に、第2ノズル32Cがビデ洗浄位置BPに達した後にこのノズルに洗浄水を給水する。
第1クラッチ部141は、図33に示すように、第1ノズル31C側方から突出した係合シャフト143に対向配置され、クラッチ筐体141aに、案内部141b、クラッチ体141c、スプリング141d、給水管141eを備える。案内部141bは、係合シャフト143の左方側面に接触配置され、クラッチ体141cをノズルに向けて摺動案内する。クラッチ体141cは、その端面に水密に固定された給水管141eから、洗浄水の給水圧を受けて前進摺動し、給水圧解除後に、スプリング141dにより図示の原位置に復帰する。よって、この第1クラッチ部141に洗浄水給水圧がかかると、第1クラッチ部141は、係合シャフト143の両側面に案内部141bとクラッチ体141cを接触させ、第1ノズル31Cと係合する。このため、第1クラッチ部141を介して、モータ回転が第1ノズル31Cに伝達される。第2クラッチ部142も、この第1クラッチ部141と同様にして、第2ノズル32Cの係合シャフト144と係合し、モータ回転を伝達する。この場合、両クラッチ部への洗浄水の給水圧導入は、給水ユニット150により上記したように選択的に行われるので、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cのいずれかにモータ回転が選択的に伝達される。よって、各ノズルは以下のように個別に進退する。
肛門洗浄ボタンが操作されると、給水ユニット150により、第1クラッチ部141に上記のようにして給水圧が導かれてクラッチ体141cが前進する。これにより、第1ノズル31Cがモータ回転の伝達を受けることになる。次いで、制御ユニットは、モータ131を図中のM方向に回転駆動する。この際の回転駆動量は、待機位置TPにある第1ノズル31Cがその洗浄位置(肛門洗浄位置KP(図22参照))に達するものとされる。これにより、タイミングベルト136は左回りに回転し、この動作は、係合シャフト143とその右方側面に接触するクラッチ体141cを経て、第1ノズル31Cに伝達される。この際、第2クラッチ部142では、給水圧がかからずクラッチ体142cは係合シャフトと接触していないので、第2ノズル32Cにベルト駆動力が伝わることはない。よって、第1ノズル31Cは、待機位置TPから肛門洗浄位置KPに単独で進出する。そして、この第1ノズル31Cに給水ユニット150から洗浄水が給水され、肛門洗浄が実施される。その後、停止ボタンが操作されれば、給水ユニット150からの洗浄水給水が停止されるので、クラッチ体141cは原位置に復帰し、係合シャフト143には、その左方側面でのみ案内部141bが接触する。また、制御ユニットは、上記の回転駆動量だけモータ131を図中のN方向に逆回転駆動する。この場合のベルト駆動動作は、係合シャフト143とその左方側面に接触する案内部141bを経て、第1ノズル31Cに伝達されるので、第1ノズル31Cは待機位置TPに復帰する。
その一方、モータ131が上記の原点にあるときにビデ洗浄ボタンが操作されると、給水ユニット150による給水圧の導入先が第2クラッチ部142となる。よって、第2ノズル32Cがモータ回転の伝達を受けることになる。その後、制御ユニットは、モータ131をM方向に回転駆動するので、待機位置TPにある第2ノズル32Cは、その洗浄位置(ビデ洗浄位置BP(図23参照))に単独で進出する。停止ボタンが操作された後は、第1ノズル31Cの場合と同様に、第2ノズル32Cは待機位置TPに復帰する。
以上説明した第5実施例の衛生洗浄装置によれば、サブアッシーノズル体30Cによる既述した効果(小型化、女性局部洗浄時の不安感解消等)を奏することができる。また、この第5実施例の衛生洗浄装置では、第1ノズル31Cと第2ノズル32Cとをそれぞれ単独で洗浄位置に進退駆動させるに当たり、ノズル駆動ユニット80からのモータ出力を、洗浄水給水圧を駆動力とする給水圧駆動クラッチ140によって選択的に伝達する。このため、出力伝達切替のための特別の駆動源を要しないので構造の簡略化を図ることができ、これを通して装置の小型化を図ることができる。
上記した第2ないし第5実施例の各衛生洗浄装置では、サブアッシーノズル体30Cを用いる場合を例に挙げて説明したが、サブアッシーノズル体30Cに限られず、図1、図12あるいは図13に示すサブアッシーノズル体30や、図14のサブアッシーノズル体30A、図19のサブアッシーノズル体30Bを用いることもできる。図34に、サブアッシーノズル体30を用いた第4実施例の衛生洗浄装置におけるノズル駆動ユニット110Aの概略斜視図を示す。このノズル駆動ユニット110Aでは、外側に位置する第2ノズル32の後端内周壁にハートカム溝119を形成し、これに収納された第1ノズル31の後端に案内ピン118を設置する。そして、ラッチ116によりタイミングベルト115と第1ノズル31を連結し、モータ回転をこの第1ノズル31にのみ伝達するようにすればよい。この場合、第1ノズル31を肛門ノズルとすれば、第4実施例で説明したように肛門洗浄時に第1ノズル31を単独で進退駆動させる。そして、ビデ洗浄時には、第1ノズル31を第2ノズル32内で後退させた状態で両ノズルを係合させて、第2ノズル32を第1ノズル31と共に進退させる。こうすれば、ビデ洗浄時には、第1ノズル31が第2ノズル32先端から見えない状態で、第2ノズル32が進退する。つまり、ビデノズルである第2ノズル32が単独で進退するような印象を使用者に与えることができる。第2ノズル32を肛門ノズルに第1ノズル31をビデノズルとした場合は、肛門洗浄時に第2ノズル32を第1ノズル31と共に進退させ、ビデ洗浄時に第1ノズル31を単独で進退させる。そして、肛門ノズルである第2ノズル32が単独で進退するような印象を使用者に与えることができる。
ここで、第2ないし第5実施例の変形例について説明する。この変形例は、それぞれの洗浄位置にあるノズル(第1ノズル、第2ノズル)を、その進退方向に沿ったX方向と、これと直行するY方向に沿って調整可能とされている。図35は、第2ないし第5実施例の変形例の衛生洗浄装置40Aを便器と共に示す概略斜視図、図36は、この変形例の構成を表すブロック図、図37は、ノズルの洗浄位置を便器左右方向に対して調整するノズルサブ駆動ユニット170の概略構成図、図38は、このノズルサブ駆動ユニット170による洗浄位置の調整の様子を説明する説明図である。
図示するように、変形例の衛生洗浄装置40Aは、衛生洗浄装置40と同様に、ノズルユニット50やノズル駆動ユニット54、制御ユニット58等を有する。そして、本体カバー46の側方袖部前方に、ノズルXY調整操作部160を有する。このノズルXY調整操作部160には、図35に示すX方向(ノズル前後方向)とY方向(便器左右方向)に傾斜操作されるジョイスティック161が配設されている。このジョイスティック161は、便座に着座した使用者が無理なく把持できるようにされており、その先端には、局部洗浄時の洗浄水噴出量(水勢)の調整の際に親指で押圧操作されるトリガー162が設けられている。
ノズルXY調整操作部160は、図36に示すように、制御ユニット58と接続されている。そして、このノズルXY調整操作部160は、ジョイスティック161のX方向傾斜操作量(ノズル前方方向を+X方向)、Y方向傾斜操作量(ノズルXY調整操作部160側を+Y方向)と、トリガー162の押圧操作量をそれぞれ電気信号に変換して出力するようにされている。制御ユニット58は、このノズルXY調整操作部160からの信号を入力してノズル駆動ユニット54やノズルサブ駆動ユニット170を駆動制御し、ノズルの洗浄位置調整を行う。また、給水ユニット52を制御して水勢調整を行う。その詳細については後述する。
ノズルサブ駆動ユニット170は、上記したノズルXY調整操作部160による洗浄位置のY方向調整を可能とすべく、以下の構成を有する。図37に示すように、ノズルサブ駆動ユニット170は、ノズル駆動ユニット54と一体のノズルユニット50を下方から支持するよう、本体ベース42に配設されており、ノズルユニット支持部171と、Y方向調整駆動源のモータ172を有する。ノズルユニット支持部171は、便器ボール部41aの側に凹所173を有する。ノズルユニット50は、下方に延びた支持プレート51を有し、上記の凹所173に、下端が球面状とされた支持駒51aを嵌め込ませている。よって、ノズルサブ駆動ユニット170は、支持駒51aを回転中心とし図37の紙面と交差する方向に沿って回動自在にノズルユニット50をその下方から支持する。なお、支持プレート51の後方側にあっても、図示しない支持ブロックによりノズルユニット50は支持されている。
支持プレート51の後方下端部には、図中G方向矢視に示すように、支持駒51aを中心とする基準ピッチ円でギヤ51bが形成されている。モータ172は、正逆回転するステッピングモータとされており、このギヤ51bと噛み合うドライブギヤ部172aを有するギヤプレート172cを回転駆動する。従って、モータ172が正逆回転すると、図38に示すように、肛門洗浄位置KPにある第1ノズル31は支持駒51aを中心に左右に振られてその位置を変え、これにより洗浄位置の左右調整がなされる。
次に、この変形例における局部洗浄の様子について説明する。この変形例にあっても、肛門洗浄ボタンが操作されると、上記の実施例と同様に、肛門洗浄位置KPへのノズル進出、洗浄水給水を行って肛門洗浄を実施することに変わりはない。しかし、この洗浄動作の間に、この変形例では、制御ユニット58が所定時間ごとにジョイスティック161やトリガー162の操作状況を割り込み検知し、その結果に応じて以下のようにして洗浄位置調整や水勢調整を行う。
図37,図38に示す正規の肛門洗浄位置KPにて洗浄水を噴出して肛門洗浄を実施しているときに、ジョイスティック161が+X方向(図35参照)に操作されたとする。制御ユニット58は、このスティック操作量に応じてノズル駆動ユニット54を駆動制御し、第1ノズル31を図37に示す肛門洗浄位置KP(+X)まで前進移動させる。これにより、第1ノズル31は、この移動後の肛門洗浄位置KP(+X)で洗浄水を噴出して肛門洗浄を継続する。ジョイスティック161が−X方向に操作された場合も同様である。また、ジョイスティック161が+Y方向(図35参照)に操作されたとすると、制御ユニット58は、このスティック操作量に応じてノズルサブ駆動ユニット170を駆動制御し、第1ノズル31を図38に示す肛門洗浄位置KP(+Y)に移動する。これにより、第1ノズル31は、この移動後の肛門洗浄位置KP(+Y)で洗浄水を噴出して肛門洗浄を継続する。ジョイスティック161が−Y方向に操作された場合も同様である。なお、ビデ洗浄ボタンが操作されてビデ洗浄を実施しているときも同様である。
一方、局部洗浄実施中に、トリガー162が押圧操作されると、制御ユニット58は、トリガー操作量に応じて給水ユニット52を制御し、第1ノズル31への洗浄水給水量を段階的に調整する。これにより、洗浄水水勢が調整される。なお、制御ユニット58は、トリガー162の押圧操作の様子に応じて水勢の増大調整か減少調整かを判断するようにされている。例えば、トリガー162が長く押圧されれば、増大調整であるとして、給水量を1段階増大調整する。トリガー162が短時間のうちに2度繰り返し押圧されれば、減少調整であるとして、給水量を1段階減少調整する。
以上説明した変形例によれば、局部洗浄位置をノズル前後方向と左右方向にきめ細かく調整でき好ましい。また、便座に着座した使用者の降ろした手が自然に届く便器側方位置にジョイスティック161を設けたので、無理な姿勢を採ることなく容易に位置調整することができる。更に、トリガー162により、容易に水勢調整を行うことができる。
この変形例では、ジョイスティック161の傾斜操作を洗浄位置の調整に用いたが、以下のようにして、洗浄開始指示の洗浄ボタン(肛門洗浄ボタン、ビデ洗浄ボタン)の代用とすることもできる。即ち、制御ユニット58は、図示しない着座センサにより使用者の着座を検出すると、このジョイスティック161の傾斜操作の有無を所定時間ごとに検出する。そして、この洗浄ボタンが操作される以前にジョイスティック161の+X方向の傾斜操作があると、この操作を契機として洗浄位置へのノズル進出・洗浄水給水を開始し、局部洗浄を開始する。こうすれば、ジョイスティック161で容易に局部洗浄を開始できる。なお、短時間のうちにジョイスティック161が2度繰り返し+X方向に傾斜操作された場合に、これを契機として局部洗浄を開始するようにすることもできる。こうすれば、子供のいたずら等による誤操作をより有効に回避できる。
この変形例は、更に次のように変形することもできる。図39は、ジョイスティック161に替わりグラインドパッド180を有するノズルXY調整操作部160の要部斜視図、図40は、LCDタッチパネル182を有するノズルXY調整操作部160の要部斜視図である。
図39に示すグラインドパッド180は、そのパッド表面に指先が置かれた場合に、その指先での押圧圧力とパッド表面での指先移動方向を検知するよう構成されている。この場合、押圧圧力検知には、圧力を電気信号に変換する感圧素子が用いられ、その検出結果は制御ユニット58に出力される。制御ユニット58は、この結果に応じて給水ユニット52を制御し、洗浄水水勢を調整する。つまり、トリガー162の操作に替わって、パッド表面の押圧程度により水勢調整がなされる。また、指先移動方向の検知には、人体の静電容量を利用したスイッチングデバイスをパッド表面にマトリックス状に配置したいわゆるマトリックススイッチが用いられる。そして、現在の指先位置からの+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向の移動方向が電気信号として制御ユニット58に出力される。制御ユニット58は、この指先移動方向に応じてノズル駆動ユニット54あるいはノズルサブ駆動ユニット170を駆動制御し、局部洗浄位置をノズル前後方向あるいは左右方向に調整する。つまり、ジョイスティック161の傾斜操作に替わって、パッド表面での指先移動方向により洗浄位置調整がなされる。なお、このグラインドパッド180によれば、指先の移動方向と共にその際の移動幅も検知可能であるので、この移動幅の程度に応じて局部洗浄位置の左右方向調整量を定め、この調整量で左右調整することもできる。また、このグラインドパッド180によれば、指先が前後あるいは左右に連続して移動されていることも検知可能であるので、このような連続移動があった場合には、ノズルを前後あるいは左右に往復動させながら局部洗浄を実施することもできる。更に、肛門洗浄ボタンの操作より先にこのグラインドパッド180に指先が置かれれば、この指先載置の契機として局部洗浄を開始することもできる。この場合、グラインドパッド180への指先載置が短時間のうちに2度繰り返されると局部洗浄を開始するようにすれば、誤操作回避の上から好ましい。
図40に示すLCDタッチパネル182は、グラインドパッド180と同様に感圧素子やマトリックススイッチにより指先での押圧圧力と指先移動方向並びにその移動幅を検知し、その検知結果を制御ユニット58に出力する。よって、グラインドパッド180と同様に、洗浄水水勢の調整と局部洗浄位置の前後・左右調整を行うことができる。また、このパネル表面への指先載置により、局部洗浄を開始することもできる。更に、このLCDタッチパネル182は、そのパネル表面に画像を表示することもできるので、以下の利点がある。
洗浄ボタンの操作やパネル表面への指先載置を経た局部洗浄の開始に先立ち、あるいは局部洗浄の実施中に、肛門洗浄位置KPあるいはビデ洗浄位置BPを、パネル表面に表示できる。例えば、パネル表面において、所定の色でこの洗浄位置をポイント表示できる。よって、使用者は、局部洗浄位置をこの表示ポイントを介して間接的に確認でき、この表示ポイントを目安としてその前後・左右に指先を置くことで、洗浄位置調整を実施できる。また、この洗浄位置のポイント表示と共に、パネル表面に洗浄箇所周辺の人体輪郭を概略表示できる。このようにすれば、間接的ではあるものの人体と洗浄位置の関係を認識した上で洗浄位置調整を実行できる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、ビデノズルを、細菌生育の障害となる金属(Ag、Ni・Cr合金等)の微粒子を洗浄水噴出口周辺にコーティングしたものとできる。こうすれば、噴出口周辺に細菌を生育しにくくできるので、ビデノズルについての清潔感が増して安心感がより高まり好ましい。また、上記のビデノズルを、洗浄水噴出口周辺に光触媒の微粒子をコーティングしたものとできる。この光触媒は、照射された光のエネルギにより励起電子と正孔を生成して触媒として機能し、触媒表面の水分又は水分と酸素の存在下での水酸ラジカルの生成を経て水酸基を生成するものである。このような光触媒がコートされたビデノズルでは、コート領域表面に光照射下で常に水酸基を高密度で存在させて当該表面を高い親水性表面とすることができる。よって、洗浄水噴出口周辺に汚れが付着しても、セルフクリーニングの際にかけられた洗浄水によりこの汚れを速やかにかつ確実に除去できるので、ビデノズルについての清潔感がより一層増大して安心感が一層高まり好ましい。この光触媒としては、TiO2やZnO,SnO2等を挙げることができ、TiO2はその調達が容易である点で好ましい。