JP4207276B2 - 酸度測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はキノン誘導体、電解質、有機溶媒を混合した測定溶液に所定の濃度の被測定液を混合し、作用電極、比較電極、対極を用いて電位を掃引して酸度を測定し、温度補正する酸度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品は健康や安全面から一定の水準以上の品質が要求されるようになってきている。中でも食品中に含有された酸は食品の品質に大きな影響を与えている。この酸について説明すると、食品の酸度としては、食用油、ジュース等の果実飲料、ウィスキーや酒、ワイン等のアルコール飲料、コーヒーなどがあり、その酸の測定として従来は主に中和滴定法を使用していた。この中和測定方法には様々なものがあり、一例を上げると、基準油脂分析法、日本農林規格、JIS、日本薬局方油脂試験法、衛生試験法飲食物試験法、上水試験方法などで定められた方法があるが、いずれもその測定の基本はフェノールフタレインを指示薬としたものである。
【0003】
ところで、このような中和滴定法によらず、ボルタンメトリーによって酸度を測定する方法がある。これは特開平5−264503号公報で開示されたもので、遊離脂肪酸とナフトキノン誘導体が共存する測定電解液を電位規制法によるボルタンメトリーによって測定するものである。ナフトキノン誘導体の還元前置波の電流値の大きさが、蟻酸のような低級脂肪酸からオレイン酸やリノール酸のような高級脂肪酸まで全ての脂肪酸について、遊離脂肪酸の濃度に比例し、各脂肪酸の電流値を重ね合わせた値が脂肪酸の総濃度に対応することを利用している。すなわち、予め既知の酸度の脂肪酸において後述する図12に示すようなプレピーク電流値−酸度の関係(検量線)を作成しておけば、未知の酸度の脂肪酸をボルタンメトリーによってプレピーク電流値を検出し、この検量線によってその酸度を導き出すことができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように従来の酸度測定装置は、中和滴定法を用いているため測定者がフェノールフタレイン指示薬による色変化を判断して滴定の終点としており、測定者によってその終点がまちまちとなって、酸度が測定者によって変化する可能性があった。
【0005】
一方、特開平5−264503号公報で開示された技術は、ボルタンメトリーで用いるキノン類が光安定性に欠け測定値がばらつくという欠点をナフトキノン誘導体を使うことで解決しているが、溶液中の溶存酸素の影響を受け易く、測定前に不活性ガスで除酸素する必要があり、大規模で面倒な処理が必要なものであった。しかも、電極と測定溶液の関係、電極表面の状態によって、測定したプレピーク電流値が変化し、特に測定温度に関しては前記プレピーク電流値は敏感で、算出する酸度はこれらの変化によりばらついていた。すなわち、温度が変化すると算出する酸度も変化するという問題があるものであった。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために本発明は、簡単な構成で、溶存酸素や光の影響を受けることがなく、測定時の温度が変化するようなことがあっても温度補正して正確な酸度を算出することができる酸度測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の酸度測定装置は、容器内の共存電解液の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度検出手段で検知した温度Tから下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする。
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
(但し、θは酸度、IPはプレピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2は共存電解液固有の定数)
これにより、測定時の温度が変化するようなことがあっても温度補正して正確な酸度を算出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流のプレピーク電流値IPを検出する制御部と、前記容器内の前記共存電解液の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度検出手段で検知した温度Tから下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
(但し、θは酸度、IPはプレピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2は共存電解液固有の定数)
であるから、溶存酸素や光、測定温度に影響されず酸度を算出することができる。
【0010】
請求項2に記載された発明は、温度検出手段が、共存電解液中に浸漬した温度センサーによって直接測定溶液の温度を測ることを特徴とする請求項1記載の酸度測定装置であるから、溶存酸素や光等の影響を受けないだけでなく、測定温度に影響されない正確な酸度を算出することができる。
【0011】
請求項3に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流のプレピーク電流値IPとメインピーク電流値IMを検出する制御部を備え、前記制御部が検知したメインピーク電流値IMから下記の(4)式に従って前記被測定溶液の温度Tを算出し、下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
また、
T=X・IM 2+Y・IM+Z・・・(4)
(但し、θは酸度、IPはプレピーク電流値、IMはメインピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2,X,Y,Zは共存電解液固有の定数)
であるから、特別な温度検出のためのセンサなどを設けることなく、電流のメインピーク電流値とプレピーク電流値を検出するだけで、測定温度のみならず他の測定環境にも影響されずに酸度を測定することができる。
【0012】
請求項4に記載された発明は、オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と所定酸度の低級酸及び酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流の前記被測定試料由来のプレピーク電流値IPと前記低級酸由来のプレピーク電流値Iαとを検出する制御部を備え、前記制御部が検知したプレピーク電流値Iαから下記の(5)式に従って前記被測定溶液の温度Tを算出し、下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置。
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
また、
T=x・Iα 2+y・Iα+z・・・(5)
(但し、θは酸度、I P はプレピーク電流値、I α は低級酸のプレピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2,x,y,zは共存電解液固有の定数)であるから、被測定試料由来のプレピーク電流値と既知の低級酸のプレピーク電流値を測定するだけで、溶存酸素や光等の影響を受けないだけでなく、測定温度にも影響されない正確な酸度を測定することができる。
【0013】
請求項5に記載された発明は、(1)〜(3)式によって被測定試料の酸度を算出する演算部に代え、前記被測定溶液の温度ごとにKとkを対応させた換算テーブルを記憶した記憶部を備えて、該記憶部から読み出した温度に対応したKとkにより前記演算部が(1)式に従って温度補正を行う請求項1〜4のいずれかに記載の酸度測定装置であるから、演算部によって測定のたびごとに酸度の算出をする必要はなく、記憶部に換算テーブルをもっていれば直ちに正確な酸度の測定をすることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図20を用いて説明する。
(実施の形態1)
まず本発明の一実施の形態の酸度測定装置について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態における酸度測定装置の概略外観図である。図1において1は酸度測定装置本体、2は測定容器である。3は測定容器2を収納する収納部でスライドさせて測定容器2を出し入れすることができる。4は測定酸度を表示するLCD、5は本装置の電源をON、OFFする電源ボタン、6は測定した酸度を記憶させる記憶ボタン、7は測定を開始するためのスタート・ストップボタン、8は校正時に用いる校正ボタンである。次に、図2は本発明の実施の形態1における測定容器の断面図である。ここで、9はオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器、10は作用電極、11は比較電極、12は対極、13は温度センサー、14はセンサーカバー、15は前記作用電極10、前記比較電極11、前記対極12、前記温度センサー13、前記センサーカバー14を取り付けた容器カバーで、容器9と容易に脱着できる構造となっている。温度センサー13が直接共存電解液に触れると測定系に影響を及ぼすため、センサーカバー14で絶縁されている。すなわち、センサーカバー14はガラスなどの熱伝導性のよい絶縁体が望ましい。測定容器2は容器9内に前記共存電解液を収容するとともに、作用電極10、比較電極11、対極12、温度センサー13、センサーカバー14を取り付けた容器カバー15が共存電解液に各電極を浸漬した状態で容器9に装着されている。作用電極10の材料としては、炭素もしくはグラッシーカーボンと呼ばれるガラス状炭素や、PFCと呼ばれるプラスチックフォームを1000℃〜2000℃で焼結した炭素が適当である。比較電極11の材料としては、作用電極10で用いられる材料もしくは銀−塩化銀、飽和カロメル、銀−銀イオン、水銀−飽和硫酸水銀でもよい。対極12の材料としては共存電解液中でも腐食しないで化学的に安定な白金、黒鉛、金が望ましいが、腐食しないステンレス、アルミニウム及びその合金等であってもよい。
【0019】
次に、容器9に収容する共存電解液の説明をすると、本実施の形態1では溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、水をそれぞれ6:2:2に混合したものにオルトベンゾキノン20mM、NaCl150mMを溶解したものであって、共存電解液はこの測定溶液に被測定試料を50:1の割合で混合して用いている。このようにエタノール、イソプロピルアルコール、水の3元系溶媒を用いると、果汁のみならず、濃縮還元ジュースやインスタントコーヒーまでも溶解させることができ、従来の技術のような攪拌と遠心分離をせずとも十分に溶解し、酸度の測定が非常に簡単になる。
【0020】
ところで、本発明では共存電解液にはオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体を混合している。以下、なぜオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体を混合するのかの説明を行う。図3はオルトベンゾキノン誘導体が共存する測定電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電位−電流関係図である。図3の横軸は、作用電極,比較電極ともにプラスチックフォームカーボンを用いたときの、比較電極に対する作用電極の電位、縦軸はこのとき対極に流れる電流値である。ただ、電流値は作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった条件によって変わるものである。これに対して横軸のピークの現れる電位は酸の濃度によって若干変動はあるものの、その変動は無視できる程度のものである。図3に示すように、ベンゼン環に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体の還元電流波形(以下、ボルタモグラム)は、溶存酸素の還元波形が出現する領域から正電位側に大きく離れて出現している。実線がオルトベンゾキノン誘導体のボルタモグラムであり、破線が溶存酸素の還元波形を示すものである。図3によれば、プレピークはもとよりメインピークの位置でも溶存酸素の還元の影響はほとんど受けない。このように溶存酸素の影響のない領域でプレピーク電流値、メインピーク電流値を測定できるので、予め溶存酸素を除去しなくても、溶存酸素の影響を受けることなく、従ってバラつきもなく酸度を正確に測ることができるものである。また、パラベンゾキノン誘導体を用いても、プレピーク,メインピークの出現電位に多少の違いがあるが、図3と同様の電位−電流関係図が得られ、溶存酸素の影響のない領域で、プレピーク、メインピーク電流値を測定できる。このように、溶存酸素の影響のない領域で測定できるので、従来技術のような除酸素などは必要なく装置が小型化できる。
【0021】
ところでベンゼン環に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体は、溶存酸素の還元電位と離れた位置にプレピークをもつという上記の特性以外に、キノン類に多い光分解を起こすことなく安定した測定をすることができる優れた特性をもっている。図4はオルトベンゾキノン誘導体の構造図、図5はパラベンゾキノン誘導体の構造図である。また、図6はオルトベンゾキノンの構造図、図7はパラベンゾキノンの構造図である。図4のオルトベンゾキノン誘導体、図5のパラベンゾキノン誘導体は、図6のオルトベンゾキノン、図7のパラベンゾキノンに対して側鎖であるR部分が存在するために、光によって分解のエネルギーを与えられたとしても、側鎖Rの分子内伸縮や側鎖Rの回転のための運動エネルギーとして光のエネルギーを消費するために光分解を受けにくい。さらに、図8は3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノンの構造を示す図、図9は2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンの構造を示す図である。オルトベンゾキノンの中でも、図8に示す3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノンと、パラベンゾキノンの中でも図9に示す2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンを用いると、構造的に−tert−ブチルやメチル基がベンゼン環の中に電子を供与するため、分子構造が共役構造を取り易くなり、さらに光のエネルギーが多く吸収されるため光分解がほとんど起こらず、安定した測定が可能になるものである。
【0022】
そしてこれらのキノン類の光に対する安定性と、ボルタモグラムのプレピークが溶存酸素の還元波形からどの程度離れているかについては、次に説明するような関係がある。すなわち、光に対する安定性が高いナフトキノン誘導体のようなキノン類は、安定性が向上するに従って、ボルタモグラムのプレピーク位置が次第に負電位側によっていき、溶存酸素の還元波形と重なるような傾向をもつ。また逆に、光に対する安定性が悪いキノン類は、光に対する安定性が悪くなるに従って、溶存酸素の還元波形と重ならない方向へシフトする傾向をもつが、光の影響によって電解液自身に変化を生じ、測定値がバラついて電解液として実用性が悪くなる。そこで、光に対する十分な安定性を備え、同時にボルタモグラムのプレピーク位置が少なくとも溶存酸素の還元波形と重ならないキノン類であれば、溶存酸素の影響によらないため酸度測定装置の電解液として適した特性をもつものである。このようなキノン類として、ベンゼン環の3,5位置に側鎖をもつオルトベンゾキノン誘導体、中でも3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノンが優れ、またベンゼン環の2,6位置に側鎖をもつパラベンゾキノン誘導体、中でも2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンが優れているのである。これらは光分解を起こすことなく安定した測定をすることができ、図3に示すように溶存酸素の還元電位からプレピークが分離しているものである。なお、光に対する安定性が高く、ボルタモグラムのプレピーク位置が溶存酸素の還元波形と重ならないキノン類であれば他のキノン類、材料でも使用することができる。
【0023】
次に、本実施の形態1の酸度測定装置の制御を行う制御回路について説明する。図10は本発明の実施の形態1における酸度測定装置の回路図である。図10において16は測定時の容器9内の共存電解液の温度を検出する温度検出手段、17は掃引電圧を制御する電圧制御部、18は前記電圧掃引で作用電極10と対極12間に流れる電流を検知する電流検出部、19は酸度を算出するためのメモリー機能などを備えた制御部、20は各種操作ボタンに対応している操作部、21は算出された酸度を表示する表示部、22は酸度を算出する演算部である。
【0024】
さて、本実施の形態1の酸度測定装置を操作するときの装置の動作の説明をする。測定溶液5mLと被測定試料である果汁を0.1mL容器9に入れ、次いで容器カバー15を取り付けてた測定容器2を十分撹拌した後、収容部3を開けセットし、再び収容部3を閉じると測定可能状態となる。電源ボタン5を押して電源ONとした後、スタート・ストップボタン7を押して測定開始すると、電圧制御部17が作用電極10の電位を比較電極11の電位に対して所定の範囲で、所定の掃引速度で掃引するように作用電極10と対極12間に電圧を印加していく。このような掃引を行うことで図11に示すような還元電流波形が得られる。図11において2つのピークが存在するが、Pは被測定試料に含まれる酸に由来するプレピーク、Mは本測定で使用した共存電解液の主溶媒であるエタノールに由来するメインピークである。この時、プレピークと被測定試料に混入している酸の酸度θは図12に示すようにプレピーク電流値IPと比例関係にあることが知られている。すなわちプレピーク電流値IPと酸度θには、
θ=K・IP+k・・・(1)
の関係がある。ただし、(1)式のK、kは後述するように共存電解液の温度Tの関数であるから、温度Tが変れば図12に示すようにプレピーク電流値IPと酸度θの関係は変化する。従って、共存電解液の温度とAのプレピーク電流値Ipを測定することで酸度θを測定することができるものである。
【0025】
この関係を一例をあげて説明すると、溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、水を6:2:2に混合したものに3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン20mM、NaCl150mMを溶解したものを測定溶液として用いる。なお、電極は作用電極10、比較電極11、対極12ともにプラスチックフォームカーボンを用いている。
【0026】
まず、測定溶液5mLと2wt.%のクエン酸標準液を0.1mLを容器9に収容し、作用電極10、比較電極11、対極12を備えた容器カバー15を設置し、十分撹拌した後、共存電解液が所定の温度に落ち着くまで待って、作用電極10の電位を比較電極11の電位に対して0〜1000mVの範囲で、100mV/秒の掃引速度で掃引するように作用電極10と対極12間に電圧を印加していくと、図11に示すような電位―電流関係図が得られる。これらの操作を5℃から約5℃間隔で35℃まで繰り返し測定する。次に、測定溶液5mLと4wt.%のクエン酸標準液を0.1mLを容器9に収容し同様の測定をすると、図13に示すような共存電解液の温度とプレピーク電流値の関係が得られ、プレピーク電流値IPは次の一次関数で与えられる。図13は本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−プレピーク電流値関係図、図14は本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−A(θ)、B(θ)の関係図、図15は本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−K、kの関係図である。
IP4%=0.7804T+33.93・・・(6)
IP2%=0.3795T+18.99・・・(7)
ここで、IP2%は酸度2wt.%のクエン酸標準液を加えたときのプレピーク電流値、IP4%は酸度4wt.%のクエン酸標準液を加えたときのプレピーク電流値、Tは共存電解液の温度である。
【0027】
ところで、このプレピーク電流値IPと温度Tとの間で成立した一次関数に、酸度θがどのような影響をもつのか検討したところ、図14に示すように次のような関係が成り立つことが分かった。
IP=A(θ)・T+B(θ)・・・(8)
ここで、A(θ)=1.960×10-1・θ−1.481×10-3・・・(9)
B(θ)=7.534・θ+3.988・・・(10)
そして、この関係は基本的に他の共存電解液でも成り立ち、一般的に、
A(θ)=A1・θ+A2・・・(11)
B(θ)=B1・θ+B2・・・(12)
であり、A1、A2、B1、B2は共存電解液に固有の定数である。
【0028】
この(1)(10)(11)(12)式から、θ1,θ2に対して、
θ1=K・{A(θ1)・T+B(θ1)}+k
θ2=K・{A(θ2)・T+B(θ2)}+k
従って、
同様に、
となる。上記の共存電解液の場合には、2wt.%と4wt.%の酸度を測定して次の値を得たから、
A1=1.960×10-1 A2=1.481×10-3
B1=7.534 B2=3.988
(2)(3)式は、
K=1/(1.960×10-1・T+7.534)・・・(13)
k=−(1.481×10-3・T+3.988)/(1.960×10-1・T+7.534)・・・(14)
となることが分かる。図15に示すように、かなりの精度で(13)(14)式でK,kが予測できることが分かる。
【0029】
この(13)、(14)式から(1)式に従いそれぞれK、kを計算し、(1)式の一般式を求めると下記のようになることが分かる。
θ={1/(1.960×10-1・T+7.534)}・IP−(1.481×10-3・T+3.988)/(1.960×10-1・T+7.534)(15)ここで、θは酸度、IPはプレピーク電流値、Tは共存電解液の温度である。すなわち、共存電解液の一般的な通性として、酸度θはプレピーク電流値IPと共存電解液の温度Tの関数として表すことができるものである。
【0030】
従って、例えば、溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、水を6:2:2に混合したものに3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン20mM、NaCl150mMを溶解したものを測定溶液とし、測定試料としてクエン酸を添加して酸度を図る場合には、予め、この(15)式を制御部19に記憶させておき、測定時に電流検出部18でプレピーク電流値IPを検出し、あわせて同時に共存電解液の温度Tを温度センサー13により検知すると、(15)式から被測定試料の酸度が補正でき、正確に算出できることになる。
【0031】
【表1】
【0032】
また、(表1)に示すように(15)式をもとに予め計算した共存電解液の温度Tと温度によるK、kの値を換算テーブルの形でそれぞれ制御部19の記憶部へ記憶させておけば、測定時に温度センサー13により検知した温度におけるK、kを選択し、電流検出部18により検出したプレピーク電流値Ipから被測定試料の酸度θを簡単に算出することができる。例えば、測定時のプレピーク電流値が30μA、共存電解液の温度が25℃だったとすると、(表1)より酸度θは次式で与えられる。
さらに記憶部に換算テーブルを記憶させるのではなく、共存電解液と温度ごとの検量線の形で酸度測定装置に備え付けておき、ある温度を検出したときにはプレピーク電流値IPと該温度に対応した検量線から酸度読み取れば簡単に酸度を温度補正することができる。なお、K、kの値は基本的に(13)(14)で表されるが、一般式(11)(12)からもわかるようにK、kの実測値にわずかながら若干の変動が存在する場合もあるから、この場合には換算テーブルや検量線に実測値を与えておけばより精度が増すものである。
【0033】
このように、実施の形態1の酸度測定装置と測定方法は、溶存酸素や光等の影響を受けないだけでなく、測定温度に影響されない正確な酸度を算出することができるものである。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2の酸度測定装置の概略外観図は実施の形態1で示した図1と同様であるからここでは省略する。次に、図16は本発明の実施の形態2,3における測定容器2の断面図である。ここで、9’はオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器、10’は作用電極、11’は比較電極、12’は対極、15’は前記作用電極10’、前記比較電極11’、前記対極12’を取り付けた容器カバーで、前記容器9’と容易に脱着できる構造となっている。測定容器2は容器9’内に前記共存電解液を収容するとともに、作用電極10’、比較電極11’、対極12’を取り付けた容器カバー15’が前記共存電解液に各電極を浸漬した状態で容器9’に装着されている。
【0035】
次に、本実施の形態2の酸度測定装置の制御を行う制御回路について説明する。図17は本発明の実施の形態2,3における酸度測定装置の回路図である。図17において17’は掃引電圧を制御する電圧制御部、18’は前記電圧掃引で作用電極10’と対極12’間に流れる電流を検知する電流検出部、19’は酸度を算出するためのメモリー機能などを備えた制御部、20’は各種操作ボタンに対応している操作部、21’は算出された酸度を表示する表示部、22’は酸度を算出する演算部である。
【0036】
さて、本実施の形態2の酸度測定装置を操作するときの装置の動作の説明をする。測定溶媒5mLと被測定試料である果汁を0.1mL容器9’に入れ、次いで容器カバー15’を取り付けた測定容器2を十分撹拌した後、収容部3を開けセットし、再び収容部3を閉じると測定可能状態となる。電源ボタン5を押して電源ONとした後、スタート・ストップボタン7を押して測定開始すると、電圧制御部17’が作用電極10’の電位を比較電極11’の電位に対して所定の範囲で所定の掃引速度で掃引するように作用電極10’と対極12’間に電圧を印加していく。このような掃引を行うことで図11に示すような還元電流波形(ボルタモグラム)が得られる。この図11において、2つのピークが存在するが、Pは被測定試料に含まれる酸に由来するプレピーク、Mは本測定で使用した共存電解液の主溶媒であるエタノールに由来するメインピークである。すなわち、メインピーク電流値IMは被測定試料の酸濃度によらず常に一定の値を示す。しかしながら、温度Tに関してはプレピーク電流値Ip同様温度変化に対応してメインピーク電流値IMも変化する。メインピーク電流値IMと共存電解液の温度Tとの間には図18に示すような一次関数か、限りなく一次関数に近い二次関数で与えられる。つまり、メインピーク電流値を検出すれば容易に測定時の共存電解液の温度Tを計算することができるのである。図18は本発明の実施の形態2におけるメインピーク電流値−共存電解液の温度関係図である。
【0037】
一例をあげて説明すると、溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、水を6:2:2に混合したものに3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン20mM、NaCl150mMを溶解したものを測定溶液として用いる。電極は作用電極10’、比較電極11’、対極12’ともにプラスチックフォームカーボンを用いている。まず、酸度1wt.%のクエン酸標準液0.1mlと測定溶液5mlを容器9’に収容し、作用電極10’、比較電極11’、対極12’を備えた容器カバー15’を設置し、十分撹拌した後、測定溶液が所定の温度に落ち着くまで待って、作用電極10’の電位を比較電極11’の電位に対して0〜1000mVの範囲で、100mV/秒の掃引速度で掃引するように作用電極10’と対極12’間に電圧を印加していくと、図11に示すようなボルタモグラムが得られる。これらの操作を5℃から約5℃間隔で35℃まで繰り返し測定し、共存電解液の温度Tとメインピーク電流値の関係を求めると、図18に示すような二次曲線となる。これをメインピークIMと共存電解液の温度Tとで表すと、
T=−7.2899×10-4・IM 2+5.6298×10-1・IM−3.9664×10・・・(17)
一般式としては、
T=X・IM 2+Y・IM+Z・・・(4)
(但し、X,Y,Zは共存電解液固有の定数)
そして、IM 2の係数は(17)式においては−7.2899×10-4であるが、一次関数で表せる場合にはこの値がX=0ということになるものである。
【0038】
一方、プレピーク電流値Ipと共存電解液の温度Tは実施の形態1と同様の操作によって図15のように表せる。すなわち、酸度θとプレピーク電流値IPと共存電解液Tの温度は(15)式のようになるから、(15)式と(17)式から酸度θとプレピーク電流値IP、メインピーク電流値IMの関係は次式で表される。
K=1/(−1.429×10-4・IM 2+1.103×10-1・IM−2.401×10-1)
k=(−1.080×10-6・IM 2+8.338×10-4・IM−4.047)/(−1.429×10-4・IM 2+1.103×10-1・IM−2.401×10-1)
従って、
θ={1/(−1.429×10-4・IM 2+1.103×10-1・IM−2.401×10-1)}・IP+{(−1.080×10-6・IM 2+8.338×10-4・IM−4.047)/(−1.429×10-4・IM 2+1.103×10-1・IM−2.401×10-1)}・・・(18)
従って、この(18)式を予め、制御部19’に記憶させておけば、被測定試料の測定時に電流検出部18’によってプレピーク電流値IPとともにメインピーク電流値IMを検出すると、(18)式から被測定試料の酸度が算出できる。
【0039】
【表2】
【0040】
また、(表2)に示すようにメインピーク電流値IMから(17)式に従ってTを算出し、さらに(13)(14)式に基づいて計算したK、kの値をそれぞれ制御部19’の記憶部へ記憶させておけば、測定時に電流検出部18’によってプレピーク電流値IMとともにメインピーク電流値IMを検出し、制御部19’で検知したメインピーク電流値IMにおけるK、kを選択し、得られたプレピーク電流値IPから被測定試料の酸度θを算出することができる。なお、共存電解液のメインピーク電流値IMごとに検量線の形で換算関係を備えておき温度補正することもできる。例えば、測定時のプレピーク電流値IPが30μA、メインピーク電流値IMが150μAだったとすると、(表2)より酸度θは次式で与えられる。
このように、実施の形態2の酸度測定装置と酸度測定方法は、特別な温度検出のためのセンサなどを設けることなく、電流のメインピーク電流値とプレピーク電流値を検出するだけで、測定温度のみならず他の測定環境にも影響されずに酸度を正確にかつ簡単に測定することができる。
【0041】
(実施の形態3)
実施の形態3に記載された酸度測定装置の概略外観図は、実施の形態1の図1と同様であり、また、その測定容器の断面図及び回路図は、実施の形態2で示した図16および図17の測定容器の断面図及び回路図と同様であるので詳細な説明は省略する。図19は本発明の実施の形態3における電位−電流関係図、図20は本発明の実施の形態3におけるピークαの電流値−共存電解液の温度関係図である。
【0042】
本実施の形態3の酸度測定装置を操作するときの装置の動作の説明をする。測定溶液としてオルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した実施の形態1、2の測定溶液に予め既知の低級酸を混合したものを測定溶液として用いる。前記測定溶液5mLと被測定試料である果汁を0.1mL容器9’に入れ、次いで容器カバー15’を取り付けてた測定容器2を十分撹拌した後、収容部3を開けセットし、再び収容部3を閉じると測定可能状態となる。電源ボタン5を押して電源ONとした後、スタート・ストップボタン7を押して測定開始すると、電圧制御部17’が作用電極10’の電位を比較電極11の電位に対して所定の範囲で所定の掃引速度で掃引するように作用電極10と対極12’間に電圧を印加していく。このような掃引を行うことで図19に示すようなボルタモグラムが得られる。図19において示すように、この場合3つのピークが形成されるが、P’は被測定試料に含まれる酸に由来するプレピーク、M’は本測定で使用した共存電解液の主溶媒であるエタノールに由来するメインピーク、αは予め測定溶液に加えた低級酸に由来するピークである。このピークαは被測定試料の酸濃度によらず常に一定の値を示す。しかしながら、温度に関しては、プレピーク、メインピークと同様に、温度が変化するのに対応して変化する。すなわち、ピークαの電流値と共存電解液の温度との間には図20に示すように簡単な1次関数か、あるいは1次関数に限りなく近い2次関数で与えられる関係がある。つまり、ピークαの電流値を検出すれば容易に測定時の共存電解液の温度を予測し算出できるのである。
【0043】
この関係を一例をあげて説明すると、溶媒として、エタノール、イソプロピルアルコール、水を6:2:2に混合したものに3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン20mM、NaCl150mM、硝酸3.84mMを溶解したものを測定溶液として用いる。低級酸として本実施の形態3では硝酸を用いているが、図19に示すようにプレピークより低い電位でピークが観察されるものであればよく、濃度に関してはピークが観察できる程度の濃度であればよい。低級酸の濃度を高くすると被測定試料のプレピークと干渉し、正確な測定ができなくなるおそれがある。実施の形態3の酸度測定装置においては、電極は、作用電極10’、比較電極11’、対極12’の3電極ともにプラスチックフォームカーボンを用いた。
【0044】
まず、酸度1wt.%のクエン酸標準液0.1mlと測定溶液5mlを容器9’に収容し、作用電極10’、比較電極11’、対極12’を備えた容器カバー15’を設置し、十分撹拌した後、測定溶液が所定の温度に落ち着くまで待って、作用電極10’の電位を比較電極11’の電位に対して0〜1000mVの範囲で、100mV/秒の掃引速度で掃引するように作用電極10’と対極12’間に電圧を印加していくと、図19に示すようなボルタモグラムが得られる。これらの操作を5℃から約5℃間隔で35℃まで繰り返し測定し、共存電解液の温度とピークαの電流値の関係を求めると、図20に示すように2次曲線で示される。このときのピークαの電流値Iαと共存電解液の温度Tとの関係は次式で表される。
T=−8.1560×10-3・Iα2+1.6150・Iα−9.4370・・・(20)
次に、測定溶液5mLと4wt.%のクエン酸標準液を0.1mLを容器9に収容し同様の測定をすると、図15に示すような共存電解液の温度とプレピーク電流値の関係が得られ、プレピーク電流値IPは上記(6)(7)式で与えられる。というのは、エタノール、イソプロピルアルコール、水、3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノン、NaClのほかに硝酸を溶解しているが、硝酸は低級酸で通常被測定試料(この場合はクエン酸)のプレピークより正側に還元前置波であるピークαが形成されるため、この場合の共存電解液が示すボルタモグラムは硝酸以外の溶液のボルタモグラムに硝酸由来のピークαが重ね合わさった波形となり、プレピークでの共存電解液の温度とプレピーク電流値の関係はピークαに影響されず、(6)(7)式と同様になると考えられる。従ってK、kもプレピークでは硝酸の影響を受けず、
K=1/(1.960×10-1・T+7.534)・・・(13)
k=−(1.481×10-3・T+3.988)/(1.960×10-1・T+7.534)・・・(14)
で与えられる。そして、温度Tは(20)式で与えられるから、
K=1/(−1.599×10-3・Iα2+3.165×10-1・Iα−5.684・・・(21)
k=(−1.208×10-5・Iα2+2.392×10-3・Iα−4.002)/(−1.599×10-3・Iα2+3.165×10-1・Iα−5.684)・・・(22)
となる。
【0045】
この(21)、(22)式から(1)式の一般式を求めると下記のようになることが分かる。
θ={1/(−1.599×10-3・Iα2+3.165×10-1・Iα−5.684}・IP+(−1.208×10-5・Iα2+2.392×10-3・Iα−4.002)/(−1.599×10-3・Iα2+3.165×10-1・Iα−5.684)・・・(23)
従って、この式を予め、制御部19’に記憶させておけば、被測定試料の測定時に電流検出部18’によってプレピーク電流値IPとともにピークαのピーク電流値Iαを検出すれば(23)式から被測定試料の酸度θが算出できる。
【0046】
【表3】
【0047】
また、(2)(3)式から(表3)に示すようにピークαのピーク電流値Iαに対するK、kの値をそれぞれ制御部19’へ記憶させておけば、測定時に電流検出部18’によってプレピーク電流値IPとともにピーク電流値Iαを検出し、制御部19’で検知したピーク電流値IαにおけるK、kを選択し、得られたプレピーク電流値IPから(1)式に基づいて被測定試料の酸度θを算出することができる。なお、ピーク電流値Iαごとに検量線を備えて換算するのもよい。例えば、測定時のプレピーク電流値IPが35μA、ピークαの電流値が20μAだったとすると、(表3)より酸度θは次式で与えられる。
このように、被測定試料由来のプレピーク電流値と既知の低級酸のプレピーク電流値を測定するだけで、溶存酸素や光等の影響を受けないだけでなく、測定温度にも影響されない正確な酸度を測定することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の酸度測定装置は、簡単な構成で、溶存酸素や光の影響を受けることがなく、測定時の温度が変化するようなことがあっても温度補正して正確な酸度を算出することができるものである。温度センサーにより直接共存電解液の温度を測定すれば正確に温度補正ができるし、メインピークを用いて温度の予測ができるから、特別に検出器を設けることなく温度補正を行うことができる。さらに低級酸を添加して別のピークを形成すれば、このピークから温度が換算でき、特別に検出器を用意しないでも温度補正ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における酸度測定装置の概略外観図
【図2】本発明の実施の形態1における測定容器の断面図
【図3】オルトベンゾキノン誘導体を用いた場合の電位―電流関係図(ボルタンメトリー)
【図4】オルトベンゾキノン誘導体の構造図
【図5】パラベンゾキノン誘導体の構造図
【図6】オルトベンゾキノンの構造図
【図7】パラベンゾキノンの構造図
【図8】 3,5−ジ−tert−ブチル−1,2−ベンゾキノンの構造図
【図9】 2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノンの構造図
【図10】本発明の実施の形態1における酸度測定装置の回路図
【図11】本発明の実施の形態1および2における電位−電流関係図
【図12】本発明の実施の形態1におけるプレピーク電流−酸度関係図
【図13】本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−プレピーク電流値関係図
【図14】本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−A(θ)、B(θ)の関係図
【図15】本発明の実施の形態1,2,3における共存電解液の温度−K、kの関係図
【図16】本発明の実施の形態2,3における測定容器の断面図
【図17】本発明の実施の形態2,3における酸度測定装置の回路図
【図18】本発明の実施の形態2におけるメインピーク電流値−共存電解液の温度関係図
【図19】本発明の実施の形態3における電位−電流関係図
【図20】本発明の実施の形態3におけるピークαの電流値−共存電解液の温度関係図
【符号の説明】
1 酸度測定装置本体
2 測定容器
3 収容部
4 LCD
5 電源ボタン
6 記憶ボタン
7 スタート・ストップボタン
8 校正ボタン
9 容器
10 作用電極
11 比較電極
12 対極
13 温度センサー
14 センサーカバー
15 容器カバー
16 温度検出手段
17 電圧制御部
18 電流検出部
19 制御部
20 操作部
21 表示部
22 演算部
Claims (5)
- オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流のプレピーク電流値IPを検出する制御部と、前記容器内の前記共存電解液の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度検出手段で検知した温度Tから下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置。
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
(但し、θは酸度、IPはプレピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2は共存電解液固有の定数) - 温度検出手段が、共存電解液中に浸漬した温度センサーによって直接測定溶液の温度を測ることを特徴とする請求項1記載の酸度測定装置。
- オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流のプレピーク電流値IPとメインピーク電流値IMを検出する制御部を備え、前記制御部が検知したメインピーク電流値IMから下記の(4)式に従って前記被測定溶液の温度Tを算出し、下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置。
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
また、
T=X・IM 2+Y・IM+Z・・・(4)
(但し、θは酸度、IPはプレピーク電流値、IMはメインピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2,X,Y,Zは共存電解液固有の定数) - オルトベンゾキノン誘導体もしくはパラベンゾキノン誘導体、電解質を有機溶媒で溶解した測定溶液と所定酸度の低級酸及び酸含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電極と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するとともに、前記作用電極と前記対極間を流れる電流の前記被測定試料由来のプレピーク電流値IPと前記低級酸由来のプレピーク電流値Iαとを検出する制御部を備え、前記制御部が検知したプレピーク電流値Iαから下記の(5)式に従って前記被測定溶液の温度Tを算出し、下記の(1)〜(3)式によって前記被測定試料の酸度θを算出する演算部を備えたことを特徴とする酸度測定装置。
θ=K・IP+k・・・(1)
ここで、
K=1/(A1・T+B1)・・・(2)
k=−(A2・T+B2)/(A1・T+B1)・・・(3)
また、
T=x・Iα 2+y・Iα+z・・・(5)
(但し、θは酸度、I P はプレピーク電流値、I α は低級酸のプレピーク電流値、Tは温度、A1,A2,B1,B2,x,y,zは共存電解液固有の定数) - (1)〜(3)式によって被測定試料の酸度を算出する演算部に代え、前記被測定溶液の温度ごとにKとkを対応させた換算テーブルを記憶した記憶部を備えて、該記憶部から読み出した温度に対応したKとkにより前記演算部が(1)式に従って温度補正を行う請求項1〜4のいずれかに記載の酸度測定装置。
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